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妻のトリセツ 

      
 「にんげん」は千差万別だからおもしろい。でも、ついつい自分の
基準で人のことを測ってしまっているのもまた「にんげん」です。

 最初は本屋さんで見つけた『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(白泉社)
という武田一義さんの漫画のことを書こうと思ってパソコンに向かった
のですが、なかなか筆が進みませんでした。週末に赤塚高仁さんと京都、
名古屋とご一緒して、最後は愛知県知立市で赤塚さんがご縁紡ぎ大学愛知
のプレ講義に参加させていただきました。

 その帰りに本屋さんに立ち寄ったところ見つけたのが、『ペリリュー』
だったのです。赤塚さんのお話の定番のひとつであるパラオのペリリュー
島が舞台の戦争漫画で「日本漫画家協会賞【優秀賞】」を受賞した、とて
も話題になっている作品のようです。

 私は普段はあまり漫画を読みません。どうも、漫画を読む能力が欠落
しているようなので仕方がないのですが、3月20日(水)に京都で小林
芙蓉先生が開催される「水鏡3000人 祈りの祭典」で美内すずえ先生、
芙蓉先生とのお話のナビゲーターを務めさせていただくことになりまし
た。

 さすがに代表作は読まなければいけないと思うのですが、とても
『ガラスの仮面』を読破する自信はありません。赤塚さんやきれい・
ねっとの山内尚子さんに相談すると、5巻まで出版されている『アマテ
ラス』(白泉社)
を読めばいいとアドバイスくださったので、大きな
書店のコミックコーナーに行きました。残念ながら、『アマテラス』の
在庫はなかったので、こちらは漫画が大好きな息子にネットで買っても
らうように頼んだのですが、その時に『ペリリュー』を見つけたのです。

 これは赤塚さんへの格好のプレゼントになると思い、帰りの新幹線は
ハイボールを飲んで寝てしまったのですが、家に帰ってからがんばって
読破しました。最近の時代小説は、江戸時代にこんなことはしないし、
こんな現代風の名前は付けないということをあえて無視して、いまの読
者が感情移入できるように工夫がされているということを聞いたことが
あります。この作品でも、作者の武田さんが単行本の1巻最後でネタバ
レされているのですが、漫画であることの有効性(現代の若者に敷居を
低く、戦争のすさまじさを体感してもらえるようにすること)を優先し
て、読みやすいように描いてあるようです。

 それでも、昨年実際にペリリュー島に赤塚さんに連れて行ってもらっ
た私には重すぎる内容で、何度トライしても上手くここで取り上げらる
ことができませんでした。そこで頭を切り替えて、ここまでをいつもの
長い前置きとして、テーマを変えることにさせていただきました。ただ、
普段漫画を読まないという方にも、この作品ばかりはぜひ手に取ってい
ただきたいと思いますし、もうすぐ出るにんげんクラブ会報誌の4月号
でペリリュー島に行ったことを少しまとめていますので、よかったら
そちらをお読みいただければと思います。


 さて、冒頭に「にんげんは千差万別だ」と書いたのは、赤塚さんが喜
ぶだろうなあと思って、今週土曜日からの赤塚さんの東京でのにんげん
クラブ主催の聖書塾
の時に『ペリリュー』をプレゼントしますねとメー
ルをすると、すでに持っているという返事が返ってきました。当然と言
えば当然なのですが、私だったらこんなにいい漫画の存在を知っていた
ら、ご縁紡ぎ大学のような場でペリリューのことを話す時にきっと紹介
するだろうなあと思ったのです。

 赤塚さんはよく「先生には3種類ある」ということを教えてくれます。

 ひとつは「メンター」で、これはご縁紡ぎ大学の前日に赤塚さんにも
参加していただいた生誕祭を死後4年も経って開催して、参加された方
の8割は実際に会ったことがないにもかかわらず、未だに多くの方の心
を打ち、人生に影響を与え続けている故・竹田和平さんのような方です。

 二番目は「ティーチャー」タイプで、赤塚さんに言わせると、「勝っ
ちゃんの講演は、みんなホワイトボードを見て、理解するやろ。それは
典型的なティーチャータイプやからや」ということになるようです。

 そして、三番目が赤塚さんのような「ガイド」タイプです。赤塚さん
は、赤塚さんの世界観で聖書やイスラエルやペリリューのことを私たち
にその時その場に誘うように伝えて、感動を与えてくれます。イスラエ
ルの話やペリリューの話は何度も聞いているのですが、それでも涙が止
まりません。私にはとてもできないことで、本当に赤塚さんはすごいと
思います。

 今回の出来事はこの二人のタイプの違いから起こったことでした。
『ペリリュー』というすばらしい作品は、ティーチャータイプの私に
とっては伝えなければならない必須の情報なのですが、ガイドタイプ
である赤塚さんは武田さんの漫画は情報としては大切にしていますが、
講演の場で披露することではないということが分かったのです。

 それで思い出したのが、いまベストセラーになっている脳科学者の
黒川伊保子先生の『妻のトリセツ』(講談社α文庫)です。女性脳は共
感を求め、男性脳は問題解決を志向するなど、男女は基本的にはまった
く違う本能で生きていて、熟年夫婦が賢く寄り添っていくためにとても
参考になる本だと思いました。女性は心の通信線と事実の通信線の二本
を持っていて、圧倒的に大切なのは心の通信線であり相手を否定しない
ことです。

 でも、男性は事実の通信線しか持っていないので、そんな女性の気持
ちを理解することができません。だから、理解できないのは仕方がない
のですが、それで放り出してしまわずに、うまく対処することを指南し
てくれる優れたマニュアル本になっていますし、実はAIの研究者でもあ
る黒川先生は、これからの時代を生きていくにあたっての人間としての
心構えを男性に教えてくれているのだと思いました。中高年の男性に
とっては必読書だと思います。

 ......と、ここまで書いてみて、やっぱり私は文献を紹介して勉強して
くださいねという、ティーチャータイプであることがよく分かります。
「にんげん」は変わらないものですね。


    



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