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僕が地球にやっ て来たワケ 第44回


最近思うこと

にんげんクラブ WEBサイトより
ウィークリーレポート( 2/2 更新)

数学は百姓仕事に似ている

高瀬正仁著
「紀見峠を越えて」
(萬書房)を読みました。
文化勲章受章者で
日本を代表する世界的な数学者である
岡潔先生の業績を綴ったエッセイ集です。

紀見峠は和歌山県にあり、
ここで岡先生が育ち、
大学を離れてこの場所に籠って
世界的な研究成果を成し遂げた場所でもあります。

エッセイの始まりは、
数学者であり数学史家でもある
九州大学教授の高瀬先生
(日本を代表する岡先生の研究家でもあります)が、
30歳の若手数学者であったときに、
はじめて紀見峠を旅するところから始まっています。


 岡先生は明治34(1901)年に大阪で生まれて、
ほどなく両親の故郷である紀見峠に移ります。
京都大学理学部を卒業後フランスに渡り、
広島文理科大学助教授になりましたが、
昭和13(1938)年には
休職してそのまま退職。
昭和24(1949)年に
奈良女子大学の教授になるまでは、
紀見峠に籠って極貧の農業生活を送りながらも
世界的な研究を成し遂げます。

売れるものは全部売ってしまって、
芋を作り飢えをしのぐ日々を過ごしながら、
多変数函数論という
20世紀の数学の概念を形づくる
論文を完成させるのです。


 その成果は
昭和30(1955)年にフランスの学会誌に掲載され、
この業績が
本当に日本人のひとりの研究者によって
なされたものかどうかを確かめるために、
はるばるフランスから
当代の超一流の数学者が
奈良の岡先生の家まで訪ねてくるという
エピソードがあったそうです。

岡先生は生涯に
3つの数学的な大業績を打ち立てました。
普通はどんな大学者であっても、
生涯に打ち立てられる偉業は
ひとつであるのですが、
数学の研究に関係ない
余計なことは一切興味がなかった岡潔は
一人で3つもの世界的な業績をあげたというのです。


 岡先生が一般的に有名になったのは
昭和38(1963)年から
昭和44(1971)年にかけて出した
エッセイなどの
数学に関係のない書き物が
ベストセラーになったからです。
特に、昭和一桁生まれから
戦中派ぐらいまでの年代の方には人気が高く、
ちょうどこの世代にあたる両親も
岡先生の大ファンでした。
特に父は
情緒が分からないことを
自慢しているぐらいの人でしたが、
数学の問題を解くためには
情緒が大切であるという岡先生の言葉に
ずいぶん考えさせられた
というようなことを話していました。


 岡先生は昭和35(1960)年に
文化勲章を受章しています。
その時に昭和天皇から
「数学とはどういう学問か」
というご下問があったそうです。
そうすると岡先生は間髪を入れずに
「数学とは生命の燃焼であります」
と奉答したというエピソードを、
その場に臨席した
当時の荒木文部大臣が後年語られているようです。

古今東西の数学者の中で、
数学を命の燃焼であると考えている人は
岡先生一人であり、
そういう発想の中から
数学的な問題の解決には
情緒が大切であるという考え方が
生まれてくるのだと感じます。


 岡潔がエッセイとしてはじめて出版した
「春宵十話」(角川ソフィア文庫他)に
書かれている数学の本質を
引用させていただきます。


 
(引用開始)

 また、数学は物理に似ていると
思っている人があるが、
とんでもない話だ。
職業にたとえれば、
数学に最も近いのは百姓だといえる。
種子をまいて育てるのが仕事で、
そのオリジナリティは
「ないもの」から「あるもの」を作ることにある。
数学者は種子を選べば、
あとは大きくなるのを見ているだけのことで、
大きくなる力はむしろ種子の方にある。
これにくらべれば理論物理学者は
むしろ指物師に似ている。
人の作った材料を組み立てるのが仕事で、
そのオリジナリティは加工にある。
理論物理学は、
ド・ブロイ、アインシュタインが相ついで、
ノーベル賞をもらった一九二〇年代から
急速にはなばなしくなり、
わずか三十年足らずで
一九四五年には原爆を完成して広島に落とした。
こんな手荒な仕事は指物師だからできたことで、
とても百姓にできることではない。

(引用終了)


 高瀬先生には10年ちょっと前に
お会いしたことがあります。
にんげんクラブの会報誌の取材だったのですが、
まだ父が存命で、
父の意向をよく知っていた
こだまゆうこさんの取材について行ったのですが、
数学の話はまったく分かりませんでした。

でも、とても面白かったのを
いまでもよく覚えています。
近代数学の中で、
「ないもの」から「あるもの」を提示できたのは、
オイラー、ガウス、岡の3人だけで、
それ以外の数学者は
彼らの提示したものを
ああでもない、こうでもないと
分析しているに過ぎないとおっしゃっていました。


 最近は、独立研究者という人たちが増えています。
高瀬先生の本のことも、
実は数学の独立研究者の森田真生さんの
「数学する身体」(新潮文庫)を読んで、
森田さんが岡先生の大ファンであることが
書かれていて知りました。

高瀬先生の本を読んでいると、
紀見峠に籠って研究していた頃の岡先生は
まさしく独立研究者の
走りであったのかもしれないと感じました。


 また、従来の学者の枠に収まらないという意味では、
台湾の行政院政務委員(デジタル担当、
日本で言えばデジタル担当国務大臣に相当)の
オードリー・タン氏も
独立研究者なのかもしれないと
近藤弥生子著
「オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと」
(ブックマン社)
を読んで思いました。

楽しいことだけをしている、
大学や学会の政治活動から
解放されている研究者たちを
岡潔から順に見ていくと、
未来が見えてくるような気がします。


ウィークリーレポート( 2/17 更新)

パラダイムシフトを超えて

はせくらみゆき先生の
「パラダイムシフトを超えて
 いちばん大切なアセンションの本質」
(徳間書店)
を読ませていただきました。

本文の中にも紹介されている
故・川田薫博士、はせくら先生と3人の共著で
「新生地球の歩き方」
(きれい・ねっと)を書かれている
きれい・ねっとの山内尚子社長と
はせくら先生のことを話していて、
山内さんが
すごい本だからぜひ読んだ方がいい
と教えてくれたのがきっかけになりました。


 読んでびっくりしたのは、
とても難しい最先端の理論物理学の解説を
とてもわかりやすくされていることです。
はせくら先生は難しいことを簡単に伝える天才です。

私は
「チェンジ・マネー」(きれい・ねっと)、
「お金は5次元の生き物です」(ヒカルランド)
という2冊のお金に関する共著があるのですが、
お金の本質を単著の
「宇宙を味方につける リッチマネーの秘密」
(徳間書店)
という本の中で、
私が解説するより
はるかにわかりやすく
まとめていらっしゃるのを読んで
感心したことがあります。


 今回の本も、
物理学者の保江邦夫先生や
周藤丞冶さん
(「いざ高次元世界へ 精神文明の夜明けに」
(きれい・ねっと)
という難解な著書があります)
の量子力学に基づく素領域の研究や
超弦理論の研究に基づく最先端の理論物理学の世界を
はせくら先生流に
わかりやすく解説している本だと私には読めました。

はせくら先生の本は
わかりやすく読みやすいのが真骨頂です。
お金の本にしても、
スラスラ読めてしまって
そんなに無理なく本質を理解することができます。

ただ、私が変に物理の知識があるからかもしれませんが、
今回の本はけっこう読むのに苦戦しました。
それだけ大事な本ということになるのかもしれません。


 お金のことも
実は今回書かれている
物理の知識に基づいて
お金とは何かという本質を
はせくら先生と話し始めたのがきっかけになりました。

理論物理学は
はせくら先生の最も大事にしている
専門分野ということになるのかもしれません。
特に、今回のテーマは
マルチバース(多宇宙)の話や次元論など
かなり難解な話を扱っているのですが、
ここまでわかりやすく書けるのは
もはや才能を超えて、
宇宙のサポートを得ていると考えるしかないと思います。


 ただ、はせくら先生らしいのは
ワークをたくさん紹介していて、
たとえ内容がなかなか理解できなくても、
ワークを実践している内に
頭ではなく
身体で理解できるようになるということです。

このサービス精神もはせくら先生の真骨頂です。
私のような理屈派も
理屈よりも実感を大事にされる実践派も
どちらも満足させる内容になっているのです。

そして、はせくら先生が素晴らしいのは
一般読者向けに
わかりやすさを優先しているにも関わらず、
理論的な裏付けも
きちんとなされているということです。


 反理論派の先生の本を読むと
ここら辺がいい加減なものを結構見かけます。
量子力学で
スピリチュアルな世界の解説をしている本も
最近は増えましたが、
上記の周藤さんと話していると、
物理学者から言わせると
とても許せないような暴論が平気で書いてあって、
読む気にならないものが大半だということです。

学者の世界は厳しい世界で、
一度でもいい加減なものを発表してしまうと
研究者人生が終わってしまうそうです。
大半の物理を使って
スピリチュアルな世界を解説したものは、
すぐに専門家ではない人が
いいとこ取りで引用していることが分かるので、
専門家からすると
読むに値しないものになるのだそうです。


 はせくら先生のすごいところは、
お金のことなら
私のような理屈屋も
物理のことなら
保江先生や周藤さんなど
命がけで宇宙の秘密を解き明かすべく
切磋琢磨している専門家すらも
納得させるだけの理論構築が
しっかりとなされていることにあると思います。

本来は芸術家であるはせくら先生が
ここまでしっかりした本を書けるのには
唖然としてしまいます。
実際にマルチバースを生きて
自由自在に次元を超えている
はせくら先生だからこそ
できることなのだろうと思います。


 ぜひ、巻末に紹介されているワークに挑戦して、
そんなレベルになることに
挑戦していただきたいと思います。
先週紹介した清水浦安先生も覚者ですが、
はせくら先生も
間違いなく悟りの境地に至っています。

おかげさまで、
私の周りにはこんな人が
たくさんいらっしゃるように感じているのですが、
やっぱりみなさんとても謙虚であることが
今の聖人の特徴なのだとも感じます。

そういう意味では
いい時代になりました。
父の頃は、
覚者にはバランスを欠いた先生がほとんどで、
それは社会がまだ全然
そのレベルについてこられていなかったので、
突出する必要があったのだと思います。


 今回の私の一番の収穫は、
言霊のことを
理屈ではなく感覚的に
かなり理解できたことです。

最近、日本人の科学者の
ノーベル賞受賞者が多くなってきたのは、
日本語で思考できることが
大きな理由ではないか
という意見を聞くようになりました。

一般的には日本語という母国語で
ある程度の科学的な論考を進められる
アドバンテージのことを言うのですが、
はせくら先生の独自分野ともいえる言霊学から考えると、
日本で考えているからこそ
到達できる領域があるのかもしれません。



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