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金融危機の始まりか


 アメリカで銀行破綻が
相次いで2行で起こりました。
アメリカでの銀行破綻は
リーマンショック以来ということで、
FRBによる金融引き締めの副作用が
目に見える形で現れたと言ってもいいのではないでしょうか。

象徴的なのは
シリコンバレー銀行の破綻。
個人客を対象としていない銀行で、
預金の大半が
ITベンチャー企業のものだという話ですが、
とりあえずは預金が
全額保護されることが迅速に発表され、
これ以上のバンクラン
(銀行に預金を引き出す人が列をなして並ぶ状態。
銀行は資産額以上の貸し出しを行っていて、
バンクランが発生すれば
どんなに優良な銀行であっても
倒産する可能性はある)
は止まりそうです。


 倒産の原因となったのは
債券運用の損失が出たことがSNSで話題になり、
情報に敏感なシリコンバレー企業が
バンクランに走ったことにあるようです。
アメリカの金融関係者も
同行が危機にあるという
認識を持っている人はほとんどおらず、
どうもブラックスワン
(通常スワンは白いのですが、
まれに黒い白鳥が見つかること。
予期せぬ事態が起きて大惨事になることの象徴)
の臭いがすると
敏感になっている人もいるようです。

債券価格と金利は
逆の相関関係にあります。
いまのアメリカのように
金利が上がっている状態のときは、
債券価格は安くなっています。
運用でアメリカ国債などの
債権を多額に抱えていた同行は
売却損を出すことで
健全性をアピールする狙いだったようですが、
完全に裏目に出たようです。


 たまたま今週に入って、
証券会社の元幹部の方に
会う機会があったのですが、
どうも日本の地方銀行でも
国債を大量に保有しているところは
かなりの含み損を抱えているので
危ないのではと
噂されているところもあるようです。

アメリカの影響を受けて
日本の株式市場も大きく下げていますが、
特に銀行株が売られているのは
この辺りの連想があるからなのかもしれません。
シリコンバレーという
ハイテク地域を象徴する
銀行がつぶれたことは印象的なので、
これが直接の金融危機に発展するとは思いませんが、
ちょっときな臭いような感じはあります。

 
(引用開始)

金利がここまで上昇してくると、
史上空前の世界的な金融緩和で踊ってきた
金融マーケットや企業経営に
影響が及んでくるのは避けようがない。
現に、米国の債券市場は
昨年の 2022年に
18%を超す下げとなっている。
当然のことながら、
ここまでの金利コスト上昇分だけでも
企業経営に重くのしかかって くる。
それがジャンク債など
低格付け債を発行している企業の経営を襲うと、
デフォルト(債務不履行)発生となり、
債券価格全般の急落につながっていく。
債券市場が大きく崩れると、
債券の流通利回りは急上昇する。
それを市場金利の上昇と いうが、
一度始まるともう止めようがない。
その時は、もはや政策金利がどうのこうのなど
太刀打ちができない。
あっという間に、
金利水準全般が跳ね上がっていく。

(中略)

もっとも、その前に
空前の金融緩和政策に乗ってきた
カネ余りバブル相場が崩れ出していよう。
つまり、世界の債券や株式市場全般が
ドスーンと下げるわけだ。
その大きなふるい落しの先に、
玉と石コロとの選別が始まるのだ。

多くの投資家が吹き飛ばされよう。
それは個人投資家だけではない。
年金などを運用し ている機関投資家も
同様にバブル崩壊の地獄に叩き落されることに。
機関投資家は運用のプロといわれるが、
ひたすらマーケットを追いかけては、
日経平均株価などのベンチマークから
つかず離れずをもって運用しているだけ。
たしかに、1秒間に 1000回を超す
売買を繰り返したりの
高度なディーリング運用など、
テクニックはすごい。

しかし、しょせんは株価動向を追いかけるだけの
ディーリング運用である。
金融緩和バブルが吹き飛び、
株式市場が大崩れしだしたら、
一巻の終わり。
彼らの運用とやらは
マーケットと一緒に
暴落相場のドロ沼に沈んでいく。
そうなってくると、
本格派の長期投資家のみが生き残る。
というか、
1980年代から
どんどん絶滅危惧種的な存在に追いやられてきた、
われわれ長期投資家の復権だ。
長々と前口上を続けてきたが、
ようやく本物の長期投資が
真価を発揮する時が到来しよ うとしている。

(引用終了)


澤上篤人、渡部清二著
本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる
(かや書房)
の澤上先生の
「はじめに」からの引用ですが、
まさにここで澤上先生が書かれている
危惧が現実化してきたと言えそうです。

時代は大きく変化しそうな気がします。
私は必ずしも
澤上先生と同意見だというわけではありませんが、
これを機会に
「さわかみ投信」を
買ってみようという気にはなってきました。

投資は自己責任で行っていただかないといけませんが、
ご自分のナラティブ
(起承転結がない物語、妄想と考えてもOK)
を作っていただいて
一歩を踏み出す時なのかもしれません。

本書はとても面白かったので、
きっとナラティブづくりに役立つような気がします。
澤上先生超一流のナラティブを
味わえるという意味でも面白いので、
いままで投資に縁遠かった方でも
本書ぐらいからぜひ
勉強を始めていただければと思います。




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