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小説に思いを託す 

    
 父はおそらく400冊を超える本を出版させていただいてこの世を去り
ました。文章に関しては絶対の自信があり、特に気合の入った原稿を
書くときには、自分専用の原稿用紙に万年筆で執筆していました。
最良の読者は母で、書きあがったばかりの原稿を母に見せてその論評を
聞くのが大好きでした。

 父と母は、出会った頃はまったく恋愛感情がなく、父から見ると母は
可愛い妹のような存在、母から見ると父は聡明なお兄さんのような存在
だったそうです。

 少しスピリチュアルな話になりますが、母から見ると父は10歳近く
年上で、私も人のことは言えませんが、いわゆるハゲ・デブ・チビの
3拍子が揃っていて、しかも死別した前妻との間に小さな子どもまで
いました。さらに、その頃の父はまだ経営者として成功していたわけ
ではなかったので、貧乏生活を覚悟しなければならない状況でした。

 もうひとつ付け加えると、母は虫を見ると卒倒してしまうぐらいの
性格なのに、結婚当時の舩井家の本業は農家で、父は兼業農家として
コンサルタントをしているような状態でした。当然、母も農業をする
ことを期待されていたのですが、虫を見ると倒れるのではとても無理
だったのだろうと思います。

 それなのに、一体なんでお父さんと一緒になったのかと尋ねたこと
があるのですが、その時母は「だって、いつも話している人が一緒に
なってあげたらいいよと言うんだもの」という話をしてくれたのです。
母はある時まで、みんながそうだと思っていたようですが、いつも
会話をしている目に見えない存在がいて、何でもその人と相談して
行動を決めているようなのです。そして、その人がぜひ父と結婚したら
いいよと話したので、結婚を決めたということだと思います。

 父は典型的な大阪人(河内人)で合理的な考えをする人でした。私も
同じ気質を受け継いでいるのでよく分かるのですが、はっきり言えば
ケチです。気合の入った本の原稿を書くときのために専用の原稿用紙
まで作っているのに、例えば、インターネットに載せるような原稿なら、
コピー用紙の裏に書いてそれをFAXで送っていました。それでも、内容
はしっかりとしたものを書いていたのだから、そこはさすがだと思うの
ですが、そんなところをケチらなくてもいいのにとも思ってしまいます。

 そんな父ですから、何でもあげてしまう母と結婚した時はびっくり
したようですが、後年になってそのおかげでツキが回ってくるように
なったと喜んでいたものです。父の死後、母は舩井幸雄記念館を作って、
そこに来てくださるお客様と父の話をするのを生きがいにして元気に
暮らしていますが、「お父さんはお金を使うのが下手だったから、
これからは私が代わりに使ってあげる」と言っています。もしかすると、
そのおかげで、舩井家にはますますツキが回って来るかもしれませんね。

 母は父の頭の良いところが好きだったようです。円周率を何十桁も
覚えていて、物理的にはそんなところに対して恋愛感情を持ったので
しょう。そして、父は母が文学少女だったところに好意を寄せていたの
だと思います。

 そんな父の夢はいつか小説を書くことでした。父は人生の後半、目に
見えない世界のことをたくさん書いて世の中に知らせる役割を果たす
ようになりました。記念館に来てくださるお客様の中には、そんな本に
出会って人生が変わりましたと言ってくださる方がたくさんいます。

 でも、父は自分が書く本ではいろいろ制約があって、言いたいことを
ストレートに書けないことが残念でならなかったようです。だから、
夢は小説で制約なく言いたいことを表現することだとよく話してくれま
した。でもそこには、文学少女だった母に喜んでほしいという気持ちも
あったのだと思います。ただ、小説を書くのには違う能力がいるのか、
結局夢が叶うことはありませんでした。

 先日、赤塚高仁さんに中村文昭さんの小説『あの日ののぞみ246号
(センジュ出版)を紹介してもらいました。文昭さんの自伝的な要素も
たくさん入っている小説でしたが、あまりにも面白くてあっという間に
読み終えてしまいました。高校生の頃の恋愛についても書かれていて、
小説として大事な要素もしっかり取り入れた構成になっています。
他人とはまったく違う人生を真剣に生きている文昭さんの真骨頂を
感じられる本当に楽しい本でした。

 小説と言えば、現代国語のカリスマ予備校講師で「論理エンジン」
というすばらしい解読方法を編み出した出口汪さんにも『水月
(講談社)という小説があり、親しく話している時に一番読んで欲しい
本は『水月』だと話してくれました。こちらは、高尚過ぎて私にはもう
一つピンときませんでしたが、汪さんのような天才でもやっぱり本当に
言いたいことは小説という形で著わしたいのだなと思いました。

 そう考えると、もしかしたら中村文昭という人物に最初に触れるのに
は『あの日ののぞみ246号』が一番いいのかもしれません。悩んでいる
中高生や、そんな子どもたちの子育てに悩んでいるお父さんお母さんが
読むと、とても元気になるお話なので、ぜひ手に取って読んでいただけ
ればと思います。




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