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普段はあまりテレビを見ないのですが、
この週末は結構楽しませてもらいました。
最近はありがたいことに
割と時間に余裕があります。
春ごろまでは週末も含めて
結構出張に行くことが多かったのですが
落ち着いてきていて、
この週末も完全にオフで
せっかくなので本もあまり読まないで
のんびりする時間を過ごさせていただきました。
つい最近までは「小人閑居為不善」
(小人閑居して不善をなす)ということで、
私のようなつまらないものが
暇になるといいことをしない、
と思っていましたが、
さすがに還暦近くになって、
少し人生に余裕ができてくるのも
いいことなのかなと思うようになりました。
時間が余って本も読まないということになると
私の世代なら自然とテレビを見ることになります。
おじさんのお決まりの時間の潰し方は
ゴルフと野球観戦になります。
幸いにも、最近は午前中から
ゴルフの中継をしています。
ここも世代交代で
男女とも若い人が活躍するようになってきて、
あのピリピリした雰囲気は
自分で体験するよりも
プロの試合をテレビで見せてもらうぐらいが
ちょうどいいと思っています。
そして、今年は
ひいきのプロ野球のチームが強いこともあって
野球観戦もそんなに一生懸命ではありませんが
楽しませてもらっています。
昨年久しぶりに息子に
ひいきのチームの試合ではなかったですが、
プロ野球の試合の観戦に連れて行ってもらいました。
一番、びっくりしたのは
球場内では完全に
キャッシュレスになっていたことです。
日曜日の夕方に
天気予報よりも雨の降りだしが遅くなったので
家人と近所のパン屋さんに出かけて
コーヒーとサンドイッチをいただいたのですが、
そのお店も現金は使えなくて
キャッシュレス決済のみでしたが、
本当に普段の生活では
ほとんど現金を使うことがなくなりました。
確実に時代は変わってきているのだなと思います。
土曜日には
バスケットボールのワールドカップの試合もあり、
これもテレビで堪能させてもらいました。
私は中学時代に
夏休みのハードな練習に耐えきれなくなるまで
1学期しか続きませんでしたが、
バスケットボール部に所属していたことがあります。
当時は、
練習中は水も飲んではいけないという指導で、
あまりの過酷さに吐きながら練習をしていたのですが、
それでもバスケットボールは好きなスポーツです。
それとアメリカに住んでいた頃、
ちょうどマイケル・ジョーダン選手の全盛期で
いつもテレビ観戦をしていたのですが、
久しぶりにじっくり見ると
ルールもかなり変化していて
おもしろく観戦しました。
日曜日になると開き直って、
やっぱりゴルフと野球三昧だったのですが、
もうひとつ楽しみにしているのが
大河ドラマです。
子どもの頃に大河ドラマを見て
歴史好きになったこともあり、
ほとんど録画をしてもらってまで全話見ているのですが、
今年の大河「どうする家康」は、
あまり評判がよくないということでしたが、
この原稿を書くためにネットの評判を見てみると
この日曜日に放映されたものに対しては
絶賛の声が多かったように感じました。
私も、とても感動して泣きながら
(昭和の男としては恥ずかしいのですが、
かなり涙もろいのです)
見ていました。
歴史好きの人には、
いままでの徳川家康に対する定説から
かなり逸脱しているようで、
あまり評判は良くないようですが、
よく考えてみれば
日本人の中でもっとも有名な歴史上の人物である
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を取り上げるのなら、
これぐらい思い切った解釈をしないと
いまのドラマにはならないのかもしれません。
視聴率が低迷しているという話しもありますが、
いまの時代、昔のような視聴率を取ることは
どんな番組を作っても無理だと思いますので、
これはこれでいいのだと思います。
番組を見ていない人や
歴史に興味がない人には申し訳ありませんが、
簡単に言うと、
家康の正妻で
武田勝頼と通じていたということで
殺された築山殿への評価が
いままでの歴史観と180度違う設定になっており、
それを前提にした
ナラティブになっているということの
面白さなのだと思います。
日本でも最近はナラティブが大流行りです。
ナラティブは物語という意味ですが、
ストーリーと違い起承転結がなく、
始まりも終わりもありません。
妄想ということになってしまうのかもしれませんが、
歴史の定説のようなストーリーには魅力がなくなり、
今回の脚本を書いている人は、
家康に対する
新しいナラティブを示しているのだと感じます。
ちょっと引いて考えると、
定説にしばられなくても
自分独自の勝手なナラティブをそれぞれが提示して、
それを非難し合うのではなく、
なるほどそんな見方もあるのかと
楽しめばいいのだと思います。
そして、それが集合無意識になって、
多くの方が
明るい未来を見ているナラティブを
提示できるような
境を作ることが大事なのかもしれません。
昨年の大河は
鎌倉時代を実質的に作った
北条義時を主人公にした物語でした。
いままで、
あまり取り上げられることがない人物だったので、
吾妻鏡という歴史書に則った
きちんとしたストーリーでしたが、
北条政子の解釈など
許される範囲でのナラティブになっていたと思います。
もちろん私のナラティブ(妄想)なので、
賛成してもらう必要はないのですが、
こんな視点で大河ドラマを見ていけば
楽しくなると思います。
ちなみに、いま「ザ・フナイ」に
副島隆彦先生が
歴代の大河ドラマに対する
副島先生なりのナラティブを書いてくれています。
それも、副島先生のナラティブとして
大いに楽しませてもらっています。