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こんにちは。にんげんクラブドイツ在住のこだまゆうこです。
こちらドイツでは、そろそろ夏に近づいてきたなぁと半そでを着る日もあれば、
大慌てで冬物のセーターを取り出して着る日もあります。
晴れた日の日差しは強いのですが、雨の日はまだまだ寒い日が多いです。
晴れている日は、夜の10時すぎくらいまで明るいので、ついつい夜更かしをしてしまいます。
本日は、私が週に一度通っている「女性のためのドイツ語学教室」での風景を紹介したいと思います。
現在この教室に通っているのは、10人のドイツ語がまったく話せない超初心者です。
(なんだまだドイツ語が喋れないのか・・・・という心の声が聞こえて来そうですね・笑)
この教室には、主にご主人がアーヘン工科大学へ研究や学業のために来て、
専業主婦としてアーヘンで暮らしている女性が生徒の大半です。
その10人の国籍を書きますと、インド人が二人、エジプト人が一人、パキスタン人が一人、
タイ人が一人、カンボジア人が一人、中国人が一人、韓国人が一人、日本人が私を含めて二人、
といった生徒たちを、ドイツ人の先生(女性)が親切に教えてくれます。
(ドイツ語は英語や他のヨーロッパ言語と文法などが似ているので、さすがにアメリカ人や
ヨーロッパ諸国の人は超初心者クラスにはいませんでした。)
このクラスを受講していると、世界(アジア)の縮図を見ているような感覚になります。
もちろん、私の性格が「生粋の日本人」にあてはまるかどうかもわかりませんし、
それぞれの人に、それぞれの個性があるとは思うのですが、その国の人「らしさ」が、
やはりはっきりと現れているのです。
特に日本人と対照的なのは、なんといってもインド人の二人です。
この二人は、とてもチャーミングな女性たちです。今風?に言うと、空気をまったく読みません(笑)。
少人数のクラスなので、先生は一人ひとりを指名して、質問に答えさせるのですが、
他の人が指名されている時でも、必ず回答する権利を横取りして答えます。
また、先生が何か教えてくれている時も、疑問に思うことがあったらすかさず話をさえぎって質問をし、
さらに今の話題と関係のない個人的な質問などを次々としていきます。
先生は毎回「またか」という顔をして苦笑しながら、明るく楽しくその答えを教えてくれます。
日本でこのような生徒がいれば、問題児として扱われるかと思うのですが、たぶん、インドでは
このような「言いたいことは何でも言う」スタイルで授業を受けるのが常識なのだろうと思います。
「国際会議の名議長は、インド人を黙らせ、日本人をしゃべらせることのできる人物である」
というジョークがあるそうですが、そのようなジョークができる理由がよくわかりました。
そしてこの二人と一緒に授業を受けることによって、
「なんだ、私はもっと自由にふるまっていいのだな、気を使いすぎなくて良いのだな」と勉強になり、
人と話をするのがちょっと楽になりました^^。
インド人の二人を除くと、他の人達はかなり静かなのですが、パキスタン人、エジプト人の女性は、
比較的はっきりと言いたいことを喋ります。いいタイミングで、疑問に思ったことを質問します。
(ちなみにこの女性二人はイスラム教徒です。一緒に昼ごはんを食べにいったら、肉はチキンしか
食べないと言いながら、結局野菜サラダしか食べませんでした。)
韓国人は「アジアのイタリア人」と称されることもあるようで、アジア人の中では、
はっきり自己主張をするほうだと思います。はきはきしていて、いつも元気なイメージです。
中国人の女性は、授業中は静かにしていますが、頭の良さそうな人です。
そしてカンボジア人、タイ人、日本人は、とても静かに授業を受けている・・・・ようです。
このようにいろいろな国の人と同じ空間にいると、他国の特徴がわかるとともに、
日本人の特性も自然とわかってきます。
そうして気付いたことは、個人差はあれど、たぶん世界でも日本人が最も「情」が
深いのではないかと思いました。他人の気持ちがわかるからか、ウエットというか、
情緒的・・・・という言葉がぴったりくるかもしれません。
日本人は個人よりも、まわりとの連帯感や「縁」をとても大切にします。
ドイツ語教室のクラスが終わった後も、少しゆっくりと授業の終わった余韻を楽しみながら
荷物を片付け、「せっかくだから一緒にごはんを食べにいこう」とまわりの人を誘うのは、
必ず日本人(あ、私ですね)です。
他の国の人は、誘われたら嬉しそうに来るけれど、自分から誘うことはなく、
ドライにサッサと帰っていきます。
先日主人の同僚のドイツ人たちとバーベキューをした際にもびっくりしたことがあります。
3時間ほど楽しく会話をして過ごし、「さぁ片付けよう!」と全員で別々に片付け始めました。
片付けが終わって、いざ元の場所に集合してみると、そこにはすでに誰もおらず、
全員帰った後でした(笑)。
「じゃあね、バイバイ」の言葉もなく、すでに解散しているドライさには、
「さっきまでの楽しい会話はなんだったのか」とかなり寂しく感じたほどです。
相手が見えなくなるまで見送りをする・・・・という習慣は、たぶん日本人以外には
理解ができないことなのだろうと思います。
日本人以外がいかに個人主義でドライか、という例は他にも挙げればキリがないのですが、
これが世界では普通のことなんだな、と思いました。
それはたぶん文化の違いで、ドライだからといって愛情が足りないと解釈するのは、
また違う話なのだろうとも思います。
たんなる常識の違いでいちいち傷ついていては、こちらは身が持ちません^^。
世界の人々のドライさを認めつつ、日本人としての情の深さは忘れずに、
お互いを思いやりながら過ごしていきたいと思っています。
(5月20日)
写真は、ドイツ語教室が行われているアーヘン工科大学の建物、名づけて(Super C)です。
横から見ると、C の文字に見えるので、スーパーC なのだそうです。
以下は、文章とは関係ありませんが、アーヘン中心地からバスで30分、
Kornelimunster という村で旧時代祭り・・・のような催しがあった際の写真です。
骨董品屋さんや、お土産屋さん、各種食べ物屋さん、からくり屋敷や魔術師、占い師、
移動式メリーゴーランドや観覧車など、楽しい出し物がたくさんです。
(ちなみにドイツの屋台でも、日本のお祭り屋台同様に綿菓子とリンゴ飴がありました。
いったいどこの国の誰がはじめに考えだしたものなのでしょうね。)
観覧車の一つの椅子には、四人くらいで立って乗る人もおり、それは重量オーバーで
は?と思いました。
けっこうな高速でぐるぐると回り続けるため、怖くて乗れず・・・・。
かなり年代物のような手押し車で心地よい音楽を奏でるおじさん。
音楽にあわせてサルや人形が絶妙な動きをします。
ちなみに金のお椀部分にお金を入れると、右側のサルに突然オシッコ(水)をかけられました(笑)。