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にんげんクラブの皆様こんにちは。ドイツ在住のこだまゆうこです。
日本では、長い残暑だったそうですが、ようやく涼しくなってきたとお聞きしています。
私は個人的には、秋が一番好きな季節です。食べ物はおいしいし、紅葉も美しい、
気温は過ごしやすくて、何か新しい趣味でもはじめようかな、という気持ちになります。
春の花の美しさも捨てがたいですが、花粉症に悩まされる身としては、秋に一票!となります。
こちらドイツでも、いまは秋真っ盛り。短い秋を、じっくりと堪能したいと思っています!
さて、長い夏休みが終わり、9月あたりから、こちらドイツでもようやく新学期がはじまりました。
1ヶ月、2ヶ月と長期休暇をとっていた人たちが、それぞれの職場に顔を出し始め、また活気が
戻ってきたようです。
私が週に一度通っていた語学教室は、7月終わりには前期日程が終了してしまったので、
8月終わりから、新しい語学教室に通うことにしました。
さすがに週に一度ではいつまでたってもドイツ語が上達しないので、今回は少し気合をいれて、
週に五日、朝の9時から昼の12時半まで、一日三時間の集中コースです。
本日は、この語学教室に通っていて気が付いた、身だしなみの大切さ、について書きたいと思います。
この語学教室は、生徒が20人ほどで一クラスなのですが、なんと先生は6人もいて、
曜日によって先生が入れ替わり、授業を担当しています。
あまりに先生が入れ替わるので、生徒たちは落ち着かず不満を持っているようですが、
郷に入っては郷に従うしかありません。私もはじめの一週間は落ち着かない気持ちでしたが、
それぞれ違った先生の個性を楽しむことができるので、今ではこのようなシステムも、
なかなか面白いな、と思っています。
6人の先生には、もちろん個性があります。教える教科が違えばその個性は
あまり気にならないかもしれませんが、ドイツ語という同じ教科を教えているため、
それぞれの個性は、顕著に現れます。
たとえば、時間に厳しく、シャンとした姿勢で、熱心に授業をする先生は、発音もはっきりとして、
面倒がらずに黒板にきちんと単語のスペルを書いてくれて、とてもわかりやすい授業をしてくださいます。
この先生は、生徒たちからとても人気があります。
反対に、中にはなるべく授業をサボろうとする先生もいます。いつも開始時刻には
10分から15分遅れてきて、休み時間の後も10分ほど遅れてきます。
3時間の授業を、20分ほどサボっているのです。
授業の内容も、かなりいいかげんです。話すだけで、黒板には何も書いてくれませんし、
生徒たちに無意味なゲームをやらせて時間を潰したり、同じようなプリント問題を
何度もやらせて時間を稼ぎ、面倒な文法などを教えるのを、なんとか避けようとするのです。
日本だとここまであからさまにサボろうとする人はあまりいないと思うのですが、
ドイツでは案外はっきりしているのだなぁ、とびっくりしました。
たぶんこの先生は、この仕事が好きでないのだろうと思います。そのような態度は、
そつなく仕事をこなしているように見えても、身近に接する人には伝わるものなのだろう、と思いました。
この先生が一日も早く仕事を好きになってくれて、居心地の良い教室となることを、祈っています^^。
それぞれの先生を見ていてつくづく思うことは、「人は案外見た目どおりなのだな」ということです。
よく、「人間は外見ではない、中身が大事だ」と言われます。
もちろん人とのつきあいにおいて、そのように外見よりも内面を重視することは、とても大切なことです。
しかし、その言葉は、「身だしなみは人の内面と関係がない」と言っているわけではないと思います。
六人の先生の中で、最もわかりやすい授業をする先生の服装は、最も清潔感があり、
好感の持てるきちんとした服装をしています。一方、最もいいかげんに授業をする先生は、
身だしなみも最もいいかげんなのです。寝癖のついた頭や、シワのたくさんついたシャツを着て、
あまり好感が持てません。
これらは別に、価格の高い服を着ているとか、流行の服かどうかは関係なく、
まわりの人に好感を与えるか、不快感を与えるかの、身だしなみの違いのようです。
きちんとした服を着ることは、自分を愛することであると同時に、まわりの人に対する
思いやりでもあるんだな、と感じました。
日本では、多種多様なファッションがありますし、都会のビルや町並みはちぐはぐとしているので、
比較的人の服装に関しては「いろんな人がいるな」くらいにしか感じていませんでした。
しかしここドイツでは、町並みと自然に統一感があるのと、ドイツ人はたいてい動きやすく
シンプルな服装を好むので、奇抜な服を着た人や、清潔感の感じられない服装をしている人は、
日本よりもより目立つような気がします。
アーヘンの町は、国境に近く、大学の多い町なので、人口の三分の一が、移民や学生などの
外国人だそうです。なんと156カ国もの人が、この小さな町に住んでいるそうです。
そのような多国籍な人が集まる町では、きちんとした身なりをするよう心がけることは、
「私は信頼できる人間です」と表現する方法であり、ある意味でパスポートのようなものなのかも
しれないな、と思うようになりました。
船井本社に入社した頃は、秘書という仕事柄、毎日スーツやジャケットを着なければならず、
正直に言うと堅苦しく思っていました。
そのような中で、「あなたは普通の人よりも、だらしなく見えるタイプだから、人よりも余計に
きちんとした服を着るように心がけなさいよ」と、毎日のように厳しく指導してくださった先輩がいます。
その言葉を言われた時は、確かにそうかもしれないけれど、そこまではっきりと
本音を言わなくとも・・・・(苦笑)、と思ったものですが、ドイツに住んでいる今となって、
私のことを思って言ってくださった、その本音の言葉のありがたさが、よくわかるようになりました^^。
身だしなみは、まわりの人への思いやり。
自分なりのお洒落を楽しみつつ、このことを忘れないように、していたいと思います。
(写真は、アーヘンからバスで50分、オランダの港町マーストリヒトです。
白鳥が優雅に泳いでいる姿に癒されました^^。)