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舩井勝仁のウィークリーレポート 2021年

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はいチーズ

 年の瀬も押し詰まってきましたが、
今年最後の出張から帰路に
原稿を書かせていただいています。
新型コロナウイルスの影響で
出張に出る回数が少なくなっていたのですが、
11月になって感染者数が
目に見えて少なくなってきてから
出張の機会が増えて、
おかげさまで忙しくさせていただいています。
年末年始のお休みは
何の予定も立てていませんので、
のんびりとしたお正月を楽しみながら
溜まっている本を読ませていただこうと思っています。
また、お酒を飲む量も増えているので、
疲れた胃腸のケアにも
取り組んでいきたいと思っています。


 最後の出張は
滋賀県⇒愛知県⇒広島県という順番で
西の方に出かけさせていただきました。
大好きな人たちと楽しい時間を過ごせたことを
本当にありがたく思っています。
東海道新幹線に乗る時の楽しみのひとつが
富士山を見ること。
特に、寒い時期は天気がよければ
とてもきれいな富士山を見ることができるので、
富士山が見える窓側の指定席に座ることが多くなります。
今回は、たまたま東京に出張に来ていた
きれい・ねっとの山内尚子社長と
ご一緒させていただきました。


 いつもは車内では原稿を書いたり、
そのために必要な本を読んだりする
仕事場なのですが、
仲のいい友人との旅を楽しみたくて、
テイクアウトで
やはり共通の友人である
猪俣憲一社長が経営されている
株式会社東洋軒の東京ステーション店で名物の
ブラックカレーのお弁当をテイクアウトで購入させていただいて
新幹線に乗り込みました。
温かい内に食べようということで
カレーを食べ終わったところで車窓を見ると
ちょうど本当に美しい富士山を
きれいに眺めることができました。


 山内さんは、スマホを取り出して
写真を撮られていたのですが、
ちょっと驚いたのは
富士山に向かって
「はい、チーズ」と言って
カメラを向けられたことです。
そうすると不思議なもので、
電柱などが入り込まず
きれいな写真が撮れると言います。
この感覚は典型的なおじさんの私には
理解が難しいのですが、
真実だということが何となく理解できます。

それで思い出したのが、
山内さんが故・川田薫先生、
はせくらみゆき先生と3人で書かれた
「新生地球の歩き方」の中で紹介されていた、
すべての存在物と会話する方法についてです。


 検索してみると、
私がこのウィークリー・リポートで
2014年に紹介の記事を書いていました。
この記事の中で紹介されている
村松祐羽さんが経営されていた
EMER140は
すでに売却されてありませんが、
当時の私は
いまよりもスピリチュアルなことに
関心があったことがわかって、
ちょっと楽しくなりました。
心と魂の扉を開いて
すべての存在物と会話するマントラ(真言)のことも
しばらく忘れていましたが、
もうすぐ広島空港からのフライトに乗せていただくので、
久しぶりに試してみようかと思います。


 山内さんの場合は、
私と違って興味本位で取り組まれたわけではないので、
そんなことが日常になっていて
富士山とも会話ができるのだろうなあと感じました。
そう言えば、
当時の私がスピリチュアルなことが好きだったのは、
きれい・ねっとでたくさんの本を作っていただいていて、
それで山内さんとご一緒する機会が
多かったからなのかもしれません。
にんげんクラブ愛知の忘年会で
山内さんの話を聞いていて、
彼女は風の時代を
見事に生き始めていることが分かりました。


 私は、とてもその世界を究めるのは無理なので、
地の時代の人々に向けての発信を
引き続きしていくのが
役割なのかなという気もしてきました。
正直に言うと、
にんげんクラブ愛知の忘年会に集まったメンバーは
ほとんどが風の時代に生きている人たちでした。
彼ら彼女らと私の感性が
かなりずれてきたことを感じています。
私は風の時代を始める役割ではなく、
いまだに地の時代にしがみついている人たちに
風の時代の情報をお伝えしながら、
地の時代を
ソフトランディングで終わらしていく
役割なのだろうと思います。


 皆さまには、あまり興味がない情報かもしれませんが、
引き続き政治経済の話題を中心に
来年も情報発信をさせていただこうと思っていますので、
たまにはそんなことにも興味を持っていただいて、
周りの人たちとの会話にお使いいただければと思います。

先駆者の皆さまは、
気をつけなければ
バランスを崩す恐れがあるのかなとも思いますし、
やはり一人でも多くの方に
新しい時代のあり方に
気が付いていただきたいと思いますので、
私をそんな接点に使っていただければと思います。

来年もにんげんクラブを
どうぞよろしくお願いいたします。

ビッグテック


 先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)や
日銀の金融政策決定会合では、
それぞれ直後の市場の反応は良かったのですが、
その後は特にアメリカは
来年3度利上げをするという方針が示されて、
株式市場にとっては
ネガティブな材料ということで
株価を下げています。
先週お伝えした
年末年始に株が上がるかどうかのサンタラリーは
まだ先のことなので、
見方によればサンタラリーに備えて下げているという
無理なプラス思考ができないわけではありませんが、
やはり来年は波乱の年になる可能性が高いと
見ておいた方がいいのかもしれません。


 9月8日の配信でもご紹介した
西洋占星術師のみけまゆみ先生
セッションを先日受けてきました。
金融相場は今年の冬至から来年の春分までの期間に
大きく荒れる可能性があるということと、
それでも日本は来年の前半はマクロに見ると順調に流れる。
でも、7月以降、特に8~11月にかけて
いろいろ大変なことが起こる確率が高い。
その大変なことは金融相場というよりは、
ウイルスや天変地異の可能性が高いというより
本質的な問題なので
心を引き締めて対処できるように考えたいと思います。


 相場にとっての波乱の原因の一つに
もしかしたらアメリカのGAFAと呼ばれている
ビッグテック4社の将来性についての
不安要因がでてくるのかもしれないと
感じられる本を読んだので
今回はその紹介をさせていただきたいと思います。
いつも書かせてもらっているように
日本の株式相場は
実はほとんど影響力のない
小さなマーケットになってしまいました。
日本の若い人が積極的に
株式投資や投資信託を買うようになっているようですが、
彼らはアメリカのハイテク株を買っていて
将来性の感じられない日本の会社には興味がないようです。


 それは方向性としては間違っていないと思いますが、
そのアメリカのハイテク株に
リスクが感じられるようになってくる
可能性があるのかなと感じています。
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという
ビッグテック4社の力は
強大になり過ぎたのかもしれません。
アメリカというのは、行き過ぎるきらいはありますが
最終的には実は結構バランスの取れた国なので、
すべての権力が
GAFAと呼ばれるビッグテックに集まるのを
阻止しようという流れが
自然にでてくるのかなということを
感じさせてもらえる内容です。


 その本は、ジョシュ・ホウリー上院議員が書かれた
「ビッグテック5社を解体せよ」(徳間書店)です。
訳者の古村治彦先生は
副島隆彦先生の直系の弟子であり、
アメリカの政治評論に関しての第一人者です。
5社とは本文を読むと
GAFAにツイッター社を加えた5社ですが、
ほとんどの内容は
フェイスブックとグーグルになっていて、
ホウリー議員のメインターゲットは
独占禁止法でこの2社に
ダメージを与えることを狙っているようです。


 ホウリー議員は1979年の大晦日生まれの41歳。
本文を読んでいて、
1987年のアメリカ映画「アンタッチャブル」で
ケビン・コスナーが演じた
シカゴのギャングの親分アル・カポネを
脱税の罪で失脚させた
エリオット・ネスを思い出しました。
正義感にあふれていて、
フェイスブックやグーグルといった
現代の巨悪を追い詰めていく様が想像されます。
もっとも、ビッグテックは
いまのところ明確な犯罪行為に加担しているわけではないので、
ホウリー議員は
19世紀末から20世紀初頭のアメリカ政治を牛耳った
泥棒男爵と呼ばれた鉄道王たちと
ビッグテックを対比させることで、
彼らのやっていることが
どんなに酷いことなのかを暴こうとしています。


 GAFAの4社はアップルを除くと、
実は今世紀になってから創業された新しい会社です。
私はいつもこの内2社ぐらいは
50年後にはなくなっているのかなと感じてしまいます。
本書を読んでいると、
それがフェイスブックであり、
グーグルなのかなと思えてしまいます。
いまは、この2社がない社会は考えられませんが、
彼らが提供していることは彼らが退場したら
別のテクノロジー会社が代替していて、
それが自らの利益だけではなく
より大きな社会の利益を考えてくれる会社であったら、
いまよりもよっぽど
いい世の中になるのは簡単に想像できます。


 渋沢栄一翁の「論語と算盤」ではありませんが、
成功するのは志と情熱があればできますが、
それを永続するためには
徳が必要なのではないでしょうか。
共和党の保守陣営に属する
ホウリー議員の意見だけを聞いていて
片手落ちではありますが、
ビッグテックがそこまでの大きな存在になったからこその
落とし穴があるのかなと思いました。
GAFA4社だけで一時、
日本の全上場企業の時価総額を
上回ったことがあるのですが、
やはりこれは如何にも
バランスが悪い状態なのかもしれません。


 その修正をアメリカ自らができるのかどうか、
それでアメリカが
次の時代も世界のリーダーであるかどうかが
占えるのかもしれないと感じています。

サンタラリー


 今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)や
日銀の金融政策決定会合が
開かれる予定になっています。
年内最後の市場の方向性を決める会合で
不透明感が高まる世界経済に対応するための
金融政策に注目が集まっています。

特にアメリカでは
インフレ傾向が顕著になってきていて、
予想以上のペースでテーパリング
(金融緩和の縮小)や
利上げが決定することになると
株式相場にはマイナスになるので、
その行方を金融マーケット関係者が
固唾を飲んで見守っている状態です。


 ただ、残念ながら
主に注目を集めているのはFOMCで
日銀の会合は
よほどのサプライズを出せなければ
そのままスルーされるのだと思います。
FOMCの方も、
テーパリングを来年3月までに終え、
その後年央から年末にかけて
2度の利上げをするというところまでは
織り込み済みなので、
この範囲に収まれば
サンタラリーが始まるのではないかという
期待が高まっているようです。


 サンタラリーというのは
特にニューヨークマーケットでよく観られる現象で、
年末から年始にかけての株式相場が
上がる確率が非常に高いというものです。
年末ラリーという言い方もされますが、
大人にもクリスマスプレゼントがもらえるということで
サンタラリーとも呼ばれているそうです。

ここ2年ぐらいは新型コロナウイルスに
振り回されている私たちの暮らしですが、
相場に関しては
比較的高値で推移してきたと言えるのかもしれません。

アメリカの株式相場は
史上最高値水準で取引されていますし、
日本の株式もオミクロン株の出現がなければ
年内に日経平均で
3万円の壁を突破するのかなと思っていましたが、
どうもそれは実現しないで終わりそうな気がします。


 サンタラリーが注目されるもう一つの理由は、
年末年始にサンタラリーがあった年の
相場は上がる傾向があり、
逆の場合は弱含む傾向があるからです。
サンタラリーが確認されるようなら、
アメリカ株はさらなる値上がりが予想されますし、
日経平均も来年の高値は
3万2千円ぐらいになるのではと言われています。

私の周りには
来年こそ金融恐慌が起こるということを
危惧している人もたくさんいますが、
私は、来年は何とか乗り切れるのではないかという
楽観論を持っています。
それを占う意味でも
サンタラリーの有無に注目したいと思っています。


 来年中の利上げの見通しが予想通りなら
円安になることも予想されます。
日米の金利差が意識されるということですが、
同時にアメリカの金融政策がうまくいくということで、
原油価格も上がっていくようです。
こうなれば、日本にとっては
悪いインフレ懸念が出てくることになり、
そうなると日本株だけ下がるのではないかという
懸念も出てくるのかもしれません。
個人的には新型コロナウイルスの騒ぎが、
春から夏にかけて新たに出てくる
可能性があるのではないかと思っています。


 どうせ、出遅れている日本株が上がらなくても
あまり影響はありませんが
エネルギーや食糧など
海外に資金が流出してしまうものの
インフレは日本にとって
楽しいことではありません。
本質的なマクロな視点で見れば
エネルギーや食糧の自給率を上げることが大切ですが、
目先の対処はなかなか難しいので、
それに備えて
会社経営や生活防衛に当たることも
大事なことになると思います。
怒られてしまいそうですが、
短期的な日本の都合だけで言えば、
パンデミックがこれで収束しない方が
プラスになるのかもしれないようです。


 もう一つの株価に対する
大きな要因になりそうなのが、
米中対立の行方です。
安全保障上の観点で見ると
日本は完全に
アメリカ側に付く以外の選択肢はないので、
経済的にも
中国との距離感を徐々にとっていく傾向が
顕著になるのだと思います。
しかし、短期的なことを考えると
こちらもすぐに中国離れができない
企業が多いと思います。
食料とエネルギーの輸入国であるという点で
日本と利害が一致している中国は
人民元高の政策を採っていますが、
いまの時点ではやはり
金融支配力は圧倒的にアメリカの方が強いので、
いつまで中国が我慢できるかというところかもしれません。


 実際にアメリカを筆頭に西側陣営の国が
北京オリンピックの外交的なボイコット政策を
次々に打ち出す中で、
日本は明確な意志表明ができない状態を強いられています。
テレビを見ていてうなずけたのは、
東京オリンピックの成功に
協力してくれた中国との暗黙の了解を
そんなに簡単に破るわけにはいかないという
背景があることです。
欧米の国が選手団の覇権を断るのならともかく、
外交的なボイコットをするぐらいなら
中国政府にとっては痛くもかゆくもありません。
でも、日本の態度には
とても注目しているということです。


 基本的に日本が親米路線を取ることまでは了解済みだが、
実際に尖閣諸島という問題を抱えている日中両国は
二国間の緊張感を高まらないようにする配慮も
求められるのが実情なのかもしれません。

繰り返しになりますが、
何よりも重要な安全保障上の立場は
親米路線で揺るがないなかでの、
日中関係の行方が
相場に影響してくる2022年になるのかもしれません。

世代交代


 世界的にはオミクロン株の流行が心配されていて
不穏な雰囲気も流れていますが、
この原稿を執筆時点では
国内では感染例は海外から入国された方の2例にとどまり、
市中感染は確認されていません。
群馬県の工場で集団感染が報告されていて懸念されていますが、
いまのところはオミクロン株ではないだろうということで、
現状では国内で感染爆発する気配は出ていません。


 そんなことで、
人出も徐々に増えてきていることが感じられます。
私もしばらく行けていなかった出張が
ここに来て固まってくるようになったのか、
新幹線や飛行機に乗る機会が増えています。
満席にまではなっていませんが、
隣に人が座ってくるのはそんなに珍しくないぐらいには
需要が回復しました。

コロナのピークの時は、
新幹線の車両に私一人という時もありましたので、
かなりの回復だと思います。
鉄道会社や飛行機会社からすれば、
まだなんとか利益が出る水準ぐらいだと思いますが、
逆にあまり値引きをしなくてもいいので
売り上げはまだまだでも
利益を上げていく戦略を採っているように感じます。


 そんな流れもあったので
80歳になった母の誕生日のお祝いが
開けていなかったのですが、
母から見たらひ孫までの世代が集まって
熱海の旅館でお祝いの会をさせていただきました。
昔から仲良くしてもらっている旅館で
そこまで高級路線を打ち出しているわけではないからかもしれませんが、
温泉に入りに大浴場に行くと
若い人がたくさん来ていて、
最近若者に人気の熱海だからかもしれませんが、
ここでも人出が増えていることが感じられます。
熱海は新幹線で行けますし、
節約派には東京都内から
熱海行きの普通電車もたくさん出ているので、
そういう意味では
若い人たちの穴場になっているのかもしれません。


 大企業の方はまだ難しいようですが、
私は会食の機会も増えました。
タクシーの運転手さんに聞くと、
まだ週末限定ですが
それでも徐々に夜の町の人出も増えているようです。

熱海では、若い人が多いこともあって
旅館ですべての消費が完結するのではなく
町にも多くの人が繰り出しているようです。
地元の企業の努力でもありますが、
例えば熱海プリンという人気商品もあり、
これを買い求めようとする若い人が
列に並んでいる姿が目立っています。


 私はどちらかというと
伝統的なネコの舌という看板商品がある
こちらのメーカーさんのお店が好きですが、
ホームページを見ても
熱海プリンの勝ちだなと思います。

市役所が率先して観光に力を入れる中で、
若い人が来るような街づくりを進めてきた
成果が出てきたのかなと思います。
幸か不幸か、あまりインバウンドに一生懸命に
対応していなかったことが
いまのところはプラスに働いているような気もします。
若い人が多いので
客単価はそれほど高くないのかもしれませんが、
まずは集客が大事であるという
経営の基本を教えてくれているようにも感じます。


 舩井家は父が生きていた頃から、
家族の付き合いをそれほど大事にすることはないのですが、
年に1回程度
全員集合で集まることを続けてきました。
両親から見て、
昔は孫の代までが集まっていたのですが、
いまはひ孫も4人いるようになり
とても賑やかな時間を過ごさせていただきました。
そんなひ孫の親の
孫たちが走り回って騒いでいた頃を思い出しながら、
世代交代の確実な流れを感じるプチ旅行になりました。


 我が家も残念ながら息子二人は結婚もしていませんが、
仕事を一緒にしている長男の成長著しいのが
とても有り難いことだなと感じています。
私は本質的には負けず嫌いで
何をしても息子に負けないのを自慢していましたが、
そろそろ譲れるところは譲っていくタイミングだなと
感じる事が多くなってきました。
両親から見て子供世代は全員60歳前後のアラカンで
よく考えれば50年前なら隠居している年なのですから
当たり前なのかもしれません。


 ただ、人生50年だったのが、
いまは100歳を普通に目指せる世の中になりました。
過去の2倍生きられることになったので、
還暦を過ぎたあたりから
第二の人生を生きていく
新たな覚悟をする必要があるのだと思います。
子育ても終わり、
現役世代として一生懸命働いて稼ぐ人生は
終わったのかもしれませんが、
今度は世のため人のために尽くしていくことで
生きがいを感じられるような人生の創造ができるし、
しなければならないのかもしれないと思っています。


 稼ぐ仕事は若い世代に譲って、
世のため人のための第2の人生を送る。
そんなステキなおじさんになることを
目指していきたいと思っています。

塞翁が馬


 オミクロン型という
新しいコロナの変異種の
感染爆発が起こるのではないかという
危惧が広がっています。
ヨーロッパでは、
海外渡航歴も
海外に行った人との接触がない人の
感染も確認されてきているようで、
市中感染がすでに始まっている可能性も高いようです。

オミクロン型が発生したのではないかと
言われている南アフリカでは、
すでにほぼ100%新規感染者は
この型のものだということで、
感染力の強さが心配されているようです。

日本国内でも
ナミビアの外交官が
感染していることが判明して
緊張感が高まっています。


 岸田内閣は早々に
基本的には外国人の入国を禁止する等、
いまのところ経験を活かした
迅速な対応をされているように思います。
海外からの入国者の水際対策と
クラスターの追跡の徹底を迅速にすれば
感染は広がらないということになると思いますので、
いろいろ犠牲を強いられる方も
いらっしゃるとは思いますが、
ここはみんなが一致団結して
非常時に当たるべきだと思います。

にんげんクラブの皆さまや
これを読んでくださっている読者の皆さまは、
いろいろな知識を普通の人よりも
豊富に持っているので
政府やマスコミの対応に
不満足さを感じるかもしれませんが、
混迷の時代は大きく包み込める
度量が試されるときだと思います。


 経済の先行指標とも言える
株価も大きく下げています。
日本の株式も
11月30日(火)の始めは
下がり過ぎだという感覚があったのか
買い戻される場面もあったのですが、
製薬会社の幹部が
ワクチンはオミクロン型には
効果が減るのではないかという
見通しを述べたことで
急落しました。

アメリカでも
FRBのパウエル議長が議会証言で、
インフレ懸念は一時的であるという見解を変えて
一時的という言葉を取らなければいけないと発言して、
金融の引き締め政策を早めるか
少なくとも予定通り進めるのではないかという
懸念が広がり、大きく下げました。


 先進国ではワクチン接種が進んだことで、
コロナ禍のピークは過ぎたという見解で
物事が動いていて、
実際に経済が活性化してきました。
私も出張が増えてきたのですが、
新幹線や飛行機に乗っていても
満席というわけではありませんが、
隣に人が乗ってくるぐらいの
混み方にはなってきています。

まだ、夜の飲食店は
それほど人が入っているようには思いませんし、
タクシーの運転手さんに聞いても
昼間はともかく週末を除く夜は
まだまだダメですねとおっしゃいます。


 デルタ株については
世界で一番急速に収束した日本なのに、
企業活動はともかく
経済の大きな割合を占める個人消費が
なかなか活性化しないのが
問題視されていたのですが、
オミクロン型という
新たな脅威が出現してくると、
実は批判していた日本人の対応が
一番良かったのではないかとも思えてきます。

また、オミクロン型の広まりが懸念される中で
原油の値段が高騰して、
それに円安も重なって
例えばガソリンや重油の値段が
高くなることが懸念されていたのですが、
とりあえず原油価格は
低下傾向になってきましたし、
為替も円高になってきました。


 ガソリンが1リットル200円ぐらいに
なるのかなと思っていましたが、
これでとりあえずは
沈静化してくれたらいいなあと思います。
また、アメリカ等では
すでにインフレ懸念や労働者不足が深刻なことから
小売店が商品を埋められずに
棚が空いているのが目立つようになったということが
報じられるようになってきましたが、
おかげさまで日本では
消費意欲が旺盛になることはなかったので、
そこまでの事態にはなっていません。
だから日本はダメなんだと言われていたことが
返って良かったということなのかもしれません。


 岸田政権は
安倍元総理や菅前総理に比べれば
リーダーシップ力が弱くて
非常時の対応を任せて大丈夫かという
懸念も一部にはあったようにも思いますが、
ある意味
官僚に気持ちよく働いてもらえる環境に
戻ってきているのかもしれません。

実は日本の中で
一番優秀な人たちが集まっている
官僚組織が
本来の能力を発揮することで、
ベストではないかもしれませんが
ベターな危機対応ができているのかもしれません。
できれば、
感染爆発を防ぐことができれば最高ですが、
たとえ広がっても
病床の確保など
デルタ株の時の課題は
解決してもらえることを
期待したいと思います。


 また、いつもなら
この原稿は月曜日に書くのですが、
バタバタしていて
水曜日の朝に書いています。
だからいつもよりも
アップする時間が遅くなっているので
焦っているのですが、
この非常事態が起こっているので
情報の速報性というブログで
大事な点をカバーできているという
メリットもあります。

とりあえず、12月1日(水)の株価は
前日比プラスで始まりました
(その後はすぐに急落していますが・・・)。
さすがに日本株は売られ過ぎというか、
元々まだそれほど高騰していなかった
という面もありますので、
どちらかというと
投機化しているアメリカ市場に比べれば
安定して動くのかもしれません。


 もちろん、そんなに
理想的に動かないかもしれませんが、
何事も塞翁が馬。
悪いことがあれば、
その後にはいいことがやって来るという
先人の知恵を
しっかりとかみしめるべきときだと感じています。

新国立劇場


 私は大阪生まれで、
高校を卒業するまで関西に住んでいましたが、
大学生になって以降は東京暮らしをしています。
海外に何年間か住んだ経験がありますので、
18歳以降、
ずっと東京に住んでいるわけではないのですが、
東京の都心暮らしが
ずいぶん長くなったのを感じています。
元来、アウトドア派とは程遠いので、
都会の便利な生活を満喫していますが、
一番東京がいいなあと思うのは、
文化面でとても恵まれていることです。
私はクラシック音楽を聞くのが趣味です。
だから、東京にいると
超一流の演奏会に気楽に行けるのが
本当にありがたいと思います。


 最近、2回続けて
新宿から1駅目の初台にある
新国立劇場に行く機会がありました。
バレエとオペラの演奏会に行ってきたのですが、
どちらもすばらしい内容でした。
特にオペラパレスという大劇場に入ったのは
今回が初めての機会だったのですが、
すばらしい劇場で
東京も世界の大都市に負けない規模の
オペラ劇場があることを誇りに思いました。
私は専門で音楽を学んだわけではないので、
さすがにオペラを観にいく機会はあまりありません。


 30年ぐらい前のことですが、
ニューヨークに住んでいたことがあり、
この時は音楽大学出身の家人と
よく世界でも超一流の
メトロポリタンオペラを観にいきました。
3年ぐらい前に
旅行会社の企画旅行で
メトロポリタンオペラを観に行くツアーに
参加したことがあるのですが、
私以外の参加者は
当たり前ですが
筋金入りのオペラ好きが集まっていました。
とても会話についていけない
情けなさを感じたのですが、
日本人も愛好家がたくさんいるのに
びっくりしました。

20~30年ぐらい前に
国内の日本人歌手が出演しているオペラに行くと
かなり見劣り感を覚えました。
日本のオペラのメッカは
上野にある東京文化会館なのですが、
かなりの年代物のホールで
設備も修繕しながら
工夫はされていることを感じますが、
やっぱり古さは否めません。
しかし、新国立劇場の方は最新の設備で、
今回はコロナ対応で
飲み物のサービスが
テラスに出ないとされていない等
少し不便さはありましたが、
2回延期された上での上演だったようで、
ファンには待望の舞台だったようです。

私も素人ながら
今回の舞台の完成度の高さにびっくりしました。
主役級の男性歌手陣は
外国人歌手が演じていましたが、
家人によると
歌のうまさというよりも
見栄えで
どうしても日本人男性が主役を演じると
違和感があるので、
最近はこのような演出がなされることが
増えているということです。

30年前に
ニューヨークでオペラを観ていた時は、
分からないなりに
事前に日本語の解説書を読んで
勉強してから観にいったものですが、
最近はただ単に筋書きを覚えるよりも
アリア等を楽しめばいいということが
わかるようになりました。

こんな観劇方法を身につけてしまった私は
論外かもしれませんが、
オペラを観に来ている
日本人観客のレベルも
格段に上がっている気がします。
30年前はバブルの真っ盛りで
経済力はいまと比べものにならないぐらい
高い日本でしたが、
文化面では
欧米との格差はかなりあったのだと思いますが、
そちらは少なくとも
かなり埋まってきていることを感じます。

逆に中国を筆頭に
経済力が台頭しているアジア諸国も、
超一流の演奏家ということでは
すごい逸材も輩出するようになってきましたが、
まだまだ総合的な文化力では
日本の方が上回っていることを感じます。

近くの席にテレビにもよく出られる
脳科学者の先生が
お一人で観劇にいらっしゃる姿を
見つけてしまいましたが、
超一流の識者は
超一流の文化を愛されることがよくあります。

慶応の文学部の哲学科を卒業されてから
同大学の美術史学の修士課程を修了されて
外資系のコンサルタント会社で働いておられる
山口周先生のベストセラーに
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
 経営における「アート」と「サイエンス」」
(光文社)
という名著があります。

「アート」を理解できるようになることが、
これからの時代を上手く生きていくための
ポイントになるのかもしれません。
もちろん、クラシックや西洋の名画だけが
文化ではありません。
日本はサブカルチャーのアニメなどでは
世界でも最も進んでいる国ですし、
東京オリンピックに新規採用された
若者のスポーツで
メダルをたくさん取っていること等を考えると、
本当の文化面の強さは
そちらの方なのかもしれません。

自分が興味を持てる分野の、
文化力を上げておくことに
注力していく時代なのかもしれません。
多分、数十年内に
AI(人工知能)やロボットが
いま人間がしていることは
ほとんどやってくれるようになります。
その時に、
人間が取り組む分野は
芸術や哲学になるような気がしてなりません。
私の世代がついて行くのは大変ですが、
好きな文化を楽しんで行きたいと思っています。


副島先生の金融本


 副島隆彦先生の
「コロナ対策経済で大不況に突入する世界」
(祥伝社)
をご贈呈いただき、読ませていただきました。
副島先生は思われたことをストレートに
本に書かれるという技術を持っていらっしゃって、
それが副島本の醍醐味です。
今回は、金融本が売れなくなって、
いまどき書店で金融本が平積みされるのは
副島先生の本ぐらいだと
正直に書かれています。
金融本が売れるのは、
経済の状態が悪く先行きが不安で仕方がない時です。
最近で言えば、アベノミクスが始まる前の
民主党政権下でアメリカにいじめられ、
先がまったく見通せない頃は
金融本がよく売れました。


 人間の心理とはおもしろいもので、
危ないぞ!
と叫んでいるスリリングさが
好きなのかもしれませんが、
恐いもの見たさで
酷い未来が予想される時に
それについて書かれているものを
好んで読む傾向があります。
副島先生は、
リーマンショックが起こることや
トランプ大統領が選出されることを
はっきりと明言して予言した経済評論家です。
私もよくやりますが、
曖昧に語尾を濁して
予想が外れた時に、
後から言い訳ができるような
姑息な手段はとられません。
そして、ずっと
やがて金融崩壊が訪れるということを
明確に予言されています。


 ここ数年は、
金融崩壊が起こるのは2024年だろう
という予言をなされています。
2024年にトランプ大統領が
再びアメリカの大統領になり、
それを絶対に阻止したいバイデン政権は
本当ならとっくに崩壊している金融崩壊を
そこまでは引き延ばすだろう。
それでも、トランプ大統領が
再び大統領になることは阻止できないので、
民衆のヒーローであるトランプ氏は
ディープステート
(世界を実質的に動かしている国際金融勢力)が
仕掛けてくる金融恐慌を
みんなと一緒に戦って
その危機を乗り切っていくというシナリオを
考えていらっしゃるように私には感じられます。


 金融本が売れなくなっているのは、
目先の株式市場が絶好調だからです。
アメリカのダウ平均は
深刻なインフレ懸念が目前に迫っているにも関わらず、
基本的なトレンドは
史上最高値近辺で推移していて、
どちらかというと
まだ上げる方向を見せています。
出遅れが指摘されている日本株ですが、
それでも日経平均は2万9千円台後半で推移していて、
また3万円の壁を年内にも
(もしかしたら月内にも)
突破するトレンドで推移しています。
素直にトレンドだけ見ると、
日本株も来年中にも4万円になって
史上最高値を更新してもおかしくありません。


 副島先生は、今回のご著書で
株価が上がっている大きな原因は、
株式は金融市場において
表面を飾るきれいな商品で、
株式マーケット自体には
大きな問題が内包されていないからだ
という分析をなされています。
それよりも、実はすでに
はるかに大きなマーケットを形成している債券市場に
大きなリスクが蓄積しているのではないか
という問題提起です。
経済をある程度理解している人が、
いま感じている大きなリスクは
中国の巨大不動産会社である恒大集団が
破たんするのではないかという問題です。
実際に、社債の利払いが滞っているという
報道がなされているように、
やはり問題は債券市場にあります。


 そして、もっと大きな問題は、
書名にもあるように
コロナ対策ということで、
世界中で乱発されている各国の国債です。
アメリカでは、
コロナ対策でお金を支給された低所得労働者が
働かなくなったと言われています。
働かなくても生活できるようになったからですが、
さすがに給付金はなくなってきたのですが、
今度は彼らがビットコイン等に投資をして
金融市場の稼ぎで食べていけるようになり、
それ以外にもSNSなどで
小さなお金を稼ぐ術があり
無理して働く必要がないという
風潮が広まっているそうです。


 そんなことで、
コロナ後の経済回復が目覚ましい中で
非正規労働の労働者の確保が難しくなり、
彼らの時給が高騰しています。
それをみた工場などで働いている正規労働者も
自分たちの給料をもっと上げろという
ストを打つようになって、
アメリカ経済は大混乱して
インフレが止まりません。
結局、そんな状態をなんとかできるのは
政府が補助金を出すという方法しかなく、
ただでさえ過熱している金融市場が
ますます高騰するという循環になっているようです。


 しかし、金融市場に
多額の国債が発行されたお金が投入されて
バブルになっているだけなので、
このバブルはいつか崩れます。
きれいにお化粧されている株式市場よりも
本当に危ないのは、
鉄火場になっている債券市場だ
ということを喝破しているのが、
今回の副島本の読みどころです。
国債市場が崩れた時に起こるのは、
ハイパーインフレになる可能性が一番高いと思います。
だから、もしかしたら
預貯金を持っているのが
一番のリスクになる可能性があります。
そうすると、やっぱり
金融の勉強を始めなければいけないのだと思います。


 入り口は、
「ザ・フナイ」に連載していただいている
秋田の土井広文さんの勉強会が
いいかもしれないと思っています。
ぜひ副島先生の本を読んでいただいて、
問題意識を持たれたら
土井さん等のやっている投資勉強会に
アクセスしてみてください。

新しい資本主義


 岸田総理が率いる自民党が総選挙で勝利して、
いよいよ今週から本格的な岸田政権がスタートしました。
安倍元総理の下で、新自由主義に基づく考え方で
2012年以来進めてきた日本の経済政策が
大きく変化するかもしれないと感じています。

アベノミクスが始まって、
日銀が異次元の金融緩和政策を実施したことで、
それまで一方的に欧米の金融資本に搾取され続けていて
典型的な負け組の地位に甘んじていた日本は、
本来の経済政策のあり方としては邪道ですが、
少なくとも無条件に日本の富を奪い去られる状態からは
脱却できました。


 日本だけのことを考えると、
未だにデフレ状態を脱却できていませんので
金融緩和を続ける政策もありだと思います。
しかし、例えばアメリカでは
5%前後のインフレになってきており、
リーマンショック以来続いてきた
異例の金融緩和処置が
見直されることになりました。

世界のインフレに向かう流れは止まりそうになく、
日本もやはり独自の政策を取り続けると、
取り残されてしまい
アベノミクス以前の
一方的に搾取される状態に
戻ってしまう可能性があるので、
このトレンドには
ついて行かざるを得ないと感じます。


 世界の政治状況は
リベラルな考え方を持つ政権が増えつつあります。
アメリカが民主党のバイデン政権になったのが典型ですが、
岸田総理も安倍元総理や菅前総理に比べると
リベラル色が強いと感じています。
新自由主義はなるべく規制緩和をして改革を進め、
小さな政府を実現して、
自己責任を強調して
福祉政策を減らす方向に向かいます。
また、富裕者層の減税を行って
景気の刺激を行うことが優先されるのですが、
この政策のおかげで
貧富の格差が
許容できる水準を超えてしまうようになりました。


 中国では、共産党の強制力で
この動きを抑え込もうとしていますが、
日本でも
富裕者層やかなりの利益を貯めこんでいる大企業への
新たな課税などが検討されるようになってきています。
そして、この財源を使って
格差解消に向かう政策、
つまり結果論としては
大きな政府を指向する流れに向かっていきたい
財務省などの考え方が前面に出てくるように感じます。
明らかに新自由主義を指向する維新の会が
総選挙で躍進した流れなどを見ていると、
必ずしもその流れが進んでいくかどうかはわかりませんが、
格差を放置しても構わないという意見は
言いにくくなってきたようです。


 そんな空気を読んだのか、
岸田総理は「新しい資本主義」と
テーマを押し出しています。
いまのところ、曖昧な部分が多くて
何をやりたいのかよく分からないという
批判も出ているようですが、
富裕者層や大企業、それに株式市場を
敵に回す可能性が高い政策を
実行しようとしていると大きく考えると、
あえて曖昧な部分を残しながら
妥協点を探っていると考えてもいいのかもしれません。


 月刊「ザ・フナイ」の
レギュラー執筆陣のお一人である
シブサワ・アンド・カンパニー株式会社の
渋澤健社長から
シブサワ・レターをメルマガとして送っていただきました。
貼り付けたものは
原稿執筆時点では更新されていないようで、
1回前のものなので
ご興味がおありの方は
折を見て更新していただければと思いますが、
渋澤社長が
「新しい資本主義実現会議」の
有識者メンバーに任命されたことが書かれています。


 渋澤社長は
日本の資本主義の父である
渋沢栄一翁の玄孫に当たられる方ですが、
ご本人はアメリカで金融資本主義の最先端である
ヘッジファンドに所属されていたこともありながら
現在は草食資本主義という
優しい資本主義の実現を真剣に目指されています。

強欲な金融資本主義は明らかに行きすぎていると思います。
いまの資本市場は
すさまじいまでの競争の極致であり、
少し油断すると
ビジネスマン人生が絶たれてしまうほどの緊張感の中で、
大きなお金を稼ぐことだけを目的とする人たちに
社会の行く末を任せていてはいけないという思いが、
渋沢社長の書かれたものを読ませていただくと
感じられます。


 山口周著
「ビジネスの未来
 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」
(プレジデント社)
を読ませていただくと、
「ビジネスはその歴史的使命を
すでに終えているのではないか?」
という疑問から
1冊の本が始まっています。
ビジネスというか、資本主義は
「経済とテクノロジーの力によって
物質的貧困を社会からなくす」
というミッションを成し遂げるためにできたものですが、
それはすでに終わっているかもしれないという話を
超一流の研究者が
本にまとめられる時代になりました。


 「新しい資本主義」の形は
まだ曖昧模糊としていますが、
新自由主義の行き過ぎを是正しなければいけないという
社会的な要請に対して
何らかの答えを出していただきたいと思います。
そして、それを提示された私たちひとり一人が
新しい社会の形はどうあるべきかを自ら問うていく、
そんな社会になっていかなければ
子孫に対しての役割を果たせないのではないか
という危機感を
強烈に感じています。


実は僅差だった


 前評判と違って、
自民党が結果的には圧勝した選挙結果でした。
現役の自民党の幹事長が小選挙区で敗北したり、
日本人で知らない人がほとんどいない
元幹事長が落選したりしましたが、
野党の方も
文字通り自民党政治をぶっ壊してきた大物で
選挙にはめっぽう強いことで知られていた大物が
小選挙区で敗北したり、
大阪で一番元気がいいと
こちらも誰もが知っている名物女性議員が
落選したりしました。
いままで絶対に大丈夫で
この人は選挙に負けるはずがないと思われた人が
何人か苦杯をなめたのが
今回の選挙の特徴だったのかもしれません。


 与党にも野党にも風は吹きませんでしたが、
日本の有権者の政治に対する見る目が高くなってきて、
大きな流れというか、
うねりに逆らう人の政治生命が
絶たれてしまったのがとても印象的です。
もし、菅前総理が引退せずに
自民党の総裁選が行われておらず、
そこで潜在的な新しいスターの存在を
自民党が示せていなければ
結果は大きく変わっていたのではないでしょうか。
また、実際に選挙戦が始まっても
激戦区が多く、
選挙のやり方を知っている自民党が
引き締めを行わなければ、
与党でようやく過半数を維持するという
結果もあり得たと思います。


 今回の選挙で明らかに負けたのは
立憲民主党だと思います。
選挙が公示された段階では
議席数を伸ばすのが確実と報道されていたにも関わらず、
結果的には議席数を減らしてしまいました。
党の代表という事で
テレビのニュース等に頻繁に出ているので、
いままでの考え方なら
絶対に安定しているはずの代表の当確が
なかなか出なかったのが象徴的な出来事です。

それに比べて勝利したのは日本維新の会。
岸田首相が自民党の中で
どちらかというとリベラルな路線を取るのに対して、
安倍元総理のような
保守的な政治路線を支持する人の
受け皿になったように感じます。


 もう一つの勝者はれいわ新撰組。
3議席を獲得して
参議院の2議席と合わせて
国会議員で5議席以上という
政党要件を明確に満たしました。
来年の参議院選挙では
所属議員はまだ改選期を迎えていないので、
議席を減らすことはあり得ず、
衆議院が解散されない限り
一定の発言権を確保したことになります。
共産党が立憲民主党に取り込まれてしまったという
見方もできる中で、
真のリベラルのポジショニングを取るための
必要条件が整ったと見ることもできるのではないでしょうか。


 保守の極を維新が、
革新の極をれいわが取ったことが
明らかになった選挙だったと
後世の人から言われるようになるのかもしれません。
自民党と立憲民主党の差は、
選挙の戦い方と政権の運営方法を
知っているかどうかという違いに過ぎないかもしれません。
いまでもあるのかもしれませんが、
立憲民主党はシャドーキャビネット(影の内閣)を
きちんと運営して、
有権者がこれなら政権運営を任せられるという政策を
打ちだす必要があるのかもしれません。
いまのイメージは揚げ足取りの批判だけする政党で、
中選挙区時代に政権を取る気が
実はなかった旧社会党と変わらないような気がします。


 いつも書きますが、
私はアメリカと違って、
日本の選挙予測は
かなりの確率で当たると考えています。
それが、今回はこれだけ結果が違ったのは
それだけ接戦で、
選挙の戦い方によっては
どちらに転ぶかよく分からなかったからだと思います。
今回の世論調査では、
自民党支持の媒体のものが
野党有利な予測をしていて、
リベラル支持の媒体が
与党有利な予測を出していたように思います。

報道が選挙に与える現象は二つあって、
ひとつは勝ち馬に乗るというもので
圧勝する方にますます票が流れるもので、
もうひとつは
危機感が醸成されて引き締め効果が出て、
苦戦するとされた方が逆転するものです。


 今回は、明らかに後者のパターンで
各メディアの調査が
どこまで意識したものであるかはわかりませんが、
結果として選挙の戦い方に長けている自民党が
その効果を享受したということになるようです。

安倍政権誕生以来、
楽勝な選挙ばかりだった与党にとっては、
久しぶりにそれだけギリギリの戦術を
使わなければいけないところまで
追い込まれたとも言えるのだと感じます。

野党も今回の選挙結果を分析して
政権を取れるような戦略が構築できなければ
第二党として政権選択をいつまでたっても担えなくなり、
そうすると他党に
その地位をとってかわられてしまうのかもしれない
とすら思えてしまいます。


 実は政権交代を実現するには
絶好の千載一遇のチャンスを逃して、
結果的に自民党の勝利にしてしまった
戦略ミスを取り戻すのは
容易ではないと思います。
いままでの常識がまったく通用しなくなっていくことが
ますます実感できた選挙でした。
政治以外の世界でも、
いままで何があっても安泰だと思っていたものほど
危なくなってくるのだとも感じます。
新しい時代を楽しめることが、
新しい時代に適用できるようになる
第一歩なのかもしれません。


聖徳太子と空海


 今年は聖徳太子がご薨去されて
(ごこうきょ:皇族など三位以上の身分の高い人が亡くなること)
1400年の節目に当たる年です。
各地の美術館で特別展が開催され、
関連する寺院などで特別な法要等が行われていますが、
大阪の四天王寺で行われた
「聖徳太子一四〇〇年御聖忌(ごせいき)」
という行事に参加させていただきました。
今風というか、
御聖忌を行うための資金の一部を
クラウドファンディングで
募集されていることを知った友人から誘われて、
それに応募して参加する権利を得たのです。


 その友人に誘われて
以前にも何度か四天王寺に
お参りさせていただく機会がありました。
大阪生まれで、
子どもの頃に生まれ育った
田舎のターミナル駅が天王寺だったので
感覚的には
四天王寺は馴染みの深い場所なのですが、
私の印象の中では
決して波動が高くて気がいい
イヤシロチではありませんでした。
しかし、最近になって
何度かお参りさせていただいているうちに、
徐々に波動が高くなっていく気がしてきました。


 私の勝手な感覚なので
読み流していただければと思いますが、
世界で一番気がいいイヤシロチは
伊勢神宮の内宮の御正殿だと思っています。
そして、その次に気がいいのが
イスラエルのエルサレムにある
黄金のドームの中だと思っています。
黄金のドームがあるエルサレムの旧市街地は
アラブ人が多く住んでいるところで、
まさにパレスチナ問題の真っただ中にあるので、
正直気がいいのとは
対極の場所にあるという感じがしています。
それでなくても、
中東というのは気候が厳しいところですし、
文明が起こったところで
人々が長い年月争ってきたところでもあるので、
気がいいと思える場所は少ないのです。


 パレスチナ問題とは、
ホロコースト等の迫害を受けていたユダヤ人が
自分たちの国を
旧約聖書に書かれている
約束の地パレスチナに作ろうとして始めた
シオニスト運動の結果、
1948年に独立宣言を行って
イスラエルを建国したところから始まっています。
ユダヤ人から見れば
迫害を逃れるための建国ですが、
2千年に渡ってパレスチナに住んできた
パレスチナ人にとっては
とんでもなく迷惑な話で、
当然の結果として
独立を宣言した時に
アラブ各国から宣戦布告を受けて
第一次中東戦争が始まりました。


 絶対に勝てるはずがないと言われたイスラエルは
石油ショックの原因になった
1973年の第四次中東戦争までの
いわば独立戦争というか、
国家を確立するための戦争に勝ち抜き、
いまではアラブ諸国の中で
最強国のひとつであるサウジアラビアと
実質的に外交関係を結ぶまでの
安定的な地位を築きました。
エルサレムの旧市街地の
気があまりよくないのは、
当たり前ですが
旧市街ということは
建国前から住んでいたアラブ人居住区なので
貧しくて差別されている環境で暮らしていて、
生活に不満がある人が多いからなのだと思います。


 それなのに、
黄金のドームの敷地は
びっくりするぐらいの
ありがたいエネルギーに満ち溢れています。
あのパワーがあるから、
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という
いま世界を動かしている一神教が
作る社会の隆盛があるのかもしれないと
黄金のドームに行く度に感じています。

そして、大阪の中で
比較的貧しい地域を後背地に持つ
ターミナルである天王寺も
気があまりよくないのですが、
聖徳太子の封じ込められていた
力が開いてきたからなのか、
四天王寺の敷地内のエネルギーが
ドンドン強くなってくるように感じています。
だから私は最近、
四天王寺に行く度に
黄金のドームのエネルギーを
思い出すようになりました。


 今回発見したパワースポットは
四天王寺の中にある極楽浄土の庭。
別途、入るのに料金がかかりますが、
それで守られているのかもしれませんが、
気がとても良かったです。
特に庭園内にある
弁天様とお稲荷様のパワーはかなりのもので、
大阪に行く機会があったら
時間を作ってまた行って見たいと思っています。


 以前にも書いたような気がしますが、
日本を再生するためには
聖徳太子のお力が必要なのだと思いますが、
弘法大師空海がそれを
時が来るまで
封じ込めていらっしゃるような気がしています。

四天王寺にお参りした翌日、
高野山に行ってみました。
コロナ禍の影響がまだ残っているのか、
人出は少なかったように思いますが、
ちょうど帰る時になって
観光バスが何台も駐車場に入ってきて、
ちょっとうれしくなりました。


 日本人は空海のエネルギーの強さは
誰でもが感じられるぐらいメジャーになっていますが、
なかなか感じられなかった聖徳太子のエネルギーを
私たちの精神的な準備が整えば、
弘法大師が開いてくれるかもしれない、
そんな時が来ているように感じています。

聖徳太子の力が使えるようになると
潜在的な日本のパワーの次元が
上がるのかもしれないと思っています。
ぜひ、秋の観光には最もいい季節なので、
関西に行って日本を未だに護ってくれている
ありがたいエネルギーに
触れてみていただければと存じます。


ウイズコロナ


 いよいよ衆議院選挙が公示されて
選挙戦が始まりました。
コロナの第5派が下火になった
タイミングでよかったのですが、
今回は1週間の関西出張に来ていて
大阪の船井総研ホールディングスのビルの中にある
協同組合企業共済会の事務所で
この原稿を書いています。
国内出張でここまで長くなることはめったにないのですが、
先ほど始めて選挙カーが事務所の近くを通って行き
選挙戦が始まったのを実感しています。


 公示日も投票日も仏滅で、
岸田総理が間もなく行われるという
異例ずくめの選挙になりますが、
いまの時点では、
与野党どちらがどのくらい勝つのかが読めないようです。
まさにこれからの選挙戦で勝利が決まりますので、
読者の皆さまも国民と権利というか
義務に近いと私は思っていますが、
ぜひ投票に行っていただきたいと思います。
そして、選挙の行方に大きな影響を与えるのは
コロナの感染状況がどうなっているのか
ということになりそうな気がします。


 日本だけではなく、
世界で不思議な感染の収束が起こっています。
先週もお伝えした 新・舩井メールクラブの動画配信で
高島康司先生は、
ウイルスの変異がある程度起こると
ウイルス自体の存在が崩壊することがあり、
第5派の原因となったデルタ株が
崩壊の過程にあるのではないかと
可能性を示唆されていました。

ただ、これで新型コロナウイルスの感染が
完全に抑え込めるかどうかは
対策次第のところがあり、
現状の日本政府の対応は
十分ではないのではないか
という意見も話されていました。


 他の識者の話なども併せて考えると、
とりあえず来年ぐらいになると
コロナ禍はかなり落ち着いてくるようになる可能性が高い。
でも、完全に収まるわけではなく、
マスクをしなくてもよくなるまでには、
まだしばらくかかるのではないかというところでしょうか。
どちらにしても、私たちにとっては
ウイズコロナの時代をどのように生きるのかが
大事なフェーズに突入してきたようです。

 多くの人がおっしゃるように、
コロナ前のような生活には
なかなか戻らないのではと思います。
生活の仕方や仕事のやり方が大きく変わって、
それが可能であることを
多くの人が体験したからです。
毎日満員電車に乗って通勤し、
仕事帰りに同僚と飲みに行く
という生活は戻ってきません。

ウイズコロナの状態でも、
できる会議はオンラインが普通になりますし、
講演会などもWebで開催できるものは
引き続きWeb開催されるようになるのだと思います。


 船井総研の事務所の1Fでエレベータを待っていると、
セミナーの一覧がスクロールされながら表示されています。
本当に数多くのセミナーを開催しているようで、
これが船井総研の強さの秘密ですが、
今日確認できたセミナーはすべてWeb開催でした。

昨年はお客様も船井総研側も
Webセミナーにとまどいがあって
セミナーの集客に苦戦したのですが、
今年は発表されているところまでの業績は
順調に推移しています。
慣れてみると時間は有効に使えるし、
交通費もかからないしという
メリットを感じられるようになってきたのだと思います。


 感動を伴うようなセミナーはリアルがいいですが、
若い人がビジネスベースの情報を伝えるのなら
Webの方が向いているのだと思います。

知り合いの社長さんが
海外で新規事業を立ち上げて
コロナ前は毎月のように出張に出かけていました。
1年半以上、まったく行かなくても
事業がちゃんと回るようになり、
それこそ会議や相談は
全部オンラインで対応できている
ということを教えてくれました。
大企業でも同じことが起こっているので、
ビジネスマンの海外出張は
激減するのではないでしょうか。


 不動産価格はまだあまり下がっていませんが、
大阪や京都のホテルはまだガラガラで
値段もとてもリーズナブルに泊めていただけます。

インバウンドのお客様が大勢来ていただいていた時は、
ホテルが取れないし価格もとても高かったのですが、
その需要を見込んで多くのホテルが建設されましたので、
しばらくは大阪のホテルが取れなくなるようなことには
ならないだろうと思います。

私のように出張が多いものにはありがたい話ですが、
一流ホテルにこんなに安い値段で泊めていただいて
申しわけないという気持ちになります。


 私は会食の機会が増えてきましたが、
接待の必要性を感じない会社も
多くなってきたのではないでしょうか。

大阪の取引先の会社の新社長が
社長交代のご挨拶に来ていただいたのですが、
以前なら社交辞令でも
社長に就任して少し落ち着かれたら
お食事でもいかがですかとお誘いしたものですが、
マスク越しパネル越しでご挨拶していると
そんな気分にはならなくなります。
もちろん、必要な出張や会食はこれからもあるのですが、
惰性で行っていたものは
なくなっていく可能性が高いのだと思います。


 企業という組織のために使う時間が減って、
家族や自分自身に時間とお金を使うように
変化していくようです。
ついて行けるかどうか自信はありませんが、
新しいウイズコロナの時代を
楽しんでいきたいと思っています。


政権交代の可能性


 新・舩井メールクラブというかなり高額なメルマガを
父の時代に発信するようになり、
それをいまでも続けさせていただいています。
「なんで舩井さんはそんなに
いろいろなことをご存じなのですか?」
というありがたい質問をいただくことが時々あります。
結論から言うと、
「月刊 ザ・フナイ」
「主幹から」というページと共に、
いいかげんなことを書けない、
真剣な原稿を
父の死後毎月書かせていただいているからです。


 インプットするためには、
アウトプットすることが大切です。
いまは、誰でも簡単に
情報発信できるようになりましたので、
ぜひ挑戦してみていただきたいと思います。
その時に、できれば公的な立場に立ったつもりで、
きちんと調べて裏を取って
責任を持って発信することを心掛けると
情報量は飛躍的に増えていきます。
私の場合は自覚していたわけではないのですが、
父の後を継いで
媒体に責任を持って執筆しなければいけない
という立場にならせていただいたおかげで
情報量が飛躍的に増えていったのです。


 新・舩井メールクラブで
今年の前半の6カ月に渡って
エコノミストの植草一秀先生の
動画配信をお送りさせていただいていました。
植草先生は野村総合研究所の
エコノミストとして活躍されていた
超一流の専門家です。
しかし、小泉純一郎政権や
その象徴的な存在であった
竹中平蔵金融担当大臣に対して
かなり辛辣なコメント
(中には致命的になるような
事実が含まれていました)を
発信し続けていたことが原因で
冤罪に問われて、
評論家としての社会的生命を
抹殺されてしまいました。


 現在は金沢在住で、
会員制で投資情報を送ること等の
活動を続けておられますが、
船井本社関連のメディアは
そのような立場の方の真実の情報を
送り続けることが使命ですので、
時々ご出演を依頼させていただいています。
ちなみに、相場の動きに対する予想は
ほぼ完全に当てておられますので、
マクロな観点で金融マーケットのことを
お知りになりたい方にはお勧めです。


 エコノミストとしての顔と共に
もう一つの植草先生の大きな情報発信が
小泉政権のような
人々を不幸にしていく
新自由主義的な経済学に基づく政治を
否定することです。
具体的には
非自民党政権を作りあげることを
使命に感じておられて、
そのための方法論を
いつも語ってくださっていました。
安倍晋三政権が長期政権になり、
イメージ的には経済が回復してきているので、
いまは保守的な流れが強まっているのですが、
植草先生はまったくぶれることなく、
自民党政治を壊さなければ
日本国民に幸せが来ないことを
発信し続けておられるのです。

実際に、私も2009年の
民主党への政権交代時には、
かなりの興奮を覚えました。
ただ、
日本を背後からコントロールしているアメリカや
その意向に絶対に逆らわない官僚機構などの
既得権益を持っているシステムに
完全にボロボロに叩かれてしまって、
結果的には悲惨な3年間という
演出をされてしまいました。

だから現在の私の本音は植草先生と違って、
自民党中心の政権の方が無難だと思っていますが、
本質的な国民の幸せを追求するためには
政権交代が可能な政治を作っていくことが
大切だということには同意します。
そして、安倍長期政権の綻びが
かなり明確に見えるようになってきて
今月末の総選挙は
かなり政権交代の可能性が
高いものになっています。
逆に言うとこのチャンスを逃してしまうと、
政権交代を実現するのは、
余程のことがない限り
難しくなるという状況なのだと思います。


日本の選挙はアメリカと違って
かなり事前に情勢が予測できるようです。
選挙専門のコンサルタントの先生と
父の頃からのお付き合いをいただいていますが、
事前に誰が勝つかを
かなり正確に予測できることを教えていただきました。

普通は投票日の1週間ぐらい前、
どんなに接戦でも投票率が分かれば、
投票締め切りの時点で
誰が勝つかをほぼ正確に当てられるので、
あれほど早く当選確実を報じられるという
からくりになっているようです。

菅前総理が総裁選挙への不出馬を決められたのは、
このままでは実際に
政権交代が起こってしまう可能性が極めて高いことが、
それらの情勢分析で明らかになったからです。
そして、総裁選挙を戦いぬいて
岸田政権になったいまの時点では、
逆に余程のことがない限り
自民党が負けることはあり得ない情勢のようです。

ただ、最近は急に風が変わる事例もあります。
4年前の前回の総選挙の時は、
小池百合子都知事が立ち上げた希望の党が
野党勢力の大半を飲みこんで
勝利する流れになりましたが、
小池党首がリベラル候補を
「排除する」という発言をしたことで
世論の反発を招いて急失速しました。

また、今年7月に投開票が行われた
東京都議会選挙では
当初は自民党が大勝する予想でしたが、
菅政権のコロナ禍に対する対応への不満等から
自民党は第一党には返り咲いたものの、
公明党と合わせても過半数を取れない
辛勝に終わりました。
これが、菅前政権の
つまずきの始まりになったと言われています。

総選挙の投票日まで、
まだ2週間以上ありますので、
果たして今回の選挙で
そのような風が起きるかどうか
注目していきたいと思います。


新政権への評価


 岸田新政権の発足が確実になってから
株価が下がり続けています。
先週末のアメリカ株の値上がりを受けて、
10月4日(月)の日本株も上げで始まったのですが、
すぐに下げに転じてしまいました。

菅前総理が自民党総裁選への不出馬を発表して
実質的に退任を発表されたことで
10月31日に実施されることが決まった総選挙で
自民党の勝利の確率が高くなったことで
上がった株価が下がっただけだから、
そんなに問題ないのではないか
という意見もあるようですが、
少し異様な感じもしています。


 残念ながら、いまの世界の金融マーケットは
アメリカのウォールストリートが動かしています。
菅総理が退任しなければいけなくなったのも、
岸田新総理に対して通常なら期待できる
ご祝儀相場が起こらないのも、
アメリカの金融マーケットの意に沿わないからだ
と考えるとわかりやすいのかもしれません。

アメリカは東京オリンピックを開いて欲しくなかった
という話しがあるようです。
アジアやヨーロッパ諸国ほど
オリンピックの人気がないアメリカ人にとって、
コロナ禍で開催を強行する意味が分からないし、
逆に中止を発表すれば、
それは格好の買いの材料になると言われていました。


 ちょっとうがった見方をすると、
アメリカは大国として肩を並べる存在となってきた
中国が困ることをしようと
国家としての意思決定をしています。
戦後のアメリカが脅威に感じた国は、
ソ連と日本だったと言われています。
ソ連は軍事力で日本は経済力で
一時アメリカの覇権を脅かす存在になりました。

ところが、中国は軍事力でも経済力でも
アメリカと肩を並べる存在に成長してきたので、
これまで以上に執拗に叩き潰さなければいけないと
アメリカの集合無意識が決めている感じがします。


 だからアメリカは、
本当は東京オリンピックはどちらでもよかったのですが、
来年の北京オリンピックの開催を阻止したかった。
1936年のベルリンオリンピックは
ナチスの猛烈なプロパガンダに使われました。

このタイミングでオリンピックを開催することは
独裁国家である中国にとって、
国威発揚の絶対的な効果を持つから開催させたくない。
半年前の東京五輪の中止は
北京冬季五輪を阻止するための
格好の口実になるはずだったのです。


 また、アメリカは
いまの日本の政権には
わかりやすい改革派のリーダーを求めています。
典型的なのは
中曽根康弘元総理や小泉純一郎元総理等です。
改革派は利権をアメリカに
渡してくれる存在なのでありがたい。
安倍晋三元総理も
その立場にする予定だったのですが、
意外に手強いので
コロナ禍への対応の失敗を口実に、
言う事を聞きそうな菅前総理にバトンタッチさせた。

しかし、以外にも菅総理は
逆らってオリンピックの開催に踏み切った。
それならばと、
わかりやすい改革派を
総理候補に押し立てるまでは
思い通りだったのですが、
総裁選挙で負けてしまいました。


 岸田新総理は
池田勇人元総理を総理にするためにできた
宏池会という派閥の出身です。
いままでに、池田、大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一という
4人の総理を輩出している名門派閥で、
自民党の中ではハト派として知られています。

アメリカは中国との対立要素を創りやすい
タカ派リーダーの出現を期待していたのかもしれません。
いまでは麻生派の鈴木俊一新財務大臣は
麻生副総裁の義弟ですが
鈴木元総理の実子でもあります。
財務大臣という主要ポストを
麻生派に譲った(譲らされた)
という報道もなされていますが、
こう考えると
身内のような存在ともいえるのかもしれません。


 アメリカが中国との対立構造を
明確にしていくという環境下で
ハト派の総理が生まれたということは、
いままでだったら短期政権として
叩き潰されるということになったのだろうと思います。

しかし、幸いにも喫緊の課題であるコロナ禍は
理由がよくわからないのですが、
急激に解決しつつあります。
寒くなってくると第6波が来るという意見もありますし、
十分な備えはした方がいいとは思いますが、
そんな対応も含めて
新政権はうまく対応できるようにも感じています。


 どうも、アメリカの集合的無意識に
従順に従っていた日本の世論も
変化しているようです。
振り返ってみると、
小泉政権後の第一次安倍政権以降は
民主党政権も含めて、
徐々にアメリカ離れを進めていて、
それが最近はっきりと感じられるように
なってきたのかもしれません。

考えてみれば、トランプ政権は異様な政権でしたし、
それにかなり無理をして勝利したバイデン大統領も
お世辞にも強い大統領だとは言えません。


 もちろん、中国の属国になればいいと
いうつもりは毛頭ありませんが、
アメリカにも中国にも言うべきことは言える、
そんな国になり始めているのかもしれません。

政治家のレベルは国民のレベルを反映する
というのは真実だと思います。
にんげんクラブの皆さまのような
有意の人の存在が増え続けていることが、
日本の集合的無意識が変わり始めている
大きな原因であったらいいなあと思っています。


明治維新という過ち


 先日、幕末の偉人である
江川英龍(ひでたつ)という
人物のことを調べていました。
世界遺産に登録されている
静岡県伊豆の国市にある
韮山反射炉を作った人物です。
反射炉というのは簡単に言えば製鉄所で、
ペリー来航の混乱の中で、
大砲をつくるために
製鉄所を建設することを試みた人物です。
英龍は徳川家康の頃から
歴代伊豆の天領を支配する
韮山代官所の家に生まれました。


 家康が紀州家と水戸家の藩祖の母親になる
お万の方(養珠院)を側室に迎えるときに
正当な源氏の血筋である江川家の養女として
側室に迎え入れたこと等から
小田原征伐の時に
豊臣方というよりは徳川方についた
28代当主の江川英長が韮山代官に任命され、
代々世襲代官となっていくことになります。
そして、一時的には
代官を罷免されることもあったようですが、
江川家は幕末の36代当主英龍の時代まで
旗本として徳川家に仕えてきました。


 英龍は風流人で
特に絵の才能には優れていたようです。
絵画の師匠は
現存する絵画はすべて
重要文化財に指定されるという
天才・谷文晁で、
英龍自身も
もし平時に生まれていたら
名の知れた絵士になっていたかもしれません。
時代が風雲急を告げていたので、
その実績は高島流砲術
(高島秋帆が起こした砲術、
東京の高島平は
秋帆が幕末に大きな演習をした地であることに
ちなんで名付けられた)
を身につけ韮山塾を開いて
多くの人に砲術を教えました。
その中には、
吉田松陰の師匠として有名な佐久間象山や
勘定奉行であった川路聖謨(としあきら)ら
錚々たるメンバー280名の指導をしています。


 英龍の死後になりますが、
幕府は後を継いだ江川英敏に対して
江戸の芝新銭座
(現在の浜松町1丁目、
隣地は福澤諭吉が慶応義塾を最初に開いた地)
に下賜し砲兵塾を開かせました。
この塾で学んだ人数は
4000名にもなるそうです。
その中には
第2代総理大臣になる黒田清隆や
日清日露戦争の英雄で元帥陸軍大将の大山巌、
それに木戸孝允等も含まれており、
まさにこの砲兵塾が
維新を作った礎になったと言っても
過言ではないと言えます。
勝海舟が創り、
坂本龍馬、陸奥宗光らを輩出したことで有名な
神戸の海軍操練所よりも
こちらの方が大きな影響を与えたのではないか
という歴史家もいるようです。


 江川英龍は享和元(1801)年生まれで、
幕末に活躍した維新の英雄たちに比べれば
早く生まれています。
戦国時代で言えば
毛利元就がもう少し遅く生まれていたら
天下を取れたかもしれなかったのと同様に、
時代が少し早かったので
その活躍が成し遂げた業績に比べて
評価されていないのかもしれません。
英龍のような有能な幕臣の意見が
きちんと取り上げられていたら
歴史は変わっていて、
徳川家を中心とした
新しい近代国家が作られていたのかもしれません。


 作家の原田伊織先生が2012年に上梓され、
大きな話題を読んだ
「明治維新という過ち」(毎日ワンズ)
という本があります。
その後、増補版や完全版が出されるぐらいの反響ですが、
長州や坂本龍馬が明治維新を成し遂げ、
それによって日本は近代化に成功し
植民地化されずに済んだという
司馬遼太郎先生が広めた
いわゆる司馬史観という考え方に
真っ向から異論を述べたものになっています。
逆に、明治維新
(原田先生はそもそもこの言葉自体が
二二六事件などの昭和の軍部のクーデターや
三島由紀夫が広めたものであるという意見です)
が、日本をおかしくしたという考えです。


 私は完全に理解したわけではありませんが
一理あるなと感じました。
江川英龍に大きな興味をもったのは
「明治維新という過ち」の中で、
韮山塾を大きく評価している箇所があったからです。

実は先週、にんげんクラブのバスツアーで
重要文化財に指定されている韮山の江川邸を訪れ、
第42代目当主の江川洋氏や
公益財団法人江川文庫主務の橋本敬之先生
(「幕末の知られざる巨人 江川英龍」(角川SSC新書)
というご著書があります)
のお話を聞く機会がありました。
不勉強で反射炉が製鉄所であるということもわかっておらず、
あまり興味が持てなかったのが、
勝海舟よりも本当は歴史に
大きな貢献をした人物がいたということに
俄然興味が湧いて
にわか勉強させていただいたというわけです。


 私は中学生の時に
司馬先生「竜馬がゆく」(文春文庫)を
読んで以来の龍馬ファンで、
高知の坂本龍馬記念館にも何度も行きました。
小川雅弘さんから誘われて、
当時の館長であられた
故・森健志郎館長が企画された
大の龍馬ファンであられた
台湾の故・李登輝元総統を訪ねる旅にも
参加しました。
戦争が終わるまでは日本人であられて、
京都大学に学ばれていて
学徒出陣も経験されている李総統は
坂本龍馬を敬愛していて、
台湾が無血で民主化を成し遂げたことは
龍馬のことを知っていたからだとおっしゃっていました。


 しかし、歴史は勝者によって作られていることを考えると
志士や勝海舟や龍馬だけに
スポットライトを当てた歴史観だけではなく、
原田先生のような見方をしてみることも
必要なことだなと感じるようになってきました。
戦国時代よりも明治維新のときよりも
私たちはいま
大きな変革期を迎えていると思っています。
だから、江川英龍という偉人のことを学べたのは
とても有り難い幸せだと思っています。


討論会


 私がはじめて外国人と話をしたのは
高校生の時でした。
高校2年生の夏休みに
大阪市内の予備校の夏期講習に参加した時に、
英語の先生が外国人の方で、
日本語も日本人の先生と変わらずに
話していらっしゃいましたが、
実はその時が外国人との会話初体験です。

私は、なぜか英語が苦手で
中学高校の時は、何とか克服しようと
英語をどうすれば話せるようになるかという
本を何冊か読んでいました。
多分、英語道を創設された
松本道弘先生の本だったと思うのですが、
東京の外国人が滞在するようなホテルのロビーで
積極的に声をかけて
英語の発音を覚えたという箇所を読んで、
そこまでしなければ英語は身につかないのだと、
ビビったことがあります。


 当時、大阪在住だったので
夏休みなどの家族旅行は、
忙しかった父の東京出張に合わせて、
父の東京での定宿だったホテルに泊まるのが
恒例になっていました。
父とは家族で朝ごはんだけ一緒に食べる感じですが、
やはりロビーには外国人の滞在者もたくさんいて、
そんな人に自分から声をかける勇気はなく、
逆にそれができないことが
私の英語や外国人へのコンプレックスに
つながったのかもしれません。
大阪の郊外に住んでいたので、
キリスト教の布教をしている外国人の方を
見かけることはありましたが、
高校2年生の夏休みまでは、
外国人と話をする機会もなかったのです。


 まさに時代の変革期に
生まれ育ったのかもしれませんが、
その後、海外留学や仕事で
アメリカでの生活を経験しましたし、
コロナ禍前までは毎年のように
海外旅行に出かけていました。
特に、赤塚高仁さんに
イスラエルに何度も連れて行ってもらって、
それが外国人コンプレックスを減らす
大きな要因になったと思っています。
世界で一番討論が好きなのは
ユダヤ人だと思いますし、
それでいてフレンドリーで
とても話しやすいのです。


 松本先生に影響されたのは
英語道だけではなく、
ディベート(討論)ということの
大事さを教わったことも
大きな糧になっています。

これも大学時代だったので
書名は失礼ながら忘れてしまったのですが、
英語を学ぶという事は
ディベート技術を身につけることに
繋がるという話しも
なぜか心にずいぶん響きました。
ただ、実際に大学を卒業してから
アメリカに留学することになるのですが、
ある程度英語を話せるようになった後も、
友人や先生からは
「勝仁はシャイだから」といつも言われていて、
なかなか自分の意見を言えなかったし、
ましてや討論に臨むような勇気は持てませんでした。


 松本先生に逆らうわけではありませんが、
私は日本人には討論は向かいないと思っていました。
討論するためには自我の確立がかかせません。
心理学的な意味で、
日本人は自我の確立ができていない人が多く、
もちろん私もできていませんが、
逆にそれが日本人の良さの源泉になっている。
ましてや、これからの新しい時代は
自我を超えた自己が大事になるので、
自我の確立にこだわる必要は
あまりないのではないかと思っていました。

でも少し勉強すると、
自我の確立ができないと
上手く生きられない確率が高くなることが
わかるようになってきました。
そして、当然ですが、
自我が確立できて始めて
自己のレベルに至ることができるのです。


 自民党の総裁選挙が連日大きく報道されています。
4候補者の討論会を見せていただいて、
日本人も私の認識と違い
かなり討論が上手くなったなあという感想を持ちました。
討論というと「朝まで生テレビ」の印象があるのですが、
総裁選挙は
11月に予想される総選挙も踏まえて
行われている側面もあるので、
しっかりとお互いに自己主張をしながらも
相手の意見も尊重するという、
なかなか日本人が苦手だと
私が勝手に思い込んでいた
良いディベートになっていました。


 それで、興味を持ったので、
今回は出馬されなかった元幹事長のものを含めて、
候補の方の著書も読んでみました。
候補者の中では、
アメリカの大学を卒業された
元外務大臣のものが一番論理的だと感じましたし、
タカ派だととらえられている
元総務大臣の本も読み応えがありました。

ただ、私が旧世代だからかもしれませんが、
元政調会長の本が
やはり一番バランスが取れている気がしましたし、
私にとっては安心感が持てました。
さらに最後に出馬表明をされた
もう一人の元総務大臣も、
先週の看取り士の文脈で言うと、
「ゆっくり」という大事なキーワードのことを
思い出させてくれる時代の
先取りをしているものだとも感じさせてもらいました。


 あまり政治には興味がないので、
この手の本を読んだのは久しぶりだったのですが、
実はいまの政治家のレベルは
討論ができて論理的に話ができるという側面から見れば、
かなり高くなってきているようです。
未来を託す、私たちのリーダーを選ぶものなので、
この後の総選挙も含めて
しっかりと見つめていこうと思っています。

ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり

 9月13日アップの舩井幸雄.comの
「トップが語る、『いま、伝えたいこと』」
の原稿を事前に隔週で一緒にこのブログを書いている
本物研究所の佐野浩一社長に送ったところ、
以下のような返信をもらいました。

 
(引用開始)

勝仁社長、今回もありがとうございます。
死に関する考察...。
なかなかぼくにはできない......というか、
できたら避けたいと思うテーマなんですが、
いつも果敢に示唆を与えてくださることに、
あらためて敬意を表したいです。
ありがとうございます。

感謝

(引用終了)

 死に関するテーマと言っても、
今回の「いま、伝えたいこと」の原稿は
生物学的な見地から見た
いわば進化論から見た死というものについて書いたもので、
私から見ればそれほどハードなものとは思っていなかったので、
ちょっとびっくりしました。

「ザ・フナイ 9月号」にも書かせていただきましたが、
最近は社会学者で東大名誉教授の
上野千鶴子先生の
「在宅ひとり死のススメ」(文春新書)を読んでから、
介護や福祉関連の終活というか、
如何に人間は死んでいくべきか
ということに大変興味があるので、
佐野社長の反応は少し意外でした。


 上野先生のことを教えてくれたのは、
一般社団法人日本看取り士会の柴田久美子会長です。
柴田先生とは
「いのちの革命」(きれい・ねっと)
という共著を書かせていただいたことがあり、
それは今から7年半前の
父の死を迎えるにあたって
看取りのことを教えていただき、
それを私なりの我流ではありますが
実践したことを題材に、
柴田先生が現代の日本人が
死を忌むべきものと捉えていて、
佐野社長の反応のように
"できれば避けたい"というように捉えているが、
死を積極的に評価して
前向きに死に向き合うことを提案していることに驚いて、
革命家としての柴田久美子の
あり方を示せた本になったと自負しています。


 9月12日に岡山で
「第8回 日本の看取りを考える全国フォーラム」が開催されました。
岡山県にも当日まで緊急事態宣言が発出されていたので、
予定を変更して
ZOOMでの配信のみのフォーラムになりましたが、
もう一人の特別講演のスピーカーである
経済産業省の現役官僚である藤和彦先生と共に、
岡山に来てカメラの前で20分間話させていただきました。
上野先生の本をきっかけに勉強していたことが功を奏したのか、
藤先生から
「舩井先生は(昨年までとは)別人のように
自信を持って話していらっしゃいましたね」
と褒めていただいたけたので、
少しうれしく感じています。
事後にアーカイブをご覧いただくこともできるようなので、
ぜひお申し込みをいただければと思います。


 そして、そのまま岡山に残って、
柴田先生から直接「看取り士養成講座」
中級と上級を受けさせていただくことになっていて、
この原稿は岡山のホテルで書かせていただいています。
中級講座を受ける前に
初級講座を受講する必要があるのですが、
こちらはオンラインで受講ができるので、
すでに東京で受けさせていただいています。
本来は看取り士になる人が受講するもので、
できれば私も看取り士になりたいと思っていますが、
初級講座だけでも受けられると
人生観が変わり、
死生観が確立できるようになるのではないかと思っています。


 初級講座で驚いたのが、
看取り士の一番大事な心得が
「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」であり
「優しく、優しく、優しく」であるという事です。
人生の最期を迎える人に寄り添うのが看取り士なので
当たり前かもしれませんが、
普段とにかく忙しく、
そのために周りに対してパワーゲームをしていて、
結局パワハラのような状態を
いつも醸し出して生きている自分の人生に
気が付いて愕然としました。


 「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」、
「優しく、優しく、優しく」
生きられるようにならなければ、
死生観は確立できないということを思い知らされて
自信喪失の状態です。
最近、家で原稿を書いていて行き詰まり、
何もできない状態になったときのこと、
何もできることがなく困っていると
家人に言ったことがあります。
きょとんとした顔で、
それはとても恵まれた時間が持てるという事ではないですか。
ボーっとして何も考えなければいいのですよ
と示唆されたことがありました。


 確かにその通りで、
ボーっとしていると
父との対話ができたように感じて、
大きなヒントを得たことがありました。
父はよく、
1日に数分でいいから
何も考えない時間を持つといいよ
と言っていましたが、
その実践ができておらず
私は忙しく何かをしていなければ気が済まない
生活を送っているようです。
この2日間は
「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」で
生きてみようと思っていますが、
中級講座に向かう前に
この原稿を書き上げてしまおうとしている自分を
すでに見つけてしまいました。
仕方がないので
「ゆっくり」と改めていきたいと思います。


菅首相の退陣


 菅首相が自民党の総裁選挙への立候補を断念されて、
自民党総裁としての任期満了をもって
退陣されることが決定しました。
菅政権が続いていると
この秋に必ずある総選挙で
野党が勝利するだろうと言われていましたので、
一気にこれで自民党が
過半数を確保するのではないかということで、
日本の株式相場が
かなりの勢いで上げてきました。
この原稿を書いている時点で
日経平均が3万円台を回復することも
視野に入ってきているようです。


 自民党にとってもちろん
目先のこの衆議院選挙に勝つことも重要ですが、
来年の夏には参院選挙がありますので、
それも同じ総理総裁の下で戦う可能性が極めて高いので、
そこまで見据えた総裁選びができるかどうかが
政局の当面の鍵になりそうです。

オリンピック、パラリンピックも無事に終わって、
東京ではコロナの新規感染も
とりあえずはピークアウトしてきたようにも感じますので、
一気に政治の季節が到来してきた感じがしています。
総選挙直前に総裁選挙を行うと
マスコミに自民党の総裁候補、
つまり有力政治家が頻繁に登場することになります。


 それもすごい宣言効果で、
この選挙は自民党員しか投票できない選挙ですが、
これで実質的な総理大臣が選ばれることになるので
当然注目度が上がります。
それぞれの候補の政策もじっくりと報道されますので、
自民党が総選挙でかなり有利になるのは間違いありません。
政治的には中立であるべきだと思いますが、
経済や景気面で言うと
やはり革新的な政策を持っている野党が政権を取ると
いいことがなかったというのが、
前回の民主党政権の時に
しっかりと記憶に焼き付けられてしまっています。


 やはり経営者にとっては、
自民党政権下の方が居心地がいいというか
安心感があるというか、
それを感じるのは本音ですし、
できれば次期政権には1年間ではなくて
長期政権を担ってくださる
強いリーダーの登場を待ちたいと思います。
こちらもデータというよりも印象ですが、
小泉政権や安倍政権下で
日本は国際的なポジションを高めたという感じがあります。
その間の第一次安倍政権も含めて
1年間の短期政権が続いている間は、
どうしても元気が出ない気がしますので、
コロナ対応という大変難しい課題を抱えながらですが、
本当の意味で強いリーダーの出現を
時代は求めていると感じています。


 ただ、日本の場合、
本当のリーダーは総理大臣ではなく
天皇陛下だという話しをよく聞きます。
先日、みけまゆみ先生という
西洋占星術の先生の
個人鑑定をうけさせていただきました。
きれい・ねっとのイベントで
ショートスピーチをお聞きして、
その続きの内容がとても知りたくなって、
その日のうちに申し込んだのですが、
個人的なことだけではなく
政治経済の事などもお聞きできて大満足でした。
それぞれのリーダーやキーパーソンのチャート
(誕生時の天体図、
国などの場合は独立宣言の時刻や
どこで行われたかが分かると導き出せるようです)を
出して解説してくださって
とても印象的でした。


 その中で一番印象に残っているのは、
今上陛下はとても強いチャートを持っておられるということ。
上皇陛下のチャートとの関連などから考えて、
本質的な意味で譲位が終了して
令和の御代が始まるのは
2022年10月になるという事です。
そして、令和が本格的に始まると
今上陛下がお強いので、
日本でもITやAIがますます隆盛していって、
日本の国力が上がっていくというお話しでした。


 ただ、問題はその前の日本の国力は
総理大臣の影響を受けるので、
誰がリーダーになるかがとても重要です。
あくまで西洋占星術のチャートを
みけ先生が読まれた解釈ですが、
主要なリーダー候補の中で
一番いいチャートを持っているのが菅総理だったので、
鑑定を受けさせていただいた時には
まだ菅総理の実質的な退任が発表されていなかったので、
なんとか菅政権が続けばいいね
というお話をさせていただいていました。
ちなみに、安倍前総理から菅総理への
バトンタッチのタイミングは完璧だったそうです。


 残念ながら、総裁候補の人のチャートを
解説はしてもらっていないのですが、
来年10月までの日本の運営を決める
リーダーが誰になるのか、
大変興味を持って注目しています。
もちろん、自民党政権が続けばいいなあというのは、
あくまで私の意見なので
政権交代を待ち望む方は
その方向でいろいろ調べていただいて、
どう行動するのがいいのかを考えていただきたいと思います。

どちらにしても私たち一人ひとりは微力ではありますが、
無力ではありません。
何ができるかを考えていくことが大切だと思います。

 

謎のX君


 清武英利著「後列の人 無名人の戦後史」
(文芸春秋)という本を読みました。
タイトルの意味は
まさに講演会場などで最前線ではなく
後列に座ることがほとんどの人に
スポットライトを当てた
ノンフィクションになっているということです。

戦争や特攻の話から
1939(昭和14)年にトヨタの第一期養成工として
業績不振でトヨタがリストラせざるを得なくなった時に、
組合側ではなく経営者側について
会社の危機を救うことになり、
高卒で絶対に
トヨタの幹部になる可能性がほとんどないにも関わらず
トヨタの旗本と呼ばれた人から始まって、

山一證券の後始末をつけるために
損しかないのに
最後までその終焉に立ち会いながら
60歳台でガンで逝ってしまった女性などに
スポットライトを当てた本になっていて
とても読み応えがあります。


 後列に座るというと
思い出す話があります。
父はよく船井総研の研修で
当時のクライアントであった大手百貨店の
役員最終採用面接の話をしてくれました。

その百貨店の名物会長は
明治末期の生まれで
戦前の教育を受けた方だったのですが、
役員面接に残った大学生を会長室に呼び入れ
前列に並んだものだけを採用していたというのです。

これには、裏付けがあって
戦前の超エリートが集まる
海軍兵学校の入学式の時に
二列横隊に整列と掛け声をかけます。
兵学校に入学するようなエリートですから、
それだけできちんと前後二列のきれいな横隊ができます。


 そして、今度は
前列と後列で棒倒し競技をさせるのですが、
必ず前列に並んだチームが勝ったそうです。
前列に並ぶというだけで
やる気があるということになり、
その名物会長は
その原理を応用して
やる気があるものだけを
そんな形で自然と選抜していた。
だから、研修の時に前に座る人、
特に最前列に座る人は偉くなるという話しを
父は社員にしていたのです。

いまと違って当時のコンサルタント会社の社員は
一筋縄ではいかない猛者ばかりですので、
それで済まないのが面白いところです。
父が自分の話が終わって退場したら、
おもむろに専務が登壇して
謎のX君の話をするのです。


 謎のX君というのは、
会長(父のことです)の言う通り、
前列に並ぶ奴が優秀なのは間違いない。
でも、本当に一番優秀な奴は
そんな見え透いたことはしない。
大体後ろから2~3番目の一番端っこに
座り斜めに偉い人の話を聞いている奴の中に
とんでもなく優秀な奴が隠れている可能性が極めて高い、
と専務が話を付け足して終わるのです。

当時のコンサルタント会社に集まる社員は
どちらかというと
大企業で出世するタイプではなかったので、
そんな社員の気持ちを代弁していたのだと思いますが、
本質をついている面もある話だと思っています。


 「後列の人」で取り上げられている人は
一昔前のコンサルタントのように
ひねくれた優秀な人ではありませんが、
昭和の時代や戦前の軍隊であっても、
実は組織を支えていたのは
最前列に座るエリートではなく、
後列に座る名もなき人たちの
日頃の地道で真面目な営みにあったのは
間違いないと思います。

そんなことを考えさせてくれる貴重な本ですし、
これからの時代は
前列の人だけに
スポットライトが当たっている組織は
弱くなっていって、
後列の人が安心して
公の例えば会議の場などで
本音を発言できるような会社が
いい会社になっていきます。
そういう意味でも
時宜を得た本だと思います。


 この本の存在を知ったのは
赤塚高仁さんが後列の人のお一人として
登場されるからです。

赤塚さんの師匠の
故・糸川英夫先生のことを支えてきた
後列の人の一人として、
糸川先生が本当にかわいがって
ロケットのことを誰も知らない時代から
苦楽を共にした宇宙科学研究所の元課長
(高卒なので偉くなれない世界のようです)の
林紀幸氏や、
晩年の糸川先生を内助の功で支え続けた
内縁の妻であったアンさん
(詳しくは本をお読みください。
糸川先生のお話の主人公は
なんといってもアンさんです)
と共に取り上げられていたからです。


 赤塚さんには申しわけありませんが、
私が一番心ひかれたのは、
商品相場で百億円以上儲けて、
相場の怖さをトコトン知り尽くして、
相場を止めるためにシンガポールに本拠地を移して
税金を合法的に払わないように
永遠の旅行者
(税金を支払わなければいけない
義務が発生する日数以内の滞在にするために
世界中を永遠に旅し続ける人々)
をやっている。
それにも関わらず、
シンガポールでも相場を止められず
原油取引で百億円儲けてしまって、
いつか必ず破産するという
悪夢に苛まれている人のお話しでした。


 本当の幸せとは何なのかを
考えさせられる本ですが、
いまの時代にとてもフィットした本なので、
ぜひお読みいただき、
登場人物の誰に対して思い入れを感じるか
考えてもらえればと思います。

多分、その登場人物の生き方に
あなたの生き方はかなりの影響を受けていること
(もしくは、これから受けること)が
感じられるようになると思います。

日本の夏


 「私は日本のこと大好きだけど、夏はダメ。
こんな蒸し暑くて酷い気候は世界中どこにもないから、
申しわけないけど、7月~9月は毎年脱出させてもらうの。」

私が若い頃、知り合いだった
在日アメリカ人ビジネスマンの奥様で
ご本人も日本で小さな金融業を営んでいた方の
日本脱出の弁です。
生まれてから、ほとんど日本の夏しか
体験したことがありませんが、
そう言えば、アメリカの中西部に住んでいて
夏は気温が40℃以上になる場所でしたが、
こんなに過ごしにくいことはありませんでした。


 最近は異常気象が当たり前になったので、
ヨーロッパにも酷い夏が来ることがあるようですが、
そもそも建物に冷房設備が
最近までなかった国があるようで、
欧米の冬の寒さは
私たちには耐えがたいものがありますが、
その代わり夏は快適に過ごせます。
それでいて、長期の休みを取って
バカンスに出かけるのですから
不思議なものですね。
日本もいまでこそ、
どこに行っても冷房完備で
建物の中に入ると
快適に過ごせるようになりましたが、
高校生の時でも
大阪郊外のいつも使っていた私鉄電車で
冷房車に当たる確率は半分ぐらいでした。


 当然のように、
冷房車が来るまで待っていて、
運よく座れたら
受験勉強にいそしんだりしていました。
猛者の友人は
当時新型車両だった大阪京都間の特急列車なら、
ベンチシートでなくて前向きに座れるので
快適だということで
何往復もして勉強している奴もいました。
阪急電車さん、
さすがに時効だから許してあげてください。

大学に入って東京に出てくると、
普通の電車はすべて冷房車になっていて
さすが東京だと思いました。
例外は、地下鉄で
古い路線はトンネルの大きさの関係で
冷房が設置できる車輌を開発する技術が
当時は確立していなかったらしく
びっくりするほど暑かったのを思い出します。


 ほどなく、技術開発が進んで
もちろんいまでは東京の地下鉄も
全車両で冷房が満喫できますが、
そう考えると日々の暮らしは
日進月歩で便利になっていて、
コロナ君のおかげで、
わざわざ暑い夏に会社までいかなくても、
家に居ながら会議に参加できるようになりました。

家で会議に参加すると、
どうしてもリビングを占領してしまうことになって
申しわけない気持ちになるのが問題点です。
高校生の頃も
子供部屋にまで冷房がありませんでしたので、
夏の受験勉強は
リビングでさせてもらっていましたが、
だんだん肩身が狭くなってくるのは
同じなのかもしれません。


 そこで、夏期講習で通っていた
予備校の自習室に向かうのですが、
現役生で余裕のあるこちらとは違って
浪人生の鬼気迫る雰囲気に圧倒されてしまって
そこも居づらく、
仕方がないので
前述のように電車の中で勉強
というところに落ち着いていました。
いまどきは、子供部屋
ましてや受験生の部屋には
冷暖房完備になっていると思いますが、
やっぱり時代の進歩には
感謝しなければと思います。

私の頃でも、
冬は比較的対処が簡単で、
閉め切ってストーブを持ってくれば
なんとかなりましたし、
最後は炬燵というステキな武器がありました。
一番寒い季節は、
普段使っていない客間に
炬燵とストーブを持ち込んで、
勉強部屋にさせてもらって
結構、快適に過ごさせていただきました。
私などは短期集中型で受験勉強を乗り切ったので、
この冬が快適に過ごせたのは
本当にありがたかったと思っています。
それらを考えると、
日本の自然環境下では、
寒い冬は何とか乗り越えられますが、
暑い夏はどうしようもない
ということがよく分かります。

時代小説を読んでいると、
江戸時代の泥棒の稼ぎ時は
みんなが夏の睡眠不足を取り戻すために
熟睡している秋。
冷房のなかった頃の日本の夏は
眠れない夜を過ごしていたことになります。
そうすると、
せめて気分だけでも涼しくなれる
怪談話が流行するというのも納得できます。

また、昼間は行水を楽しむのが庶民の智恵で、
あまり異性に裸を見られるのを
恥ずかしいと思う習慣がなかったこともあって
(銭湯は混浴だったという話しです)、
大通りで若い娘たちが行水を楽しんでいました。
それを幕末になって
外国人がニヤニヤしながら見物に行くと、
逆に外国人が珍しいので、
素っ裸で娘たちが飛び出してきて、
そのまま外国人を見学に来て、
とても恥ずかしくなって
逃げて帰ったというエピソードを
聞いたことがあります。


 東北地方の戦前から続く
お寺を見学させてもらった時に、
ご住職がお正月の朝、
お茶を沸かして仏様に供えると
すぐに凍ってしまうと教えてくれました。
お寺の建物が
100年近く経っても現存しているのは、
冬の寒さは我慢して、
夏の高温多湿な気候に
対処するように作られているからです。
最近はお寺でも
ファンヒーターをがんがん使うので、
その周辺から
建物の劣化が始まってきているというのが
ご住職の悩みでした。

8月も終わりに近づいてきて、
さすがに暑い夏も
そろそろ終わりが見えてきました。
食欲の秋を楽しみに
もう少しがんばりましょう。


日本の美


 無観客とはいえ
結構騒がしく楽しい日々を送らせてもらった
オリンピックが終わって
しばらくの時が流れました。
野球やゴルフなど
自分が興味のある一部の競技を
テレビで楽しませていただきましたが、
個人的には新聞でメダルラッシュのニュースを見て、
若いアスリートの人たちが
がんばっているのだということを
確認させて喜んでいたぐらいです。

ただ、開幕式と閉幕式は
しっかりと見せていただきました。
若い人の話を聞くと、
SNS上等では評判が悪く、
仕切っている広告代理店の頭が古いからだ
ということになっているようです。


 広告代理店と同じように
頭が古いのかもしれませんが、
私は開幕式も閉幕式も
結構良かったと思っています。
イベントの企画に関しては何も分かりませんので、
あくまで素人の意見なのですが、
コロナ禍で行われたオリンピック、
私たちの経済もオリンピックのあり方も
どんどん成長していくイケイケドンドンではなく、
成長が徐々になくなっていって
成長しない中での
美を磨いていくスタイルになるのではないかと
感じられたからです。

私は前の東京オリンピックが開催された
1964(昭和39)年生まれですが、
あの時のオリンピックは、
これから日本やアジアが
ドンドン豊かになっていくぞという
高揚感を感じられるオリンピックだったのですが、
今年の五輪は
脱成長を象徴するようなオリンピックだったと
感じさせてくれたと私には思えたのです。


 3年後のオリンピックはパリで開催されますが、
フランスも文化が成熟している国で、
成長しない中でのオリンピックのあり方を示すには
ぴったりの国だと思います。
閉会式で紹介されたオリンピックのあり方は
それを見事に表現していて、
さすがだと思いました。

5年前のリオオリンピックの閉会式は
それほど熱心には見ていないのですが、
安倍前総理がスーパーマリオになられたのは
何となく覚えています。
その時は、まだ成長を前提とする
熱いオリンピックを目指していたのかもしれませんが、
1年延期とコロナ対応で
本来あるべきものに変容したのかなとも感じました。


 元々、日本の文化は
過度なギラギラしたものを嫌う文化です。
伊勢の神宮が典型的ですが、
シンプルでしっかりした
職人技の粋を集めて作られたもので
常若の考えを見事に表現しています。

失われた30年とも言われて
日本経済の元気のなさが
世界で突出した状態になっていますが、
明治維新以降や戦後の高度成長期の方が
異常な状態で
日本は江戸時代には
成長をほとんどあきらめることで、
その代わり260年もの天下泰平を謳歌していたのです。
わびさびに美を求める日本文化には
成長は似合わないのかもしれません。


 ただ、やっぱり経済成長しないのは、
諸外国がそれなりの成長を続けている中では
厳しいものがあります。
コロナ禍でも
アメリカや中国は成長を続けていますが、
どうもそれは
かなり無理をした
演出された成長のように思えてしまいます。
たまたま、日本は
他国よりも30年早く
脱成長のステージに入ったのであって、
3年後のパリオリンピックで
本格的に表現してくれるであろう、
新しい低成長、脱成長の時代の
オリンピックのひとつのあり方を示すことができたことで、
日本は大きな役割を果たせたのではないかと
個人的には感じています。


 ここまで考えると
わびさびの文化を誇っているのは
何も日本だけではないと感じます。
ヨーロッパの文化遺産も
大半は重厚な歴史を感じさせてもらえる
クラシックなものですし、
新しいものばかりを追求しているように思われる
アメリカにおいても、
例えばニューヨークは
ほとんど地震がないことから
100年以上経った建築物を
いまでもしっかりと使いこなしています。
原色が大好きで
ギラギラしているイメージがあるアフリカでも、
植民地時代の歴史的な建築物などは
クラシカルな趣を感じさせてくれるものが多く、
人類は変容をしていきますが、
それは成長とは違う形で
起こってくるような予感がします。


 そして、私たちは
その新しい変容の形を受け入れて、
もしかしたら日本が率先して
その道筋を示していかなければいけないのかもしれません。

理論物理学者の世界では、
理論を提唱して
それが実験で確かめられるまで
大体30年の年月が必要なのだそうです。
科学であるからには
きちんと実験で確かめられないと認められないのですが、
多くの物理学者には
どの理論が正しいかの予想はできているそうです。
なぜなら、本物の理論は
シンプルで美しいのです。


 産業革命以来、
高成長という異常な時代を生きている人類が
変容する時がきているのかもしれません。
特に明治維新以降の日本は
その中でも断トツであり得ない成長を続けてきたのですが、
伸びたからには
今度は縮んでいく過程でも
先頭を走っていく必要があるのかもしれません。

新しい人類のあり方を、
成長がなくても
みんなが幸せでシンプルに美しく生きられる世の中を
模索していきたいものだと思います。

正義の時代


 現代の知の巨人といえば、
2017年に惜しくもお亡くなりになられている
故・渡部昇一先生が
筆頭にあげられるのではないでしょうか?

私は高校生の頃、
父からある月刊誌を毎月渡されて、
それを読めばいいと言われました。
内容はかなり難しかったのですが、
世の中の動きが
手に取るように分かるようになったので
楽しくて結構がんばって
毎月読んでいました。
そのレギュラー執筆陣のお一人が渡部先生で、
世の中にはこんなに頭のいい人がいるのだな
ということを知りました。


 その後は不勉強で、
その著作を拝読することは
ほとんどなかったのですが、
今回いろいろなシンクロニシティが起こり、
久しぶりに何冊か読ませていただきました。

最初は、松本清張先生の
日本の黒い霧」(文芸春秋)を読んで、
その時にいろいろ調べている中で
渡部先生の
昭和史―松本清張と私
大正末期~二・二六事件
」(ビジネス社)
という本が出ていることを知り購入しました。
積読になっていたのですが、
この原稿を書くに当たり
読み始めたらとても面白く、
すぐに読んでしまいました。


 そうすると
1976年に出版されている本なので、
多分中学生の時に最初に読んだ先生の本、
知的生活の方法 」(講談社現代新書)
が気になってきたので、
電子書籍で買って読ませていただきました。

中学生の私は
渡部先生の読書方法に
感銘を受けたのですが、
とても真似をできないと
あきらめてしまいました。
それが最近まで
あまり渡部先生のご著書を読まなかった
(読めなかった)原因なのかもしれません。

よく覚えているのは、
本は重いので、
補強しておかなければ床が抜けるということで、
そこまでして本を読めるようになるには
一体どんな生活をしなければならないか
武者震いをしたものです。


 幸いに、いまは電子書籍などがあり、
また古本もアマゾン等を使えば
比較的容易に手に入るようになりましたが、
本当の知的生活をするためには、
基本的なことは変わらないのだろうなと思います。
私の場合は父が亡くなってから
本格的に勉強するようになったし、
それもほとんど原稿を書くために本を読んでいるので
偉そうなことは言えませんが、
若い方の中にはきっと
新しいスタイルの勉強方法を
生み出す人がいるのだと思います。
なぜならば、知的興奮というのは
何にもまして魅力的なものだからです。

 
 渡部先生の本を読んでみるきっかけになったのは
阪根大学というオンライン講座の
学長を務められている阪根博学長と
野村哲也事務局長と
オンラインでミーティングさせていただいたことでした。
私も光栄にも阪根大学の講師をさせていただいているのですが、
そこで親友の赤塚高仁さんから教えていただいた、
ユダヤ人2万人の命を救い
終戦後のどさくさにソ連が北海道占領を企てて起こした
占守島(しゅむしゅとう)の戦いを命じたことで
北海道を救った功績がある樋口季一郎中将のことを、
樋口隆一編著
陸軍中将 樋口季一郎の遺訓」(勉誠出版)を
紹介しながら話させていただきました。

 とんでもない博学の阪根学長は昔、
北海道にツアーで行った時に
樋口中将のことを話されたことがあり、
それを私の話で思い出されて
インスパイア―を受けられたようです。
そして、その時に思い出したのが
渡部昇一先生のことでした。

書名までは覚えておられなかったのですが、
渡部先生のエッセイで
当時の社会主義国のことを甲殻類に例えたものがある。
それを調べてみたいのだが、
現在阪根学長は南米のペルーに在住されているので難しいので、
私に調べてくれないかというお話しでした。


 調べてみると、
1974年から76年に書かれた
「文化の時代」「腐敗の時代」「正義の時代」
という時代シリーズエッセイ3部作の中の
「正義の時代」に収録されている
「甲殻類の研究」がそれに相当していることが分かりました。
渡部先生は社会主義や共産主義は
必ず全体主義(トータリタリアズム)に繋がる
ということを喝破しています。
例えば、ヒトラーのナチスは
「国家社会主義労働者党」という
正式名称を持っているので
社会主義を旗印にしています。


 また、1936(昭和11)年の
二・二六事件の理論的支柱を提供したことで、
軍人でクーデターに参加したわけでもないのに
軍法会議で死刑を言い渡され
刑死した北一輝の主著は
国体論及び純正社会主義」(中公クラシックス)であり、
ソ連の共産主義との違いは
天皇制打倒を叫ぶか
天皇をいただいてその下で
純正な社会主義(反資本主義)を行うかの
ちがいだけであるというのです。

阪根学長は現在の日本の周りも
このような全体主義につながる勢力に囲まれていて、
これを生き抜くには
非常に危うい状態にあるという事を
多くの知的生活者に警告する必要性を
感じておられるのです。


 渡部先生の主張は、
若い頃の私には過激に思えましたが、
いま読むと極めてまっとうなことを
きちんとエビデンスを示しながら
おっしゃっていることが分かり、
幸いにも人気があるのか
電子版で読める本が今だにたくさんあるので、
しっかりと読んでみたいと思っています。

さらに嬉しかったのは、
父や私も親しくしていただいていた
分子生物学者でノーベル賞級の業績を残されている
故・村上和雄先生
(今年の4月に残念ながらご逝去されました)の遺作である
コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?」(幻冬舎)を
偶然に読ませていただくと、
そこに樋口中将の業績が紹介されていることです。

 赤塚さんが言うように、
危機の時代ということは変容の時代であり、
渡部先生や村上先生のような
先人が残したすさまじい業績を
やっと私たちはきちんと認識できるように
なってきたのかもしれません。


尊敬する人たち


 北海道の網走に
東京農業大学オホーツクキャンパスがあることを
ご存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

また、大根踊りで有名な
農大の建学の祖が
幕臣の出身でありながら
明治政府の要職を歴任して、
ロシアとの交渉を通じて
北海道のいまのあり方を形づくった
と言っても過言ではない
榎本武明先生であることを知っている人が
どれくらいいるでしょうか。
そう考えると
網走に農大があることも
歴史的な必然だということが分かってきます。


 私は5年ぐらい前から網走とご縁ができて、
定期的に北の大地を
訪問させていただけるようになりました。
知らないことはいろいろあり、
オホーツクキャンパスは
大学野球の強豪校で
その卒業生には
多くのプロ野球で活躍する選手もいるそうです。
私でも知っているところでは
ソフトバンクホークスの
俊足好打好守の内野手である
周東選手も同大学の出身です。

網走というと
故・高倉健さん主演の
網走番外地のイメージが強く、
オホーツクキャンパスに
進学することになったことを
孫から聞いたおばあちゃんが、
かわいそうにと泣き出したというエピソードを
大学関係者の人から聞いたことがあります。


 ただ、実際のキャンパスは
約30年前に建てられた
近代的で落ち着いたもので、
実学主義の同校らしく
落ち着いた環境で
しっかりと勉強できるようになっていて、
約1,600人の
主に道外から来ている
学生たちが学んでいます。

同校の名物のひとつに
春のホタテ養殖バイトと
農業バイトがあります。
元々運動部の活動費を稼ぐために
女子学生が考えたものですが、
当時は大学にも漁協にも
反対する人がいました。
それを実現させたのは、
3年前まで
オホーツクキャンパスの責任者として
副学長を務めていた渡部俊弘先生です。
渡部先生は何と
自らホタテ船に乗り込んで体験して
バイトを認めさせることに貢献したのです。


 いまでは実学主義の同校の
1年生の必須ともいえるバイト
(噂ではたった数カ月の
繁忙期の春先だけのバイトで
1年分の小遣いを稼ぐようです)
として定着していて、
北海道二十一世紀総合研究所の調査によると
農大生によるバイトの生産額は
漁業45億円、農業90億円
計135億円にものぼるようで、
人手不足の昨今、
網走経済には
なくてはならないものになっているようです。


 渡部先生は農大を定年退職後、
やはり北海道恵庭市にある
北海道文教大学の学長をされています。
渡部先生の研究分野は
自然界最強の毒素を持つボツリヌス菌。
これを研究テーマに選んだ理由は
渡部先生の著書
人とつながる「笑いと涙」の40年』(丸善プラネット)
をお読みいただければと思います。


お付き合いの短い私から見ると、
渡部先生は
大学の先生にしておくのは惜しいぐらいの
ビジネス感覚を持たれていますが、
ここまでに至るには
すごいご苦労があったことがよく分かります。

渡部先生のおかげで北海道にご縁ができて、
北海道を大好きになった私ですが、
この本を読むだけで、
大きな感動が得られることを請け負いますので
ぜひお読みいただきたいと思います。


 もう一人、
渡部先生と同じように尊敬できる友人が
きれい・ねっとという出版社を経営する
山内尚子さん。
私よりもずいぶんお若いのですが、
A(赤塚高仁)K(勝仁)
D(出路雅明:ヒューマンフォーラム会長
N((山内)尚子)の4人で
大の仲良しグループを結成しています。
唯一の女性で
年齢もかなりお若いのに
山内さんが入っているのは
他の3人のおじさんの
メンター的な存在だからです。


 私もにんげんクラブの運営を
実質的に父から引き継いだ時に、
大きな失敗をやらかしたことがあります。
その時に、山内さんが真剣に怒ってくれて
それからしばらく、
にんげんクラブの運営や
スピリチュアルな側面のメンターを
かなり綿密にやってもらったことがあり、
私がいまこんなに偉そうに
スピリチュアルの分野について
話したり書いたりしていることの大半は
彼女から教えてもらったことです。

AKDNの他の2人も同じように
山内さんに助けられたことが
きっとあると思います。
この世での実年齢は一番若いのですが、
魂の古さは4人のなかで桁違いだと思います。


 最近はほとんどAKDNとして4人で会う以外は
お話しする機会も少なくなってきましたが、
最近のきれい・ねっとさんの出版物を見ると、
その間に私がとても理解できない
すごい世界に進まれているように思います。
分かる人には分かるようで、
知り合いの中でも
スピリチュアルのことを
最も理解しているであろう友人たちが
彼女の下に集まっているように感じます。

実はあまり紹介したくないのですが、
彼女が8月8日、東京で開催するイベント
「まなひまつり2021」
まだ10名ぐらい余裕があるようです。
彼女の能力はAKNDだけで占有していたい気もしますが、
多分世の中の流れが
にんげんクラブの有意の皆さまにも
彼女のことを知っていただく
必要性があるようになってきたのだと思います。

目に見えない世界のことなので、
論理的な説明は無意味ですが、
渡部先生にしても山内さんにしても、
他のAKDNのメンバーにしても、
いまの時代に大きなことを伝える
役割を持っているような気がしますので、
そっと読者の皆さまにお知らせします。

何か感じられた方は
ぜひ情報にアクセスしていただければと思います。


社会に裨益(ひえき)する医者になる


 おかげさまで健康な身体を両親からもらったようで、
大きな病気をしたことがありません。
無呼吸症候群(簡単に言えば酷い"いびき"です)の
検査入院を1泊したことはありますが、
他に入院の経験もありません。
だから気軽に言えるのですが、
病院やお医者様に行くのは
あまり好きではありませんし、
薬もできれば飲みたくないと思っています。


 ただ、日ごろの生活態度は
あまり褒められたものではありません。
お酒を飲み始めると
酔っぱらうまで飲んでしまうことが多いですし、
私は飲むと食べたくなる方なので
それに伴って
体重も過去最高値近辺で
高値安定を維持しています。
運動はほとんどしませんし、
コロナ前は
せめて通勤には電車を使って
1駅前で降りて歩こうぐらいは実践していたのですが、
ここ1年ぐらいは
車で通勤するようになり
そうすると歩くこともほとんどなくなりました。

幸いにも
美味しいものを食べに行こうと
誘ってくれる友だちがたくさんいて
日本全国の美味しいものを食べ歩いています。


 何が言いたいかというと、
生活習慣病になるような
典型的な生活を送っているのです。
だからその報いとして
痛風の発作が起こるようになってしまいました。

本物研究所で取り扱わせていただいている
クロガリンダというサプリメントを
愛用するようになって、
しばらく発作が出なくなっていたのですが
今年はなんと2か月連続で
発作が起こってしまいました。
クロガリンダやその他
愛用させていただいているサプリや
身体によいとされる本物商品は
効果を上げているという確信があるので
ストレスのコントロールを含めて
生活改善に取り組まなくてはいけないと思っています。


 5年ぐらい前のことですが、
痛風の発作が出た時に
かかりつけの医院に診てもらいに行きました。
正直に言うと
痛み止めと尿酸値を下げる
薬の処方箋をもらいに行くつもりだったのですが、
そのためには
血液検査などの検査が必要になります。
その数値を見て
お医者様が血圧も高いので
その治療もしましょうかとおっしゃいました。
変な知識があるので
降圧剤を飲み始めると
やめられなくなると聞いていたので、
なるほどこうして病気が作られるのだなと思って
それ以来そのお医者様に行くのを止めてしまいました。
そして、かかりつけのお医者様が
いない状態になったのです。


 最近は、いざという時に
それでは困るだろうというアドバイスで
いいお医者様を紹介していただいて
定期的に通ってはいますが、
私の医者嫌い(?:本当は薬嫌い)を
理解してくれているので、
薬の処方などはめったにされないのがポイントです。

ただ、ではちゃんと診てもらっている
先生がいないかというと
そんなわけではなくて、
静岡県富士宮市郊外(ほとんど山の中)にある
青木クリニックには
不定期ですが、結構な頻度で通っています。


 青木クリニックの院長は
青木秀雄先生。
71歳になられますが、
同じ高校の大先輩である
作家の芹沢光治良(せりざわ こうじろう)先生を
大尊敬されて、
先生が小説などにかかれる神の世界を
医療に活かしていらっしゃいます。

青木先生は
「病気を治す医者になる」活動を
続けられています。
当たり前のことのように聞こえますが、
現代人が苦しんでいるのは
医療や薬で治らない難病で、
症状を抑える対処療法はありますが、
根本的な治療をする方法はないというのが
医学界の常識です。
でも、医者は本来病気を治すのが役割だ
という信念の下、
どうしたら病気が治せるかを
追求し続けていらっしゃいます。


 そんな青木先生が
『「バイオサンビーム」で病気が治った』(風雲舎)
という本を上梓されました。

病気が治った72.jpg

病気を治すために
青木先生が使っている手法のひとつが
矢山利彦先生
(父が一番信頼していたお医者様で、
まるで弟分のような存在でした。
矢山先生と本物研究所の佐野浩一社長と私が対談した
「舩井幸雄の魂がいま語りかけてきたこと」(ヒカルランド)
という書籍がありますので、
よければお読みください)
のバイオレゾナンスです。

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その矢山先生が冒頭のオマージュ
(尊敬、敬意:本書に対する賛辞です)で
「ここまでリアルを公開していいの!?」
と叫んでいるぐらいの
開けっ広げの内容になっています。


 青木先生は私の生活習慣病
(本当は生活習慣を変える気がないから重症です)
を本書に書かれているような内容で
何とかしてくださいます。
青木先生によると
痛風の発作も現象としては痛風だが、
もっと別の原因があるという見立てで
漢方の処方はしてくださいますが、
主にバイオサンビーム
(詳細は本を読んでくださいね)を使って
本当に治ってしまいます。

もちろん、生活習慣が変わっていないので
また再発してしまうのですが、
青木先生のお顔を見られると思うと
片道3時間半のドライブが
楽しくなってくるから不思議なものです。


 病気を治すお医者様として
「社会に裨益する(役に立つ)医者となる」
(第一章のタイトル)
を実践している青木先生の
すばらしいご本を
ぜひお読みいただければと思います。

話しのツボ


 先週の話は
先生の種類は3種類あって、
ティーチャーとガイドとメンターだ
という話しでした。
それぞれ、知識、経験、生き方を
教えてくれる先生ですが
お金の分野の私のメンターは
間違いなく故・竹田和平さんです。

和平さんと知り合った経緯は
多くの人のご縁ですが、
直接的には3人の鼎談本
所得5倍増なんて簡単なこと!
智徳主義【まろUP! 】で
《日本経済の底上げ》は可能

(ヒカルランド)
を出した小川雅弘さんが
私の背中を押してくれたのだと思います。


 和平さんはお金だけではなく、
多くの若い人脈をくださいました。
それは、私も彼らと同じ
和平さんの弟子だったので、
弟子仲間で集まる機会があり、
そこですばらしい人たちとの
出会いがありました。

そんな得がたい素晴らしい仲間のお一人が
出版プロデューサーの
山本時嗣さん(時ちゃん)です。
時ちゃんと親しくなったきっかけは、
赤塚高仁さんのベストセラー
お父さん、日本のことを教えて!
を出版するための
プロデュースを頼んだことでした。

 これという人とのお付き合いを大事にして
人脈づくりの名人である赤塚さんは
時ちゃんのプロデュースした作家の先生たちと
次々と親しくなっていって、
お互いの著書を紹介し合う仲になっていきました。

時ちゃんプロデュースの作家さんたちは、
赤塚さんが大好きな
表面的にお金儲けをするために生きているのではなく、
しっかり伝えなければいけないものを持っていて、
それを伝えていくことで
世の中に貢献することを
使命にしている人たちばかりだからだと思います。


 いつしかそんな仲間の輪に
私も入れていただけるようになり、
最近、時ちゃんがプロデュースした本のPR動画に
私も参加させていただけるようになりました。

最初は、
宇宙一願いが叶う"引越しの魔法" 」の
山田ヒロミ先生です。
ヒロミ先生とは、
赤塚さんと京都の町を徘徊している時に
偶然にお寿司屋さんで会うという
必然の出会いもあり、
ご縁を感じていますが、
引き寄せの法則を元にした
コンサルティングの実力は
並外れたものがあります。
オンライン対談で
同級生であることも判明して、
ますます親しみを感じています。


 読者の皆さんが
これを読まれている時には、
対談は終わっている予定ですが
次はヒロカズマさん です。
和平さんの会でお会いすると、
とても強烈なオーラを感じる
素晴らしい人だとは思っていましたが、
新著の
これからやってくる素晴らしい世界の話」を読んで
心の底から感動しました。
ヒロさんが本当に
自分のエゴがほとんどなく
他人のためだけに生きている人だ
ということを感じられたからですが、
いまの若い人には
こんな素晴らしい方が何人もいることを知ると、
私は旧世代の人類だなと感じるときがあります。


 そして、明日7月22日(祝)に
お話をさせていただくのが
「話すツボは7つ
 営業担当者がいなくても
会社を成長させる社長の極意」の
こささやすしさんです。
小笹さんは、和平さんの弟子の中では
一番親しくさせていただいている人で、
本書を読ませていただくと
実は私も登場させていただいていることが分かります。
そして、こんなに親しくさせていただけるようになっているのは、
小笹さんが
私の7つのツボを
見事に押しているからだということが
改めて分かりました。


 小笹さんも私よりはお若いのですが、
よく考えてみると
借り勘定しかありません。
それを嫌味なくやられるノウハウが
本書には惜しげもなく書かれていますので、
人間関係で悩んでいる方や、
営業を頑張りたい方、
もしくは向上心があって
世のため人のために貢献したいと思っている方は
ぜひ以下の告知をご覧いただいて
動画配信を
できれば生でご覧いただければと思います。

(見逃した方や、
後からメルマガ等で読んでいただいている方は
YouTubeでの配信でご覧いただければと思います)

【出版記念対談ライブ】告知文
7月22日の夜、
日本話すつぼ協会 会長の
こささやすしさんと
YouTubeで対談をします!
こさささんは、7月5日に
「話すツボは7つ
〜営業担当者がいなくても
会社を成長させる社長の極意〜」
(ビジネス社刊)
を出版されました。
今回の本のテーマは「コミュケーション」。
タイトル・帯には
「〜営業担当者がいなくても・・・」
と書かれていますが
営業マンじゃなくても
コミュニケーションは大切ですよね。
コミュニケーションは人間関係の要。
その大事なポイントを
こさささんと一緒に語り合いたいと思います。
7月22日(木)20時〜、
YouTubeに是非観に来てください。

https://www.youtube.com/watch?v=IPgVBqneYJs

 みなさん和平さん繋がりだけあって、
利他の心にあふれています。
和平さんは、いま話題の
「論語と算盤」を書かれた渋沢栄一翁を
本当に尊敬されていました。
和平さんは栄一翁から
成功するのは志と情熱があれば簡単にできるが、
その成功を維持するためには
天命を知らなければならない
ということを学ばれました。
天命は天意ともいい、
これを"あい"と読みます。
天意を知るためには
利他の心と感謝の心を持ち続ければいい
ということを教えてくれました。

 私の世代は、
それはスローガン的な遠い目標だと
感じて生きてきましたが、
いまはそれを実践している人たちが
たくさんいるのですね。
本当にいい時代になってきました。
明るい未来を託せる
友人たちとのご縁に感謝しつつ、
私も新しい世の中のために
お役に立てるようになっていきたいと思っています。

先生の種類


 最近どうも赤塚高仁さんのことばかり
書いているような気がします。
ユダヤに学ぶ「変容の法則」」は名著ですが、
こんなに赤塚さんのことばかり書いていると、
「怪しい」とか「リベートもらってるのか?」とか
いろいろ憶測されるかもしれませんが、
友人である以外特に利害関係はありません。
ただ、7年前に
イスラエルに連れて行ってもらってから
人生が変わったのは間違いありませんし、
それ以降に新しくお付き合いができて
友人になった人は
ほとんどイスラエルで出会った人たちですので、
間違いない
私の恩人であるということは言えると思います。


 赤塚さんは
先生には3種類あるという事を教えてくれます。
出典は
神学博士で国際的な直観医療の第一人者である
キャロライン・メイス博士
アーキタイプカードということを
行動科学研究所
岩田洋治所長に教えていただきました。

赤塚さんは単なるプラス思考ではなく
闇を見ることの大切さをいつも教えてくれますが、
それは洋治先生のお父さまで
行動科学研究所を設立された
岩田静治先生から学ばれたものです。


 そう言う意味では
赤塚さんの教えのバックボーンになっている
大事な要素のひとつになるのですが、
お付き合いが深くなってくると
赤塚さんは惜しげもなく
自分を形づくった大切なものを共有してくれます。

昔の先生は一度講義のためのノートを作ると
毎年それを繰り返し使いました。
だから、基本的には
親しくなっても
それを共有したりしなかったのですが、
これだけ変化の激しい時代になると
自分のノウハウをドンドン人に教えて、
それによって新しいものが入ってくる
余地を広げていくのが
先生のあり方なのだと思います。


 赤塚さん自身は
人々を導くガイドという種類の先生です。
実際に赤塚さんの真髄に触れるためには
一緒にイスラエルに行くのが一番であり、
唯一の方法かもしれません。
イスラエルという地にガイドされることによって、
魚に見えていない水が見えるようになるごとく、
日本人には見えていない大和心が
見えるようになります。
そして、
自分たちが何者かを思い出せるようになると
人生に迷わなくなっていくのです。

歴史と神話を奪われた民族は
例外なく滅ぶというのが世界の常識です。
大和心を思い出す人の数を
一人でも多くすることが
いまの日本にとって一番大事なことなのです。


 私は赤塚さんによる分類では
ティーチャーという先生になるそうです。
主に知識を教える人で、
私の話を聞く人は私を見るのではなく
黒板を見ていることの方が多いのだそうです。

確かに、知識を日々インプットすることに
喜びを感じていますが、
それは講演で話をさせていただいたり、
このような文章を書く機会を
おかげさまで多くいただけるので、
知識をアウトプットする機会があるから
喜べるのだと思います。

私も許容量があまり多くないので、
得た知識はなるべく早くアウトプットすることを
優先させていただいています。
だから、実は
話したり書いたりさせていただきながら
自分の血肉を作らせていただくという
ティーチャーなのかもしれません。


 そして、実は
人に一番大きな影響を与えられる先生が
メンターなのです。
日本にメンターという概念を広めてくれたのは
本田健先生だと私は思っていますが、
父のことも
健さんのメンターだと
おっしゃっていただいていますので、
舩井幸雄もメンターなのかもしれません。

父は忙しい人で、
知識の吸収にも貪欲でしたし、
経営者の皆さまを
海外や国内のツアーにお連れして
ガイドをするのも大好きだったので、
ある意味3種類の先生を
使い分けていたのかもしれません。
私は多少ガイドの仕事はできますが、
メンターはちょっと苦手なような気がします。


 もう一人典型的なメンターは
岩田清冶先生ですが、
静冶先生のメンター分野の
一番弟子とも言える存在が
A(赤塚)K(勝仁)
D(出路)N((山内)尚子)を形成する
大の仲良しの
ヒューマンフォーラム会長の
出路雅明さんです。
私は天外伺朗先生の本で
出路さんの存在を知り
主著である
ちょっとアホ!理論
倒産寸前だったのに超V字回復できちゃった!

(現代書林)を読み、
こんなにおもしろい経営論があるのだと
驚愕しました。
ただ、見た目が怖いので
近づかないようにしていたのですが、
AKDNとして
これほど仲良くなるとは
夢にも思いませんでした。


 出路さんが
メンターとしてのノウハウを
惜しげもなく教えてくれる
オンラインワークショップ
8月1日に開催されます。
私も早速申し込みましたが、
苦手分野のメンターの真髄が
垣間見えるのではないかと
とても楽しみにしています。

ティーチャーやガイドよりも
いま一番求められているのは
メンターなのではないかと感じています。
この変容の時代に大事なことは
きちんと前を向いて進んでいく能力ですし、
それは知識ではなく
習慣力なのかもしれないと感じているからです。
ぜひ、この絶好の機会を
見逃さないでいただければと思います。


西洋のイデア


 この度の大雨による土石流災害で
舩井幸雄記念館がある熱海市の伊豆山地区が
大きな被害を受けました。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りすると同時に
被災された方にお見舞い申し上げます。

舩井幸雄記念館がある西山地区は
現場から数㎞離れていて、
山をひとつ越えたところにあります。
家族も記念館も、
多くの皆さんにご心配をおかけしましたが、
この場をお借りして無事を報告させていただきます。
以下に舩井幸雄記念館の発信しているブログを
貼り付けさせていただきます。

http://www.funaimemorial.com/atami-biyori/atami-biyori-1475/


前回、日本の主宰神のことを書かせていただきました。
簡単に言うと
日本人にとって一番大切な神さまである
天照大神のことをもっと知ろう。
そして、その愛を感じるために、
しっかりと学んだうえで
伊勢神宮にお参りに行きましょう
という提案です。

先週も書きましたが、
そのための教科書として分かりやすいのは
赤塚高仁さんの
お父さん、日本のことを教えて! 」であり、
上級編は同じ赤塚さんの
日本よ永遠なれ
だと思います。
幸いにも、日本には赤塚さんのように、
実は結構難しいお話を
分かりやすく導いてくださるガイドがいますが、
西洋の思想について知ることも大事になると思います。


 個人的なことですが、
先週の週末は
ひさしぶりの2日間
何も予定が入っていない休日でした。
お酒も飲まずにしっかりと休養して
体調を整えるために使わせてもらいましたし、
東京都議選の投票には出かけましたが
基本は家にいました。
そこで、まとまった時間がとれたので
原稿のネタを探すのではなく
じっくりと大著に挑戦してみたくなりました。
積読になっている本の中から
佐伯啓思著
近代の虚妄: 現代文明論序説」(東洋経済新報社)
を抜き出して読み始めました。
原稿にするつもりはなかったのですが、
不思議に先週のレポートとリンクしていて、
結局はネタになってしまいました。


 佐伯先生は京大名誉教授の経済学者ですが、
哲学の分野にも造詣が深く
本書はどちらかと言えば
哲学の分野の話がメインになっています。
父の影響で私は物理学に興味があり、
そうすると不思議なもので
新進気鋭の物理学者である周藤丞治さん
(彼の「いざ、高次元世界へ」は名著です)
と知り合いになり、
超弦理論に基づく次元論を
教えてもらうことができました。
毎月2回ぐらい
2年間に渡って彼とミーティングをさせていただき、
その次元論をどう社会に活かすかを考えていたのですが、
その中でどうしても哲学の勉強が必要なことを
痛感するようになりました。


 当たり前ですが、哲学は難しい。
現代(本当は近代と考えた方がいいかもしれません)の
西洋文明を作っている基盤は
聖書とソクラテスやプラトンから始まる西洋哲学です。
聖書の方は、
やはり赤塚さんの
ユダヤに学ぶ『変容の法則』
をお読みいただければかなり理解できますが、
哲学を私に簡単に教えてくれる
本に出会うことはいままでありませんでしたが、
灯台下暗しで
積読になっていた「近代の虚妄」は
本当に分かりやすく
哲学の体系を教えてくれました。


 哲学者が書いた本は、
私には難しすぎるのですが
経済学者である佐伯先生の本は、
ポイントだけを分かりやすく教えてくれるので
肚に落ちた感じがしています。
西洋哲学は
理想であるイデアを追求してきたのですが、
もはやイデアを追求できなくなってきた。
形而上学というアプローチの仕方が
実はこれ以上の追求ができないという
ジレンマに陥ってしまったというのです。


 ニーチェが120年前に
神は死んだと叫んでから
50年を経てヒトラーが出現して
ユダヤ人が虐殺されていきました。
ユダヤ人を虐殺したのは、
ヒトラーやナチスではなく
それを支持する一般大衆のポピュリズムです。
ポピュリズムというのは
ユングのいう集団的無意識が先鋭化した状態のことで、
それがソクラテスを死刑にしましたし、
トランプ大統領を誕生させました。

ヒトラーやトランプ現象が出現した理由は、
ソクラテスやプラトンに始まる西洋哲学が、
ニーチェが見破ったように
もはや機能しなくなってきたからです。


 佐伯先生の定義によると
第一次世界大戦後に近代が終わり、
現代が始まったという事ですが、
近代まではイデアを追い求めることができたのですが、
現代はイデアなき世界、
つまり理想を追い求めるという
哲学が機能しない時代でした。
何とか、それをごまかしてきたのですが、
いよいよ新しい哲学が必要な時代になってきたようです。

そして、そのひとつの選択肢として佐伯先生は
西田幾多郎の「無の哲学」を上げておられますが、
考えようによっては
多神教で八百万の神さまを信仰する
私たち日本人の宗教観でもいいのかもしれません。
それが、先週のレポートだと思って
読み返していただければと思います。


 今回の私の「近代の虚妄」の読み方は、
私の独断と偏見によるものなので
きっと間違っています。
でも、私にとっては肚落ちしているので
それでいいのだと思います。

どちらにしても
現代社会が行き詰っているのは
間違いのない事実なのだと思いますので、
皆さんなりの新しい哲学的なバックボーンを
考えてみるのも楽しいと思います。
私もそんな気持ちで
赤塚本をもう一度読み返してみたいと思います。


10分で分かる日本の主宰神


 伊勢神宮に何回、参拝させていただいたのか
数えられないぐらいです。

最初は小学校の修学旅行だったと思います。
ほとんど意味は分かりませんでしたし、
どちらかというと
鈴鹿サーキットで乗ったゴーカートや
鳥羽の旅館での友人たちとの枕投げの方が
記憶に残っています。

2回目は船井総研で仕事をするようになったとき、
とても仲良くしていただいていた経営者の方に
正式参拝にお連れいただきました。
その時に、
勝仁君が経営者になったら
自分でお金を払って正式参拝すればいい
と言われたことが忘れられません。


 印象に残っているのは、
東日本大震災の直後に
参拝させていただいた時のことです。
知り合いの
ある会社の女性の社員が
参拝されているのに出会いました。
それで、この人はきっと
偉くなるなと思ったのですが、
最近、その会社の取締役に就任されたという
ご連絡をいただきました。

神様に個人的なお願いに行くのではなく、
本当に大変な時に
大きなお願いに行ける方は、
やはり強いなと思います。

日本人のほとんどが初詣で神社に参拝しますが、
そこで願うのではなく
大きなもののために祈れるようになってきた
友人が多くなってきたことは、
よく考えればすごいことだと思います。


 イヤーコーニングの近藤真澄さんは、
不思議に気の合う友人ですが、
若かりし頃
神宮の舞姫をされていたそうです。
今年のはじめに一緒に参拝させていただいて、
神職の皆さまに特別に
いろいろなお話を聞かせていただいく
機会がありました。
現役の神宮の幹部に
同期の皆さまが偉くなられて就かれていて、
得難い友人がいることに改めて気づかされました。

彼女のイヤーコーニングのセッションを受けると、
本当に深い本質まで連れて行かれる理由も
神様に自然とつながっているからかもしれません。


 天照大神は神宮に祀られている日本の主宰神で、
歴代の天皇陛下はそのご子孫になるのですが、
赤塚高仁さんからは、
日本が世界最古の国であるのは、
奇跡的な天皇のご存在があるからだ
ということをしっかりと教えていただきました。

赤塚さんの「お父さん、日本のことを教えて」を読むと
その辺りがよく分かります。
もっと深いことが知りたい方は、
「日本よ永遠なれ」や、
最近出版された「ユダヤに学ぶ「変容の法則」」
お読みいただければと思います。


 こうして見ていくと、
どうも神様に繋がっているので、
日本という国はいい国ですし、
神様にエゴというレベルを超えて
より深く繋がれている人が、
しっかりと自分の使命を果たす人生を
送れるようになっている気がします。

おかげさまで、不思議な友人がたくさんいるので、
世界中の聖地にお連れいただく機会がありますが、
どんなにすごいところに行っても、
やはり一番落ち着くし
素晴らしいのは
神宮だと感じます。
本当に日本に生まれてよかったと思います。


 そんな不思議な友人のお一人で、
私は勝手に日本で一番能力のある
経営コンサルタントだと思っている
道幸龍現さんが
「天照大神 10分で分かる日本の主宰神」という
こんなに分かりやすいサイトを作られました。
小学生の頃の私のように、
普通に生きていると
いまの時代に日本に生きている意味を
分からずに生活を送っている方が多いのだと思います。
それはそれでいいのですが、
この大変容の時代をうまく乗り切っていくためには、
まずは神様のことを知ることから
始めればいいのだと感じます。


 赤塚さんは、
愛の反対は無関心だと教えてくれます。
神様は信仰しなくても
無差別に私たちのことを愛してくれますが、
知らないよりは知った方が
神様と繋がりやすくなります。

道幸先生のサイトを見ていると、
江戸時代の方が、いまよりも多くの人が
「おかげ参り」をしていたことが分かります。
260年もの平和の時代が続いた
世界的に見れば奇跡のような江戸時代の秘密が
この辺にあるような気もします。
そして、道幸先生は
神事を上手く経営に活かす方法を教えてくれます。
実は、会社経営にも神様の愛は使えるのです。


 冒頭で何人かの例を紹介させていただきましたが、
ポイントは自分のことという小さなエゴではなく、
世のため人のためという大きなエゴを
感じられるようになることだと思います。

私は祝詞をあげたりするのは苦手ですが、
神様の存在を感じられるようなことをするのは大好きで、
それは私が不可思議な能力を持っている
友人がたくさんいるという
恵まれた環境にいるからかもしれません。

たまには自分で努力して
道幸先生にいただいた祝詞集
読んでみようと思います。


 より多くの人が
どんな時でも私たちを守り
慈しんでくださっている
神様の愛を
感じられるようになっていただければと思います。

コロナ禍もありますが、
いろいろな意味でより難しい時代を迎えています。
大きなエゴと神様のご加護で
人と神が繋がっていることに気が付けば、
何があっても安心して乗り越えていけるのだと
確信しているのです。


集合的無意識


 緊急事態宣言が解除されて、
禁酒令は少し緩和されて
飲食をしながら
お酒を楽しめるようになりました。
社会のルールを守って
生きていくことは大事ですが、
タクシーの運転手さんのお話などを聞くと、
夜の盛り場にも人が戻り始めているようです。

ワクチンの接種は進んできましたが、
ワクチンを打ったからといって、
コロナ禍が完全に収束するわけではなさそうなので、
ウイズコロナの時代を
どのように過ごしていくかの
模索が始まっていくのだと思います。


 個人的には中止した方がいいと思っていますが、
どうもオリンピック、パラリンピックは
開催の方向で進んでいるようです。
ウォール街では
オリンピックの開催を中止すれば
日本の株価が上がるという
見方もされていたようですが、
その失望売りではないでしょうが、
月曜日のマーケットは
一時1,100円以上の下げになり、
翌火曜日にはその大半を取り戻すという
乱高下になりましたが、
FRBのパウエル議長の
議会での証言が好感されて、
その騒ぎも収まりそうです。


 今週は、新幹線を使っての出張があったのですが、
私の乗った車両はかなり空いていました。
去年なら、緊急事態宣言が解除されたら
新幹線や飛行機が
かなり混んでいましたが、
緊急事態宣言の有無に関わらず、
常識的な対応をする会社や人々が
増えてきたということなのかもしれません。

先週、書かせていただいたような
新しいアルゴリズム作りが始まってきていて、
だんだんこなれたものに
なってきているのかもしれません。


 アルゴリズムの話は難しくはありますが、
感覚でいいので
感じてみていただければと思います。
一番参考になったのは、
経済産業省の官僚の西山圭太氏が書かれた
DXの思考法」(文芸春秋)です。

いまの時代は、
正確にものごとを理解しようとするアプローチは
間違っているのかもしれないと感じています。
それよりも、自分なりの我田引水でいいので
アルゴリズムをまず創りあげ、
それを修正しながら
バージョンアップしていく作業が
必要になってきます。


 最初にアルゴリズム作りを要求されるのは
仕事においてです。
日本の場合は、
政府のデジタル化が決定的に遅れていて、
この分野でのアルゴリズム作りが急がれています。

ただ、ワクチン接種のあり方などを見ていると、
自衛隊まで投入して
強引に進めていくという
新しいアルゴリズムの萌芽が
見えつつあるのかなということは
感じられるようになってきました。
他国と同じでなくても
日本独自のアルゴリズムができるのなら、
それはそれでいいのかもしれません。


 行政の次は大企業ということに
なるのかもしれませんが、
意外にもローカル企業で
ニッチな中小企業で
万能なアルゴリズムの導入を図ると
大きな成果があるようです。

脅かすわけではありませんが、
新しいアルゴリズムを導入した異業種によって
自分の仕事が奪われてしまうという
大変化が起こっています。

例えば、サラリーマンは
駅の売店で週刊誌や夕刊紙を購入して
社会の情報を獲得していましたが、
それがネットの情報主体になったので、
駅の売店がドンドンなくなっています。


 小売業で言えば、
商圏がなるべく大きな一等地で
なるべく大きな店を作れば勝てる
というアルゴリズムが、
通販企業によって
マーケットを侵食されつつあります。

コロナの影響が最も大きな飲食業界などは、
新しいアルゴリズムを
作りあげたものの勝ちのような気がします。
一時は、ウーバーイーツが
市場を奪ってしまうかとも感じましたが、
どうも若い人の話を聞いていると
同社のあからさまなやり方に反発する人が多く、
いまのままのアルゴリズムでは
日本に定着させるのは難しいのかもしれません。


 会社の中で、
アルゴリズムを作りあげるときに
有効だと思うのは、
自社の集合的無意識を意識することです。

集合的無意識とはユングの言葉ですが、
いままでの社会では
カリスマがアルゴリズムを作って、
組織の人たちは
それに従っていけばよかったのですが、
いまからは組織全員が作りあげている
集合的無意識を感じながら、
それを社外でも通用できるものに
作りあげていくという手法が
有効になってきているようです。


 いままでの日本の組織では、
ノミュニケーションに代表される手法で
暗黙知を共有することで
集合的無意識の共有を図ってきたのですが、
週刊誌の発売部数が激減しているのと同様、
このやり方では
新しいアルゴリズムはできていかないようです。

DXは企業だけではなく、
産業や社会、それに家族や個人にも
求められています。

にんげんクラブの皆さまには、
まずは新しい家族のアルゴリズムの作り方を
考えていただければと思います。
そのためには、
看取りをどのように考えるかというテーマを
考えてみるのも面白いのかもしれません。

2003年に出版された
僧侶で芥川賞作家でいらっしゃる
玄侑宗久先生の
アミターバ―無量光明」(新潮文庫)
という小説を読ませていただきました。

出版当時、現代の「チベット死者の書」だと
絶賛されたものですが、
20年近く前は
病院で死ぬのが当たり前の時代だったことが分かります。


 7年前の父の看取りも病院で行いましたが、
いろいろ調べてみると
時代は確実に
病院で死ねない時代に突入してきました。
例えば、新しい死のあり方から
新しい家族のあり方のアルゴリズムを考えていただき、
そのためには自分の家族の集合的無意識を
まずは感じてみていただきたいのです。


新しいアルゴリズム


 多分、緊急事態宣言が
解除される方向に
進んでいるように感じます。
まだまだ油断はできませんが、
イギリスでG7のサミットが
対面で開かれて、
世界は新しい日常を
模索し始めた気がしています。

ただ、今回のコロナ禍を機に、
いままでの私たちの
経営のやり方や生活の仕方、
そして社会のあり方が
確実に変化し始めたのは
間違いないのかなと感じています。
新しい時代が確実に始まり、
それに対応していくことが
求められているのだと感じています。


 私のような中高年でも
オンラインでの会議や講演を
させていただけるようになりました。
私はおかげさまで、
会社に個室があり、
車で出勤できるという
恵まれた体制にありますので、
週末や夜などに
オンラインで会議や講演会に出席するときは
会社まで行くことが多くなりました。

昨年の第一回目の緊急事態宣言の時は、
ウイルスにどう対処すればいいのかも
よく分かっていなかったので、
家から出るのも気を使うような感じでしたが、
3回目ともなると
ある程度の対処の仕方が分かってきたので、
混乱しながらも
それなりの考え方を持って
対応できるようになってきたように感じます。


 例えば、オンライン会議でも
私の場合は、
誰もいない週末や
夜の会社でやることが
日常になりました。
在宅勤務で
ほとんどの業務が
オンラインで対応されている方も
多くいらっしゃると思いますが、
なかなか家庭で
落ち着いてオンライン会議をするというのが
難しい方も多いのではないかと思います。
小さいお子さんがいらっしゃる方と会議をすると、
最初の頃は子どもが乱入してきて、
私などは面白がっていましたが、
当事者にとっては
大変だったのだと思います。


 現状に対応するために、
みなさんいろいろなノウハウを身につけて
出勤しなくても
それなりに対応されるようになってきました。
また、時々電車で通勤すると
電車の混雑の仕方が
かなり戻ってきたようにも感じます。
1年前は絶対に
自社で感染者を出さないようにする
対応をしていましたが、
大企業であれば
そんなことは不可能であり、
感染者が出た時に
どう適切に対処するかの
各社のあり方が
できてきたようにも感じます。
どちらにしても
それぞれのやり方で
新しい日常を始めつつあるようにも感じます。


 仕事の仕方や生活のあり方が変わってくると、
新しいアルゴリズム
(本来はシステムの構造化
という意味で使いますが、
この原稿では
生活の仕方と考えてもらってもいいと思います)
ができてくるのではと考えています。

私であれば、
夜遅くまで飲んで帰ってきて、
それでも朝早く起きて原稿を書き、
満員電車に乗って通勤するという
古いアルゴリズムがなくなって、
お酒を飲まずに帰ってきて
だから夜に原稿を書いて、
たっぷり睡眠を取り、
会社に出勤する必要のない時は、
家で仕事をすることもあるという
アルゴリズムができつつあることになります。


 もう少し、掘り下げて考えると、
ほとんどの人は
自分で作りあげたものではなく
社会から与えられたアルゴリズムによって
生きていました。
会社に行く方は、
お酒を通じてのコミュニケーションを
しない方もいらっしゃると思いますが、
大体朝決まった時間に会社に行って、
夜疲れて家に帰ってくるということに
疑問を感じずに生きてきたと思いますが、
そんな日常の生活の仕方ですら
常識がなくなってきて、
それぞれの新しいパターンができつつあります。


 逆に考えると
新しいアルゴリズムを作りあげる必要性を
一人ひとりが感じる時代になってきた
ということになります。
社会から与えられたアルゴリズムは
よく考えると
おかしいことがいっぱいあるのですが、
何も考えずに
それに従っていればよかったので、
ある意味とても楽なものでした。
でも、いまは
個々人が新しい生き方を模索しているので、
常識が通用せずに、
変なアルゴリズムを作ってしまうと
軋轢を起こしてしまって
迷惑をかけてしまうことが
頻発しているようにも感じます。


 ただ、それも過渡期だと思えば
ある程度仕方がないのではとも感じます。
それぞれが新しいあり方を
模索しながら生きていく中で、
それが集まった会社や地域や社会の中で、
その集合無意識としての
集団の新しいアルゴリズムができてきて、
今度はそれに従って
みんなが行動するようになるまでは、
ある程度の時間がかかるのだと思います。

めったにない機会なので、
いまは目いっぱい自己主張をして、
自分らしいアルゴリズムを
試してみればいいのだと、
ある意味で
開き直った方がいいのかもしれません、


 ただ、大事なのは
新しいあり方をやるという事は、
間違っている可能性や
社会に受け入れてもらえない可能性が
大きいということでもあるので、
柔軟に変化していけることを
忘れないようにするということなのかもしれません。

他人の意見に盲目に従っていては
うまく生きられない時代ですが、
自分の考えも多分間違っています。
それを柔軟にバージョンアップしていく
覚悟が大事なのかなと思います。
難しいことですが、
楽しいことでもありますので、
新しい生き方を模索しながら
それぞれのアルゴリズムを作っていくことを
挑戦していただければと思います。


小樽の惨状


 3回目の緊急事態宣言が
6月20日まで延長されました。
最初の時は、
それこそ家から出るのもダメな雰囲気でしたが、
そういう意味では
かなり緊張感が緩んでいるのかもしれません。

しかし、飲食店でお酒が飲めない、
お酒を出さなくても20時までで
店を閉めなければいけないというのは、
ものすごく影響が大きくて、
どちらかというとウイズコロナで
共生を考えていかなければいけない
ステージに入ってきていることを考えると、
ちょっとやり過ぎかなという気もします。


 一時は大阪で医療崩壊が起こり、
重症者数や死者数が
かなり増えてしまいました。
また、ゴールデンウィークの
観光客の増加が顕著だった
北海道と沖縄は
いまでも感染者数がかなり多く出ており、
人命を最も大切にしなければいけない
という視点から見れば、
いまのやり方も致し方ないのかなと思います。

私も、気が付いてみれば
ほとんど出張に出かけなくなりました。
今月はちゃんとした出張に出かけるのは
関西に一度だけで、
実はそれほど気にはしていないのですが、
世の中の集合無意識に従って生きているので、
こういう結果になっているのだと思います。


 ちょっと仕事とは言えないのですが、
秘かに先日、北海道に行ってきました。
東京や大阪にはいろいろな意見の人がいて、
にんげんクラブ関係の友人は
他人に嫌な思いはさせないという前提付きで、
あまり新型コロナウイルスのことを
気にしていない人が多いと感じます。

そんな考えも東京や大阪なら許容されるのか、
私は政府や東京都の指示には
基本的には従いますが、
ホテルの部屋飲みなどもやっていますので、
本来の自粛の趣旨から考えると
かなり自由な行動を取っています。


 でも、田舎に行くと
とてもそんな雰囲気ではないところも多いようです。
親しい人が大変お世話になったおじさんが
コロナではなく天寿を全うされて
お亡くなりになりました。
当然、お葬式に参列するものだと
思っていたのですが、
東京から田舎に帰るなんてことをすると
身内が村八分にあうような雰囲気なので
とても行けませんと
嘆息していました。

私には感覚的には分かりませんが、
多くの方がそんな気分で
生きているのだなと思うと
少し悲しくなってしまいます。


 そんな気分を
北海道の小樽で少し味わえたのが、
今回の旅の一番の収穫だった
のかもしれないと思いました。

今回の旅は
AKDN(赤塚、勝仁、
出路(ヒューマンフォーラム会長)、
尚子(きれい・ねっと社長の山内尚子さん)の
仲良し4人組の旅で、
出路さんは仕事の関係で参加できませんでした。

2月に引き続き北海道の旅第二弾なのですが、
今回は山内さんが
北海道聖書塾の特別講師をされるので、
北海道聖書塾の主要メンバーに
アテンドしていただきながら、
それに合わせての設定だったのですが、
かなり自粛ムードの北海道を
味わうことができました。


 そうは言っても、
札幌は大都会で
電車に乗っても少ないとはいえ、
それなりに必要最低限の動きは感じられましたが、
本当に町の活動が
ほとんど止まっていたのが
小樽の観光スポットでした。
聞いてみると
市からかなり強めの自粛要請が出ていて、
お土産物屋さんなどでも
95%は閉まっていました。

札幌に近い観光地で、
かなりの部分を観光に頼って
経済が成り立っているだけに、
特に6月に入って
緊急事態宣言が延長されてからは、
とにかく一切の観光に関する経済活動を
自粛してもらって
感染の拡大を抑え込むことに
注力されているようです。


 とても逆説的な言い方になってしまいますが、
その惨状を目撃させていただいて
大半の日本人が感じているであろう悲壮感が
はじめて理解できたように感じています。

私は東京の都心に住んでいて、
都心で仕事をしています。
地方にも出かけますが、
所詮よそ者ですし、
オンラインで代替できる講演会や勉強会は
特に地方のものは
大半それに変更になりました。
だから、村八分になるような雰囲気を
味わったことがなかったのですが、
そういう目で見ると
今回の小樽はすさまじかったです。


 こんな姿を見ていると
いま大切なのは
死生観を持つことなのかなと思います。

マスコミの情報に振り回されないようになって、
人間いつかは必ず死ぬのだということを
意識しながら生きていけるかどうかが、
こういう時に行動の違いになって
表れるのかなと感じます。

どちらがいいとか悪いとかいう
話しではありません。
特にこれからの日本は
超高齢化社会を迎え、
誰にとっても
死がもっと身近なものになってきます。

今回のコロナ禍をいい機会と捉え、
しっかりとした死生観、
つまりどんな風に死にたいかを
しっかりと考えておくのが大事だと思います。


 東大名誉教授で社会学者の
上野千鶴子先生の
在宅ひとり死のススメ」(文芸春秋)を
読ませていただきました。

上野先生は「おひとりさま」という言葉を作られて、
看取り士の柴田久美子先生とも交流があります。
本書にも柴田先生のことに触れられていますが、
ますます死生観を確立することを迫られている
ということに気が付くためには、
とてもいい本でした。

コロナのおかげでいろいろなことに気が付けて、
本当に有難いと思います。

魚には水が見えない


 皆さんにとって
一番大事なものは何でしょうか。
クレジットカードの
コマーシャルではありませんが、
大事なものほど
お金に換算できない
キャッシュレスなものなのかもしれません。

資本主義が強欲資本主義化して
金融資本主義が極まっている現在、
ほとんどすべてのものは
お金に換算して考えることができます。

例えば、私が子どもの頃の定番の遊びは
兄に連れて行ってもらった
ザリガニ釣りでした。
ちょっと怖くてドキドキしながら、
あんな心からの興奮をしたのは
人生最高の体験ですが、
お金は要りませんでした。

20歳代後半になる二人の息子を
東京で育てた時は、
近くの公園に遊びに行くぐらいは
キャッシュレスでしたが、
親目線かもしれませんが、
ちょっと子どもが喜びそうなことをすると
何でも結構なお金がかかりました。

一番、強烈に印象に残っているのは、
ゴールデンウィークに
絶対に酷い渋滞になることが
分かっているのに、
いつもよりも高いお金がかかる
リゾート地のホテルに向かっている時で、
何でこんなにお金をかけて
わざわざ疲れに行くのだろうと思ったものです。

いまは、そんな無理をして
お金を使わせるシステムが
完成しているのです。


 私のお金の師である
故・竹田和平さんは
小学6年生の時に、
1年だけ疎開を経験されています。
和平さんの疎開体験は辛いものではなく、
大好きなおばあさんの下で
とても大事にされたという
和平さんの心の豊かさを作った
基礎となった体験だったようですが、
北陸地方の山間地帯にあったその村では、
村人が村の中で
ほとんどお金を使っているのを
見たことがなかったそうです。

それでいて、
「ありがたい」、
「おかげさま」、
「もったいない」
という3つの言葉を
繰り返し使っていたそうです。


 後年の和平さんは、
それを神仏に対する感謝、
村人に対する互いの感謝、
そして物に対する感謝の
言葉だったことに気が付き、
あの貧しい寒村に
パラダイスが存在していたことが
分かったそうです。

そして、その体験で
お金が実は何にでも変化できる
という意味で幻想であり、
お金を大事にして
仲良く使う方がいいに決まっていますが、
お金にとらわれ過ぎてはいけないことを
肝に銘じることができた
と教えてくれました。


 和平さんは志を立てて、
情熱を持って事に当たれば、
成功するのは簡単だ
と教えてくれました。

しかし、その成功の状態を
ずっと続けていくためには、
天の意思をしっかり受け止める
力が必要なことを理解できないと
すぐに酷い失敗が
次にやって来ることを
多くの人に知ってほしい
と教えてくれていたのです。

天意と書いて
「あい」と読むのが和平流で、
まさしく一番大事なものは
76年前の戦中の寒村から
キャッシュレスだったのです。


 日本では、水と安全は
諸外国と違って
無料(タダ)である、
ということを喝破したのが
歴史的な名著である
イザヤ・ベンダサン著
日本人とユダヤ人
(角川文庫ソフィア)です。


残念ながら現代の日本では、
水はお金を出して買うようになりましたが、
そういう意味では
資本主義的には
成功に近づいていることになるのかもしれません。

でも、いろいろ国の運営に対して
文句を言う人が多いですが、
いまでもほとんど費用をかけずに、
これほど安全に暮らせる
環境が整っていることには
感謝をしなければ罰が当たるのだと感じます。


 ただ、水よりも大事なものは
実は空気で、
これは日本人に限らず
世界中の人々が
空気に対してお金を払うことは
ほとんど体験したことがないのだと思います。

日本の安全は
誰が守ってくれているのか
ということを考えた時に、
日本の対極にあって
自分の生命すら
簡単に無くしてしまう環境にまで追い込まれて、
何百万人もの同胞を虐殺されることによって
2千年の歴史を経て
民族国家を再建した
唯一の民族である
ユダヤ人とイスラエルのことを
学ぶのが大事だ
ということを教えてくれたのが、
盟友の赤塚高仁さんです。


 民族の神話を失った国、
自分の国のことを愛せなくなった民族は
例外なく滅んできたというのが、
世界の常識です。

戦後アメリカの占領政策で見事に、
神話と国を愛することを
奪われてしまった日本は
いま もしかしたら
世界で一番危うい国なのかもしれません。

世界で一番長い歴史を持っている日本が
こんなに安全であるには理由があり、
そのことに対する感謝の気持ちを思い出すことは
絶対に必要な事ではないでしょうか。

そして、それを理解するためには、
イスラエルやユダヤのことを
理解することが早道なのです。


 なぜなら、
魚には生きていく上で
一番大事な水のことは見えません。

日本のことだけを考えている日本人には、
日本を守ってくれている大事なものが
見えていないのですが、
対極にあるユダヤ民族と
その民族国家イスラエルを見ると
それが見えてくるのです。

赤塚さんが渾身の力を込めて開催される
ヤマトユダヤ友好協会の設立総会に
ご参加いただくと、
あまりにも当たり前になっていて
日本人に見えていない、
日本にとって一番大事なものを
はっきりと感じていただくことができます。


 極端に言うと、
この設立総会に参加していただくと
初めて本当の日本人になるための
方法論が理解できるようになるぐらい
大事なものだと思っています。

締め切りが迫っていて恐縮ですが、
このフォームから
ぜひお申し込みをいただければと存じます。

いまどきの人情話


 志賀内泰弘さんという作家の先生がいます。
元々は「しがないサラリーマン」だからと
付けられたペンネームの志賀内さんですが、
15年前に独立されたころから
「プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動」を始められて、
ちょっとしたいい話を集められる運動などを
展開されています。

サラリーマンでお勤めの時から
作家として食べていけるようになることを
目指しておられたのですが、
久しぶりに本を読ませていただいて
志賀内さんならではの
境地ができていることを確信しました。


 もちろん、私に
小説が分かるわけではありませんので
素人のたわごとですが、
いまどきべたべたの人情話なのに、
しっかりとお話しの世界に感情移入させられて、
涙まで流させます。
志賀内さんにしか書けない世界を
築き上げられたのは、
とてもすごいことだと思います。
私が読ませていただいたのは、
京都祇園もも吉庵のあまから帖
(PHP学芸文庫)です。
PHP誌に連載されているものに
書き下ろしを加えて、
いまの所3冊出版されています。


 祇園のナンバー1芸妓だった母娘がいて、
母は芸妓を引退後
お茶屋の女将をしていたが
ある日、娘の踊りについての言い合いで
娘が芸妓をやめて
タクシードライバーになってしまいました。
それを機に母はお茶屋をやめて、
看板もない顔なじみのお客様だけを相手にする
甘味処をやり始めて、
みんなの相談事にのっているという設定です。

あり得ない設定なのですが、
それを押し通してシリーズ化すると
登場人物がイキイキと動きだして
令和の京都ではなく、
昭和の京都にタイムスリップして
そんな世界を楽しめるのが魅力です。


 そう言えば、私は
江戸時代を舞台にした
時代小説が大好きです。
仕事やプライベートも含めて
本当に上手く行かなかった時期がありました。
その時は、本も読めなくなったのですが、
そんな状態の時の唯一の娯楽が
池波正太郎先生の時代小説でした。
「鬼平犯科帳」や「剣客商売」、
それに「仕掛人・藤枝梅安」のシリーズを
あっという間に読破して、
何度も読み返したのを覚えています。

そんな話を
結構人情に厚い先輩に話すと
佐伯泰英先生のシリーズのことを教えていただき、
こちらもかなりの本を読みました。


 昭和の時代に書かれた
池波先生の時代小説は
一応、時代考証のようなものがなされていて、
登場する人物名なども
ありそうな設定がなされていましたが、
大体、日本刀は
人を数人切ると歯がこぼれてしまって
使えなくなってしまうのに、
時代劇のように一人で何十人も
バッタバッタと切り倒すこと等、
初めからあり得ない設定になっているそうです。

さらに、佐伯先生の
平成から現代にかけて書かれた時代劇になると、
いま風の名前の主人公が登場し、
時代考証などにこだわるよりも
感情移入することに
力点が置かれているという話しを
詳しい方から教えていただいたことがあります。


 志賀内さんの「もも吉庵」の場合、
京都人でもない志賀内さんが
こんなにいい話をかけるのは、
しっかりと取材をされる力もありますが、
どちらかというと
昭和とは言いませんが、
現代と昭和のミックスのような
架空の京都を舞台にしていて、
京都ならそんなこともあり得るなと
思わせる所に味噌があるのかもしれません。

志賀内さんだけではなく、
この分野に何人かの書き手が現れたら
京都を舞台にした時代ミックス娯楽小説という
新しい分野ができたりして、
おもしろいのかなと感じました。


 志賀内さんは独立する前は
金融機関にお勤めのサラリーマンでした。
ちょっとだけその時代のお話を
聞いたことがあるのですが、
金融機関は会社がつぶれるときにも関与するので、
つぶれないようにするためのコンサルティングや、
あえていってしまうと
如何にうまくつぶれるためのコンサルティングなども
ご商売としてやっているかどうかはともかくとして
実績があるそうです。

だから、あんなに人情の機微に通じているのだなと
理解できたことがありました。


 先日、京都駅からタクシーに乗ったら
個人タクシーで、
しかも女性の運転手さんでした。
私は結構
タクシーに乗せていただく機会は
多い方だと思いますが、
個人タクシーで女性ドライバー
という組み合わせは初めてで、
もしかしたら
「もも吉庵」の主人公のお一人である娘さんの
モデルなのかなとびっくりしました。
ちょっとお話を振ってみても、
小説をご存じないようでしたので、
違うのだと思いますし、
私が知らないだけで
そんなドライバーも、
いまではたくさんいるのかもしれません。


 そんなことがあった翌週に、
なんと久しぶりに
志賀内さんからお電話をいただきました。
別に用事はないのだけど、
私の顔がふと浮かんだからと
お電話をいただいたそうです。

やっぱり超一流の人は
直感力に優れているのだなと
改めて感心しました。
雑誌に連載されているものですし、
志賀内さん一流の優しさで、
最初から読み続けなくても、
どの話から読み始めても
ちゃんと読み切りで楽しめるようになっていますので、
気軽にお読みいただければと思います。

少なくとも、
京都に行って見たくなるのは
間違いないと思います。

焦がされた世代


 先週、戦争のことを書いたら
中東で紛争が起こってしまいました。
イスラエルとパレスチナのガザ地区を
実効支配するハマスとの間での
戦闘が始まりました。

パレスチナは
ガザ地区とヨルダン川西岸地区の
二つに分かれているのですが、
主に欧米やイスラエル政府が
和平交渉を進めているのは
ヨルダン川西岸地区にある自治政府です。
今回、イスラエルが戦っているのは、
欧米やイスラエルから見ると
イランに支持されている
過激派であるハマスという
別のグループです。


1973年の第三次中東戦争
(これが石油ショックのきっかけになりました)
の頃までは、
パレスチナをオールアラブというか、
オールイスラム諸国が支援していて
イスラエルと激しく対立していました。

しかし、いまはどちらかというと
サウジアラビアを主体とする
イスラム教スンナ派諸国と
イランを主体とする
シーア派諸国の対立が
一番の問題になってきています。
だから、表面上はともかく
イスラエルがハマスと交戦しても
イラン以外の大半のアラブ諸国は
本音ではそれほど問題視していません。


 多分、イスラエル側の挑発に
ハマスが乗ってしまったのが
今回の紛争の始まりだと思います。
政権維持に悪戦苦闘している
ネタニヤフ首相としては、
この際、イランの支援を受けている
ハマスを徹底的に叩いて、
できればガザ地区から追い出し
穏健派の自治政府に
ガザの統治も任せたいと
思っているのではないでしょうか。

これは実は
欧米やスンナ派諸国も
本音では歓迎するところであり、
ハマスに武器を供与するための
秘密トンネルのすべてを
破壊するところまでは
イスラエルはこの紛争を
続けるのだと思います。


 イスラエルは国の成立からずっと
緊張状態に置かれています。
簡単に言うと、
2千年前に俺たちが住んでいた
約束の地だから
ここに俺たちの国を建国する。
いままでそこに住んでいたパレスチナ人たちは
どこかに移住してくれ
と言って国を作ったわけなので、
混乱するのは当然です。

欧米の人たちも建前では、
そんなイスラエルの屁理屈を
通すわけにはいかないと
言わざるを得ないので、
1967年に起こった
第三次中東戦争以来ずっと
イスラエルが占領しており、
実質的には完全に
イスラエル領になっているゴラン高原を
レバノンに返還するように求める国連決議が
未だに有効なのです。


 ちなみに、国連で非難決議を
一番出されている加盟国は
北朝鮮ではなくイスラエルです。
ところが、世界最強の軍事力を誇るアメリカが
イスラエルを実質的に
全面的にバックアップしているので
中東地域におけるイスラエルの軍事的な優位性は
まったく揺るぎません。
アメリカのバイデン大統領も
ポーズとしては停戦に向けての
仲介を買って出ていますが、
本音では多分この際、
過激派のハマスの影響力を
できるだけ削いでしまった方がいいと
思っていると感じます。


 イスラエルはいまも戦争を戦っている国です。
だから、新型コロナウイルスを封じ込めるために
世界中のどこよりも早く
国民にワクチンの接種を強制して
集団免疫の獲得を実現しました。
イスラエル在住の友人に話を聞くと、
ワクチンを打たなければ
スーパーマーケットにも入れないそうで、
完全な自給自足体制が整っている
キブツの中に住んでいるのならともかく、
実質的にはワクチンを接種しなければ
社会的な生活は不可能なようです。
そんな、集団免疫の獲得を成し遂げた自信が
今回の紛争に繋がったのかもしれません。


 惜しくも今年の2月にお亡くなりになった
イリット・アミエルさんが著わされた
「ホロコースト生存者短編集
 SCORCHED 焦がされた世代」
(きれい・ねっと)

3年前に翻訳されて
日本語の書籍として出版されたときに
お手伝いをさせていただいたことがあります。
イリットさんのご子息の
オニ・アミエル氏より
英語版の「SCORCHED」を見せていただいた時に、
即答で日本でも出版しましょうと
話をしていた自分を
懐かしく思い出します。

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 ホロコーストの生き残りの人たちの
その後の人生をエッセイにしてまとめたものですが、
大虐殺を生き抜いて
約束の地イスラエルで暮らし始めても、
心が落ち着く日々を送れた人は
ほとんどいかなったことが
心に突き刺さってくる本です。

男の子が生まれると、
子どもたちは一番危険な特殊部隊に競って志願し、
最も危ない戦場に赴くことになるのですが、
それを喜んで見守らなければいけない
母親の切なさが伝わってくる短編もあります。


 太平洋戦争の時に、
愛する子どもたちを
戦場に喜んで送りださなければいけなかった
日本の母親たちにも共通する、
お腹を痛めて産んで大事に育てた子どもたちが、
最も危ない戦場に行くことに対する
本能的な拒否感の感情を味わうことができます。

先週も書きましたが、
いまの所、日本では冷たい戦争で済んできた
戦後の平和を続けていくためには、
子どもや孫を戦場に送るのだけは
何があってもダメだという感情の力が
必要なのだと確信します。


 大きな世界の流れから言うと、
これから本格的な戦火が起こりそうな場所は
中東よりも東アジアだと私には感じられます。
一人ひとりがしっかりと
自分の叫び声を上げていく勇気を持つ、
その必要性を改めて感じています。

戦争の臭い


 私は1992年~93年にかけて
アメリカに住んでいました。
日本の銀行の
ニューヨーク支店の研修生として
1年滞在し、
その後はワシントンの弁護士事務所で
働いていました。
弁護士事務所だったのですが、
私に弁護士資格があるわけでもなく
勉強していたわけでもないのですが、
どちらかというと
弁護士業務というよりは
ロビイスト業務が主な事務所だったので
席をおくことが許されました。


 ロビイストとは
アメリカでは合法的に
認められているのですが、
企業や業界の利益を
政治に反映させるために
政治家や官僚に対して
働きかけを行う人々のことで、
これがアメリカの政治が
お金のある人たちの
思い通りになりやすい
大きな原因だと言われています。

私のいた事務所のボスは
共和党系のロビイストの大物で、
日本企業や業界団体からも
多くの依頼を受けていたので、
私が働く余地がありました。

ただ、英語が完璧に
ビジネスレベルで
話せたわけではないので、
どちらかというと
こちらも研修生のような仕事だった
と言ってもいいと思います。


 仕事と英語の勉強を兼ねて
日曜日の朝は
必ず政治討論番組を見ていました。
日本でも子どもの頃
「時事放談」という番組が
TBS系列でやっていて
細川隆元先生という
政治評論家が司会をしており、
父がよく見ていたのを思い出します。

もちろん、アメリカが元祖で
それを日本のテレビ局が
真似たのだと思いますが、
同じような感じで
時事問題を
共和党系の人と民主党系の人が
出演していて
ディベート(討論)していました。


 映画なども
英語の勉強で見ていましたが、
正直に言うと
とても難しくて
ほとんど理解できていませんでした。
でも、ニュースや政治討論番組は
一定の知識があれば
雰囲気で理解できます。
無理をして
ニューヨークタイムズやワシントンポスト、
それにウォールストリートジャーナル等の新聞や
タイムやニューズウィークなどの
週刊誌にも目を通していたので、
何を議論しているのかは
理解できていましたので、
比較的ついて行き易かったのを
思い出します。


 ただ、文字媒体とはちがって
討論番組では
時々かなり本音が出てくるので、
それを聞いているのが
とても面白いのです。
私の英語力の問題で
間違っているかもしれませんが、
もっとも印象に残っているのは、
アメリカはもう
地上戦に兵士を送り込むことは
不可能になったという話しが
でてきたことでした。

当時はクリントン政権が
始まったばかりの頃で、
民主党政権でした。
私のボスも、
もし共和党の大統領であれば
政権のポストを取れたのは間違いないと
言われた人だったので
鬱々とした心情を
吐露してくれたこともあります。


 だから、とてもリベラルな雰囲気が
漂っていたこともあるのですが、
地上戦に兵士を送れなくなったのは、
お母さんたちが
二度と自分たちの子どもの血を
戦場に流すことは耐えられない
という世論を形成してしまったのが
理由だというのです。

もちろん、空爆をして
相手の市民を巻き添えにするのは
何の問題もないという
勝手な議論なのですが、
核兵器でも撃ち込んで相手を殲滅しない限り、
地上部隊を送り込んで現地を制圧しなければ
戦争では勝てません。
つまり、アメリカは
20世紀的な意味での戦争は
二度とできないという
議論がなされていたのです。


 話はいきなり飛躍しますが、
この状態を何とかするために
共和党のブッシュJr.政権になった途端に
2001年に911事件を起こし、
その怒りの力で
地上戦にアメリカ兵を投入できるようになり、
それ以降、皆さまがご存じの通り
アメリカは世界で不毛な戦争を
続けられるようになりました。

しかし、トランプ大統領の出現で
その任期の4年間は
大きな戦争をアメリカは起こしませんでした。
それを憂えていた人たちは
バイデン政権になった途端に
戦争の臭いを醸しだし始めたように感じています。


 それも、いままでは
中東やアフガニスタン、パキスタンなどの
イスラム諸国が戦争の
メインターゲットだったのが、
今度はどうも
東アジアで戦争が起きそうな雰囲気が
漂ってきています。
すなわち、日本が巻き込まれる確率が
非常に高いということになります。

逆に言うと、
ギリギリでもいいので
この事態を回避する方法のひとつは
日本の世論、それも女性の世論が、
理屈ではなくて
何があっても戦争は嫌だ、
自分たちの子どもや孫が
兵士になるのは耐えられない
という心の叫び声を、
世間に対して
実際に大きな声にしていくことに
なるのではないかと確信します。


 私も含めて
理屈で考える男性に
議論というか行く末を任せていると
2023年から数年間の間に
戦争になる確率が極めて高いと思います。

理由は、来年のアメリカの
中間選挙で大混乱が起こり、
それをきっかけに
米中の対立が台湾問題で表面化してきて、
少なくとも1962年のケネディ大統領と
フルシチョフ第一書記
(ソ連の当時の最高権力者)の
間で起こったキューバ危機
(核戦争寸前まで事態は進んだ)
ぐらいの緊張感にはなりますが、
それを実際の熱い戦争にしないことが
大切だと思います。


 にんげんクラブの皆さまが
鍵を握っていると言えると思いますし、
父はこのために
にんげんクラブを作っておいたのかもしれません。

ぜひ、叫び声をあげる勇気を
持っていただきたいと思います。

古き良き出版人


 緊急事態宣言が発出される直前に
都内のホテルで開かれた
ゴッドライター
(神の声を表現するライターです)
新谷直慧さんの
落ちる! --そこから"第二の人生"が始まった―
(風雲舎)
の出版記念パーティに出席させていただきました。


新谷さんは一時、
にんげんクラブのセミナーの
ほとんどの企画をしていただいていて、
新谷さんの人脈を活かして
本当に楽しいお話を
いっぱいお送りすることができました。
個人的には
アートテンの高橋呑舟先生を
ご紹介いただいたことに
とても感謝しています。


 高橋先生の著書
宇宙のしくみを使えば、
すべてがうまくいくようになっている

(徳間書店)
の出版の前に、
にんげんクラブで
高橋先生の連続セミナーを
開催していただきました。
残念ながら高橋先生の
理論の本質を理解するのは
私には難しかったですが、
そこに集う数多くの
すばらしい人たちとの出会いをいただけたのは、
すごくありがたい経験でした。

生体エネルギー研究所の佐藤政二先生や
BMDの近藤和子先生など
父が
その素晴らしい人間性と
驚くような奇跡を連発する技術を
愛した先生方とも共通する
新しい世の中を感じさせてくださる
不可思議な能力を
存分に楽しませていただきました。


 「落ちる!」は
リチャード・ロール著
上方への落下」(ナチュラルスピリット)
を読んで
インスピレーションを得られたことによって
最終的に完成されたことが
「はじめに」で書かれていますが、
多くの聖人は
完成された人生の枠から
進んで「落ちる」ことで
この世の真実を学んでいったことが
書かれています。

王子さまであった仏陀や
ナザレという町で大工をしていたイエスも
完成された人生を生きていましたが、
そこから一歩人生を踏み出して
「上方に落ちる」ことで
現在に至るまで
私たちが生きていくための
指針を残してくださったのです。


 そして、新谷さんはいま
聖人だけではなく
多くの人が「落ちる!」経験が必要で、
第一の人生に
こだわっているステージから抜け出して
第二の人生を生きる勇気を持って
「落ちる!」ことに飛び込む必要性を
この本で教えてくれています。

静岡県にある高橋先生の
現代健康研究所に出かけた帰り、
東京まで帰ってくる車中で
表現方法は違いますが、
新谷さんは
第一の人生にこだわっている人には興味がない。
第二の人生を楽しく歩き始めた人の本を
作っていきたい
というお話をしてくれたことを
思い出しました。


 出版記念パーティは
第二の人生を生き始めた
多くの奇人変人(?)の集まりで
本当に楽しかったです。
十分、感染対策をとっていたので
大騒ぎをするわけには行きませんでしたが、
皆さんちゃんとガイドラインに沿いながらも
楽しんでいるのがさすがだと思いました。

そんな奇人変人の中でも
群を抜いていたのが
今回の本の出版社である
風雲舎の山平松生社長。
30年ほど前からお知り合いですが、
人生の指針を与えてくれた
大先輩でもあります。
当時は大手出版社の役員待遇の要職にあり、
その会社の名物創業社長と父と
4人で会食させていただいたことも
楽しい思い出です。


 山平社長は25年前に
その出版社を辞めて
風雲舎を作られたのですが、
最初の本が
父の「「自然の摂理」に従おう」でした。
そして、そのライターをしてくれたのが
新谷さんだったのです。

父は自分でも原稿を書く人でしたが、
売れっ子だったので
出版社から持ち込みの企画を
ドンドン本にしていて、
そんな時はライターの人に
原稿を書いていただき、
それを校正して本にすることがよくありました。
父の本の大ファンだった私が読むと
すぐその違いが分かったので、
やっぱり父が自分で書いた本の方が
いい本だなといつも思っていました。

例外は新谷さんに書いていただいた
「自然の摂理に従おう」でした。
山平社長の独立1作目だということもありますが、
やっぱり第二の人生を生き始めていた
当時の父の気持ちを
新谷さんが
よく理解してくれたからだと思います。


 出版記念パーティの
メインゲストのお一人は
85歳のがん治療の名医である
帯津良一先生でした。
そう言えば、
帯津先生が昨年出版された
汝のこころを虚空に繋げ」も
風雲舎の本です。
帯津先生のお人柄が凝縮されていて、
この時代を生き抜くための智恵、
本稿の趣旨に合わせて言うと
帯津先生流の第二の人生の生き方を
教えてくれている名著です。
白隠禅師の「延命十句観音経」という
短いお経に
そのヒントが隠されていることが
分かりやすく実践的に紹介されています。


 山平さんと出会った30年前は
出版社の黄金時代で
いまでは考えられませんが、
大手出版社の役員クラスになると
交際費は使いたい放題で、
若い私も銀座の高級店に
生まれて初めて
連れて行っていただいたことがありました。
山平社長は
ソニーの創業者のお一人である
井深大会長の担当をするなど
超一流の著者とのお付き合いが深い方で、
そのご縁が天外伺朗先生との出会いにつながり
マハーサマディ研究会という
いかに死ぬかという研究会の事務局を
山平社長に代わって
新谷さんが務められるようになった
経緯なども紹介されています。


 すさまじい本ばかり出版されてきた
風雲舎の100冊目の本が
「落ちる!」だということです。
これもご縁を感じます。
80歳を超えられたという山平社長ですが、
この世代の出版人は全共闘世代で
かなり激しい人生を送ってこられた方が多いだけに
お話をさせてもらうと
背筋が伸びてくるのを感じます。
これからも新刊が出るのを楽しみにしていますので、
いつまでもお元気でいてください。

本気の緊急事態宣言


 東京や関西圏に
緊急事態宣言が発出されました。
いろいろな状況を考えてみると、
ここで1年前と同様に
本気で感染拡大を
防いでおかなければいけない
タイミングに来ていることが分かります。

本を何冊か読んだぐらいの情報ですが、
政府の委員をやっているような人たちの中には、
かなり真面目でレベルの高い
感染症の専門家がいて、
彼らがいてくれたから、
日本はこれぐらいの感染拡大で
済んでいるのかもしれないなとも思います。
欧米などに比べて
桁違いに感染者や死亡者の数が少ない
ファクターXのひとつは
彼らの存在にあるのではないでしょうか。


 感染症学の世界は
明確に統計学によって
成り立っているようです。
アールノート(R0)という
一人の感染者が何人感染を広げるか
という数字を考えると
新型コロナウイルスの場合は
大体2.5人という数字が
かなり確からしいということのようです。

これを1以下に下げると、
つまり一人の感染者が1人以下しか広げない
という現実を作りあげると
感染は収束に向かいます。
基本数が2.5ぐらいなので、
これはなかなか厳しい数字で、
昨年は一旦これが
達成されたように見えましたが、
ウイルスにとっていい環境の
寒くて乾燥した季節になると増え始め、
それに加えて
感染力が強い変異株が現れたので、
去年と同じ状態を
繰り返さざるを得ない状況に
追い込まれているようです。


 1年の経験値がありますので、
医療的にはかなり
対処方法についての知見が
積み重なっている
という話しを
聞かせてもらったことがあります。

一方、1年の経験をしてしまったので、
そんなに大きな問題ではないのではないか
という
いわゆる自粛疲れという
大きな問題もあります。

キーポイントは
集団免疫を獲得していくことですが、
医療が未発達で
人の命がそれほど重視できなかった頃は、
逆に早くかかる人はかかってもらって、
亡くなる人は亡くなってもらって
集団免疫の獲得を目指したという
方法論を取られたことが
多かったようですが、
現代の政治状況で
その道を選択するのは難しそうです。


 欧米などの感染状況を考えると、
これはワクチンの接種によって
集団免疫を獲得するしか
方法がないということになるようですが、
日本ぐらいの感染状況で
果たしてワクチンを打つべきかどうかは
かなり考えどころだと思います。

ファイザー社などの
いまメジャーなワクチンは
「mRNA」というもので、
今回初めて認証されたタイプのものです。
つまり、このワクチンによって
何が起こるかの経験がない、
壮大な社会実験をしていることになります。


 私はどちらかといえば、
集団免疫獲得のためには
ワクチンの接種もいたし方がないかな
と思っていたのですが、
近藤誠著
こわいほどよくわかる
 新型コロナとワクチンのひみつ

 (ビジネス社)
を読んで、
もっと考えを深めていった方がいいなあと
変わりつつあります。
自分の体力に関しては
意味のない自信がありますので、
ワクチンを打っても大丈夫だろうなとは
未だに思っていますが、
ワクチンを打ってもらう時は、
自分たちが実験材料になるんだな
という認識は
少なくとも
持った方がいいようには思います。

 ワクチンを打たないとすると、
また、いまのタイミングでは
医療関係者以外には
まだワクチンが広く
広がっていく状況にはありませんので、
観光業の方には申しわけない話ですが、
このゴールデンウィークは
1年前を思い出して、
徹底的に感染拡大防止のために
行動するのがいいと思っています。

ステイホームの経験値も
積み上がっていますし、
それぞれの楽しみ方を
考えていただければと思います。
少なくとも1年前のような
わけのわからない閉塞感を
感じる必要性はないと思っています。


 マスクをする生活が
後1年ぐらいは続く覚悟もできてきました。
あの世の父は、
今回の新型コロナウイルス騒動を見ていて、
やっと本格的な変化が始まったなと
喜んでいると思います。
コロナのおかげで、
やっと私たちの生活や
何よりも意識が変わってきました。
ネガティブな方向にいって
心配するのも悪い事ではありませんが、
コロナと戦うのではなくて、
100年に1回ぐらいしか経験できない
ウイズ・ウイルスの生活を
如何にクレバーに楽しむかという視点も
あってもいいのかなと思います。


 個人的には
絶望的に溜まっている積読の本に
挑戦するいい機会だと思っています。
普段は読まない分野の本に
挑戦もしてみたいと思っています。
読めるかどうか自信はありませんが、
今回は日本書紀に関する本を
読んでみたいと思っています。
古事記に関しては
多少の知識はありますが、
日本書紀の概要ぐらいは
頭にいれておきたいなと
かねてから思っていましたので、
いい機会になればいいなあと思っています。

どちらにしても、
いましかできないGWの過ごし方を
楽しみながら考えてみたいと思っています。


家康総理


 春山茂雄著「脳内革命」(サンマーク出版)
という410万部売れた
戦後の日本を代表するベストセラーがあります。
それ以外にも、
つい最近惜しくもご逝去された
分子生物学者の村上和雄先生の「生命の暗号」や
琉球大学名誉教授で
EM(有用微生物群)を世界に発信した
比嘉照夫先生の「地球を救う大変革」など、
世の中の考え方を根底から変えるような
影響力のあるベストセラーを
出版し続けられている出版社が
サンマーク出版です。

      

 父も「これから10年 生き方の発見」という本を
サンマークから出版させていただいていて、
いろいろな状況証拠を考えると、
同社の植木宜隆社長と父との交流から
上記の本が生まれたのではないかと憶測しています。

また、植木社長ご自身の著書
思うことから、すべては始まる」を
読ませていただいていると、
そんなことも少し書いてあり、
それこそ一時期、
父が一番力を入れて書いた本は
大体サンマーク出版から出たという
時代もありました。
逆に言うと、
父が経営コンサルタントとしてだけではなく、
一般の方にも広く読まれるようになった
きっかけを作ってくださったのは
植木社長のおかげだったと言えるのだと思います。


 サンマークの本とは知らずに
読み始めたのですが、
脚本家で演出家の眞邊明人著
ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら
をとても面白く読ませていただきました。

ちょうどザ・フナイ
「主幹 舩井勝仁 から」の原稿を
書き終えたタイミングで読み始めました。

父が2006年に発行を開始した「ザ・フナイ」。
考えてみれば、
にんげんクラブも本物研究所も、
「ザ・フナイ」もすごい名前です。
私なら絶対に
こんな厚かましいネーミングはできませんが、
晩年の父は多分、
いろいろなことが見えていたから、
分かりやすくストレートな名前を
付けたのだと思います。


 逆に言うと、
「ザ・フナイ」の主幹という立場は
正直に言って、
私にはかなり重たい役割です。
だから、その原稿を書くのに毎月、
七転八倒しています。
まず、テーマを見つけるのにかなり苦労して、
それからその分野の本を読み漁るのですが、
書き始めてしまうと
意外にあっさりと書けてしまいます。
そこまで集中力を高めてしまえば、
私ではなく
父が乗り移って書いてくれているのかなと
思うほどなのですが、
逆に言うとその後は
メチャクチャ疲れてしまって、
かなりの脱力感を毎回味わうことになります。


 そんな状態で
「もしも徳川家康が総理大臣になったら」を
読み始めたのですが、
あまりの面白さに
一気に読んでしまいました。
荒唐無稽と言える強引な設定ですが、
本当にこんなことが実現したら、
いまの閉塞感を
一気に解決できるのではないかと
思うほどの迫力を感じました。

大きな流れで言うと
今回のコロナ禍で一番変わったのは、
グローバリズムの流れが止まり、
ナショナリズムの大切さに
みんなが気が付いたことです。
その前にトランプ大統領という
不思議な世界のリーダーが現れて、
その流れは見え始めていましたが、
新型コロナウイルスのおかげで、
しばらく海外旅行に出かけることは
よほどの覚悟がないと不可能になりました。


 一種の鎖国状態に
なってしまっているわけですが、
日本の歴史上、
この鎖国政策をうまくやり遂げたのが
家康なのです。
歴史を少し勉強すると、
遣唐使を廃止した菅原道真も
鎖国政策を実行したと言えるのかもしれませんが、
国のトップだったわけではなく、
また物理的にも
当時は海を渡ることが
命がけだったこと等を考えると、
家康の偉業とは比べものになりません。
家康が
この後ろ向きの難しい政策を
やり遂げたことによって
260年にもわたる泰平の世を
築き上げた力は並大抵のものなのです。


 そんな家康が
総理大臣になって復活し、
いまの時代に合致した
鎖国政策を実行してくれたら
日本は本当に世界に先駆けて
未来の社会のあり方を
提示できるようになるのかもしれないな
という楽しい妄想を
感じさせてくれる内容でした。

もちろん、あくまで
エンターテインメント小説だと思って
読まなければいけませんが、
少なくとも会社経営には
大きな示唆を与えてくれる内容になっていて、
51年前に船井総研を創業した時の
父の思いを感じる
大切さを改めて
思い出させてくれています。


 先日、サンマークの植木社長から
同社の50周年記念という事で、
美味しい日本酒をお送りいただきました。
これは、父に対して
ご贈呈をいただいたのだと感じましたので、
早速父の仏前に供えさせていただいて、
父に味わってもらっています。

家康総理という
不思議な本を読ませていただいたことで、
サンマーク出版のことを
紹介させていただく機会ができたので、
これで私がお下がりをいただいても
いいのかなと感じました。

植木社長や同社の皆さま、
それに父に感謝しながら
美味しく飲ませていただこうと思っています。


半世紀


 残念ながら、
新型コロナウイルスの
感染拡大のペースは
収まりそうにもありません。

ちょっと期待していたのは、
冬のシーズンが終わって
温かくなって
紫外線が強くなってきたら
通常のインフルエンザウイルスは
活動が終息に向かうので、
今ごろは格段に
感染数が少なくなっているだろう
ということでした。
ただ、変異ウイルスの影響なのか、
緊急事態宣言が解除されて
しばらくしてから
感染者数が大幅に増加傾向になって
目論見が外れてしまいました。


 ちょうど1年前は、
ステイホームということで
会社にも行かずに
在宅勤務をしていました。
正直に言うと、
原稿を書くことは家でもできましたが、
それ以外の私の仕事の大半は
人と会う事なので、
家にいて余った時間を
どう過ごそうか困ったものです。

積読になっている本を
多少は読みましたが、
やっぱり仕事というのは
締め切りがあってこそやる気になるもので、
原稿を書くために
必要に迫られたときのような
読書量にはなりませんでした。
もったいなかったと思いますが、
本当は今も、
あのような自粛生活をしなければ
変異ウイルスの感染拡大は
防げないのかもしれません。


 ただ、変異ウイルスのために
1年前のような自粛をして乗り切っても、
ウイルスはまた変異していきます。
ワクチンを打つのがいいのかどうかは
各自が考えてもらわなければいけませんが、
何らかの形で
新型コロナウイルスに対する
集団免疫を獲得しない限り、
この騒動は収まらないのは
確かなように感じます。

医療が発達していなかった昔は、
逆説的に感染を拡大させて
自然淘汰の方法論で
集団免疫を獲得したという話しを
聞いたことがあります。
ただ、いまは
死ぬべき人が死んでいくのは
仕方がないというやり方は、
社会的に不可能だと思いますので、
やっぱりワクチンしか
方法論はないのかなと思います。


 プライベートな面で
大きく変わったのは、
コンサートに行かなくなったことです。
東京はお金も時間もある
団塊世代が多くいることから、
コロナ前は
世界一のクラシック音楽の
マーケットになっていたという話しを
よく耳にしました。
海外の超一流の
オーケストラやオペラの
来日公演を気軽に楽しめていたのですが、
いまは海外のオーケストラが来ることは
実質的に不可能になりました。

だから、日本人指揮者が
国内のオーケストラを指揮するコンサートが
感染防止策をきちんと取りながら
コンサートも開かれるように
なってきているようです。


 また、NHKなどでも
最近のコンサートの
コンテンツが不足しているので
往年の巨匠が指揮した名演奏の
アーカイブを放送してくれるようになりました。
私は家ではBGMとして聞くぐらいの愛好家なので
その良さはよく分かりませんが、
音楽大学出身の妻は
感動して聞いているようです。

先日、私が大好きな
マーラーという作曲家の曲を
レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニーが演奏する
約50年前のアーカイブを
録画してくれたものを
じっくり見る機会がありました。


 いまではマーラーは一番人気の演目で
NHK交響楽団の演奏会などでも
マーラーをやると満席になると
いわれるぐらいですが、
1960年代にバーンスタインが
積極的に常任指揮者だった
ニューヨークフィルで
取り上げるようになるまでは
ほとんど陽の目を見ることがない作曲家だった
という話しをきいたことがあります。

私のクラシック好きは
高校生のころの受験勉強のBGMとして、
当時でも古かった
そんなレコードが
大阪の大きなレコード店で
格安な値段で売っていたのを見つけて
何度も聞くようになって、
それにはまったことが原因です。


 大学に入って東京に出てきて、
はじめてコンサートホールで
マーラーの演奏会に行き、
そのあまりにも壮大なスケールにびっくりして
本格的なファンになりました。
大編成のオーケストラで演奏するマーラーは
ステレオで聞いても
その迫力が楽しめないので、
生演奏に行くと
びっくりしてしまったのです。

一度、コンサートを体験すると
テレビやCDで聞いても、
生の感覚を思い出しながら聞けるので
いいのですが、
高校生の時は
何も分からずに聞いていたことになります。


 今回、歴史的な名演奏を見て感じたのは、
現代のオーケストラに比べて
当時の世界最高峰のウィーンフィルでも
演奏が格段に上手くないことでした。
マーラーは
管楽器が演奏の主役を務めることが多いのですが、
現代の演奏になれた耳には
とても聞いていられないぐらい
音を外しているのです。
それを見ていて、
バーンスタインは
オーケストラの技術を上げるために
マーラーを再評価して
取り上げるようになったのかな
ということを感じました。


 クラシックの世界は
ほとんど進歩していないように感じますが、
いまは日本の交響楽団の演奏会でも
こんな下手な管楽器は絶対に聞けません。
やっぱり半世紀の年月は
すごい隔たりがあることがよく分かりました。

こんなことも、
コロナ禍がはじめて気が付かせてくれたことで、
やっぱり必要必然ベストで
コロナの意味をしっかり感じながら
ウイズコロナの時代を
生き抜いていきたいものだと改めて思っています。

逃げない


 最近、親子というのは似ているものだなと
感じるようになりました。
若い頃は、父の行動には
疑問を感じていることが多くありました。
例えば、私のことを
人前で結構平気で褒めました。
自分のことはよく分かりませんが、
自分の悪い部分というか、
できていないことを感じる事はあります。
例えば、心を割って人と交われないので
なかなか親友ができないことや、
高い目標を立て過ぎて
すぐに破綻してしまう事等、
反省することが多くあります。
父はそんなことは百も承知で
よく私のことを他人に褒めていました。


 もちろん、実は私に聞かせていて、
長所進展法をやってくれていたのだと思います。
逆に、怒られる時も
直接ではなく講演の中で怒られることがありました。
こんなに大勢の前で言わなくても
いいじゃないかと思ったものですが、
すぐに反論できない状況なので、
実は冷静に考えることができるという
メリットもあります。

講演の後で
お客様からコメントを求められるので
強制的にしっかりと
振り返らなければいけない事態に追い込まれて、
なかなか効果的な手法だなと
いま頃になって感心しています。


 要するに親バカなのですが、
絶対に自分はやらないだろうなと
思っていたのですが、
最近は愚息のことを
よく人前で褒めるようになりました。
もちろん、
彼の至らない点もたくさんあるのですが、
客観的に見れば
なかなかいい線をいっていることが分かります。

どうしても話したり書いたりする機会が多いので、
そうなるとネタ不足を補うために
身内ネタが増えるのですが、
やっぱり欠点を指摘するよりは
いいところを探す方が気持ちいいのです。


 人前で話したり書いたりする機会は
父の方が格段に多かったので、
親バカになるのは
必然だったのかもしれません。

ただ、同様の手法で
怒られたことも多かったという事は、
父から見て
育て方を間違ったと感じた点も
多かったという事になると思います。

言い訳ですが、
これだけ変化の激しい時代に生きていると
親子で価値観がかなり変わってきます。
昭和と令和の経営手法は
まったく別物と考えなければいけませんし、
生きている時代背景も異なります。
愚息と私の関係で考えると
変化はもっと加速度を増していますので、
彼の言動を理解できないのは
当然だとも思います。


 ただ、愚息
(息子は二人いるのですが、
この場合は長男です)の
教育を決定的に間違ったことがあります。
それは野球が好きになったのはいいのですが、
まさかのジャイアンツファンにしてしまったことです。

私は大阪生まれで、
野球のことが好きになった時代が
ON(王選手と長嶋選手)の全盛期で
巨人がメチャクチャ強かった時だったのですが、
判官びいきもあって
タイガースファンになりました。
特に、キャッチャーなのに
ホームランバッターだった
田淵選手の大ファンです。


 ただ、田淵選手の正直な印象を書くと
チャンスでよくゲッツーを打ってしまう事でした。
もちろん、あれだけのホームランバッターなので
逆転ホームランもたくさん打ったのだと思いますが、
ファン心理とは不思議なもので、
チャンスでの凡退の方が
鮮明に記憶に残ってしまいます。
特に、いまのように
巨人以外の試合が
テレビで見られる時代ではなかったので、
ラジオにかじりついて聞いていたのですが、
ゲッツーを打ってしまった時の
阪神びいきのアナウンサーの
悲惨な叫び声が未だに忘れられません。


 負け惜しみですが、
かなり低迷期が長かったので
GWの頃には大体
優勝は望めない感じが見えていたので、
あまり熱心にテレビを見なくてもいいと
強がっていたものでした。
そして、テレビで野球観戦するときも
ピンチになったり
チャンスが潰れそうになったら
すぐにテレビを消してしまう
癖がついてしまいました。
無駄な時間が減るので
合理的だと思っていたのですが、
よく考えたら
単に逃げているだけという事になります。


 ペナントレースはまだ始まったばかりですが、
幸いにもいまの所、
タイガースが強いこともあって
野球観戦の時はなるべく
区切りがいいところまでは
ピンチでもチャンスでも
途中で止めないでじっくりと見てしまうことを
意識するようになりました。
つまらないことではありますが、
逆にそんなことにこそ、
自分の生き方が象徴されているのも
真実だと思うので
今年はがんばってみようと思います。


 親バカで言うと、
息子はジャイアンツが負けると
本当に悔しそうにしています。
ちょっと前までは、
あそこまで野球で喜怒哀楽を出さなくてもいいのにと
感じていました。
自分と照らし合わせると
しっかりと逃げていないし、
逃げたくないから親の意思に逆らって(?)
強いジャイアンツファンになったのだと思います。
子どもから学べるようになるのは、
有り難い事だと思います。


 野球の話題で
興味のない方には申しわけなかったのですが、
実はさりげなく大事なことを書いたつもりです。
小バカにしながらで結構ですので、
実生活で何に逃げていたかを考えていただいて、
それを修正してみることに
挑戦してみていただければ幸いです。

ニュートンとアダム・スミス


 いまの私たちの生き方を決めたのは、
アイザック・ニュートンが
物理学の法則を発見したことに始まります。
ここから近代科学が始まり、
いまに至る近代文明を作りあげてきました。

ニュートンは1642年に生まれて、
1727年に亡くなっています。
当時としては結構長生きをされたようですが、
日本で言うと
江戸時代の治世が100年近く続いて、
長い平和な時代を経て
文化が花開いた5代将軍綱吉の
元禄時代(1688年~1704年)に活躍されました。


 私は西洋の歴史的な人物を考えるときに、
その時代背景を理解するために
日本で言うとどんな時代のことだったのか
ということを比較の材料に使います。
江戸時代の歴史に詳しいわけではありませんが、
個人的には時代小説が大好きで、
エンターテイメント性が強い小説なので
時代考証等はいい加減なものが多いのですが、
それでも何となく背景が分かってきます。


例えば、文化が花開いたと言っても
元禄時代は関ヶ原の戦いから
100年程度しか経っていないので、
荒っぽい気性が
社会に色濃く残っていた時代でした。
明治維新から100年前後の
昭和の高度成長期からバブル時代のような
雰囲気だったと比較できます。

その後の8代将軍吉宗の
享保の改革(1716年~1735年)は
経済的にみれば引き締め政策で
飢饉等も起こった暗い時代であり、
現代で言えば、
平成の閉塞感がある時代に
当たるのかもしれません。

今度は、現代と江戸時代を
比べてしまっていますが、
東西や古今の比較をして考えると
面白いと思っています。

享保の改革の後は、
賄賂が横行したということで評判が悪い
田沼意次(1719年~1788年)の田沼時代です。
意次の父親は紀州藩の足軽だったのですが、
吉宗が将軍になったことで
旗本にまで出世していきました。
さらに意次は
10代将軍家治の寵愛を受けて大名になって
最後は江戸時代の中でも最も権勢を誇った
老中にまで出世します。

現代でイメージすると
田中角栄元総理のような
イメージかもしれませんが、
何代にもわたって受け継がれてくる
教養は感じられませんが
経済の改革を成し遂げて
享楽的ではありますが、
世の中を一気に豊かにした
人物だったように思います。

既存大企業が社会の変化について行けなくなり、
新しく起こってきたGAFA
(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)
などの新興企業が世の中を
実質的に支配してしまっている現代に
似ているのかもしれません。

時価総額で2兆ドル
(約220兆円、日本のGDPの40%ぐらいになります)
を超えるアップルを筆頭に
ほとんどの国家よりも影響力のある存在ですが、
とてもそれだけの責任感を持って
社会のために存在しているだけの
文化力を持っているとは思えません。

でも、彼らのおかげで
私たちは便利で快適な暮らしを
享受できているのです。

ちょうど田沼時代に活躍したのが
経済学の父である
アダム・スミス(1723年~1780年)です。
ニュートンもアダム・スミスも
イギリスの人ですが、
80~100年後の時代差があり、
江戸時代で言うと
元禄と田沼時代ぐらいの
差があることになります。

自然科学でニュートンが発見した物理学を
私たちの暮らしに直結する
社会科学としての経済学を作り、
私たちの生活を科学的に考える
基礎を作ったのがアダム・スミスだったのだ
と考えると分かりやすいのだと思います。

物理学の世界はその後
アルベルト・アインシュタイン(1879年~1955年)や
ヴォルフガング・パウリ(1900年~1955年)が出て、
現代に至る量子力学全盛の時代になって
ニュートンの物理学から
パラダイムシフトを起こしました。

ちょうど80年~100年前に
物理学の世界では
パラダイムシフトが起こったのですが、
それは自然科学の世界で
ニュートンが現れてから
それぐらいの時差で
アダム・スミスが出現して
社会科学の世界を根本的に変えたように、
今度は経済学が
まったく違う概念になっていくのかもしれないな
と思っています。


経済学の考え方を
根本的に変えそうな筆頭は
MMT(現代貨幣理論)です。
コロナ禍で各国政府が
ばらまき政策を実行していますが、
この背景になっている理屈が
MMTになると考えてもいいようにも感じます。

簡単に言うと、
自国通貨建てで国債が発行できる国は
財政均衡を考えるのではなく、
インフレにならないように
財政政策を考えてもいいという考え方です。

もっと、大胆に考えると
インフレになるまでは、
国はいくらでもお金を使ってもいい
ということになります。


現代経済学の世界は
背景を数学的にきちんと説明できる
とても科学的なものになっています。
いまのところMMTは
そこまで精緻な科学的な理論作りは
できていないようにも感じますが、
ニュートン力学が量子力学になったように、
量子経済学が考えられるようになってきて、
それは私たち一般人にはとても理解できませんが、
学者の間では
数学的にはきちんと説明されるものに
なっていくのかもしれません。

どちらにしても、
資本主義を作りあげたアダム・スミスの国富論
(神の見えざる手が働くので市場経済は完璧である)
からの脱却が
必要な時代になってきたのだ
ということは感じます。
そんな世界の理論的な裏付けがされる近未来を
ワクワクしながら待ちたいと思っています。


霊主体従


 いよいよ2021年、令和3年が始まりました。
というと、少し違和感がありますが、
西洋占星術の考え方では
春分から1年が始まるので、
本格的な変化の年である2021年は
先週の土曜日から始まったという
考え方もあるようです。

春分は昼と夜の長さが同じになる日なので、
これから秋分の日までの半年間は
昼の方が長いことになります。
桜も咲き始めましたので、
本格的にいい季節が始まります。


 ただ、新型コロナウイルスに関しては
油断しない方がいいような気がします。
いろいろな背景やご意見は
とりあえず置いておかせていただいて、
簡単に言うと
マスクをつけないで行動できるのは
どうも来年の夏ごろまで
伸びるのではないかと感じています。

いまのところ
東京オリンピック・パラリンピックは
無観客でも開催されると思います。
ただ、問題は
来年2月に開催が予定されている
北京冬季オリンピックの方だ
という意見もあるようです。
コロナの発生地である中国で
しかも感染拡大が懸念される冬で、
かつ米中対立もあり
アメリカとその同盟国が
ボイコットするのではという観測です。


 先日、ある大先輩と昼食を食べていて、
中国が台湾に対して
軍事行動を起こす可能性の
可否についての話し合いになりました。
先輩はこの現代に
さすがの中国でも軍事行動を起こすことは
あり得ないのではないかというご意見でしたが、
私は実は十分あると思っています。
もちろん、そんなことにならないように
日本も一生懸命に事態を考えて
行動していかなければならないと思っていますが、
中国共産党の立場から考えると
このまま台湾の独立について
アメリカや日本がそれを支援していくことを
座視することはあり得ないと思います。


 また、アメリカの立場で考えても、
トランプ前大統領が反中姿勢を明らかにして、
それが世論の強い支持を
受けていることを考えると、
いままでのような曖昧な態度は
許されなくなってきます。

そのタイミングで
北京オリンピックが予定されているのも、
なぜか戦争を起こしたい人の
意図通りのような気がしてしまいますが、
そんなことにならないように、
一生懸命に考えていかなければ
いけないのだと思います。

本音で言うと、アメリカも中国も
戦争なんてしたくありません。
でも、その方向に持っていきたい人たちも
いるのではないかと考えてみるのも
必要なことなのかもしれないのです。


 大正から昭和初期にかけての
精神世界の巨人に
出口王仁三郎聖師がいます。
父が傾倒していた日月神示も
流れから言えば
王仁三郎聖師の考え方から発しています。
日月神示はいまがまさに
世の中が根本的に建て替え立て直しを行う
タイミングであるということを
教えてくれているのではと
解釈することもできると思います。

そして、私の意見は
立て替えがいまの所
コロナ禍程度で済んでいてよかったなと感じています。
もちろん、新型コロナウイルスで
お亡くなりになった方や感染した方に対しては
申しわけない言い方になってしまいますが、
本来考えられていたのは
もっと悲惨な事態が起こることだと
思えていたからです。


 メキキの会を主催されている出口光さんは
王仁三郎聖師の玄孫になられます。
10年ぐらい前に
精神世界のことについての基礎を
いろいろ教えていただいて、
私はいまでも
あまり出席はしなくなりましたが
メキキの会の会員です。
光さんに教えてもらったことで、
一番心に残っているのは、
霊主体従という言葉についてです。

霊は目に見えないものを総称して、
体は目に見えるものを総称している
と考えればいいそうですが、
目に見えない世界が先にあって、
それに従って
目に見える世界が存在している
という考え方です。


 米中の対立が
これからどのような方向に進んでいくかという
目に見える現象には、
その背後に
世界中の人がそれについてどう意識するか
という目に見えない力が働いているのです。

まず、最初に人々の意識、
ユングは集合意識と呼びましたが、
それが形成されて
実際の事態はその方向に向かって動いていきます。
北京オリンピックへの参加の有無によって、
世論が憎悪を膨らませていけば、
対立が深まって行き、
その集合意識が軍事行動ですら
引き起こすことになっていくのです。


 光さんが教えてくださった
もう一つ大事なことは、
必ず霊が先で体が後からついてくるのだが、
霊と体の割合は50対50だということです。

意識の世界も大事なのですが、
それと同じ割合で
現実的な目に見える世界も大事だと
王仁三郎聖師はおっしゃっていたのです。
スピリチュアリティだけにこだわって、
トランプ前大統領が
世の中をよくしてくれるに違いない
と考えるのは悪い事ではありませんが、
同じぐらい大事なのは、
ではあなたは何をするのですか、
という事なのです。


 父が最晩年に、
「もう、スピリチュアルのような
つまらない事は、いい加減にしよう」
と言ったのは、
自分が何もしないくせに
誰かに頼って
それだけで理想の世の中を作ろうというのは
間違っている、
ということが言いたかったのだと思います。

やっぱり大事なのは、
自分で考えて自分で行動し、
自分でそれに対して責任を取る
心構えだと思います。

春分が過ぎて新しい年が始まった
このタイミングで
一人ひとりがしっかり考えていくことが
大事なのだと思います。


ゼニ問答


 今回はお金のことを書こうと思っています。
加藤航介著
驚くほどシンプルで一生使える投資の極意
(東洋経済新報社)
という本が面白かったので、
これをネタに書こうと思ったからです。


外資系運用会社に勤めるアラフォーの著者が、
英語は少しできるが
金融知識はほとんどない新入社員に
「本当の投資」を教える
架空の問答集になっています。
正直に言うと、この手の本は
あまり内容のあるものが少ないのが実情で、
期待値が低い状態で読み始めたのですが、
かなり読み応えがあり
私が知らない新しい視点もたくさんあり
とても参考になりました。


 例えば、こんなことが書いてあります。
日本の大きな会社の取締役は
給与の大半を現金で受け取ります。
しかし、欧米では株式で受け取り、
しかも受け取ってからしばらくは
現金化できないようになっています。
つまり、一生懸命に企業価値を上げなければ
実質的な給与が上がらない仕組みになっています。

ところが、日本の場合は
何もせずに大過なく任期をこなすのが
きちんと決まった給与をもらい続けるという
金銭的な動機だけで言えばベストの選択になり、
結果として何もしない役員が多くなるのが
日本の会社が弱い大きな原因だというのです。


 面白いもので、そうすると
そんな事例にすぐに出会いました。
ある大手企業の財務担当役員と
お話をさせていただく機会がありました。
その会社は決して業績は悪いわけではないのですが、
コロナ禍のために減収減益になりました。
業績連動給与制度を採用していて
ここ十年ぐらいで初めて
ほとんどの社員の給与が下がったのだそうです。
そうすると、業績も給与も
右肩上がりが当たり前だと思っていた社員から
かなりの文句が出たそうです。


 そこで経営陣が採った対応が、
役員に配布されていたストックオプションを
放棄することにしたというのです。
ストックオプションは株価によって価値が上下するので、
日本の会社にしては珍しく
業績連動型報酬を採用しているのですが、
それを真っ先に放棄するのが
日本のガバナンスのやり方になるようです。

もちろん、現金でもらう給与を減らすのは
会計上や税務上いろいろ難しい問題があるようなので、
ある意味仕方がないかもしれませんが、
とても考えさせられる事例でした。


 そんなことを始めとして、
本書で紹介されていることをネタに
レポートを書くつもりだったのですが、
1冊だけだとバランスが悪いからと思って読み始めた
澤上篤人著
世界経済はもっと荒れるぞ、そして超インフレだ
(明日香出版社)
を読んで考え込んでしまいました。


著者の澤上先生は
さわかみファンドという
独立系の投資信託をはじめた
この分野のパイオニア的な存在です。
ザ・フナイにも連載をしていただいている
コモンズ投信の渋澤健会長から、
いま私たちが独立系ファンド会社を
やれるようになったのは
澤上先生のおかげです
と聞かせてもらったことがあります。


 とにかくいい会社を見つけるバリュー投資を
長期投資でやればいいのだという
投資の基本を説き続けていらっしゃいます。
最初にお話を聞いたのは、
船井総研のセミナーでのことで
25年ぐらい前のことですが、
当時から主張はまったく変わっていません。
本当にすごい方だと思います。

コロナ禍の影響で株が暴落していた
昨年の今ごろに書きはじめた本ですが、
その後株価が上がっていくことを
見事に予想されているのは
さすがだと思います。
しかし、これはバブルであり、
早晩今度は大崩壊を起こして、
その後にインフレがやってくるということを
確信されているようです。


 澤上先生のことは大尊敬していますが、
私はバブルかもしれませんが、
このバブルは結構長い間
続いてしまうのではないかと思っていて、
もしかして対応が上手くいけば
バブルがバブルでなくなっていく
可能性もあるのではと思っています。

それは、金融のシステムが大きく変わりつつあり、
もしきちんと変化することができれば
対応可能なバブルかもしれないと思っています。
そして、その切り札はMMT(現代貨幣理論)であり、
例えば、
森永康平著「MMTが日本を救う」(宝島新書)
等には、とても分かりやすい解説がされています。


 澤上先生は1947年生まれの大ベテラン。
一方、森永さんは1985年生まれで
いまは金融教育ベンチャーを経営していますが、
証券会社や運用会社で経験を積まれた
若手経済学者でもあります。
お金の話をするには
どうも世代ギャップを埋めることから
始める必要があるように感じました。
森永さんは著名な経済学者で
テレビにもよく登場される
森永卓郎先生のご長男でもあり、
お父さまとの共著
親子ゼニ問答」(角川新書)
という楽しい本も出版されています。


 そう言えば、冒頭に紹介した「投資の極意」も
アラフォーのベテランと新入社員の問答になっていて、
私にお金のことを教えてくれた故・竹田和平さんも
これからの教育は問答がいいと
いつもおっしゃっていました。
お金は大切なものであり、
ますますその在り方が
変幻自在に変わっていきそうなものなので、
世代を超えたゼニ問答が大事なのかもしれません。
ぜひ、毛嫌いせずに
真剣にお金のことを考えてみていただければと思います。

デジタルの壁


 大企業を中心にテレワークが導入されて、
そろそろ1年近くになります。
東京の通勤電車は未だに
コロナ前と比べると
かなり空いていますし、
大手町や丸の内等の
大企業の立地にある飲食店も
本当に暇そうなので、
実際にかなり在宅勤務が
浸透していることが実感できます。

でも、実はかなり生産性が落ちて
困っているというデータもあるようです。

原因は欧米や中国、
それに台湾や韓国などに比べても
かなりデジタル化が遅れていること。
紙の書類がたくさん残っていることと、
業務の詳細な細分化による
見える化が進んでいなくて
臨機応変に対応することが仕事に求められることに
デジタル的に対応できないようです。


 仕方がなく効率を落としながら、
自宅で個々の人たちが工夫することで
対応しているのですが
2割以上生産性が落ちているという
データもあるようです。
お役所に比べてかなり
デジタル化が進めやすい企業でこれですから、
お役所仕事に至っては
目も当てられない状態にあるようです。

菅内閣ができて
デジタル担当大臣が新設されたところまでは
勇ましかったのですが、
コロナ対応の失敗で
その後はほとんど
話を聞かなくなってしまいました。
実際に、PCR検査の数が増えないことや、
ワクチン接種が進まないことの背景にも
デジタル化の遅れが大きく影響しているようです。


 最近、コロナ禍を陰謀論的に考えると
その目的はデジタル化を
飛躍的に加速させることだったのではないか
という妄想をしています。
実際に、デジタル化の優等生である
中国、台湾、韓国などが
コロナを抑え込むのに成功している姿を見ると、
日本を除く東アジアの先進地域は
この流れに見事に適応したのですが、
どうも日本は
プライバシーの保護というよりも
もっと根本的なマインドの部分で
政府や会社に
自分のデータを完全に掌握されることに
大きな抵抗感があるのではないでしょうか。


 例えば、世界から見て不思議なのは
日本のマイナンバーカードの普及率の低さです。
今年1月中旬のニュースでは
その時点での普及率が
25%を下回っているそうです。
実際に私もまだ
マイナンバーカードを持っていませんが、
これが10万円の特別定額給付金を配るのに
あれだけの手間と時間がかかった大きな原因です。

そして、今度はもっと大きな混乱が
ワクチンの接種について起こることは確実なのに、
未だに強制力を持って
マイナンバーカードの取得を義務付けようという
動きが出てこないのが不思議です。


 あくまで妄想ですが、
もしかしたら世界全体で
デジタル化を進めようという動きに、
一番抵抗しているのが
日本政府なのかもしれません。
デジタル化の動きの先に
世界統一政府構想のようなものがあり、
実際にキャッシュレス化、ペーパレス化などが
コロナ禍をきっかけに
大きく進んだことを考えると、
まず国民一人ひとりの行動を
すべてひも付できるためのマイナンバーカードは
絶対に必須のものです。

実際に日本以外の国は
技術的な面で対応できない国を除いて
ほとんど国民の抵抗もなく普及が進んでいるのに、
日本は未だにそんなこともできないなんて、
意図を持ってその流れに
抵抗しているようにしか感じられません。


 そんな妄想を膨らませていくと、
見事にこの動きに抵抗し通して
日本だけがデジタル化ができていなければ、
一握りのエリートが
自分たちだけのために世界を運営して、
他の人間を実は
奴隷のようにしようとしている動きに
見事に抵抗しきれるのかもしれません。

多分、AI(人工知能)の技術が進めば、
中央集権的に個人を特定できなくても
AIは私たちの暮らしを
より良いものに変えてくれながら
プライバシーを守れる体制を
作りあげてくれるようにも思います。


 実際に江戸時代は
幕府が中央集権体制を採っておらず、
各藩が独自の行政システム運営を行っていました。
公儀隠密は見つかると殺されるという話しが
時代劇には出てくるのですが、
各藩は情報統制、
いまで言うとインテリジェンスの分野すら
独立していたことになります。

日本は、世界政府の時代になっても
何とか独立を果たすべく、
行政や企業の対応がダメなことをいいことにして
抵抗活動を続けているのかもしれません。


 多分、本当はただ単に
いろいろな目に見えない抵抗を乗り越えられなくて
効率化が進められていないだけですが、
それでも大きな目で見ると
日本の知らず知らずの抵抗は
いい世の中を作るために
必要な抵抗になっているのかもしれません。

戦争に負けたおかげで、
ある意味左翼的な思想から考えると
理想的な憲法があり、
日本はそのためにコロナ禍にあっても
ロックダウンができないという
不思議な対応を迫られています。

アフターコロナの世界になると
実はそれが良かったと
言われるようになったらいいなあと
妄想を膨らませています。


ホ・オポノポノ ライフ


 最近、
ビジネスエキスパートがこっそり力を借りている日本の神様
(サンマーク出版)の著者である
道幸龍現先生と親しくさせていただいています。

道幸先生は船井総合研究所の三代目社長である
小山政彦先生や父も親しくさせていただいた
超売れっ子コンサルタントです。
何年か前から名刺交換をさせていただいたり、
少しお話をさせていただいたりして
面識はあったのですが、
昨年は一番一緒にいた時間が長いぐらいの
深いお付き合いをさせていただきました。


 道幸先生は、親しくなったクライアントを
神様の世界にうまく誘います。
先生ご自身はかなり本気で
神様の道を追求しているのですが、
お客様には本の題名にもなっているように
神様を味方に付けると儲かるようになりますよ、
というシンプルなメッセージを発信しています。

実際に道幸先生の神様事に参加させていただくと
運がよくなるので、
ご利益を感じている経営者の皆さまが
コンサルティングを受けようと
列をなしている状態です。


 道幸先生のツアーで
伊勢神宮に行く機会がありました。
そこでご紹介いただいたのが、
神宮禰宜の吉川竜実先生です。
実は、吉川先生は長年伊勢神宮で
広報を務めていらっしゃって
父や私も大変お世話になりました。

最近、道幸先生のプロデュースで
いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる
(サンマーク出版)という本を出版されていますが、
吉川禰宜と道幸先生は肝胆相照らす仲で、
普通ならおっしゃらないような本音も聞かせていただいて、
やっぱり大事なのは
誰から紹介されるかなのだなと感じています。


 神宮に訪問した時に吉川先生が
何冊か本の紹介をされていたのですが、
心に残ったのが
カマイリ・ラファエロヴィッチ著
ホ・オポノポノ ライフ ほんとうの自分を取り戻し、豊かに生きる
(講談社)でした。
もう10年ぐらい前のことになりますか、
日本でホ・オポノポノブームが来た時に、
もちろんその存在は知っていましたし、
心のクリーニングをするにはかなり強力な手法だなと
時々自己流に変えてはいますが
実行させていただいてきました。


 ただ、著者のラファェロヴィッチさん
(読むのが難しいので本の中で
KRさんと呼んでもいいと書いてあったので
以下KRさん)のことは知りませんでしたし、
吉川先生は他のホ・オポノポノではなく
セルフ・アイデンティティ・スルー・(ホ・オポノポノ)
(SITHホ・オポノポノ)がいいと絶賛されていたので、
改めて読ませていただきました。
すぐに分かったのは
KRさんの霊性がとんでもなく高いということです。


 電子書籍で購入したのですが、
それでも著者の霊性がとんでもなく高いことが伝わってきて、
読んでいるだけで完全に心が洗われました。
そうするとクリーニングできていなことが
たくさん見えてきて、
そのクリーニングを強制的にさせていただくことになり、
とてもいい機会をいただけたと喜んでいます。


 時にはKRさんのような
メチャクチャ高い霊性の人に
本のようなメディアを通じてでもいいので、
触れてみるといいですね。

ただ、今回のレポートで一番書きたいのは
実はここからで、
ほぼ同じタイミングで
吉濱ツトム著「2040年の世界とアセンション
(徳間書店)を読みました。
きっかけは出たばかりのザ・フナイの4月号で
吉濱さんだけが唯一、ポジティブな意見を書いていて、
それが私の感性にとてもピッタリきたからです。


 吉濱さんの本は、
彼のレベルが高すぎて
私にはついていけない所がたくさんあるのですが、
かなり共鳴できるところがたくさんあります。

例えば、表現は違いますが
闇の勢力がいるということを
前提にしない方がいいという事です。
陰謀論はかなり確からしいし、
世の中をコントロールしているというか
コントロールしていた勢力は確かに存在していますが、
Qアノンやホワイトハットという人たちが
叫んでいるような
単純なものではないと私は思います。


 今回のアメリカの大統領選挙で、
多くの人が目に見えない世界が
大事だということに気が付いたのは
とてもいいことだと思いますが、
絶対悪がいて、
勧善懲悪で彼らを打ち破って
絶対ヒーローやヒロインが現れるというのは、
仮面ライダーやウルトラマンのような
昔の子ども向けのテレビ程度の登場人物の設定で
ちょっと幼稚なのではないでしょうか。
現実はもう少し、複雑になっていると私は感じます。
だから絶対悪がいるという前提は
そろそろ止めた方がいいと思っています。


 ただ、難しいのは、
吉濱さんはクリーニングもしなくていいというか、
いい加減にした方がいいという意見のようです。
この辺りは私も分かりませんが、
確かにKRさんぐらい霊性が高くなってから
取り組んだ方がいい課題かもしれませんね。
KRさんは現代の仙人と言ってもいい存在ですが、
彼女のおかげで高い霊性に触れることを感謝して、
私たちはもう少し現実界で
ドロドロを生きた方がいいのかもしれないという意味で、
こちらもバランスを取ることの大切さを感じています。

ありがとう、おかげさま、もったいない


 赤塚高仁さんのベストセラー
お父さん、日本のことを教えて!」(自由国民社)の
出版プロデュースを手掛けてくれたのは
山本時嗣さん(時ちゃん)です。
自分が書きたい本ではなくて、
読者が読みたい本を
書かなければいけなくなった赤塚さんに
時ちゃんを紹介させていただきました。
時ちゃんと知り合いになったのは
故・竹田和平さんを通じてでした。


 赤塚さんが知覧の富屋旅館から
ZOOMで講演会をすることを知り、
ちょうど会社にいる時間で
オンライン参加できることを知ったのは
当日のことでした。
あわてて申し込んだら、
講演を企画開催してくれているのが
時ちゃんの会社で、
本来なら振込みを確認してからの参加なのに、
特別にZOOMのアドレスを
先に送っていただいて
無事にセミナーに参加することができました。


 昨年、短い時間でしたが
赤塚さんに知覧特攻平和会館
お連れいただいたことがあります。
3回目の訪問でしたが、
やっぱり赤塚さんと一緒に行く
特攻平和会館は特別でした。

永松茂久著「人生に迷ったら知覧に行け」(きずな出版)
という本があるそうですが、
英霊の気持ちを伝えてくれる能力は
太平洋戦争の激戦地
パラオのペリリュー島の話を語らせたら日本一の
赤塚さんの右に出るものはないと思います。


知覧まで行けなくても
靖国神社の遊就館に行けば
英霊の声も聞けますし、
八千代食堂でトメさんの玉子丼もいただけるのは、
ありがたいことだと思います。


 実は、自分の意志で助かることもできた
特攻に散った英霊たちは、
「いまの日本は、いい国か?」
ということを一番知りたいのではないかと
赤塚さんは語ってくれます。
私たちが本当に人生を楽しく生きていて、
未来永劫日本という国が
続いていくことが確信できると、
はじめて私たちは英霊たちに
感謝できるようになるのかもしれません。

「愛の反対は憎しみではない、無関心だ」、
これはマザー・テレサの言葉と伝えられています。
英霊たちの愛を感じられるようになるためには、
まずは関心を向けることが大事なのだと思います。


 時ちゃんを実質的に紹介してくれた和平さんには、
けっきょく、お金は幻です。」(サンマーク出版)
と言う著書があります。
これは和平さんが小学校6年生の時に
大好きなおばあさんの下に1年間疎開したとき、
貧しい村の人たちが村の中で
お金を使っているのを見たことがないことで
実感したものです。
つまり、お金は絶対に必要なものではなく、
あれば便利なものであるというぐらいの
幻のようなものなのです。


和平さんはお金が幻であることを知っていたので、
日本一の個人投資家で
日本のウォーレン・バフェットと呼ばれるぐらいの
お金持ちになっても
しっかりとバランスが取れた人生を生き抜きました。
50年の株式投資家生活の中には、
あのバブルもバブルの崩壊もあったのに、
ほとんど損失を出すこともなく乗り切れたのは、
多感な少年時代のこの体験が大きかったのだと思います。

和平さんの成功にとって
もうひとつ大事なことは、
その大好きなおばあさんを通じて
心に沁みこんでいる
仏教の教えだったようです。
和平さんが疎開した福井県の山村は
浄土真宗が盛んなところで、
村の人たちはみな
敬虔な親鸞聖人の信徒だったのです。
だから、お金は使わないというか
使えなかったのですが、
村人たちはいつも
3つの言葉だけを使って暮らしていたそうです。


 それは、
「ありがたいのう」、
「おかげさまでのう」、
「もったいないのう」です。

ありがたいは
神仏に対する感謝する言葉であり、
おかげさまは
ご縁のある人々に対する感謝する言葉、
そしてもったいないは
自分たちの生活を潤してくれている物に対する
感謝する言葉です。

その貧村での生活は
まるで極楽浄土での生活のようだったと、
和平さんが昔を思い出しながら
遠くを見る目で語ってくれたことが
強烈な印象に残っています。


 物理的には貧村に暮らしている
人々の精神性は限りなく高く、
神仏や人々や物に対して
ものすごく関心を向けて暮らしているので、
愛に満ちた生活が実現していたのです。

英霊たちが自分の生命を賭してまで
守りたかったのは
こういう国のあり方だったのだろうと思います。
そのためには、
まずいまの自分が存在するために
営々と暮らしを続けてきてくださった
ご先祖様に感謝することから
始めればいいのかもしれません。


 コロナ禍が収まってきて、
緊急事態宣言が解除されたら
久しぶりにお墓参りに行ってこようと思います。

そう言えば、父が亡くなった直後に、
はせくらみゆきさんが、
しばらくは勝仁さんが食べたものを先生が味わえるから、
先生が好きだったものを食べてくださいね、
と教えてくれたことがあります。
父に思いを馳せていると、
いまでも父が大好きだったステーキを
味わってもらえるかもしれないので、
久しぶりに感謝の気持ちをいっぱい持って
食べに行ってみようと思います。


30年ぶりの高値


 今週に入って日経平均株価が
30年半ぶりに3万円台の大台に達しました。
2月16日の終値で30,467円75銭です。
30年半前というと1990年で
前年の大納会(1年の最後の取引)で
38,915円87銭の高値を付けてから
あっという間に下がっていったのですが、
その時の暴落過程に付けた価格なので、
実質的にはバブル崩壊後の高値を
更新していると考えていいと思います。

バブルの頃のようにタクシーがつかまらなくて、
1万円札を振りかざしながら
停まってもらったという状況とは
正反対のコロナ禍での達成に
違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。


 ただ、コロナ前はもしかしたら
東京限定かもしれませんが、
かなり景気はよかったという感覚があります。
夕方や朝の通勤時には
なかなか空車のタクシーを見つけるのは
難しくなっていました。
若いビジネスパーソンは、
スマホのアプリを利用して呼べるので
別に困らなかったという話しもありますが、
運転手さんに聞いても
確かに景気は良かったですと
おっしゃる方が多いようです。

また、ザ・フナイの巻頭インタビューで
銀座の高級クラブのママの
インタビューをさせていただいたのですが、
2019年は今までで
銀座で一番シャンパンが売れた年だったと
酒屋さんが言っているという話しも
教えてくれました。


 景気が良い時は
実体経済の設備投資にお金が回るので
株価は逆に上がらなくなったのかもしれません。
いまは設備投資を控えなければいけなくなったのに、
実は儲かっている会社はたくさんありますし、
政府や銀行が積極的に
資金を市中に回す政策を採っていることで
実体経済にお金が多く供給されるようになりました。
それが株式などの金融マーケットに
回ってきているのだと思います。

また、トランプ前大統領からの政権移行で
大混乱が予想されていたのが、
思ったよりもスムーズにいったのも
大きな要因かもしれません。

新型コロナウイルスへのワクチン接種が
いよいよ日本でも始まりました。
副反応への心配や、
もう少しディープな陰謀論的な面での
心配をされる方も多いと思いますが、
一般的にいって、
これによってある程度の集団免疫ができれば
先行きへの不安はかなり少なくなると思います。

先進国ばかりにワクチンがいきわたるという
不公平感等問題はたくさんありますが、
とにかく新型コロナウイルスに対して
始めて人間側が打てる手ができたことに対する
心強さもあるのかもしれません。


 株価が3万円台を付けたことは
私自身も感慨深く感じています。
お金の面で私の師匠である
故・竹田和平さんは
財政赤字の問題を解決する目途が立つ
という条件が揃えば、
一度3万円を付けて
次は4万円で最高値を更新し、
それから10万円までいってもおかしくない
という話しをしてくれていたことを思い出します。

これほど財政赤字を積み重ねているのに、
それが実は問題にならずに
実体経済のインフレが起こっていないこと等を考えると、
和平さんの言っていた条件が
揃ってきたのかもしれないなと感じています。


 ただ心配なのは、
資産インフレが始まりだしたことです。
これだけインバウンド業界が
壊滅的な状態にあるのに
不動産価格も下がっていません。
さすがに家賃がなかなか上げられないので
価格が株価のように上がっては行きませんが、
それでもコロナ前は
不動産投資に対する利回りが
徐々に下がっていました。

利回りが下がるという事は
価格が上がっているという事なので、
ちょっとバブル状態かもしれないと
私は感じ始めています。
株や不動産だけ上がってくると
それらの資産を持っていない人の嫉妬が心配です。


 実際に30年前のバブル崩壊は、
不動産価格が高騰し過ぎて
サラリーマンはどんなにがんばっても
家も買えないという声に応えて
不動産融資を実質的に禁止したことから始まりました。
当時は妥当な政策だと思われましたが、
いまから考えると
トレンドを変えた大きな変節点を
作り出してしまったのは間違いありません。
当時の日本企業の強さは
不動産価格の高さによって作り出されたものでした。
それを壊してしまったのですから
日本経済がガタガタになってしまったのは
当然の結果でした。


 経営者から見ると、
絶対に成功する方程式が
逆回転したのだから
たまりません。
ルールの一方的な変更で、
多くの優秀な経営者が
ほとんどつぶれされていって、
その責任を取らされたのです。
格差を何とかする政策は大事ですが、
強さの本質を壊してしまうような政策を
今度は採って欲しくないなと思います。

アメリカに民主党政権ができたので、
リベラルな政策が採用される可能性が
高くなっていることが少し心配です。
いまの景気の良さは
実は株価等の金融商品の高騰に支えられています。
これを壊してしまう根本的な政策を採らないで、
格差を解消する施策を
考えていただきたいものだと思います。

残念ながら実体経済と金融経済を比べると
いまは確実に後者の割合が増えていっています。
前者だけで景気を良くすることは
不可能と言っても言い過ぎではありません。
そんな本質を理解しながら、
マイルドなあるべき姿への
変革の道を考えていかなければいけないと
思っています。


江本勝先生と舩井幸雄の魂


 ほんものやの取材で
数霊REIWAの開発者である
吉野内聖一郎先生と対談をさせていただきました。
吉野内先生は故・江本勝先生の下で
波動測定器を使ったカウンセリングを
2万件以上実践してきた
この道の第一人者です。
波動測定器を日本に紹介したのは
25年以上前のことになると思いますが、
江本先生の功績です。


 当時、父に面白いものや不思議なもの、
それにちょっと怪しいものを紹介してくださるのは
決まってトータルヘルスデザイン
近藤洋一社主でした。
そんな近藤さんに連れられて
好奇心旺盛な父は、
当時五反田にあった江本先生の
オフィスをお訪ねしたのですが、
江本先生のご著書に
舩井幸雄が誰かを知らなかった
当時の江本先生は
カウンセリングを優先して
父を長時間待たせたという
エピソードを楽しく紹介されています。


 その場に私は
居合わせたわけではありませんが、
すぐに直感力研究会に
波動測定器を開発したアメリカ人と一緒に
江本先生をお呼びして、
興奮しながら新しい波動技術について
語っていた江本先生や父の姿を
いまでも鮮明に思い出します。

当時の父は、
波動が測定できるということで
目に見えない世界の研究が
どれだけ進むのかを考えると、
興奮せざるを得ないという状態にあったのです。


 ただ、その頃の波動測定器は
測定者をアンプ(増幅器)に使っていました。
だから測定者は
かなりピュアな状態でいなければならず、
逆に言うと
測定者の恣意的な思いも
波動測定に影響するので、
それを悪用する人などもいたのも
事実なのかもしれません。

吉野内先生は、
そんな問題点をどうすればクリアできるかに
コツコツと取り組みながら
カウンセリングの実績を積み重ねていかれて、
人をアンプに使わなくても
機械的に測定できる仕組みを考え出されて
数霊シリーズを世に問われたのです。


 数霊シリーズを開発するに当たって
吉野内先生が感じられた
波動測定器の一番の問題点は、
臓器や病気、免疫等という
それぞれの測定項目に付けられた
波動のコードに
論理的な裏付けがないことです。
世界中で普及している
代替医療などの経験則から
帰納的にコードが作られてきたもので、
長年の実績の積み重ねで
かなりの確からしさはありましたが、
演繹的に
どうしてそのコードで正しいのかを
説明できずにいたのです。


 それを吉野内先生は、
カバラ等から来る数秘術や
日本の古神道に伝えられている
数霊の概念から
読み解けないかと考えられ、
その秘密が魔法陣にあることを
突き止められました。
この辺りの詳しい経緯は
吉野内先生の著書
潜在意識を変える数霊の法則」(知道出版)に
詳しく書かれていて、
江本先生や舩井幸雄のファンの方なら
楽しく読めると思いますので、
参考にしてください。


 ご著書の中に
カルマの話が出てきます。
当日、数霊REIWAよりも
精緻な測定ができるという
吉野内先生のオフィスにある波動測定器で
私の免疫機能をマイナスにしている
要因を探してもらいました。
おかげさまで肉体的なことや
生後に積み重ねてきたトラウマは
あまり問題ないということでした。

この辺りは、
コロナ禍のおかげで
強制的にお酒の飲み過ぎが解消されていることや、
いろいろな治療や施術を
最近受けまくっていることが
功を奏しているのだと思いますが、
あえて探していくと
カルマに由来する自責の念が
影響しているということが分かりました。


 そうすると翌日、
吉野内先生とも親しくしている
友人のチャネラーが
父からのメッセージを届けてくれました。

父のメッセージは
先日オンラインで行った講演の内容を
褒めてくれたのですが、
一番いいところで電波の状態が悪くなって
途切れてしまった原因は
自責の念が働いてしまったからだ
というメッセージでした。
最近、大事なメッセージは
こうして複数回表れて
知らせてくれるようになっていて
面白いと思います。


 おかげさまで、
数霊REIWAはご注文をいただいても
しばらくお待ちいただかなくては
いけないぐらい大好評をいただいています。
その要因として、
吉野内先生は以下の3点をあげられました。


1.パソコンに繋がなくてもいい
  ポータブルタイプになったこと
2.発売元の本物研究所の
  佐野浩一社長のリクエストで
  最初に世界平和というコードをいれたこと
  (利他の商品になった。
  いままでのコードは
  全部使う人の個人的な要望に
  応えるものでした)
3.水の結晶写真や、
  父が考えた波動マークが使われていて、
  明らかに江本先生と舩井幸雄の
  魂(スピリット)の支援を受けていること


 吉野内先生や佐野社長という
次世代ではありますが、
精神世界業界に大きなインパクトを与えた
二人の思いが結実したものができ上がりました。

二人の先代はコロナ禍のおかげで
多くの人が目に見えない世界の大切さを
実感できるようになった現状を見て、
「やっと変容が始まったか」と
喜んでいるに違いないという
話題で盛り上がりました。

実は、吉野内先生とじっくりお話しするのは
初めてだったのですが、
コロナが収まってきたら
今度はじっくりとお酒でも飲みながら
お話ししたいと思っています。

安全保障としてのGNH

 ちょっと怒られるかもしれませんが、
緊急事態宣言が出ている中でも
結構出張に出かけます。
今月中旬には網走に行こうと思うのですが、
飛行機が欠航していて、
いつもなら朝イチの飛行機で行って
最終で帰ってくると
極端に言うと日帰りができるのですが、
お昼ごろに各社とも一往復しか飛ばしていないので、
千歳で乗り継いで2泊3日にしないと
スケジュールがこなせなくなりました。


 値段もかなり高くなるので
内心で文句を言っていたのですが、
よく考えれば
昔は飛行機代がかなり高かったことを
思い出しました。
北海道や九州まで行くと正規料金で
いまの感覚で言うと往復10万円ぐらいして、
なかなか他に選択肢がなかったので
それが当たり前だと思っていました。

学生時代に大阪の実家に帰る時は
若者向けの予約はできないけど、
空席があったら乗れるという
割引制度をよく使っていました。
いまと違って、東京大阪間の飛行機は
便もそれほど飛んでいなかったので、
大体満席になり、
飛行機に乗れるまで
半日ぐらい空港で過ごしたこともありました。


 早朝深夜に飛行機が飛ぶことも
騒音の問題等で
ありませんでした。
大体、網走に日帰り出張しようという感覚が
正常ではないのかもしれません。
こんな当たり前のことを
コロナ禍は教えてくれています。

私は中学生の時に一人で
大阪から横浜まで行く機会がありました。
父はちょっと心配して
空いているこだま号なら当時始めて
1両だけ禁煙車があるので、
それに乗っていけばいいという
アドバイスをくれました。
飛行機や新幹線に乗っても
当時の大人の男性は普通に煙草を吸ったもので、
ホテルに禁煙室なんてありませんでした。


 健康に対する意識が高まったことはいいことですが、
私たちがいま当たり前だと思っている常識は
いまの時代の常識で
コロナが大きく常識を変えていって
くれているのかもしれません。
自分に起こることはすべて
必要必然であると思えるかどうかが
人生を生きる上でとても大切なことだと
父はいつも教えてくれました。
だからコロナも楽しんでしまうような
余裕が必要なのかもしれません。


 自粛警察をしてしまう人たちの心情は
戦争中の国防婦人会のようなものなのかもしれない
という意見を多分SNSで見ました。
みんなとても真面目ないい人たちで、
贅沢は敵だと
お互いにまったく善意でやっていたことですが、
後から考えると
批判の対象になってしまいます。

禁煙が当たり前で
子どもたちの権利が守られる世の中ができ、
LCCや高速バスなどの
安価な交通手段の普及で
誰でも気軽に旅行を楽しめていたことに
感謝をした方がいいことを
教えてくれているのだなと思えば、
ありがたくなってきます。


 便利で安価なことがいいという考え方は
合理的ではありますが、
ある意味とても傲慢な事なのかもしれません。
自由競争で企業が努力して
そんなすばらしい暮らしを
楽しめるようになってきたことは
ありがたいことですが、
そのおかげで環境破壊が起こっているし、
世界的に見ると
極端な貧富の格差が広がってしまっています。
経済的な合理性以外の指標を
考え始めた方がいいタイミングが
来ているのかもしれません。


 元世界銀行副総裁の西水美恵子さんの
ご講演をお聞きしたことがあります。
日本にブータンが導入している
GNH(国民総幸福量)という概念を
最初に紹介した方です。
GDPやGNPという
既存の経済力を計る指標だけではなく
貧しくても国民の幸福量を増やす政治を
ブータン王国は採っているという
ステキなお話ですが、
ご講演ではGNHという概念は
ブータンにとっての安全保障なのですよ
ということを話されていたのが
とても印象的です。


 中国とインドという超大国に
挟まれた極小国というのが
ブータンの置かれた
厳然たる地政学上の位置づけです。
象と虎に挟まれた蚊のような存在なのです。
どちらかの国のちょっとした思惑で
簡単につぶされてしまう存在です。

でも、西水さんたちが
世界中にGNHという概念を広めて、
私たちまでもが
ブータンのことを注目するようになりました。
私はまだ訪れたことがありませんが、
多くの友人たちは
GNHという概念を現場で見るために
ブータンに行きました。
そうすると中国もインドも
私たちが知らないうちに
ブータンを簡単につぶせなくなったのです。


 さすがに蚊よりは影響力がありますが、
いまの日本もアメリカと中国の狭間で
翻弄されている小国であるという事実を
まず認めることが大事なのかもしれません。
第二次世界大戦までの日本は
大国になることを目指してきましたが、
それがあそこまで徹底的に
アメリカにやられてしまうという結果に
つながったのかもしれません。

ブータンのGNHのような戦略を考えて、
日本の存在感を示しながら、
でも軍事大国にならないでいい道を探していくことを
この機会に考えてもいいのかもしれません。


 どちらにしても、
いままでのあり方や生き方を振り返る
いい機会をもらっているのだと感じます。
今日は立春。
新しい年の始まりでもあります。
これからの新しいあり方と生き方を考えてみるには
いい日なのかもしれません。

いますぐ金を買いなさい


 にんげんクラブなのに、
珍しく金融の話を書きたいと思います。
きっかけは2016年に出版された
ジェームズ・リカーズ著
金価格は6倍になる
いますぐ金を買いなさい

(朝日新聞出版)を読んだことです。


私の周りにいる超プロの先生の中では、
副島隆彦先生がいつも
「いますぐ金を買いなさい」
とおっしゃっています。
私もそれは正しいという直感はあったのですが、
その理由がよく分かっていませんでした。
理屈王(赤塚高仁さんに命名されました)としては、
理屈が分からないことは
あまり勧められないという性があります。


 2009年11月に
舩井幸雄の関西での最後の講演を
京都のKBSホールで
開催させていただいたことがあります。
父が亡くなったのは2014年1月なので
その4年前なのですが、
すでに話をするのが大変になっていて、
父が紹介したい文章を代読するために
私も舞台に上がったことがあります。

実は、その舞台の上で親子喧嘩をしました。
きっかけは私が代読した文章が
金のことを書いたものだったのですが、
それで父が息子に金を買っておくように言ったのに、
買わなかった。
買っていたらかなり儲かったのに、
という話しをしたからです。


 手元で調べられる範囲だと
2010年ぐらいの時点で
金の価格は1g3,700円台ぐらいで買えたようです。
いまは6,800円台ぐらいになっていて
かなり高騰しています。
当時の詳細な数字は忘れましたが、
父の言われた時点で買っていたら、
親子喧嘩の時点で倍近くになっていて、
それをいまでも保有し続けていたら
3倍ぐらいにはなったのかもしれません。

私が買わなかった理由は
保管場所に困るという問題が
解決できなかったからです。
銀行の貸金庫に預けておけば
よかったのかもしれませんが、
とても面倒でやる気が起こりませんでした。


 話を元に戻すと、
金を買わなければいけない理由、
つまり金が暴騰する理由が
本書を読んで分かりました。

まず、世界経済はリーマンショック以降
無理な金融政策をずっと続けています。
マイケル・クライトン著
ジュラシック・パーク(上)」(ハヤカワ文庫)を
映画で観られた方が多いと思いますが、
数学者が恐竜を隔離された無人島に甦らせるという
無理をすると複雑系の数学で考えると
必ず破綻するという予言があり、
それが実現することを思い出します。


 いまの世界の先進国が採っている金融政策は
かなり無理をしているので
複雑系になってしまっており、
いつ創発(カオス)現象が起こって
システムが崩壊するか分からない。
だから、アメリカのFRBが必死になって守っている
米ドルを基軸通貨とする金融体制も
必ず崩壊するというわけです。

しかもコロナ対策で金融政策に加えて、
無尽蔵の財政政策まで使い始めたわけですから、
ますますシステム崩壊の危機は
近づいているのかもしれません。


 それなのに、
金の価格がそれほど上がっていないのは、
FRBや日銀、ECBなどの先進国の金融当局が
通貨システムの維持のために、
必死になって金の価格暴騰を止めているからです。
そして、それができなくなるタイミングが
中国のGDPがアメリカを超え、
かつ中国の金保有高がアメリカの保有高を超えるとき
なのではないかということが
本書で示唆されていました。

そのタイミングは早ければ
5年以内にやってくることも考えられるので、
金が暴騰するのではなく、
通貨としての金が他の通貨
例えば、ドルや円が暴落することで
ドル建てや円建てで見た価格が
異常に上がることになるのです。


 そして、金を買う目安ですが、
自分の資産の10%ぐらいがいいようです。
この通りのシナリオにならない可能性もありますし、
いざという時が来るまでは、
はっきり言って金は使えない通貨であり資産です。
だから、資産を全部金に替えてしまったら
資金繰りが回らなくなって
倒産してしまう可能性があるので、
せいぜい10%ぐらいが適正であり、
もしシステム崩壊が起これば
10%で十分対応できる
資産でもあるということなのです。


 まとめると、複雑系で考えれば
既存の金融システムは必ず崩壊する。
金は通貨であり
他の通貨がダメになったときの
ラストリゾートである。
そのきっかけは中国の台頭
(中国経済がアメリカ経済を逆転する)が
引き金になることが考えられるのです。

私はそれでもシステム崩壊を
ソフトランディングにする方法を
考えてみたいと思っていますので
(本当は面倒なので)、
金を買いませんが
どうも理屈で考えても
最低限の金資産は
持っていた方がいいようにも思います。


 悔しいですが、やっぱり親父は偉大でした。
システム崩壊の兆しのもう一つが、
現金を使えなくなるような政策を
政府が採り始めた時が危ないということも
本書から分かります。
5年から10年ぐらい先には
1万円札と5千円札の流通を
取りやめるという話しも
聞くようになってきました。

いまでも現金を自宅で保管しておくのは
盗難や詐欺の被害にある可能性が高くなるので
お勧めできませんが、
政府がお金をすべて
デジタル通貨にしようとしたタイミングが
危ないということは
分かっておいた方がいいのかもしれません。

あこがれの神戸


 私は小学校4年生から高校を卒業するまで
兵庫県宝塚市で育ちました。
宝塚と言えばタカラジェンヌですが、
母や妹は大好きでよく観に行っていたようですが、
私は中学生ぐらいの時に
一度連れて行ってもらったのですが、
観客席を含めて99%
(あくまで私の印象です。
男性でも熱烈なファンの友人もいます)が女性で、
とても場違いの気がしてしまい、
それ以来舞台からは足が遠のいています。

また、私の通っていた県立高校は
山を削って開発したニュータウンの中にあり、
初代(私が7期生でした)校長先生の方針で
学生はバスに乗らずに
駅から学校まで30分弱の山道を
毎日歩いて往復していたので、
とても田舎の素朴な高校でした。


 夏休みなどに大阪の予備校の授業などを受けに行って、
大阪のかなり進んだ高校生と話していると
まったく別世界に住んでいる気になりました。

当時、ニュータウンの中に1軒だけ喫茶店があり、
私の通っていた高校の不良たち(?)は
せいぜい授業をさぼってそこにたむろするぐらいしか
することがなかったと聞いています。
素朴ないい高校生活を送れたことに感謝しています。

 行政の区画で言うと兵庫県なのですが、
生活圏で言うと完全に大阪圏でした。
私が住んでいた場所の最寄駅から
2駅で大阪府でしたし、
大阪梅田までは30分強で行けましたが、
神戸まで行くには電車を2回乗り換えて、
1時間近くかけないと行けませんでした。

母がデパートに買い物に行く時は、
父のクライアント先のお店があった
神戸三宮まででかけていたので、
それが神戸に行く珍しい機会だったのですが、
母の買い物に付き合うのも
あまり楽しいものとは思えなかったし、
大阪の庶民的な雰囲気は違和感がなかったのですが、
神戸のおしゃれな雰囲気は
私の世界とは違うという感じを持っていました。


 高校生の時に、なぜかあんまり親しくない友人から
チャールストン・ヘストン主演の映画「十戒」を
観にいこうと誘われたことがあります。
当時でリバイバルされた大作でしたが、
長編映画で途中に休憩があったのは
あの時が最初の体験でした。
それがたまたま神戸の映画館だったのですが、
最近になってイスラエルに何回も行き、
聖書の世界に触れるようになってから、
高校生の時に観た映画のことを
よく思い出すようになりました。


 こんな感じで、私にとっての神戸は
少し気取った近寄りがたい街のイメージがあります。
26年前の阪神大震災の直後に
神戸の会社にお見舞いを持って行ったこともありますが、
あれだけ大変な被害を、
あのころはまだ日本にも経済力があったのか
10年前の東日本大震災に比べると
あっという間に復興した感じがしています。
神戸の街の持っている底力も
早期復興のひとつの要因だったのかなと思います。


 そんなわけで神戸とは
仕事も含めてあまりご縁がなかったのですが、
年が明けてから2回も訪れる機会がありました。
最初は大阪のにんげんクラブの
主要メンバーである鳥居厚孝さんに連れられて
元町にある玄米食ひふみcafeに行ってきました。

鳥居さんのセッションを受けたいと言うと
伊丹空港まで迎えに来てくださったのですが、
東大阪の鳥居さんの自宅ではなく、
神戸のひふみcaféでセッションをしてくださり、
その後美味しくてとても身体にいい
玄米ご飯の定食をいただきました。
身体が喜んでいるので、
頼まれてもいなのに
いろいろアドバイスをしてしまいましたが、
お近くの方はぜひ足を運んでみてください。


 そして、その後大阪での仕事と
伊勢の参拝をすました3日後、
今度は保江邦夫先生のご紹介で、
今月末に保江先生との共著
マジカルヒプノティスト スプーンはなぜ曲がるのか?
(明窓出版)を出版予定の
Birdieさんがやっている
阪急六甲駅からすぐの
「Magic Café BIRDIE」に行ってきました。

1.jpg

スプーン曲げが一番得意だとおっしゃる
バーディさんなのですが、
私にスプーン曲げを教えてくれたのですが、
スプーンが折れてしまって
何とそれをまったく違う場所にくっつけてから
お土産にくださいました。

2.jpg  3.jpg

 とても不思議な感覚ですが、
カウンターに座って
目の前でマジック(?)をやってくださるのですが、
不思議なことが次から次へと起こっていきました。

一番、びっくりしたのは
イヤーコーニングの近藤真澄さん
二人で行ったのですが、
ピザを食べてハイボールを2杯ずつ飲んで、
2時間近く粘ったのですが、
お会計をすると
3千円台でマジック代はチャージなしでした。
コロナもあるので、これでは大変ですねと聞くと、
マジックや催眠術の動画の
サブスクリプションをやっていて、
そちらがあるから大丈夫だということでした。


 私も早速登録しましたが、
スプーン曲げやマジック、
それに催眠術などに興味がある方は、
おしげもなくテクニックを公開されていますので
ぜひ購入していただければと思います。

保江先生のご紹介者は変わった方ばかりですよ
と教えていただきましたが、
真澄さんや私もかなりの変わり者なので、
仲間入りができて喜んでいます。

4.jpg

臆僕を超えたモテ薬


 コロナ禍が拡がってきて、
東京に住んでいてもいいのだろうかと
考えるときが時々あります。
先日、長男とお酒を飲んでいて、
私は大阪にいるときは
東京にいるときよりも格段にイキイキしていて、
コロナでテレワークができることを考えれば
関西に移住してもいいのではないかと指摘されました。

確かに、東京にいるときは
あからさまな大阪弁はめったに話さないのですが、
大阪で気の許す人たちと話していると
いつの間にか大阪弁で自分が話しているのに
気が付いてびっくりすることがあります。


 最近は、それほど感じなくなりましたが、
新幹線で大阪に向かっている時に、
阪急電車と並行して走っているところがあります。
ずっと阪急沿線に住んでいたので、
学生の時や社会人になってもしばらくは
帰ってきたのだなとジーンと感じていました。

ただ、結論から言うと、
しばらくは東京に住み続けるだろうなと思います。
なぜなら、東京にいると大阪にいるよりも
情報量が格段に違うからです。
インターネットやマスコミなどから
入ってくる情報量はそれほど変わりませんが、
直接人に会っていただける
一次情報の格差はどうしようもないと思います。


 父は、コンサルタントの悪い癖で
ちょっと(かなり?)大げさにはなっていますが、
大阪に住んでいた頃は
週2回のペースで東京出張が入っていたが、
東京に住むようになると
大阪出張は月1回のペースで十分になったと
よく話していました。

父ほどではありませんが、
原稿を書いたり講演をしたりするのも
メインの仕事のひとつである私の場合、
大阪に住んでしまうと多分圧倒的に
得られる情報量が少なくなってしまうことが
容易に予想されるので
東京に住み続けることになるのです。


 父のおかげの部分が多いのですが、
おかげさまでユニークな友人や知人がたくさんいます。
彼ら彼女らに直接お会いして
いただける一次情報が大事なのですが、
そんなユニークな中でも
きわだってユニークな友人に
脚本家の旺季志ずかさんがいます。
「特命係長 只野仁」「屋根裏の恋人」
「女帝」「佐賀のがはいばぁちゃん」など
人気テレビドラマを多数書かれている
人気脚本家ですが、
5、6年前に北海道の村松祐羽さんから
ご紹介いただいたのだと思います。


 自慢ではありませんが、
私はテレビドラマをほとんど見ませんが、
そんな私でも名前ぐらいは聞いたドラマがいくつかあり、
すごい方だなと思いましたが
あまり関心はありませんでした。
ちょっと親しくなったのは、
彼女の小説としては処女作である
臆病な僕でも勇者になれた七つの教え」(サンマーク)を
出されたときのことだと思います。

小説の形式を取っているので
何でも書けるのですが、
誰にでもスピリチュアルの事が
分かりやすく伝わるように書かれていて、
なるほどこんな手があったかと感心したものです。



 それで、ザ・フナイの巻頭鼎談への
出演をお願いしたことがあります。
対談の後、飲みに行って
本当に楽しい方なのだということがよく分かりました。
その後は直接お会いする機会は
あまりありませんでしたが、
時々、フェイスブックなどで
動向を拝見させていただいて、
エネルギッシュな活動を秘かに応援していました。

そんな彼女から年末に
彼女の新しい小説「モテ薬」(小学館)の
ご案内をいただき、
お正月休みに読ませていただきました。


 いやあ、本当に面白かったです。
最近、正直に言うと
仕事の関係で読まなければいけない本がたくさんあり、
小説を読めるような筋肉
(ビジネス書や経済書を読むときと
小説やエッセイを読むときは
違う脳の部分を使うのではないかと思うぐらい、
スイッチを切り替えないと読めません。
まるで陸上の長距離選手と短距離選手が
まったく違う筋肉を使うようなので
こういう表現を私は好んで使います)は、
ほとんど使っていなかったのですが、
お正月休みだったので
スイッチを切り替えて読んでみたら
ド嵌りしました。


 旺季さんにメールで
「臆僕(「臆病な僕でも勇者になれた七つの教え」を
関係者はこう省略します)を超えましたね。
本当に面白かったです。」
と送ったら、
とても喜んでいただけました。
内容を書くとネタバレになってしまうので、
あえて紹介しませんが
ぜひお読みいただければと思います。

友人だという事で失礼を顧みずに書きますと、
臆僕の時、旺季さんはまだ
スピリチュアル初心者かなというのが
正直な感想でした。
本に書かれていることは深い内容なのですが、
実際にお酒を飲みながら話してみると
村松さんや父の近くで
何十年もスピリチュアル業界のことを知っている
私の立場から見ると
とても純粋でちょっと危うさを感じるぐらいでした。

ただ、モテ薬を読ませていただくと
小説家としての技量は
格段に上がられたのではないかと思うと同時に、
読みようによっては
スピリチュアル・ミステリーという
新しい分野を開拓されたのではないかと感じました。

コロナが収まったら、
また美味しいお酒を飲みながら
スピリチュアル論議をしてみたいと思いました。


にんげんクラブの時代


 あけましておめでとうございます。
本年もにんげんクラブをどうぞよろしくお願いいたします。

舩井幸雄がにんげんクラブを作ったのが2006年のことですので、
今年で15周年を迎えることになります。
よくこんなストレートな名前を付けたなと思いますが、
15年経ってようやく父の意図が分かるようになってきました。
ますます押し寄せてくると想像できる危機を乗り切れるのは
私たちの集合意識の力を使う事しかない。
父はそのためににんげんクラブを作ったのです。


 私が好きな物理の超弦理論に基づく次元論で考えても、
いま必要とされているアセンション(次元上昇)を
実現するカギは
集合無意識の存在を多くの人が意識できるようになって、
それを使いこなせるようになることが大事だと思っています。

複数人が集まるとそこには必ず
集合意識というか集合無意識ができます。
場の空気と言ってもいいのかもしれませんが、
例えば会社や会議にもそれがあり、
これからのリーダーの役割は
その場の空気を上手くコントロールして
参加者全員の能力を引き出しながら
対立が起きないようにすることになると考えています。


 いままでの時代
(ざっくり考えると平成の時代とほぼ重なっていると思います)は、
自分のアイデンティティ(個性)をしっかりと確立して、
自己主張ができることが大切でした。
そして、その自己主張はディベート(議論)という形で表れて、
それが上手い人がリーダーになりました。

アメリカのGAFAやテスラ等の最先端の企業では
経営者はもちろんアイデンティティが確立していますが、
企業体としても明確な理念が確立していて、
それを発信することによって多くのファンを引き付けています。


 私たち日本人は残念ながら自己主張が苦手です。
アイデンティティがないわけではないのですが、
それを人前で話すことは下品だと感じる
DNAが刻み込まれているので、
言わなくても分かってもらうようにするのが日本人のやり方です。
村社会や村社会の延長にある日本流の会社や業界では
それで通用するのですが、
これだけグローバル化が進んできて
持っている文化の背景が全く違う人たちに
それを分かってもらうことはほとんど不可能なので、
この30年日本人は負け続けてきました。


 そして、日本人が負け続けてきた
もう一つの大きな理由が、
ディベートを嫌う文化なので
論理的な思考が苦手だということです。

欧米人は子どもの頃、
ディベートの訓練として自分の主張と違う主張を持って
相手を言い負かす練習をします。
日本人の感覚だと白を黒と言い張るように感じるのですが、
これによって論理的な思考を鍛えることができます。
そのために、例えばアメリカ人が
1冊の本を書くためには1万冊の参考図書を読まなければ
まともな本が書けないと言われていますが、
日本人は大体100冊ぐらい読めばいい本が書けてしまいます。

 その結果、アメリカ人の著作は
みんなページ数がやたら多い大著になるのですが、
それは論理的な完全性を求めるからそうなるのだと思います。
日本人は、父の本などは典型的ですが、
背後に論理はあってもそれは省略して結論だけを書いて、
それでいて論理的背景を説明しないので
200ページぐらいで十分意図が伝わる本が書けるのです。

30年近く前のことですが、アメリカに住んでいる頃、
日本ではとても論理的だと思われている本を
英訳したいという事で荒訳したものを託されたことがあります。
知り合いに見せたら、まったく論理的でないので
問題外だと言われたことがありました。
日本人とアメリカ人の論理的という感覚が
まったく違うことがよく分かるエピソードです。


 だから、平成の時代はいっぱい勉強して
論理を磨くことが大切だったのですが、
令和が本格的に始まる今年からは
論理や理屈よりも、
空気をいい意味で読んで
それにアクセスする感性が
必要とされるようになるのだと思います。

共通無意識を全人類に広げたり、
全宇宙に広げたもののことを
アカシックレコードというのだと考えれば、
スピリチュアル業界が目指してきたことが
ちょっと逆説的ですが
論理的に分かるような気がしています。


 15年前から共通無意識にフォーカスをしていたのは、
父らしくとても時代の先を行き過ぎていたような気がしますが、
世の中がようやく少し追い付いてきたのかもしれません。

このお正月もほとんど本を読んで過ごした私は
時代遅れになっていくのですが、
それも仕方がないかもしれません。
世間はようやくネットフリックスやアマゾンプライム、
さらにはユーチューブ等、
活字ではなく映像の時代になってきましたが、
その次に待っているのは集合意識なのだと思います。


 まだ、ちょっと早くて
一般の社会で多くの人がそれに気が付くまでに
5年ぐらいかかるような気もしますが、
その5年間で集合意識にフォーカスしたような
コンテンツを考えていきたいなという
妄想をふくらませたお正月になりました。

 

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