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過去の自分との整合性


 今日は原稿が書きたくないと強く感じています。忙しいとか二日酔いとか
調子が悪いとかそんな理由ではなくて、書こうと思っていることがメチャク
チャきついからです。

 表題のテーマを選んだのは、ダニエル・キース著『アルジャーノンに花束
』(早川書房)を読んだからです。私が読んだものの原作が世に出された
のは1966年ということなので半世紀前の物語です。何度も映画やテレビド
ラマになっており、私も名前ぐらいは知っていましたが、本を読んだこともな
かったし映画もドラマも観たことはありませんでした。

 ところが先日、ビットコインのことを調べていたときに人工知能のことに行
きついて、どなたかが『アルジャーノン......』のことをアプリオリ(自明的な
認識、常識として知っているべきこと、必ず読んでおくべき本だということで
す)だという主旨で書かれていたのを読みました。それで、絶対に読むべき
本だということがストンと分かって、早速購入して読み始めました。しかし、
とても面白いのですが、ドンドンしんどくなってきてなかなか読み進めること
ができません。

 自慢するようで恐縮ですが、私は商売柄か本はすぐに読んでしまいます。
速読はやらなくなったというかできなくなったのですが、それでも興に乗れ
ば1日に3、4冊の本を読んでしまうこともあります。小説は苦手分野ですが、
それでも普段は2、3日で読んでしまいます。

 それにもかかわらず、結局『アルジャーノンに花束を』を読了するのには
3週間程度かかってしまいました。もちろん、その間に他の本も読んでいた
ので、かかりっきりで3週間というわけではないのですが、私にしては異例
の長さです。

 なかなか読み進められなかった理由は割とはっきり分かっていて、この本
がいまの私にとってはものすごく大きなデトックス効果を持っているからだと
思います。ストレートに表現すると、自分の内面をえぐるような感覚でとにか
くきついのです。

 物語のあらすじは、知的障がいを持つ主人公が脳の外科的な手術を受け
てみるみるIQが高くなっていきます。オリジナルは50年以上前に書かれた
ものですから、最新のIQの考え方との整合性はないのかもしれませんが、
設定は68だったIQが185になるというものでした。

 そして、知的な能力はどんどん進歩するのですが、感情的なコントロール
に悩むという形でストーリーは進んでいきます。小説の後半には、悲しいど
んでん返しがあるのですが、もしこれから読む方がいたら小説を読むのが
つまらなくなるので、このぐらいでやめておきます。

 私が『アルジャーノンに花束を』を読んで自分が苦しくなった原因に気がつ
いたのは、知能が高くなった主人公が知的障がい者だった頃の自分がいま
の自分の中に隠れていることに気がついていったところでした。

 私たちは、いま大きな変革期のただ中にあります。外部の変化についてい
くためには、信じられないぐらいの進歩というか進化が必要になります。かく
いう私も、おかげさまで毎日とても大きな進歩をさせていただいているように
感じています。

 そして、それを実現できるための準備として心のデトックスやクリーニング
をかなり意識して進めているのですが、最近、かつての心がしんどかった時
の自分を思い出すような心の感情を多く経験するようになりました。そして、
それは主人公が昔の自分を見つけたことと同じことをしていることに気がつ
いたのです。

 しかも、本を読むだけで終わっておいてもいいものを、さらにこのウィーク
リー・レポートで紹介させてもらわなければ、私のクリーニングは中途半端
に終わってしまうことに気がついて愕然としました。そして、冒頭のような原
稿を書きたくない状況に陥ってしまったのです。

 お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私はいろいろなところに原
稿を書かせていただいていますが、実はこのにんげんクラブのウィークリー・
レポートにはいつも本音でありのままの自分を書くように心がけています。

 裏を返せば、読んでいただくためというよりも自分のために書かせていた
だいている側面が強いのです。もちろん、不特定多数の方の目に触れる可
能性がある文章なので、物書きとしての倫理はきちんと守っていますが、許
される範囲で最大限自由に書かせていただいています。

 そんな中で、今回の原稿は私だけではなく、これを読んでくださっているよ
うな、自分の本質の劇的な変化を経験している人にとって有益な情報だろう
と確信できます。とりあえず、自分の進歩には満足できていますが、過去の
自分を完全に進歩させているわけではなく、置き去りにしてきている部分も
確実にあると思うからです。

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 7月23日に開催させていただいた「舩井フォーラム2016 大阪大会」は、お
かげさまでとてもいい会になりましたが、ある面では過去の自分というか、過
去のにんげんクラブがやってきたことをいろいろ直視させてくれる大会でもあ
りました。こんなタイムリーな企画ができる関西の仲間たちに感謝しながら
今日のレポートの筆を置きたいと思います。


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