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青木紀代美 (著)
風雲舎 刊
1,600円+税
ずっしりと、時間をかけて読みました。
難しいことが書いてあるわけではありません。
大家族に嫁ぎ、未熟児で産まれた我が子が無事に成長してほしくて、
目の前の矛盾に素直に疑問を持ち、
本来あるべき、命ある食べ物、本来の生き方を求めて、
ひとつひとつ、行動していった女性の、
あるがままを綴った文章です。
ですが、その一つ一つ、すべてがずっしりと響いてきます。
今でこそ、食の安全、有機栽培など、
当たり前のように言われていますが、
40年前、経済成長が最優先されていた時代に、
これは変だと気づき、行動する。
しかも大家族の中の、嫁という立場、
その当時、家を空けることがどれだけ大変だったか、
想像すればするほど、著者の偉大さが身に染みてきます。
小学校のPTAの集まりから発足した「グループG」から始まり、
「豊島城西よつ葉牛乳共同購入グループ」
「食べものから歩き出す会」
「乳研連合会」
「食といのちを守る会。
NPO法人「子どものいのちを守る会」
と、40年にわたる出会いによって、
大きくつながっていきました。
病気で苦しんでいる人に、我が子と同様に、
良くなるようにと願いながら手当をする。
医学的知識など、何もない著者が、
ただでさえいそがしい活動の合間を縫い、
求められるままに、心を込めて手当をする。
手当と言っても、時間をかけ、寄り添い、
手のひらでさすってあげるだけなのですが、
その方たちが楽になり元気になっていくのも、
当然なのだろうと思います。
ブレない思いは、著者の生い立ち、
母の生き方に大きく影響されています。
おばあちゃんが教えてくれた
「天使る、地知る、汝知る」
迷った時の道しるべです。
良い食べ物を求め、いい人に出会い、
さらに前へ進んで行く。
著者の生き方に感動します。
ぜひ、じっくり読んでいただきたい一冊です。
(にんげんクラブ 柴切)