サイトマップ

特別情報

« 前の記事を読む | BLOGトップ | 次の記事を読む »

顔見世興行


 今年最後の出張は京都でした。
年の瀬の京都の町は勢いがあり、
コロナの感染者の方は増えていますが
行動制限がない中で
多くの人が町に出かけていました。
あえて、混んでいるところに行くことはないと思って
錦市場などには出かけませんでしたが、
まだお正月の準備には間がありますが、
たくさんの人たちが
師走の買い物を
楽しんでいらっしゃるのだろうと思います。

私などは、出張に出かけても
ほとんどお土産などを買うことはありません。
今回は家人と一緒に出掛けたのですが、
いつの間にか
いろいろお土産を購入しています。
やっぱり経済は
女性が回すのだなあと感じています。


 今回の京都の訪問のメインの目的は
恒例の南座の歌舞伎の顔見世興行を
観させていただくことでした。
若い頃、ちょうど12月に
海外からきた友人を
京都にご案内する機会がありました。
古い話なのでよく覚えていませんが、
多分大阪から阪急電車で河原町駅について
清水寺などを案内しようと思ったのですが、
その時、ちょうど南座の前を通って、
もしチケットがあったら
歌舞伎を見せてあげるのもいいかなと思って
チケットオフィスに立ち寄ったのです。
売り場の係員の方に、
顔見世のチケットが余っているわけがないでしょうと
京都の人特有の嫌味を言われた気がして、
いつかはリベンジしたいと思っていました。


 京都で時々泊めていただいている
ホテルからご案内をいただいて、
顔見世興行とセットの宿泊プランがあることを知り、
ちょうど名古屋まで行く予定が入っていたので、
その翌日に
京都に行くことにさせていただいたのです。
その日がちょうど興業の千秋楽で
かつクリスマスでした。
京都に住んでいる息子もやってきて、
ホテルのレストランで
ランチを楽しませていただいたのですが、
当然のように満席でしたが、
食事の美味しさにちょっとびっくりしました。
やっぱり京都の食べ物は
一味違うように感じます。
きっと食べる方のレベルが高く、
手を抜くとすぐに嫌味が返ってくるので
この美味しさが保たれているのだと思います。


 南座の顔見世興行は特に有名で
他の月よりも
東西の豪華俳優が出演するようになっています。
私はちょっとだけ知り合いの
上方歌舞伎の第一人者が
主役で出演する演目を選んで
観させていただいたのですが、
東京からの
テレビでよくお顔を拝見する
俳優さんも多数出ており、
やっぱり有名な方の演技は、
歌舞伎はまったく素人の私から見ても
素晴らしいものでした。

大満足で劇場を後にしたのですが、
お昼を食べ過ぎていたので
夕食はルームサービスを一人分頼んで
二人でシェアをしたものと、
家内がよく知っている
有名なパン屋さんの食事パンを
1個ずついただいて
早めにやすませていただきました。


 せっかくのクリスマスディナーなので、
冷蔵庫の中に入っていた
ハーフボトルのシャンパンを飲ませていただいたのですが、
一流ホテルのレストランのルームサービスも
大変満足のできるお味でした。
そのルームサービスは、
京都で時々行くフレンチレストランのシェフが、
そのお店がいっぱいだった時に、
うちより美味しいからと
自信をもってすすめてくれて、
予約まで取っていただいたことがある
中華料理店のものでした。

チェックアウトで精算しているときに
気が付いたのですが、
一人分の料理の値段と
シャンパンの値段が
ほとんど同じだったのですが、
部屋にちゃんとシャンパングラスも用意されていて、
満足感が大変高いものになりました。


 翌朝、東京での仕事に間に合うように
早い時間の新幹線に乗ったのですが、
京都駅まで乗せていただいた
個人タクシーの運転手さんに、
なんで顔見世というのですか
と聞いてみました。
そうすると、
江戸時代の歌舞伎役者は
芝居小屋と1年契約で
ちょうど新しい契約を11月に更新したので、
11月から契約になった役者の
顔見世興行を行ったのが
由来だということです。

インターネットで調べてみると、
江戸時代後期には
1年契約が曖昧になってきて
その風習はなくなったのですが、
京都南座だけは
いまに至るまで
名物興行になって続いているようです。


 伝統を大事にする
京都らしいエピソードですが、
今回は京都のいいところを
体験させていただく旅になりました。

私は、日本人の中で
世界に対抗していけるだけの
いい意味でのずるさを持っているのは
京都の人なのではないかという
仮説を持っています。
そのずるさや嫌味は
きっと伝統を大事にして、
本当に美味しい店を大事にしながら、
それを守り続けている日頃の暮らしから
きているのではないかと思っています。
私たちも京都の良さを見習って、
たくましく生きていく術を
身につける努力が必要だと感じます。
美味しいものを食べながら、
超一流のホテルのサービスと、
超一流の役者の芸を楽しませてもらった、
贅沢な学びの旅で
1年を締めくくれて幸せです。


 本年も大変お世話になりました。
来年もにんげんクラブを
どうぞよろしくお願いいたします。



カテゴリー

月別アーカイブ



  • zoom寄合
  • にんげんクラブストア
  • 秋山峰男の世界
  • やさしい ホツマツタヱ
  • 舩井幸雄記念館
  • 黎明
  • 船井幸雄.com
  • ザ・フナイ
  • ビジネス共済なら協同組合企業共済会
  • Facebookページはこちら
  • スタッフブログはこちら
グループ会社
  • 舩井幸雄.com
  • 本物研究所
  • エヴァビジョン
  • ほんものや