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慣れ


 昨年の春ごろから、仕事でよく三陸に出かけるようになりました。
宮城県の気仙沼から岩手県の釜石、宮古ぐらいまでのところによく行く
のですが、最初に行った時は大きな衝撃を受けたものです。

震災直後は石巻の支援に関わっていてよく石巻に行ったのですが、被害
は一番大きかったものの行政としての規模も大きく復興も比較的順調に
進んでいたので、他の被災地も同じようなものだろうと思っていました。
ところが、上記のような気仙沼以北の被災地は、津波被害から5年以上
経っているとはとても思えないほど復興が進んでいなかったからです。

 工事の進み方で言うと、インフラの基盤である街を作る前段階の土木
工事の段階で、まだ建物を建てる建設の段階には進んでいません。津波
の被害の説明をしてくださるボランティアのおばさんの本音は「(彼女
たちにとって一番大切な店である)「しまむら」がまだできなくて不便
なのよ」という点にあり、そのようなレベルでの生活のインフラがまだ
まだ整っていないという状況だったのです。

そんな様子を目の当たりにした私は、少しでも地域の復興の役に立ちた
いという思いで、何かできることはないかと考え、誰でも最初に思いつ
くことですがお土産をできるだけたくさん買うようにしました。

 私は普段は、たとえ海外旅行であってもほとんどお土産は買いません。
私は自分に都合のいいところだけは父の真似をすることにしていて、父
もお土産をほとんど買わなかったのです。

本当に申し訳ない話ですが、父はいただいたお土産に関しても、例えば
迎えに来てくれた運転手さんに渡して会社でみんなで分けてもらうよう
な人でした。だから、私もそれをみならって、ありがたいという感謝の
気持ちを大事にさせていただきながら、なるべく会社のみんなで分けて
もらうようにしているのです。

 そんな私でも、5年以上経ってもまだ土木工事の段階であることに
衝撃を受けて、それほど役に立たないことは分かっていても、なるべく
地元で製造されたお土産を一生懸命に買って行きました。

ところが大体2か月に一度ぐらいのペースで行くようになると、最近は
買うものがないなあと思ってしまいます。観光地というわけではないの
で、例えば岩手県なら製造元を見てみると盛岡の業者だったりします。
地元のものもあるにはあるのですが、正直に言うともう飽きてしまった
感じになっているのです。

 ボランティアのおばさんが嘆いていた「しまむら」も、無事に陸前
高田にオープンしました。地元の美味しい飲食店も最初に行った時は
仮設店舗での営業でしたが、最近は新たな街の中心地に本設の店を
オープンされていて、ようやく復興が目に見える形で進んできたように
思います。流出してしまった人口が戻ってこなくて、全国的な人手不足
の中でも特にひどい不足感が続いているという他にはないマイナス面は
続いていますが、それでもだんだん普段の生活が戻りつつあるようです。

 まだまだ、日本中のダンプカーがここに集まっているのではないかと
いうぐらいのダンプカーの渋滞が、朝晩はほとんど1本しかない生活道
路でもある国道で続いていたりします。しかし、人間はたくましい側面
も持っていて、それでも何でも、毎日、泣いて、笑って、怒って、嘆い
て、喜んで、そして生きているのです。

ただ、最初はとても敬虔な気持ちで足を踏み入れていた被災地に、慣れ
てしまっている自分を感じてちょっとまずいと思っています。そう言え
ば、節電ムードが広がって街が暗くなり、エレベーターやエスカレーター
が半分止まり、階段を歩いて登った生活感覚はとっくの昔になくなって
しまっています。

 日常のルーティーンに戻ることはいいことですが、私たちの傲慢な
気持ちがあれだけの大災害の原因の一端を作ったかもしれないという
気持ちは忘れてはいけないし、そうでなければ被災の生活に耐えている
方、ましてや犠牲になった皆様に申し訳ありません。

「舩井フォーラム2017」で「超意識の目覚め」をテーマにできるほど、
私たちの意識は進んだのだと感じています。しかし、それはすなわち、
心の中で思ったことがいままでよりも早く、しかもダイナミックに実現
するということであり、私たちはそれだけ大きな責任を持ってきている
ことになるのではないでしょうか。

 「慣れ」に気づいたこのタイミングを大事にしたいと思い、皆様に
シェアさせていただきました。生活を楽しみながら、未来に責任を持つ、
そんな生き方をこれからも続けていきたいと思っています。

 ちょっと余談になりますが、テラルネッサンスの鬼丸昌也さんも
刺し子プロジェクトで支援されている岩手県大槌町に、おしゃれな
レストラン・シュシュをオープンしました。

地元の人は美味しい魚は食べ飽きるほど食べているのですが、こういう
本格的なレストランがないということで、とても繁盛しているそうです。
私もいただきましたが、東京の青山か代官山にあるようなお店の雰囲気
で、とても美味しかったです。



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