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おしゃべりな腸

日本免疫病治療研究会会長で医学博士の西原克成先生のお話を伺う機会
がありました。西原先生は、離乳食は乳歯が生えそろう2歳半ぐらいま
では食べさせるべきではないという見解をお持ちです。赤ちゃんの腸は
まだたんぱく質を消化する機能ができていないため、タンパク質を含む
離乳食を早く始め過ぎるとアトピーやアレルギーの原因となってしまう
という持論をお持ちになっているのです。

 西原先生のご著書『子どもの腸には毒になる食べもの 食べ方』
(青春出版社)
を読ませていただくと、その他にもちょっと常識とは違
う様々な見解を述べられています。


 口呼吸が多くの病気の原因になっているので鼻呼吸をできるようにす
ることが大切である。乳歯が生えそろうまで母乳を続けていると口呼吸
になりにくくなる効果もあり、鼻呼吸の子どもたちは口をぽかんと開け
ている口呼吸の子どもたちに比べて成績も良くなる傾向がある。

 人間は冷血動物ではないので、冷たいものは食べたり飲んだりしては
いけない。アイスクリームは論外で、ビールも冷やして飲まない方がい
い。
このようなことを心がけることで、アトピーで悩んでいる子どもさんた
ちをはじめ多くの患者さんが劇的に回復した事例がたくさんあるという
ことでした。

 またお話の中では、身体にいいという意見をよく耳にする玄米ですが、
アブシジン酸、フィチン酸という有害な発芽抑制タンパク酵素が含まれ
ているので、赤ちゃんの離乳食に使うのは論外で、授乳中のお母さんが
食べるのもやめた方がいいということも聞かせてくださいました。

 西原先生のお話に触発されて、関連する本が読みたくなって見つけた
のが1990年生まれのジュリア・エンダース著『おしゃべりな腸』(サン
マーク出版)
です。ドイツではミリオンセラーになったそうなのですが、
日本語の翻訳が出た2015年時点でも弱冠25歳の才媛によって書かれた本
でした。

 興味深かったのは、幸福ホルモンと呼ばれている「セロトニン」の
95%が腸で作られているということです。この事実から著者は、うつ病
の原因は頭にあるのではなく、お腹(腸)にあるのではないかと推測し
ています。腸は第二の脳、あるいは原始脳ではないかという意見も聞い
たことがあります。

 黄金週間に、「舩井フォーラム ザ・ファイナル」でご講演をいただ
いた気功家の清水義久先生のワークショップを受講させていただきまし
た。そのときに教えていただいたワークに、ピンポン玉ぐらいの白い光
り輝く「気」の球をおへそから体内に入れるというイメージトレーニン
グがありました。

 詳しくは清水先生の気功セミナーを受講していただくか、7月上旬頃
には、私が受講させていただいた「本当に頭が良くなるセミナー」の
DVDが販売になるようなので、そちらをご覧いただければと思います。

 講座の中ではなかったのですが、清水先生からこの白いピンポン玉大
の「気」の球を下丹田に当てるイメージをすると、第二の脳としての腸
が活性化されるというお話を伺ったことがあります。

そして、それができてはじめて「小周天」という気功法が完成するとい
う話だったことを思い出しました。

 「小周天」とは、身体に集めた「気」を体内にある「気」の通り道に
沿って循環させる、すなわち回すことによって強化する気功法のことで、
昔、矢山利彦先生に教えてもらったことがあります。

古の修行者たちにとっては、一生の修行を必要とするほどの奥義なので
すが、矢山先生はそれを初学者でも割合に簡単に達成できるプログラム
を開発されました。

 私も10年ぐらい前に半年間、月に1回の講座を受けさせていただいた
ときに、矢山先生のおっしゃる小周天は回せたのではないかと、そのと
きは感じました。また、実は今でも意識すれば、小周天を回せている感
覚は持っています。

 小周天は通常男性は人間の上半身を前回りに回っていて、女性は後ろ
回りに回っています。だから男女が抱擁すると互いの「気」が同じ向き
に回って、お互いに「気」の力が強くなる効果があるという話をよく覚
えています。

 今回清水先生に奥義中の奥義として教えていただいたのは、小周天の
本当の意味は脳と第二の生命感覚の脳である腸を「気」の力で繋ぐこと
にあるということです。ただ、残念ながら現代人は腸で造血しなくなっ
ているので、ほとんどの人が生命感覚の脳である腸の脳的な機能が働い
ておらず、小周天を繋いでもあまり意味がない場合がほとんどだという
のです。しかし、白い光り輝くピンポン玉のワークで小丹田を刺激する
と腸が生命脳的に活性化するので、小周天の意味が飛躍的に増すという
ことを教えていただきました。

 頭にある脳は疲れやすく、活性化するには休ませてあげるぐらいしか
方法がないのですが、生命感覚の脳である腸のエネルギーに繋ぐことが
できれば、簡単に活性化することができるといいます。

ただし、小周天をマスターするためには、その前提条件として腸が生命
脳としての機能を取り戻していることが必須となるようです。

 私はあまりじっくりと気功に取り組むことができていないので、それ
ほど実感はないのですが、それでも確かに脳の活性化には素晴らしい効
き目があるように感じています。

 『おしゃべりな腸』の中でもう一つ面白かったのは「ホヤ」の話です。
東北や北海道で食べさせてもらえる珍味で、特に日本酒との相性が抜群
の肴です。癖があるので嫌いな人も多いのですが、私は大好きです。

 ちょうど最近、北海道の網走と仙台でホヤを食べさせていただく機会
がありました。どちらも、それぞれのホヤが最高で他所のものは食べら
れたものでないといううんちく付きでごちそうになったのですが、私は
どちらも確かに味は違いましたが、とても美味しくいただきました。
ちょっと困るのは、お酒が進んでしまって翌日の二日酔い注意報が格段
に高まることぐらいで、東北や北海道に行く機会が増えて嬉しいことの
筆頭に拳げてもいいぐらいの「ホヤ」体験なのです。

 ちょっと脱線しますが、人間とはまことにないものねだりな生き物の
ようです。東北でも三陸地方、特に漁港として有名な気仙沼などの美味
しいお店に連れて行ってもらって食べるお刺身は、新鮮で美味しいうえ
にそれだけでお腹いっぱいになるぐらいの量が、東京などでは信じられ
ないぐらいの厚切りで出てきます。

 ところが、地元の方は決まって、「もう魚は食べ飽きたのでお肉を食
べたい。できればイタリアンやフレンチを気軽に食べさせてくれるト
ラットリアやビストロのような店がいいのだけれど、そんなお店は仙台
ぐらいまで行かないといけない」というようなことをおっしゃるのです。

 とてもグルメな友人に、シェフが一人でやっている大船渡のステキな
イタリアンに連れて行ってもらったことがありますが、一人ではとても
回せないので、あまり宣伝したくないとシェフが言っていました。そう
考えると、世界中の美味しいものが気軽に食べられる東京や大阪は本当
に恵まれているのだなと思います。

 話を戻すと、その「ホヤ」は変態をする動物で、幼生のときは最適な
環境を求めて泳ぎ回るのだそうですが、成体になると海底の岩などで絶
対に動かない固着動物になります。そして、その後、なんと「ホヤ」は
自分の脳を食べてしまうというのです。

 『おしゃべりな腸』の中では、それを見た科学者が「脳は運動するた
めに発達する」という仮説を立てたというエピソードが紹介されていま
す。運動しないのなら(「ホヤ」の場合は運動する必要がなくなれば)、
脳は必要ないのです。そして、腸にあたる部分が、運動する動物の脳の
機能であるコミュニケーション機能を代替しているのです。

 腸の脳感覚を使うということは自然の摂理に従っていることになるの
で、神さま(サムシング・グレート)の意志に基づいて行動することが
できるのかもしれません。しかし、理由はともあれ人間は、大脳新皮質
を特に発達させることで腸の脳的な機能をほとんど退化させてしまった
ようなのです。

 そう言えば、西原先生は「過労死になるのはおかしい」とおっしゃっ
ていました。人間は構造上、立っていることや座っていることを長時間
続けられないようになっています。だから、現代の多くの人が従事して
いる頭脳労働をするのなら、寝そべって仕事をすれば絶対に過労死にな
らないということを教えてくださったのです。

 寝そべるのが無理なら、四つん這い(難病に罹った葛飾北斎が、四つ
ん這いの姿勢で絵を描くことで長寿を全うしたという事例をあげてくだ
さいました)でパソコンに向かえばいいというのですから驚きです。

 動物の脳は血圧が90ml必要なのですが、立っているとどうしても
120mlほど必要になります。

このことが身体に与える負担が大きいので1日に8時間ぐらいは眠らなけ
ればならないのですが、寝そべっていれば脳の血圧を保つためのプレッ
シャーがそれほど必要ないので過労になることはないというのです。
どうしても徹夜で原稿を書かなければいけない状態になったときには、
ぜひ試してみようと思います。

 腸の声に耳を傾け、人間の身体の構造に鑑みてそれを生活に活かして
いけば、豊かな人生が広がるようです。専門分野とはいきませんが、
この分野もいろいろ勉強してみたくなってきました。




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