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僕が地球にやっ て来たワケ 第23回

最近思うこと

「舩井さん、アフターコロナの世界についてお聞きしたいです。
令和のはじまりの年の冬から春、たった1つの季節の移ろいの中で、
ここまでそれぞれの日常が変わると、誰が予想したでしょう」
そんなメールを頂きました。休暇として、逆にお仕事のかき入れ時として、
毎年ゴールデンウィークを過ごしていた日本中の人が、緊急事態宣言の
延長で身動きが取れずに「黄金週間が早く過ぎますように」と皆で願った
のは、今までになかったことだと思います。

皆さんとお目にかかれる貴重な機会である、にんげんクラブ主催の私と
村松祐羽先生の講座が早々に中止になり、こんなときこそ存分に
皆さんと語り合いたいと、もどかしい気持ちになっていました。


ギグ・エコノミー

アフターコロナは、まず日本人の働き方、生活様式が大きく変化すると
思います。 「ギグ・エコノミー」という言葉をご存じでしょうか。
アメリカの著名な起業家支援団体のシニア・フェローであり、ビジネス
スクールの講師もされているダイアン・マルケイ氏の2017年のベスト
セラー『ギグ・エコノミー 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方』
(日経BP社)等で有名になった新しい言葉です。

ギグという言葉、簡単に説明すると「単発」という意味です。音楽が
好きな人には、短いセッション演奏や、一夜限りのイベントを示す
「ライブ・ギグ」というキーワードでおなじみなのではないでしょうか。
「ギグ・ワーク」とは、インターネットを通じて、単発の仕事を請け
負う働き方です。有名なのは、 U b e r E a t 、それからフリーランスの
デザイナーのようなクリエイターが、クラウドサービスと呼ばれる
サイトで募集される専門性の高い単発の案件を請け負うものなどが
あります。

日本でも若い人を中心に随分浸透してきてはいますが、比べ物に
ならないくらい中国ではポピュラーな働き方です。なぜ、中国で
急速に爆発的に浸透したのか。ご存じの方も多いと思いますが、
中国は信用スコア社会です。AIを駆使して全人民の行動をスコア化し、
信用度合いがデータとして共有されています。

日本だと、似たようなものに、クレジットカードやローンの与信が
あります。ローンを組むときの金融機関の審査であったり、消費者
金融を使うとそのデータが業界で共有されることは、昔の私の愛読書で
あった故・青木雄二氏の名作漫画『ナニワ金融道』が有名にしました。
中国の場合、この信用情報の内容が、個人の行動領域としてとても
広いのです。それは、犯罪歴といった大きなものだけが履歴に残るわけ
ではないのです。

昨年、中国では有名な格闘家の徐暁冬(じょぎょうとう)氏が
失信被執行人リストに載って高速鉄道(日本でいう新幹線)に乗れなく
なったことが話題になりました。その理由は、彼はいわゆるビッグ
マウスで他の格闘家の悪口を言って名誉棄損で訴えられて敗訴し、
賠償金と公開謝罪を命ぜられました。賠償金は支払ったのですが、
公開謝罪を拒否。そこで判決不履行ということでリストに載り、
それが理由で切符を買うには身分証明書が必要な中国で高速鉄道に
乗れなくなってしまったというのです。それでも公開謝罪はしたくない
ので、鈍行列車に乗って巡業を回っているそうです。

これとは違うのですが世界最大のEC (イーコマース:通販)企業の
アリババが運営する芝麻(ジーマ:胡麻という意味)信用という
信用スコアがあり、大半の中国人がこれを持っています。例えば
レストランで悪質なクレームをつけた客から、合コンでのひどい
振る舞いのようなものまで、逐一信用履歴に傷が付く仕組みになって
いて、そのチェック事項は多岐にわたります。これらにネガティブな
情報が蓄積されると、就職などに不利になるだけでなく、シェア
サイクルの自転車をレンタルする際もデポジットを取られる、といった
日常生活に大きな制約が起きるようです。ご興味のある方は
幸福な監視国家・中国』 (NHK出版新書)という本が詳しいので、
どうぞご一読ください。

我々の感覚だと、個人情報が極端に管理され、プライバシーがない
じゃないか、となりますが、あちらの国の感覚だと、プライバシーを
失ってもいいから、便利な方がいいとなります。管理社会に
がんじがらめにされて、不正があると、大岡裁きをしてくれることを
期待する国民性なのです。


逆境に強い働き方

前置きが長くなりましたが、信用スコアの発達のせいで、前述した
ギグ・ワークスの雇用主は求人採用をやりやすいのです。それから
働く側にとっての人気の秘密は、欧米のようにチップがもらえること
です。U b e r E a t の北京でのチップ込みの1カ月の報酬は、
8000元から1万元だそうです。大卒の初任給が5000元、フルタイムの
最低賃金が、だいたい4000元なので、どこかの組織に属して働くより
ずっと自由でかつ割りがいいのです。

日本で今のところ中国のような信用スコアシステムがスタートするとは
思えませんが、企業としてはフルタイムで固定給を支払う社員の
ランニングコストを考えると、日本でもギグな雇用が増えることは
間違いないようです。副業奨励もかなりの企業で広がっているのは
周知の通りです。

船井総合研究所はおかげさまで今年で50周年を迎えましたが、社員の
平均年齢は20歳代です。コンサルタントは特に適性に左右される
職種ではあるので、すぐに転職する人も決して少なくはありませんが、
実力のあるコンサルタントは30歳代後半で独立するので、前述の
ように平均年齢の若い、新陳代謝が激しい業界になります。
似たような企業で頭に思い浮かぶのは、リクルートです。若いうちに
猛烈に働いてノウハウを叩き込み、独立、もしくはより専門性の高い
会社に転職することは全くタブーとされていない会社です。

他にも私のお付き合いのある経営者でも、自分で会社を潰 つぶして
しまってその後コンサルタントとしてほぼ一人で活動している方は、
おおむね生き生きと幸せそうに働いています。会社を潰すという
修羅場ともいえるヘビーな体験をしている人は、漏れなくその後の
逆境にとても強くなっています。私にとっても馴染みの深い
コンサルタントという職業、そして、若いときに、外資で修業して
いったん海外に出て帰国して、アントレプレナーになる人たちなども、
「包丁1本さらしに巻いて」的な、ギグな働き方に含まれるように
思います。

変化するライフスタイル

今回、自粛期間にテレワークになり、空っぽのオフィスの賃料だけが
出ていくのがもったいないと一部のフロアを残して解約してみたら、
今後の見通しも問題ないと分かったとされる企業のニュースもあり
ました。社員全員の机は不要で、出社する人だけのフリーアドレスに
するスペースの試算をしてみたら、ランニングコストが大幅に節約
されたというのです。このような動きはどんどん加速して行くこと
でしょう。

シェアオフィスも増えると予想されるので、各地のビジネス拠点で
リモートワークができるとなれば、子どもを連れての働き方も可能に
なることでしょう。週1、いや月に1回の正式出勤で良いとなれば、
もはや首都圏に住む必要はありません。満員電車に揺られる必要が
ないだけでなく、地方は物価が安いので、生活に余裕が生まれます。
新幹線のとまる駅から車で3時間、のような地方で、「半農」を
しながらというライフスタイルが徐々に浸透していく未来も遠く
ないかもしれません。また、日本の農業従事者が現在65歳以上が
多数ということを考えると、食糧の自給率問題も解決できるでしょう。

いろいろと書いてきましたが、このような可能性に満ちた働き方の
変化は、 「見えない世界が見える自由な時間が増える」という観点に
おいて、にんげんクラブの会員のみなさんの進取の気性のマインドに
非常にフィットしているように思えます。

『夜と霧』のフランクルの言葉を思い出します。
「私たち人間がなすべきことは生きる意味があるのかと
『人生を問う』のではなく、人生の様々な状況に直面しながら、
その都度『人生から問われていること』にただただ全力で
応えていく、それだけだ」と。
新型コロナは、今、私たちに何を問うているのでしょうか。
何かを学ぶ機会だとしたら、それに全力で応える姿勢こそが、
自分の人生をよりよく生きていくよすがだと思うのです。
この変化を恐れず、歓迎する、そんな私たちでいたいものです。




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