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世界は存在しない


 1980年生まれの若きドイツの哲学者マルクス・ガブリエル博士の
なぜ世界は存在しないのか 」(講談社選書メチエ)を読みました。
本当はお正月の時間のある時に読もうと思っていたのですが、私には
ちょっと読み応えがあり過ぎ、なかなか読むペースが上がらずに3連休
を使ってようやく読み終えました。最新の哲学の世界は難しく、また
欧米の人にとっては当たり前の教養が私たち日本人には分かりにくい
ところがあり、かなり苦労しましたが、知的刺激をたっぷりいただける
楽しい本でした。


 ガブリエル教授の哲学は「新実在論」と呼ばれています。個々のもの
は存在しますが、すべてのものの共通のプラットフォームとなる、すべ
てを包含する世界は存在しない。そんな主張を物理的、哲学的な思考は
もちろん宗教や芸術等のまったく違う角度からも考察していて、知的刺
激を味わいたい人にはうってつけの内容になっています。お正月にNHK
で番組をやっていたようなので、ご覧になった皆様も多いのではないで
しょうか。

 学生時代に結局買っただけで読みはしませんでしたが、浅田彰先生の
構造と力―記号論を超えて」(勁草書房)が流行っていました。若い
頃はあまり勉強しませんでしたが、最近になって原稿を書く機会が格段
に多くなってきた頃から、気がついたら勉強量が増え、昔は全然理解で
きなかったことが、少しは感じられるようになってきたように思います。


 人工知能(AI)の時代を迎え、人間はもう一度哲学に戻らなければい
けないというか、逆説的に見ると戻る余裕が出てきたのかもしれません。
いままでだったらスピリチュアルな話題は、エンターテインメントとして
あまり深く考えずに楽しんでいればよかったのですが、どうも、物理的な
こと実用的なことはだんだんスマホやコンピュータ、それにAI等が代替し
てやってくれるようになり、人間ができること、人間がやらなければなら
ないことは哲学的な考察に収斂していくような気がしています。

 そして、そうなるといい加減な主張で留まるのではなく、ちょっと深
掘りしながら哲学の領域にも我々の興味は広がっていき、そこにガブリ
エル教授のように分かりやすく斬新な視点で話題を提供してくれる人が
現れてくるようです。物理学の世界も10年ぐらい前にリサ・ランドール
博士という物理の世界に数式を使わずに分かりやすく導いてくれる専門
家が現れ、私でも結構楽しく物理の世界を身近に感じられるようになっ
てきたことを思い出しています。

 ランドール博士の「ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く」(NHK
出版)は日本では2007年に出版されていますが、やはりNHKで特集番組
が放映され、それがきっかけで一種の物理学ブームが起きました。それに
よって、5次元等の高次元の存在に対して注目がされるようになり、実は
過去の「舩井フォーラム」のテーマなどもこの流れに沿って決めさせて
いただき、直観力(超能力)に優れた出演者の先生方とも特に深い話を
したわけではないのに、フォーラム全体のつながりやバランスが最高に
取れていたことを懐かしく思い出します。時代の流行によって、スピリ
チュアルの業界も影響を受けているのです。

 そして、いま大事な流れがこの「なぜ世界は存在しないのか」等に
よって作られているのを感じます。少し地味な番組になりますが、NHK
のEテレで木曜日の22時から放映されている「人間ってなんだ? 超AI
入門」
という番組を見ていると、いまの社会の流れが感じられます。
私はどちらかというと映像を見るよりも本を読む方が時代の流れをつか
みやすいのですが、多くの人はビジュアルな刺激を存分に得られるテレビ
番組の影響を強く受けられているのだと思います。そういった意味では
ぜひご覧いただければこれからの社会の方向性が感じられるようになる
番組だと思います。

 繰り返しになりますが、このAI化を進めていくために、時代はいま
哲学を必要としているようです。私が社会人として仕事を始めた頃に比
べると、脳力がかなり劣化した分野が確実にあります。電話番号を覚え
なくなりましたし、地図が読めなくなりました。そして、このように
モノを書くことを仕事にしているにも関わらず、漢字が書けなくなって
います。父は手書きのはがきや手紙を書くことを推奨していたので、
晩年になって報告を送るときは、手書きでFAXを送ることにしていまし
たが、ワープロで下書きを書いてからそれを自筆で書き直すことを真面目
にしていました。

 仕事を始めたころの大事な仕事は先輩の書いた手書きの原稿をワープロ
で打つことだったので、順番がまったく逆になりましたが、この原稿を
手書きで原稿用紙に書けと言われたら困ってしまうのは確実です。そんな
私でも20歳代でまだワープロの機能が充実していなかった頃は、原稿用紙
に向かって原稿を書いていたこともあるし、それでいてまったく苦痛は
感じなかったのだから人間の習慣とは恐ろしいものがあります。

 こう考えると、人間の能力はAI化が進むとドンドン劣化していくのは
確実なのです。人間ができることは哲学を考えるぐらいになってしまう
世の中が近々やってくるのかもしれません。



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