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舩井勝仁のウィークリーレポート 2020年

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本年もありがとうございました

 本年は思ってもみない年になりました。
昨年の望年会の時に、
オリンピックは開催されないのですよね。
という質問をいただきました。
陰謀論というか
スピリチュアル業界では
そのように言われていたので、
その辺りの権威(?)と思われている私に
質問をいただいたのだと思いますが、
残念ながら
「まさか、そんなことは今更起きないでしょう。
楽しいオリンピック、パラリンピックが
きっと開催されます」と
恥ずかしながら断言してしまいました。


 しかし、皆さまご存じの通り
オリンピックは開催できずに
1年延期されました。
来年開催できるかどうかも、
いろいろ情報が飛び交っていますが、
いまのところ何とも言えない
微妙な状況にあると思います。

普通のマスコミではなく、
にんげんクラブやザ・フナイの周辺にいる先生方は、
トランプ大統領の再選は間違いないと話していました。
私も本心ではそう思っていましたが、
まさかの新型コロナウイルス騒動で、
まだ結果が分からないという人も大勢いますが、
さすがのトランプ大統領も
厳しい局面に追い込まれています。

 4月、5月の一番対応が厳しかった時は、
にんげんクラブでも
まったくセミナーが開催できずにいて、
これは大変なことになるなと感じました。
しかし、そのおかげで
オンラインでのセミナーを
最初は徐々に無料のものから始めていき、
いまではお客様もある程度慣れていただいて、
比較的スムーズな開催が可能になってきました。
こんなことは、去年の今ごろは
想像することもできないことですが、
新型コロナウイルスが
変化のスピードを
格段に上げてくれているのは
間違いない事実だと思います。

 安倍前総理の退任や菅総理の誕生も
1年前に予想していた人は
ほとんどいないと思います。
政治がどう変わっていくかも
まったく見通せない状況ですが、
株式相場を筆頭に金(ゴールド)まで含めて
世界中の金相場は上げ基調が続いていて絶好調です。
世界で8千万人の人が感染して、
ここのところ日本でも
毎日感染者数の新記録を更新しているにも関わらず、
金融マーケットだけは
別次元の理屈で動いているようです。


 予想できたニュースで言うと、
将棋界の若き新生、藤井蒼太さんが
見事にタイトルを二つ獲得して二冠になりました。
子どもが小学生の頃、
一生懸命将棋に取り組んでいて、
よく千駄ヶ谷にある将棋会館で開かれていた
子供将棋教室への送り迎えをしたりしていて、
将棋にはかなり親しみを感じています。

個人的には、勝手に何となく
雰囲気が似ていると思っている
谷川浩二九段のファンですが、
父の頃から時々羽生善治九段とは
お話をさせていただくこと等もあり
将棋そのものは難しくてまったく分かりませんが、
将棋界の動きにはかなり興味があります。

 だから、高校生でタイトルを取ることの大変さは
何となく理解しているのですが、
常人と違うのはいきなり続けて
二つもタイトルを取ってしまうことなのでしょう。
CS放送の囲碁将棋チャンネルで年末に
藤井二冠特集をやっていたのを見たのですが、
はじめて羽生九段に負けた時の悔しそうな雰囲気が
とても親しみを感じられて、
この負けず嫌いが強さの秘密なのだなと
改めて感じたりしています。

 どこまで強くなられていくのかはよく分かりませんが、
いまの時代にかつての娯楽の王様であった将棋が
ここまで注目されるのも
時代の流れを反映しているような気がします。
藤井二冠の強さには名人竜王と雖も
まったく適わなくなったAI(人工知能)から
学んでいることも
大きな要素になっているのだと思います。
どうしても経験豊富な年代は
いままでの成功体験に縛られますが、
彼はAIの強さの真髄に迫れているかもしれないと、
彼の将棋の解説をしている棋士の先生方の
コメントを聞いていて思うことがあります。


 銀座のクラブの名物ママのお一人で
昨年ケント・ギルバートさんと
粋で鯔背なニッポン論」(ビジネス社)という
かなり国士的な本を出された白坂亜紀さんに
インタビューさせていただいた時に
面白いことを聞かせていただきました。
昔の銀座のホステスは日経新聞を読んで
経済の話題について行けるようにして、
後は野球のこと等を
知識として持っていれば十分だったけど、
いまの時代はお客様の興味も多種多様で
とても一人のホステスが
それを全部カバーすることはできない。
だから、誰がどの話題に詳しいかを共有しておいて、
出た話題に強いホステスを席に付けるようにしている、
という話しを聞かせてくれました。


 テクノロジーのおかげで、
私たちは自分が好きなことをしっかりと選んで、
それを楽しむことができるようになりました。
来年以降は、それをしっかりと楽しみつつ
人類全体で本当はひとつの共通意識を作っているのだ
ということも理解していける仲間の数を増やしていく、
にんげんクラブにしていきたいと思っています。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。


夢のメッセージ


 普段はあまり夢を見ない、
というよりはあまりよく覚えていません。
夢はあの世、すなわち高次元からのメッセージなので
大事にしているという方はたくさんいらっしゃると思います。

夢見ということで一番思い出すのは
辻麻里子著「22を超えてゆけ」(ナチュラルスピリット)です。
著者の辻さんは私と同じ年だったようですが、
残念ながら2017年にお亡くなりになっているようです。
お会いしたことはないのですが、
最近知ったこの本のシリーズはとても面白く、
いまの時代にまさに必要なメッセージが
書かれていると感じています。



 この本の主人公が夢をヒントに
アカシックレコードを使って
宇宙図書館の秘密を紐解いていくという話は
実はこの手の展開が苦手な私にしては
びっくりするぐらい楽しく
納得しながら読ませていただきました。

超能力を持っている友人たちの中にも
夢からのメッセージを大事にしている人は数多くいますが、
私は自分に都合のいいものや
印象の強いものは覚えていますが、
メモを置いて寝るようなことまではやっていません。
それでも、時々夢の意味が分かったときは
強烈なメッセージを受けたように感じています。


 近年見た夢で一番強烈なのは、
フランスに行った夢を見たときのことです。
私が覚えている夢の特徴は
とても理不尽であり得ない状況になっていることです。
多分、普通の夢なら忘れてしまうのと、
「変身」等のフランツ・カフカの理不尽な小説が
大好きなのが原因だと思います。

その時の夢の内容は、
多分パリでホテルに泊まっているのですが、
いつの間にか町に出てタクシーに乗っている。
でも、ホテルの部屋から次の瞬間にはタクシーにいたので
財布を持っていなくて料金が払えなくて
大変なことになっている状況でした。


 カフカの小説もそうですが、
理不尽な前提条件から始まると
理不尽さがドンドン増していくような展開になって行き、
ついには逮捕されてしまう一歩手前まで行くのですが、
タクシーの運転手が土壇場になって
大目に見てもいいということになり事なきを得ます。
そして、運転手さんの名前がアダムといい、
それから夢の中にアダムが度々登場するようになりました。


 私のアテンションを引き付けるために、
アダムが理不尽な状況を演出したように思うのですが、
超能力を持つ友人に観てもらったところ
彼は陰謀論で有名になったイルミナティの創設者である
アダム・ヴァイスハウプトだろうということになりました。

本来なら怖がらなければいけないところですが、
何となく私に必要な力を教えてくれているような気がしていて、
いまでは困ったらこちらから彼を夢の中に呼び出して
相談するようになりました。


 覚えている夢のもう一つの特徴は
同じ夢を何度も見るということです。
今朝見た夢も何度か見ているのですが、
夢の中では私たち夫婦は東京にいて、
なぜか小さな子どもがニューヨークにいて、
祖母が彼の面倒を見てくれている。

そして、今朝のバージョンは
今風にオンラインで子どもと会話をしているのですが、
子どもは満足そうなのですが、
なぜか祖母は問題がたくさんあって
解決しなければいけないと
私たちに伝えなさいと言っているというのです。


 小さな子どもと多分かなり高齢の祖母が
ニューヨークに暮らしているのですから
それは問題が大きかろうと思ったところで
目覚ましのベルが鳴りました。
いつもながらの不思議な夢だなと思ったのですが、
歯を磨いている時に突然夢の意味が分かりました。
小さな子どもはあの世に行った父で、
祖母は本当の祖母、
つまり父のお母さんだということです。


 祖母は死ぬまで父のことを評価しませんでした。
コンサルタントという怪しい(?)仕事のことは
理解しませんでしたし、
いつも大言壮語している父のことを
最後まで結構心配していたのです。
だから、あの世にやってきても
相変わらず三千世界の立替え立直しをするのだと
がんばっている父の大言壮語を
ハラハラしながら見ちゃおられないと
思っているのかもしれません。


 父は楽しくあの世の生活を送っているのですが、
母親がそんな感じなのでやっかいで、
この世にいる私に、
「おばあちゃんを説得してくれ」という
メッセージを送ってきているのかなと感じたのです。
世界平和の前に家族の平和と理解が大事ですが、
明治生まれの祖母には
父のやっていることがどうも胡散臭いとしか
思えなかったまま亡くなっているので、
それがあの世にいっても
父の悩みになっているのは面白いなと思いました。


 大変、申しわけありませんが、
だからこのレポートは
祖母に向けて書かせてもらっています。

「おばあちゃん、
お父さんは生きている時は
とても多くの人の生活に影響を与えて、
父が予想していた変革が
いよいよこちら側では始まろうとしています。
お父さんは、そのために
そちら側でも努力していますので、
どうぞ温かく見守ってあげてくださいね。
お父さんのサポートで
多くの人が目覚めていけますので、
おばあちゃんはすばらしい子どもを産み育てたのです。
ありがとうございます。」


聖なる知性


 この週末は大事な時間だったと
感じられている人が多いのではないでしょうか。
大本の出口なお開祖がおろされた
「三千世界の立替え立直し」が
いよいよ始まったことを
実感している方が多いのだと思います。

本格的な意味での次元上昇(アセンション)が
始まったと考えてもいいのではないかと感じています。
個人的にはにんげんクラブが開催した
June先生の「アカシックレコード『聖なる知性』の目覚め」
プログラムに参加したことで、
完全にステージが代わったことを感じています。


 June先生のコンテンツでは、
アカシックレコードと龍」(風雲舎)を
もう一度読み返してみたいと思いましたし、
にんげんクラブでのセミナー収録DVDも発売しています。

でも、今回のプログラムは
June先生の本気度が違いました。
このタイミングでの開催ということもあり、
多分二度としない(正確に言うとできない)と
ご本人がおっしゃっていましたが、
とても完成度の高いものになっていて、
そのセミナーを主催でき
参加できた幸運を素直に喜んでいます。


 来年の2月頃にはDVD化
もしくはCD化を計画していますが、
正直に言うと
あの場にいなければ
あのエネルギーは受け取れないのではないかと思います。

知識として何かを得るのではなく、
まさしくエネルギーを受け取らせていただきました。

これからの新しい時代の学びは
知識を得ることにはそれほど大きな意味はなく、
お互いのエネルギーの交流になるのかな
ということを実感できました。


 こんなことばかり書いていると
参加できなかった人は悔しい思いしかできないので、
ひとつだけ私が得た知性を
シェアさせていただきたいと思います。

ワークの中で「私たち(We)」というと
どの範囲を思い浮かべられますか、
という投げかけがされました。
すでに意識がかなりピュアになっていたこともあり、
私は全人類を思い浮かべていました。

そして、さらにJune先生や
初日にゲスト出演していただいた秋山佳胤先生の示唆で
私が感じたのは、
もっと意識をピュアにしていくと
全宇宙が「私たち」の範囲なんだということでした。

そうすると、たくさんの宇宙人の意識との交流が
始まったように感じられたのです。
そうするとこれまで以上に
多くの宇宙人意識からのサポートを
感じられるようになりました。

高次元の意識を持っている彼女ら
(多分、性の区別はなくなっているのですが
イメージで言えば彼女らと言った方が雰囲気は合致しています。
そう考えるとLGBTの権利を大事にしようという流れは
進化の方向に合致しているように感じます)
のサポートを素直に感謝して
受け入れていきたいと思っています。


 例えば、新型コロナウイルスの感染拡大は、
私たちがいままでのやり方で対応している限り
あまりうまく対処できないのではないかと感じています。

コロナウイルスは私たちの変容を促してくれている
大いなる存在からのメッセージであり、
対立を超えた融合の概念を理解しなければ、
一旦は収束するかもしれませんが、
「まだ分からないのか」ということで、
より大きな危機がもたらされるのかもしれないと感じます。


 コロナ禍で良かったこともいろいろあります。
環境がきれいになり、テレワークが本格化してきて、
人々がつながりの大切さを再認識することができました。
ここから受け取った私たちの近未来の方向性を素直に感じて、
それに従うような生き方をしていけばいいのだと思います。

そして、この近未来の方向性は
人によってまったく違うものを受け取っているので、
他人の考えを批判するのではなく、
そんな考えもあるのだなと包容する
トレーニングにもなっているような気がします。


 にんげんクラブの周りの方にも、
最近になって世の中の真実を感じ始めた人たちもいます。
私たちが昔そうだったように、
彼らは世の中の真実に対して
怒りに似た感情を持っていることが多いように感じています。
ただ、スピリチュアルな世界のベテランになってくると
怒りではなく、そこに責任感や愛情すら
感じられるようになってくるのだと思っています。
そして、怒りを感じている人たちを見守りながら、
それを超えてより調和の方向に向かっていくステップを
楽しめるようになってくればいいなあと思っています。


 もちろん、ベテランの人の中でも
ますます怒り続けている方々もいます。
それは彼らの役割であり、
尊重していけばいいのだろうと感じます。

ただ、やはり個人的には
怒りよりも調和の方向に進みたいと思っていますので、
私の周りはそれを望む方々と共鳴するようになり、
怒りの感情を持っている方々とは
適度な距離感ができていくのだと思います。
そんな楽しい妄想を
宇宙人たちと楽しませていただいています。


 この週末に自らオンラインマラソンを主催して、
フルマラソンを完走したという変容をやってみせた
義弟、本物研究所の佐野浩一が
来年1月23日にJune先生もゲストに呼んで
オンライン講演会を開催します。
きっと宇宙人とのコンタクトをしているのだなと
最近感じるようになってきた佐野社長の作る場で、
Juneさんがどんなエネルギーを伝えてくれるのか
楽しみになってきました。


アメリカ大統領選


 12月も2週目になり、
アメリカの大統領選挙から
1か月以上の時間が経過しました。
まだ結果が分からないと
トランプ大統領は敗北宣言を出していませんが、
私は来年1月には
バイデン民主党政権が発足しているのは
間違いないと感じます。
4年前の教訓は
選挙の予想はしない方がいいということですが、
選挙の予想ではなくて、
一般的に受け入れられている常識に沿って考えると
ただトランプ大統領がごねているだけだ
ということになります。


 トランプ大統領という現象は
特殊な現象だったのだと思います。
これも民主主義でちゃんとした手続きを経て
正式にアメリカの大統領になられたのですから
文句を言う筋合いではありませんが、
トランプ政権においては
あまりにもいろいろなことが異常でした。
敗者が勝者におめでとうとメッセージを送って
結果が決まるという
アメリカ大統領選挙の良き伝統が
失われてしまったことは間違いありません。

私が感じるのは、いろいろな問題があっても
アメリカでは大統領まで務めた人は
終身でリスペクト(尊敬)されるという
善き伝統も失われてしまうのかもしれないと
感じています。


 いろいろな先生方がおっしゃるように、
トランプ大統領はかなり頭のいい方だと思います。
教養があるかどうかはよく分かりませんが、
義理人情には厚く
人々の心の機微を感じる能力は
すばらしいものがあると思います。
あまりにもごねすぎると
それこそ晩節を汚す恐れがあるので、
そうならないことを見極めた段階で
一旦は矛を収めるのではないかと思います。


 アメリカではQアノン現象という陰謀論が
かなり信じられるようになりました。
高島康司先生の
Qアノン 陰謀の存在証明」(成甲書房)を読むと
この現象の詳細が分かるようになりますが、
トランプ大統領は
陰謀論に上手く乗っかることで大統領になられたし、
本人もそれを信用しているか、
もしくは信用していることにして
それを自分のために
最大限利用してきたのだと感じます。


 先週までしばらくずっと
目に見えない世界の情報を書いてきましたが、
いつも確認させていただいているように、
目に見えない世界の情報は
本人以外には体験がしようがないという意味で
妄想です。

ただ、妄想だからどうでもいいという訳ではなくて、
そこで感じた直感を受け止められるようになることが
とても大事なのですが、
それを共有するための手段は
芸術や文学、または哲学の世界が
受け持っていくべきものだと思います。


 どうしても科学的に共有できる
価値観だけで生きていると
環境破壊や貧富の格差がドンドン進んで
私たちの未来は暗いものにならざるを得ないのも
事実だと思います。
より大きな集合的な無意識を感じて
それに従いながら生きていくことが大切になりますが、
トランプ大統領はそれを少し
悪用されたのではないかと感じています。
悪用というよりは、
そんな世界もあるかもしれないということを
みんなに知らしめたという意味では
目に見えない世界の大切さを伝えていく上で
大きな貢献をされたのだと考えることも
できると思います。


 幸いにも4年間で終わった
トランプ大統領という現象を
分析するフェーズに
入っていかなければいけないのかもしれません。

バイデン大統領は多分普通の大統領です。
ことによっては
トランプ大統領があと4年間継続していたら
問題先送りができたのかもしれませんが、
これで世界が抱えているいろいろな問題に
直面せざるを得なくなるのは
確実なのだと思います。

世界がいま抱えている現実を直視するのは
あまり楽しくないように感じます。
私たちは不都合な真実に直面する勇気を
持たないといけないのだと思います。


 アメリカというか
世界の覇権国の行動パターンを考えると、
これからますます
アメリカによる中国叩きは
本格化していくのだと思います。

覇権国は覇権国であり続けなければいけない。
もし覇権国から滑り落ちたら
悲惨な未来が待っているというのは
歴史の真実だと思います。

だから、普通の大統領であるバイデン氏は
なりふり構わず中国叩きをすることになると思います。
そして、幸いにもその扉は
トランプ大統領が明けてくれているので
それに乗っかればいいということになります。


 日本の立場を考えると、
あまりにも単純にアメリカ側に付くのが
得策かどうかはよく分かりません。
ただ、いまの時点では
やっぱり中国よりも
アメリカの国力が勝っていると思いますので、
基本的にはアメリカに付きながらも
できれば両者の落としどころを
うまく提案することによって
いい立場を確保することが大事だと思います。

どちらにしても難しい舵取りが要求されますが、
どこか遠くにいる誰か偉い人に
すべてを任せられなくなって、
私たち一人ひとりの言動が
大きく未来を左右する自覚を持つことから
始めなければいけないのだと思います。

空海と聖徳太子


 先週書いた十種の神宝(とくさのかんだから)のことを
研究されている道幸龍現さん
(「日本の神様」(サンマーク)は名著です)から
小椋一葉著「空海はどこから来たのか」(河出書房新社)
という本を教えてもらい読み始めました。
まだ途中なのですが、空海の足跡を感じられる
大阪、奈良、京都に
ちょうどこの週末は行っていたこともあり、
いろいろなことを感じています。

   


 ネットで少し調べてみると
小椋氏は京都大学出身の女流文筆家で
スサノオやニギハヤヒなど
どちらかというと歴史に隠された人物のことを
丹念に調べ上げてまとめていて、
私がいままで不思議に感じていたことを理解する
貴重な示唆を与えてくださるように感じます。

この原稿を月曜日の朝、
京都のホテルで書きはじめたのですが、
私が京都に来て一番
弘法大師空海を感じる場所は神泉苑です。

 京都に御池通りという
東西を結ぶ大きなメインストリートの
ひとつがあるのですが、
この御池は神泉苑の池のことを言っている
ということを教えてくれた
スピリチュアリストの友人がいます。

これも不思議なのですが、
神泉苑の前の御池通りは
片側1車線の小さな道になってしまっていて、
神泉苑の裏口からすぐに二条城があるので、
そちらがメインのように感じるようになっていて、
これも剣山ではありませんが、
どうもその大切なパワーを隠しながら
護られているように感じます。


 神泉苑のことを教えてくれた友人の意見では、
実は京都という町は
空海が神泉苑に封じている
龍神のパワーで成り立っているということです。

京都でちょっと時間があったので、
神泉苑に立ち寄ってみると
ちょうど静御前
(しずかごぜん、源義経の伴侶)に扮した舞姫が
白拍子を舞っているところに遭遇しました。
これは分かりやすいシンクロニシティで
神さまがそれで間違っていないよ、
と教えてくれているように感じました。

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 冒頭に紹介させていただいた
「空海はどこから来たのか」と最近、
道幸さんから教えていただいている
十種の神宝のストーリーをざっとまとめると、
ニニギの命が天孫降臨してくる前に
実はスサノオやニギハヤヒというクニツカミ(出雲族)が
十種の神宝を持って政治の中心に存在していた。

アマテラスやニニギのアマツカミ
(九州の日向の勢力)の子孫が
その後権力を握ったことで
古事記や日本書紀では
その存在が巧妙に隠されるようになり、
歴史から封じられてしまった。


 しかし、空海や菅原道真はクニツカミ系であり、
そのパワーをある程度伝える役割を担っていた。

それに対して、藤原氏を中心とする
アマツカミ系の為政者たちは
徹底的な弾圧を加えたが、
目に見えない霊的な力ではクニツカミ系が優勢で、
目に見える政治や権力を藤原氏等に譲る見返りに
霊的なパワーをクニツカミ系が受け継いできた
ということになるのかもしれません。

空海と一緒に活躍した第52代嵯峨天皇等、
歴代の天皇陛下の中には、
クニツカミ系のパワーに対して理解を示す人も多数いて、
アマツカミ系、クニツカミ系を
うまくバランスさせながら治めてこられたような
痕跡がいろいろあるようにも感じます。

 
 歴史上のもう一人の
強大な霊的パワーを持つ重要人物は
聖徳太子です。
聖徳太子は血族的には
クニツカミ系の血もかなり流れているのですが、
大陸ユダヤ系の新興勢力の力を
政治に活かすために
仏教を国教にしていく決断をして、
十種の神宝を受け継いできた物部氏を
裏切ったような痕跡があります。

「空海はどこから来たのか」によると、
弘法大師は聖徳太子に対して強い怒りを感じていて、
その力を封じているというように伝えられています。 

私が京都でもう一つ好きな場所は
太秦(うずまさ)にある広隆寺で
ここの弥勒菩薩像と対話していると
いろいろなヒントをいただけるように感じています。

広隆寺や近くにある蚕ノ社
(かいこのやしろ、
三柱鳥居がある
ユダヤを感じられる不思議な場所です)は
完全に聖徳太子のテリトリーに感じられるのですが、
太秦は京都の中心からは
かなり西に外れていて
あまり大事な場所とは感じられません。
映画村で有名なところですが、
逆に言うと
映画スタジオを作れるぐらいの場所が確保できた
辺鄙な場所であったということも言えるのだと思います。


 大阪に行くと
ちょうど1か月ぐらい前に書いた四天王寺があり、
霊的パワーで町を護っている中心勢力は
聖徳太子のように感じるのですが、
1200年間の日本の首都京都は
実はクニツカミ系のパワーが優勢だったのだと考えると、
日本の政治の奥深さが感じられます。

大阪生まれの私は
なぜか京都に対して
コンプレックスを感じる事が多いのですが、
もしかしたらこの空海と聖徳太子の
霊的パワーの違いを
感じているのかもしれないなと思い至っています。


 大事なのは、
歴代の陛下がやってくださってきたように、
両者のパワーを融合させることだと思いますので、
そんなことを考えながら
一番いい季節である
晩秋の京都を楽しみたいと思います。

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十種の神宝(とくさのかんだから)


 私は大学生の時、栗本薫さんの長編小説「グイン・サーガ
(ハヤカワ文庫、いまでも電子書籍版が購入できるようです)が好きで
130巻(それでも著者が亡くなってしまったため未完で終了しています)の
全てを読むことではしませんでしたが、
100巻近くを読破しました。
もう一度、それに挑戦する気力はとてもありませんが、
あの頃、もう少し知識がある上で読んでいれば
ヨーロッパ人の世界観を理解できる
助けになったのだろうなあと思っています。

 かなり後半になってから登場する人物に
アグリッパがいます。
いまでは、インターネットで簡単に検索することが
できるようになったので分かりますが、
15世紀末から16世紀初頭にかけて実在した
黒魔術の研究をかなりしたドイツの神学者
ハインリッヒ・コルネウス・アグリッパを
モデルにしていたようです。

十年ぐらい前のことですが、
ふとしたきっかけで
前世がアグリッパであるという女性に
出会ったことがあります。
そして、彼女が
「舩井さんが世界征服をしたいのなら、
カバラと十種の神宝(とくさのかんだから)を
使いこなせば可能よ」と
教えてくれたのです。


 カバラはユダヤ教の密教ともいえるもので、
ヨーロッパの神秘主義の源流は
みなここにあると言えます。
アグリッパもカバラの研究を通して
黒魔術の世界に入っていったようですが、
いまではタロット占いがカバラを元に
作られていることが知られていて、
詳しく研究すれば、
これからの世の中がどのように動いていくのかを
ある程度預言している可能性があるようです。

父はよく知っていたようですが、
この分野をあまり人前で口にすることは
ありませんでした。


 父はある程度論理的体系的に語れない
目に見えない世界のことは、
ほとんど話したり書いたりしませんでした。
だから、父のスピリチュアルな情報は、
エドガー・ケイシーのことや日月神示のこと等、
光田秀先生中矢伸一先生など
しっかりとした親しい研究者がいる分野に
限られていました。
私もその姿勢は見習うべきだと思っていますが、
先週も書いたように、
来年の春頃までは目に見えない世界の力を借りてでも
上手く生き残っていく術を
懸命に探すべき時が来ていると感じますので、
紹介させていただきたいと思います。


 そして、もっと難しかったのは十種の神宝です。
天孫(アマテラス大神の孫)であるニニギの命が
降臨される前に天下っておられたニギハヤヒの命が
もたらされたものであるということや、
奈良県天理市にある石上神宮
祀られていること等が知られていますが、
謎に包まれています。

ホツマツタヱ
(にんげんクラブでも講師をしてくださっています
いときょう先生の
「やさしいホツマツタヱ」がおすすめです)を
勉強されている方は、
ニギハヤヒのことに詳しいので、
親しみがあるようですので、
そちらの研究を参考にしていただければ
いいのではと思います。


 私たちはいま、物質界に生きているわけですが、
カバラや天皇家に伝わる三種の神器は
幽界につながることができる
ツールなのではないでしょうか。
現在の世界を動かしているのは
ユダヤ人の金融家であるのだと思いますが、
彼らはカバラの奥義をある程度マスターすることで
世の中のコントロールをしており、
歴代の天皇陛下は三種の神器のパワーを
幽界の次元で使いこなすことで
国民の安寧を守ってくださってきたのではないかと
思うのです。


 しかし、いま私たち人類は
進化のタイミングを迎えており、
幽界を使うだけでは十分ではなく、
霊界のパワーも使わなければいけないのではないかと
思います。
そのためには、
カバラの奥義と十種の神宝の力を
使いこなせれば可能で、
その両者は物質界ではなく
幽界に存在すると考えて探してみれば
見つかるのかもしれないと思われます。

日本の深山幽谷の山々には
そんな十種の神宝がたくさん隠されており、
そのパワーを自分の我欲ではなく、
世のため人のために使いこなそうと
思う人が出現することが、
新しい時代を切り拓いていくのではないかと
感じるようになりました。


 最近、前世がアグリッパだった女性と再会して、
時々情報交換をさせていただくようになりました。
黒魔術師だけあって、
なかなか本質を教えてくれませんが
霊界を使いこなす術は我欲ではない、
よりマクロな善に従って
行動することなのかもしれないと
思うようになりました。

カバラと十種の神宝を使って得た富は
私(わたくし)のためには使わないで、
すべてを世の中に
そのまま還流することができれば、
使えるのかもしれません。


 日本の山河は、
そんなことに私たちが気付くのを
待っていてくれているような気がしています。

これからやって来る厳しい冬を乗り越えていけば、
美しい春が必ずやってきます。
その時にはにんげんクラブの皆さまと一緒に
深山に分け入って行き、
十種を探していきたいと思います。

そして、それが
父がにんげんクラブを作った
理由かもしれないと思います。


剣山の剣


 にんげんクラブのウィークリーレポートなので、
先週に引き続いて不思議なことを書いていきたいと思います。
スピリチュアルのようなつまらないことは
もう止めた方がいいと言って死んでいった
父の遺言に逆らうようですが、
先週も書いたように、いまの時期は
目に見えない世界の体験を受け入れることは
大切なことだろうなあと感じるからです。

ただ、何度も書いて恐縮ですが、
目に見えない世界のことは所詮私の妄想です。
だから、私のいう事を含めてあまり真剣にとらえずに、
それよりも自分の妄想を膨らませて楽しんでもらい、
それを他人に押し付けないことが大事なのだと思います。


 今回の剣山の旅を実質的にアレンジしてくれたのは、
マヤ歴アドバイザーの「幸せの扉 えりこ」さん。
最近、四国に行くと空港まで迎えに来てくれる
ありがたい友人です。
彼女を最初に紹介してくれたのは多分、
高知の小川雅弘さんだったと思いますが、
特に今回の剣山は足が痛かった私を専門にアテンドしてくれて、
彼女が天から受け取るメッセージを
山のように聞かせてもらいました。


 彼女のリーディングによると私は剣を持っているそうです。
スピリチュアル的な今回の剣山に来た目的は、
その剣を研ぐこと。
私は無自覚に剣を振り回していて、
切られた人の血糊がたくさんついたままになっている
(もちろん、この世の次元の話でないので
私は殺人鬼ではありません。念のため)。
そのままでは切れ味が落ちるので、
剣山の霊力の高い砥石を見つけて研いで帰ることが
ミッションだったのだそうです。
私の剣を研ぐためには、剣山の砥石と水が大事だから、
ここまでくる必要があったということです。


 そんなスピリチュアル的には
真剣なミッションがあるからでしょうか、
登山の前日には、本格的に足が痛くなってきて、
当日はせっかく来たのでリフトで上までは行くが
そこでそのまま引き返そう、ぐらいに思っていました。
でも、そんなメッセージを聞いてしまったら
そうはいかないので、
がんばってそのミッションができるところまで
登っていきました。 


 剣山に来てもう一つ感じたのは、
イエス・キリストなのかどうかは分かりませんが、
ユダヤの強い魂の存在。
いろいろな伝説があるようで、
リフトの終点の駅からすぐに行ける
イエスが関与したのではないかという
神社にも行ってみたのですが、
そちらは私にはあまり強く感じられませんでした。
どうも、今回のミッションとは関係がなかったようです。


 そんな寄り道をしながらも、
何とかミッションが果たせたようなのですが、
東京に帰ってきてしばらくしたら、
えりこさんからメールが送られてきて、
特にいまは、私は存分に剣をふるったらいいそうです。
いろいろな封印やしがらみ、それに思い込みや感情を
どんどん解放していくべき時が来ているので、
遠慮することなく切りまくってください
というメッセージをいただきました。

まあ、普段は3次元で経営者として暮らしているので、
剣を抜く機会もあまりないのですが、
いまは思い込みの強い人と一緒にいるだけで
剣が自動的に作動するので、
それで構わないという事です。

 
 まさにこんな話を聞かされても(読まされても)
仕方がないような話なのですが、
ちょうど最初に剣山に登った時にご一緒した
著名な友人と出会ったら、
彼女がその時に剣山から剣を持ち帰ったという
話しをしていました。
その剣をどう使ったらいいのか分からないという話しになり、
剣は簡単に抜いてはいけないのだと思っている
という話しをされていました。

ちょうど、私が剣山から帰って
えりこさんからメッセージをもらうまで
感じていたことと同じなので、
いまは遠慮なく剣を抜いて振り回してくださいと
お伝えすることができました。


 私一人の妄想ですが、
こんな風に繋がるときには
これは重要なメッセージだと思っています。
もしかしたら、これを読んでいただいている読者の方も
世直しのための高次元の剣を持っている方がいるのかもしれません。
ご本人は気が付いていないかもしれませんが、
新しい世の中に対応するためには、
捉われからなるべく自由になる必要があります。
無自覚でも結構なので、
それを切り払う道具を持たされている方は、
いまがその使い時なのかもしれません。

 ちょうど、友人にそのメッセージを伝えたように、
読者の皆さまの中にもきっと
この不思議なメッセージが必要な方がいるかもしれません。
または、皆様が感じている
別の不可思議なメッセージを必要としている
ご友人がいるのかもしれません。

普段は目に見えない話をするのは恥ずかしいと思いますが
いまは特別な時のように感じるので、
ぜひ躊躇せずにそれを伝えてもらったらいいのかなと思って、
私の妄想を書かせていただきました。

久しぶりの剣山


 久しぶりに徳島県にある霊峰、剣山に登りました。
膝の痛みがまだ完全ではなく、
頂上には残念ながらいけなかったのですが、
ご一緒した友人がいまの私には必要な場所だという
ところには行けて、達成感があります。
原稿を東京に帰る徳島空港で書きはじめたのですが、
明日以降、筋肉痛と
もしかしたら膝の痛みがぶり返すのがちょっと怖いのですが、
間違いなくいまの私にとって必要であり、
行くべき旅であったと確信しています。

剣山1.jpg

 最初に剣山に来たのは10年ぐらい前のことだと思います。
当時の私にとってはスピリチュアルの入門編のような旅で
とても楽しかったことを覚えていますが、
ちょっと成長したのかなと感じるのは、
当時の行動はずいぶんいい加減なものだったのだなと
反省できることです。
当時はまだ目に見えない世界の存在を
確信できることが大事だったのだと思いますが、
いまはこれだけ混迷が深まる時代になって、
やはりこの目に見えない世界の力を
現実のためにどう使うかが
大事な時代になったのだなと感じます。

剣山2.jpg

 ただ、ここで大事なことは
私のスピリチュアル体験は私の体験であって、
他の人にはあまり関係がないという事です。
目に見えない世界になると
本当に十人十色の世界というか宇宙があって、
そこでは完全に個々人が
責任を持たなければいけない世界です。
ここで、私のスピリチュアル体験を書いても、
それは私にしか使えない世界なので、
皆様の役にはほとんどたちません。
だからといってスピリチュアル体験が
必要ないというわけではなく、
ますます目に見えない世界の力を感じる事が
大事になっているのですが、
あくまで個人的に体験するものである
ということがポイントだと思います。


 他人のスピリチュアル体験を
エンターテイメントとして楽しむのは
いいことだと思います。
SF小説が未来を予言するというか、
SF小説によって形成された集合意識の影響で
そこで描かれている世界が実現しやすいのも
また事実だと思います。
だから、作家としての力量をつけて
楽しんでもらう作品を作るのはとてもいいことですが、
いまはそれよりも
自分で自分のためのストーリーを作って、
それで集合意識に影響を与えていくことが
大事なのだと思います。


 3次元の現実の世界でさえ、
どこまでが現実に起こっていることか
分からなくなるような摩訶不思議なことが
たくさん起こるようになりました。
ましてや目に見えない世界のストーリーを
どこか遠くにいる誰か偉い人に頼るのは
ナンセンスな世の中になってきたように感じます。
10年ぐらい前なら
私たちの仲間が体験したことを
面白おかしく読んでいただくことも必要な事でしたが、
いまはそれを参考にしていただいて、
ご自分が目に見えない世界を
感じてもらえるようになることが
大事なのだと思います。


 そのために大事なことは、
神さまでもサムシンググレートでも守護霊でも
何でも構わないので、
人智を超えた大いなる存在が与えてくれるヒントを
受け取れる能力を高めておくことだと思います。
おおいなる存在は多分、
3次元の世界に直接的な関与はあまりしないようです。
しかし、私たちが間違えないように
さりげないヒントは
たくさん与えてくれているように感じます。
感情解放して、
できれば個人的なエゴを最小限にすることで、
そんなヒントを受け取って、
いまここで自分がやるべきことを
ライブ感覚で行える能力を作ることが
大事なようです。


 特に、いまから来年の立春から節分ぐらいまでの間は、
これからの未来がどのようになるのかが不確実で、
私たちがいま行っている言動で
それが変わっていきやすい状態にあるように感じています。

例えば、多くのスピリチュアル能力の高い人が望んでいた
トランプ大統領の再選が
ほぼ無くなったのではと思います。
これは結構まずい状態なのかもしれないという
意見を見聞きします。
ただ、バイデン大統領の誕生が
いい世の中作りにつながっていくために
いい作用をするようにするためにはどうすればいいのかを、
目に見えない世界を感じられる人は
一生懸命考えることに責任があるのだと思います。


 マスコミで報じられている表面的な情報ですが、
少なくても国際的な取り決めをほとんど無視して
アメリカファーストに突っ走っていたトランプ大統領よりは
まともな政策が表面上は取られることは間違いありません。
後は、軍産複合体の利害に沿って
動く可能性が高いバイデン新大統領が
そのような行動ができにくいような世論形成を
働きかけたりすることが大事なのだと思います。


 トランプ大統領の4年間は
少なくともアメリカは大きな戦争を始めませんでした。
その流れが継続できるように、
自分が何をできるかを
個々人が一生懸命考えなければいけないのだと思います。

剣山3.jpg

そんなことを考えた久しぶりの剣山でした。
最初に書いたように、
所詮私の妄想ですので、
これをお読みいただいたのなら、
今度は皆様の妄想を膨らましていただければと思います。


四天王寺


 父と私は大阪府松原市の生まれです。
生家のすぐ近くに大和川が流れていて、
それを超えれば大阪市内なので
それほど辺鄙なところではないのですが、
幼い時の記憶で言うと完全に農村地帯でした。
子どもの頃の楽しい思い出は、
兄に連れて行ってもらったザリガニ釣り。
思い出はそんなのどかな光景なのですが、
のどかというよりは
人間の欲望をストレートに出す大阪近郊の
それも河内(かわち)という気性が荒いことで有名な
強烈な地でした。
幼少でそこから引っ越しをした私はともかく、
父の人格形成には大きな影響を与えたのだろうと思います。


 鉄道で言うと、近鉄南大阪線という
阿部野橋がターミナル駅のローカル路線で降りて、
そこからバスに乗らないとたどり着かない場所でした。
小学校に上がる前に、
それではさすがに不便だろうという事で、
やはり南大阪線の駅前の住宅地に引っ越しました。
私の記憶が鮮明になるのはその頃からですが、
当時の私の一番ハレの記憶は
阿部野橋まで出て、ターミナル百貨店に行くことや、
映画館に連れて行ってもらうことでした。
なぜか強烈に覚えているのは、
その映画館でブルース・リーの映画を観たこと。
そんなたわいもない思い出が心に残っています。


 私が10歳の時に、父が事業で成功して、
兵庫県宝塚市に引越しをしました。
南大阪はいわゆるディープ大阪で
いい意味でも悪い意味でも
もっとも大阪らしいところですが、
梅田駅をターミナルとする阪急線は
子ども心にも乗客の雰囲気がまったく違うことが
感じられるぐらい優雅な世界でした。
阿倍野に行く時はともかく、
普段電車に乗る時は靴など履かずに
サンダルで乗るような南大阪線とは違い、
電車に乗るには女性であればおめかしをしなければいけない
阪急沿線はお金持ちの世界でした。

 そこで高校生まで育ててもらったので、
私の繁華街の記憶は梅田ということになるのですが、
阿部野橋やJRの駅名で言うと天王寺は大阪の中でも、
キタ(梅田界隈)やミナミ(難波、心斎橋界隈)とはまた
まったく違うディープな世界だったのです。
こんなことを書いても
関西に関係ない人はよく分からないと思いますが、
一番大阪らしいという誇りと共に
何となく劣等感を抱く原因にもなっているのです。


 天王寺の名前の由来は
多分、四天王寺にあります。
創建は聖徳太子で物部氏と蘇我氏の合戦の折、
崇仏派の聖徳太子が劣勢を打開するために
自ら四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)を彫り、
戦いに勝利をしたら四天王を安置する寺院を建立して、
この世のすべての人々を救済するということを
請願されたのが縁起となって建立されています。
まだ、日本に仏教の宗派がなかった頃のお寺なので、
歴史的な変遷はいろいろあるようですが、
いまは和宗
(聖徳太子の和を以て貴しとなす、からいただいたもの)の
総本山になっています。

 そして、ご本尊は
四天王に護られるように安置されている救済観音。
ご本尊や四天王を見るには拝観料が必要ですが、
気楽に見に行けるようになっています。
ただ、大阪で多少、スピリチュアル的な感覚が鋭い人は
あまり訪れるお寺にはなっていません。
上記のような理由で
一番古い(なんといっても1400年前です)ことが
原因だと思いますが、
人々の怨念が渦巻いていて
とても気がいいイヤシロチとは言えないことも
大きな原因だと思っています。


 ただ、先週、機会があって
四天王寺を訪れました。
ちょっとびっくりしたのは、
とても気が良くなっていること。
何度か訪れたイスラエルのエルサレムにある
黄金のドームのすばらしい高貴な雰囲気に
何となく似ているなあと感じるぐらいでした。
10人強の人たちと一緒に行ったのですが、
その中でも地元大阪から来た人は、
私と同じような感想を皆さん話していて、
どうも時代が変わると
パワースポットの気も変遷するのかもしれないなと感じました。


 天王寺や阿倍野は
アベノハルカス(いまのところ日本で一番高い高層ビルです)が
できた時にずいぶんきれいになりました。
ホームレスのテントがすべて撤去されて、
天王寺駅前の公園はずいぶんおしゃれな場所に変わっています。
大阪の人は騙されたと思って、
一度四天王寺に行ってみてください。
いまはキタやインバウンドでにぎわっていたミナミが
大阪の中心ですが、
これだけ気が良くなったのなら、
何十年か後には
天王寺が商業の中心になっているかもしれませんし、
そうなったら東京よりも
大阪が日本の中心になるかもしれないと
思えるぐらいの変貌ぶりでした。


 気の世界の話なので、あくまで私の主観なので、
責任を持てる話ではありません。
そんな前提で、かつものすごく我田引水ですが、
劣等感になっている父や私が
なぜ大阪の河内に生まれたのかということも、
もしかしたら天王寺の変貌を
目の当たりにするためだったら楽しいなあと
妄想(世界の中心が四天王寺になる)を膨らましています。

遺伝


 父は船井総研の代表取締役を退任して
船井本社の会長に専念するようになってから
傍若無人とは言いませんが、
いままで上場会社の代表取締役だったということで
できなかったことを始めるようになりました。
例えば、本物研究所という会社を作ったり、
にんげんクラブという組織を作ったりしたことも
良く考えるとすごい名前を付けたものだなと思います。
私を含めて父が存命中は周りの人間は父を批判するなど、
そんなとんでもないことはとてもできないと思っていましたので、
あまり考えずに受け入れていましたが、
私なら絶対に付けられない名前です。


 それから、素直だった父は
皆さまに発信する文章や講演などでは
自分の身近に起こることを
そのまま題材にしていたことがよくあります。
臨場感もありますし実話なので説得力があり、
現場を大事にするコンサルタントの
面目躍如ということなのですが、
晩年になってずっと病気に苦しむようになると、
その実況中継というか
ちょっと無理なプラス発想で湧きあがってくる
自分の内面を吐露することがよくありました。


 最初の頃は、病気の辛さに素直に共感していたのですが、
その内にちょっと他人の病気の実況中継を聞かされるお客様は
たまったものではないだろうなあと考えるようになりました。
先週も書かせてもらったように
私も最近ちょっと調子が悪い状態が続いているのですが、
それをネタにしてしまっている自分を発見して、
本当に親子は同じ行動をするんだなあとあきれています。

何年か前、本物研究所の佐野浩一社長が
帯状疱疹から顔面神経痛になり
大変な目にあっていたことがありましたが、
義理の親子の場合、遺伝しないのか(当たり前ですね)
その話題をネタにしているのをあまり聴きませんでしたので、
私もいい加減にしておかなければならないと反省しています。


 見苦しさ次いでに言い訳を続けると、
私の場合遺伝だけではなく、
父が人生においても仕事をするにおいても、
もちろん経営をするにおいても
ずっと目標としてやってきました。
特に文章を書く練習や講演をする
練習をしたことはありませんが、
子どもの頃からずっと父を見ていたので、
門前の小僧状態でいつの間にか
マネをできるようになっていました。
よく書くネタですが、
アメリカに留学していたころ、
あまり日本語を使わないようになって日本に帰ってくると、
しばらく原稿が書けなくなったことがありました。

 英語も勉強して学んだというよりも、
アメリカで生活することで
強制的に身につけていったのですが、
実は文章や講演も
慣れで書いたり話したりできるようになっていることを
実感したエピソードでした。

だから父のマネをするのが自然なので、
ちょっとだけ長患いになってくると
自然とそれを元にネタを考える思考パターンに
陥っているようです。
いい加減にしないと嫌われてしまいますが、
ギリギリの線までは面白いところもあるので、
嫌でなければお付き合いいただければと思います。


 後、不思議なのは
私が若い頃に嫌だったことを
息子たちにさせている自分を
時々発見することがあります。
一緒に連れて行ってもいい仕事先や会合に、
具体的なことを何も教えずに同行させたりしています。

先日は、土日に親しい仲間との
ちょっとスピリチュアルな小旅行の機会があったのですが、
体調が悪くてとてもいけないので困ったなと思ったのですが、
そうだ息子に変わってもらったらいいと思いつき、
ちょっと嫌がるかなと思ったのですが、
息子も喜んで行ってくれたので
とてもホッとしたことがありました。

 多分、何が周りで進行しているか
ほとんどついていけなかったと思うのですが、
そう言えば、私も大学生の頃に何の予備知識もなく
北海道の村松祐羽さんのところに送り込まれ、
スピリチュアルの世界の洗脳(?)を受けたことがあるのですが、
多分そんな感じだったのではと思います。
その時は、困ったなというか、
うにいくら丼の美味しさぐらいしか覚えていませんでしたが、
いまになってスピリチュアルなことが理解できる
大きなバックボーンになっています。

 息子も、私の代わりに行ったので
いい温泉旅館のすごい部屋に一人で泊まれたと
喜んで帰ってきましたが、
その本質ではない所に喜びを見つけられる能力まで
遺伝しているのがとても面白く感じられました。
2代目、3代目はそんな理不尽な思いをさせられることも
たくさんありますが、
逆に言うと普通に生まれていたら体験できないことも
いろいろさせてもらえるメリットもあります。


 親の困ったところを反面教師にして、
でもきっと遺伝で似てしまうようになるのだろうなあと考えると
笑えてしまいます。
世界の行方に大きな影響がある
大統領選挙まで後1週間を切りましたが、
どんなに大変な時代になっても
親子の絆はバトンタッチされていきます。
人間は何があっても日常生活を淡々とこなしていきながら
世代をつないでいくものなのですね。


闇を引き受け、光を出す

 ペルーの首都リマに天野博物館という
考古学のテキスタイル(繊維)に関しては、
世界的なコレクションを誇る博物館があります。
天野芳太郎という南米で大成功した日本人実業家の
コレクションをもとに作られた博物館ですが、
皇室の方がペルーを訪問した際には必ず立ち寄るという
知る人ぞ知る素晴らしい博物館です。
設立者の天野氏のお孫さんにあたるのが、
やはりペルー在住の阪根博さんで、
ペルーを訪問した折や、
阪根さんが日本にいらした時などに
大変お世話になっています。


 阪根さんの盟友に
日本を代表するネイチャー写真家の
野村哲也さんがいます。
お二人に頼んで、
ペルーのマチュピチュ遺跡やナスカの地上絵などを
見に行くツアーを作ってもらったことがあり、
それ以来の友人ですが、
お二人の博識にはいつもびっくりさせられます。
お二人と、
世の中は本当はみんな同じでひとつであること、
すべての人や存在がみんな大事な役割があるということを
伝えているかっこちゃんこと、山元加津子さん
中心になって阪根大学という勉強会が
オンライン上で開講されています。


 阪根さんが学長、山元さんが副学長、
そして野村さんが事務局長という豪華なメンバーの中で、
光栄なことに私も特別講師の一人に任命していただき、
時々ショートスピーチをさせていただいたり、
時間が合う時には私も受講させていただいたりしています。

先週の日曜日には、
ショートスピーチの順番が回ってきたのですが、
私の前のショートスピーチが
引き受け氣功(引き受け人間学)創始者で
一般社団法人ワンダーライフ理事の藤谷康允さんでした。


 藤谷さんとはペルー旅行の時もご一緒させていただき、
高山病で苦しんでいた私は、
藤谷さんの治療を受けて
いつもかなり症状が改善した経験があります。
これはすごいなあと思っていたのですが、
藤谷さんの独特のキャラクターを上手く消化しきれずに
よく分からないままいまに至ってしまっていました。

しかし、今回のオンラインセミナーでの
20分間のショートスピーチを聞いて、
闇を引き受けて光を出す、という
彼の人間学の本質がようやく少し感じられました。


 きっかけは、最近原因不明のかゆみに
1か月ぐらい悩まされていることです。
薬は使いたくないので、しばらく我慢していたのですが、
波動療法のお医者様に診てもらったら
蚊に刺されたこと等のウイルス性のものが
原因だろうということで、
漢方薬を処方していただいてホッとしているところです。
最初は自然治癒力で簡単に治るだろうと思っていたのが
かなり長引いているので、
この病気にどんなメッセージがあるのだろうと
考えていたところだったのですが、
そのタイミングで引き受け氣功を
再度意識させていただく機会をいただいたわけです。


(引用開始)

 引き受け人間学は
「自他(世界)の苦しみを引き受けて、
自他(世界)の歓びへと変革する生き方」、
一言でいうと
「運命を暗転から光転させる実践哲学」です。
三次元であるこの世には、
病氣、不安、差別、生活苦、
事件、事故、戦争、天変地異などなど......
さまざまな「闇」が存在します。
これらがあるがゆえに、
私たちの悩み、苦しみは尽きることがありません。

(中略)

この闇を光転させる方法、
それが「引き受け人間学」です。
この世の苦悩は、すべて
宇宙の法則に反すること=「不調和」からきています。
であれば、それを
宇宙の法則=「調和」に戻せばいいのです。
どのような現実(結果)も
すべてに意味がある「約束の運命」であり、
氣付きのためのメッセージを含んでいます。
まずは、何があっても「なるほど」と現実を受け止め、
闇を引き受ける」ことが大切なのです。
その後は人事を尽くして天命を待つのです。
引き受け人間学は、
ピンチの「闇」を「悪」とはとらえません。
闇は元々が光の影ですから、
あるがままに受け止め引き受けさえすれば、
チャンスの「光」になって返ってきます。

(引用終了)


藤谷さんの著作
ピンチをチャンスに変える運命法則」(ビオ・マガジン)の
「はじめに」から引用させていただきましたが、
確かに闇を引き受けて光に変えればいいのだ
という理屈は分かりますが、
そんなに怖いことはとてもできないと思っていました。

でも、どうもそれを私も
取り組まなければいけないタイミングが来ていて、
図らずもなかなか怖がって前に進もうとしない私に
気づかせてくれるための
かゆみなのかもしれないと感じたのです。

「ピンチをチャンスに変える運命法則」は
一見とても読みやすくて分かりやすい本ですが、
なかなか怖い真実が書かれていて、
私はまだ抵抗があるのか、
書かれていることを十分理解はできませんでした。

ただ、なるべく身近なところ、
例えば家族の苦しみを引き受けたり、
会社でみんなの辛い気持ちを引き受けたりするところから
はじめてみたらいいことだけは分かりました。
もし、私が家族や会社の闇を引き受けて光になれば、
何より私が楽になるのは間違いのない真実です。
いままでどちらかというと、
私の闇を家族や社員の人に
引き受けてもらっていたような気がしますので、
本当に申しわけないと思っています。
心を入れ替えて、
これからは世のため人のために
まず生きていくようになりたいと思っています。


大統領選挙の行方


 私だけかもしれませんが、最近あまりコロナが怖いということが
話題にならなくなったと感じています。
東京の感染者数は相変わらず3ケタで推移していますが、
それで大騒ぎしていたのがウソのように、
まあそんなものですんでいれば問題ないのではないかと
感じてしまっています。
そして、テレビの報道もそれほど切迫感は
なくなってきたように感じるので、
いまの現状ではひと山越えたと思っていいのかもしれません。

 夏に一度若者を中心に感染者数が増え始めた時は、
このままいくと東京の感染者数は
4ケタになっていくのではないかという見方もありました。
緊急事態宣言を出してステイホームを半ば強制して、
人と人の接触を8割減らすことを目標にして
感染者数を抑え込んだのですが、
それを緩めたことにより接触機会が増えていくわけですから、
当然のように感染者数は増えていきます。
だから、4ケタまでいくのではないかと言われていたのですが、
幸いにそんなことにはなりませんでした。

 いま心配されているのは、秋冬の通常の風邪や
インフルエンザが流行する季節になってきて、
また感染者数が急激に増加していくことです。
私は希望的観測ですが、
今度もある程度の許容範囲で
抑え込めるのではないかと思います。
でも、そのためには手洗いうがいをきちんとして、
三密を避ける努力を続けることが大事になると思います。
新型コロナウイルス自体がフェイクで
通常の風邪と同じでまったく心配する必要がない
という意見もありますが、
最低限のマナーとして外出するときは気をつけようと
個人的には思っています。

 トランプ大統領が典型的ですが、
コロナは恐れるに足らずという考えで
マスクもつけずに行動して、
それで感染したり、感染を広めたりしたら
世間に申しわけないと思います。
社会(例えば、日本社会というと
日本人全員が所属している公のもの)ではなくて
世間(自分たちだけが所属している狭いコミュニティ、
ママ友であったり会社の同僚であったりして
声の大きい人の意見に引っ張られやすい)の
同調圧力に流されてしまうのが日本人の悪い癖だ
という意見もありますが、
いまのところこの同調圧力のおかげで
感染がひろまっていない面もあると思います。
もちろん、自粛警察などの行き過ぎは止めた方がいいですが、
バランスのある行動を心掛けたいと思います。


 トランプ大統領の新型コロナウイルスの感染が明らかになって、
大統領選挙の風が変わったように感じます。
ザ・フナイ新・舩井メールクラブの先生方の意見では
トランプ大統領の当選を予想するものが多いのですが、
普通のマスコミではバイデン候補の勝利は間違いなく、
どれぐらい圧勝で勝つか、
または上下院共に民主党が過半数を制して
ねじれがおきないかどうかを焦点に
報道がなされるようになりました。


 4年前に私が見事に予想を外した時と
同じ現象が起こっていると見れば、
まだトランプ大統領が勝つ可能性がありそうですが、
やはりここで感染したのは痛かったと思います。
もちろん新型コロナウイルスには
誰でも感染するリスクがありますので、
感染したことそれ自体は問題ではなく、
トランプ大統領の言動を見ていると
感染対策をきちんとしていたとは
とても思えないことが問題だと思います。
それでも感染しなければ
彼が言っていることに説得力が出てきますが、
感染してしまえば
間違っていることを証明してしまったように
受け取られてしまいます。

 ぜひ、いま発売中のザ・フナイの11月号の
副島隆彦先生との対談記事を読んでいただきたいのですが、
マスコミが言うように
もしトランプ大統領が負けるようなことがあれば、
世の中はますます暗い方に進む可能性があります。
世間的な見方でいっても、金融マーケットの関係者にしても
本音ではトランプ大統領というよりも
共和党の大統領に勝ってほしいと思っています。
なぜなら、民主党は
増税をして福祉政策に力を入れるのが党是なので、
長い目で見るとどうしてもそちらに動いていきます。
そうすると金融マーケットにとってはマイナスになります。

 また、日本の外交を考えても自民党は右派政党なので、
民主党よりは共和党に強い人脈を築いています。
アメリカは、ロビー活動という
政治家に政策を自分に有利にしてもらう活動が
認められている国なので、
日本は共和党側のロビーに食い込んでいることを考えると
民主党政権は歓迎できないのがマクロな捉え方です。
また、トランプ大統領は
日本の自立を促してくれているありがたい大統領です。
新しいリーダーは
日本に対してより厳しい要求を打ち出してくることも
十分考えられるのです。


 アメリカの大統領選挙の行方に対して
私たちができることはほとんどありません。
でも、もしかしたらトランプ政権の4年間は
日本や相場にとってはとても恵まれた4年間で、
これから事態はもっと厳しくなる可能性があることを
ここで自覚しておくことは大切なことだと思います。
もちろん、どちらが勝つかはいまのところ分かりません。
だから、備えあれば憂いなしの精神が大事なのだと思います。


厭離穢土 欣求浄土


 トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染されたという
ニュースには衝撃を受けました。
日本であれば天皇陛下や総理大臣が感染することがないように、
最大限の予防措置が取られていると思いますが、
トランプ大統領のキャラクターやマスコミでは
苦戦が伝えられる選挙戦を巻き返すためには、
そんなことを言っている場合ではなかったのかもしれません。
本当に何が起こるか分からない時代、
気を引き締めて暮らしていかなければいけません。


 ただ、特に日本や東アジアの場合、
感染がいまのところあまり恐れるほどは
広がっていないことが救いなのかもしれません。
いろいろな要因が考えられるようですが、
正直決め手になることはよく分かりません。
奇跡に感謝しながら、
他人さまに迷惑をかけないことを心掛けながらも
自分の直観力を信じて前向きに暮らしていきたいと思っています。
長い歴史の中で見れば感染症に悩まされてきたのが
人類の歴史であるという見方もできるので、
何らかの形で私たちはこの危機を克服していくのだと思います。


 日本人の特殊性を考えると、
世界標準になっている一神教
(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)とは違う
神道という宗教観を持っているという事が
大きく影響している気がします。
学問所や戸籍管理という側面で
仏教もうまく活用してきましたが、
日本人の宗教観の原点は
天皇陛下を大祭司とする神道に代表されるのではないかと
個人的には思っています。
もしかしたら穢れを避け、禊ぎ払いをする宗教観が
コロナ対策に効果を発揮しているのかもしれません。


 ちょっと話題になっている古市憲寿.著
絶対に挫折しない日本史」(新潮新書)を読んでみました。
歴史は造詣の深い方が多く、
うかつに自分の意見を述べるのは勇気がいるのですが、
世間に波紋を投げかけるのが得意な古市氏らしい分析を
楽しく読ませていただきました。
天皇を中心にまとまって、それから離れていき、
再びまとまったという日本史観は参考になるなと思ったので、
紹介させていただきます。



 
(引用開始)

本書では「古代」(まとまる)「中世」(崩れる)
「近代」(再びまとまる)という長期スパンでの時代区分を用いると、
日本史が理解しやすくなると説いてきた。
無理やり要約する と、以下のようになるだろうか。

約4万年前に日本列島に訪れた人類は、長い間、
おおむね平和な生活を送っていた。
しかし約3000年前(紀元前10世紀頃)から
コミュニティが発達し、戦争も増えていく。
そのような元祖「戦国時代」を経て、
3世紀頃は列島を緩やかに支配する王権が生まれていた。
7世紀、彼らは最高権力者を「天皇」と称し、
国号を「日本」と定める。
この列島が一つにまとまろうとした時代を「古代」と呼ぶ。
だが「古代」は理想が高すぎた。
12世紀頃から「天皇」「上皇」「貴族」「武士」「寺社」など
複数の権力が併存する「中世」へと時代は移っていく。
中央の力が弱まったこともあり、地方が発達した時期でもある。
16世紀の戦国時代を経て、
17世紀から再びこの国は緩やかにまとまっていく。
そし19世紀後半から西洋から導入した思想や技術を用いて、
本格的に国家が一つにまとまる。
一般に「近代」と呼ばれる時代だ。
大きな戦争には負け、数え切れない犠牲者を出した。
しかし列島史上、例を見ない経済成長を遂げ、
豊かな人が増えた時代でもある。

(引用終了)


 個人的にはとても分かりやすい歴史観だと思っています。
ベストセラーになっている竹田恒泰先生の
天皇の国史」(PHP研究所)と合わせて
読んでいただければと思いますが、
私は竹田先生の大著には手を付けられずにいますので、
時間を作ってじっくりと挑戦してみたいと思います。


 先日、愛知県岡崎市にある自然科学研究機構を
訪問する機会に恵まれました。
同機構の中にある生理学研究所で行われている
fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を使った実験に
立ち会わせていただいたのですが、
通常なら医療分野で使われるfMRIが
AI(人工知能)技術と一緒になって、
人が芸術に関してどのように脳を使っているかについての
研究をされています。
そこに、理系文系を問わず他分野の科学者が
集まっているところに参加させていただき、
みなさんの議論を楽しく拝聴させていただきました。

 正直、さっぱり分からないぐらいの高度な内容でしたが、
異分野の科学者がこれだけ本気になって情報交換している姿が
将来のノーベル賞科学者を生む土壌を育成するのだろうなあ
ということは感じられました。

 岡崎は徳川家康生誕の地でもあり、
いただいたガイドブックによると、
古代には物部氏が開いた土地でもあるという事です。
古代や近代で国がまとまる時代に
重要な役割を果たした人物に関わる土地に、
自然科学分野の日本を代表する研究所があることも
偶然ではない神さまの意志があるのかなと感じました。

そして、家康が旗印に使った厭離穢土 欣求浄土
(おんりえど ごんぐじょうど:
穢れた世を離れ、この世の浄土を求めよう)という
精神について改めて考えるいい機会になりました。
もしかしたら、これがコロナ禍克服の大切な考え方に
つながっていくのではないかとも感じたので、
少し論考を深めていきたいと思います。

融合


 コロナ禍によって、誰もがこれまで誰も経験したことがない世界を
生きることになった2020(令和2)年も今日で4分の3が過ぎ、
年度で言えば半期が終了することになります。

 識者が口を揃えて言うのは、今後コロナ前の世界に
戻ることはないだろうということ。
そして、これから先、私たちの未来がどのようになっていくのか
ということは誰にも分からないということです。
何が起こるか分からない変化に臨機応変に対応することが
求められるのだろうと思いますが、進化論を考えたとき、
いつの時代にもこのような大きな変化に際して生き残るのは、
強い個体ではなく変化に対応できた個体であったという真実です。


 父が色紙に揮毫を頼まれたときよく書いていた、
お気に入りの言葉のひとつに「変幻自在」があります。
コンサルタントなどのアドバイスによって
おおよその方向性が確認できたとしても、
経営は何が起こるか分からない世界なので、
経営者には何が起こっても冷静に対処できる
「変幻自在」の心構えが求められました。

今ではそのコンサルタントにも時代の先行きを示すことが
おおよそですら難しくなってきていて、
できることはDX(デジタル・トランスフォーメーション:
企業統治のあり方を抜本的に変化させるために
デジタル化を進めること)化など、
変化していくためのツール(道具)を提供することに
変化してきているように思います。

 変化を嫌がるのが組織の大きな特性のひとつですが、
これからは変化を楽しめるものが生き残っていく
時代であることは間違いありません。
いまこそ、「変幻自在」の精神を思い出したいものです。


 父は「変幻自在」を実行するための材料を
「直感力研究会」という形で長く企業経営者の方々に
提供していました。
「直感力研究会」が始まったのは、いまから30年ぐらい前、
父が著作や講演などで少しずつ「目に見えない世界」の話を
し始めた頃のことです。

経営者は摩訶不思議な力を借りなければ生き残っていけない
ということを本能的に知っている人は多くいたのですが、
当時はまだ摩訶不思議な手法で経営を進めているという事を
知られると社会的にかなりマイナスに受け止められる時代でした。
そこで、知り合いの大きな企業の経営者から、
「直感力の大切さはよく分かる。
ただ、それに私が傾倒していることを公にするのはまずい。
だから、舩井先生、秘密裡に直感力を研究する
勉強会を開いて欲しい」と
リクエストされて作った勉強会が「直感力研究会」でした。


 父の最晩年の頃、名前も「舩井塾」に変わっていましたが、
私も友だちづきあいさせていただいている素晴らしい
超能力を持った女性に講師をお願いしたことがあります。
もしかすると講師の彼女と私しか
気がついていなかったかもしれませんが、
彼女が内面でものすごく怒っているのが感じられました。

「あなたたち経営者は舩井先生から25年も
直感力の勉強をさせてもらっているのに、
一種のエンターテイメントとしてしか捉えることができずに、
ほとんど経営に活かそうとしていない。
そんなことではこれからやって来る重大な変化に対処できない
という舩井先生の真意をどうして分かろうとしないの!」
と内面で叫んでいるのです。


 それとは逆に、子どもを産み育てる性である女性は
そんなことは当たり前に分かっていて、
日々の暮らしを生きていくために、意識することなく自然に
「目な見えない世界」を捉え直感力を活用しているように思われます。
「目に見えない世界」から離れ、
直感力を使いこなせなくなってしまっているのは、
合理的であること、効率的であることを追求する社会を
構成している男性の指導者層なのかもしれません。


 ただ、当時の私はそんな彼女の叫び声は聞こえてきたものの、
内心ではやっぱり「「目に見えない世界」を
日々の経営に応用するのは難しい。
大きな方向性を考える上では参考にできるが、
やはりそこまでが現実的だろう」と思っていました。

でも、今年コロナ禍がやってきて、
彼女や父の危機感がはじめて私にも理解できたように思います。
「目に見えない世界」のことを
感じられる能力を身に付けないことには、
そしてそれを日々の経営に活かさないことには、
いまの変化には対応できないのではないでしょうか。


 インターネットやAI(人工知能)テクノロジーの
発達の恩恵を受けて、
合理的効率的な枠を超えた新たな組織統治のあり方を
創出していくのがDX化の本質だと思います。


 菅総理はデジタル庁を新設して、まず国の組織がそれを実践し、
それを企業の統治にも応用するということを実行しようとしています。
変化を嫌う官僚の悪い癖が出て、
それがマイナンバーの普及で税金を効率よく徴収することだけに
使われないように気をつけながら、
デジタルの先にある摩訶不思議な世界の能力を
どう使いこなすかというところにまで
議論が突っ込んでいければ素晴らしいことだと思います。


 いずれにせよ、コロナのおかげで、
変化の流れが一気に進んでいることは間違いありません。
「目に見えない世界」と「目に見える世界」を融合させて、
自分のことだけでなく社会全体にとって良いことを考えていける、
そんな社会を実現していきたいと思っています。

 私たちの思いの集合意識が新しい未来を創るのですから、
それを信じる人の数が増えるほど
楽に素晴らしい未来が実現するはず、
ならば私自身が信じることがまず大切だと感じるからです。


少し 心配です


 いつの間にか秋にも連休が設定されるようになりました。
個人消費がGDPの6割以上を占めるようになった日本の
景気刺激策としては正しい政策なのだと思います。

半分仕事、半分遊びで大阪と岡山に出かけています。
ちょっとうれしかったのは、
大阪の繁華街の人手がかなり出てきたこと。
友人の出路雅明さんが経営しているムモクテキカフェ
大阪店に行くのが目的でしたが、
結構長い時間並んで皆さん入店され、
完全ベジタリアンの健康で美味しい食事を楽しんでいました。


 その後、最近興味を持っている「十種の神宝」
(この話は例えばこのDVDで話していますし、
10月4日羽賀ヒカルさんとのコラボセミナーでも少し話すつもりです)
のことを教えてくれる友人と会うために
あべのばしに行きました。
私は生まれてからの数年の幼少期を
あべのばしをターミナルとする近鉄南大阪線沿線で過ごしたので、
あべのハルカスができて様相が一変してしまいましたが、
あべのはソウルタウンとも言える街になります。


 ムモクテキカフェの大阪店は
梅田から徒歩15分ぐらいのところにある、
若い人が増えているおしゃれな街ですが、
お店が街の風景に完全に溶け込んでいるのは
さすがだと思いました。
早朝に東京を出るときは雨模様でしたが、
大阪はいい天気で
みなさん連休を楽しんでいらっしゃる様子に
とてもホッとした気分になりました。

 新幹線も満席というわけではありませんが
50%以上の乗車率で、
一時に比べればかなり回復してきている様子です。
いつもすごいなあと思うのは、
高速鉄道にも関わらず
ピークには3分毎に列車が発着していくこと。
今回は品川駅から乗らせていただいたのですが、
ほとんど遅れることもなくこれが運行されているのは、
まだまだAI(人工知能)では難しい、
日本人の職人芸のなせる技なんだろうなと感じています。

 経済活動はコロナ前の7割にしか戻らないだろうという
予想をされる方が多いし、
私もそんな気もしますが、
どちらにしても多くの人が街に出てくれることが、
いまの時代は景気刺激の第一歩になることが
感じられるいい連休になりました。


日本はモノづくり大国ですが、
残念ながらいまの経済構造を見ていると
それではこれ以上豊かになれません。
ライフスタイルを満足させるだけの個人消費が経済の鍵になり、
コロナ禍でここを担っている企業が一番大変な目に遭ったことは、
景気にとっても大きな痛手になったと言わざるを得ないと思います。


 ここからは完全に私の個人的な意見ですが、
東京よりも大阪や京都の方が
ライフスタイル消費は分かりやすいと思います。
東京は少し格好をつける文化があるのですが、
関西の若い人は好きなことがはっきりしていて、
個性を出すことに躊躇がありません。
これが、中国の人をはじめとする
インバウンドのアジア人旅行者の支持を得ていたのだと思いますが、
インバウンドが戻ってくるのはやっぱり時間がかかるので、
その間をどうしのぐかが経営的には大切なポイントになります。


 そう考えると、東京なら高価格戦略が取りやすいのですが、
その辺にとても厳しい関西では工夫が必要なのだろうと思います。
ただ、逆に言うとそれが参入障壁になって、
東京で成功しているお店が関西に進出しても
なかなかうまくいかない原因になっていて、
だから大阪発の文化が東京で花開くケースが
多くなるのだと思います。
ちょっと気をつけないといけないのは、
東京に進出すると根本的な良さまで
変化してしまうケースが垣間見られることです。
自社の強みの本質的な把握が大事なことなのだと感じます。


 ただ、ちょっとだけ思い出すのは
ちょうど半年前の春分の日の頃に、
コロナが収束したような雰囲気になり
お花見の人出が増えたことで感染が拡大してしまったこと。
当時と違って、街ゆく人のコロナを防止するための意識は
かなり高くなっていることが感じられますが、
どうしても接触機会が増えると
確率的には感染者が増えていくことになります。
半年前の経験を活かして、
その事態に社会としてどう対処するかが大事ですね。


 今回も本格的な収束までには至らない可能性が
高いとは思いますが、少し時間が経ってから振り返れば、
私たちはウイズコロナ日常にうまく対処していけるのだと思います。
冷静にどんな事態がやってきても対処できる心構えをして、
自粛警察のようなことをして
互いに傷つけあわないように気をつけながら、
クレバーに1年で一番豊かなシーズンを楽しみたいと思います。


 今日は、これから岡山の山間部の村で
稲刈りをさせていただくことになっています。
東京からコロナウイルスを持ってきたと言われないように
十分に注意して楽しませていただきたいと思っています。


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『超弦理論で読み解くこれからの時代』
9次元を象徴するエヴァの時代がはじまる
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タクシー運転手さんの景況感


 痛風の発作が出てしまいました。
かなり久しぶりで、もう完治したかなと思っていたのですが、
よく考えれば体重も史上最高値をうかがう勢いですし、
食生活や生活習慣が変わっているわけではないので
当然と言えば当然なのかもしれません。
幸い、今回は生活に支障をきたすほどではないのですが、
それでもコロナのこともあるので電車は避けて
タクシーを使わせてもらう機会が増えています。

 タクシーに乗って最近感じるのは
若い運転手さんや女性の運転手さんが増えていること。
5年ぐらい前までは私より若い運転手さんに巡り合うことは
本当にまれだったのですが、近頃は東京だけかもしれませんが、
20歳代、30歳代の運転手さんによく乗せてもらうようになりました。
中には道をほとんど知らない運転手さんもいるのはお愛嬌ですが、
ナビという強い見方があるので、それでもそれほど困らなくなりました。
地方から上京された女性の方などは最初から、
住所を入れてもらって目的地まで連れて行ってもらっているようですが、
下手に東京の男性なら共通概念になっているシンボルを言っても
通じないのでその方がコミュニケーションはスムーズかもしれません。


 かなり昔の夜の銀座に乗り入れるときは、
お客さんも運転手さんもプロ級の方ばかりで、
最小限の行き先を言っただけで、分かりましたと言って
最も近いルートを通らないとお客さんからクレームが来るほど
厳しかったのだという話しを聞かせてもらうこともあります。
いまはそんなことは通じない古き良き時代の伝説に
なっているのかもしれませんが、
それはそれで楽しい文化だったんだろうなと思います。

私が就職した頃はバブルの真っ最中で、
あるお客様に銀座に連れて行ってもらった時に、
最後にタクシーが呼べるママがいるというお店に連れて行ってもらって、
席に座る前にタクシーを頼んでいる姿を見たことがあります。
それでも小1時間はタクシーが来ないのでいいのですが、
タクシーを呼んでもらうためだけに座るだけで
何万円のお店に行く時代が再びやってくることはないと思いますが、
コロナの前はかなりタクシーが捕まえにくい状況になっていました。

 私は都心のマンションに住んでいるのですが、
通勤時間には空車のタクシーはほとんど来ないようになっていました。
仕方がないので、大きな道まで歩いて行って拾おうとするのですが、
同じようにタクシー難民になっている人が大勢いて
タクシーの取り合いになります。
スマートにアプリで配車をお願いしなければいけないのですが、
急に思い立っても間に合わないことが多いのと、
毎日使っているようなお客様が優先されるらしく、
羽田空港まで(8千円ぐらいなります)前日の夜に頼んでも
断られてしまったこともあります。

 それが、コロナ禍で一気にお客様がいなくなって
時々タクシーに乗せてもらっても、
運転手さんの嘆きばかり聞かせてもらう状態だったのですが、
最近は東京の状況はかなり良くなってきているようです。
先日乗せてもらった若い運転手さんは、
かなり努力するタイプらしく、
研究心も旺盛で道もよくご存じの様なのですが、
かなり忙しいとおっしゃっていました。
夜もそれなりにお客さんがいて、
コロナ前に戻ったわけではないですが、
かなり回復していますよと明るくおっしゃっていました。


 コロナの見方はどうも楽観派と悲観派で完全に2分されているようです。
痛風になっているのであまり説得力はありませんが、
私はおかげさまで健康なこともあり楽観派なのだと思いますが、
友人の中にはかなり悲観的な見方をされている方も大勢います。
どちらの言い分もそれなりに説得力があり、
一概にこうだとは言えないと感じます。
タクシーの運転手さんの景気判断が良くなっているぐらいですから、
一般的な世論は楽観派が増えているのだと思いますが、
もしウイルスが意志を持っているのなら油断させておいて
その隙を狙って大参事を演出するのかなと思ってしまったりもします。


 ただ、長年コンサルタントをさせていただいて、
情報を集めるのが仕事のようなことをしてきた立場で言うと、
東京のタクシーの運転手さんの景況感はかなり先行指数で
これが良くなってくると景気が回復してくる兆しがでてきたと
考えてもいいと思っています。
自民党の総裁に菅義偉氏が選ばれ、
本日16日に新しい総理が誕生することになりますが、
株式相場は菅総理の誕生を歓迎しているようにも感じます。
油断はいけませんが、自分のことだけではなく、
より大きな立場で景気を良くするための行動を
心掛けたいなと思っています。


霊格が高い人


ひとは真理を知りたいと思って生きているものであるような気がする
ことがあります。
おかげさまで、こうして原稿を書かせていただく機会が多くあり、
そのために勉強させていただいています。
本からも学びますし、多くのすばらしい友人にも恵まれているので、
彼ら彼女らがいろいろなことを教えてくれます。
自分で友だちを作ろうと努力したわけでもないのに、
有り難いことだと思っています。

 そんな友人のひとりが、
「悟るということは、過去や未来にではなくいまを生きることだ」
と教えてくれました。
過去を後悔するのではなく、未来を心配するのでもなく、
目の前にあるいまだけを生きることができれば悟れるというのです。

人間以外の動植物は間違いなくいまを生きています。
カレンダーや時計を持った動物はいません。
自分たちの種を残すため以外の理由で、
自ら命を絶つ動物もいないのではないかなと思います。
つまり、彼らはいましか生きられないようになっているのです。


 ただ、人間だけは神さまから自由意志をもらって
想像力を持ちました。
だから考えることができ、考えたら今度はそれを言葉にして、
そして実際にものを作りあげていきます。
いまのところ、あまり自然にフィットしない人工物しか作れませんが、
もう少し進化すれば自然と調和したものが
作れるようになるのかもしれません。

発想を飛躍させると、人間が自分たちの生活を
便利で豊かなものにするために作ってきた人工物は、
これからはAI(人工知能)が作ってくれるようになります。
これから人間が作るのは、大自然の調和を乱さないような、
それどころか大自然から大歓迎されるような
ものなのかもしれません。
そのために、ここまで文明を発達させる
必要があったのかもしれないと思うのです。

ただ、文明をこのまま無秩序に発展させてしまうと
大自然の中で人類が排除されてしまうような
事態が起こってしまいます。
だから、ちょっと不自由な生活を味わって
自然との調和を考えるための時間が、
ウイルスによって与えられているのかもしれません。


 考えようによっては、ウイルスは天使なのかもしれません。
天使は人間を滅ぼすほどの力を持っていますが、
人間のように神さまに逆らうことはできません。
天使が神さまに逆らうと堕天使という悪魔になってしまいますが、
人間は神さまの意思に逆らってばかりいるのに、
自由が与えられているので堕人間になりたくてもなれません。
それどころか、どんなにいい加減な人生を送っていても
いつの間にか更生の機会が与えられる場合が多く、
心が荒んだ経験が多い人ほど、立派なことをすることが
できるようにかる確率が高いようにも思います。


 そんなもがき苦しんでいる人たちを見ていると、
自分もその一員だと思えてホッとするのですが、
時々、霊格が本当に高くて自由意志を持ちながらも
天使のように心が素直でキレイな人がいます。

私が知っている人の中で霊格が高い最右翼にいると思うのが
「かっこちゃん」こと山元加津子さん。
かっこちゃんのような人が10人もいれば
世界が救われるのではないかと思うほど不思議な力を持っています。

私は、あまりきれいな心を持ち合わせていないので、
かっこちゃんのように霊格が高い人が苦手です。
なぜなら、そんな人の前に出ると、
自分の醜さがあからさまに見えてしまうからです。

 そんなかっこちゃんから先日、お電話をいただきました。
コールバックをさせていただくと、かっこちゃんの新しい本
『リト』(モナ森出版)を送りたいので
住所を教えて欲しいというお電話でした。
天使のような人からの電話はそんな内容であっても
緊張してしまいましたが、同時にやはりとても嬉しく思いました。

リト.jpg


 霊格が高い人と一緒にいて同じ空気を吸っていると、
自分のレベルが少し上がっていくのが感じられます。
でも、ウイルスのおかげでかっこちゃんも
ほとんど講演に出かけられなくなっています。
そんなときにかっこちゃんが手作りで作りあげた本を
手に取ることができて、本当に幸せな気持ちになりました。
本と一緒に送られてきたかっこちゃんの手紙を
紹介させていただきます。

 
(引用開始)

応援いただき、ありがとうございました。
おかげさまで「リト」の本がついにできあがりました。
"ついに"って書いたのは、絵のデザインや入稿まで
するのも初めてだったし、本の流通のしくみもなんにも
知らなくて、とっても楽しかったけど、失敗もいっぱい
したりして、ドキドキでした。でも、いつもみなさんが
助けて下さって 応援くださって 泣いたり、笑ったりしながら
本がついにできて、この本がとても愛しいです。
ありがとうございました。

(引用終了) 

かっこちゃん手紙.jpg

 『リト』は小説ですが、
ウイルスがサムシング・グレートからのメッセージであることを
はっきりと教えてくれます。

霊格の高い、かっこちゃんの気持ちが
1冊1冊にこもった有り難い本になっています。
ぜひ、注文していただき、
コロナの時代をどう生きればいいかということを、
知識としてではなく、感覚として味わっていただければと思います。
そして、読んでくれた人の中から霊格の高い人が生まれてくるのが、
コロナウイルスのメッセージのような気がします。

かっこちゃん、心が洗われる素晴らしいご本を世の中に出していただき、
ありがとうございました。

人生100年時代?


 
(引用開始)

2019年8月、僕は「全国高校生サミット」に講師として呼ばれ、
1時間半話をした。
その後の質疑応答で、ある女子高校生からこう問われた。

「人生100年時代がやってくるっておとなたちは言うけど、
高橋さんは10代の自殺者の数、知ってますか?  
まずは、若者たちが絶望して死にたくなる社会を
変えるほうが 先なんじゃないですか?」

彼女の表情は厳しかった。
僕も同じ問題意識を持っていたけれど、
こうして当事者である18歳の高校生から面と向かって問われると、
その言葉はずしりと心にのしかかった。
そして、なんだかおとな代表として責められている気持ちになった。
僕は彼女に言った。

「気持ちはわかる。
でも、おとなのせいにして文句を言っているだけじゃ何も変わらない。
君もまさにその当事者として、
そんな若者たちが死にたくなる社会を変える側に回ってほしい」

そして、最後にある約束をした。

「これは、日本がどこかに置き忘れてきてしまった
〝幸せとは何か〟という重い宿題だと思う。
是非、一緒に考えてほしい。僕も考える。
そして、僕なりの答えを社会に示したいと思う」

(引用終了)

 冒頭から引用で恐縮ですが、新井 和宏、高橋 博之共著
『共感資本社会を生きる――共感が「お金」になる時代の新しい生き方』
(ダイヤモンド社)で著者のおひとりである、
株式会社ポケットマルシェ代表取締役CEOの高橋博之さんの
「あとがき」の冒頭の部分を引用させていただきました。

 本書のもう一人の著者の新井和宏さんは、eumo(ユーモ)という
共感コミュニティ電子地域通貨の会社の代表取締役をされていて、
お二人は共感資本主義の確立を目指しています。
そういうお二人が本書を出そうと思われたのは、
冒頭に引用した高校生の問いかけに応えたいという思いが
強くあったからなのだそうです。

 確かに、おとなは人生100年時代と浮かれたことを言っていて、
逃げ切り世代に属している56歳の私などは、これからの後半生も
楽しく自分らしさを追求しながら生きていけるとい感じています。
しかし、これからおとなになりそれを支えてくれるというか、
支えなければならない高校生たちは、
いま社会が大きく変わらなければ自分たちの人生は
大変なことになるという危機感を強く感じているか、
どうせ何もよくならないとあきらめてしまっている人たちが
多いのかもしれないということを強烈に気が付かされました。

 私の近くにいるおとなたちの答えは、
例えば先週紹介した赤塚高仁さんの
お父さん、日本のことを教えて! 』(自由国民社)であり、
にんげんクラブの活動であり、
最近山本えりさんと3人で食事会をさせてもらうようになった
入佐明美さん(大阪西成区の釜ヶ崎で40年近くケースワーカーを
やってこられた。著書に『ねえちゃん、大事にしいや。
(いのちのことば社)等がある)の生き様だと思います。

 GDP等の統計数字では日本は貧しくなってしまいましたが、
にんげんクラブの皆さまと一緒に活動させていただいていると、
大勢の人たちは大変ながらも何とかたくましく生きているなあと
感心することがあります。
先日、入佐さん、山本さんとの食事会を
あべのハルカスの高層階にあるレストランでさせていただきました。
意識してテーブルを予約したわけではないのですが、
ちょうど眼下に釜ヶ崎が見える窓側の席で
豪華なランチを楽しませていただきました。

 そうすると不思議なもので、その直後に西成に行く機会があり、
また、東京の山谷辺りにあるカフェやうなぎ屋さん
(私のつたない経験ですが、いままで食べた中で
一番美味しいうなぎです。予約はできず、
並ばなければ入れない店なので店名は書きませんが、
調べていただければすぐに分かると思います)にも
時々出入りするようになりました。
そこですれ違う労働者の方たちは、彼らなりの規範に沿って
とても気をつけて生きていらっしゃることが感じられました。
そして、入佐さんがしみじみと話してくれた、
明治生まれのとても博識なインテリの労働者の方の
お話がとても心に残っています。

 ただ、まだまだ高校生たちの魂の叫びに応えられるほどの
答えは見つけていないのも事実だと思います。
ちょうど月曜日にアップした舩井幸雄.comで紹介させて
いただきました、山本さんのZOOMセミナーなどで
しっかりと発信していきたいと思いますし、
経営者の皆さまに向けても、
若者が持っている能力をすべて出せて、
やる気を持って生きていけるような社会ができていく
全員参加型経営の提案をしていき、
私なりのおとなの責任を果たしていきたいと思います。


プーの森


 いよいよ、赤塚高仁さんの『お父さん、日本のことを教えて!
(自由国民社)が発売になりました。
Amazonで注文した分と著者の赤塚さんから献本された分が届き、
赤塚さんの「やまとこころのキャンドルサービス」が
新たなステージに入ったのだなと感慨を新たにしています。

 この本のタイトルにはちょっとした奇跡があります。
発刊を目前に控えて、赤塚さんは出版社から本の帯に掲載する推薦文を、
どなたか大切な方に書いてもらってほしいと頼まれたそうです。
そこで赤塚さんが選んだのがベストセラー『人は死なない
(バジリコ)の矢作直樹先生と、
赤塚さんが最近とても尊敬している三宅マリさん
(日露戦争当時の海軍大臣で後に総理大臣も歴任した山本権兵衛の
玄孫にあたられます。半ば引退していた東郷平八郎元帥を、
「この国難にあたって連合艦隊の司令長官を務められるのは
あなたしかいない」と言って引っ張り出した人。
山本大臣がいなければ日本海大戦の大勝利はなかったかもしれません)。
そして、外交評論家の加瀬英明先生でした。

 矢作先生と三宅さんは、快く推薦文を書いてくださったそうですが、
加瀬先生の事務所に出かけていってお願いしたところ、
「このタイトルでは読者層が偏るので売れない。
題名を変えるのなら推薦文を書こう」とおっしゃったそうです。
そして、本のメインとなるエピソードが
赤塚さんのお嬢さんが高校生の時にアメリカに留学した際、
ホストファミリーや友人たちから日本の建国の歴史について
尋ねられて答えられなかったというものだという話を聞いた加瀬先生が、
『お父さん、日本のことを教えて!』というタイトルを
提案してくださったというのです。

このタイトルを見てアサヒビール元副社長の故・中條高徳先生の
おじいちゃん日本のことを教えて』(致知出版)を
思い出す方もいるのではないでしょうか。
実は、中條先生のベストセラーのタイトルを付けたのも
加瀬先生だったのだそうなのです。

中條先生は陸軍士官学校の出身です。
戦後、アサヒビールに入社されたのですが、スーパードライが
一世を風靡して、長い間低迷していた同社の業績が急回復した時の
営業本部長であり、数々の逸話が残っています。
それと同時に、中條先生は国の将来を憂えている国士でもあり、
多くの人に生き方や国のあり方を説かれていました。

そしてある時、ご両親の仕事の都合でニューヨークの高校に通っていた
先生のお孫さんが、学校で日本とアメリカが戦争したことを知って
衝撃を受け、祖父である中條先生に
「あの戦争で何があったのか」ということを質問してきたのを
きっかけに、二人の間で文通が始まったのです。

 それまでの戦争のことを書いた本は、そのほとんどが
日本の軍部が一方的に悪かったとする偏った内容のものでしたが、
『おじいちゃん戦争のことを教えて』では戦争に至るまでの背景が
丁寧に説明されていて、多くの人が戦前や戦中のことに
真摯に思いを巡らせるきっかけとなった名著です。
いまは小学館文庫にもなっていて気軽に読めますので、
『お父さん、日本のことを教えて!』と合わせて
ぜひお読みいただければと思います。


 赤塚さんが、加瀬先生にどうしても推薦文をいただきたかったのには
理由があります。
赤塚さんが加瀬先生のことを知ったのは、
エッセイを連載してくれている『ザ・フナイ』で特集された
加瀬先生と私の対談を読まれたことがきっかけでした。
その内容に感激された赤塚さんは手に入る加瀬先生の本を
すべて購入されて読まれたそうです。
その中に『ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか』(祥伝社新書)
という本があり、名曲イマジンができた背景には、加瀬先生が
ジョンとオノ・ヨーコさん夫妻を靖国神社や伊勢神宮に
案内したことがあったことを知りました。

 ちなみに、ヨーコさんは加瀬先生の従妹です。
ジョンは加瀬先生と一緒に伊勢神宮に行った時に
「ここはどんな宗教なのか」と聞いたそうです。
加瀬先生は、「ここは宗教ではない。教祖もいないし、
教義や教典もない。森羅万象すべてのものに神性がある」という
日本古来の考え方を話したのですが、なかなか伝わらなかったそうです。

そこで、加瀬先生は「プーの森」のたとえを話したそうです。
「プーの森には上下もなくみんな仲良しだろう。そんな世界なんだ」。
そうすると、ジョンが
「そうか、プーの森には教会がない。
宗教がなければ戦争はなくなるのだ」
とインスピレーションが湧き、イマジンの構想に
つながっていったのだそうです。

 その話をZoomで開催しているオンライン阪根大学
赤塚さんが話したところ、考古学が専門の学長の阪根博さんが、
「どんなに古い古代の遺跡にも必ず祈り場がある」という
お話を返してくれました。
5千年以上前の遺跡からは、身分の上下や戦闘の形跡はほとんど
出てこないそうなのですが、必ずあるのが祈り場という存在なのです。
神道は宗教というよりも純粋な祈りによって
神性とつながるものなのかもしれないということに思いが至り、
とてもステキな気持ちになりました。


 宗教や国境や所有の壁を越えて、
みんなで一緒に祈ることができる。
そんな社会が、現代の豊かで便利な文明と共存できる世界が
来ることを夢見つつ、『お父さん、日本のことを教えて!』を
改めてじっくりと読んでみたいと思っています。


昭和な男


 お盆のお休み期間にミーティングのアポイントがあり、
会社に出社した日があります。
そんな時に珍しく、メシアメジャーのメッセージを取り次いでくれる
村中愛さんから電話がかかってきました。
ミーティングが終了後にコールバックすると、
用件は8月15日の小川雅弘さんの誕生日のことでした。
私欲を超えた小川さんの活動に共鳴している人たちが
小川さんへの誕生日メッセージを集めているのだけれど、
親友の舩井さんからメッセージが来ないので心配している人がいる
という話を、わざわざ知らせてくれたのです。

 村中さん、小川さんのお二人とは、
とても親しくさせていただいています。
先月の末に久しぶりに高知に行って
お二人とお会いする予定だったのですが、
コロナの影響で取りやめざるをえなくなり、
とても残念な気分になっています。
特に、15日に還暦を迎えられた小川さんは、
経営者としての先輩でもあり、
偉大な(本音は無茶ぶりな)父親からのプレッシャーを
乗り越えてきた先達として大尊敬していて、
秘かに小川さんのやり方から学びをいただきながら
経営者業をさせていただいています。

 小川さんと村中さんとのエピソードで忘れられないのは、
2011年に小川さんと当時の小川さんの番頭さん
(とても信頼している右腕という意味です。
小川さんらしいなと思うのは、彼もスピリチュアルな能力に
メチャクチャ優れていました)と3人で
イスラエルに行った時のことです。
実は私のイスラエル初体験は赤塚高仁さん
(21日にいよいよ販売が始まる新刊
お父さん、日本のことを教えて!!』(自由国民社)は
ぜひ買ってくださいね)のツアーではなく、
小川さんとの過酷な個人旅行だったのです。

 イスラエル旅行の直前に、高知で小川さんと二人で
村中さんの個人セッションを受けさせていただきました。
当時の小川さんは、村中さんに大事な相談事があると
喫茶店でモーニングを食べながら話すことが多かったので、
たまたま高知にいた私もそれに同席させていただいたのですが、
とても厳しいメッセージをもらいました。
「二人とも、(偉大な)お父さんの気持ちが
まったく分かっていない」と怒られてしまったのです。

 当時、小川さんのお父さまはすでに亡くなっていて
父はまだ存命だったのですが、
「二人とも親の気持ちも知らないでのんきなものだ」と
怒られました。
さらに、メシアメジャーから見ると
「小川さんの精神年齢は7歳で、私は5歳。
もう少し成長を早めなければいけない」という
きついメッセージもいただいてしまいました。
そして、その時のイスラエル(エジプトにも行きました)旅行は
大変厳しいものになるから覚悟して行くように
という伝言もいただきました。

 確かに、飛行機に預けた荷物が紛失する等
とても厳しい旅でしたが事はそれどころではなく、
小川さんの役割を果たさなければならないという
真面目な行動によって生命の危機(?)まで
感じるような事態にも見舞われました。
詳しくは小川さんの著書
たった今、宇宙銀行の財布の口が開きました』(ヒカルランド)に
詳しいのでそちらをお読みください。
ちなみに、宇宙銀行(メシアメジャーによると
ひとり1兆円の残高があるようです)の暗証番号は
同書ではなく、お二人の共著
プレアデス《メシアメジャー》からの黙示(アポカリプス)メッセージ
(ヒカルランド)に載っていますので、
いまや歴史的な名著となったこの2冊を
ぜひ手に取っていただければと思います。

  

 さて、小川さんへの誕生日メッセージですが、
私は「昭和な男」なのでかなり精神的なハードルを感じます。
「男たるもの、誕生日にメッセージを送り合うのはいかがなものか」
という昭和な感覚がまだ強く残っているのです。

それで思い出すのは、父が晩年、多分2008年の
「舩井幸雄オープンワールド」の時に、フィナーレの講演で、
「母に対してはじめて誕生日プレゼントを買った」ことを
自慢していたことです。
とても、仲のいい両親でしたが、
それでも母に誕生日プレゼントを買ったのは
これ一度きりだったのだと思います。

私は父の影響がとても強いので、それが標準になっています。
その他にも、「早飯、早風呂、早〇〇」がモットーで、
無駄なことに時間は使わないことも徹底していて、
レストランで何を注文するか迷うことなど
あり得ないと思っています。


 そのようなわけで、メッセージカードを送るのには
どうしても抵抗があるのですが、
せっかく村中さんからお電話までいただいたので、
この場を借りて小川さんにお祝いの気持ちを
お伝えしたいと思います。

小川さんは、5年間に及ぶメシアメジャーの
メッセージを伝える活動によって、
おそらく7歳だった精神年齢も目覚ましい成長を遂げられ、
還暦を無事に迎えられたに違いないと思います。
そして、土佐経済同友会の代表理事を務められるような
高知を代表する経営者になられたことで、
お父さまもきっと喜んでおられることと思います。


 小川さんの存在がなければいまの私はないと、
心から尊敬し、また感謝しています。
還暦を迎えられたこと、本当におめでとうございます。
これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。


三度目の洞爺


 サイキック能力に優れている大平啓子さん(ハニエルさん)
親しくさせていただいています。
最近はご無沙汰しているので、ご紹介しても大丈夫かなと思ったのですが、
ホームページを拝見すると、私と一緒にセミナーをしている写真や
六甲山に行った時の写真が載っているので問題ないだろうと思います。

 数年前の話になりますが、一緒にセミナーをさせていただいたり、
戸隠に行くツアーをさせていただいたりしました。
まだ、私が船井本社に来て年月がそれほど経っていなかったころで、
いまにして思えば、当時の私はまだスピリチュアル初心者でした。
だから、ハニエルさんからいろいろ教えていただき
吸収させていただいていたのですが、
そんな中でにんげんクラブのスタッフの人たちと一緒に、
取材を兼ねて洞爺湖にご一緒させていただいたことがあります。

 とても印象的だったのは、洞爺湖のホテルでの取材中に
ハニエルさんが「勝仁社長は宇宙語が話せるはずです」とおっしゃって、
半ば無理やり宇宙語を話したことです。
もちろん意味も分かりませんし、その時が最初で最後の経験
(その後は慎重にそのような状況にならないように気をつけています)
ですが、それだけに大事な経験だったのだと思っています。

 それ以来、洞爺湖というか北海道は、私にとって
少し神聖な場所になりました。
もちろん、札幌の町中が神聖だとは思いませんが、
少なくともヤマトとは違う神さまがいらっしゃるような気がしています。

 そう言えば、2008年のサミットが洞爺湖で開かれています。
福田康夫総理の頃ですが、その後が2016年の伊勢志摩サミットなので、
2000年の沖縄サミットと合わせて、日本のサミットは
神聖な場所で開かれ続けているのかもしれません。

 私も2回目の洞爺は、サミットの会場になった
超高級ホテルに泊まるのが目的で訪れました。
大阪人でケチなので、真冬の値段の安い時期だったのですが、
それだけ荘厳な雰囲気を味わえたので聖地に来たという意味では
よかったのかもしれません。

 そして、その辺りから北海道にご縁ができて、
仕事を含めてよく出かけていくようになりました。
以前はどちらかというと沖縄に出かけることが多かったのですが、
もしかすると日本の気の流れが逆転しようとしているので、
北海道に来ることが多くなっているのかなと思っています。


 そして先日、3回目の洞爺にやってきました。
目的はザ・フナイ8月号で対談させていただいた
道幸龍現先生の「道開きセミナー」に出席するためです。
道幸先生とは最近親しくさせていただくようになったのですが、
今回のセミナーでますますその魅力に引き込まれてしまいました。

今回一番感じたのは、道幸先生はコンサルティングスタイルが
父のそれと大変似ているということ。
考えてみれば、父が活躍したのは日本のコンサルタント業界の
草創期でしたから、まったく新しいコンサルティングの形を
作りあげている道幸先生と共通点があるのは
当然のことなのかもしれません。

 どちらも自分のやりたいコンサルティングをするというよりも
あくまで顧客目線で、クライアントのためになることなら
何でも積極的に取り入れようとしていると感じました。
やはり超一流になるためには、これぐらい顧客目線にならなければ
いけないのだなと、いまさらながらとても勉強になりました。

例えば、道幸先生は積極的に神道、具体的に言えば祝詞を
コンサルティング手法に取り入れているのですが、
失礼ながらご本人はそれほど祝詞を唱えるのに興味があるとは
思えませんでした。
それよりも、その万能の効果をクライアントに伝えたいという思いが
強いのだと感じたのです。

 道幸先生は北海道のご出身なのですが、今回のセミナーを
洞爺で企画したのは、一緒に講師を務められた風水師で
道教の超プロでもある相沢利絵先生が、道幸先生へのセッションで
「約束の地洞爺」とお伝えになったことがきっかけだったと
おっしゃっていました。

私はそんなことは何も知らないのですが、
お二人の先読み対談を聞いていて、この日のセミナーから
確かに日本の磁場が変わっていくのだろうと確信しました。
普段はあまりスピリチュアルな話題は書かないように
これでも気をつけているつもりですが、
今回はちょっと興奮してしまって、書かせていただいています。

 スピリチュアル能力に優れた人と来る洞爺、
次はいつ来られるのか楽しみにしています。
そういえば、今回の旅行にはサイキック能力抜群の
イヤーコーニングの近藤真澄さんがお付き合いくださいました。
このレポートで紹介させていただいているような
レベルの高いサイキックの方には、これからも楽しく
お付き合いをいただきたいと思っています。
思えば、いい時代になったものですね。


みんな大好き陰謀論


 ようやく梅雨が明けました。その途端に今度は猛暑ですが、
今年はそれにコロナ禍が加わって、この暑い中外出するときは
マスクが求められるので大変です。

 コロナのことはいろいろなご意見があって、
個人的にはどれについてもまだ「これが本当だ」と
断定するだけの材料がそろっているとは言えないのではないかと
思っていますが、おかげさまで私自身が健康なこともあり
あまり心配はしていません。
ただ、心配な方のお気持ちもよく分かるので、
最低限、他人に迷惑をかけないようにしたいとは思っています。


 ただ、あまりテレビを見過ぎないようにすることだけは、
おすすめしたいと思います。
テレビの目的は基本的には視聴率を取ることなので、
どうしても問題を煽るというか大げさにとらえる傾向があります。
新型コロナウイルスに関しては、気を付ける必要はありますが
普通のインフルエンザと同様程度でよく、
過度に気にする必要はないのではないかと感じます。
コロナ禍で恐怖を与えればテレビは視聴率が取れます。
それをまともに受けとるのではなく、
しっかりと他の媒体からも情報を取って、
バランスを取りながら自分の意見を持つようにして
いただければと思います。


 ザ・フナイの執筆者のお一人として大人気の船瀬俊介先生の
コロナと5G』(共栄書房)がベストセラーになっています。
早速買って読んでみましたが、船瀬先生らしく思い切って
書きにくいこともひるまずに書いていらっしゃって、
さすがに読み応えがありました。
このようなものの見方があることを最低限
頭に入れて暮らしていくことが、間違いなく社会のあり方が
大きく変わっていく最中にある今の時代には
絶対に必要なことだと思います。

 ただ、ここで大事なことは、船瀬先生の書かれていることを
無批判に受け入れるのではなく、自分できちんと考えて
テレビや新聞などが流している他の情報も消化しながら
自分独自の意見を作りあげていくことです。

 真実を外に求める時代はコロナ禍を境に終わっていくのでは
ないでしょうか。ウイズコロナ、アフターコロナの時代は、
必要な情報の収集は大事ですがそれをしっかりと自分の中に
取り入れて、自分の内にある真実を見つけていくことに
挑戦していくことが必要不可欠です。
そして、その内なる真実が他のそれと調和していくことで、
我々の集合無意識を作りあげていくのです。
これからは、その過程を実感していけるようになりたいと
思っています。


 船瀬先生の本を読んだ後には、例えば、内藤陽介著
みんな大好き陰謀論 ダマされやすい人のためのリテラシー入門
(ビジネス社)を読んでみるのがよいと思います。
船瀬先生の伝えていることをしっかりと自分の意見にするためには、
船瀬先生の意見に頭から否定的な人に対して
どのように説明していけばいいだらろうかということを、
具体的に自分が情報を伝えたい相手を想定して
考えてみればいいと思います。
そのためには、マスコミからしか情報を取っていない人の
気持ちになってみることも大事です。


 まず考えられることは、マスコミが言わないようなマイナーな
情報を流している人は、最初から戦う姿勢、簡単に言うと
ファイティングポーズを取っていることが多いように思います。
一般に受け入れられない意見を言うのですから当然ではあるの
ですが、けんか腰の意見をそのまま伝えても一般の方には
驚かれるばかりでしょうし、何より真剣が過ぎて周りと対立して
しまうと、社会生活を送る上で問題が生じかねません。
だからまずは、それを戦うことなく伝えていくように
自分の言葉に翻訳する必要があるのです。


 どうしても過激な意見になりがちな諸先生方の見方を
マイルドなものにするために、本書はとても参考になるというか、
冷静になることのできるとてもいい本だと思います。
学者になるわけではないので、厳密に反証ができるようなものを
整える必要まではないと思いますが、それでも意見が違う人の話も
聞けるだけの準備をしておくことは大事なことで、
同じ土俵に立てるような準備は必要だと思うのです。
そう考えると、冷静になるために必要な情報がたくさん
載っている本書は最適な本のひとつだと思います。


 にんげんクラブに関わっている私たちは、時代を変革する
先頭ランナーであるように感じる事が多くなりました。
誰かの歩いた道をついて行くのは比較的楽ですが、
自ら道を切り拓くのは大変です。
でも、いま私たちが道を切り拓くと、私たちの子孫たちは
とてもすばらしい理想郷に生きることができるのだと
私は確信しています。
もちろん、私たちががんばらなくても理想郷には
必然的になってしまうのだと思いますが、
このまま天に任せていると、大難を伴う大変な変革と
なってしまいそうです。

 しかし、人間が自ら切り拓く覚悟をもって変革にあたれば、
大難が小難になっていくのではないかという仮説を
私は持っています。
そしてそれが、父がにんげんクラブの皆さまと
やりたかったことだと確信しています。

 先頭ランナーはしんどい割にはあまりいいことがないものですが、
それでも皆さんはそれを選んでいる、
だからこのブログを読んでいるのだろうと思います。
大変なお役目、ご苦労様です。
一緒にがんばっていきたいと思っていますので、
よろしくお願いしたします。


ジョーカー


 せっかくの4連休でしたが、コロナの感染拡大を受けて活動を自粛され、
ステイホームで過ごされた方も多かったのではないでしょうか。

 私自身はあまり気にすることなく、4連休中にも2本の講演をさせて
いただきました。村松祐羽さんとの性に関するセミナーと赤塚高仁さん
との聖書塾です。聖書塾では赤塚さんがイスラエルにいるときのように
Wi-Fiをつなげるためにルーターになるのが私の役割なのですが、前日の
祐羽さんとの性の話がまだ強く残っていたので、その話をさせていた
だきました。

 女と男は、例えば脳の構造やホルモンの分泌等を分析してみると、
実はまったく違うように作られています。それをお互いに知らないために
必要でない夫婦喧嘩がどれほど無駄に繰り返されてきたのかを考えると、
できればこのセミナーを30年前にやりたかったと思いました。でも、
人生に無駄はないのですから、その30年間に実地に感情のぶつかり合いを
したことによって達している境地もあるのだと、前向きにとらえていき
たいと思います。

 ただ、このレポートを読んでいただいている皆さまには、無駄なことを
繰り返さないためにも、まずは比較的簡単に読める本、例えば橘玲著
女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)あたりを読んでいただ
ければと思います。そして、そのことによって男性社会が続く中で封じ
込められてきた女性性が、男性と同じことができるようになるという意味
ではなく、本来の意味で開花するようになると、世の中の進歩、進化は
格段に然るべき方向に向かい始めるのではないかと思っています。

 とはいえ、女性が男性の真似をせざるを得なかったことにも意味は
あって、1990年ぐらいまでは一流の科学者の大半は男性でした。だから、
女性は男性の小型版かはっきり書いてしまえば、少し劣ったものという
認識だったのです。

 でも、女性科学者が脳科学や医学、それに進化生物学などの分野で
活躍するようになってきて、例えばダーウィンが唱えた進化論の中で、
自然選択説はすっと受け入れられたのですが、もう一つの根幹をなす
性選択説は女性蔑視の風潮の中ではほとんど受け入れられませんでした。

 簡単に言うと、鳥類の進化の研究などをしていると、メスが性選択の
主導権を握っており、その結果、鳥類の97%では男性器が消失するよう
に進化しています。つまり性選択説を研究してしまうと、自然界では
メスが優位であることが分かってしまうので封印されてきたのですが、
それがいまドンドン表に出てきているのです。これは、リスクを取って
男性社会に飛び込んでくれた女性科学者たちの成果と言えるのだと思い
ます。

 大事な何かを感じとることに優れている女性性的な能力に長けている
赤塚さんは、私の話に影響されてか、聖書の中に出てくる例えば、
アダムとイブの話に隠れている性的な本当の話をしてくれました。
とてもおもしろい内容ですし、こんな話は二度としないとおっしゃって
いたので、ぜひDVDになったらお買い求めいただいて観ていただければ
と思います。


 そのような深く濃い講演会以外の連休中は、家にいて専ら原稿を書いて
過ごしました。私の場合、講演や原稿を書くためにいろいろ調べることで
世の中の流れが分かってくるのですが、いまの世の中の流れは理解が
深まってくるとあまり楽しい気分になれるものではありません。
少なくとも、いまのところ日本においてはコロナ禍の健康や命に関する
部分ではあまり心配することはないと思いますが、これからの世界情勢を
考えると悲観的にならざるを得ないように感じる事が増えています。

 そのせいか、実は最近あまりよく眠れなくなってきました。それなのに、
ケーブルテレビで放映されていた昨年のヒット映画「ジョーカー」
録画しておいてもらったものを原稿を書き終えてホッとした月曜日の夜に
観てしまいました。いまでは隔世の感がありますが、日本は飛ぶ鳥を
落とす勢いであり、その逆にアメリカの景気がとても悪くなっていた
1980年代初頭のニューヨークが暗に舞台として設定されています。
バットマンの最強の敵ジョーカーが生まれてくる序章のような映画なの
ですが、ダークな迫力満点のすばらしい出来でした。

 でも、観終わってから心配になったのは、ますます眠れなくなること。
軽くメールをチェックしたり本田健さんのユーチューブを倍速
(若い友人から教えてもらいましたが、早送りで見た方が確実に理解が
深まります)でチェックするなどしてから布団に入ったのですが、
不思議なことにあっという間に眠ってしまいました。健さんが癒して
くれたのかもしれませんが、内容としてはかなりシビアなものだった
ので、おそらくジョーカーの刺激がかえって深い睡眠を誘ったのだと
思います。


 とても敏感な感性を持たれていて最近あまり眠れないという方には、
責任は持てませんが、ホラー映画を観るといったある意味ショック療法を
受けた方がいいのかもしれません。少なくとも、結構単純にできている
私にとってはいい解決方法だったと思います。

 「ジョーカー」はとても評判が高く、実はロードショーの時に映画館の
予約までしたのですが、急な仕事が入って断念した経緯があります。
そういう意味では質の高い怖い映画がおすすめだと思います。


いのちがセクシーでありなさい


 週末は広島県呉市に行ってきました。親しくしていただいている呉市
市民活動公益団体「樹の音会」の久村寿美代表と仲間たちが映画
「みとりし」の上映会を開催してくれることになり、映画の上映前に
一般社団法人「日本看取り士会」の柴田久美子代表と私が対談させて
いただいたのです。

呉資料館200722.jpg  


みとりし対談200722.jpg

 映画「みとりし」は、すべての日本人にぜひとも観ていただきたい
映画です。コロナ禍によって私たちは、漠然と生きていくのではなく
死をいつも意識しながら、しっかりとした死生観を持って生活して
いくことを求められるようになってきたのではないでしょうか。
老若男女、貧しい人もお金持ちも等しく脅威にさらされる危機の中で、
日ごろから死についてしっかり考えていることが、この時代を上手く
生きるための必要条件になってきたように感じます。

 実は私たちは、コロナ禍に関係なくいつ死ぬか分からない状況で
生きています。そして、だからこそ精一杯いまここを生きることが
大事なのですが、死を怖いもの見たくないものとして避けていては、
上手く生きていくことも難しくなります。最近私は「死を絶えず覚悟
して生きる」ということは、日本人が誰から教えられなくても自然と
身につけている武士道の精神につながるものだと思うようになりました。
いまは幸い、愛する人を守るために命をかけるような状況はほとんど
ありませんが、だからこそ、死生観が大事なのだと思うようになったの
です。

 武士道は、平和な時代が長く続いた江戸時代に完成しました。本来は
戦うことが職務である武士が戦いのない世の中の支配階級で居続ける
ためには、それだけ高い倫理観が求められて、それに応えるかたちで
醸成されていったものが武士道なのではないでしょうか。吉田松陰や
坂本竜馬、それに西郷隆盛などの幕末の英雄たちが死を恐れることなく
行動できたのはしっかりとした死生観を持っていたからであり、だから
こそあれほど圧倒的に不利な状況下でも日本が植民地になることを防ぐ
ことができたのだと思います。

 そして、戦いを日常としていない女性たちは、それを「お天道様が
見ている」という概念に置き換えて子どもたちの教育をしたのだと思い
ます。だから、意識しているかどうかは別にして、武士ではなくとも
戦前までの日本人の中には等しく武士道が息づいていました。戦後の
教育でそれを骨抜きにしようとされてきたのですが、どうも、この
武士道の復活、つまり死生観を正しく持つことが日本復活の鍵を握る
のではないかと確信するようになってきました。

 映画の上映会の翌日は、株式会社IHIとジャパンマリンユナイテッド
株式会社が共同で使用、管理している昔の呉の海軍工廠の見学を特別に
させていただきました。戦艦大和を建造した場所に立ち、いまでも大型
タンカー等を建造している現場で歴史を教えていただきました。また、
どこかでまとまった文章にさせていただこうと思っていますが、戦後の
日本の産業の復興はこの地から始まったことが感じられる、とても
貴重な経験をさせていただきました。

 ちょっと蛇足になりますが、海軍工廠が民間の造船所になった後も、
日本の産業の復興を担った人たちは、武士道の精神で命を懸けて日本が
重工業国家として立ち直るために懸命に働かれたことがよく分かります。
大正の終わりに建てられてもうすぐ100年になろうという呉資料館を見学
させていただいていて、やはり昭和の時代の製造業は命を懸けなければ
できない仕事だったことが強く感じられました。本当にいまの日本を
作ってくださった先達には、いくら感謝しても感謝しきれるものではない
ということを感じます。


 ところで、先週もご紹介させていただきましたが、村松祐羽さんと私の
「生命科学として学ぶ男女の性」 の講演会がいよいよ7月24日(金・祝)
に迫ってきました。会場はすでに満席になっているようですがZOOMなら
まだご参加いただけるようです。「お天道様が見ている」という倫理観で
生きてきた女性性が、本当の意味で解放されるために絶対に必要な大事な
ことをお伝えします。必要な人にしか伝えてはいけない大事な情報ですが、
これを読んでいただいている皆さまの中にはそんな人が必ずいると思い
ますので、重ねてご案内させていただきます。

 祐羽さんの電子書籍『いのちがセクシーでありなさい』(UTSUWA出版)
が出版され、しばらくAMAZONの部門一位になっていました。女性性が
どうしたら解放されるかがとても分かりやすく書かれていますので、
そちらもぜひお読みいただければと思います。武士道は表面的には廃れて
しまいましたが、そんな中で実は長らく閉じ込められてきたステキな
女性性が解放されようとしていることは、すばらしいことだと思います。

 男性中心の時代の中で、その解放に命を懸けて取り組んでこられた
村松祐羽さんをぜひ紹介させていただきたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。

生涯現役


 週末は久しぶりに北海道に行ってきました。赤塚高仁さんの聖書塾の
ゲストとして呼んでいただいたのですが、翌日曜日には村松祐羽さんと
7月24日(金・祝)に東京で開催される「生命科学として学ぶ男女の性」
の説明会のようなお話し会をさせていただきました。

 祐羽さんは1980年代から父と一緒に精神世界の探求を続けてきた
同志です。私は大学生の時に、父からホームステイをしてくるようにと
村松さんの家に放り込まれて、その時にほとんどはじめて
スピリチュアルな世界に触れた経験があります。


 祐羽さんはステキな女性ですが、行動や考え方はとても男前です。
だから、何十年も本当に気軽に、それこそゲラゲラ笑いながらお付き
合いをさせていただいています。父と精神世界の探求を続けていた
村松さんがたどり着いた深淵なる世界は「性」です。私は10年ぐらい
前にその一端にはじめて触れさせていただいたのですが、これほど
強力なアセンション(次元上昇)の方法はないとすぐに確信しました。


 最近、私は物理学を土台にしてアセンションのことを講演させて
いただくようになりました。そこでよく話させていただくのは、
昭和の時代にアセンションする方法はバカを治すのと同様に死ぬしか
なかったということです。この話の元ネタはルン・ルの会で植原紘治
先生から教えていただきました。ルン・ルでは速読を学ぶのですが、
最近は本を使いません。それどころかただ寝ているだけです。昔は
椅子に座って行っていたそうですが、完璧に速読ができると体重が
重くなって椅子が壊れてしまったことがあり、横になって行うように
なったそうです。

 本当に物理的に体重が増えるのかどうかは分かりませんが、究極の
瞑想(マインドフルネス)状態になると死の境地に達することができる
ようです。これは物理学者の保江邦夫先生から教えてもらったことなの
ですが、理系の学生にとってとても割のいいバイトとして、医学部で
解剖実験を行うための死体のホルマリン漬けを手伝うというものがある
のですが、みんな一晩で辞めてしまうのだそうです。死体が気持ち悪い
からだろうと思うのですが、大半の理系の学生はそんなことは平気で、
死体が重すぎて続けられないというのです。

 サービス精神旺盛(?)な保江先生のことなのでどこまで本当か
分かりませんが、生きている時に比べると死体が重く感じられるのは
本当のようで、ルン・ルで本当の悟りの境地に達すると臨死体験と
同じ状態になり、そうなると横になっていないと危ないので最初から
寝ているというのが真相のようなのです。


 話を元に戻すと、昭和の時代には、死ぬか死んだ方がましという
くらいの疑似死体験をしなければアセンションすることができません
でした。当時の中小企業の金融環境はいまよりも格段に厳しかった
ので、社長さんたちは生涯で平均3回ぐらいは死んだ方がましな目に
遭っていたと父がよく話していました。だから、昭和の経営者は父も
含めてほとんど化け物のような大物が大勢いたのだと思います。

 残念ながらいまの時代は、死んだ方がましだというような体験を
することは難しくなりました。でも、祐羽さんが説く性の世界は
それに負けずとも劣らない体験ができて、意識していれば
アセンションを簡単にクリアできるのです。

 赤塚さんの聖書塾では、現状の政治経済の世界をとても男性的に
語らせていただいたのですが、祐羽さんとのお話し会では女性的な
話をスピリチュアルな話題をふんだんに入れてお話しさせていただき
ました。完全に祐羽さんペースでたじたじになりましたが、7月24日も
かなり本質的な講演会になると思います。ZOOMならまだ残席がある
ようなので、よろしければお聞きいただければと思います。


 ところで、今回の北海道行きはいつも使う航空会社が減便をしている
関係なのかかなり運賃が割高だったので、久しぶりにスカイマークを
使わせていただきました。面白かったのは、週末ということもあるの
かもしれませんが、ビジネスマンがほとんどおらず、若い方が多かった
ことです。聖書塾のコアなメンバーと行った土曜日の夜のすすきのも
若い人でとてもにぎわっていました。インバウンド需要は壊滅的ですが、
若者を引き付ける札幌や北海道の魅力を大事にすると意外に北海道は
強いのかなと思わせてくれました。

 スカイマークを使ったのにはもう一つ理由があって、1990年代の
初頭にニューヨークにいた時に、同社の佐山展生会長に大変お世話に
なった思い出があるからです。佐山会長は銀行に勤務されていましたが
当時からM&Aの第一人者でいらっしゃって、その後投資ファンドなどを
経営され、スカイマークが破たんした時に投資をされて同社の代表取
締役会長に就任されました。経済誌などでスカイマークの経営に関わる
姿勢などの発信を時々読ませていただいて、とても気になっていたの
です。

 2017年の本ですが、プロ野球で50歳まで現役を続けられた200勝
投手の山本昌氏と佐山会長の対談本『生涯現役論』(新潮新書)を
楽しく読ませていただきました。コロナ禍の影響で航空会社の経営は
苦しいに決まっていますが、乗せていただいた感想で言うと大手航空
会社の方が悲壮感にあふれていて、それに比べると意外にがんばって
いるように感じました。その理由が本書を読ませていただいて少し
分かったように思います。経営者をはじめビジネスパーソンには
とても参考になると思いますので、ぜひお読みいただきたいと思います。

本物とは


 外出自粛期間中は、高齢の母にウイルスを持っていくことになっては
困ると思って、熱海の実家というか舩井幸雄記念館にしばらく出かけま
せんでした。ちょうど都道府県をまたいでの外出自粛が解除された翌日に、
舩井幸雄記念館の4周年記念映画上映会兼講演会が開催されたので、
それで久しぶりに熱海に出かけ、短い間でもう一度先週末に熱海に行く
機会がありました。

 外出自粛が解除された当初は熱海にも人手が戻ってきていましたが、
東京の感染者数がまた増えてきたからなのか、それとも雨が降っていた
からなのか、この週末は静かな熱海でした。ただ、ありがたいことに
舩井幸雄記念館には何組かのお客様がご来館くださり、私もいろいろ
お話しさせていただいたりして、未だに父のことを慕ってくださって
いる方がこんなにいらっしゃることをしみじみありがたく思いました。

 私は金曜日に2組のお客様をご案内して、土曜日は熱海の副島隆彦
先生
『ザ・フナイ』の巻頭対談をさせていただくために午前中に
熱海のご自宅を訪問することになっていたので、熱海の旅館に泊まら
せていただきました。お客様との会食が終わって22時前にチェック
インをしていると後ろから「舩井さん」と声をかけられました。

 10年近く前によくお会いしていた若い友人で、私ははじめて泊まった
その旅館をほとんど自宅のように使っているらしく平均月に20泊近く
しているということで、先方からすると私の方が彼の自宅に飛び込んで
きたような感覚だったようです。せっかくなので、部屋で軽く缶酎ハイ
でも飲みながら話をしようということになって、昔話に花が咲きました。
とても頭がいい友人で話していても飽きないので、あっという間に
時間が過ぎていきました。

 話題の中心は彼の専門分野についてだったのですが、私がその業界の
ことを結構学んでいた10年前とは明らかに様相が変わってきている
ことを教えてくれました。年配の感覚ではついていけないぐらい若い
力が台頭してきていて、熱海の旅館を自宅代わりにつかってしまうよう
な変わった感覚が要求されるようになったようです。ほとんど彼の話を
聞いていたのですが、少しだけ私が会食をご一緒させていただいた
VIPのことを話した時に、「その人は本当にすごい本物の人なんだ」、
と話すと、友人はすかさず、「本物ってどういうことなんですか」と
いう鋭い突っ込みを入れてきました。

 私は父の影響もあり気楽に「本物」という言葉を使います。父は
本物商品の定義のようなことも話していますが、この話題では本物
商品について話していたわけではないので、本物の人というのには
あてはまらないと思います。何しろ頭がいい友人なので、いい加減な
ことでは許してくれないような気がして、本気になって考えました。
そして、出てきた答えは、「本物の人は嘘をつかない」ということ
でした。

 他人に嘘をつかないのは比較的簡単にできますが、難しいのは自分に
嘘をつかないというか自分をごまかさない、そして見たくない部分も
含めて自分をしっかり俯瞰して観察することです。それができている
人が本物の人だと思います。これには、彼も納得してくれたようです。
彼の業界はある意味、ルールが明確になっていて嘘が通用しない世界
でもあるので、理解してくれたのだと思います。

 私がまだとてもこの域には到達していないのはもちろんのこと、
他人に平気で嘘をついている人は論外ですが、自分に嘘をつかずに
生きている人はまだそれほど多くないのではないでしょうか。
本物の人になるということが私なりに明らかになったのはとても
嬉しいことで、新しい目標ができました。最近、講演させていただく
機会が多くなっている次元論でより高次元に行くには、本物の人に
なればいいのだということが分かりました。そして、そのためには
感情に振り回されている生き方をしているとしんどくなるので、
感情解放をやっぱりやらないといけないなと改めて感じました。

 世間や社会に対して絶対に嘘をつかないことをモットーにしている
副島先生は自分にも大変厳しい人で、本物の人であることは間違い
ありません。そう考えると父が超プロと言って大切にしてきた人には
本物の人が多かったということがよく分かります。嘘も方便という
言葉がありますが、確かに3次元世界で上手く生きていくためには
必要なことだったようにも思います。ただ、これからは本物にならな
ければ次元上昇についていけなくなるように感じています。

 インタビューさせていただいた内容は11月のアメリカの大統領選挙に
ついて。その直前に発売になる号に掲載させていただく予定です。
4年前のトランプ大統領の誕生を見事に予言した副島先生の意見を
改めてじっくり聞かせていただきました。副島先生しか論じていない
驚愕の事実もうかがうことができ、身震いするほどの感動を覚えました。
父が残してくれた、本物の先生たちの話を聞かせていただけることの
ありがたさをしみじみ感じています。本物の人に多く触れることも
自分が本物になるための有効な手段だと思います。
ぜひ、副島先生の著書をお読みいただき、
その本物性にふれていただければと思います。

普通のメシア


 すばらしい能力を持った友人に恵まれていてインスパイアされるのと、
多少は舩井の血筋も関係するのかもしれませんが、いわゆる「気」が
良い場所を感じることがあります。神社等は、いい悪いまでは分かりま
せんが、強い気の力を持っていることが多いと感じます。「いい悪い」
というのは、神社のせいではなくて、自分のレベルより強く荒い気を
感じるとやられるというか、ちょっと調子が狂ってしまうことがあるの
です。

 荒い気がまったく大丈夫な強い人もいて、典型的なのは小川雅弘さん
です。ある東北地方の知る人ぞ知る神社に連れて行ってもらったことが
あります。当時の私にとっては強すぎる気だったのでしばらく調子が
悪くなったのですが、小川さんはまったく平気でした。後日談ですが、
おかげさまで私もずいぶん厚かましい人間になったので、いまでは
その神社はお気に入りで東北に出かけて時間があるときは必ず寄らせ
ていただくほど大好きな場所になりました。

 一方で、強い気であるにも関わらず万人にとって気持ちのいい聖地も
あります。代表的なのは伊勢神宮だと思います。4月の初旬、まだ緊急
事態宣言が出る前にお参りをさせていただきました。それほど強い
動機があったわけではありませんが、人類が危機を迎えているいま、
祈りを捧げさせていただけたのは有り難いことだったと思います。
まだまだ油断はできませんが、旅行することが社会的な迷惑となら
なくなった時に、改めて御礼にうかがわせていただきたいと思って
います。

 伊勢神宮と同じぐらいすばらしい気を持っているのが、イスラエルの
エルサレムにある黄金のドームだと個人的には思っています。知恵に
優れていたソロモン王が神殿を築いた場所で、一度破壊された後に
イエス・キリストが生きていた時代に再建され、新約聖書にもこの
場所でのエピソードが頻繁に登場します。その後イスラエルは
パレスチナ地方として長い間イスラム諸国が統治していたので、
いまはイスラム教徒にとって3番目に大事な聖地として厚い信仰の
対象になっています。

 この場所は現在、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教に
とっての大事な聖地ということで紛争の種になってしまっています。
ユダヤ教徒が祈りをささげる嘆きの壁は神殿の名残りがいまでも
残っているものですが、その壁の向こうに黄金のドームがあります。
嘆きの壁に入るのもセキュリティチェックを受ける必要がありますが、
黄金のドームに入るためのチェックは本当に厳重で、時には
セキュリティチェックを通るだけで1時間以上かかることもあるぐらい
です。

 そして、少しでもイスラム教以外の宗教に関するそぶりを見せると、
イスラム教の宗教者が飛んできて、文字通りつまみ出されてしまいます。
何年か前のツアーで感受性の高い女性があまりの気の良さに思わず手を
合わせたことがありました。それが見とがめられてしまって、本当に
つまみ出されてしまうという貴重な体験もさせていただきました。

 そんな黄金のドームには多くの門(ゲート)があるのですが、
ひとつだけ封鎖されている東の門(ゴールデンゲート)があります。
イスラム教徒やユダヤ教徒はこの門を通ってメシア(救世主)が復活
することを信じているのです。前述の小川さんと最初にエルサレムを
訪れたとき、小川さんはこの門をスピリチュアル的に開けるという
ミッションを持っていました。不思議な体験でしたが、その後
エルサレムを訪れた時には、ゴールデンゲートの真正面にある
ゲッセマネの園からこの門を見るのをいつも楽しみにしています。

 都道府県をまたいでの移動の自粛が解禁された翌日、熱海の
舩井幸雄記念館で映画「1/4の奇跡 本当のことだから」と、
主演の山元加津子さん(かっこちゃん)の講演会を開催させて
いただきました。映画には赤塚高仁さんをはじめ友人が多数出演
しているのですが、みんな若いのが印象的でした。そして、修養団の
伊勢道場長でいらした故・中山靖雄先生も出演されていて、
「山元さんのような人が千人いたらいい世の中がやってくる」と
予言(?)されていたのがとても心に残りました。

 今回の危機にあたってイエス・キリストやお釈迦様のような分かり
やすいメシアは現れないのだと私は思っています。そうではなく、
一人ひとりが自分の内側に聖なるメシアを探し求めて、それを感じる
ことができるようになったとき、人類の集合無意識としてのメシアが
出現するのだと思っています。そしていま、それを導くための
私たちと同じ普通の人間として生きながら、本当のことを知り、先を
歩いてくれている導き手がいて、そのお一人がかっこちゃんなのだと
いうことが確信できたような気がしています。

 久しぶりに中山先生の名著『すべては今のためにあったこと
(海竜社)を読み直してみたくなりました。そして、実は友人の中に
たくさんいそうな普通のメシアを探してみながら、私の中にいる
聖なるメシア的な力にふれられるように精進したいと思っています。

不思議の国


 先週、ほぼ3カ月ぶりに大阪に出張しました。行きは飛行機で帰りは
新幹線を利用させていただいたのですが、それぞれのコロナ対策の
違いが面白かったので、そこを深掘りしてみたいと思います。

 飛行機は搭乗方法が大きく変わりました。荷物検査の前に体温
チェックがあって、搭乗の順番も変わりました。飲み物のサービスは
紙パック入りのお茶だけになり、それも手渡してくれるのではなく
自分で取るスタイルです。グラウンドスタッフや客室乗務員の方との
接触を避けるために、自分でできることはなるべく搭乗者自身で
するようになっているのです。機内誌も希望すればいただけるよう
ですが、ちょっと気楽に頼める雰囲気ではありませんし、機内販売も
中止になっていました。

 一方の新幹線は、マスクを着用することや政府からのお願いを
アナウンスしていましたが、乗車方法については基本的には従来通り
何も変わりありませんでした。車内販売も回ってきますし、車掌や
警備員もマスクはされていますが、以前と同じように車内を巡回して
います。グリーン車に乗せていただいたのですが、サービスの雑誌も
同じように座席においてありますし、飛行機ではなくなっていた
毛布のサービスもグリーン車だけで自分で取る形式ですが変わって
いませんでした。

 同じ移動手段であるにもかかわらず、このようにまったく違う対応に
なるのはなぜでしょうか。それは、飛行機は世界標準の乗り物で、
国際的なコロナ対策の指針があるからなのかもしれません。ちょっと
滑稽に感じたのは、おそらく外国人が乗っていないからだと思うのです
が、非常時の案内や搭乗時のアナウンスは英語でも話していましたが、
途中から日本語だけになりました。また、欠航便を増やし飛行機の
サイズを小さなものにしているのでほぼ満席での運行なのに、乗り
降りの時はソーシャルディスタンスを取るようにとアナウンスしていて、
どうにも矛盾を感じてしまいました。

 まあ、静かに座っているぶんには飛沫は飛びませんが、大きな荷物を
持って歩くと息遣いが荒くなるということに配慮しているのかもしれま
せんが、明らかに飛行機会社の都合を優先しています。航空会社の
スタッフはそれでもお客様の立場に寄り添おうと努力しているのが感じ
られますが、世界標準の圧力がかかってきていて、努力すればするほど
滑稽な矛盾が感じられてしまう皮肉な世界です。

 それに比べて、高速鉄道は日本発祥のものであり、しかも線路が
必要なので日本独自の仕様が可能です。インバウンドのお客様が増えた
最近でこそ、簡単な英語のアナウンスが入るようになりましたが、それ
以前はテープで必要最低限の英語の案内はありましたが、車掌さんは
完全に日本語の案内だけだったのが象徴的だと思います。こちらの方が
優れているというよりは、日本は世界標準の範疇にない、かなり
不思議な国なのだということがこのエピソードからも分かるような気が
します。

 都道府県をまたぐ移動が解禁になって初めての週末、東京の繁華街は
かなりにぎやかになったようです。熱海の舩井幸雄記念館でも
イベントを開催させていただいたので、私も久しぶりに熱海に出かけた
のですが、こちらも賑わいが徐々に戻ってきているのを感じました。

 日本でニュースを見ていると、世界各国でも外出制限が緩和されて
きていることが報じられていますが、海外の場合は外出制限を緩和し
なければ生活ができない、コロナ対策で命を守ることよりも経済優先に
せざるを得ないという切羽詰まった事情であるというのが本当の所だと
思います。一方、熱海の帰りに東京の繁華街で遊んでいる若い人たちの
顔を観察していると、心の底から楽しんでいるように感じられました。

 その昔、『日本人とユダヤ人』、『不思議の国ニッポン』(角川文庫)
という日本在住の外国人が書いたということになっているベストセラー
がありました。実は、両書とも日本人が書いたものですが、これだけ
日本人が海外に出かけていくようになりインバウンドの旅行客が増え
ても、日本が世界の中で飛びぬけて不思議な国であることは何も
変わっていないことがコロナ対策にも表れているのは、やっぱり
不思議です。

 不思議なことのいい面はしっかり伸ばしていくことが大切なので、
清潔好きであることや、発酵食品を好んで食べること、それに空気を
読んで他人に迷惑をかけないように最大限努力すること等はこれからも
積極的にやっていけばよいのだと思います。ただ、日本人が世界標準で
見るとかなり変わっているということはちゃんと頭の隅に置いておいて、
外国人になりすました日本人しか書けないぐらい変わっているのだと
いうことも理解しようという努力はした方がいいように思います。

 不思議な日本人の一人である私は、これからは新幹線で行けるところは
多分新幹線を使うようになると思います。やっぱり日本的なサービスは
心地いいですから。航空機会社も修正はしてくると思いますし、できれば
日本流のいい部分を輸出していただいて外国の航空会社も取り入れて
くれるようになればいいと思いますが、それは多分私の生きている間は
無理だろうなあと思います。やっぱり不思議の国ですね。

雑感


 今週ぐらいあたりから日常生活(ほぼ毎日会食があって、毎週出張に
行く)に戻っていく感じですが、いまのところまだ自粛の余波が続いて
いて、このレポートのネタがありません。仕方がないので今回は雑感を
書かせていただきたいと思います。

 中国の北京では44人の新たな感染者が出て、市政府は「非常時に
入った」と宣言しました。それに比べて東京は14日(日)に判明した
感染者数が47人だったのですが、自粛要請の全面解除の方針は変えない
ということです。小池都知事としては自粛要請をしたままでは都知事
選挙を戦えないということなのかもしれませんが、取り沙汰されている
学歴詐称問題はエジプト大使館がカイロ大学を卒業していることを証明
したらしいのでこれは何とか乗り越えられるし、常識的に考えて小池
知事の再選はゆるぎないと思います。ただし、4年前にトランプ大統領の
当選は常識的に考えてありえないと公言した前科があるので、非常識が
起こらないとは限りませんが(笑)。

 まあ、感染の大半が歌舞伎町のホストクラブ関係者だということで
クラスターが追えているから大丈夫だということなのでしょうが、小池
知事は大衆にどうしたら受けるかばかり考えていらっしゃって、逆に
それが透けて見えるといやらしさを感じてしまいます。緊急事態宣言の
発出を政府に迫っていた3月下旬ごろの発言を聞いていて私が感じたのは、
この人はまだ総理大臣になるのをあきらめていないなということでした。
どこか、ヒラリー・クリントン元国務長官に似ている気もします。

 自粛ムードで季節の変化を忘れていましたが、いつの間にか北海道を
除いた日本列島は梅雨入りしました。今日(15日(月)の朝に自宅で
原稿を書いています)の東京は梅雨の晴れ間でかなり暑くなりそうです。
自宅で過ごすことが多くなって気が付いたのは、東京の都心に住んでいる
にもかかわらず、書斎からの景色が緑に恵まれていることです。
「イヤーコーニング」の近藤真澄さんは、緑が見える所でないと困ると
いう基準で東京の拠点を探したという話をされていましたが、コロナ禍の
おかげで私もそのありがたさがようやく分かるようになったようです。

 「イヤーコーニング」については近藤さんの同名の著書をぜひお読み
ください。エッセイというか彼女の半生を綴った読み物としてみても
大変読み応えがあります。どうも、いまは本質的なものに触れていく
ことが求められている時代ですが、イヤーコーニングがそのひとつの
方法であることは間違いないと思います。ありがたいのは私の身の回り
にはそのようなものがあふれていることです。ただ、ツールとして使う
のはいいのですが、頼り過ぎることなく自分の力で本質を見つける覚悟を
しっかりと持つということがとても大切だと思います。

 この週末は『ザ・フナイ』の原稿(8月上旬発売の9月号)を書くのに
全神経を集中していて、正直に書くと、それで脱力してしまって今日の
原稿が「雑感」というタイトルになっています。その『ザ・フナイ』の
原稿の中で父が昭和54(1979)年に出した『包みこみの発想
(ビジネス社)を紹介しているのですが、ちょっとびっくりしたのは
同書で父が糸川英夫先生のことを紹介していることです。糸川先生は
盟友赤塚高仁さんの師匠ですが、父の代表作に紹介されていることを
まったく気づかずにいました。これに気が付いたのもコロナ禍のおかげ
だということになるのかもしれません。

 先週の金曜日は近藤さんにイヤーコーニングの施術をしていただいた
のですが、それで感じたことがあります。ちょうど4年前に大阪で彼女に
イヤーコーニングをしてもらった時からの課題が、ちょうどそのイヤー
コーニングで終了したということです。これは私だけの感覚なので
うまく説明できませんが、確信に近いものがあります。そして、第二幕に
移行したのだということも感じました。もしかすると、このレポートを
読んでくれている皆さまにも同じようなパラダイムシフトが起こって
いるのではないでしょうか。

 そんな変化を拒むのではなく、それに素直に従っていくことが大事
なのだと感じます。常識的に考えると、とてもそんなことはできないと
いうことがやってくることもあると思いますが、それが説明はできなく
ても確信に近いものであれば素直に従うべき時が来ているようです。

 家を出るまでに書き上げられなかったので、お昼を食べて帰ってきた
会社の自分の部屋で続きを書いています。2カ月に一度ぐらいの割合で
都心の高級ホテルでランチミーティングをしているのですが、今日は
結構大勢のお客様でにぎわっていました。2か月前はホテルのロビーに
入っていくだけでそのフロアにいた全従業員の人の視線を集めるほど
お客様が少なかったですが、今日はアーケード街もオープンして日常に
戻りつつあることが感じられました。

 秋以降に第二波が来る可能性が高いように思います。できれば、
それまでに変容を終えておきたいものだと感じています。

最後の通勤


 個人的なことで恐縮ですが、15年ほど続けてきたある上場会社の
社外役員を、今月下旬の株主総会をもって退任することになりました。

15年前、船井総研の仕事をしなくなり時間に余裕のできた私に、
この会社の前の社長が声をかけて社外役員にしてくれました。
当時の社外役員は取締役会に出席することが一番大事な仕事ぐらいの
感じで、頭数を揃えておくことが主な役割だったので、船井総研で
取締役の経験があるとはいうものの、まだまだ若輩者だった私でも
務めをこなすことができたのです。

 とはいえ、時間があったこともあり、日本全国の営業所やお店などを
訪ねては社員の皆さんのお話をいろいろ聞かせてもらいました。
そんな中で忘れられない思い出は、あるお店に対して「マーケティングの
観点から言えば、制約条件が多すぎてとても成功しないだろう」と
意見を述べたところ、それが現場の皆さんの反発心に火を点けたようで、
いまではその店舗は中型店のモデルケースにされるぐらい上手く行って
います。社外役員にはこんな役割もあるのだなと、逆説的ですが
ちょっと誇りに思っているエピソードです。

 この会社は真面目な会社で、取締役会は8時30分から始まります。
10分前に部長以上の幹部朝礼があるので、私たち社外役員も8時前後
には出社することになります。コンサルタントはどうしても夜型の
仕事になることもあり、船井総研や船井本社は9時30分の始業です。
だから、大体月に一度の割合でいつもより早起きしてかなり空いている
通勤電車に乗ることになりますが、今日はコロナ君のおかげでいつも
にも増してとても空いていて、ゆっくり座ることができ、おかげさまで
こうして原稿を書くことができています。

 昭和の時代の感覚かもしれませんが、朝が早い会社は儲かっている
会社です。この会社も一般の社員は9時からの始業ですが、役員や
幹部の人たちは相当早く出勤しているようです。特に管理系の歴代の
専務や常務は大体始発電車に乗って通勤していて、6時前には会社に
着いて、その会社のナンバー2が毎日の鍵を開けるという習慣が
あります。こんな真面目ないい会社だから、こんないい加減な私でも
15年間大役を務めさせていただけたのかもしれません。


 朝が早いというとまず連想するのが証券会社です。私が社会人に
なったころは証券会社の人は7時前には出勤していたものです。
早朝に出社して海外のマーケットの情報を頭に入れておくことが
必須だというのが表向きの理由でした。

でも実際のところは、昔の証券会社は生き残れば偉くなる、逆に言うと
生き残りが大変な業界なので、体育会系の特質が存分に発揮されていた
からこその早朝出勤だったのだと思います。最近は働き方改革の影響と
テクノロジーの進化で、会社に行かなくても例えばスマホ等で十分な
情報を取れるので普通の通勤で十分なのかもしれません。

 さらに、コロナ禍で証券会社の花形であるトレーディング部門の
人たちも在宅勤務を強いられているのですが、意外に在宅勤務でも
効率は落ちないし、都心の一等地に大きなオフィスを構える費用や
通勤の時間などを考えると、コロナ禍が収束しても元に戻ることは
ないだろうという日経新聞の記事がありました。そんなことを考えると、
コロナというのは絶妙のタイミングで私たちのところにやってきていて、
例えば5年前ならこんな対応はとてもできなかったということが
感じられます。

 頭数合わせだった上場企業の社外役員も、いまでは大きな責任を
伴うものになりました。これも40歳代前半の15年前の若輩者の私では
とても務めきれない役割ですが、おかげさまでずいぶん図太くなった
いまの私にとってはとてもやりがいのある仕事でした。会社の改革に
多少はお役に立ったのではないかなと自負していますが、15年は
いかにも長いし、ちょうどいい後任が見つかったようなので、この
タイミングで退任させていただくことになりました。

 この時間に電車に乗るのも最後になるかもしれません。ちょうど
通勤路が証券会社が集まっている街を通るので、昔よりは通勤時間が
遅くなったとはいえ、それでも普通の会社に比べればかなり早い
一見して証券会社にお勤めだなという人がいつもは多いのですが、
今日はガラガラです。緊急事態宣言は解除されても東京アラートが
出ていることもあり、大手企業はやはり在宅勤務の流れが当分続く
ようです。

 証券街を過ぎると、今度は繊維問屋界に電車は入っていきます。
こちらは長期的に低迷している業界なのですが、年配の方を中心に
やはり朝の早い人はいるようで、いつもなら電車が空いてホッとする
ところですが逆に人の数が増えたようです。大手企業のように
なかなか在宅勤務というわけにはいかないのかもしれませんが、
働き方が大きく変わる人と、徐々に変わっていく人の違いはあるかも
しれませんが、どちらにしても時代は大きく変化しているようです。

そんな様々なことを考えながら、今日は最後の通勤を存分に楽しませて
いただきました。日本経済の流れを感じられる貴重な体験が
できなくなってしまうのはちょっと寂しい気もしますが、私も新しく
できた時間を有効に楽しく使っていきたいと思っています。

日本人のダルマ


 全国的に緊急事態宣言が解除されて、徐々に日常生活が戻ってきました。
船井本社でも今週から通常勤務になり、私も自宅ではなく会社で原稿を
書いています。

「自粛疲れ」は出ていませんか? 少し話題になっているのは、ZOOM疲れ。
オンラインで会議やお話し会ができるということで私も何度か使わせて
もらいましたが、平均すると2日に一度ぐらいの使用頻度で、疲れるほど
ではありませんでした。ただ、例えば本物研究所の佐野浩一社長は、
1日に平均4、5本の会議やお客様とのミーティングをZOOMでこなして
いたそうで、彼は大丈夫ですが、それぐらいの頻度で使っていると
オンライン独特の疲れを感じることもあるようです。

 何回かやりましたが、オンライン飲み会で盛り上がるのは50歳代の
おじさんには少々難しい気もします。気心が知れていてウィットに
富んでいる人との飲み会は楽しめましたが、普段あまりお話ししたこと
のない人との飲み会は話題がなくて苦労しました。直接会っていれば、
簡単に共通の話題を見つけることができますし、ボディランゲージの
意味も含めてお酒や肴のことを取り上げれば話題は続きますが、
やっぱりオンラインで上手くお付き合いしていくためには、日ごろの
十分なコミュニケーションが必須だと思います。


 船井総研のOBで70歳代の元名物コンサルタントとZOOMミーティング
した時は、これは結構使えるから2回に一度はこれで会議(参加者が
日本中に散らばっている協同組合の理事会)をやろう。その代わり
2回に一度は一緒に旅行して親睦を深めよう、と提案していました。
自宅から参加できるオンライン会議は便利だけれど、そこで浮いた
コストで親睦をより深める努力をしようということで、ベテラン
コンサルタントの視点はさすがだなと感心しました。


 「自粛疲れ」と言えば、アメリカで白人警官が黒人を暴行死させた
ことに反発するデモが拡がっており、警察車両が放火されたり店舗が
略奪されたりして、州兵が動員される州も出ています。CNNやBBCを
ケーブルテレビで見ていると、ほぼこのニュースだけをやっていて、
かなりの大事になっていることが感じられます。アメリカでは、以前にも
人種差別が原因で同様のデモが起こって大騒ぎになったことがありますが、
今回は明らかに非常事態宣言でロックダウンされたことによるストレスも、
騒ぎが大きくなっている要因になっているのだと思います。

 ところで、コロナ禍は経済にも大きな影響を与えていますが、1991年に
緩やかな社会主義体制から脱却して以来、毎年コンスタントに5~7%程度の
成長を続けてきたインドの経済成長の見込みをIMFが1.9%に下方修正した
という報道がありました。私はモディ首相はインドの鄧小平になるのでは
ないかと思っており、秘かなインドファンです。ただ一方で、奥が深すぎて
よく分からないというのも素直なインド感ではあります。

 そんなタイミングで出会ったのが、グルチャラン・ダス著
日本人とインド人』(プレジデント社)。もちろん、300万部のベストセラー、
イザヤ・ベンダサンの『日本人とユダヤ人 』(角川ソフィア文庫)を
連想させるためのタイトルですが、著者はハーバード大学卒のインドを
代表するビジネスマンであり、50歳で引退後はプロの作家として活躍する
「インドの福澤諭吉」といった存在だということです。

 この本で、インドの鄧小平はモディ首相ではなく、1991年に緩やかな
社会主義「フェビアン社会主義」からの脱却を図ったことだということを
知りました。日本の明治維新ぐらいのインパクトがあったそうで、ダス氏は、
それ以後二度と社会主義に戻らないように積極的な文筆活動を続けている
のだそうです。モディ首相に対しても評価するところはきちんと評価する
一方で、言いにくいこともズバリと苦言を呈する役割も担っていて煙たい
存在だとご自身で書かれています。

 翻訳者もあとがきで書かれていますが、著者は「日本人のダルマは
何ですか?」と読者に問うています。ダルマとは日本語に訳すと「法」と
いう意味になりますが、百科事典の解説を紹介した後に、以下のような
文章が続きます。

 
(引用開始)

 なるほど、辞典、辞書ではそう説明されるでしょう。
ダルマはインド人一般の心の中にある大切に守るべきことですから。
 インド人が何よりも大切にしなければならないとしているのがダルマです。
 では、私はダルマについては、次のような説明をしましょう。
 インド人にとってダルマは、フランス人にとっての公正、
アメリカ人にとっての自由と同じこと。何よりも優先される概念で、
しかも国民を統一する概念です。
 どうでしょう、これでわかりましたか。
そして、私が何よりも知りたいのは、日本人にとってダルマとなる概念は
何なのでしょう?
 戦前の日本でしたら「愛国」でしょうか?
 それとも「富国強兵」?
 現在の日本人が何よりも大切にして、深く信じる考え方、行動の指針を
表すひと言はあるのでしょうか。
 もしあったとしたら、私はそれを知りたいと思っています。

(引用終了)

 真の意味で日本の国際化を進めるためには、日本人のダルマを明らかに
しなければいけないのかもしれません。簡単に読めるように工夫がなされて
いますので、ぜひ『日本人とユダヤ人』に次ぐようなベストセラーになれば
いいと思います。


超プレミアム納豆


首都圏や北海道も含めて緊急事態宣言が解除されました。
「5月になって紫外線が強くなってきたら感染拡大は止まりますよ」と、
信頼する医療関係の方から聞いていたのですが、その通りかどうかは
分かりませんが、とりあえず良かったですね。

ここから、だんだん日常生活を取り戻していく段階に入ってきますが、
経済的な傷はなかなか埋まらないのではないかと言われています。
4月~6月のGDPは識者の予想の平均値がマイナス20%ということなので、
未曽有の危機的状況にあることは間違いありません。

ただ、飲食店や宿泊業の方などほとんど売り上げがゼロになってしまった
方がいることを考えると、中には儲かっている業種や会社もあるのだと
思います。こういう時は、元気な会社は遠慮せずにまずはドンドン儲けて
いただくことが大切なのだと思います。そうすると余裕ができて、
どのように社会貢献をしたらいいかを考えられるようになります。


船井本社の経営については、コロナの影響がまったくないわけでは
ありませんが、おかげさまで当面の資金繰りの心配をしなければいけない
ような状況にはありません。有り難いことだと思います。ただ、本来なら
日本中に出かけているはずでしたし、4月にはパラオに行く予定も入って
いたのですが全部キャンセルになり、緊急事態宣言が出てからは一度も
出張に出かけることができていません。基本的には在宅勤務でなるべく
会社にも行きませんでしたが、おかげさまで今週は毎日何らかの仕事が
入っており、都内ではありますが外に出かけることになりそうです。

朝の通勤時間の電車はかなり混みあうようになってきましたが、昼間に
移動のために電車に乗った時は、まだかなり人の少なさを感じます。
都県をまたいでの移動は自粛だということなので、仕事で来られる方は
ともかく遊びに出かけるのは地元で済まされている方が多いのだなと
思います。

出張と共に劇的に減ったのが会食の機会です。普段は家で晩ご飯を食べる
機会はあまりないのですが、この自粛期間は例外は何度かありましたが、
毎日家で食事を楽しませていただきました。これも徐々にもとに戻って
いくと思いますが、恵まれた時間だったと喜んでいます。


先週、どうしても外せない用事があって水戸まで行く機会がありました。
電車で行くのははばかられたので、車で行ってきたのですが、休憩を
取るために千葉県から茨城県に入ってすぐのパーキングエリアに立ち
寄ると、ここは緊急事態宣言が解除されていたからなのか、かなり平常
通りの営業に戻っていました。

個人的には久しぶりにスターバックスのコーヒーを楽しめたのが
嬉しかったです。当たり前だと思って感謝もしていなかったことへの
ありがたさを思い出せたのは、本当にいいことだなと反省も含めて
感じています。

せっかく車で行ったこともあり、有名な大福やケーキを買って帰って
きました。また、一緒に行った人がグルメ好きで、インターネットで
検索をしてくれたお店で美味しいお昼ご飯もいただきました。お土産を
買って美味しいものを食べるのが旅の楽しみですが、もうすぐこんな
日常が返ってくるのだと思うと本当に有難いと感謝したくなってきます。

そして、せっかく車で出かけたので、地元の有力スーパーの大型店にも
行ってきました。茨城と言えば納豆の本場ですから、珍しい納豆が売って
いないかなというのが一番の関心事だったのですが、さすがは本場で、
信じられないぐらい高級の超プレミアム納豆を見つけました。

レシートを捨ててしまったのではっきりした値段は分からないのですが、
普通の納豆の10倍近い価格だったと思います。きちんと食べ方の解説が
ついていて、最初はたれや辛子をいれずにそのままの味を楽しんで、
その後に化学調味料無添加のたれをかけてお召し上がりくださいと書いて
あり、早速いただいたのですが、こんなに美味しい納豆もあるのだなと
びっくりしました。

私は関西の出身なので、元々納豆はあまり好きではありません。でも、
アカシックレコードにつながるワークを教えてくださるジュネさんから
あの世の父のメッセージとして、「『納豆を食べないのはもったいない』
と言っていらっしゃいますよ」と教えてもらってから、意識して食べる
ようになりました。

ただ、これまでは外食が多かったので毎日というわけにはいかなかったの
ですが、いまは家でご飯を食べるので、ラーメンやカレーライスを食べる
ときも、私だけ納豆をのせて食べるというぐらい意識して毎日食べるように
なりました。

毎日食べていると味が分かるようになってきて、普通のスーパーで売って
いるものと高級スーパーのプレミアム納豆(こちらは3倍ぐらいの値段です)
の味の違いが分かってきたのですが、本場に行けばさらに超高級の納豆が
あることに驚いています。さすがにインターネットでお取り寄せするほど
ではないと思っていますが、コロナ禍だからこそ味わえたグルメに
大満足しています。


ワグネリアン


 多くの地方で緊急事態宣言が解除され、徐々に日常生活を取り戻す動きが
始まってきました。先週も書いたように、私もゴールデンウィークが明けて
からは外出する機会が出てきましたが、それでも緊急事態宣言が続いている
東京に暮らしていますので自粛態勢で暮らしており、いつもに比べると
かなり時間にゆとりがあります。専ら読書を楽しませていただいていますが、
ちょっとひと段落という感じで珍しく退屈しています。

 個人的には夕方以降はお酒を飲めれば満足しています。何度かオンライン
飲み会もやりましたが、やっぱり一番面白かったのは赤塚高仁さんとの
飲み会でした。ちょっとしたお話にウィットが効いていて赤塚さんの頭の
良さが感じられ、言い訳にしかなりませんが、二日酔いになるぐらい飲み
過ぎてしまいました。ただ、深酒は年齢のことを考えるとそろそろ控えな
ければいけないという意識もあり、半分ぐらいの日はノンアルコールビール
にして、なるべく休肝日を作るようにしています。

 普段なら、それほどやることがない土日はゴルフや野球の中継を見て
楽しんでいるのですが、それもありませんし、大河ドラマなどももうすぐ
撮り終えている分がなくなって放送が休止されるようで残念です。
仕事などはオンライン会議やオンラインお話会、それにネタには困って
いますが原稿を書くのは自宅でも問題ないので何とかなっているのですが、
やっぱり息抜きも必要です。

 それで、ちょっと嵌っているのがクラシック音楽を聴くことです。
大学受験の時によく分からないクラッシックなら邪魔にならないと思って、
クラシックをかけながら勉強をしていました。大学に入ってクラシック
音楽の演奏会に行けるようになり、本格的に聴いたという意味ではほぼ
初めてと言える演奏会で大感激したのをきっかけに、そんなに詳しいわけ
ではありませんが、コンサートに出かけるのが好きになりました。
いまはクラシックの演奏会もできなくなっていますが、それまでは大体月に
一度ぐらいのペースで楽しませていただいていました。

 団塊の世代の方がお金と時間の余裕が両方あるという環境下にあるという
背景のもと、東京は世界最大のクラシックマーケットになっています。
それに便乗させていただいているのですが、欧米に比べてどうしても見劣り
するのがオペラです。年に一度ぐらいのペースで欧米の超一流歌劇団の
引越し公演が日本でも行われています。私も昨年楽しませていただきましたが、
引越しと言うぐらい大がかりなものになりますし、だから当然チケットも
高額になってしまいます。

 日本にも歌劇団はありますが、残念ながらまだ力量に大きな差があることは
否めず、本当のオペラファンは海外の公演まで出かけていっているのが実情
なのだと思います。私も家内に連れられてそんな海外旅行を楽しませて
いただいたことがあるのですが、現地で観劇に来ている日本人の方とお話し
すると、そこまでの費用をかけていらっしゃるので当然かもしれませんが、
メチャクチャオペラに詳しく、私からみるとまるでオタクの世界のように
感じられ、これは本当にたまに楽しむくらいがちょうどいいなと思って
いました。

 しかし、コロナ禍で時間がある人が多いのでしょうか。WOW WOWで
ニューヨークのメトロポリタンオペラの放映がときどきあるのですが、
オペラの中でも圧倒的な大作であるリヒャルト・ワーグナーの
「ニーベルングの指輪」という全4作のオペラが続けて放映されていました。
全部見ると16時間になるという大作ですが、女性が好む「恋愛もの」では
なく「戦闘もの」なので、オペラなのに女性よりも男性ファンが多く、
特にそういったワーグナーのオペラに嵌っている人のことを
「ワグネリアン」と呼ぶのだそうです。

 1作品を見るのに平均4時間かかることになるので、それこそこんな時しか
見られませんが、第一作は残念ながら見逃してしまったのですが、残りの
3作品を堪能させていただきました。勝手な感想ですが、有名な「恋愛もの」は
ストーリーとしてはメチャクチャなのはご愛嬌で、そんなことは二の次にして
すばらしいアリアを楽しむものだと思っています。ワーグナーのアリアも
世界で一番難しいと言われているようでとても素晴らしかったのですが、
男の子が好きな「戦闘もの」なだけあって、ストーリーも楽しめるのが男性の
ワグネリアンにはいいところなのだと思います。

 とても本格的なワグネリアンにはなれそうにありませんが、コロナ騒ぎが
収まったら一度、ワーグナーの作品が上演される有名なバイロイト音楽祭に
行ってみたいと思っています。こんなこと、コロナでもない限り考えないこと
だと思いますので、いいこともあるのだと感謝したいと思います。
読者の皆さまも普段なら挑戦できないものを見つけて楽しんでいらっしゃる
ことと思いますが、楽しみを見つけてイライラしないように工夫をして
いきたいと思います。


感謝


 緊急事態宣言が延期されましたが、連休明けから感染者数の増加が
止まってきたように感じます。実は、私も連休明けに土曜日も含めて
3日間、会社に出勤しました。それぞれ、必要性があってのことだった
のですが、反省も込めていわゆる自粛疲れが広がっているようです。

 3月の3連休の時の油断で感染が一気に広まってしまったと言われて
いるので、不要不急の外出は控えなければと思います。ただ、日本に
比べれば感染者の増加数はまだまだ多い、欧米各国が段階的な緩和に
踏み切っているように、いつまでも自粛していると今度は経済が立ち
ゆかなくなりますので、政府や各都道府県などは難しい選択を迫られ
ていますね。

 土曜日に会社に行ったのは、にんげんクラブの大阪と京都の
メンバーが開催を予定してくださっていた私の講演会の代わりに、
オンラインセミナーを開催してくれたからです。オンラインなのだから
自宅でやればいいじゃないかということも考えましたが、環境を考えると
やはり会社の自分の部屋からやるのが最善だろうと思いました。

 いつになくとても緊張したのですが、話をはじめてしまえばいつもの
講演会のように色々な話題が浮かんできました。たとえば、舩井幸雄が
生きていたらいまの状態についてどんなコメントをしただろうかという
話をさせていただきました。寝る前に軽く瞑想をするのですが、その時に
あの世の父にメッセージをくださいねとお願いしてから眠ると、夢に父が
あらわれてくれました。そして、念のために3回やりましたが、3回とも
父は「おめでとう」と伝えてきたのです。私の解釈は、父が待ち望んで
いた物理的なアセンション(次元上昇)が、今回のことをきっかけに
本格的に感じられるようになっていくことにたいしてのコメントなのだ
ろうと思います。

 それで思い出してお話ししたのが、父と同い年だった竹田和平さんの
ことです。日本のウォーレン・バフェットと呼ばれていた日本一の個人
投資家で、株式投資で大きな財産を築いた方ですが、亡くなる数年前、
お金のことに関していろいろな教えを授けていただきました。
和平さんは最晩年、日本が戦後のようにまたとんでもない酷い状態に
なってしまうのではないかということを一番危惧されていて、特にもし
東京オリンピックが予定通り開催できないようなことがあったら大変だ
とおっしゃっていたそうです。

 それには理由があって、ちょうど80年前の1940(昭和15)年にも
東京オリンピックが予定されていました。日華事変の影響で開催でき
なくなったのですが、その翌年には太平洋戦争が始まりました。そして、
日本はすべてを失う敗戦を迎えたのです。和平さんも名古屋の菓子
職人のご子息として比較的裕福な暮らしをしていましたが、戦争と
その後の預金封鎖や新円切替で竹田家がすべての財産を失ったことで、
4年間、水道も電気もない開拓民生活を強いられることになります。
あの辛い思いを私たちに味あわせたくないとおっしゃっていました。

 もしもオリンピックができないような事態に追い込まれれば80年前と
同じことが繰り返されるのではないかということを、和平さんは感じて
いらっしゃったようです。そんなことが話題になり始めた3月中旬に、
和平さんのお嬢様とお話をさせていただく機会がありました。上記の
ような話をすると、お嬢様は「父が生きていたら、きっと「ちょうど
いいがな」と言うと思いますよ」と話してくれました。和平さんも父も
楽観的な人だったので、ピンチはチャンスと捉えて、このぐらいの
コロナウイルスの感染はそれほど問題ではなく、むしろ私たちの生き方や
考え方を変えるいいチャンスだと意識を転換してしまうのかもしれません。

 そこでまた思い出したのは、和平さんが小学校6年生の時に体験した
疎開生活のこと。和平さんの疎開は大好きなおばあさまの下での生活
だったので楽しい思い出だそうですが、1年間暮らしていて村の人が
ほとんどお金を使わないことにはびっくりしたそうです。それぞれが
余ったものをおすそ分けし合い、足りないものは融通し合い、秋になって
収穫するまでの支払いはつけで成り立っていたのだそうです。この時の
体験で、和平さんはお金が幻想であることを知り、だからあれほどの
大金持ちになられてもお金との適度な距離感を保つことができていたのだ
そうです。

 戦中の山奥の村の人たちがよく使っていた言葉は、ありがたいのう、
おかげさまでのう、もったいないのう、の3つだけ。それぞれ大いなる
もの(神や仏)、村人たち、そしてものへの感謝を表すことばです。
塗炭の苦しみを味わいたくはありませんが、戦後の暮らしで忘れて
しまった感謝の心を思い出すために、コロナウイルスのパンデミックが
起こったのだとしたら、それは本当に感謝するしかないなあと思います。


ネタがない


 このレポートは、主ににんげんクラブの皆さんに向けて書いているので、
あまり重たくない内容にしたいと思っています。幸い、日本中を出歩く
ことが多いので、その時の話題をネタにして書かせてもらっているのです
が、自粛でほとんど家にいるためネタがありません。コロナについては
私が書かなくても、皆さん十分すぎるほど多くの情報にふれていらっしゃ
ると思いますし、急にスピリチュアルな話題が書けるわけでもないので
難しいですね。だから、今回は私の妄想を書かせていただきたいと思い
ます。

 まず、私たちが協力して乗り越えることができれば、コロナは人類の
進歩に大いに貢献するものであろうということが分かる出来事になると
思います。一般的にはコロナと「戦う」というとらえ方がされていますが、
にんげんクラブの皆さんやこのレポートを読んでくださる方であれば、
戦うのではなく共存というかたちで何とか折り合いをつけていくという
姿勢になった時に、問題が解決していくのであろうということは
お分かりいただけていると思います。

 ウイルスというのは不思議な存在ですね。細菌ははっきりと生命と
言えるものですが、ウイルスになると生命かどうかも曖昧になります。
私たちのDNAの大半は何のためにあるか分からないのでジャンクDNAと
呼ばれているという話を聞いたことがあります。そして、そのほとんどが
ウイルスや細菌に感染したことで作られたのではないかという意見も
あるそうです。普段は何の役に立っているのか分からないのだけれど、
いざという時はそのジャンクDNAが変異をして、進化や免疫の獲得に
役立つのではないかという仮説もあるようです。

 私たちは人類社会や大自然としてひとつの生命体を作っている存在
なのだと考えると、私たち人間も実は細胞のような役割を果たしていると
言えます。細胞一つひとつの生命よりも人類社会や大自然全体の生命を
維持、発展させることの方が優先されるのが自然の摂理です。個々の
細胞はウイルスに感染することで死を迎えることも多々ありますが、
全体として見ればそれがより強い生命体を作り、その進化発展に寄与して
いることになります。

 いまは有り難い時代で、人間の生命の価値がとても高くなりました。
人間の生命は地球よりも重いという考え方がなされるようになり、
私たちは死を意識することなく日常を生きていけるようになりました。
ただ、それでも私たちがいつか死ぬ確率は100%です。AI(人工知能)の
発達に伴って、アメリカでは自分の脳細胞を全部コンピュータに移植して、
永遠の命を手に入れるのだという考えが出てきているそうです。気持ちは
分からなくはありませんが、脳細胞というか脳機能だけが命だとは私には
とても思えないので、私は絶対にそんなことはしたくありません。

 そんな妄想をしていると、新型コロナウイルスは、私たちがこれから
来る自然界の環境の激変に耐えるためにサムシンググレートが与えて
くれたものであり、それによって進化が促されてきているように思えて
きました。もちろん、残念ながら中には死んでしまう方もいらっしゃい
ますが、人類全体としては新たな免疫を獲得して、また、より大きな
生命体であるということに気づく人の数が増えることで、次のステージに
進めるようにしてくれる恩寵だとも考えられるのだと思うのです。

 欧米ではロボットやAIは私たち人間と敵対するものというとらえ方を
されているようです。ターミネーターやマトリックスの世界観ですが、
日本では鉄腕アトムやドラえもんのように、友だちやヒーローという
感覚が強いのだと思います。私は、AIやロボットの役割はとても大きな
ものがあり、人間は生活のために働く必要がない、逆に言うと働くことが
生きる目的にならない世の中がもしかしたら私の生きている間に来るかも
しれないと思っています。

 一生懸命に善行を積んで世の中に貢献したいと思う一方、これから先の
世の中は善悪の基準が曖昧になるので、誰にも理解されなくても、とんでも
ない悪人だと思われてもいいから、人類の進歩に役立つのであれば悪者に
なるのも悪くないなとも感じています。ウイルスが人工のものであるという
意見をアメリカの国務長官が表明するような時代ですが、大きく俯瞰して
見ればそんなことはどうでもいいことなのかもしれません。

 そう言えば、アメリカはイラクに大量破壊兵器があるからと言って
戦争をして侵略しておいて、実はありませんでしたという国です。
人道的には問題があるかもしれませんが、それによって誰も責任を取ら
されていないし、賠償もしていないし、謝ってもいないのではないかと
思います。同じように、仮に中国の研究所の人為的なミスでパンデミックが
起きたということが事実だったとしても、それで中国政府が謝って賠償する
とはとても思えません。

 すっかりオチのない原稿になってしまいましたが、妄想する時間に
恵まれた日々をもう少し楽しませていただきたいと思います。
読者の皆さんも与えられた非日常の時間を、それぞれに楽しんでいただけ
ればと思います。

久しぶりの電車


 締め切りの関係で、このブログはアップする当日ではなく少し前に
書いているのですが、今日はどうしても仕方がなく久しぶりに電車に
乗りました。行きは早朝だったのですが、隣の人と感覚を空けて
ほとんどの人が座れるぐらいの混み具合でした。比較的若い方が中心で、
おそらくどうしても仕事に行かなければいけない方々なのだろうと思い
ます。この皆様のおかげで非常事態下の社会が滞りなく回っているのだ
と思うと、本当に感謝しかありません。

 いま、多くの会社がテレワークや時差通勤などを進めていますが、
今回のことで仕方なくではありますが、多くの人がテレワークを体験
していること自体は良いことだと思います。

 もしテレワークに多くの人が慣れることができて、会社に出勤しな
ければいけない機会が例えば週一回になるなら、こんなに多くの人が
首都圏に住む必要がなくなります。いきなり農業をしながら暮らす
ような田舎暮らしは難しくても、新幹線の駅や空港に近い場所に居を
構えれば物価も安く、快適に暮らすことができるでしょう。何よりも
東京という人口密集地域を維持するために必要な人の数を減らすことが
できれば、レジリエンス(しなやかな強さ)という面では大きな進歩が
みられるのではないかと思います。

 午前中に仕事を済ませて、お昼過ぎに今度は家に帰るための電車に
乗りました。当たり前ではありますが、朝よりも空いていましたが、
今度は逆にこの人たちは本当に必要な外出をしているのかなと思って
しまう高齢者の人たちの姿が目につきます。もちろん、事情のほどは
分かりませんし、不要不急の解釈は人それぞれですから何とも言えま
せんが、やっぱり根本的な問題は首都圏に人がたくさん集まり過ぎて
いることのような気がします。

 テレビの報道を見ていると、東京以外は皆さんの自粛の協力の成果が
出てきているように感じられます。ただ、まだまだ心配なのは東京の
数字がなかなか改善されないことです。5月6日までの緊急事態宣言の
期間を延長するかどうかが話題になってきましたが、全国的に緊急
事態を継続するよりも東京を封鎖する方が効果が高いような気もします。

 もちろん、封鎖されてしまうと東京はあっという間に成り立たなく
なります。根拠のある数字ではないと思いますが、東京の食料自給率は
1%だという話を昔聞いたことがあります。

 夜中に車で東京に帰ってきて、東京に向かうトラックの多さに
びっくりした経験があります。東京という大都市は、この物流を担って
いるトラックの運転手さんたちに支えられて成り立っているのだと
愕然としたことを思い出します。逆に言うと何らかの理由でこの物流が
止まってしまうと東京はすぐに立ちゆかなくなるのです。

 福島の原発事故が起こったときに、東京から多くの人が逃げ出した
ことがありました。あれから月日も経ち、当時よりはITの技術もかなり
進んだようですし、今回のことでマインドセットもずいぶん変わることは
間違いないので、第二の東京脱出ブームを作らなければいけないのかなと
思ったりしています。

 ただ、高齢者にとって東京はとても便利な街です。自分で車を運転し
なくてもタクシーに乗ればよいし、公共交通機関も充実しています。
図書館やコンサートホールや美術館などの文化施設も充実しているので、
余暇がたくさんある高齢者にとってはとても恵まれた環境だとも言えます。
今後こうした東京の高齢者の皆さんの地方の中核都市への受け入れを推進
していくことができれば、東京にとっても経済的な疲弊が激しい地方に
とってもメリットがあるのかなという妄想が進んでいきます。

 先週、これも仕方がなく車を運転してある湘南の街に行く機会があり
ました。時間調整のために駅前のカフェに立ち寄り、テラス席でコーヒー
を飲みながら街行く人を観察していたのですが、どちらかというと
サーファーのような先進的な人たちが多く住んでいるイメージのある
湘南ですが、意外にご年配の方が多いように感じました。それもご夫婦
連れで動かれているケースがとても多いように見受けられ、夫婦仲が
良いことはとてもいいことなのですが、日本の高齢化は地方だけでは
なく都市部でも進んでいるんだということを肌で感じた気がします。

 世界で一番高齢化が進んでいる社会をどう運営していくかは、日本が
抱えている大きな課題です。今回のコロナ騒ぎで、その問題がますます
浮き彫りになってきているのではないでしょうか。個々の問題に対処
するだけでも大変な時だとは思いますが、どうもいままでと同じやり方を
続けていては、根本的な解決にならないようです。日本における東京の
あり方、地方都市のあり方、農村部のあり方などを捉えなおすいい機会
だったと振り返られるような対応をしていきたいものだと、たまの外出で
感じています。

読書三昧


 コロナのおかげで引きこもっています。このウィークリーレポートは
新幹線や飛行機の中で書くことが多く、それはそれで実況感が出て
楽しいなと思っているのですが、しばらくは書斎からの同じ風景を
見ながら書かせていただくことになると思います。

 水曜日にアップするこのレポートは大体月曜日に書こうと思っています。
普段は、忙しさに紛れて忘れてしまって、当日になってリマインドをして
もらってから書きはじめるということもあるのですが、いま話題のZoomを
使った会議などは時々ありますが、それ以外は自由な時間がたくさんあり、
いまは余裕をもってパソコンに向かえるのでありがたいなあと思います。

 書斎からは小さな公園が見えます。昨日の日曜日は子どもが大声で
叫びながら遊んでいる風景を楽しんでいましたが、医療関係者の方は
遊具で遊ぶのも感染のリスクが高まると心配になるそうで、中高年は
ともかく、子どもたちや若者たちのストレスは大変なものだろうと思い
ます。買い物に行くために外に出ると、私よりも若い年代のカップルが
ジョギングしている姿をよく見かけます。この与えられた時間をどう
過ごすかが、もしかするとこの後の人生に大きな違いを作るのかなと
考えたりもしています。

 公園の風景と言えば、桜が終わったこの季節の新緑が私は一年で一番
きれいな時期だと思っています。いま住んでいる都心のマンション生活も
25年を超えましたが、この景色が大好きなので引っ越さずにずっとここに
住んでいるのかもしれません。父が都心から熱海に引っ越した時に、
地震などの自然災害を考えると東京に住み続けていいのかなということを
一瞬考えましたが、いいおじさんにもなったことだし、しばらくは便利な
東京暮らしを楽しませていただこうと思っています。

 今朝も早朝に東北地方で比較的大きな地震があったようです。深酒を
することもなくなっているので、東京でも揺れを感じてラジオをつけ
ました。津波の心配はないということを確認してラジオを消しましたが、
このタイミングで自然災害が起こったらどうなるのかと心配になりますね。
いろいろ心配していたらきりがありませんが、いまは他人の迷惑に
ならないように行動することが大事だと思いますので、そう考えると
引きこもりが一番いいように思います。

 4月20日(月)の朝に貿易統計が発表になりました。3月の輸出は
11.7%減になったのですが、多分原油価格が下がっていることから
それでも貿易黒字が49億円計上されたそうです。市場の予想では貿易
黒字額が4000億円を超えるだろうと見られたようですので、コロナの
影響が予想以上で輸出額が落ち込んで大きく黒字額が減ってしまった
ようです。ただ、それでも黒字だったのですから、日本はツイている
国だと思います。昔ほど、日本は貿易が経済に占める割合は高くなく
なりました。ただ、やっぱり赤字よりも黒字がいいのは間違いないので、
本来なら大きな貿易赤字になるところを助けられているようです。

 私が引きこもり生活があまり苦にならないのは読書という楽しみが
あるからだろうと思います。一番嵌まったのが辻麻里子さんの
22を超えてゆけ』(ナチュラルスピリット)。スピリチュアルに
詳しい友人に教えていただいたのですが、もう面白くて辻さんの電子
書籍で買える本(なんと大半がキンドルのアンリミテッドという読み
放題のサービスに含まれています)は全部読んでしまいました。
プロフィールを見ると私と同じ年ですが3年前にお亡くなりになって
いるようです。生前にぜひお会いしたかったと思うぐらい強烈な影響を
受けています。

 それで、辻さんのどこかの本で紹介されていたゲーテの『ファウスト
(新潮文庫版を読んでいます)を読み始めました。これは、どちらかと
いうと元来好きだった経済や経営の本を読み疲れたときに気分を変える
ためにパラパラと読んでいるのですが、面白いですね。時間に余裕が
ないとまず読まないと思いますので、ありがたいことだと思います。


 いましか読めないと言えば、60万字以上の大著(電子書籍で読んで
いるのでページ数は分かりませんが多分900ページ以上にはなると思い
ます)、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄先生の
世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)に挑戦しています。
私も一応は商学部出身なのですが、自慢じゃありませんが学生時代は
ほとんど勉強しませんでした。要領だけでテストをクリアして卒業した
口ですが、いまになって経営学の最先端の動きをこんなに分かりやすく
教えてもらえるのは本当にすばらしいことだと感じます。

 その前に読んでいたのは市井の物理学者である長沼伸一郎氏
現代経済学の直観的方法』(講談社)。特に最終章の「資本主義の
将来はどこに向かうのか」は読み応えがありました。スピリチュアルや
文学も面白いですが、やはり私は経済や経営が好きなのかもしれません。
入山先生の本に紹介されている本をいっぱい買ってしまって積読に
なっているのですが、それらに少しずつ挑戦していきながら、
この恵まれた時間を有意義に楽しませていただこうと思っています。

新型コロナへの提言


 新型コロナウイルスの感染者数が加速度的に増えています。
志村けんさんをはじめ、芸能人やテレビ局のアナウンサー、はては
警察の署長さんにまで感染がひろがっていて日本もいよいよ爆発的に
感染がひろがるステージに入ってしまったのかもしれません。
幸いなことに私の知り合いで感染し、重症化した人はいないと思って
いたのですが、先ほどとてもお世話になっているある分野の重鎮
(といってもほとんど同世代の方です)が重症になられて、一時は
生死の境をさまよわれるほどだったという話を聞きました。

 私の耳に入ったのは、なんとか持ちこたえて治療に励まれ、
つい先日退院されたという報せをいただいたからだったのですが、
これだけ感染者数が増えているのですから、そういう方が身近に
出てくるのも当然なのかもしれません。いままでは、文章を書くの
にもとても気を付けていましたが、どうも日本は事態を抑え込む
ことに失敗したように感じますので、今日は本音を書いてみようと
思います。

 大前提として、私は政府や各都道府県、それに専門家会議の皆さま、
さらに現場の医療関係者の皆さまなどは本当によくやってくださって
いると思っています。

 日本政府が採った対応は専門家会議の意見に従って感染者の
クラスターを見つけて、そのクラスターの流れから感染者を見つけて
いち早く隔離し、感染爆発を防ぐというものでした。先月の中旬ぐらい
まではこの対策はある程度の成果を収めていて、雪まつりを開催して
しまった北海道で大きなクラスター感染がひろがってしまったのですが、
広大な北海道の大地にも助けられて、道レベルで緊急事態宣言を出す
ことによって一旦は収束に向かわせることに成功しました。

 ただ、ここで安心感がひろがってしまったことと、ちょうどお花見の
シーズンが重なってしまったこと、さらには中国発の第一波の流行では
なく欧米からの帰国者を中心に感染の第二波が広がり始めたことで、
この戦略は上手く行かなくなってしまったと冷静に現状を分析する必要が
あるのではないでしょうか。日本人は、一旦方針を決めてしまうと
なかなか方向転換ができないところがあります。しかし、はっきり言って
第一次の戦略は上手く行かなかったのだから、方向転換をしなければ
いけない時なのだと感じます。

 現に感染経路が分からない陽性者がここまで増えてしまっているの
ですから、クラスターを追う方法だけで対策を進める戦略はすでに
崩壊していると言わざるをえないでしょう。専門家会議が8割の接触を
減らさなければいけないというシミュレーションを示していますが、
それは欧米並みに外出禁止令を出して、厳しい罰則を課してはじめて
実現できるレベルの数字で、要請に留まっている日本のやり方では
半分程度に抑えるのがやっとだと思われます。週末に遊びに出かける
のを控えることや飲みに行かないこと、それに学校に行かないことは
要請で従ってもらえますが、企業活動は止めてしまうと潰れてしまう
ことになるので強制力を持たないかぎり実現しないからです。

 そして、冷静に見てみると外出を禁止している欧米でも実は
抑え込みには失敗しています。これも日本の悪いところですが、
海外の対応が素晴らしく日本はそれに比べて遅れているというふうに
考えてしまいがちです。でも、本当に素晴らしい対応ができている
台湾やヨーロッパの一部の豊かな小国を除けば、日本の状況は世界でも
有数と言っていいくらい上手くコントロールできている方なのです。
そう考えると、失敗している欧米諸国の真似をするというのも
ナンセンスなのだと思います。

 ネット上ではいろいろな人がそれぞれの意見を述べられていますが、
感情的なものが目立ち、正直言うとほとんど参考になりません。
医療の専門家の方のご意見も、読むこちら側も感情に揺さぶられていて
冷静になれないこともありますが、真意を理解できるものがほとんど
ないように思います。

 そんな中で、はじめて心からその通りだなという簡潔なご意見を
見つけました。それは獣医師でありホリスティックな医療全般に
大変造詣が深い森井啓二先生のブログ「ひかたま(光の魂たち)」に
書かれている「新型コロナへの提言」という記事です。

 これを読んで、はじめて本当に採るべき対応策が分かった気が
しています。実は、先日ある高僧からこれと同じ話を聞かせて
もらったことがあります。それを自分の言葉にする自信がなかった
ので、発信を控えていたのですが、森井先生が見事にまとめて
くださっているので紹介させていただきます。

 森井先生の記事を読んだのは、親友であるきれい・ねっとの
山内尚子さんが森井先生とエドガー・ケイシー研究の第一人者である
光田秀先生の共著『神理の扉』を送ってくれて、それを読ませて
いただいたからです。私たちが新しいステージに進化しようと
しているいま、必読の本だと思います。在宅勤務になって時間がある
方もいらっしゃると思いますので、ぜひ手に取っていただければと
思います。

ゼロを意識する


 いま流れているコロナウイルスに関する情報は極端なものも多く、
その中にある真実を捉えるのは非常に難しい状況で、混乱してしまいますね。
格段に感染者数の少なかった日本も大都会を中心に感染者が広がっていて、
専門家会議が提唱していたクラスターを把握するという対策が崩壊して
しまいそうになってきました。おそらく皆様がこれを読んでくださっている
時には、緊急事態宣言が出ているか出るのが確実な情勢になっているだろう
と思います。

 この週末は、近所のスーパーに食料品を買いに行く以外は自宅でのんびり
していたのですが、テレビのニュースを見るのは必要最低限にすることに
気を付けていました。普段は日曜日の朝、家にいるときは比較的テレビを
見るのですが、朝夕7時と正午のニュース以外はあえて見ないようにして
いました。油断して大丈夫だと軽視するのは間違っていますが、必要以上に
怖がっても仕方がありません。

 国民としてやらなければならない義務は確認しなければいけませんが、
一日数度のニュースを見ていれば十分だと思いますし、スマホなどを使い
こなせる人はそれも向こうから自然と入ってくるのではないでしょうか。
情報については、こんな時だからこそ、取り扱いに気をつけなければ
いけないと思っています。

 このレポートのように定期的なものや、しっかりと自分の意見を論理
的に書ける月刊誌などに書かせてもらっているものには、ある程度の
自分の意見は書きますが、責任感をもつことなく誰でも簡単に自分の思いや
他人からの情報を拡散させてしまえるのも問題だと感じます。いまは
誰でもが情報発信者になれる時代です。たとえ善意からであったとしても、
もしかすると社会に迷惑をかけるのかもしれないという気持ちもどこかに
持たれていた方がいいのかもしれません。

 この原稿を書いている4月6日(月)の朝時点で日経平均は上げています。
アメリカで感染者数がピークに達して収束する見込みが出たことで
海外勢からの買いが入っていることが原因のようですが、どこか違和感が
ありますね。金融マーケットの中にいる人とそうでない人、さらに都会に
住んでいる人と地方に住んでいる人の間でも情報に対する空気感がかなり
違うように思います。だからこそ、自分独自の考え方を持つ必要があり
ますが、だからといってそれを他人に押し付けるのは間違っているのでは
ないでしょうか。

 政治家の方や医療関係者、また必要な物流や交通を担ってくださって
いる方、そして私たちに貴重な情報を届けてくださっているマスコミの方
などに、いまは感謝の気持ちを持つことが大切だと思うのです。特に、
医療関係の方などには負担がかかり過ぎていて、彼らの健康が損なわれ
ないかとても心配です。いまは、あえていつもと違うことを言いますが、
社会に余計な負担をかけないようにしていかなければと思っています。

 とは言っても、こんな状態で不安な気持ちを募らせないというのも
難しいことです。一般の方向けには、いまはあえて空気感に従うのが
いいのかなと思います。いろいろな意見はあると思いますが、公的な
機関が発表するものや情報番組ではなくニュースが発信する空気感に
従って行動されることが落ち着ける第一歩です。いまのところ彼らが
言っているのは不要不急の外出はできるだけ控えて、なるべく健康的な
生活をして体力や免疫力を高める工夫をすること。やろうと思えば
それほど難しくなくできることが多いと思います。

 もちろん、仕事で外出しなければいけない人や、仕事ができなくなって
大変な目に遭っていらっしゃる方もたくさんおられると思います。
なるべく周囲に迷惑をかけないように気をつけながら、何が自分にできるか、
何を自分はやらなければいけないかを自問して一人ひとりがしっかりと
いまの生活に向き合っていくことが大切だと思います。

 にんげんクラブのベテランの会員様のような上級者向けには、ゼロになる
ことを意識してみてほしいと思います。自分の感情に振り回されないように、
感情のコントロール、クリーニングに取り組んでいただいて、大自然や
大いなるものに対する敬虔な気持ちを持てる環境を作るように努力してみて
いただければと思います。簡単に言えば、ホ・オポノポノのようなことに
取り組むことになりますが、その意味合いをしっかりと納得してから取り
組まれることが大事だと思います。

 大自然は、例えば今回のコロナウイルスを通じて、私たちにメッセージを
届けてくれているのかもしれません。ゼロになって何でも受け入れられる
状態であれば、そんなメッセージを自然と力強く受け取れる可能性が高いと
思います。ただ、ここで気を付けていただきたいのは、情報を発信することが
役割の人たちは最新の注意を払いながら受け取ったメッセージを発信するのだ
と思うのですが、自分の意見を他人に発信するときはとても大きな責任が
発生していることを知っていただきたいということです。

 ゼロになったと思っても、生きているかぎりはなり切れていないことが
ほとんどです。だから、メッセージを受け取ったなら、まずは自分で受け
止めてしっかり消化することが大事なのだと思います。


健康的な生活


 いよいよコロナウイルスの感染が日本でも本格的に広がってきました。
こうなってくると一番大事なのは「他人さまにご迷惑をかけないこと」。
これができるのは日本人の美徳ですが、一番控えなければならないのは、
自分の恐怖を社会の空気に置き換えて犯人捜しをするような行動だと
思います。

 規則正しい生活をして、しっかりと運動をして(大半の人にとっては
ラジオ体操程度で十分ですし、思い出したのは父が推奨していた両手振り
体操
です)、身体に良いものを食べ、しっかりと睡眠をとって風邪など
ひかずに健康に過ごすことを心がけることが大切ですね。

 そしてもうひとつ、とても大事なのがストレスを溜めないこと。
テレビのニュースを見て怖くなり、インターネットでフィルターバブル
(クリックされやすいように好みの情報ばかりが入ってくること。
油断しているといつの間にかフェイクニュースばかり入ってきてしまう
こともあるようです)がかかった偏った情報を見て怖くなり......、
という状況に陥りがちですが、そんな状態だと自覚したらたまには情報を
遮断してください。そして、気持ちを落ち着かせるために花などを眺めて
みればいかがでしょうか。

 かくいう私もそのような状態に陥っていたからか、あるスピリチュア
リストから花を買ってきて眺めることを勧められました。近所のお花屋
さんに行って久しぶりに花を買ったのですが、スーパーと違ってまったく
混んでいないので安全だと思います。

 本田健さんのYouTubeを見ていると、スーパーに殺到しないようにと
いう注意喚起をされていました。ストレスにもなりますし、何よりも一番
感染が起きやすい状況になっているのは間違いないと思うので、食料品
などは何とかなると考えていまは静観するときかもしれません。自分の
ことばかりを考えるのではなく、よりマクロな善で自分の行動を考える
ことが大事です。

 週末は外出しないように自粛要請が出ていたのですが、土曜日は船井
総研ホールディングスの株主総会が大阪であり、なるべく迷惑をかけない
ように考えながら日帰りで行ってきました。羽田空港までは自家用車で
行き、大阪では空港バスに乗せていただいたのですが、梅田行きのバスは
いつもなら満席になることもあるのに、行きも帰りも数人しか乗って
いませんでした。株主総会も厳戒態勢でマスクをすることが会場に入る
ための条件になっていました。異様な感じもしますが、こういう対応も
いまは必要なのだと思います。

 もちろん、飛行機も空席が目立つと言うよりはガラガラで、混んで
いない方がいいと思って後方の席を取っていたこともあり、ある意味
とても快適な旅を楽しみました。飲み物のサービスはなく機内誌なども
念のために置いてありませんでしたが、こんな状態でもしっかりと
サービスを心がけてくださる客室乗務員の皆さまには感謝の気持ちが
湧いてきます。欠航になっている便も多く、また飛んでも空いていて
搭乗も早く終わるので、飛行機の出発や到着が予定の時間よりも早く
なりました。羽田発着の便でこんなことは珍しいので影響が出ている
ことが実感として感じられています。

 日曜日は、新・舩井メールクラブの原稿を書かなければいけない
こともあり、一日中家に籠もっていました。通常の週末は何らかの予定が
入っていることが多いのですが、自粛のおかげで家にいていつもより
恵まれた環境でじっくり原稿に向き合えたのは有り難いことだと感謝
しています。メールクラブの原稿は分量も多い(大体1万字ぐらい、
原稿用紙で25枚以上の感じです)ので、朝早く起きていろいろ調べ物を
しながら原稿を書いていきました。おかげさまで、20時の大河ドラマが
始まる前には、ラフな原稿は書き終わっていました。

 嬉しかったのは、久しぶりに家で家内の作る料理を3食きちんと
いただけたこと。会食も出張も減って家でご飯を食べる機会が増えた
ので、いつも食べている命仁という生体エネルギー技術を使って栽培
されているお米の追加注文をしました。私にとっては家でこんなに
ご飯を食べるのは珍しいのですが、やはり外食よりも身体に良いものを
いただけるので、有難い機会だなと思います。

 何が起こるか分からない時代です。地方に住んでいる方は自分で
農業をすることも含めて、食に対する意識を上げておかれることが
大切です。東京や大阪などの大都会に住んでいる方は、顔見知りの
農家の人を作っておくことが大切かもしれませんね。皆さまがこれを
読む頃にはもしかしたら緊急事態宣言が出ているかもしれませんが、
とりあえず物流は動くのだと思います。せっかくの機会なので、
安くて便利なものだけではなく、心を込めて作ってくださっている
生産者の方から身体にいいお米やお野菜を直接買う機会を作って
みられたらいいと思います。

 日本は食料自給率が40%以下という状況です。私たちの意識が
変わることが自給率を上げていく一番確かな方法だと思います。
コロナウイルスのおかげで、こんな当たり前のことに気が付かせて
もらえるいい機会をいただいたことに感謝しています。
皆さまも、日本のためにできることをぜひ探してみてください。

恐怖の壁


 仕方がないとは思いますが、世の中コロナウイルスの話題しか目に
つかないようになっています。私も、ほとんどの原稿でコロナのことを
書いています。読まれる方も飽きてきたかもしれませんが、いま他の
ことを書くのも不自然なので我慢して読んでいただければと思います。

 最初に断っておきますが、私に特別な情報があるわけではありません。
2月の中旬ぐらいの時点で、インテリジェンス分野に詳しい知人と会食
した時に、中国の習近平主席の来日と東京オリンピックは延期になると
聞かせてもらっていたので、それは確かにマスコミ情報よりもかなり
早い時期に知らされていたことになります。でも、分析力に優れて
いれば、その時点で得られるマスコミ情報だけでも分かる範囲のこと
だとも言えるでしょう。

 そうは言っても、日本はまだずいぶんのんびりしている方だと思い
ます。週末に夜更かしして(唯一絶対に正しいのは免疫力を高めな
ければいけないということなので、夜更かし、ましてや深酒などは
避けるべきです。この点については個人的には反省しかありません......)
夜中にCNNでトランプ大統領の記者会見を見ていました。この原稿を
書いている時点(3月23日(月)の午後1時)でアメリカの感染者数が
3万人を超えたという発表があったようですが、その時点ではまだ
おそらく1万人程度の感染者数だったものの、完全に非常事態である
ということが伝わってくる記者会見でした。

 アメリカはユニークな国で、普段は何事においても対立をしている
国です。ちょっとしたことでご近所の方を訴えたりするのは日常茶飯事
ですし、ジェンダーの議論があれだけ原理主義のようになるのも、
もともと人種差別や性差別がかなり激しかったからという理由があげ
られると思います。

 極端から極端にぶれる国ですが、大統領の記者会見を見て、2001年の
9・11の同時多発テロの時と同じ雰囲気を感じました。国が危機に陥った
とき(もしくはオリンピックで国の代表として戦っている選手を応援
するとき)は本当にひとつにまとまることができる国なのです。

 トランプ大統領とCNNは天敵のような関係でしたが、トランプ
大統領が指名した最初の質問者はCNNの女性記者で、彼女に対して
トランプ大統領はファーストネームで親しげに呼びかけていました。
また、非常事態宣言を出したニューヨーク州のアンドリュー・クオモ
知事は民主党の知事です。少し前まで、民主党の予備選挙で何があっても
トランプ大統領を再選させてはならないと叫んでいた民主党の知事のこと
を、とてもよくやっていると褒めていました。この団結力がアメリカの
良さだと思います。

 一方で、これは日本の民放のニュースでしたが、ニューヨークの
お金持ちはマンハッタンなどの中心部から別荘に逃げ出しているという
話も耳にします。自我の確立ができていて自己主張が強く、エリートと
庶民の間に明確な分断があるのもアメリカの特徴で、そのエリートたちが
自分たちのことばかり考えていることがアメリカの弱点なのかもしれま
せん。私たち日本人には階級がないので、それを強みにして、みんなが
一緒になってこの危機を乗り切るという気持ちがもっと強くなって
いけばと思います。

 物理学者の周藤丞治さんが著わした『いざ高次元世界へ』(きれい・
ねっと)
を基にして次元論で世の中の進歩というか進化をどのように
進めていけばいいのかという研究を、周藤さんにも入ってもらって
進めています。

 そこで分かってきたのは、昭和の時代は厳しい時代だったのですが、
そこから豊かな時代になるためには自我の確立が大事だったという
ことです。日本人は、助け合いは得意ですが、自我の確立=自己主張が
ちゃんとできるようになることは苦手でした。だから、平成の30年間は
競争に敗れてばかりの辛い時代だったのです。

 自我の確立をするためには、恐怖の壁を乗り越えて行かなければ
なりません。日本も安倍政権ができた頃から、なんとか世界の潮流に
ついて行って自我の確立ができたのですが、今度のコロナウイルスで
新たな恐怖の壁が立ちふさがってきているように感じました。
アメリカは一致団結で乗り越えようとしていますが、日本は助け合いや
絆というキーワードで乗り越えていくのかもしれないと感じています。

そして、大事なのは自我の確立のさらに向こうに、本当は私たちは
人類社会や大自然としてひとつの生命体であり、個々の人間はその
細胞のようなものである。だから、全部で一つであるということを
分かりながら、自分の役割をしっかりと認識して行動することができる
ようになると、今度は日本人の得意な助け合いの世界が広がっていき、
豊かで強い令和の日本ができていくのではないかと感じています。

 その境地にいくために大切なのは偽善の壁を超えることです。
中国の古典では、いいことをやるときは「陰徳を積む」ことが大切だ
とされています。聖書の有名な山上の垂訓には、右手がいいことをする
ときは左手にも知られないようにしなければならないと書かれています。

 今回のコロナ騒ぎに当てはめると、日本人は特別なんだ・優れている
のだという優越意識というか選民意識を持たないことが大切なのでは
ないかと感じています。世界がひとつになってこの危機を乗り越える
ことができればと願っています。

阿鼻叫喚


 コロナウイルスがきっかけとなって、いよいよ金融市場の収縮が
始まってしまったのかもしれません。

実は、通常の株価の急落はそれほど心配する必要がないと言われています。
それは株価が下がっても、金利が下がって(国債価格が上がって)いれば、
株式市場から国債市場にお金が移動しただけですので、金融マーケット
全体で見れば資金が移動しただけということになるからです。
景気が下がりそうだと見れば、リスクの高い株式市場からリスクが低い
国債市場に資金は移動するものなのです。

 しかし、リーマンショックの時は、すべての金融市場から資金が
逃げ出して現金化されました。こうなると金融マーケット自体が収縮
してしまったことになります。原因は、世界の金融市場がほとんど
崩壊する一歩手前まで行ったからだと言われています。いま、この時と
同じように、株価も急落し、長期金利も上がり(久しぶりに10年ものの
国債の値段がプラスになりました)、原油価格も下がり、一時的かも
しれませんが金(ゴールド)の価格まで下がり始めました。これは、
すべてのプレーヤーが最も安全な資産である現金を持とうとしている
からです。

 結局、何かあったときは現金が有効です。ただ、もっと底割れして
しまうとレバノンという国家がこのタイミングでデフォルトしたことが
暗示しているように、現金すら紙くずになるリスクもあります。
そこまで行く前に、何とか手を打ちたいとFRBがゼロ金利政策を採ったり、
日銀がETFの購入金額を倍増するという手を矢継ぎ早に打ち出していますが、
いまのところ市場の反応は懐疑的なものにとどまっています。
残念ながらリーマンショックの時は、まだ打つ手があったFRBですが、
今度はFRBにもECBにも日銀にも有効な打つ手がないのかもしれないと
いうことが懸念されているのです。

 そう言えば、リーマンショックの時は、中国が果敢な金融緩和や
財政政策を発動させて世界で一番早く危機を乗り切ったとも言われて
いますが、今回は明らかに中国がショックの発信源になっています。
それも、リーマンショックの時には民主国家ではなく全体国家だったので
果敢な処置が取れたことが有効だったのですが、今は逆に、民主国家では
なかったために初期対応で情報の隠蔽が図られたことが、ここまで危機を
拡大してしまった主な原因だったということが明らかになってきてしまい
ました。

 今回の事態がどうなるかによっては習近平体制が維持できるかどうかも
危ういのではないかという見方まで出てきており、極端かもしれませんが
共産党王朝が倒れる、いわゆる「終わりの始まり」になるのかもしれない
という見方もされるようになりました。ソ連の崩壊のきっかけは
チェルノブイリの原発事故だったのではないかという説もあり、今回の
コロナショック(本当は武漢ショックというべきかもしれません)が
共産党政権崩壊のきっかけになるという識者もいます。

 長期的に見ると、あれほど大きな全体主義の国が隣にある状態が変化して
民主国家が誕生するのは、日本にとっては喜ばしいことですが、短期的に
恐いのは、壊れる時に阿鼻叫喚の地獄絵のような状態が実現してしまう
可能性がとても高いことです。しかも、日本がそのターゲットにされて
巻き込まれてしまう可能性もかなり高いように思いますので、細心の注意が
必要です。

 この原稿を書き始めてから、なぜか「阿鼻叫喚」というキーワードが
何度も浮かんできます。不思議だなと思って気が付いたのは、先週の
3月10日に岩手県陸前高田市にできた東日本大震災津波伝承館
「いわてTSUNAMIメモリアル」を訪れたことです。

 3月11日の朝のNHKのニュースでもこのメモリアルが取り上げられて
いましたが、その大きな特徴は、津波の映像を見せることに重点を置いて
いること。実際に震災の経験をしていない小学生たちに映像を見せるべきか
どうかで、教育現場では色々な意見があるということが紹介されていましたが、
やっぱり自分の命を守れるのは、結局は自分自身であるという大きな教訓を
伝えていくためには、映像を見てもらうことが有効だということがよく
わかりました。

 もちろん津波の映像には当時の実際の被害状況が映っているわけでは
ありませんが、多くの人々が流されてしまっていることが容易に想像できる
ので、それが阿鼻叫喚というキーワードが浮かんできた原因かもしれないと
感じました。

 大事なことは、東北の人々はあれほどの災害から助け合い、励まし合って
復興を遂げつつあるということです。時間はかかりましたし、まだ心理的にも
物理的にも傷が癒えていない被災者の方が大勢いることも事実です。
ただ、そうは言っても生き残った人間は、毎日を暮らし何とか生き延びて
いかなければいけないのです。

 たとえそれが阿鼻叫喚であっても、震災の被災者の方たちが成し遂げた
ように、私たちはこのコロナショックを乗り越えていかなければなりません。
そして、私たちはバラバラに生きているのではなく、本当はみんなが
つながっていて、困った時ほど助け合い支え合うことが有効だという
東北の皆さまが見せてくださったことを、今度は世界規模で実行していく
いい機会を与えられたのだということに気づかなければならないのだと
思います。

 人間は弱いけれど、みんなが集まれば強くなれるということを再確認する
というとても大切なことを、このタイミングの東北の旅で教えられたことに
感謝したいと思います。

鈍感力


 少し反省から始めたいと思います。
2月下旬に友人から「(故・竹田)和平さんの伝言」を聞かせてもらって
から、ウイルスに関する勉強を始めました。情報というのはおもしろい
性質を持っていて、興味を持って集め始めると、それに関するいろいろな
情報が次々と入ってくるようになります。見識の高い友人知人に恵まれて
いることや、いつも原稿を書いたり講演をさせていただいたりしている
ので、私は情報に対するリテラシー(元々の意味は「読み書きの能力」と
いう意味。感度という意味でここでは使っています)が高い方だとは
思いますが、誰でも興味を向けると面白いように集まってくるので、
ぜひ試してみてください。

 ただ、それはいいのですが、ちょっと新型コロナウイルスに対する
知識過多の状態になってしまいました。特にとても信頼し、尊敬する
友人の何人かがかなりきつめの警告を発しているのを見て、かなり
ネガティブな意見に自分自身も傾いてしまっていることに気がつき
ました。これは、情報を取り扱う専門家としては、あまり褒められた
態度ではないと反省しています。集めた情報に対して冷静に接し、
決して感情的にならないことが大事です。健康面に関しては専門家でも
大きく意見が分かれているようですので、いまはパニックにはならない
ことが何より大事だと思うのです。

 それで思い出したのが「鈍感力」という言葉です。作家の故・渡辺
淳一先生が「日本版プレイボーイ」に2005年から2006年にかけて連載
された記事を書籍化したものですが、ミリオンセラーになっています。
いまの情報過多の時代に一番必要な能力のひとつだと思います。感情に
左右される行動からの卒業がこれからの時代を上手く生き抜くコツに
なるのは間違いないと思いますので、じっくりと『鈍感力
(集英社文庫)を読ませていただいて、この時代に備える能力を磨き
たいと思います。

 感情に左右されないようになってから、事実を直視することに挑戦する
というのが順番ですね。いままでの時代は、感情のおかげで守られていた
面が多分にありました。ただ、これからは感情に左右されるやり方、
あるいは常識や古い固定観念がベースになったステレオタイプなやり方
では危機が乗り越えられなくなります。

 まずは自分の感情のくせに向き合って、できればデトックス(有害な
毒物を排出すること、ここでは感情解放の意味で使っています)をして、
その上で冷静に対処できる能力を磨くことが私自身も含めて非常に重要で
あり、そのことをこれからも伝えていきたいと思います。


 ただ、金融経済が底割れしたことは間違いのない事実だと思います。
特に、アメリカの株式の、意味のよく分からないユーフォリア(多幸感、
熱狂的陶酔感)のような株高のトレンドは完全に終わったと見て間違い
ないと思います。残念ながらいまの金融相場はほとんどが欧米の投機家が
動かしています。彼らの利害に基づいて作られていたユーフォリアが
完全に底抜けしました。新型コロナウイルスと原油安という2羽の
ブラックスワン(めったに起こらないが破滅的被害をもたらす事象)が
降り立ってしまったので、このトレンドを続けることは不可能になり
ました。

 ユーフォリアに基づく好景気に世界中が陶酔させられていたので、
これが覚めてしまった時の虚脱感はとても大きなものがあります。異常な
円高や優良企業の株式も叩き売られるなどの動きはしばらく続く可能性が
あります。相場の格言で「落ちたナイフは掴めない」というものがあります。
いまは、誰もが恐くてナイフを掴みにいけない状態になりました。
しばらくは、静観するしか方法はないと思います。

 中長期的に見ると、日本にとっては好材料もあります。例えば、
エネルギーの供給をほぼ100%輸入に頼っている日本にとっては円高や
原油安はプラスに働きます。本質的に困るのは欧米の投機家なので、
なるべくこれに巻き込まれないようにすることが大事です。大企業は
バランスシートの改善を図っているので、しばらくは手元資金に困る
ことはないだろうと思います。債務超過になってまで自社株買いをして
いるアメリカの優良企業とはわけが違います。

 また、中国に偏在していたサプライチェーンの一部が日本に帰って
くることも予想されます。経済力が大きいアメリカは、もはや製造業を
復活できる能力はないと見てもいいと思うので、中国の役割が東南
アジアや日本などに分散されていく流れになると見込まれます。
他人の不幸を喜んではいけませんが、東アジアよりもヨーロッパで
感染者や死亡者の数が激増していることも、実はアジアの競争力を
ますます高めていく要因になります。そんな中で中国とヨーロッパの
癒着も進んでいたこと等を考えると、日本の製造業にとっては長い目で
見るとプラスの要因も多くあります。

 ただ、もちろんインバウンド需要を見込んでいたビジネスが壊滅的な
打撃を受けるのは避けられません。早いうちに、打開策というか、
ストレートに言うと商売替えを模索された方が賢明かもしれません。
歴史的な大きなトレンドでグローバル化がどんどん進み、人の流れが
国境を越えて活発に流動するという事態に戻ることは、現状考えにくいと
思います。

 繰り返しになりますが、投機的な動きとは距離を置くことがまず
大事です。実は、中国の株式は欧米からの距離を保っているので、実は
それほど急落していません。そして、インバウンドで経済を刺激する
政策は終わったという事実をしっかりと認識して、早めに対処方法を
考えることが大事になるということを押さえて、まずは各々の鈍感力を
磨いていただければと思います。


ウイルスは生きている


月末月初は舩井メールクラブの原稿の執筆でかなり追い込まれます。
年会費10万円もしくは月会費1万円(いずれも税込)で毎週木曜日に配信
するという、多分世界で一番高い有料メルマガです。
私は毎週第一木曜日に発信させていただく分を担当させていただいている
のですが、命がけにならないと書けないぐらいの重圧を感じています。
毎月少なくとも10冊以上の本を読み込み、最新の政治・経済・金融情報を
私なりに分析してお届けしています。

自分で重圧を増やす必要はないのですが、私以外の執筆陣の方も、その
値段に見合うだけの内容になっています。いまの時代は、無料の情報
だけを集めているとフィルターバブルという自分の興味がある情報だけが
集まってきて、極端なケースだとフェイクニュースを掴まされるという
ことも考えられます。こんな時代だからこそ、自分のフィーリングに
合う有料情報をあえて購読されることで、難しい時代を生き残るために
不可欠なご自分の見識を作っていくことができるようになると思って
います。

この月末は、コロナウイルスの影響でイスラエルに行けなくなった
赤塚高仁さんのログハウスに集まって飲み会になりました。最近は少し
インプット量を少なくしていますが、簡単に書ける原稿ではないので
土曜日の早朝(ほとんど夜更かしの人が寝る時間)に起きて、原稿を
書き始めました。新幹線の中(最近はwifiもあり電源も取れるので最高の
執筆空間になっています)でも原稿を書き続けラフ原稿が仕上がりました。
また、帰りの新幹線でしっかりと校正をして今月もいい原稿が書けたと
ホッとしています。

それでホッとしているのですが、今月は休む間もなく新しいインプットを
はじめました。きっかけはコロナウイルスに関して勉強をしなければと
感じたからです。日曜日は朔日参りに伊勢神宮に向かった私以外の
メンバーと別れて、東京で開催された前田知則先生のリメンバランス
ワークに出席しました。ぜひ出席しなければいけないという直感に
従ったのですが、そこで前田先生が話されたコロナに対する私見が、
しっかりとした知識に裏打ちされていたものだったのです。

前田先生は富士通でエンジニアをやっていらっしゃったこともあり、
しっかりとした科学思考ができる強みをお持ちです。当然ながら最近は
コロナに関しても話したり書いたりする機会がどうしても多くなっており、
私はつい概念で理解して終わらせてしまうのですが、概念でもいいので、
せめてしっかりと本を読み込んだうえで論評しなければといまさらながら
思い至りました。そこで、まず読んだのが、前田先生も参考にされたという
中屋敷 均著『ウイルスは生きている』(講談社現代新書)でした。

とても参考になる箇所がありましたので引用させていただきます。

 
(引用開始)

そして、人類を恐怖のどん底に突き落としたあの「スペイン風邪」の
毒性も、実はパンデミックの発生から数年で大きく低下したことが
報告されている。
現在ヒトに感染するH 1N1型のインフルエンザは、前述したように
当時の子孫ウイルスであるが、今はその型 のインフルエンザが流行する
ことがあっても、スペイン風邪のような惨劇は起こらない。
もちろん免疫によるヒトの耐性が増加したという側面があることは
否定できないが、ウイルスそれ自体の致死性も大幅に低下している。

(中略)

その謎の答えは、ウイルスという病原体の性質にあると考えられている。
ウイルスは生きた宿主の細胞の中でしか増殖できないため、宿主が
いなくなれば、自分も存在できなく なる。理屈の上ではウイルスにとって
宿主を殺してしまうメリットは極めて乏しく、積極的に宿主を殺すような
「モンスター」 は、いずれ自分の首を絞めることになるのだ。

(引用終了)

 
 スペイン風邪は第一次世界大戦が終わった年である1918年に大流行
しました。後からの研究で人類が経験した最初の鳥インフルザであることが
分かったそうですが、当時の世界人口18億人の内少なくとも6億人が感染し、
2~5千万人の人が亡くなったのではないかと言われています。
当時は中国やアフリカ諸国での統計が取れていないので、もしかすると
1億人近い死亡者が出たかもしれないと言われるほどの猛威をふるいました。

今回の新型コロナウイルスによるインフルエンザを含めて、この
鳥インフルエンザと同様の動物由来のウイルスが原因ですが、ウイルスの
学習能力によってその殺傷力は格段に落ちているようです。また、武漢や
クルーズ船のような状態になってしまうと感染力は強くなりますが、
そこから2次感染、3次感染と経るにつれて毒性は弱まっていくことが
期待できるので、いまの内に抑え込むことが大事だという専門家の意見や
政府の施策は納得できるものだと感じています。

本書を読んでいると、人間を頂点とする生物はウイルスとの戦いを通じて
進化してきたという風にも考えられるようです。すべての生命は生成発展
するように設計されているというのが父の意見でしたが、生成発展する
ためのツールとして神さまはウイルスを利用しているように感じられました。

しっかりと対処することは大事ですが、パニックにならずにこの騒ぎから
何を学ぶべきなのか考えていきたいと思っています。


天長節


 日曜日は令和最初の天皇誕生日、正式に言うと天長節でした。
偶然とは思えないような必然で、今年の赤塚高仁さんの聖書塾
始まりの日です。神さまからのwifiがつながると別人のようになる
赤塚高仁さんのルーターになると決意(2月5日発信のウィークリー・
レポートをお読みください)
したこともあり、始まる前に二人で
靖国神社の正式参拝に出かけました。

 
 まずは、赤塚さんの直感に従った行動に寄り添うことがルーターの
第一歩だと考え、聖書塾の前はおそらくこれまでのほとんどがそうで
あったように、靖国に行かれて、八千代食堂の玉子丼を食べられる
はずだと思ったので、「私も同行させていただけませんか?」と
メールを入れました。赤塚さんからは「是非一緒に行きましょう。
正式参拝もしましょう」とお返事をいただき、朝ごはんを食べずに
靖国神社で待ち合わせました。 

 二人で正式参拝の申し込みに行くと、「天長節の式典がありますので、
それにご参加いただきます」とおっしゃってくださって、図らずも
天皇誕生日を祝って神さま(靖国の場合は246万6千柱の英霊です)に
召し上がっていただくお祝いの品々を奉る儀式に参加させていただく
ことになりました。本格的なお神楽もあり、神さまたちが天長節を
祝って大宴会をなされている場に立ち会わせていただけたのかなと
ちょっと感動しました。

 その後、予定通り八千代食堂に立ち寄って玉子丼を赤塚さんに
ごちそうになりました。天長節のお祀りに参加させていただいたので、
いつもの正式参拝よりも時間がかかり、開店のタイミングで入れた
わけではないのですが、不思議なことに多分私たちが最初の客でした。
まだ誰もいない静かな店内に入ることができて、知覧から出撃して
いった英霊たちが最期に食べた思いに共感して泣いてしまう赤塚さんが
いつも座る、目立たない奥まった壁際の席に座ることができたのです。
 
 聖書塾の前ですが、直会ですので1杯だけビールをいただいて静かな
時を過ごしていると、見る見るお客様が入ってこられて、店内は満員に
なりました。そう言えば、正式参拝もあまり大勢の人がいませんでした。
もし正式参拝の方が多く待っておられたら、お祀りには参加させて
いただけなかったのかもしれません。ひょっとすると、神さまが大切な
聖書塾を開催する私たちの心構えができるようにお人払いをして
くださったのかなと勝手なことを考えていました。
 
 そろそろ玉子丼も食べ終わったので、聖書塾の会場に行こうかと思って
いると、北海道聖書塾で見事にルーターの役割をやっていらっしゃる
工藤孝史さんが店内に入ってこられました。私のルーター宣言を見られた
工藤さんが、聖書塾に参加するためにわざわざ日帰りで来られたそうで、
思いは同じくして聖書塾の前に靖国神社参拝に来られたのです。
工藤さんが玉子丼を食べている間、コーヒーをいただきながらいろいろ
話が弾んで、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

 私がルーターになるのであれば、少し時間をいただいてお話しさせて
いただくことが一番いいのではないかと八千代食堂で話しがまとまり、
講義の最初の赤塚さんのショートスピーチの後、カバラの生命の樹や
それと日本の天皇家に伝わっているという十種の神宝(とくさの
かんだから)が実はリンクしているという話をさせていただきました。
物理の超弦理論に基づく次元論の研究を突き詰めていくと見えてきた
世界なのですが、生命の樹は聖書の最初に出てくる創世記に出てくる
話で、結果的にちゃんと聖書につながりました。

 赤塚聖書塾の真骨頂は旧約聖書と新約聖書がしっかりつながっている
ということを、まるで精霊が降りてきたようにあっさりと解説して
くれることです。

今回は聖書が血肉のようになっている赤塚さんが、ヨハネの黙示録の話を
してくれました。黙示録は新約聖書の最後の部分なのですが、通常は
終末論の話をしていると捉えられています。聖書は始まりのことを
語っている創世記があって、終末論である黙示録があるので、私たちは
時間が一直線に流れるという世界観を作ってきました。

 でも私は、本当は黙示録を乗り越えた先に、もう一度私たちは
エデンの園に戻れるのだということを赤塚さんとの共著
『黙示を観る旅』(きれい・ねっと)を書いた時に気がついたのです。
私は気がついただけですが、赤塚さんはそれがちゃんと聖書に示されて
いることを教えてくれました。ヨハネの黙示録第2章7節に以下のような
記述があります。

 
(引用開始)

耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。
勝利を得る者には、神のパラダイスにあるいのちの木の実を
食べることをゆるそう。(口語訳新約聖書)

(引用終了)

 生命の樹(いのちのき)の話は創世記の後は、これ以外にはまったく
聖書には出てこないそうで、だから聖書の世界も本当は回っていて
ずっと続いて行くことが分かるのだという感動の秘話を教えてくれました。
二人のコラボは、このような形で進んでいきますので、
ぜひ東京の聖書塾にもご参加いただければと思います。
次回からもしっかりとルーターになって、赤塚さんにwifiをつなげたいと
思っています。

恐怖の壁


 新型肺炎の流行がパニックの様相を呈してきました。天皇誕生日の
一般参賀が中止になり、東京マラソンの一般ランナーの参加が取り
やめられることになりました。日本は国内発生初期にあるということ
で、ここでの対応が感染の拡大をストップするための大事な状態に
あるということは理解できますが、ここまでに至ってくると様々な
影響が市民生活にも出てくることは確実です。

 昨年の10~12月期のGDPの速報値が発表になり、年率換算で
マイナス6.3%の大幅減となりました。新型肺炎の影響がまだ出て
いない段階でこの数字なので、消費税の増税の影響がかなり深刻に
出たということになるのだと思います。

 日本の高齢者には、多額の金融資産を保有している資産家が多く
います。その方たちにお金を消費してもらうことが経済にとって
とても望ましいことなのですが、消費税を上げるということは消費に
ペナルティをかけることになってしまい、それではやるべき方向と
逆行していると言わざるをえません。

 そのうえ、このタイミングで新型肺炎のパニックがやってきたわけ
ですから、少なくともこの騒ぎが収まるまでは、景気は低迷すると
見ていいのではないかと思います。最近の日本の景気を支えていたのは
明らかに中国人等のインバウンド消費だったので、それが落ち込むのが
確実であることもやはり大きなインパクトを持つと考えた方がいいと
思います。さらに、人が多く集まる場に出て消費をするよりは、家で
過ごす時間が確実に増えますので、そういう意味でもやはり景気は
かなり悪くなると思った方がいいのかもしれません。


 どうも、私たちはいま、この恐怖の壁を上手く超えていくという
試練を与えられているようです。新型肺炎は原因が特定できず、
ワクチンなどの対処法も明確になっていないのでパニックになって
いますが、通常のインフルエンザに比べれば、中国はともかく日本を
含む他国ではそれほど恐れなければならない状況にはなっていない
のだと思います。医療技術の発達や、テレビ等の情報伝達手段が
整備されていることなどから適切な対処ができる環境が整っており、
多くの死者を出した過去のパンデミックのようなことにはならない
可能性が高いと思います。

 ただ、警戒情報が迅速に伝わることで、恐怖の感覚が広がっていく
スピードは大変速く、逆にこの感情のコントロールをどうするかが
問題になってきていると思います。しっかりとした自我の確立をする
ためには恐怖の壁を越えていくことが大切です。日本人の多くが
自我を確立しつつあるいまのタイミングで、まるでお試しのような
パニックが起こっていることから、これに上手く対処することが
本当に大事になると感じています。

 恐怖の壁を超えるには、自分に起こる出来事を他人の責任にしない
ことが大切になります。心配になってくると何をしても感染する
ような気分になりますが、しっかりと免疫力をつけて手洗いうがいを
すれば、通常の体力がある人なら肺炎になる可能性は低いといいます。
他人に迷惑をかけないようにすることはとても大事なことですが、
必要以上に他人を非難することにならないようにすることも大事な
ことだと感じます。

 テレビのニュースを見ているだけで暗い気分になってしまいますが、
こんなときこそ一人ひとりの行動が大事なのだと思います。この原稿も
ここまでネガティブに書くつもりはまったくなかったのですが、私も
かなり世論に影響を受けているようです。明るい気持ちを持ちながら
クレバーに恐怖の壁を乗り越えていきたいものですね。

 恐怖の壁を乗り越えて自我の確立ができれば、お金に困らなくなる
のではないかと私は考えています。いまのこのパニックを乗り越える
ことで、日本はまた豊かになれる一歩を踏み出せるとも感じています。

 近代人は自己主張ができるという特徴を持っています。他人と比べ
ずに自分の意見を堂々と述べられるということで、日本人は相対的に
言うとこれが苦手です。一神教の西洋人は神との契約をベースに自我を
確立していくので、他人と比べずに自分が確立できるので、得意なの
だと思います。特に平成の時代は世界的に自我の確立が求められる
時代で、これが苦手な日本人は苦戦を強いられてきました。

 個人的な感想ですが、安倍政権になってからは曲がりなりにも自己
主張をするようになって、日本もようやく上昇基調に乗ったかなと
思っていたタイミングでの今回の試練ですが、上手く乗り切ることで
一皮むけるいい機会に昇華できるのかもしれません。冷静に対処して、
この危機をどう乗り切るかを集合意識の叡智で考えてみるようにしたい
ですね。そうすると、日本人が得意な「全体感を大事にしながら
それぞれの役割を果たす」というステージに入れるかもしれないと
思っています。

移動距離


 便利な世の中になりました。スマホやPCを使うと世界中の情報が
簡単に取得できます。現地の状況もグーグルアース等を使えば
ネット上でかなりの精度で取得できます。また、会議もテレビ会議で
できるようになり、私も地方在住の友人とのミーティングをズームと
いうソフトを使ってさせてもらっています。このように、一昔前なら
考えられないようなペースで情報交換ができるような時代になりました。

 船井総研では会議のための出張は基本的になくなったそうです。
若い人が多い船井総研のコンサルタントは、ご支援先の了解が取れた
場合には、月次支援も実際にお伺いせずにズームで済ませることが
増えているようです。

 また、たとえ出張することになっても、いまは帰ってこられるのなら
基本は日帰り出張しか認めない会社が増えているようです。北海道や
沖縄、さらにはシャトル便が飛ぶようになった上海、北京、台北、
ソウルなどへの出張も、外資系や金融系の会社は日帰り出張が
当たり前になってきていると聞いて、大変な時代になったものだなと
感じています。


 私が20歳代の頃だと思いますが、当時のベテランの先輩コンサル
タントから、「情報量は移動距離に比例する」ということを教えて
もらったことがありました。船井総研は今も昔も業種に特化して
ご支援させていただくことが多いのですが、その業界のご出身の
個人ベテランコンサルタントに比べると、経験という面では
どうしても見劣りしてしまいます。ただ、多くのコンサルタントが
日本全国に多くのご支援先を持たせていただいているので、
集まってくる情報量が桁違いになります。これが最大の強みだと
いうのです。

 いまのようにテレビ会議でご支援をすることなど考えられない時代
でしたから、現場のコンサルタントが足で日本中を飛び回って集めて
きた生の情報ほど貴重なものはありませんでした。いまでいうと
そのデータベースの蓄積が他社にない最大の強みだったのです。

 そしておそらく、それはいまでも変わらないのだと思います。
業界紙などで専門の情報を取ってもやはり生の情報にはかないません。
特に最近はチームワークでご支援をさせていただくことに力を入れて
いるようですので、それが独特の強みになっているようです。


 私もおかげさまで、各地を旅させていただいていろいろな生の
情報をいただいています。コンサルタントのようにお金になる情報
ではありませんが、その蓄積がブログ等の原稿を書くときの源泉に
なります。本で読んだり、誰かの話を受け売りでお伝えしてもいいの
ですが、旅の実感と共にお伝えすると何か熱を持って伝えることが
できるようで、自分の体験に基づく情報を入れることを心がけて
いるのです。

 また、不思議なのですが、本を読むときも地方に旅行に行っている
時の方が頭に入ってきます。飛行機や新幹線の中、あるいは移動の
待ち時間などに喫茶店に入って読んだものは、その時の情景と共に
よく覚えています。はっきり言って、自宅や会社の部屋で本を読む
よりもはるかに早く読めますし、それに頭にも入ってきます。先日、
赤塚高仁さんが、それは風景と共に記憶されるからだと教えてくれた
のですが、とても納得できました。

 生の情報を得るには、旅先につながるご縁が必要になってきます。
普通に観光地に行っても得られない、現地ならではの情報に触れる
機会をいただけるのは本当に有難いことだと思います。ただの観光客
では教えてもらえないことも、現地で信頼されている人を通じて
いただけると、まったくレベルの異なる情報を収集できるのです。

 また、たとえ観光で行っても、普通ではない情報を得られると
とてもうれしい気分になります。2016年に小川雅弘さんとインドに
行ったことがありました。金融閉鎖が起こるかもしれないという予感を
持っている小川さんと、その前触れになるかもしれない高額紙幣の
使用が禁止された現地の様子を見に行ったのです。インドに特別な
伝手はなく、旅行会社を通じて頼んだ日本語のガイドさんが便りでした。

 悪い癖で、現地に行くまでは詳細な目的や訪問先を決めていなかった
のですが、いいガイドさんで、それならと言ってご親戚の自宅に連れて
行ってくださり、現地の庶民の生活レベルや、何を欲しているのかを
見せてもらうことができました。それによってインドが、例えば中国と
比較すると、何年前の発展段階だろうという想像がついて、とても
貴重な情報になりました。人脈というご縁も大事ですが、このような
運も大切なのだと思います。

 ご縁も、それを作る偶然の重なりという運も、どちらもシンプルに
言えば移動距離に比例するようです。ITを使いこなせないことの
言い訳ですが、これからもたくさん移動していい情報をお伝えしたいと
思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


ルーターになる決意


 週末は広島に行ってきました。メインの目的は、呉市で開催された
広島聖書塾での講演でした。また、いつもお世話になっているサクラ
F奉仕団での講演会が広島市であり、赤塚高仁さんと交代で1日に
2講演をさせていただきました。

 スケジュールが重なって起こった奇跡ですが、ちょうど話してみたい
次元論の新ネタがあり、それを何度か続けて話せてお客様の反応を
確かめられたのは、とてもラッキーだったと感謝しています。

 広島聖書塾を主催しているのは、とても親しくしていただいている
久村寿美さん。自衛隊出身で「呉市市民公益活動団体 樹の音会」の
会長であり、3年連続赤塚さんのイスラエルツアーに参加している
強者です。

 イスラエルツアーの現地の受け入れをしてくださっている旅行社
「アミエル社」のオニ・アミエル社長のお母様イリアット・アミエル
さんはアウシュビッツの経験者です。ご出身のポーランドやイスラエル
ではベストセラーとなった『SCORCHED 焦がされた世代 ホロコースト
生存者短編集』(きれい・ねっと)
というエッセイ本を出版されています。

 赤塚さんや小川雅弘さんと個人的にイスラエルに行って、オニ社長に
ランチをご馳走になったことがあります。その時にこの本の存在を知って、
赤塚さんと二人で日本語の翻訳本を出版することを決意しました。
きれい・ねっとの山内尚子さんも絶対に黒字になるまでは売れることが
ないということを理解してくれた上で出版してくれました。

 翻訳書ができた時のイスラエルツアーの懇親会に、アミエル親子を
ご招待させていただきました。日本語の本を手渡すためだったのですが、
普段はご高齢のためパーティには出席されないイリットさんが予定を
変更して最後まで参加してくれました。

 最後のスピーチで、「私の人生は楽しいことなど一度もなかった。
早く死にたいといつも思っているけど、私には書いて伝えるという
役割があるので、その役割を淡々と果たしているだけ。でも今日、
日本の友人たちと話しているととても楽しかった。ありがとう」と
おっしゃってくださいました。

 時間を戻して、そんな出版をするにあたり、本質的にどんな行動を
すべきかを理解している赤塚さんから、「勝っちゃん、この本出すなら
アウシュビッツに行かないかん。一緒に行こう」と言われました。
そこで、イスラエル旅行の手配をしてくれている旅行社「ホーリーランド・
ツーリスト」の石田社長やそのお孫さんの平和さんも参加してくれる
ことになって、急遽3泊5日の弾丸ツアーに出かけることになりました。

 その時、久村さんが「赤塚ティーチャーと勝仁兄さん二人では危ない
ので、私がボディガードでついて行く」と言って、この旅行に参加して
くれて、当たり前ですがそれ以来とても親しく(頼みごとを断われなく)
なったのです。

 久村さんから呉に来るように誘われると「はい」か「イエス」の
返事をして、広島よりも呉に行く機会の方が多くなりました。今年から
広島聖書塾をはじめられることになり、上記のような奇跡で、私も最近
はまっている次元論(これも損益度外視できれい・ねっとが出版して
くれている友人の物理学者、周藤丞治著『いざ高次元世界へ 
精神文明の夜明けに』
の内容に基づいて話しています)のお話を
ちょっとだけ聖書にからめながらお話させていただきました。

 すごいのは、その記念すべき最初の聖書塾に、北海道聖書塾を主催
されている工藤孝史さんがわざわざ呉に来て参加していることでした。
にんげんクラブでも東京聖書塾を主催させていただいているのですが、
正直言って、どうも北海道や広島の方が盛り上がっている。今回、
赤塚さんと話して気がついたのは、工藤さんや久村さんは赤塚さんが
イエス・キリストに繋がるためのwifiのルーターになっているという
ことです。

 赤塚さんはイスラエルに行くとwifiが繋がって別人になります。
絶えず、イエスなどの聖人に繋がり、それをツアーに参加している
私たちにも惜しみなく分け与えてくれるのです。それが楽しくて私も
8回も行ってしまったのですが、ヨルダンにも行ったツアーの時に、
イスラエルを出るとwifiが切れることを発見してしまいました。

wr200205-1.jpeg

 でも、北海道や広島の聖書塾では、それが繋がっているように
感じるのです。普段の赤塚さんは、日本ではwifiに繋がらないのですが、
お二人が聖書塾限定のルーターになっていて、だから異様に盛り上がる
のだということに気がつきました。

 赤塚さんの許可が出たので、東京聖書塾でも私がルーターになれる
ように一緒にコラボしたいと思います。ただ単に聖書を勉強するのでは
なく、聖書の世界を再現して聖書を足の裏で読めるような場づくりに
挑戦していくことを決めました。

 赤塚さんほどではありませんが、私もイスラエルに行くと日本では
降りてこないようなメッセージを感じることがあります。もちろん、
赤塚さんがメインの聖書塾ですが、私とアドリブでコラボすることで、
私自身がルーターになってwifiをつなげる努力をしてみたいと思います。

 私は、誰かのティーアップ(ゴルフでボールを打ちやすいようにする
道具)するのは得意ですが、wifiの役割をするのは初めてです。
でも、工藤さんや久村さんがやっているのを真似て、私なりの方法で
挑戦してみようと思います。

wr200205-2.jpeg


新型肺炎


 沖縄のリゾートホテルで海を眺めながら原稿を書き始めました。
週末は大阪にいて、思いがけず赤塚高仁さんときれい・ねっとの山内尚子さんと
新年会を楽しめました。昼間から楽しいお酒を飲んで、早い時間に解散したので
ホテルに戻ってすぐに寝たのですが、おじさんというのは困ったもので、夜中の
12時前に目が覚めて今度は眠れなくなってしまいました。早朝の飛行機で沖縄に
移動しなければいけなかったので、少し大変だったのですが、まあ、トータルの
睡眠時間を考えれば十分寝ているので大丈夫でしょう。

 大阪からの飛行機はほぼ満席で、キャンプに向かうのであろうプロサッカー
チームのメンバーと一緒になりました。身体の大きな彼らが私たちと同じ大きさの
席に座っているのはかわいそうな気もしますが、私でも名前を知っている世界的な
プレーヤーも他の選手と一緒に普通席に座って、まったく不満気な表情をして
いないのには感心してしまいした。以前に沖縄から帰るときに、プロ野球選手の
一団とも乗り合わせたことがあって同じように感じたのを思い出しました。
アメリカのメジャーリーグなら専用機で移動するらしいのですが、そういう面では
日本のプロスポーツは質素なものなのだと思います。

 さて、先週の土曜日が新月で旧暦のお正月ということで、いよいよ2020年、
令和2年が本格的に始まりました。2というのは女性性の象徴で、それに対して
1は男性性の象徴だという話を大阪で聞きました。そう考えるとこれから千年続く
女性性の時代が本格的に始まったということかもしれません。ただ、変化の時は
大混乱もつきもので、舩井幸雄がいつも心配していた「大難の時代」がいよいよ
本格的に始まるのかもしれません。

 経済的には、今年は何とか乗り切れるのかなと思っていたのですが、ここに来て
中国で発生した新型コロナウィルスによる新型肺炎がいよいよ大変なことになって
いるという実態が明らかになってきました。中国政府は実質的に武漢市を閉鎖して、
それに対して日米両政府は自国民を救出するための専用機を用意して救出に向かう
というニュースが出ています。早速、週明けの為替相場は世界経済の先行き不安を
受けて円高で推移しており、やはりこのままでは済まないことを感じさせる動きを
見せています。

 リーマンショックのような世界的な大事件の時は、ブラックスワンが現れると
言われています。誰も予想できないようなあり得ない現象が大混乱の原因になると
いう意味で、11年前はサブプライムショックは予想されていましたが、それで
リーマン・ブラザーズという世界的な大投資銀行が潰れることは誰も予想できません
でした。あの時は、もう少しで世界の金融システムが破たんするというところまで
追い込まれてしまったのですが、今年は中国の新型肺炎がブラックスワンになるの
かもしれません。

 沖縄に来ると、最近は巨大なクルーズ船が停泊しています。中国政府は団体旅行を
禁止するという措置を打ち出すということなので、沖縄の観光業も大打撃を受けるの
かもしれません。日曜日に出席させていただいた沖縄のレセプションで、高級
リゾートホテルを展開しているホテルチェーンの社長さんとお話しさせていただいた
のですが、いまはまだそれほどの心配はされていないようです。ただ、沖縄では
高級リゾートと言っても1泊で5万円をとれる施設は2、3軒に限られていて、
ここが沖縄のリゾートが成功するかどうかの鍵だという話をしてくれました。

 そういう意味で考えると、日本の観光業もマスを相手にするビジネスから
富裕層を相手にするビジネスに転換しなければならないし、逆に言うと日本に
本格的な高級リゾートを楽しめる新たな中流層をどうやって作っていくかを考えて
いかなければいけないのかもしれません。

 幸いにプロスポーツを見ても分かるように、日本ではまだアメリカや中国ほど
二極化は進んでいないように感じます。ごく一部の金持ちを作るのではなく、
日本全体が豊かになっていくような方策を考えて、長年がんばって働いて日本の
発展に尽くされた老年のご夫婦が1年に一度ぐらいは沖縄で1泊5万円のホテルに
泊まれるような社会を作っていけば、日本も豊かになるような気がしてきました。

 中国人観光客に頼るのではなく、日本人が楽しめるリゾートを作り、それを
外国の人たちにも楽しんでいただけるようにするのが基本のような気がします。
今回の沖縄のリゾートブームはバブルの時のようなひどいことにはならないと
思いますが、まず自国民に楽しんでもらえることを大切にするという基本は
忘れないようにしたいものですね。

沖縄.JPG

国民的英雄  


 フィリピンのマニラに仕事で行ってきました。
時間に余裕があったので、少しだけ観光も楽しませていただきました。
最初に訪れたのは、サンチャゴ要塞。 1571年から150年かけて築かれた
要塞ですが、明治時代に独立運動を起こし、そのためにこの地で幽閉
されて銃殺された国民的英雄ホセ・リサールの博物館があり、そこを
見学させていただきました。

 リサールは語学の天才だったらしく、日本に来たこともあり日本語を
少し話し日本人の恋人もいたらしいということが分かっています。
呂宋(ルソン)助左衛門という戦国時代の商人を主人公にした
大河ドラマが昔ありましたが、その頃から日本はフィリピンと縁が
深かったようです。彼は35歳で処刑されてしまいますので、独立に直接
かかわったわけではないのですが、フィリピンの人々にとってはインドの
ガンジーのような存在だったように感じられました。

 そのサンチャゴ要塞のすぐ近くにマニラ大聖堂という立派なカトリックの
教会がありました。そこで、少しだけお祈りさせていただきました。
フィリピンはアジアで唯一、キリスト教を信じる人の割合が90%を超えて
いるキリスト教国です。スペインの統治が300年続いていたことが大きな
理由なので、南米の国々の宗教がキリスト教だということと似ているの
かもしれません。ただ、南米と違うのは多くの人が英語を話している点で、
最近では日本から最も身近な英語留学ができる国として人気を集めている
ようです。

 現地で会社を経営されている日本人にお話を聞くと、フィリピンは
アセアン諸国の中でもかなり親日的で、最近はドゥテルテ大統領が
積極的にインフラの整備などの経済の刺激策を採用していることなどから
景気もよく、それに伴って治安も大分よくなってきているそうです。
農業と出稼ぎが2大産業で、香港に行くと休日には公園でたむろしている
フィリピン人メイドの多さに驚くことがありますが、香港をはじめ
日本や韓国、中国、それに最近では中東諸国にも多くの出稼ぎ労働者が
いるようです。

 それに加えて、英語が話せることを活かした、コールセンター業なども
発展してきているようで、政治の力で国のあり方が大きく変わること。
さらに、日本の報道を見ているとトランプ大統領のように非常識な
トンデモない大統領というイメージのドゥテルテ大統領ですが、
現地の方のお話を聞いていると大変人気があり、実績も作っている
ことが感じられました。

 ところで、話はすっかり変わりますが、いまは国民的な英雄に国の
行く末を委ねる時代ではないように感じます。ガンジーやリサールの
ような傑出した人物ではなく、トランプ大統領やドゥテルテ大統領の
ように一癖ある人物が大衆の本音を上手くつかまえて、彼らの豊かに
なりたいという願望に忠実な政治をすることで国が発展していきます。
そして、その次の段階は英雄や救世主を外に求めるのではなく、
一人ひとりの意識レベルを上げて、その集合意識の力で国の方向を
導いていく時代だと感じます。

 救世主が現れることに期待を持って待っていても、いまはそのような
人物が外から現れることはないのだと思います。ではどうすればいいのか
というと、多くの集合意識を作っている叡智を自ら学んで、自分の意識を
広げていきながら、共鳴する部分を増やしていくようなアプローチが
有効になってくると感じています。

 身近なところでは、赤塚高仁さんが提供してくれる「やまとこころの
キャンドルサービス」や「聖書塾」があります。にんげんクラブで聖書塾
開催させていただくのは今年で3クール目になります。赤塚さんは
無教会派のキリスト教の団体で聖書を深く読み込み、糸川英夫先生の
教えに基づく30回近くのイスラエル訪問で足の裏で聖書を読む体験を
積み重ねたことで、他の人にはない自分の中にイエス・キリストを発見
するメソッドを確立されています。

 赤塚さんは決して英雄でも、救世主でもありませんが、赤塚さんの
聖書塾でひとたびインスパイアされると、自分の中の小さな救世主の
存在を感じられるようになります。私は、そんな赤塚さんにイスラエルで
出会ったことで大親友になり、それから毎年のようにイスラエルを
訪問するようになりました。

 今回のマニラ大聖堂でもイエスの魂を感じることができましたが、
世界の大半の人が魂の拠り所としている聖書の知識を、日本人向けに
独自の視点で教えてくれる貴重な機会を逃す手はないと思います。

 3年連続で受けてくださる皆さまにも、はじめて聖書に触れられる皆さまにも、
大事なメッセージが伝わることを確信しています。私も毎回出席しようと
思っていますので、ぜひご参加を検討していただければと思います。

 日本からの視点だけでものごとを見ていては分からないことが多くあることが、
海外に行くと感じられます。そのときに、なにか物差しをもっていると、
海外の事情がぐんと分かりやすくなります。
赤塚聖書塾では、そんな物差しも身につけていただければと思います。

にんげんクラブ2.0


 にんげんクラブの新しい動きを考える上で、先週書いたとおり
9次元社会がどうなるかということがキーワードになってくると
感じています。

 父の代表作でもある『エゴからエヴァへ』(PHP)で唱えていた、
エヴァ社会のあり方が9次元社会だと思うからですが、具体的にマネー、
情報、エネルギーという分野で考えればイメージ化できるというのが、
周藤丞治さんが『いざ高次元世界へ 精神文明の夜明けに』
(きれい・ねっと)
で提案されていることです。

 先週の続きで、その中でエネルギーがどうなっていくかを考えた時に、
やはり原子力技術をどう使いこなせるようになるかがポイントになると
思います。

2005年の本ですが、中島彰著『全核兵器消滅計画』(講談社)という
衝撃的な本があります。アメリカがマンハッタン計画で原爆を開発した
時に一番難しかったのは、原爆が兵器としての巨大な殺傷力を持つ前に
不完全爆発(未熟爆発)してしまうことをどう防ぐかという点だった
そうです。逆に言うと、人為的に不完全爆発をさせることができれば、
核兵器を無力化できるという考えが浮かびますが、これが少なくとも
理論物理学的には可能だということは、科学者の中でコンセンサスを
得られているのだそうです。

 いまの原子力発電所は、核分裂でできるエネルギーでタービンを
回して起こる力で磁石を回して発電するのですが、9次元的な発想に
なれば、3次元のエネルギーである電磁気力をわざわざ使うことは
ナンセンスだとも考えられるので、原子力そのものをどう電気に
変換するかという発想になってくるのだと思います。

 服部 禎男著『遺言~私が見た原子力と放射能の真実』(かざひの文庫)
という2017年に出版された本があります。服部先生にお会いしたことは
ありませんが、2011年の福島の原発事故の時に原子力についていろいろ
調べている過程で超小型原子炉という安全な原子力発電の方法を提案
している先生のご存在を知りました。本書から引用させていただきます。

 
(引用開始)

炉心が直径1メートル以下の超小型原子炉であれば、仮に事故が起こり
炉心の温度が上がっても、その分密度が下がるために、中性子が原子核に
ぶつからずに、炉心の外へ飛び出していくため、核分裂の連鎖反応は
自然と止まるということです。これは本質的に安全 な原子力発電の
仕組みです。

(引用終了)

 この技術が5次元や9次元の発想に基づいたものかどうかは分かりま
せんが、服部先生が上記の仕組みに気がついたのは1958年のこと、
つまり50年以上も前のことなのです。原子力を全面的に否定するよりも、
いまの原発とはまったく発想の違う叡智を追求するのは悪い事ではない
のではないでしょうか。

 そして、最後に取り上げた情報というものもAI(人工知能)や
ビッグデータ等の言葉が現代社会を象徴する言葉になっているように、
とても大事なものであることに否を唱える人は少数派だと思います。
最新の技術で情報を集めて使いこなすのは便利な世界ではありますが、
先人が命がけで獲得してきた民主主義の基本であるプライバシーを
守る権利や言論の自由等が損なわれてしまうデメリットがあることも
また、広く認識されるようになってきました。

 突き詰めて考えていくと、いまの私たちの社会のディフォルト
(標準)である資本主義と民主主義の矛盾を真正面から訴える技術に
成り得る可能性を持っていて、これを次元論からどう考えるかも大事な
ポイントになることは間違いありません。この辺りのことを考えていく
には、私がずっと本質的なところを見ることを避けてきた、
スピリチュアルなことにもっと目を向けていかなければならないという
事実に向き合おうという気持ちがようやく、徐々にではありますが
高まってきています。

 9次元が当たり前の社会が徐々に実現していくと、当然の帰結として
資本主義や民主主義といういまの政治のシステムでは対応できない問題が
増えていくのだろうと思います。いまの私の知識では、それに対応できる
新しい仕組みがどんなものになるのかはとても想像できませんが、それを
皆さまと一緒に考えるのが、にんげんクラブ2.0の方向性になることが、
漠然とではありますが見えてきているように感じています。

 直感力の優れた女性の中には、すでに経営等でこの動きを先取りして
いる人もいるようですが、彼女たちは自身の直感はもちろん、それ以上の
高次の情報を使いこなしているように感じます。私のような年輩の男性は、
理論理屈がないと理解も納得もできないので、本年はそんな理論理屈を
周藤さんのような科学者の力を借りながら、しっかり考察していきたいと
思っています。

あらためまして、本年もにんげんクラブをどうぞよろしくお願いいたします。

9次元の社会をイメージする

あけましておめでとうございます。
本年もにんげんクラブをよろしくお願いします。

令和2年、2020年になりました。「2」ばかりの年だからという
わけではありませんが、にんげんクラブもそろそろバージョン2.0に
なっていかなければいけないなと思っています。そこで、今年の
前半は、にんげんクラブのあり方をしっかり考えていきたいと
思っています。そして、その考えのベースとして、これからの
社会がどうなっていくのかということを次元論を中心に考察して
いきたいと思っています。

年末に書きましたように、私は周藤丞治さんから教えていただいた
次元論をベースに物事を考えています。彼の著書「いざ高次元へ
精神文明の夜明けに」(きれい・ねっと)
をぜひお読みください。
新しい文明のあり方がよく分かるようになります。

例えば、第3部は「高次元世界の応用」について書かれており、
1章が「マネーの進化」、2章が「情報技術がツクル未来」、
3章が「原子力技術の発展」という流で展開されています。

周藤さんの考え方は、彼の専門分野である理論物理学の
超弦(ひも)理論物理学から来ています。エネルギーは①電磁気力、
②弱い力強、③強い力(②と③を遇わせて原子力と考えられます)、
④重力の4種類あることが分かっています。量子力学によって
原子力までは数学的に説明できるのですが、重力の計算が
どうしても合いません。そこで、素粒子が弦(ひも)でできていて
次元を26(正確には(25+1))次元まであるという前提で考えると、
一応計算で辻褄があうという「超弦理論」が登場したのです。

おもしろいことに、超弦理論では標準の次元は9次元であり、
私たちは9次元→5次元→3次元とディセンション(次元下降)して
きていると考えています。4,6,7,8次元がないのは、とても小さな
次元(10マイナス30m乗以下の極微の世界)であり、かつ埋れたら
すぐに消えてしまうと計算で明らかになっているからです。
スピリチュアルな考え方で言うと、超弦理論の5次元が4次元、
9次元が5次元と考えれば「当たらずとも遠からず」です。

社会を次元論的に診ると、3次元がインターネット以前の社会で、
5次元がシェアリング経済やサブスクリプションを中心に発展して
きている現在の社会と言えそうです。5次元になったことで
私たちの生活は豊かになって格段に便利になりましたが、実は
3次元よりもかなり厳しい「勝者総取り」の世界だと私は感じて
います。

3次元の世界は業界秩序がはっきりしていて、広義の談合で
仕事の取り分はあらかじめ決まっていました。だから、お酒を
飲みながら業界秩序を守ることを最優先していれば、黙って
いても自動的に儲かっていく時代でした。

ただ、そこには格差が歴然とあって、大手町や丸の内に本社が
あるような一部の企業が霞ヶ関の指導の下、すべてを決めていて、
そのインナーサークルに入れない会社は、その下請け的な動きに
終始するしか選択肢はありませんでした。当時の船井総研や
そのクライアントの大半はそのインナーサークルに入れていなかった
ので、その経営はとても大変なものだったように思います。

インターネットが普及したおかげでこの秩序はほぼ崩れたと
言ってよく、いまは下克上の時代で多くの人や会社にチャンスが
転がっている時代です。

そして、この先9次元になると、いよいよ父が話していたエヴァの
時代(父の「エゴからエヴァへ」(PHP)を参照にしてください)に
なるのだと思っています。競争よりも共生、ギブアンドテイクよりも
ギブアンドギブの時代になります。お金等のエネルギーが未来から
流れてくるようになるので、お金を世のため人のために使うと
ドンドン豊かになるような社会構造になるのです。

周藤さんは、その9次元社会をどのように生きていけばいいのかを
「お金」「情報」「エネルギー」という観点で考えています。
私は「お金」が好きなので、いつもは大体マネーの話をしている
のですが、最近は情報やエネルギーの話も考えてみたいと思うように
なってきました。

原子力は5次元のエネルギーですが、3次元世界がまだ色濃く
残っていること、また原子力発電所が3次元の時代に作られたもの
であること等から、私たちはうまく使いこなせてきませんでした。
ところが、重力が主体となる9次元社会に変化していった時には、
私たちは原子力をいまよりも確実にうまく使いこなせるように
なると思うのです。

重力が主体のフリーエネルギーを使いこなせるようになるには、
もう少し次元を上げていかなければいけないのかもしれませんが、
多くの人が9次元に移行できるようになれば、原子力技術で私たちは
うまくエネルギー問題を解決するとまではいいませんが、進歩
させることは可能だと思っています。原子力技術をうまく使って
エネルギーの価格が下がれば、モノの価格も下がっていきます。
それが、マネーの改革と同時に起こっていく9次元社会の特徴では
ないかと考えているのです。

エネルギーについての考察の続きと情報に関しては来週書きたい
と思いますが、今年はいよいよ9次元社会=精神文明の夜明けに
当たる年になるのではないかと確信しているので、9次元になると
どんなふうに社会が変わっていくかを、しっかりとイメージして
いきたいと思っています。


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