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舩井勝仁のウィークリーレポート 2019年

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見えない世界を説明する科学


 最近、次元論にはまっています。きっかけになったのは、数年前から
続けている『いざ高次元世界へ 精神文明の夜明けに』(きれい・ねっと)
の著者、周藤丞治さんとの交流です。周藤さんは東大で物理の博士号を取り、
日本を代表する研究施設で働く理論物理学者です。彼のことは、物理学者の
保江邦夫先生やミラクル・アーティストのはせくらみゆきさん
紹介されているので、ご存じの方も多いと思います。

 『いざ高次元世界へ』を読んでいただくと、周藤さんがかなり
スピリチュアルな人生を送ってこられたことがよく分かると思いますが、
普段私とお話しするときは、スピリチュアルな話題ははせくらみゆきさん
のことくらいで、話題の中心はもっぱら「物理でいうとこの世はどの
ような構造になっているか」といったことです。最近では、私の専門分野の
金融や経済の話、さらには貨幣論のようなものを物理的に考えると
どのように応用できるかという話をよくしています。

 6月に札幌で開催された赤塚高仁さんの北海道聖書塾に参加させて
いただく機会がありました。赤塚さんが30分ぐらい何か話してもいいと
言ってくださったので、初めて周藤さんに教えていただいている理論
物理学に基づく次元論の話をさせていただきました。

すると、おもしろいことに物理の理屈の話だったにもかかわらず、辛口の
赤塚さんからも「いままでの勝ちゃんの話の中で一番分かりやすかった」と
褒めてもらい、ちょっと楽しくなって、それから講演の押し売りをさせて
いただくようになり、今では日本中あちこちでお話をさせていただいて
います。

 先日は姫路でマナー講師をつとめていらっしゃる山本えりさん
主催をしていただいて講演会を開催させていただきました。交流範囲の
広い山本さんですので、遠くは富山、名古屋、岐阜、広島、それに高知など
からも参加者が集まってくださり、聴衆のレベルがかなり高く、私もいつに
なく力が入った講演をさせていただきました。

講演会.jpeg

このテーマで講演をはじめた最初の頃は、ホワイトボードの写真は撮って
もらっても大丈夫ですが、FB等のSNSにはアップしないでくださいと
お願いしていたのですが(理由は、著作権は周藤さんにあるような気が
することと、私の物理の理解が不十分で間違っている点もあるかもしれない
と考えたからです)、最近は講演の回数が増えて、お願いすることを忘れる
こともあり、ドンドンアップされているようです。

 私の場合は、まだ講演などの形で説明を付け加えないと書いたものでは
上手く伝わらない感覚がありますが、『ザ・フナイ』の10月号での、
はせくらさんとの対談でこのテーマを取り上げているので、よかったら
読んでいただければと思います。講演を聞いてくださった皆様からいただく
感想で多いのは、「いままでバラバラだった(スピリチュアル的な)知見が
まとまって理解できるようになりました」というものです。

 周藤さんの了解を取ってはいませんが、もう拡散してしまっているので、
講演の時の写真をホワイトボードに書いた図も含めてアップさせていただき
ますし、前述の『ザ・フナイ』にも図を載せていますので、よかったら
参考にしていただければと思います。

そうは言っても私はきちんと大学で物理を学んだわけではないのですが、
姫路の講演を聞いていただいた方から、高橋宏和著『あなたの夢を叶えもん
(サンマーク出版)という本のことを教えていただきました。
参考までに著者経歴を載せておきます。

【著者】 高橋宏和(たかはし・ひろかず)
イーアイ・アカデミー代表。量子力学コーチ。
ロンドン大学インペリアルカレッジ物理学科に合格後、日本へ帰国し
慶應義塾大学理工学部に入学。慶應義塾大学大学院に進学し、
オックスフォード大学の教授ロジャー・ペンローズ博士の「量子脳理論」を
ヒントに量子力学を応用した人工知能プログラムの研究開発 を行い、
修士課程を修了。修了後、セキュリティソフトの上場企業である
トレンドマイクロ株式会社に入社。その後転職し、上司からのパワハラ、
借金、離婚など紆余曲折を経験。人生を変えるべく原点回帰し、学生時代
から学びつづけてきた成功哲学やコーチングを「量子力学」で解明し、
科学的コーチングメソッド量子力学コーチング®を確立。その内容は、
LINE@やYouTubeなどでも配信され、多くの感動を呼んでいる。
本書が初の著書となる。

 私の次元論は周藤さんが研究されている超弦(ひも)理論に基づくもの
なのですが、高橋さんは量子力学を学ばれていて、違いもありますが、
さすがにきちんと理解されているのがよく分かるすばらしい本だと
思いました。本のテーストは『夢をかなえるゾウ』やさとうみつろう著
『神さまとのおしゃべり』(ワニブックス)のように、ちょっとふざけた
関西弁の神さまとのやり取りになっていて、この形式がスピリチュアル的な
本質を分かりやすく伝えるには一番いいのかなと思います。

 また、ドラえもんのように、いろいろな秘密道具がいっぱい出てくる
楽しみもありますので、ぜひ一読してもらえればと思います。


地味な起業


 田中 祐一著『僕たちは、地味な起業で食っていく。
今の会社にいても、辞めても一生食いっぱぐれない最強の生存戦略

(SBIクリエイティブ)という面白い本に出会いました。
何がきっかけで購入したのかは忘れてしまったのですが、他の本を
購入した時に、Amazonのお勧めに上がってきたので、面白そうだと
思って買ったのだと思います。

 私は本との一期一会を大事にしています。ちょっとでも興味が
感じられたら、読むか読まないかはともかく必ず購入するように
していて、そのおかけで時々こんな楽しい発見ができるのです。

 そんな本書の内容をごく簡単にまとめると、一獲千金を狙った
派手な起業をしなくてもよい。会社を辞めてもいいし辞めずに
副業的な感じでやってもいいのだけれど、大企業のサラリーマンなら
誰でも持っているようなスキルを人のために活かすことで稼ぐことは
できる。それを実践されている著者が、そのノウハウを公開している
本です。

 働き方がずいぶん変化してきました。具体的には、残業することは
悪の代名詞のように言われていますし、大企業であっても副業を
認める会社もたくさん出てきているようです。

 一昔前は、起業といえば普通じゃない人が大きなリスクを取って
やるサクセスストーリーでした。そこからの転落話も面白くて、
個人的には1998年に出た板倉雄一郎著『社長失格』(日経BP)が
いまでも書名まで覚えているぐらい印象に残っています。
時効だから書いてもいいと思うのですが、当時私が経営していた
船井総研の子会社のベンチャーキャピタル(VC:未公開企業に投資し、
上場やM&Aで高値になったら売却して利益を出す金融業)で板倉氏の
会社に投資をしていて、それが倒産で無価値になってしまったので、
いわば当事者のひとりだったからです。

 VCでたくさんの会社に投資をして、中には見事にIPO
(イニシャル・パブリック・オファリング:上場のことですが、
IPOという言葉をIT関連の方はよく使われますので、覚えておいた
方がいい言葉のひとつになっています)を成功させた会社もあり
ますが、多くは倒産するか、倒産はしないまでもとてもIPOは
のぞめなくなり、経営者に株式を引き取ってもらうという結果に
なりました。そんなことで成り立つのかと思われるかもしれません
が、中には投資金額が10倍以上になることもあるので、ビジネスと
してはやっていけるのがVC業なのです。

 「地味な起業」はVCともIPOともほとんどは無縁ですが、
そんな人でもうまく生きようと思えば、起業を考えなくてはいけない
世の中になってきているのかなと考えさせられました。
お金には①使うお金、②貯めるお金、③増やすお金、④譲るお金の
4種類があるということを、最近急速に親しくなっている
「すべての人がお金に困らない世の中を作る活動」をされている
秋田の土井広文さんを通じてご紹介いただいたI-Oウエルス・
アドバイザーズ
の岡本和久先生から教えていただきました。

 この中でも3番目の「増やすお金」を使いこなさないと上手く
生きられない世の中が、確実に到来しています。「増やすお金」と
いうと一般的には投資をすることが考えられますが、「地味な起業」も
その一種だなと思うと面白みがとても感じられました。ちなみに、
父の時代は、お金持ちになるにはインサイダー情報を使って株で
儲けるかIPOするしかなかったようです。父も船井総研をIPOしたのは、
お金持ちになりたかったからだと独白していたことがありました。

 ちなみに地味な起業をしていると、4番目の「譲るお金」も
ユニークな方法でやれることがたまたま本書に出てきます。ここで
登場するテラ・ルネッサンスに貧乏のどん底時代の土井さんが
寄付をすることでお金回りが良くなったという話があります。
そんなことも含めて考えさせられるエピソードなので、引用して
紹介させていただきます。これからは、3番目の「増やすお金」と
4番目の「譲るお金」をどう有効に使っていくかが人生を豊かにする
鍵を握っているように感じます。


(引用開始)

「売れる力」を持つことで幅広い範囲で社会貢献できます。
僕も「売れる力」があるからこそ、「やりたい!」と思ったことに
どんどんチャレンジできます。売れる力があれば、モノやサービスを
売るだけではなく人を助けたいと思ったときに資金を集めること
だってできます。

たとえば、最近あるプロモーションをお手伝いしました。
ウガンダの「元子ども兵社会復帰プロジェクト」という、紛争などに
よって支援が必要な人のために寄付金を集める案件です。
この案件は、すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の
実現を目指している認定NPO法人テラ・ルネッサンス
鬼丸昌也さんと一緒に行いました。

結果からお伝えすると、約100人の方からご支援を頂き、
950万円を超える寄付金 をわずか1週間で集めることが
できました。  
当然、僕もプロジェクトに関わるからには寄付も行いました。
このプロジェクトにはボランティアとして参加しましたが、
「売れる力」があるからこそ、多くの人にご協力頂き、
1つの成果が出せました。

こんなふうに「売れる力」があれば、どんなプロジェクトも
成功確率がぐんと跳ね上がるのです。
地味な起業を続けていき、ステップアップを意識していくなら、
売れる力を身につけて いく必要があります。

(引用終了)

第九


 師走の恒例行事として、第九(ベートーベンの交響曲第9番)の
演奏会に行くことがあります。今年は演奏会に行く予定は入って
いないので、多分テレビで見させていただくことになると思います。

 本場のヨーロッパでは第九は「歓喜の歌」ということでとても
大事にされており、よほどの慶事でもないかぎり、演奏される
ことはないという話を聞いたことがあります。例えば、ベルリンの
壁が壊れた時に演奏されたそうで、大編成で曲の演奏時間も長い
こともあって、なかなか演奏されないようです。

 ところが、日本では1年の最後だからということでベートーベンの
最後のシンフォニー第九が恒例行事となり、12月になるとほとんどの
オーケストラで演奏会が開かれます。

 私は高校生の時に、受験勉強のBGMにクラシック音楽を聴く
ようになったのがきっかけで、楽器の演奏ができるわけではない
のですが、クラシックが好きになりました。そしてある時、
ラジオで世界的な指揮者である小沢征爾さんが、
「レコードやFMでクラシックを楽しんでいただくのもいいが、
多くの仲間たちががんばっているからぜひ演奏会に出かけてください」
とおっしゃっているのを聞き、大学生になったら行こうと思って
いました。

 その後、東京の大学に入って実際に演奏会に行ってみると、
その圧倒的なスケールにびっくりして、時々演奏会に出かける
ようになりました。家のステレオで聞いていると分からない強弱が
コンサートでは心身に響いてきますし、十何回に一度ぐらいの割合
ですが魂がふるえだすぐらいすばらしい演奏があり、その気持ち
良さが忘れられずいまも定期的に演奏会に出かけています。
サントリーホールというクラシック専用のすばらしいコンサート
ホールがあるのですが、そこでは時々、皇室の方をお見かけしたり
することもあります。

 前述の小沢征爾さんの影響もあるのか、日本では団塊の世代の
方にクラシックファンが多く、彼らが引退して時間もお金もある
状態の日本というか東京は現在世界一のクラシックマーケットと
なっており、世界中の超一流のオーケストラの演奏会が開かれて
います。実は昨年の大晦日に、私はベートーベンの交響曲を全曲
聴くコンサートに出かけました。お昼ごろに第一番の演奏が始まり、
有名な三番「英雄」、五番「運命」六番「田園」を含むすべての
交響曲が演奏され、第九がちょうど12時に終わるスケジュール
だったのですが、全曲をがんばって聞かせていただきました。

 これも毎年の恒例行事なのだそうで、今年も実施されるようです。
まだチケットも買えるようなので、興味がある方はぜひ参加して
みてください。各オーケストラで活躍している団員がオーケストラの
壁を越えて集まるもので、ほとんどの人が全曲の演奏に参加されて
いました。聴くだけでもかなり大変だったので、演奏される方は
さぞかしお疲れになるだろうと思ったのですが、帰りの地下鉄に
いつも見かける若手のバイオリニストが乗り込んできて楽しそうな
顔をされていたので、音楽家は演奏会でいい演奏をすると元気に
なるのかなと思ったりしました。

 さて、そんなことを思い出したのは、日曜日にオフィス
エモトマサルが出版された『水からの伝言 ザ・ファイナル
(VOICE)の出版記念講演会に行ってきたからです。表紙を飾る
すばらしい結晶写真が、第九の第四楽章の合唱やソリストが見事に
歌い上げる「歓喜の歌」を聞かせたものだったのです。まるで
天使のような姿をしているすばらしいものですが、これを表紙に
選ばれたのがすごいなあと思いました。

 ちょうど故・江本勝先生が最初に『水からの伝言』を出版されて
20年、この本は世界中の何百万という人々に影響を与えたと
言われる世界的なベストセラーです。日本ではエセ科学などと
言われてしまって、江本先生の評価があまり高くないのが残念
ですが、海外では水が情報を記憶する機能があるということが
徐々に科学的にも検証され認められるようになってきており、
非常に高く評価されています。

 外国人の友人にうっかり「ドクター・エモトとは知り合いだよ」
と話すと、「ぜひ紹介してくれ」と本気で頼まれてしまうので、
海外ではあまり言えなかったぐらいで、日本人はいいものを
いいと認めるのがあまりうまくないなと思います。同じことは
EMの比嘉照夫先生にも言えて、日本が世界に誇る叡智をもっと
大切にしなければいけないといつも思っています。

 今回の『水からの伝言 ザ・ファイナル』は、後を継がれた
ご子息の江本博正社長が精魂を傾けて創られたもので、本当に
素晴らしい内容になっています。これは日本人であれば家庭に
常備しておくべき必需品だと思いますので、ぜひお買い求め
ください。よろしくお願いいたします。


望年会シーズン


 師走になりました。

 私はスケジュールの入り方に面白い特徴があって、他の人が忙しい時は
あまりスケジュールが入りません。多分、それほど緊急の用事がない私に
会うほど暇な人がいなくなるからだと思うのですが、例えば月末月初は
比較的スケジュールが空いているのです。

 そんなわけで、例年、忘年会シーズンの12月になっても私の場合は
普段の月よりも飲む機会が減って、逆に家でゆっくりとご飯を食べる
ことが多いように思います。

 ところが、今年はちょっと油断をして望年会(にんげんクラブの
皆さんはこの漢字で書かれる方が多いですね)のお誘いを断らずに
いると、大変なことになってきました。このままではお正月まで
肝臓が持つかどうか心配になるぐらいの勢いです。本物研究所の
大ヒット商品であるクロガリンダをいつも持っていて、食事の前には
必ず飲むようにしていますし、悪友(ほとんど赤塚高仁さんですが......)と
飲むとき以外はあまり飲み過ぎなくなってきてはいるのですが、
これだけ続くとちょっと心配です。

 船井総研の仕事を離れて、子会社の仕事を始めた時、11月から1月まで
平日はほぼ毎日会食だったことがあり、この時はそれこそ死ぬ気で
飲みましたが、きちんとお正月には風邪を引いて寝正月になっていました
ので、辻褄は合うものだなと思います。今年は、果たしてどのように
辻褄を合わせるのか、まるで他人事のように楽しみにしている自分も
いるからおもしろいものです。

 さて、そんなことを考えていると、今日書店で発売になる『ザ・フナイ』
1月号の特集で「肝臓専門医が教える、病気になる飲み方、ならない飲み方」
という記事を見つけました。筆者は慶応大学看護医療学部教授の加藤眞三先生。
小見出しを並べていくと、以下のようになります。

 
・「休肝日」は、本当は必要ない?
・毎日適量を飲む人は、飲まない人より死亡率が低い
・なぜ、「週に2日は休肝日」が広まったのか?
・ウコンは、肝臓に害をおよぼす危険性がある
・レバーもウコン同様に鉄分が多い
・「ポリフェノールは身体にいい」は、フランスからの宣伝文句
・日本ではワイン消費の増加とともに、心臓死が増加
・焼酎好きには、アルコール依存症の肝硬変患者が多い
・焼酎はアルコール度数が高く飲酒量に注意
・二日酔いを避けるために、何かできることは?
・「だるい」「昼食後に眠い」は肝臓病の初期段階!?
・成人の3人に1人は肝機能障害があるという異常事態
・肥満は脂肪肝になりやすい

 何とも、耳の痛いポイントが並んでいますが、いまこの記事を読んだと
いうことは、気を付けて忘年会シーズンを乗り切りなさいということに
なるのだと思います。

 この記事は、どちらかと言うと「肝臓を大事にしながら飲んでくださいね」
というものでしたが、以前、私の飲み過ぎを心配した友人から教えて
いただいた仮屋暢聡著『アルコール依存の人はなぜ大事なときに飲んでしまう
のか
』(CCCメディアハウス)というちょっと怖い本もありますので、
読者の皆さんもくれぐれもお体を大切にしながら楽しんでいただければと
思います。

 前述のアルコール依存の本は2009年に出版されていて、その年は自民党が
歴史的な大敗を喫して民主党との政権交代が起きた年でした。そして、
その年の2月にローマで開かれたG7の財務大臣・中央銀行総裁会議に
出席していた中川昭一財務大臣が記者会見で呂律が回っていなくて非難を受け、
それがきっかけで財務大臣を辞任、その年の選挙に落選し、その後急死して
しまうという悲劇がありました。

 ザ・フナイでは、いろいろな陰謀説が取り沙汰されましたが、本書では、
アルコール依存かどうか断定できるわけではないが、

 (引用開始)

精神科医の視点で記者会見の映像を見ると、本当にアルコールを飲んで
いたかどうかはともかく、あのときの中川昭一氏は、アルコールを過度に
飲んだときに起こる意識障害と同様の状態だった、ということが言える
わけです。

(引用終了)

と述べられています。ある面では、お酒は有意の人である政治家の
人生をも狂わせ、それによって政権交代の原因のひとつにまでなるものだ
ということでしょう。気を付けながら忘年会シーズンを楽しみたいと
思います。

 ちなみに、『ザ・フナイ』に連載していただいている船瀬俊介先生の
今回の記事は、「フライドチキンの呪い、コーヒーに発ガン性! 
食のタブー、次々に噴出」です。副編集長の赤塚万穂と話していると、
飛鳥先生や船瀬先生の連載はやはり人気が高いようで、ここでしか
知ることのできない真実を読者の皆さんは求めているのだなと感じます。
私も2009年当時のザ・フナイを読み返してみて、もう一度あの時に
何が起きたのか、検証してみようと思います。

 何はともあれ、忙しいシーズンになりましたので、繰り返しになりますが
くれぐれもご自愛ください。よろしくお願いいたします。


実存的変容

実存的変容

天外伺朗著『実存的変容』(内外出版)を読みました。
10月に出たばかりの本ですが、内容の深さとティール組織という新しい概念を
天外流にしっかりと読み解き、近未来の姿を示していただいているのは、
さすがだと感じました。

 ティール組織の詳しい解説は同書を読んでいただくとして、
私が個人的に一番おもしろかったのは、
ティール化が進むことによって起こることの筆頭に
「日本のGDPが下がる」ということがあげられている点でした。
実際には、世界が歴史上最もGDPを上げ続けた30年の間、
日本だけがほとんど横ばいで推移し、相対的に日本はとても貧乏になりました。
一般的には、日本が世界の発展から取り残されているからだと言われていますが、
もしかすると「新しいトレンドをいち早く取り入れたから」と言えるのかもしれません。

 天外先生は父ととても仲良くしてくださいました。
「舩井幸雄オープンワールド」という名称では
最後か最後に近いぐらいの時にご登壇いただいたのですが、
その頃には父は自分の講演に来て帰るのがやっとという状態だったので、
講師の先生のお相手を本物研究所の佐野浩一と私が分担してやっていました。
天外先生のお相手を私が担当させていただいたのですが、
「「フナイオープンワールド」は変な講師ばかりで
今回もかっこちゃん(山元加津子さん)と私だけがまともだね」と
おっしゃっていたのが、印象的でした。

 ただ、フナイオープンワールドがきっかけとなって
ネイティブ・アメリカンの長老とお知り合いになることができて、
その後パイプ(ネイティブ・アメリカンにとって「大いなる神秘」と
対話することのできる聖なるものとされています)を与えられたことには
感謝しているという話もしてくれました。
あらためて、父がいろいろな識者に影響を与え、
それがいまの日本を形づくっていることをとても誇りに感じました。

 今回、天外先生の本を久しぶりに読んでみようと思ったのは、
スピリチュアルな面を毛嫌いせずに真剣に学んでみようと思ったからです。
宇宙人が出てくる本も読みますが、
論理的に説明してくださる天外本ぐらいから入っていくのが、
初心者(?)には一番入りやすいような気がします。

 『実存的変容』で、世の中のティール化が進むと
こんなことが起きるのではないかという方向性が示されているで、
ご紹介させていただきたいと思います。

1. 日本のGDPが下がる
2. 議会制民主主義の崩壊
3. 日本の公教育の崩壊
4. 起業の壁が淡くなり、企業連合が進む
5. 企業連合が地域の中核になり、例えば地域通貨を発行したり教育を担うようになる。
6. シェア・エコノミーが発展する
7. 結婚制度が大幅に変わる

上記について、大きな方向性は大体賛成なのですが、
やはり日本のGDPが下がるのを容認するのはどうかな?
というのが、いまの所の私の意見です。

経済力が国の力を決めるという前時代的な現実が、今のところはまだ厳然と存在しています。
大きなトレンドに乗って、お金で買えない豊かさを
追求することを選択する人が増えていけばよいと思う反面、
稼げる、あるいは稼がなくてはいけない人も私の周りにはたくさんいると思います。
そんな人たちは、逆に何の遠慮もなく思いっきり稼いで、
それを世のため人のために使っていただけたらいいのだと思うのです。

20年ほど前の話になりますが、商品相場で絶対に儲けられるという
能力を持っているという友人から、
「私のやっていることは、舩井先生が示してくださっている未来の生き方と
反するような気がするのだが、どうかな?」という相談を受けたことがあります。
私は、「あなたが相場で稼げるのは、神さまが与えてくださった能力なのだから、
遠慮することなくあなたなりの方法で社会に還元することだけを
考えればいいのではないですか」
と返答したことを覚えています。

いまは、相場で絶対に儲けられる時代ではなくなったのかもしれませんが、
簡単に稼げる方法が見える経営者の方はいまでもたくさんいると思います。
まず豊かになって、それが次元上昇(アセンション)するための大きな要因になることは
確実なのではないでしょうか。

ぜひ、皆さんにも『実存的変容』をしっかり読み込んでいただいて、
その上で自分の役割を俯瞰的に見てみていただければと思います。
個人的には、日本の経済的な力を
せめていまの倍ぐらいにはしておかないとまずいなと感じています。
そしてこのことは、これまでそれに失敗してきた
いまの50歳代の経済人の大事な役目かもしれないと思っているのですが、

いかがでしょうか?

皆さんのご意見を聞いてみたいと思います。

『実存的変容』天外伺朗著

バブル後最高値


 あまり、にんげんクラブの方の興味がある話題ではないかもしれま
せんが、ここのところ日本の株式市場が好調です。

 日本人は地道にコツコツと仕事をすることを好むので、株をやって
いるというだけで困った人だというレッテルを貼られてしまうという
話をよく聞きます。そして、投資という概念をまったく知らない人も
多くいて、株や投資信託を勧められても、まず何をしていいのかが
よく分からないという人が多いようです。

 また、昔は株式などの投資が好きだったけれど、バブルの崩壊の
時にさんざん痛い目にあったので、もう株はコリゴリだという方も
多いようです。父も存命中は、「株式市場が元に戻ることは二度と
ない」「(当時、銀行等が販売するようになっていた)投資信託の
大半は金融機関が儲かるもので、そんなものを個人が買っても食い
ものにされるだけだ」と話していました。

 これも10年近く前のエピソードですが、ある銀行に会社の取引で
とてもお世話になったので、私にとっては結構多額の定期貯金を
しようと銀行の支店に出かけていったことがあります。一昔前なら、
とても喜んでくれることだったのですが、その時の支店長さんは
明らかに迷惑そうな感触でした。そして、定期預金ではなく投資
信託を買ってくれないかという話をされたのです。

 当時は父が一番投資信託の批判をしていた頃でした。その頃は
「ノックアウト」という条項がついた投信が流行っていました。
例えば、為替の水準がその時の感覚ならとても考えられないような
円高に一度でもなると、投資家が大きな損失を抱えてしまうように
設計された商品です。背景にデリバティブ(金融派生商品)が
かませてあるだけの合法的なものですが、リスクを知らされない
ままに、投資をして失敗した投資家が多数出ていたのです。

 そんな実態を朝倉慶先生から教えてもらっていた父は、それらを
販売している金融機関側でさえそのリスクを正確に知らないまま、
リターンが大きいからといって十分な説明もせずに販売している
金融機関に対して警鐘を鳴らしていました。私は支店長に苦笑いし
ながら、「実はいま、うちのセミナーで一番力を入れてお伝えして
いるのが、投信だけは買ってはいけないということなんですよ」と
いう話をすると、キョトンとした顔をされたことが忘れられません。

 実際に、例えば、多くの私立大学がこの商品に手を出して大きな
損失を出したことが話題になりました。ある大学の教授をまったく
別件で訪ねた時に、その影響で研究費が削られて困っているという
話を聞いて、こんなところにも影響が出ているのかとびっくりしま
した。ある経営者の友人から、ノックアウト型の投信を買おうと
思っているという話を聞いたことがあり、絶対に止めた方がいいと
アドバイスしたら、その半年後ぐらいにノックアウト条項に
引っ掛かるぐらいの円高になったことがあります。その時は本当に
感謝されて、高級フレンチをおごってもらったりもしました(笑)。

 でもここにきて、状況はかなり変わってきたように感じています。
支店長が迷惑がったように、いまの日本等の先進国はカネ余り現象が
顕著で、銀行は預金が増えても運用先がなくて困ってしまいます。
仕方がないので、日銀(日銀に口座が持てるのは政府と金融機関だけ
です)の当座預金にそれを置いています。使い道がないお金なので、
通称「ブタ積み」と呼ばれていて、新たに増える当座預金には
マイナス金利がついてしまうので、銀行は困っているのです。

 実際、経済全体でみてもブタ積みされてしまっているお金は罪悪
です。それなら、堅実な経営をしている自分の好きな会社(社会貢献
に力を入れている、株主優待券を楽しみにしている等)を探してきて
株式を買ってもいいし、そんな株式だけを丁寧に掘り起こしている
投資信託を買うのもいいのかもしれません。

 こういうことはご縁なので、このレポートを読んでいただいた
タイミングで投資信託の話を聞いたら、前向きに考えてみられても
いいかもしれませんね。ただ、証券会社や銀行が主催する無料の
投資セミナーに行って、勧められる商品を買うのはあまり得策では
ないかもしれません。やはり、ただほど高いものはないので、
販売側(業界用語でセルサイドと言います)の説明ではなく、
中立の立場で話をしてくれる先生の有料の話を聞いてみられるのが
いいと思います。

 現金だけ持っていて安全な時代は、もうしばらくで終わるような
気もします。バブル崩壊後の最高値は、昨年10月2日に付けた
24,720円です。市場はこわごわではありますが、この水準を試す
のではないかという見方もあるようです。ちょっと投資の勉強を
されてみてもいい頃かもしれないという情報を今回はお伝えしたい
と思います。


奇跡の周波数「水琴」の秘密


 毎週末、地方に出かけています。逆に言うと休みがないということ
になりますが、社長は働き方改革の枠外なので、好き勝手させていた
だける喜びを楽しんでいます。まあ、それに私の場合、仕事と遊びの
区別があまりないようなことをしていますので、体力的にはきつい
こともありますが、精神的にはリラックスして楽しませていただいて
いるのでいいのかなと思っています。

 そのようなわけで、今週末は関西で過ごしたのですが、金曜日の
夜は京都の有限会社ティーズ・コーポレーション社長で音・環境
プロデューサーの大橋智夫(としお)先生のお話をお聞きしました。
水琴(みずごと)の話は以前から知っていましたし、大橋先生とも
飲み友達(?)ではあったのですが、きちんとお話を聞いたのは
初めてのことで、正直とても感動しました。私はどうも、他人の話を
きちんと聞かないうちに勝手に分かった気になってしまって、中途
半端な自分の理解だけで判断してしまう悪い癖があることを改めて
反省しています。

 実は水琴は、本物研究所でも取り扱いをしています。同社の佐野
浩一社長は本物の良さをきちんと分かったうえで、販売をさせて
いただいているのだと思います。また、大橋先生は京都大学農学部の
ご出身で、父の後輩にあたられるのですが、先生のご著書『奇跡の
周波数「水琴(みずごと)」の秘密
』(ヒカルランド)には父も登場していて、
今さらながら父も水琴が大好きだったことを知りました。


 学生時代に水利工学を学ばれた大橋先生には、学者の道に進むか、
官庁の技官になるか、さまざまな道が用意されていました。しかし、
学生時代にアメリカ旅行に行った時に交通事故に遭って奇跡的に
助かった体験から、どうせなら自分にしかできない本来の仕事を
すべきだと考えて音楽の道に進まれました。そして、音楽を追求
しているうちに音のプロになり、いろいろな不思議なご縁が
重なって水琴窟の第一人者になってしまったのです。

 水琴窟は安土桃山時代から江戸時代初期にかけての大名で茶人、
建築家そして作庭家として有名な小堀遠州が排水装置として作った
「洞水門」が基になってできたものであるということも、上記の
本を読んではじめて知りました。日本のわびさびの世界観を
千利休と共に作りあげたと言ってもいい偉人が考えたというの
ですから、それだけでも本物に違いないことは明白でしょう。

 大橋先生はなぜ人間は疲れた時に自然に触れると癒されるのかと
いう話を、音の観点から教えてくださいました。都会は人工物が
出す低周波であふれていますが、森の中や海辺に行くと私たちの
耳では聞くことができない高周波にあふれています。そして、
自然に揺らいでいるその高周波を聞いているだけで人間は癒される。
大橋先生が大きな苦労の末に作られた水琴は、その揺らぎがある
自然の高周波を倍音で出しているから、その環境にいるだけで
癒しが起こると同時に、時には様々な奇跡をも引き起こすのです。

 人間が作りあげた都市は便利なものであり、私などは都会で
なければとても生活できませんが、それならそれで、自分の環境を
快適なものにする工夫は必要になるようです。

 水琴窟や水琴はいろいろなところで導入されているようですが、
本や大橋先生が書かれたメルマガを読んでいると、舩井家と
ゆかりの場所にも導入されているようです。たとえば、宝塚温泉でも
最高級の旅館である若水さん。舩井家は長年、兵庫県宝塚市に居を
構えており、当時はよく利用させていただいていました。法事を
させていただいたり、時には父が中心になって子や孫が全員集合して
一家で泊まりに行ったこともあります。

 また、大本が経営している亀岡保育園にも導入されているようです。
亀岡保育園の出口眞人理事長は父や私にとって大恩人で、若水さんも
含めて父がご縁をつないだのかなとも思いますが、本物が分かる人は
いいものはすぐに導入するのだなと感心します。

 水琴窟はイタリアのアッシジの聖フランチェスコ教会にも設置
されていて、そこでローマ法王と握手をしたときの奇跡もお話
くださいましたが、素直な心がシンクロを起こすということが
よく分かるエピソードです。

 京都のティーズ・コーポレーションの事務所にお伺いするのは、
実は今回で2度目です。でも、正直言うと前回訪れた時は、
私はあまり居心地がよくないように感じました。準備ができて
いない人は、なかなかこの場所には来られないという話を
大橋先生がなさっていましたが、やっと私も水琴の世界を素直に
感じられるようになったのかもしれません。

 素直になって、いいものを分かる力が本当に大切ですね。
自戒も込めて、常識を含めた思い込みを手放してフリーになる
ことが、これから上手に生きるポイントのようです。

時間は存在しない


 光陰矢の如し、と言いますが、本当に月日の過ぎ行くのは早いもので、
いつの間にか11月になりました。

 ミレニアムなどと大騒ぎして2000年代になったのはつい最近のことの
ように思うのですが、来年は2000年生まれの人がなんと20歳になります。
そう言えば、若い頃女性がサーブしてくれる店に行った時に、私の席に
着いた女の子が平成生まれと聞いて愕然としたことがありますが、いま
は夜の町に今世紀になってから生まれた人たちもいるということになる
のはちょっと驚きです。

 最近はすっかり億劫になってしまって、そんな女性がサーブしてくれ
る店に行く機会が本当に少なくなっていますので、私自身はまだ今世紀
生まれの人と酒場で話したことはありません。でも、こんなことを書い
ているくらいですから、歳を取ってしまったということを実感しています。
幸い人生が長くなって、健康に気を付けていて恵まれていれば100歳まで
生きられるようになりました。それはそれで大変ですが、考えてみれば
私でももしかするとあと30年ぐらいは社会のお役に立てる可能性がある
わけですから、ありがたい時に生まれてきたものだと思います。

 いま、長年の友人である篠宮茂行さんの「トレーニングセミナー」を
受けに富士吉田に来ています。篠宮さんのことを紹介してくださったの
は、一世を風靡した『波動の法則 』(ナチュラルスピリット)の足立
育郎先生だったと思います。25年ぐらい前に、台湾に行く時に、面白い
人がいるということで紹介してもらったのです。それこそ、足立先生
には不義理をしていて、多分今世紀になってからお会いしていませんが、
一度、篠宮さんを紹介してくださったことのお礼に行かなければいけ
ないと思っています。

 その頃の篠宮さんは、台湾で500億円規模の超優良企業の経営者を
されていました。この時私が篠宮さんにお願いしたかったビジネスの
話はうまくいかなかったのですが、日本人離れしたダイナミックスさを
感じましたし、何よりその時にごちそうになった「ふかひれ」の美味し
さが忘れられずとても印象に残っています。そして、篠宮さんもなぜか
私のことを気に入ってくださり、それ以来5年に一度ぐらいご連絡を
いただいてお会いしてきました。

 それが、3年ほど前に、いま篠宮さんが住んでいらっしゃるタイに
私が行った時にバンコクでお会いしてから、年に数回情報交換をさせて
いただくようになりました。そして、昨年はバンコク在住の日本人向け
に私のセミナーを開催してくださったり、タイ在住の有力者をご紹介い
ただけるようになり、ここのところ急速に親しくなりました。そして、
物理学者の周藤丞冶さんを紹介したところ、とても気に入ってくださって
「舩井さんと周藤さんなら何か大きなことができるので応援したい」と
おっしゃっていただいているのです。

 篠宮さんのトレーニングは、自己啓発セミナーの原点ともいうべき
ものであるようです。私も、いろいろなセミナーを受けた経験があるの
ですが、日本にこの種のセミナーを導入した元祖の先生から篠宮さんは
直接教えを乞うていたというよりも、その先生の晩年の一番弟子的存在
だったそうで、本物の迫力というか凄みを感じながら少人数のワークを
楽しんでいます。台湾やタイでは時には千人近くの人を集めてセミナー
をやっていて、延べで45万人の人が体験した凄みをお伝えできないのが
少し残念ですが、たった十数人の贅沢なセミナーを楽しんでいます。

 昨日は、「過去は変えられる」、正確に言うと、過去の体験を
ポジティブな感情に替えられるというワークを体験させていただきま
した。これも、同じようなものを何度か経験したことはありますが、
なぜか今回はとても素直に反応しているのが分かります。やはり
タイミングが大事なのかもしれませんね。

 折しも、イタリアの理論物理学者であるカルロ・ロヴェッリ博士の
時間は存在しない』(NHK出版)を読んでいます。ロヴェッリ博士は
「量子重力論」という、周藤さんの研究している「超弦理論(超ひも
理論)」といまの理論物理学の最先端の研究という面では双璧をなして
いる分野の研究者です。とても難しい本ですが、量子重力論の考え方
では時間は存在していないし、現在(という瞬間)もないということに
なるようです。

 ちょうど、地球が太陽の周りを回っていて、私たちの住んでいる地球が
丸いということが私たちの直観と反するように、時間は私たちの考えて
いるものと本質はまったく違うものであるようです。過去から現在に
一直線に時間が流れているわけではないし、さらに言うと本当は時間が
ないということが、理論的にはある程度説明できるようになってきて
いるようです。

 自己啓発セミナーでとても効果がある手法が、科学的に説明できる
時代になってきているのですから、私たちはとんでもない時代に
住んでいるようです。足立先生や父が活躍した時代にはなかった物理学の
理論、とても難しいですが、今度周藤さんに会った時に量子重力論の話を
教えてもらうことが今から楽しみでなりません。

まだ大和朝廷なみ


 先週の山形に続いて、この日曜日は秋田を訪問させていただきま
した。すっかり親友になった土井広文さんが、私の「お金の裏側と
未来」というセミナーを開催してくださったのです。

 当日は土井一家総出で秋田空港まで迎えに来てくださり、講演の
開始時間までの間、ご自宅にお招きいただき、コーヒーをいただき
ながらいろいろとお話をさせていただきました。本をとても大事に
していらっしゃるという土井さんなのですが、無理を言って本棚を
見せていただいて、講演のネタに使える本を貸していただいたりも
しました。

 おかげさまで、地方に行かせていただく機会の多い私ですが、
家族総出で迎えにきていただいて、ご自宅でご接待をいただく
経験ははじめてのことで本当に感激しました。土井さんには、
もうすぐ発売になる「ザ・フナイ12月号」にI-Oウェルス・
アドバイザーズ代表の岡本和久先生と私の3人での巻頭鼎談に
ご登場していただいているのですが、すさまじい貧乏体験を経て
そこから這い上がってきて投資で財産を築き、いまは、それを
皆さんに伝えてみんながお金持ちになるようにと勉強会を
定期的に開催されています。

 ザ・フナイの鼎談の中でおもしろいところがありますので、
紹介させていただきます。


(引用開始)

舩井:80年代のアメリカと日本のマーケットは旧石器時代と現代
 並みの差があるとおっしゃっていましたが、今の日米を比較
 すると日本は何時代でしょう?

岡本:今は運用そのものについては、明治維新くらいにまで来た
 のではないでしょうか。ただ、一般の人たちの投資に対する
 イメージは大和朝廷くらいです。
 相変わらず投資に対するイメージは悪い。おかげさまでという
 べきか、先日の老後の資金が2000万円不足するという、金融庁の
 金融審議会の報告、いわゆる2000万円問題でようやく少し考え
 始めたところでしょうか。
 少しずつ変わってはきていると思います。

 土井さんはそういう意味では貧乏を経験し、そこからお金について
しっかりと考え始めて見事貧乏から脱出しているので、大成功なの
ではないでしょうか。「普通の人」が成功した、数少ない方だと思い
ます。

(引用終了)

 岡本先生は証券会社に勤務されていた頃にニューヨークで
アナリストとして働いていて、チャータード・ファイナンシャル・
アナリスト(CFA)の資格を取得されました。これは、当時
日本人で取得した人がほとんどいなかったという権威のある資格
なのですが、それぐらいバリバリにニューヨークで仕事をしてこられた
岡本先生にとっては1980年代の日本はまるで旧石器時代に思えるほど
遅れていたのです。
これは、当時の大蔵省が金融の自由化をしないという方針を採っていて、
それで日本のマーケットを守っていたためだと思います。

 その後に金融ビッグバンがあって、金融危機やリーマンショックに
翻弄されるようになりましたが、運用のプロたちの世界は明治維新
並みのところまできたというのですから、ものすごいスピードで
キャッチアップをしていることになります。ただ、残念ながら一般の
方たちの投資に対するスタンスは大和朝廷程度だというのはちょっと
残念な気がします。

 日曜日のセミナーに参加してくださった土井家のホームドクター的な
存在である堀井竹敏先生(秋田県由利本荘市で堀井整骨院を開業されて
いるゴッドハンドの持ち主だそうです。土井さんの奥様である涼子さんは
去年までアトピーで入退院を繰り返していたのですが、堀井先生に診て
もらうようになって劇的に改善していて、いまでは一家でとてもお世話に
なっているそうです)も投資をされておらず、理由を伺うと「不労所得を
追い求めるのは嫌だから」と話してくれました。

 土井さんと二人で、昭和の頃の日本はお金が徹底的に足りていな
かったので、預貯金を集めてそれを銀行を通じて企業に融資することで
奇跡の発展をすることに成功しました。しかし、いまはお金が余って
いる状態になっており、銀行に預金をしても社会の役にはあまり立ちま
せん。ところが、株式投資をするとその企業を応援することになり、
日本経済の活性化に直接役に立つのだという説明をさせていただくと、
「それでは土井さんに教えてもらって投資信託を買います」という
お話をされていました。

 堀井先生のような成功されているプロフェッショナルでも投資は
怪しいものだと思っていらっしゃったのは残念でしたが、とてもステキな
先生で納得するとすぐに行動に移せるというのはさすがだなと思いました。
鼎談の中で岡本先生もおっしゃっていましたが、岡本先生や私が投資を
勧めても実際に行動に移す方はごく少数ですが、実感のこもった土井さん
の話を聞いて投資をされる方がとても多いという話に大きな希望を感じて
います。

 土井さんが伝えたいことは
①お金は増えるという性質を持っていること
②やり方を間違えなければ安心で努力も勉強も不要で投資に取り組める
こと、そして
③みんなで一緒にお金持ちになりたいという希望をもっているという
ことです。みんながお金持ちになって、そのお金で日本の会社の応援を
することが、日本がまた経済的に強くなり、ひいては日本の国力を
上げる一番の近道だと思います。

次元移動の経験(?)


 週末はらくらくライブネットが開催されたリメンバランス(心の
デトックス)セミナーの全国大会に出席するために山形県の蔵王温泉に
出かけてきました。心のデトックスは私が一番影響を受けた自己啓発の
手法で、2011年に出版させていただいた「未来から考える新しい生き方」
(海竜社)の中に以下のように説明させていただいています。


(引用開始)

 (前述の)コラムの中でリアリティ・エンジニアリング(RE)の
前田知則先生のことに触れていますが、前田先生の手法の基本になる
のが「心のデトックス」という感情を解放していく手法です。

 人間の持っているネガティブな感情として、不安、不満、怒り、
孤独(嫉妬)があります。本章のテーマであるトラウマの解消という
観念から考えると、子どもの頃に両親から分離した際に味わった
トラウマが原因で、ネガティブな感情が心の中に傷として残っており、
それを解消しようとするためにいつも同じパターンの行動をしてしまう
という傾向があります。

 たとえば、小さい頃病気で入院した時に、お母さんが忙しくて病院に
来てくれなかったという体験をした人は、大人になってもお母さんに
病院に来てほしいという潜在的な思いを叶えるために、病気になったり
事故にあってケガをしたりして入退院を繰り返していました。幼い時の
ことなので、顕在的な記憶には残っていなかったのですが、心の
デトックスを繰り返し行うことで、この問題に気づき、それから繰り
返して入退院を繰り返さないようになったといいます。

 不安は期待という感情とセットになっており、不満は過不足と、
怒りは喜びと、孤独は所有とセットになっています。

 喜びなどの感情はポジティブなものですが、これを追い求めている
段階では、怒りの感情をクリアしていくことはできません。クリアして
いくためには、不安を安心感、不満を充足感、怒りを解放感、孤独を
一体感まで昇華させていくことが必要になります。これは心の
デトックスを日課にしていくことで達成できるようになります。

(引用終了)

 弊著ではこの後に具体的な心のデトックスの手法を紹介しているの
ですが、簡単に言うと、ネガティブな感情をできるだけ直視し、それを
爆発させたり我慢したりするのではなく、じっとその感情を長い時間を
かけて味わい尽くしていくことにより感情解放をしていきます。
私は十年近く前にこの手法に出会い、ずっと実践してきました。私の
場合は完全に怒りの感情に振り回されていたのですが、おかげさまで
最近はかなり改善されてきたのではないかと自負しています。

 今回の全国大会ではパネラーを務めさせていただきました。10年前
よりも格段に充実した内容になっていることと、私も心のデトックスを
続けてきたおかげで人間的にも多少は深まってきたこと、また10年の
間に様々な世の中のことを勉強させていただいたおかげで、前田先生に
褒めてもらえるぐらい皆さまと一緒に楽しいお話しができました。

 世の中が激変の時代を迎えているので、リメンバランス(リメンバー
(記憶)をバランスさせるという意味です)の内容も10年前とは格段に
進化していて、いままでの時代は脳を中心とするアルゴリズム(計算手法)
中心のアルゴネットの時代だったが、これからは肚から直接響いてくる
生活感覚=ライブネットの時代になる。ただ、肚から直接響かせるため
には、感情解放が完全にできていないと感情に振り回されることになって
しまって、かえって上手く生きられなくなるということを中心に教えて
いただきました。

 感激したのは、セミナーの2日目は、まず参加者全員が作り出す場の
空気を一緒に感情解放して、それに引き続きみんなでライブネットを
実感することを実践できたことです。まだ、バーチャルではありますが、
はじめて感覚として生活者感覚を味わう経験ができたことは、これから
の人生を考える上でとても大きな財産になると思います。

 今回は「ザ・フナイ(1月に発売予定の来年2月号に掲載する予定です)」
の巻頭対談を収録する予定もあったので3人で山形に向かったので、
蔵王まで会社の車で行きました。2日目の午前中でセミナーが終わったので、
検索して美味しい山形ラーメンを食べた後、山形を代表する観光地のひとつ
山寺に向かいました。1,000段の階段を登って奥の院までたどり着くのですが、
ここで不思議な経験をしました。

 私は20年近く前にも何度か山寺に行ったことがあるはずなのですが、
その時の山寺と今回の山寺がまったく別物なのです。私の記憶では
無料の広い駐車場があり、そこからどちらかというとなだらかな山道を
登ってお寺にたどり着くのですが、現在の山寺はお土産物屋さんが営業
している駐車場が主流で、かつ山道ではなく完全に全部が石段でした。

 多分、どこか他の観光地と勘違いしているのですが、もしかしたら
リメンバランス(記憶の最適化)が起きて、パラレルワールドに移行
したのかもしれないとも、ちょっと疑心暗鬼ですが思っています。
私の妄想としても次元移動を楽しめた素晴らしい経験になりました。
これも前田先生といっぱい触れ合えた(不思議ですが、前田先生と
会うだけでいろいろな奇跡が起こるという体験談がいっぱいあるよう
です)おかげだと感謝しています。

 

動物園


 これは私がにんげんクラブの活動に本格的に関わり始めた頃なので、
10年ぐらい前の話だと思います。
父も尊敬していた究極の本物製品を作る先生に、にんげんクラブの運用
について相談しに行ったことがありました。もう時効だから許してもらい
たいのですが、私はにんげんクラブの活動を続けるのは無理があるから、
誰か引き継いでくれる人を探して、その人に運営を譲れたらいいなあと
思っていました。

 そんなことをざっくばらんにお話ししたところ、その先生は
「舩井先生の後を継ぐのは大変だから他の活動はやめてもいいが、本物
研究所とにんげんクラブだけは絶対にやめてはいけない」と私を諌めて
くださいました。本物研究所はおかげさまで、義弟の佐野浩一社長が
創業以来一度も赤字を出すことなくしっかりと経営をしてくれていて
安心ですが、方向性を明示できないのがにんげんクラブの特徴でもある
ので、正直言うとどのように運営していくのかというところは、今でも
結構悩んでいます。

 その時に、その先生は「いまのにんげんクラブは動物園というか
サファリパークのような様相を呈している。みんなが好き勝手いろいろ
なことをやっていて、いまはそのサファリの中で一番強い舩井先生が
いるから治まっているが、それを受け継ぐあなたは、車に乗ることも
なく、そのサファリを治めていくという覚悟が必要だ」という話もして
くれました。確かに、当時のにんげんクラブは、かなり個性たっぷりの
メンバーがいてちょっと私の手には余るような状態でした。

 それで思い出したのは、舩井総研にいた時に先輩から、私が入社する
前の舩井総研も動物園のような会社だと言われたことがあるということ
です。船井総研は来年おかげさまで創業50年を迎えます。初期の頃は、
流通業の中でも勃興が著しかった量販店(ダイエーやイトーヨーカ堂の
ような業態)の出店のお手伝いをすることで業績を伸ばしたコンサル
ティング会社でした。業界自体にも勢いがありましたが、いまのように
大学を卒業した優秀な社員が大勢いるような業界ではなかったので、
かなり個性の強いクライアントに対してアドバイスをしなければいけ
ない状況にあったのです。

 だから、当時の船井総研(日本マーケティングセンターという社名
でした)の社員の方たちは、能力的に超一流であると同時にかなり
個性の強い人の集まりだったようです。30年前に私が入社した頃は、
個性の強い方もまだ少数残っていたものの、大卒プロパーで入社した
優秀な社員たちが会社の将来性に対して大きな影響力を持つように
なっていて、メチャクチャなことはあまりなかったと思います。

 それでも、いまの国内独立系では断トツのコンサルティング会社と
なった船井総研からは考えられないような複雑な人間関係が残っていて、
若い頃の私も結構悩んだことがありました。私は、動物園の頃の生き
残りのような専務に結構可愛がってもらって、草創期の船井総研のこと
を飲みに行ってはいろいろ教えてもらったのですが、それが船井総研と
いう会社を理解するうえで大きな財産になりました。

 にんげんクラブを船井総研と比べるのはナンセンスですが、父が作って
私が後を担っているということは共通なので、同じようなパターンで推移
することが考えられるのではないかと思っています。

 10年前に比べると、にんげんクラブのメンバーもかなり変わってきま
した。基本的には「来るもの拒まず、去る者追わず」がポリシーなので、
それでいいと思っていますが、個性豊かな私の恩人の専務のような方も
いらっしゃいますが、常識的な判断ができる人がメインになってきて
いるように感じます。

 サファリのように野性味あふれているのはとても大事なことですが、
目に見えない世界があるということが、かなり世間一般に認知されて
きていることもあり、私たちの活動も受け入れられつつあるのかもしれ
ません。時々、マスコミに怪しい集団(にんげんクラブというよりも、
舩井幸雄とその後継者である私がメインターゲットですので安心して
ください)と叩かれますが、幸いに父の頃ほどの影響力はないので、
それもごくまれになってきました。

 はっきり書いてしまうと、船井総研は父や私が辞めた後で大きく発展
し、とてもいい会社になりました。舩井幸雄は種をまく天才ですが、
育てるのはあまりうまくなかったのかもしれません。私は、にんげん
クラブについては責任を持っていこうと思っていますが、父は亡くなって
いるので、舩井幸雄色はだんだんなくなっていくのは自然なことだと
思っています。

 他人事のような書き方になってしまいますが、10年前に動物園のような
状態だったにんげんクラブが、これからどのように変容していくのかが、
とても楽しみです。

水平と垂直


 10月6日(日)にパシフィコ横浜で、すっかり恒例となった
「Kan. work program 五風十雨(ごふうじゅうう)~見守るということ~」
を開催させていただきました。今回も大勢の皆さまにお集まりいただき、
7時間30分と長時間に渡るワークプログラムがあっという間と思えるほどの
充実したイベントになりました。ご参加いただいた皆様と心を寄せて
くださった皆様に心より御礼申し上げます。

 今年はこれまでと違い、プログラムの冒頭でKan.さんと対談をさせて
いただきました。これまでは、ワークでの体験をもとに話題を決めたい
ということもあり、プログラムの最後にさせていただいてきました。
でも、そうするとせっかくワークで盛り上がった気分が現実に引き戻さ
れてしまうので、今回は流れを大切にするために、冒頭に対談させてい
ただくことにしたのです。その結果、対談の準備のために何週間か前に
打ち合わせをすることになり、役得でKan.さんとじっくりお話をさせて
いただくことができました。

 Kan.さんは、にんげんクラブの会報誌に掲載されていた
私がイスラエルに行った時の感想をまとめた記事を読んでくださっていて、
いい内容だったと褒めてくださいました。イエス・キリストは高い所から
ありがたい教えを授けてくださる存在ではなく、 一番困ったときやどう
しようもない時に下から寄り添ってくださる存在であることが、ようやく
分かったという話を書かせていただいたのですが、寄り添うための第一歩
が見守るということになるという話になり、ワークプログラム当日の冒頭
の対談の時は、そのことを話したらいいということになりました。

 そして当日の朝、リハーサルをしている時に、エソテリック(秘教)の
修業でイスラエルの荒野によく行かれるKan.さんにとってイスラエルとは
どんなところかを聞けばいいということに直感的に思いが至り、本番では
そのことを質問してみました。Kan.さんの答えは、「宗教家としての
イエス・キリストには興味はないが、エソテリックの先達としての存在は
大変大きなものがあり、イスラエルの荒野に行くのはそのためでもある」
という主旨だったように思います。

 Kan.さんのクンルンと赤塚高仁さんに何度も連れて行ってもらった
イスラエルが私の中でつながったことは、今回のワークプログラムの
一番の成果だったと感じています。イエス様が下から寄り添ってくだ
さっているということが分かってから、おかげさまでいろいろなことが
いままで以上に明確に理解できるようになったようです。中でも一番
うれしかったのは、Kan.さんが昨年の「舩井フォーラム ザ・ファイナル」
の時からおっしゃっていた、「水平と垂直」のことが今回のプログラムで
少し分かったように思えたことでした。

 エソテリックの先達たちは、時の権力者におもねる(水平の生き方)
だけではなく、天に直接つながってその教え(垂直のあり方)を受け取り、
それを受け継いできました。権力者におもねる、現代で言えば社会規範に
だけ従って生きるのではなく、天の声にも真摯に耳を傾け、それを実践
していく生き方です。社会の中で生きていくためには、その規範
(つまり水平なあり方)に従わなければうまく生きられませんが、社会の
大きな変革が起こる時には水平的なものは180度考え方が変わってしまう
可能性があります。

 明治維新の時には、それまで武士道で生きていた侍たちがなかなか
その水平な考え方を捨てることができずに、最後は西郷隆盛公まで巻き
添えにして西南戦争を戦わなければ、本当の意味での近代を受け入れる
ことができませんでした。もしかすると、いま私たちは明治維新よりも
はるかに大きな変革の真っただ中にいて、何十年かたてばいまの水平の
常識はまったく通用しなくなるかもしれない世界に生きているのかも
しれないのです。

 こんな時代には、エソテリックを追求しているKan.さんや師匠の
マックス・クリスチャンセン師のような人たちだけではなく、修業は
していないけれども有意の人になることを目指している私たちのような
者も、少しは垂直に生きることを選択する必要があるのかもしれません。
何年か前にKan.さんから、「いつの時代のどこの国に生まれても生きて
いけるようにするのがエソテリックです」というお話を聞いたことが
あります。「垂直」とはそういう意味なのだと理解すると分かりやすい
と思いました。

 ワークプログラムの記念に出版させていただいた『Kan.さんに訊く。
【vol. 2】』。文章を読んでいるというよりも、流れに乗っていつの間にか
読み進めているという感じがする本に仕上がっています。
とても、分かりやすくKan.さんの世界に触れられる名著だと思いますので、
よろしければにんげんクラブのサイトからご購入ください。
よろしくお願いいたします。

Kan.2-76.jpg

パレスチナ問題


「ザ・フナイ」11月号の巻頭言を読んでくれた友人から、「前半部分の
宗教の役割は鎮魂にあるというところは賛成だけど、後半のイスラエルの
話をどれだけ舩井さんから聞かされても、パレスチナの問題を置き去りに
したままでは、私は賛成できない」というコメントをいただきました。

 パレスチナ問題について特に知見を持っているわけではないので、
何かを特別に書けるわけではありませんが、確かにイスラエル側からだけ
の見方でお伝えするのは片手落ちだろうと思います。そういう思いもあっ
て、イスラム側の見方も知ろうということで、トルコに行って大学の宗教
学者の教授からレクチャーを受けるといったこともしてきました。その時
の先生の見解は、イスラム教が激しく見えるのは砂漠の民であるアラブ人
が激しいからであって、宗教的な本質は愛の宗教であるというものでした。

 このように、友人の意見ももっともだと思っているのですが、日本の
場合は、もともとが、どちらかというとパレスチナ側からの情報だけが
一方的に広がっている状況のように感じます。その背景には、日本には
ユダヤ人を差別してきたという問題がほとんどなく、ロスチャイルド家や
ロックフェラー家等の有力なユダヤ人たちとの関係を持っている人も
ほとんどいないため、西欧社会であれば気にしなければいけない、
いわゆるユダヤ問題を抱えていなかったことがあるのだろうと思います。

 さらに、石油を確保しなければ日本経済が成り立たないという背景も
あり、自然と家を追い出されたパレスチナ難民に対する思い入れが強く
なっていったのだということなのではないかと思われます。ただ、例えば
日本で一方的に悪く言われている分離壁の問題は、パレスチナ過激派の
自爆テロを防ぐために作られていったものであり、いわゆる昔の囲い込み
のようなことを想定して行われたものではありません。日本での報道を
見ていると強者であるイスラエルを一方的に悪者としたいという恣意的な
ものを感じます。

 現地に行ってみた素直な感覚では、ガザ地区はまだイスラエルと敵対
していますが、キリスト生誕地であるベツレヘムや、1万年以上の歴史が
あることが学術的に確認されている世界最古の町であるエリコなどの観光
地は、ヨルダン川西岸地区ということでパレスチナ自治区になります。
昔は、それらの場所に行く時は、ユダヤ人のバスの運転手さんでは無理
だったので、アラブ人所有のバスに乗り換えなければいけなかったという
話を聞かせてもらったことがありますが、いまはまったく何の問題もなく、
国境のセキュリティも実質的にはフリーパスの状態になっています。

 ヨルダン川西岸地区は経済的には完全にイスラエル経済に組み込まれて
いて、現地の人の感覚でも、パレスチナの独立を勝ち取るよりもイスラエル
領に組み込まれて生活を豊かにしたいという思いが強いように感じられます。
エルサレムでタクシーに乗ると、運転手さんはほとんどアラブ系の人です。
ただ、彼らはイスラエル市民なので実はかなり豊かな生活をしています。
一方、パレスチナのアラブ人たちはイスラエルの社会保障が受けられない
ので、例えばベツレヘムの場合、隣町のエルサレムのアラブ人との生活
格差はかなり大きなものがあるのです。

 政治的な立場から言えば、パレスチナの中でイスラエルになった方が
いいとは言えない空気が強いと思いますが、庶民の人たちの本音はそんな
ことにこだわるよりも生活を安定させたいという思いが強いのではないか
と感じます。

 中東の情勢は、昔と比べてかなり変わってきているようです。
パレスチナ問題はすでにイスラム諸国の中での主要な争点ではなく、
どちらか言えばサウジアラビアとイランの対立を軸に物事が展開して
います。

 ガザ地区の過激派であるハマスやレバノンから対イスラエルのテロ
行為を繰り返しているヒズボラ等はすべてイランの支援を受けています。
その他、イエメンで先般、サウジアラビアの石油関連施設を無人機で
攻撃したと犯行声明を出したフーシ派もイランの支援を受けています。
地政学的には敵の敵は味方になるということで、イランを共通の敵とする
イスラエルとサウジアラビアが実質的な同盟国になっているのです。
アラブ諸国の盟主であるサウジとイスラエルが同盟国になるなど、
戦後の中東情勢の推移を考えるとありえないようなことが起こっている
のです。

 建前ではなく本音で話をするトランプ大統領という指導者が、いま
世界のリーダーになっています。エルサレムにアメリカ大使館を移し、
ゴラン高原さえ50年以上イスラエルが実効支配しているのだから
イスラエル領であることを認めようというようなことは、トランプ以前は
完全な暴論でした。ただ、実質的にはエルサレムの旧市街地もゴラン高原も、
イスラエルがヨルダンやシリアに返還することはもはや考えられません。
それなら、本音でその現状を追認したうえで未来を考えようという意見にも
一理あるのではないかと、私は思っています。

にんげんクラブの仲間たち


 週末に広島に行ってきました。呉と福山の二カ所で、最近マイブーム
になっている物理の超弦理論に基づく次元論の講演をさせていただきま
した。両日にした話の概要は、いま発売中のザ・フナイの10月号で
はせくらみゆきさんとの対談で話していることとかなり重複しますので、
ぜひ書店でお買い求めいただくか、年間購読をご検討いただければと
思います。

 呉の講演会は赤塚さんにご紹介いただいて、アウシュビッツやパラオ
の旅もご一緒した久村寿美さんに主催していただきました。久村さんと
ご縁ができたことで、海軍の街、呉によく行かせていただくようになり
ました。夜は久村さんが趣味(?)で経営する焼き鳥店「樹の音亭」で
大宴会になります。久村さんは自衛隊のご出身でご主人は現役自衛官。
そして、今年の春に高校を卒業したお嬢さんも自衛隊に入隊するという
自衛隊一家です。こういう人たちがいてくださるから日本の国防が守ら
れているのだということを、ここに来るといつも実感します。

 久村さんは現在、九州大学名誉教授で98歳の井口潔先生に認められて
教育についてのメッセージを発信しています。久村さんには3人のお子
さんがいるのですが、その子育ての方法が井口先生から見ても理想的な
もので、子育ての方法が混迷してきているいまの状況にあって、ぜひ
自分の体験を発信してほしいと言われているそうです。東京に帰ったら
井口先生のご著書『人間力を高める脳の育て方・鍛え方』(扶桑社)を
読んでみようと思っています。


 呉から福山までの移動は、車や新幹線を使わずに在来線を乗り継いで
行きました。乗り換えが多いのと時間がかかったのが難点でしたが、
在来線に乗らなければ感じられない風情に触れることができてとても
楽しい小旅行になりました。

 ちょっと面白かったのは、東京で電車に乗ると私ぐらいかそれ以上の
年配の人でも本や新聞ではなくスマホを見ていることがほとんどなので
すが、広島では若い人はもちろんスマホですが、同年代かそれ以上に
見える人は活字派が多いような気がしてなぜかホッとした気分になり
ました。

 福山での講演会は、にんげんクラブの主要メンバーのお一人である
田邉ゆりかさんに主催していただきました。以前はカフェとして使って
いた秘密基地のような場所(岡山のにんげんクラブの秋山誠さんの命名
です)に50人近い人が参加してくださり、西日本のにんげんクラブの
面々も京都、大阪、福岡から参加してくださってとても盛り上がりまし
た。田邉さんのお人柄とその不思議な魅力で、募集を開始するとすぐに
満員御礼になったということでありがたい限りです。

 参加された方は、にんげんクラブの仲間たちと田邉さんの人脈の
不思議系が大好きな人が中心だったので、私も調子に乗って少し
スピリチュアルな話もさせていただきました。講演が終わった後には
質問タイムというか、参加してくださった人とのコラボレーションの
時間を作ったのですが、私の次元論をそれぞれの人に当てはめるとどう
なるかという話になって、にんげんクラブのメンバーを中心に私も
びっくりするような、それぞれの次元論が展開していったのが
面白かったです。

 私は3次元から5次元(超弦理論の考え方です。スピリチュアル的には
4次元:幽界だと思っていただいてもニアリーイコールです)、5次元
から9次元(これも同様で、スピリチュアル的な解釈では5次元:霊界と
ニアリーイコールです)の間には壁があると思っています。3次元と
5次元の間にある壁は「恐怖の壁」で、私の場合はそれを象徴するのは
お金だと考えています。また、5次元と9次元の間にある壁は「偽善の壁」
で私の場合はそれを象徴するのは承認(欲求)だというお話をさせていた
だきました。

 これを、大阪のにんげんクラブの鳥居厚孝さんは、恐怖を克服するのは
「勇気」で、偽善は「治める」(これを赤塚さんが話してくれる日本の
天皇の統治方法である、(知らす=治らす)だという説明には納得させ
られました)だとまとめてくれたのにはびっくりしました。それで面白く
なった私は、にんげんクラブのメンバーに次々に登場していただいて、
それぞれの壁の克服方法を教えてもらったのです。

 やっぱり一番すごかったのは最後に登場していただいた田邉さんの
意見で、恐怖に対応するのは「理屈」で偽善に対応するのは「能天気」
でした。理屈で説明した私の2時間の講演を一瞬で能天気に超越して
粉砕しまったのには、改めて女性というのはすごいなと思いました。
読んでくださっている皆さまもザ・フナイの10月号のP25の図をご覧
いただき、そこのお金と承認をご自分のワードに代えていただいて
次元を超える方法を具体的に考えていただけると面白いと思います。

 それにしてもにんげんクラブの仲間たちと過ごす時間は楽しくて、
「台風接近に伴う避難を検討してください」という緊急メールで、
皆さんのスマホや携帯電話のアラームが一斉に鳴り響くという
ハプニングの中、夜遅くまで懇親会で尽きぬ話を楽しませていただき
ました。本当にありがたいことです。

原油高


 サウジアラビアの石油関連施設が攻撃されたことで原油高になって
います。日本国内のガソリンの値段が上がるまでには時間差がありそう
ですが、さらなる攻撃が起こったり、イランが関与しているということ
でアメリカ等が報復攻撃をすると、今度はホルムズ海峡が閉鎖されたり
してより一層深刻な石油危機になる可能性もあります。

 いま、世界の金融マーケットは「ブラックスワン」を探し求めている
状態なのかもしれません。ブラックスワンとは想定外のことが起こり、
それが原因で世界の金融マーケットが崩壊の危機を迎えるという状態
です。

 リーマンショックの時は、サブプライムローンが破たんすることは
想定されていましたが、それがリーマンブラザーズという投資銀行の
倒産にまで至るとは思われていませんでした。モラルの問題があった
と思われていますが、アメリカ当局がリーマンを潰すと決めたことで、
世界の金融システムが破たんする一歩手前まで事態は進行してしまった
のです。

 いまは第二のリーマンショックが起こることが懸念されているという
よりは、それがいつ起こるのだろうとある意味世界全体が期待をして
いる状態にあるように思います。いろいろな矛盾がどんどん溜まって
いるという実感を持つ人が増えており、何らかの形で爆発させなければ
この事態は収まらない。そのためにはブラックスワンが必要で、それは
香港の暴動なのか、サウジの石油施設への攻撃なのかと固唾を飲んで
見守っている状態なのです。

 石油ショックというと、ちょっと思い出したことがあります。石油
ショックのきっかけは第四次中東戦争が1973年に起こったことでした。
日本ではトイレットペーパーがなくなるなどの大騒ぎがありました。

 この時はまだ小学生だったので、それほど実感はないのですが、
時代は少し下るのですが中学三年生の時に第二次石油ショックが起き
ました。生徒会活動をしていて遅くなり、先生に車で家まで送っていた
だいたことがありました。新興住宅街の山手に家があったので同じ方向
に帰る友人と一緒に乗せてもらったのですが、先生がガソリンの値段が
上がっていることに文句を言っていました。山の上まで送ってくださっ
たので、燃費が悪くなることから始まって、ガソリンの値段が急激に
上がっていることへの不満をおっしゃっていたのです。

 ただ、そんなことが再び起こるということは考えにくいように思い
ます。もう一つの思い出として、リーマンショックの前に一時原油の
値段が1バレル100ドルを超えたことがあります。ちょうどその頃に
家族で大阪まで車で出かけたのですが、ガソリンの値段がかなり高く
なったのを途中で給油した時に実感しました。その後、すぐにリーマン
ショックで景気が悪くなりガソリンの値段も下がったので、一時的な
思い出なのですが、いずれにしてもすでに経験していることなので、
サウジアラビアとイランの全面戦争でもおこらない限り、世界は冷静に
対処するのではないかと思うのです。

 ただ、様々な側面から考えていくと、石油の値段が100ドルぐらいに
なった方が都合のいい人が世界を動かす立場にいることは確かだと思い
ます。アメリカはいまや世界一の石油産出国ですし、ロシアも経済を
立て直すにはエネルギーの値段が上がることが第一です。サウジアラ
ビアもほとんどが原油収入によって成り立っていて、そのサウジマネー
が金融マーケットから引き上げられてしまうと、金融相場が持たない
という話も真実味があります。

 日本やヨーロッパは大変ですが、すでに先進国では製造業は基幹産業
ではなくなっているので、私が中学生だった頃のような大きな影響は
受けなくなっているという話もあります。そう考えると困るのは中国を
はじめとする新興国で、これらの国の利害はまだ世界政治の中では
優先されないだろうということを考えれば、予定調和的に原油の値段は
上がった方が望ましいと考える人が多くいるのかなという気がします。

 何の証拠もありませんし、何も背景を知りませんが、今回のサウジの
石油関連施設への攻撃もこのように考えると何か裏があるのかもしれま
せん。

 大きな流れで考えると中東地域で何かが起こる可能性は高くなって
いるように感じます。逆説的ですが、上記のように石油の戦略物資と
しての価値が低くなってきていることが、少し前なら中東で波乱が
起こることをアメリカやロシア等の大国が止めていたのが、いまは
どちらかというと多少の波乱を望んでいるのかもしれないという見方も
できるのではないかと思います。

 そんな妄想をふくらませながら、なるべくエコロジーな生活を心がける
ことで乗り切る方法を考えていきたいと思っています。

台風一過


 久しぶりに本格的な風邪を引いてしまいました。
意識の力というのはすごいもので、大阪に出張に行っていたのですが、
大事なお客様との会食が終わってホテルに帰ってホッとした途端に
鼻水が止まらなくなってきました。父がよく、「小売店の店主夫婦は
12月の書き入れ時には風邪を引かない。お正月の休みになって時間が
できてから病気になる」という話をしていましたが、まさにホテルの
部屋に入った瞬間から明らかに体調が変わったのは我ながら面白かった
です。

 会食の前に会議に出ていた時も微熱があってちょっとしんどいなと
いう自覚はあったのですが、それよりも前日夜遅くまで飲んでいたのに
早朝の飛行機で移動したので、眠たい方が勝っていました。早めに
ホテルに入って会食前に仮眠をしてから出かけたのですが、待ち合わせ
場所に移動する途中にはひどい夕立に見舞われて大変でした。自然の
驚異は日に日に勢いを増している感じがします。

 翌日の午前中は大阪の事務所でデスクワークだったのですが、
ティッシュボックスが手放せない状態で参りました。そして、お昼は
ミッションナビゲーターの長谷川章子さんと赤塚高仁さんの3人で
楽しくランチをしました。きっかけは、先月赤塚さんと私はイスラエル
ツアーに行ったのですが、ちょうど私たちのツアーがエルサレムにいる
タイミングで、長谷川さんもエルサレムにいらっしゃったのです。
そのことをFBで知った赤塚さんが連絡を取り、エルサレムの私たちが
泊まっているホテルでディナーをご一緒させていただきました。

 赤塚さんは今年に入ってから、エルサレムで長谷川さんと一緒に
おられたレジーナロマンティコの角野元美社長が作られたベストや
スーツを愛用するようになられました。だから、同じ時間にエルサレム
にいらっしゃることにとてもご縁を感じたのだと思いますが、今度は
長谷川さんに大きなご縁を感じて、私を通じて改めてセッションを
受けたいという申し出をされて、この日の午前中にそれが実現したの
です。赤塚さんの感性を大事にされる素直な生き方にはいつも感心
します。

 せっかく大阪で赤塚さんに会ったので、久しぶりに出路雅明さんにも
会おうということになったのですが、出路さんがあいにく東京に出張に
行っていて、本拠地の京都に帰ってこられるのが夕方遅くになるといい
ます。体調を考えるとその時間まで待っているのは難しいので、今回は
諦めようという提案をしたのですが、赤塚さんはせっかくの出路さん
との再会の機会をなんとか活かそうと思われて、なんと方向が逆なの
ですが、姫路の山内尚子さんに連絡を取り、普段は忙しい3人が姫路の
大衆酒場でお昼の3時から飲むことになりました。

 その後、さすがに京都に寄る元気はなくなってしまったので、私は
そのまま新幹線で姫路から東京に帰りましたが、赤塚さんは京都で
出路さんとの時間を楽しまれたようです。いい友だちはありがたい
ものですね。ただ、今回の風邪はなかなか厄介で、ほぼ治ったなと
思えたのは数日経ってちょうど東京に台風が直撃した日になりました。

 風邪も治ったことだし、台風一過でさわやかな秋晴れと言いたいと
ころですが、まだ空は夏空で、かえって空気はどんよりしている感じが
しているから不思議です。明らかに世界の気候は変わってしまったの
かもしれません。台風が来るのが秋から夏になって、日本は熱帯気候に
変わってきたような気もします。

 首都圏はJRをはじめ、私鉄各社が始発からの運休を前日に決めてい
ました。当日になって運休を決めるより、対処方法が考えやすいから
なのかもしれませんが、深読みすると今回は運が良くてこの程度の被害
で済んでいるけれど、もっと大変なことになる可能性が高かったので
被害を最小限にくい止めるために取られた処置なのかなとも思えます。
災害の規模が異次元で起こるようになっているのかもしれません。

 皆さまの祈りの力で被害が少なくなったことには感謝の気持ちで
いっぱいです。ただ、よほど備えをしないといけない局面が来ている
ことは間違いないようですし、災害をはじめとするどんな困難に出
会っても、私たちは力強くなんとか生き抜いていかなければならない
という覚悟が必要な時代にもなってきたようです。人知でできること
をしっかりと考えて、その後はしっかりと祈り合わせることで少し
でも大難を小難にしていく覚悟が大事なのかもしれません。

 世界の株価は一時的には落ち着いてきていますが、こちらもいつ
とんでもない悪天候に引き込まれてもおかしくない状態と、常に
隣り合わせでいるような感じもしています。ただ、この悪天候を乗り
切るには、いままでのようにただ安全に現金を保有するだけでは十分
でない時代に来たと感じるようにもなりました。自分のことだけを
考えるのではなく、世のため人のためにどれだけ考えられるように
なるかが、自然災害を乗り切る上でも、経済災害を乗り切る上でも
大事なことだと感じています。

 個々の自我を超えて、人類全体の自己を感じながら生きていく
時代に突入したように感じます。その時に大事なのは、結局のところ
一番身近な存在であるいい家族といい友だちなのかもしれません。

あなたは誰に看取られたいですか?


 『いのちの革命』(きれい・ねっと)という共著がある「一般社団
法人 日本看取り士会」会長の柴田久美子先生が主催する「第六回 
日本の看取りを考える全国大会」に出席するために岡山県高梁
(たかはし)市に行ってきました。

 高梁市の人口は3万人。高梁川に沿って広がる中山間地帯にある静かな
地方都市です。柴田先生をはじめとする看取り士会の皆さまが総力を
あげて制作した映画「みとりし」のロケが行われたのがこの街だったと
いうことで、今年の全国大会の開催地に選ばれたそうです。

 映画「みとりし」は9月13日に全国ロードショーされることになって
います。日本人なら必ずやご覧いただきたい作品だと思いますので、
映画のサイトを検索していただき、ぜひお近くの映画館にお出かけ
ください。また、その後も、看取り士会の方を中心に自主上映の動きが
広がっていくようですので、どうぞよろしくお願いいたします。

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 私は毎年一回開催されている「日本の看取りを考える会」に、ほぼ
毎回シンポジウムのパネリストとして参加させていただいています。
シンポジウムのテーマは「あなたは誰に看取られたいですか?」という
ものです。

 昨年は神奈川県大和市で開催されたのですが、その時の私は「AI
(人工知能)、ロボットに看取られたい」と答えました。会場の皆さまは
ちょっと驚かれたようでしたが、終わった後に柴田先生が大手ITメーカー
から共同研究しようというお誘いを受けることがあったという話を聞いて、
我ながらいい返答をしたのかなと感じました。

 今年はシンポジウムの座長が看取り士の方に変わったこともあり、
少し真面目に「家族や仲間に看取られたいと思いますし、そのために
家族が仲良くなることを大事にしたいと思います」と答えさせていた
だきました。世界平和を語るのは簡単なことですが、本当に実現しよう
と思うと、まずは家族の平和や自分の心の中の平和を安定させなければ
なりません。でも、実はこれがなかなか難しいのではないかと感じて
いるのです。

 AI時代を迎えるからこそ、人と人のつながりがますます大事になるの
ですね。あの世とこの世をつなぐ究極の瞬間は誕生の時と死んでいく時
です。いまの社会の概念ではどちらも苦しいことだととらえられていま
すが、本当はどちらもとても楽しい大事なイベントなのだと思います。
底抜けに明るい人が多い看取り士の皆さまと過ごした時間の中で、
そんなことをあらためて感じることができました。

 高梁での懇親会にも出席させていただき、宿泊は岡山市内まで戻って
きました。私が柴田先生にご紹介させていただいた、シンポジウムの
パネリストのお一人の北海道文教大学の渡部俊弘学長が早朝の便で
北海道まで帰らなければいけないとのことで、同じホテルに泊まって
朝空港までお送りさせていただくためです。

 そんな事情もあり、レンタカーの運転をしてくれる友達に同行して
もらっていたので、午後からの岡山市内での仕事の前に、ちょっと
がんばって津山市にあるサムハラ神社の奥宮まで行ってきました。

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 サムハラ神社は大阪の立売堀にある神社ですが、物理学者の保江
邦夫先生が紹介されてから多くの人が訪れるようになった人気の
パワースポットですし、実は大阪の財界の方が昔からとても応援して
いる神社でもあります。その奥宮が岡山の津山にあることは知って
いたのですが、なかなか行く機会を作れずにいました。保江先生が
書かれたもののイメージで、とても辺鄙な場所にあると思っていた
のですが、意外に街の近くにあったのでホッとしました。

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 それにしても、たしかにすばらしいところでした。戦時中には、
サムハラ神社のお守りを持っていると弾に当たらなかったと言われ
たほどの信仰を集めていた神社です。ことの真偽は分かりませんが、
それに不満を持った軍部が奥宮を焼いてしまったら村にたたりが
あって大変なことがたくさん起こったという伝説も聞いたことが
あります。そんなことを聞き及んだせいか、個人的には行く前は
とても重たい気分になっていたのですが、お参りが終わって参道を
駐車場まで帰るときには気分がかなり軽くなっていました。

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 先週書いたように、イスラエルから帰って1か月近くあまりよく
眠れなくなっていたのですが、今日からはなんだかよく眠れそうな
気がします。車を運転してくれた友人が、普通の国道を行くと時間が
足りないということで近道を探してくれて無事に行けたのですが、
途中までは晴れていたのに、現地では大雨だったのもなんとも不思議な
ことでした。
看取りとサムハラ、おかげさまでいい旅を楽しませていただきました。

眠れることのありがたさ


 8月の中旬にイスラエルから帰ってきてから、眠れなくなってしまい
ました。

 一度は寝るのですが、必ず夜中の1時前に目が覚めてそれから眠れなく
なるのです。お酒を飲んでいなければ、しばらくするともう一度眠れる
のですが、飲んでいる時は下手をすると朝まで眠れないときもありまし
た。帰国後すぐにお盆休みだったので、その間は昼間にウトウトできた
ので問題はありませんでしたが、休み明け最初に出勤した日は、午前中
ほとんど居眠りをしているような困った状況でした。

 さすがに生活のリズムがもとに戻ってきたことと、すこし涼しくなって
きたのも手伝って、最近はようやく眠れるようになってきましたが、
それでもいまだに眠れない恐怖を十分に味わっています。

 眠れない原因は、頭の中で何かがグルグル回っているからだと思います。
イスラエルで潜在意識に宿題をもらってきたのかもしれませんが、自分
では認識できない何か大切な役割を果たしているのかもしれず、それ
ならばしばらくは我慢をしてみるのもいいのかなと思っています。

 逆に、それでも眠れるようになってきた大きな原因は、忙しくなって
きたことにあるように思います。おかげさまで土日もほとんど仕事ですし、
出張も多くなってきて、いまも大阪のホテルでこの原稿を書いています。

 いい歳になってきたこともあり、身体のメンテナンスが大事だと思う
ようになってきました。そのために、知人友人から紹介してもらった
様々な先生のお世話になっています。先日は、オイルマッサージをして
いただいたのですが、その先生から「舩井さんは本当に恵まれた身体を
持っているので安心したらいいし、眠れないのもお役目をやっているの
だと思ってください。舩井さんの本体のエネルギーの強さに比べれば
それほど大きなエネルギーではないので心配しなくても大丈夫ですよ」
とおっしゃっていただきました。

 その他にも定期的に波動治療の先生に状態をチェックしてもらって
いますし、今日は少し時間があるので、赤塚高仁さんから紹介された
大阪の整体の先生のところに行く予定にしています。いわゆるゴッド
ハンドを持つ先生で、治療を受けた後、身体の歪みがかなり改善されて
いることをいつも実感できています。いろいろな友人たちがすばらしい
先生たちを紹介してくださるので、本当にありがたいことだと思って
います。

 オイルマッサージの先生は、「スピリチュアルな面で役割を果たす
人は50歳を過ぎてから、いまの私のように夜にあちら側に行って仕事を
させられるケースが多いように思う」とおっしゃっていました。昔は
人生50年でしたから、とりあえずこの世の仕事を一段落つけて、見え
ない世界の仕事も割り振られるようになるのかもしれません。私の
場合はまだまだこの世の仕事も残っているような気がしますので、
バランスを取りながら楽しんでいきたいと思っています。

 世界情勢はかなりきな臭くなってきました。いまの世界のリーダーは
アメリカのトランプ大統領です。世界一の超大国のきちんと選挙で
選ばれたリーダーなのですから当然ですが、ものすごい影響力を持って
います。ただ、いままでの常識が通じないので、エリートたちは先が
読めずに右往左往しています。

 金融経済はもちろんですが、環境問題や地政学的な緊張に関しても
突然何を言うか予想がまったくできません。先般フランスで行われた
サミットでも、トランプ以前は少なくとも表面上は確固とした団結を
示していたのが、何とか仲の良さを取り繕っているのが精一杯という
情勢になってきました。個々人のレベルで見ても、どこか遠くにいる
誰か偉い人の言うことにただ従っていく生き方をしていると、うまく
生きられない、そんな時代が来ていることを実感します。

 その一方で、夢の中での宿題をもらうような人たちが増えているよう
にも感じます。見えない世界の叡智をダウンロードしてくるのですが、
だからこそ、それに依存することなくしっかりとこの3次元世界で自分で
考え、自己責任で行動することが大事なのだと思います。いままでの
ように権威のある先生に道を決めてもらうのではなく、自分で切り開いて
いく覚悟が必要なのだろうと思うのです。

 眠れない夜の妄想でいろいろ考えたことも徐々に言葉にしていきたい
と思っていますが、大事なのはバランスを取ることと流れに逆らわない
ことだと思います。

 本当はすばらしい能力を持った市井の人の叡智を集めていけるような
仕組みが、これからは一番強い力になると思います。ただ、普通の人は
情報の取り方などをみても偏っているなあと感じることがあります。
私の場合は恵まれているので、自然と一流の人から教えていただける
機会があるのがありがたいことですが、それでも大半の情報は誰でも
アクセスできるもので考えています。

 自分ができているとは言えませんが、できるだけ前提条件を外して
素直に物事を直視して、フラットな目で現実を受け入れることも大事な
ような気がします。難しい時代ですが、にんげんクラブの仲間の皆さまと
楽しく過ごせることに感謝しています。

国防を考える


 夏だからというわけではありませんが、国防について考えています。

 実は私は、つい最近まで憲法は絶対に改正すべきではないと思って
いました。日本が国防を考え始めると、中国や北朝鮮や韓国等の近隣
諸国が刺激されて軍事増強に走ることは想像に難くありません。
また、安保条約を結んでいるアメリカも日本の軍事増強を望んでおらず、
在日米軍は自衛隊の瓶の蓋としての機能を果たしているのだから、
そこに余計な波風を立てるのは得策ではないと思っていたからです。

 しかし、どうも状況は変化してきているようです。一番大きな原因は、
経済力も含めた日本の国力が落ちてきていること。つい最近まで、
日本は東アジアにおける圧倒的な強国でした。だから、韓国や中国も
内心はどう思っていても日本の経済力を利用して自国の発展に活かす
ことを中心に国策を考えていました。しかし、日本の経済力が落ちて
きたために、最近では中国はもちろん韓国ももはや日本を相手にする
必要はないと考えるようになってきたようです。

 この辺りのことは、月刊『文芸春秋』九月特別号(芥川賞受賞作を
読みたいというまったく違った動機で購入しました)の韓国特集の
記事を読んで気がついたのですが、韓国が日本からすればあれほど
傍若無人な振る舞いをするようになったのは、日本のことを侮り
始めたからだということがよく分かりました。もちろんその背景には、
日本による朝鮮の植民地支配が国際法に違反していたという韓国側の
考えがあり、それに対して日本の見方は、道義的には責任はあるが
きちんと手続きをして、当時の強国の承認を得て行ったものだから
法的には合法であるというものなので、元々議論がかみ合わないと
いうことがあります。

 昔は、韓国から見ると日本ははるかに強大であり、その援助や
協力を得て国の発展に尽くさなければならないという思いがあった
ので、本音の部分は曖昧にしてでも協力を仰いできたのですが、
もはや日本から得るものはそれほど多くないという思いが強く
出てきたので、徹底的に日本に対して本音をぶつけて来るというのが
現状の日韓関係の基本にあるということが理解できました。
やっぱり、日本が経済力をもう一度立て直すことは大事なことなの
だと思います。

 一方、アメリカはここにきてようやく、中国がアメリカに代わって
世界のヘゲモニーを握ろうとしていることに気がついて、本気で
中国に対してアメリカの国益を前面に打ち出すトランプ大統領という
リーダーを中心にまとまりを見せてきています。日本も韓国に対して
主張すべきことは本気で主張し、植民地の問題の法的な解釈に
ついても見て見ぬふりをせずに、しっかりと落としどころを見つける
方向で舵を取らなければならないのかもしれません。

 さらに、もっと大きな流れとしては、中国の台頭等で相対的に
アメリカの力が落ちてきていることを正面きって認めるトランプ
大統領が現れたことで、東アジアの地政学的な位置づけが根本的に
変わろうとしてきていることです。ちょっと長い目で見れば、
在韓米軍や在日米軍の撤退、つまり日米安保条約が解消されてしまう
こともあり得ないことではないという見方もしなくてはならないで
しょう。そうすると、いつまでも平和憲法を守ってさえいればいいのだ
というわけにはいかなくなるのは仕方がない現実だと感じるのです。

 では、ここで日本の強みは何かと言うと、ちょっと意外かもしれま
せんがお金=資産があることです。中国や韓国の成長が著しいとはいえ、
先進国として金融の世界で戦ってきた経験があるわけではありません。
それに対して、日本は特に冷戦後、経済的にアメリカから徹底的に
叩かれる過程で、円の通貨としての力をかなり鍛えてきました。
ニューヨークやロンドンなどの先進国の市場でかなりもまれて、
国際通貨としての盤石な地位を確固たるものにしているのです。

 最近、MMT(現代貨幣理論)という自国建ての通貨で国債を発行
できる国は、インフレが起こらない限り、いくら国債を発行しても
何の問題もないという理論が脚光を浴びるようになってきました。
そして、それが有効な事例として日本がGDPの2倍以上の国債を
発行しても史上まれにみる低金利が続いていることがあげられて
いるのです。なぜ、こんなことが起こるのかというと、日本の
経済力は落ちてしまったかもしれませんが、その代償に、本質的な
金融力は強くなったことがあげられるのだと思います。

 この僥倖が続いている間に、日本は力をつける必要があります。
金融力があるということは、国防に力を入れることも可能ですし、
憲法改正を右派も左派も真剣に議論することで、将来の日本の
在り方を真剣に考えるいい機会が来ているのだと思います。
日本には、リーダーはダメだが現場は強いという伝統があります。
国防をリーダーだけに任せるのではなく、私たちが例えば
ワイドショー等で取り上げて、真剣に議論する世の中が来ることを
考えてもいい時代が来ているのかもしれません。


山上の垂訓


 8回目のイスラエルに行ってきました。赤塚高仁さんはいつも
ガリラヤ湖畔のタプハの召命教会で、新約聖書の「ヨハネによる
福音書」の第21章に出てくる、復活したイエスが一番弟子である
ペテロたちの前に姿を現された場面を再現してくれます。
ここが、赤塚さんと行くイスラエルの旅のクライマックスであって、
私は何度行ってもここで赤塚さんにイエスと初代ローマ法王になった
ペテロに会わせていただき、涙が止まらなくなります。

 ペテロは自分がイエスに対してやってしまったことの恥ずかしさから
顔を上げられない状態になっているので、三度目である最後のイエス
からの声掛けの時はペテロの顔を下から覗き込んで、「ヨハネの子
シモンよ、私を愛するか」と尋ねられたのだという赤塚さん独自の
解釈を話してくれます。今回は、イエスは私たちを支えてくださる
時に上から目線で命令口調におっしゃるのではなく、下から見上げる
ように支えてくださっているということが感じられました。
そうすると、瞑想をしている時にイエスを感じている時も、自分の
下の方にその存在を意識できるようになることが分かるようになって
きました。

 もちろん、この新解釈は私がイエスを感じる時の解釈なので、
皆さまは独自にそれぞれの感じ方をされればいいのですが、
赤塚さんと行くイスラエル旅行のすばらしさは大なり小なり参加者
全員が何らかの形でイエスの存在を身近に感じることができるように
なることです。何回行っても新しい発見があるので、本当に有難い
機会だと思っています。

 ところで、新約聖書は「マタイによる福音書」から始まります。
その第5章から第7章までが有名な山上の垂訓です。赤塚さんは
男だけで5千人と書かれている聴衆にマイクもPAもない時代に
どういう風にして山上の垂訓を伝えたのかという新解釈を話して
くれました。これは、まだ新ネタなのでネタバレはしないで
おきますが、ぜひ、赤塚さんといくイスラエルツアーに参加するか、
各地で開かれている聖書塾に参加して、赤塚さんに直接質問して
みてください。

 山上の垂訓で一番有名な詩の部分を第5章から引用してみます。


(引用開始)

こころの貧しい人たちは、さいわいである、
天国は彼らのものである。
悲しんでいる人たちは、さいわいである、
彼らは慰められるであろう。
柔和な人たちは、さいわいである、
彼らは地を受けつぐであろう。
義に飢えかわいている人たちは、さいわいである、
彼らは飽き足りるようになるであろう。
あわれみ深い人たちは、さいわいである、
彼らはあわれみを受けるであろう。
心の清い人たちは、さいわいである、
彼らは神を見るであろう。
平和をつくり出す人たちは、さいわいである、
彼らは神の子と呼ばれるであろう。
義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、
天国は彼らのものである。

(引用終了)(日本聖書協会 口語訳新約聖書より)


 聖書を読んだことがない人でも、聞かれたことがあるお話が
たくさんあると思いますし、現在に至るまでのすべての成功哲学が
山上の垂訓にはすべて網羅されているというのが赤塚さんの意見です。

 いま、私は次元論でアセンションに関する研究をすることにとても
興味があるのですが、3次元から5次元(一般的なスピリチュアル的な
考えの4次元とほぼ同じです)に行く壁は恐怖だったと思うのですが、
そこからさらに9次元(やはりスピリチュアルな考えの5次元と同じ
です)に行く壁は偽善だと思っています。ところが、山上の垂訓の
一部である第六章は以下の文から始まります。

 
(引用開始)

  自分の義を、見られるために人の前で行わないように、
注意しなさい。もし、そうしないと、天にいますあなたがたの
父から報いを受けることがないであろう。

  だから、施しをする時には、偽善者たちが人にほめられるため
会堂や町の中でするように、自分の前でラッパを吹きならすな。
よく言っておくが、彼らはその報いを受けてしまっている。
あなたは施しをする場合、右の手のしていることを左の手に
知らせるな。それは、あなたのする施しが隠れているためである。
すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、
報いてくださるであろう。

(引用終了)

 聖書はすごいですね。私が脳をちぎるほど考えて眠れなく
なってしまっていることと同じことを2千年前にすでに
一番有名な教訓として教えていたのです。
聖書を宗教の本として読むのではなく、智恵の詰まった本だと
思って読むといいという糸川英夫先生の教えがようやく分かる
ようになってきました。
ぜひ聖書を手に取って、まず、山上の垂訓から
読んでみていただければと思います。


忘れないことの大切さ


 先月末に開催された、一般社団法人シンギングリン協会が主催する
「石巻市南浜こころの森記念植樹と復興支援の旅」に参加させて
いただきました。

 シンギングリン協会は、赤塚高仁さんに連れて行ってもらった
イスラエルの旅で出会った和真音さんが代表理事をつとめられて
いる協会です。和さんはある日啓示によって設計図を受け取り、
それに基づいてシンギングリンという楽器を作られました。
クリスタルボウルによく似ているところもありますが、かなり
精密で完成度が高いものになっています。 今回の旅に参加された
方の大半がシンギングリンを持参されていて、多くのリンが一緒に
奏でられると場の浄化が進み、空気感が変わるのがよく分かり
ました。

 そういえば、ご一緒にイスラエルに旅した時も様々な聖地で
和さんがリンを奏でると、世界中から聖地巡礼にやってきている
人たちが集まってきて、その音色のすばらしさを絶賛していた
ことを思い出しました。
実は、石巻の旅から帰った翌日からイスラエルに来ており、
いまこの原稿はイスラエルのガリラヤ湖が見下ろせるホテルの
部屋で書いているのです。

 また、和さんはプロのカラーコディネーターでもあり、一度
ワンデーのセミナーに参加させていただいたことがあります。
私に似合う色はどんな色かを具体的に教えてくださったので、
必要最低限のコーディネートの仕方が分かり、かなり自信を
持って服装を選ぶことができるようになりました。
分かってしまえば、似合わない服があると気になるもので、
ほとんど着ることがなくなってしまった洋服もたくさん
あります。

 それにしても、最近親しくなった大事な友人の多くが
赤塚さんのイスラエルの旅で出会った人たちです。
聖地での出会いは特別で貴重なものになるようですね。

 今回のイスラエルではイエス様に親しく出会えたように感じて
います。私が自らのミッションに向かってしっかりと進んで
行くと、いつもイエス様が寄り添ってくれているように感じられる
のです。
客観的に見れば私の妄想に過ぎないのかもしれませんが、そんな
妄想ならありがたく大事にしていきたいと思っています。

 私は震災後、石巻を何回も訪れています。地震の直後は支援
物資を積み込んで現地に入る友人の車に乗せてもらったりして、
多少の支援活動もさせていただきましたし、少し落ち着いてきて
からも取材で現地の親しい友人のインタビューに行ったりして
きました。その後は復興のお手伝いをする仕事もさせていただく
ようになり、合計すれば10回以上現地に入らせていただいている
と思います。

 最初の頃の、目を覆いたくなるような状態から徐々に日常の
暮らしが取り戻されていき、いまでは、外見的に見ると日常の
生活が取り戻されてきていることが実感できるようになって
います。

 今回は、石巻の旅を実質的に企画されたあい☆えがお代表の
山本えりさんが、「勝仁さんは絶対にこの旅で石巻に行くべきだ」と
かなり強引に勧めてくれたので、ちょっと不思議に思いながらも
参加させていただきました。

 えりさんも和さんと一緒にイスラエルに行った仲間なのですが、
いろいろなイベントに参加すると必ずと言っていいほどいらっしゃる
ので、イスラエル旅の仲間というだけの感覚ではなくなっています。
ただ、間違いないのは、私がまだ知らない本当に大事な世界のことを
よく知っている方だなという印象を強く持っているのです。

 今回の旅に参加してみて、そんなえりさんの真意が少し分かった
気がしています。私は恵まれた立場にいるので、震災の現場に
行っても(精神的に)ちょっと高い所から現地を見せてもらえる
ケースがほとんどだったことがよく分かりました。逆に言うと、
日々の生活を送っている人たちの生の声を直接聞ける立場にはなく、
上から目線で復興の支援をしていたことを感じさせられました。

 経済的な支援や企画を考えるというのが私の立場も間違いなく
必要なことであり、それはそれで自分なりに役割を果たしていると
思います。しかし、生活目線で現地の方とすぐに仲良くなれる
えりさんや真音さんのような人の立場で一度現地を見ることも、
とても大切なことなのです。

 そんなフラットな目線で見てみると、震災のことが徐々に
忘れられていっているのがよく分かりました。

 行列が絶えないことで話題になった女川の駅前の商業施設
シーパルピア女川にお昼ご飯を食べに行ったのですが、平日と言う
ことも手伝って閑散としていました。和さんが早速お店の人に
ヒアリングすると、週末はそこそこ集まるものの夏休みのこの時期
でも平日は人出が少なく、それでやむなく週末だけ営業する店が
多くなり、それにつれて客数もより減ってしまうという悪循環に
陥りつつあるようです。

 シンギングリン協会では、南浜という石巻で一番被害が大き
かった場所に大きな国立公園が作られることが決まっているの
ですが、そこへの植林事業を進め、大きな森を人間の手で作り
あげることを目標としている人々への寄付を募って、それを
毎年直接手渡しする旅を続けるそうです。森ができるまでは
30年かかるそうですが、それまでずっとフラットな目線で支援を
続けていくという覚悟が伝わってきて、この継続の気持ちこそが
いま一番大切なのだと感じました。

神聖幾何学


 T―FLOW ART AGENCYが開催された神聖幾何学のワンデイ
ワークショップに参加してきました。にんげんクラブ愛知の中山
恵美賀さんから紹介された磯正仁先生が講師をされるワークショップで、
私は工作には苦手意識が満載だったのですが、イヤーコーニングの
近藤真澄さんが一緒に参加してくれるということで、何とか苦手意識を
克服して参加させていただきました。

 神聖幾何学は、神聖な立体を綿棒とボンドを使って自らの手で
作りあげていく作業を通じて、大きく変化する次の世の中に必要な
叡智を感覚的に獲得するための手法です。にんげんクラブでも
セミナーを開催したり、ワークショップをしたりさせていただいて
いますが、意識の高い人を中心に急速に広がっていて、磯先生に
よるとT―FLOWの主催する会だけでも、この1年間で千人近い人が
何らかの形で真剣に神聖幾何学の作成に携わったのではないかと思う
とのことでした。

 私は予想通りまったくうまく作れませんでしたが、それでも何とか
一番基本の形を作りあげた時には、魂の底から湧いてくる喜びを
感じました。参加されている皆さまのコメントをお聞きしていると、
人生が変わってしまうような変革を体験された方もたくさんいて、
特に敏感な女性たちの中には生き方が根本的に変わっていった人も
多数いるようです。

 綿棒ワークを通じて、神聖幾何学の本質を知ることをこの世に
ダウンロードされたトッチさん(磯先生との共著、『宇宙の最終形態
「神聖幾何学」のすべて』(ヒカルランド)がいまのところ1~5まで
発刊されています)は、仲間を増やす活動は今年の秋までで終了して、
それ以降は仲間になった人たちとより深い人類への貢献をしていく
ステージに移っていくという宣言をされているそうです。

    

     


 トッチさんは、神聖幾何学の叡智が綿棒ワークを使ってダウン
ロードできることにずいぶん早くから気がつかれていました。
ただ、それがなぜ自分のところにやってきたのか、また、それを
どう世の中に広めればいいのかが分からずに悩んでいたそうです。

 そんな中、ついに東日本大震災が起こってしまいました。
トッチさんは津波に流される映像を自分の意識の中で何度も見て
いたにも関わらず、それに対して何もできなかった自分の責任の
重大さを感じて、すぐに被災地に入って魂の救済活動を始められ
ました。そして、それからは躊躇することなく、ボランティアを
続けながら、この叡智を人類に広げるために精力的に活動して
おられます。

 香港で金融の世界で大成功をして、その後古神道を究めた
磯先生と言う最強のパートナーを得て、トッチさんの活動が
ますます広がっています。一番のポイントは神聖幾何学の叡智を
エゴのために使わないことであり、トッチさんが最も大切にして
いることでもあります。
その真意をきちんと理解しながら、この叡智が広がっていくことを
魂の底から願っています。

 ところで、これはまったくの偶然なのですが、この原稿は被災地で
ある石巻に向かう新幹線の中で書いています。ちょっと疲れている
のでグリーン車に乗ろうと思ったら間違ってグランクラスのチケットを
買ってしまい、人生はじめての一等車の経験を楽しんでいます。
今回は慰霊の旅に参加するのが目的ですが、軽食を食べさせていただき
飲み物がアルコールも含めて無料で注文できるので、まだ午前中だと
いうのにスパークリングワインをいただきながらの旅を楽しませて
いただいています。
完全な言い訳ですが、美味しい日本のスパークリングワインは
慰霊の直会といったところでしょうか。

 グランクラスには結構多くの人が乗っています。大きな会社の
社長さんや会長さんのような人が多いのですが、中には
ITベンチャーの社長さんかなという風貌の人や、子ども連れの
お母さんも乗っていて、グランクラスに乗れる料金は
グリーン料金の倍ぐらいする贅沢な旅ですが、欧米の富裕層に
日本に来てもらうためにはこういう贅沢なオプションも必要なの
だろうと思います。

 経済のことを考えると、日本で有望な産業は観光になると思う
のですが、世界中の多くの人が東北の被災地に足を向けてくださる
ことは、新しい時代が共生の時代になるのだろうことを考えると
とても大切なことだと思います。アウシュビッツに行った時に、
広島や長崎などを含めたダークツーリズムと呼ばれる、戦争等の
悲劇を感じに行く旅が世界的には大流行しているという話を
聞かせていただきました。

 犠牲になられた方や被害にあわれた方の気持ちに寄り添うことを
絶対に忘れることなく、その上で、まったく新しい人類の叡智を
使わなければこのような悲劇が繰り返されてしまう可能性が極めて
高いということを世界の人々とシェアすることも、私たちの大切な
役割なのだと感じながら、原稿を締めくくりたいと思います。

 残念ながらもうすぐ仙台に到着するようです。
もう1本、飲みたかったなあ。

ヨガとアイリッシュハープ


 先週は今年で3回目となるインドのDr. Mauryaが指導してくださる
アーユルヴェーダ(インドやスリランカに伝わる伝統医学)の2泊3日の
リトリートに参加してきました。
場所は三重県津市にある盟友赤塚高仁さんのログハウス。
AKDN(赤塚、勝仁、出路(雅明)(山内)尚子の4人だけのための
贅沢なリトリートで、心身ともにとても清浄になった気分です。

 とても心地良い時間なのですが、一点だけ、朝起きて最初に行う
ヨガの体操はかなりハードで、普段まったく体を鍛えていない私には
かなりきついものになります。昨年ドクターからこのヨガの体操の
中心となる「太陽礼拝(サンサルテーション)」を毎日やるように
言われていたのですが、私は見事に1年間さぼっていました。
ところが、例えば赤塚さんは毎日6セット欠かさずに実践していて、
後ろでやっているのを見ていてもかなり様になっていました。
ドクターの個人コンサルテーションの時に1セットでもいいから
やるように言われて、それなら2分ぐらいでできるのでやりますと
宣言しました。

 そんなリトリートで、今回しっかり学んだのはプラーナヤーマと
いう呼吸法でした。Dr. Mauryaのヨガは本格的なものですので、
いい加減な気持ちではできません。プラーナヤーマに関しては、
私が大好きな理屈面でも納得できるだけの教えをいただきました
ので、無理のない範囲でいままでよりは真面目に取り組もうと
思っています。

 今回は私の希望で断食しながらのリトリートだったのですが、
3食りんごをしっかりといただきましたので、空腹感はほとんど
感じませんでした。ビフォーアフターの体重を量っていないので
どのくらい痩せたのかは分かりませんが、かなり体が軽くなった
気はしています。来年ももうスケジュールを決めましたが、
私だけでもりんご断食メニューでやっていただきたいと思って
います。

 リトリートを終えた翌日は、大阪でみつゆき先生のアイリッシュ
ハープのコンサートに参加しました。ステキなコンサートでした。
ただただ癒しだけの時間で、日頃のお金のことを中心に考えている
私にとってはまったく異質の優しい時間を過ごさせていただきました。
みつゆき先生のオフィスでの開催だったので、人数も少人数でごく
近くで演奏が聴けたこともすばらしく、これからの社会がこういう
癒しの方向性に動いていけばみんなが幸せになれるのになあと感じ
ました。

 インドの聖者のハードな教えを受けた直後だったので、ますます
そのギャップに驚いている面もあるのですが、日本はいい国ですね。
世界中のすばらしいものが集まってきて、これは日本人だからそう
感じるのだとは思いますが、本家のものよりもはるかに繊細な
日本流にアレンジされたものを楽しむことができます。
日本は世界の文化の最終到達地点であり、それをいろいろアレンジ
してミックスしてくのが本質的な役割であるように感じました。

 家に帰ってきてからは、参議院選挙の開票速報を朝方まで見て
しまいました。前にも書いたことがあるような気がしますが、
政治家になりたいと思ったことは一度もありませんが、選挙の
開票速報を見るのは大好きなのです。改憲勢力で2/3の議席を
取れなかったという話もありますが、安倍総理にしてはまずまずの
結果で、これでしばらくは日本の政治は安定することになるだろう
と思います。東京や大阪は景気がいいように感じますが、この
勢いがしばらくは続くことになると思います。

 大きな流れとしては、私が得意なお金の世界の重要性はだんだん
弱くなっていくことは間違いないことであり、いまはその後の
世界をどのような世界にしたいのかをみんなが考えていくべき時
なのだと思います。

 未来は私たちの集合無意識が作っています。これは私の仮説
ですが、本来は10年ぐらい前に経済がハードランディングする
可能性が一番高かったのですが、私たちの集合無意識がソフト
ランディングを望んでいるので、ハードランディングがここまで
先送りされているのではないでしょうか。

 この先送りがいつまで続くのかは分かりません。この間に、
未来の社会の在り方についての具体的な集合無意識を作りあげて
行かなくてはいけないのではないかと感じています。
インドの聖者の峻厳な世界もいいのですが、私はアイリッシュ
ハープの癒しの世界になっていく方が、世の中は良くなるように
感じました。ただ、その実現のためのヨガの手法を使った、
個人やその集合意識のクリーニングは有効だなとも思いました。

 自民党が選挙に勝っても週明けの株式市場は下げで始まりました。
それほど争点もなく、結果も大体予想通りに終わったので、
それよりもアメリカの株価やアメリカの要人の発言の影響の方が
大きいということなのでしょうが、時代の変遷を象徴している
ような出来事なのだと思います。

 私たちの社会の行方はどこか遠くにいる誰か偉い人に決めて
もらうものではない時代がいよいよ始まりつつあることを
感じられる、不思議な楽しい週末でした。

二つのPC


 先日、ビジネス社の唐津隆社長にお会いした時に、同社が出版された
2冊の本をいただきました。

 1冊目は竹田恒泰、久野潤著『決定版 日本書紀入門』です。
来年2020年は日本書紀の編纂から1300年に当たる記念すべき年になる
そうです。古事記は民族の歴史を日本人に向けて書かれたものなのです
が、日本書紀は外国(当時ですから主に中国)に対して我が国の歴史を
明らかにするために漢文で書かれたものになります。

 古事記については竹田先生の名著『現代語 古事記』(学研)や
今野華都子先生の『はじめて読む人の「古事記」』(致知出版社)等で
勉強させていただいたことがあり、一通りのことは分かっていると思う
のですが、日本書紀のことは古事記と大体同じ時期に成立した程度に
しか知りませんでした。本書を読んで日本の正史は日本書紀であり、
教育勅語などと違って戦後も国会などで正史であることを否定されて
いないこと等から、我が国の成り立ちを正式に記したものであるという
位置づけは揺るがないものであるということがよく理解できました。

  


 ちょうど、東京オリンピックの開催される年が記念年に当たること等
から、日本の歴史を世界に向けてアピールすると同時に、多くの日本人
にとって我が国の成り立ちに気づくきっかけになればいいと思います。
日本はあまりにも見事に戦争に負けてしまって、世界的に台頭してきた
社会主義、共産主義的な風潮も相まって、戦前の日本を全否定する
ところから戦後教育が始まっています。そのおかげで戦後の経済成長を
謳歌できたというポジティブな面もありますが、そろそろそのごまかしが
きかなくなってきたのは明らかだと思うのです。

 記紀を学ぶことで、我が国の始まりのことぐらいは多くの人が共通認識
として持っていかなければ、大げさではなく国が滅んでしまうかもしれ
ません。そういう意味では、本当に考えされられる本でした。

 2冊目は消費税反対botちゃん著『マンガでわかるこんなに危ない! ?
消費増税
』です。ネットで話題になっている漫画『私立Z学園の憂鬱』を
書籍化したもので、消費増税がいかに日本経済に対して致命的な悪い
影響を与えるかということを、マンガの形で分かりやすく説明して
くれています。

 私も消費税の増税には反対ですが、どうも10月に消費税が上がる流れは
変わりそうにありません。安倍総理は、本当はダブル選挙に打って出て
消費増税実施の延期を争点にしたかったのだと思いますが、現状の新聞
などの分析では、今回の参院選は与党の圧勝の勢いのようです。ある意味、
消費税を焦点にできなかった野党の戦略ミスだという気もしますが、
私たちももう少し自分たちの周りに起こることを冷静に学ばなければ
いけないのではということを教えてくれるタイムリーな本だと思います。

 識者の方から聞いた話ですが、経営者から見れば前回の増税は5⇒8%に
なるので60%の大増税でしたが、今回は8⇒10%なので25%の増税に過ぎ
ないことになります。だから影響は軽微だろうということですが、消費者
側からするとやはり生活に大きな影響を与えることは間違いないと思い
ます。せめて、これで消費税の増税は打ち止めにすることを政策として
しっかりと打ち出せるようになっていただかなければいけないのでは
ないでしょうか。

本書解説の藤井聡京大教授(元内閣官房参与)がポリティカルコレクト
ネス(PC:人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、
中立的な表現や用語を用いること)についての説明をされています。
識者にとっては消費税に反対するのはPCに反することになるので、
できない風潮があふれていることが問題だという話をされているのです。

藤井教授の意見は極論であり、それこそPCに反しているから排除しな
ければいけないという論調を私も見たことがありますが、まだ確信が
持ててはいませんが、藤井教授が唱えているMMT(現代金融理論)と
いう日本やアメリカは政府がいくら借金をふくらませても問題がないと
いう意見が正しいような気もしています。

どちらにしても常識にとらわれずに、何が真実なのかを自分で考えなく
てはうまく生きていくことができない時代がやってきたことは間違い
ありませんので、私たちの暮らしに直接関係ある消費税のことを考えて
みるきっかけに読んで見られてはいかがでしょうか。


ところで、連休中にはタイの高僧の主催されている瞑想会に参加させて
いただく機会がありました。『ザ・フナイ』で瞑想についての記事を
定期的に掲載していきたいと思っているのですが、その瞑想会で純粋
意識(Pure Consciousness:PC)の状態をできるだけ保ち、妄想に
陥っている時間をできるだけ短くすることが大切だという大きなヒント
をいただきました。

私は30年間ぐらい瞑想をしてきましたが、純粋意識(PC)の状態を
できるだけ多くするのが瞑想だという話は聞いたことは何度もある
ような気がするものの、それを体験として理解できたのははじめてだと
思います。おかげさまで、いままでの中で一番いい瞑想体験を味わえた
と思っています。


常識を疑うことで手放すべきPC(ポリティカルコレクトネス)と、
いろいろな目に見えない世界の体験の積み重ねを通じてはじめて実感
できたPC(純粋意識)という、大事な二つのPCに直面することができた
貴重な3連休になりました。まったく違うものですが、同じ記号という
ことはきっと何かシンクロが起こっているような気もしています。
みなさんもそれぞれの新しい体験や気づきを楽しんでいただければと
思います。


悟り入門


 東北の震災で不通になっていた岩手県のJR山田線が3月23日に
三陸鉄道に移管されて、大船渡市の盛駅から久慈市の久慈駅までの
163㎞が繋がりました。三陸リアス線と改名されて、いまのところ
想定以上の観光客を集めているという記事が地方紙に掲載されて
います。山田町には仕事で関わりがあり、年に1、2回のペースで
訪問させていただいているので、今度行く時には一度電車にも
乗ってみたいと思います。


 その山田町に、龍泉寺という曹洞宗のお寺があります。ご住職の
石ヶ森桂山さんが『ザ・フナイ』を愛読くださっている等のご縁で、
山田町を訪れた時には時々会食させていただいたり、お寺にお伺い
させていただいたりしています。震災の時に、少しでも多くの
犠牲者の方の魂をしっかりとお送りしようと全身全霊をかけて
尽力されたことを、万感の思いで語ってくださったことがいまも
強く印象に残っています。

 震災からしばらく経ったときある方からお聞きしたのですが、
精神世界的に見ると震災の時に一番不足していたのは、魂が
きちんとあちらに行くための手助けができる宗教家だったのだ
そうです。あれだけ多くの方が突然なんの準備もできないまま
亡くなってしまったことはスピリチュアル的にみれば大変な
ことで、多くの宗教者が現場に入って魂を送らなければならない
というのです。

 石ヶ森住職に最初にお会いしたのは震災から5年ぐらい経って
からのことでしたが、地元の宗教者がその役割を必死の思いで
果たされていたことを知って、なぜかとてもホッとしたことを
よく覚えています。

 私はあまり宗教の世界、特に仏教の世界のことはよく分かりません。
昭和の時代ぐらいまでは、同じ宗派に属していない人が一人でもいる
時は宗教の話をしないというのが、日本人の正しいあり方だったと
いう話を聞いたことがあります。大阪の私の出身の田舎町では、
部落毎に浄土宗、浄土真宗というふうに宗派が分かれていたので
(江戸幕府が一緒になって一揆などを起こさないように、わざと
隣町の宗派が違うようにお寺を配置したのではないかと思います)
日常生活ではあまり宗教(当時ですから仏教)の話をしなかった
のではないかと思います。

 しかし、いまでは宗教者の方もかなりの見識を持たれている方が
増えて、宗教や宗派が違っても喧嘩をすることなく宗教の本質が
語られるようになってきたように感じます。いろいろな天災が
これからも頻発することが予想される昨今、犠牲者が少なくなる
ために力を尽くしながらも、残念ながら犠牲になってしまった方に
仏教でいうところの成仏していただくということもとても大切に
なっていくと思いますので、宗教のことも前向きに語れる世の中が
来ればいいなと思います。


 そんな中で、なぜ買ったのかはよく思い出せないのですが、
群馬県にある瑞岩寺というやはり曹洞宗のお寺のご住職である
長谷川俊道さんが書かれた『人生に悔いを残さないための
「悟り」入門
』(ディスカバー21)を楽しく拝読しました。
特に心に残ったのが、「無記」という言葉です。お釈迦様は問いに
対してあえて答えを返さなかったものを「無記」という言葉で
表現しているということを教えてくれています。

 
(引用開始)

 霊魂があるのかどうかということについて、お釈迦様は
「無記」とお答えになっています。
「無記」とは、「あるともないとも言わない」ということです。

(引用終了)

 赤塚高仁さんが言う、分からないことは括弧にいれて置いて
おく(棚上げしておく)ということと同じ考えのようにも思える
お釈迦様の言葉からは、分からないことを無理に解釈して
分かろうとしてもそれには意味がないということが
よく分かります。

 私たちはこのアプローチを便利に使えばいいように感じます。
いま大事なことは、つまらないことで喧嘩をしないこと。
特に、宗教戦争ほど本末転倒のものはないので、違う考え方や
とらえ方の人がいてもそれに賛成する必要はありませんが、
そういう考え方もあると思って尊重することが大事なのだと
思います。

 高齢化社会を迎え、私自身も人生の半ばは間違いなく過ぎた
年齢になってきて、如何に死ぬかということを考えるように
なりました。ベストセラーになっているロルフ・ドベリ.著
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を
送るための思考法
』(サンマーク出版)を読んでいると
「死よりも、人生について考えよう」という章がありますが、
如何に死ぬかという死生観を持つことが、いい人生観を持つ
うえで大事なことであるという思考法の方が日本人の感性には
合っているように思います。時には、仏教の本でも読んで、
死について考えてみるのもいいのかもしれないですね。

トランプ大統領の本音


 先週末は大阪でG20サミットが開かれていました。トランプ大統領、
習近平主席、プーチン大統領、インドのモディ首相、仏マクロン大統領、
独メルケル首相、英メイ首相、トルコのエルドアン大統領等錚々たる
メンバーが大阪に集まりました。私はそんなサミット当日に、たまたま
大阪にいました。飛行場の警備がものものしく、入口と出口が一か所に
しぼられていたりしたことが不便と言えば不便でしたが、普段から
あまり車を使わない私にとっては許容範囲内のことでした。

 大阪市内の交通事情も大きな道が封鎖になったり、首脳が移動する
前後は突然通行止めになるなど、まったく読めなくなっていました。
金曜日の夜はご接待いただく会食だったのですが、先方がタクシーの
手配をしようとしたところ、まったく見当がつかないので無理でした
と恐縮されていたのが印象に残りました。幸いにホテルまで歩いて
7、8分の距離だったので、途中まで先方の部長さんといろいろ話し
ながら帰りました。ともあれ、普段は体験できないいい経験を
させていただいたと思っています。

 マーケット関係者の意見を聞くと、今回のG20の唯一の興味は
土曜日に開かれた米中首脳会談だったそうです。結果的には貿易
協議の再開、追加関税の先送り、それにファーウエイへの部品販売を
認めることをトランプ大統領が容認しました。この結果を受けて
週明けのマーケットは円安株高になっています。

ただでさえ焦点がなかったG20だったのですが、帰りがけに板門店で
サプライズの米朝首脳会談が開かれ、世界のメディアの興味は
すっかりそちらに移ってしまいました。なぜ、トランプ大統領は
中国にとりあえず譲歩し、北朝鮮には大きなサービスをしたので
しょうか。


 結論から言うと、トランプ大統領の本音は来年の大統領選挙で再選を
果たしたいということに尽きるのではないでしょうか。板門店を訪れた
前日の土曜日、アメリカでは民主党の大統領候補のテレビ討論会があり、
ほぼ候補者がトランプ大統領に絞られている共和党に比べてかなり盛り
上がっている状態だったそうです。そこに、板門店で金正恩委員長と
肩を並べて歩いて北朝鮮側に行くトランプ大統領の映像はかなりの
インパクトがあったようです。日米安保条約の見直しを示唆したりして
いたのも、これにつなげるためだったと考えると腑に落ちてきます。


 また、中国との関係は振り上げたこぶしの落としどころを見つける
のはなかなか大変ですが、これ以上の貿易戦争はアメリカにも大きな
返り血が飛んでくることになり、選挙戦略を考えると得策とは言えない
でしょう。アメリカという国は悠長な国で、大統領選挙に1年半もの
長い時間を費やし、体力勝負で候補者が絞られていきます。
テレビという媒体の使い方を熟知しているトランプ大統領はどのように
ふるまえば有権者にインパクトを与えられるかを最優先に考えている
のだと思えば、分かりやすいのかもしれません。

 日曜日の夜に家に帰ってから、板門店のニュースを見たいと思い
ケーブルテレビでCNNを見ました。トランプ大統領のやり方というか
あり方に反対している急先鋒のCNNですから、板門店に訪問した
ことを批判的に解説する軍出身の評論家が厳しいコメントをして
いました。

そして、テレビ映りがあまりさえない民主党の女性の上院議員が出て
きて、やはりトランプ大統領の批判をしていました。もちろん、
さえないというのはかなりお酒を飲みながら見ていた私の主観ですから、
深読みし過ぎなのかもしれませんが、もしかするとCNNは、トランプの
批判をしているようで本当はトランプの応援をしているのかもしれない
などと思ったりもしました。

 政治の世界は、私たち素人から見ると不思議なことがいっぱいです。
『ザ・フナイ』に長期連載してくださっている政治評論家の片桐勇治
先生によると、実はトランプ大統領と安倍総理は仲が悪いのではないか
と思われるそうです。さらに、いつも注目している政治評論家の宮崎
正弘先生のメルマガでは、今回の板門店の米朝首脳会談では文在寅
韓国大統領は同席もさせてもらえずに、その上韓国ではトランプ
大統領は首脳会談や晩餐会などの何の公式行事もせずに帰ってしまった。
これほど失礼なことはないし、トランプ大統領がツイッターで2分だけ
でもいいから金正恩委員長と会いたいと言ったのは、文大統領が
アメリカを訪問した時に2分しか首脳会談の時間をもらえなかった
ことのレトリックだというのですから難解です。


 あんまり想像したくはありませんが、私はトランプ大統領が来年の
選挙も勝ち抜き8年間大統領をするという副島隆彦先生の意見に賛成
です。そしてその間は、いままでの常識を超えた世界のリーダーが
何をするのか、私たちは固唾を飲んで見守らなければいけないのだ
と思います。本当に朝鮮戦争が終わって在日アメリカ軍が全面撤退
する日が、近い将来に来るかもしれません。これはすなわち、日本が
どういう選択をするのか、私たちの生活に直接大きな影響を与える
決断が迫られる日がやって来るということに他なりません。


 それに備えて叡智を集めるだけの準備をいまからしなければならない
ようです。私たちの将来は、どこか遠くにいる誰か偉い人が決めるの
ではなく、私たち自身が決めていくのだと思っています。
読者の皆さんもそれぞれの立場で日本の将来について考えてみて
いただければと思います。


株主総会


 今週は3月決算の上場企業の株主総会がピークを迎えています。私も
実はある上場会社の社外取締役をさせていただいているのですが、
「今年は社外取締役が指名されて質問に答えなければいけないケースが
増えていますよ」と言われて緊張して総会に臨みました。

 予行演習の時には、信託銀行の方が株主の役割をやってくださって
質問をしてくださいます。その時に、社外役員への質問もしてくださり、
事前の勉強の成果で何とか質問をこなすことができてホッとしましたし、
本番では他の役員の方への質問はありましたが、残念ながら私への
質問はありませんでした。

 企業統治の在り方はここ数年で大きく変わりました。大きなきっかけ
は2014年に出された「伊藤レポート」です。「伊藤レポート」とは、
一橋大学の伊藤邦雄教授を座長としてまとめられた、経済産業省の
「『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい
関係構築~』プロジェクト」の最終報告書の通称です。企業側が取り
組むべき姿勢としてコーポレートガバナンス・コードを作成し、
(機関)投資家側の指針としてはスチュワードシップ・コードを
作成しました。

 いまの上場会社はこの時に作られてから徐々に定着しつつある
コーポレートガバナンスの考え方に強い影響を受け、株主総会もこれに
対応するように設計し直されてきています。また、勉強している株主の
方もコーポレートガバナンスの方針に沿って会社経営がなされているか
どうかを論点に、鋭い質問をされるようになってきました。大きな流れ
で言うと、取締役の少なくとも3分の1以上を社外取締役が占めることが
当たり前に求められるようになってきましたし、近い将来は過半数が
社外取締役になることが望ましいとされています。

 また、来年ぐらいからは少なくとも1人は取締役候補に女性がいな
ければ、機関投資家は役員の選任の議案に反対票を投じることを
リコメンドされるようになると言われています。さらにすごいなと
思うのは、指名・報酬委員会の設置が求められるようになり、取締役
の指名やその報酬の決定は社外の人が議長を務め、過半数を社外の
委員が占める委員会で実質的に決定することが求められるように
なっています。

 実際に、私が社外取締役をさせていただいている会社でも昨年から
指名・報酬委員会を設置するようになり、私が議長をさせていただいて
います。私は大きく言えば会社側というか社長の意図に沿った答申を
することを考えていますので、制度的にはともかく実質的には影響は
ありませんが、もし会社側に悪意のある人が社外取締役かつ指名報酬
委員会の議長に就任した場合には、社長を変えたり自分の意図通りに
動く人間を社長に指名したりできる、ある意味では怖い制度だなと
思っています。

 いまの問題は、上記のように数多くの社外取締役が必要とされて
いるのに比べて、実質的にその任を受けられる人材が極端に不足して
いることです。適任者といえば、公認会計士、弁護士、大学教授、
他企業の経営者および経験者、それにコンサルタントぐらいになるの
だと思います。ただ、例えば船井総研の現役社員が顧問先の社外役員
になるのは利害相反の問題があって難しいと思うので、私のように
会社から離れてしばらくたってからでないとなれないと思いますし、
私も社外役員になるときには船井総研の許可を取りました。

 「......ということになると、もしかするとこの人は悪意をもって
いるかもしれないという候補者を選んでしまうリスクも格段に増える
のではないでしょうか」というような話を、たまたま株主総会が
終わった日に講演をお聞きした、『ザ・フナイ』に長期連載をして
くださっている政治評論家の片桐勇治先生に立ち話でお話ししました。

 私は、「これは創業家から経営権を取り上げるための策謀かもしれ
ません」という話をしたのですが、片桐先生は、「これからの日本は
冷戦体制や戦後体制の変革が求められていて、企業統治の在り方が
大きく変わっていきます。もしかすると、旧態依然の会社のガバナンス
を一気に変革するための手法なのかもしれませんね」というお返事を
くださいました。

 これはちょっと目からウロコでした。私の場合、どうしても自分の
立場とオーバーラップして創業家の立場で被害者目線になってしまうの
ですが、本当の意図は日本の超大企業の統治機構を変革することにある
と考えた方が確かにしっくりきます。

 ちょっと変な言い方になってしまいますが、「伊藤レポート」で最初
にやり玉にあげられた被害者(?)は、セブンアイホールディングスの
鈴木敏文会長でした。

 セブンアイの場合、「伊藤レポート」を作った伊藤教授ご本人が
社外取締役を務めていたのですが、結果として指名報酬委員会が鈴木
会長の人事案に反対し、それを取締役会に諮ったところ、やはり鈴木
会長案が否決されて、結果として会長退任につながりました。片桐
先生の考え方が正しいとすれば、もっと大企業で旧態依然とした
会社のガバナンスがドンドン否定されていく流れが近い将来に出て
くることになりそうです。

 株主総会からも、大きな時代の流れが感じられます。ちなみに、
昔のような総会屋さんはすっかり影をひそめましたが、しっかりと
勉強している一般株主の方の鋭い質問にタジタジになる場面も増えて
いるようです。そう考えるとなかなかどうして、日本社会も
いい方向に変わっていっているのかもしれません。


アクア説


 少し古い話になりますが、ゴールデンウィークの10連休中に
『ザ・フナイ』に長期連載をしてくださっている片桐勇治先生の
『「パンツを脱いだサル」を読む』という講座を受けました。

 『パンツを脱いだサル』(現代書林)は、経済人類学者で元明治大学
教授の栗本信一郎氏が1981年に出版されて大ブームを作った著書
パンツをはいたサル』(増補版:現代書林)の結論本として2005年に
出版された本です。

  

 『パンツをはいたサル』は、ちょうど私が大学生時代にはやっていて、
内容が分かったかどうかは別にして私も読みました。当時、栗本教授は
テレビにもたくさん出られていて注目度が高い先生であったことをよく
覚えています。その後、国会議員もされたのですが、それがいけな
かったのか、いまでは何を書いてもマスコミからはほとんど無視されて
しまう存在になりましたが、片桐先生は栗本教授の著書を高くかって
おられて、とても面白いセミナーを楽しませていただきました。


 『パンツをはいたサル』は、人間というものは余剰を生み出すと
それをドンドン貯めていく。そして、ある時に戦争やお祭りや贈り物と
いう形でその貯蓄を蕩尽することで自分や自分たちの強さを強調する
種であるという話でした。だから、人間の行動には、最後には必ず
蕩尽という一種の破壊が伴うという特徴があり、その貯蓄と破壊という
一連の活動のことを象徴的に「パンツ」と呼んでいます。

 『パンツを脱いだサル』の方は、「アクア説」といってサルが人間に
進化した過程において、人類は一度水生生活をしたのではないかという
説を取り上げています。一般的な進化説では、サルが木から降りて
サバンナに暮らすようになり、そのことが原因で二足歩行になり、
さらに脳が発達して言語を話すようになったと考えられていますが、
これでは説明できない部分がたくさんあると言います。

 例えば、なぜ人間は体毛がなくなったのか。木から降りても、環境の
変化に備え、かつ外敵の攻撃から身を守るためには体毛があった方が
間違いなく有利なのに、それがほとんどなくなってしまった説明が
つかないというのです。また、二足歩行になった理由についても、
進化にとって一番大事な「生き残るために環境の変化に最善の対応を
する」ということに反しています。四足歩行の方が速く走れますし、
重力のある地上で二足歩行をすると、内臓に負担をかけるなどという
悪影響はあっても、いいことは何もありません。


 そこに登場したのが「アクア説」で、体毛が抜けてしまったことは、
水生生活をするには体毛は邪魔にしかならないので、抜けて当然と
いうことになります。さらに、二足歩行についても、泳ぐことを
考えればその方が速く泳げるというメリットがあります。さらに、
人間だけが口から息が吸えるのですが、そのために気道と食道が
一緒になってしまい、お年寄りがお餅をつまらせて誤嚥性の肺炎を
起こして亡くなってしまうというような事故がよく起こります。
これについても、水中で生活するためには鼻呼吸だけでは十分では
なかったので口呼吸もできるようになるために進化したのだとすれば
説明がしやすいのです。


 先週書いた、北海道の精神世界研究のパイオニアである村松祐羽さんに
どうしても話したくなったことというのは、上記のアクア説がなぜ
起こったのか、もう少し別の理由を思いついたことでした。トンデモ本に
分類されますが、精神世界の古典的な名著にゼカリア・シッチン著
人類を創成した宇宙人』(徳間書店)があります。
最近は、そのリバイバル版がヒカルランドからたくさん出版されているので
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、人類は宇宙人が類人猿に
遺伝子操作をして作ったのだという説が唱えられています。

 実は、スピリチュアルがあまり好きではない私には珍しく、この本に
書いてあることは70~80%ぐらいは正しいのではないかと思っています
(もちろん私の主観的な意見なので、信用しないでご自分で批判的に
考えてみてください)。そして、このシッチンの唱えていることと
アクア説を合わせて考えると、類人猿をホモサピエンスに進化させる
ために宇宙人たちが水生生活に導いたのではないかということを
思いついたのです。

 宇宙人の美的感覚では、毛むくじゃらの類人猿と共に暮らすことは
考えられないし、生存という意味では退化になりますが、口呼吸が
できてそれで気道と食道が混合してしまったことで、結果として
人類は言葉が話せるようになる準備ができました。ホモサピエンスは
言葉を獲得して、それを抽象的な概念にまで高めることによって
社会という大人数のコミュニティの統治ができるようになったことが、
ネアンデルタール人等の滅んでしまった他の類人猿との一番大きな
違いなのです。


 つまり、進化の方向性を熟知していた宇宙人によって、人間は
いまの私たちの姿になるように水生生活に誘導されたのではないかと
閃いたのです。祐羽さんも同意してくれたので、もう少し論考を
深めていきたいと思いますが、いまホモサピエンスからホモデウスに
進化して、破壊という蕩尽の罠から抜け出さなければならない
(パンツをぬがなければいけない)私たちにとって、
『パンツを脱いだサル』は必読書のように思えてきました。

 
にんげんクラブ主催
片桐勇治先生 連続セミナー第2弾
「新しい時代へと向う世界、その新しい時代とは」

第4回 6月25日(火) 新しい時代を生きる
・生命の成り立ちを知る
・この時代をいかに生きるか
・舩井幸雄先生の未来への言霊
・日常を見つめる 
・最新のトピックス
※各回のテーマは、状況により内容が多少変更されることがあります。

受付:17:45~18:00  
講演:18:00~21:00

参加費:にんげんクラブ会員 7,000円
      一般の方    8,000円

会 場:東京グリーンパレス 
東京都千代田区二番町2番地
・有楽町線麹町駅(5番出口)徒歩1分
・JR、新宿線、南北線市ヶ谷駅徒歩7分
・JR、南北線四ツ谷駅(麹町口)徒歩7分
・半蔵門線半蔵門駅(5番出口)徒歩5分

お待ちしています!

札幌で考えたこと


 北海道の6月はとても気持ちがいい季節です。今年は5月に39℃以上の
気温を記録する等の異常値もあった北海道ですが、先週行かせていただ
いた時には、30℃以上の猛暑の環境だった東京から行ったこともあり、
最初は肌寒いと感じるほどでした。でも、実はそれが本来の初夏の札幌
の気持ち良さで、少し時間がたつと慣れてきてとても快適に過ごさせて
いただきました。ちょうど、札幌は「YOSAKOIソーラン祭り」が開催
されており、街は活気にあふれていました。

 赤塚高仁さんと千歳で所用があり、初日は千歳で泊まったのですが、
新しくできたビジネスホテルが気持ちよく、赤塚さんと親しくされて
いる地元企業の経営者の方がホテルのチェックアウトの時間に迎えに
来てくださるまでホテルライフをのんびり過ごさせていただきました。
そこから車で札幌に向かったのですが、まだ講演まで大分時間があった
ので、赤塚さんがおすすめのラーメンを食べに行くことになりました。

 びっくりしたのは、開店時間である11時30分の30分前ぐらいにお店に
着いたのですが、すでに行列ができていました。私は、並んで順番待ち
をして食事をすることはほとんどないのですが、快適な気候でゆっくり
楽しくお話ができる環境だったので、気分良くオープンを待つことが
できました。私たちは幸いにも、オープンと同時に席につけて20分
ぐらいで食べ終えることができましたが、私たちがお店を後にする頃
には長蛇の列ができていました。ひとりでは絶対に来ないと思います
ので、いい経験をさせていただいたと思います。

 それでも、まだ時間があったので、その後は札幌オリンピックの会場
になった大倉山のジャンプ台に連れて行ってもらいました。何といって
も楽しかったのは、リフトに乗ってジャンプ競技のスタート地点まで
行けたことです。テレビで見ていると着地の地点はほとんど水平な場所
に見えますが、リフトで横目に見ながら行くとほとんど直角に見える
ぐらいの急斜面です。こんなところで競技をしているのだなと実感する
ことができました。


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 そして、もっとも感動したのは、往復のリフトです。特に下りは札幌
の街を眼下に見ながら、選手がジャンプをしている気分を多少ですが
味わいながら降りていけるので圧巻でした。札幌は何十回も訪れていま
すが、ほとんど観光をしたことがなかったので、こんな非日常を味わう
ことができるとてもいいポイントに来ることができて、これもまたいい
経験をさせていただきました。面白かったのは、それでもかなり緊張し
ていたらしく、リフトを降りた時に足がつりそうになったことです。
力が入っていたのですね。

 その後の講演会も、赤塚さんのいつもながらの熱演で大成功に終わり
ました。実はダブルヘッダーの講演会で、昼の部も夜の部も両方聞いて
くださる方もいたので、前半と後半でまったく違う話をしたのですが、
後半は赤塚さんの十八番である「やまとこころのキャンドルサービス」
をしてくれました。それこそ何十回も聞いているお話にもかかわらず、
やっぱり泣いてしまうのですから、やっぱり赤塚さんは日本で一番
講演がうまい講師のお一人だなという思いを新たにしました。

 続いて、主催者の片山エリコさんの講演を聞いている時に、北海道で
父とずっとスピリチュアルの世界の探求をしてこられた村松祐羽さんに、
ぜひ伝えなければならないと感じる新しい発見を思いつきました。
それで、懇親会の席から深夜にも関わらず祐羽さんに電話して、翌日の
ランチの約束を取り付けました。ランチには赤塚さんの北海道聖書塾を
主催してくださる工藤孝史さんにも来ていただいて、スピリチュアルな
話を楽しませていただきました。

 そして、いよいよ今回の北海道のメインイベントとも言える北海道
聖書塾に参加させていただきました。赤塚さんの講演時間の中から
貴重な30分をいただき、先週のウィークリーレポートにも書かせていた
だいた次元論と聖書の関係についてお話させていただきました。レベル
の高い塾生の皆さまのご協力もあって、皆さまも喜んでくださったこと
に感動しています。3次元から5次元世界に行くための方法論について
ご質問をいただいたのですが、その後の赤塚さんのアブラハムの講義を
聴くとポイントが分かりますよという答えをしておきました。

 先々週のウィークリーレポートに書いたように、大事な試され事が
来た時のポイントは、「急いで」と「走って」。赤塚さんが解説する
聖書の世界と超弦理論がシンクロしていることに自分でも驚いています。

 ステキな北海道聖書塾のメンバーと会うために、年に一度ぐらいは
北海道に行きたいと思いました。食べるものも美味しいし、これから
日本が元気になっていくための試金石が北海道のような気もします。
とにかく、楽しい2泊3日の旅をありがとうございました。

自我を確立する


 『いざ高次元世界へ 精神文明の夜明けに』(きれい・ねっと)
書いた物理学者の周藤丞冶さんと、定期的に対話を続けています。

高次元.jpg

 彼は理論物理学者で、最先端の理論物理学である超弦理論
(一般向けには「超ひも理論」という言い方もします)では、
次元のデフォルト(標準)は9次元か10次元であり、
それが対称性の破れなどを起こして
5次元や3次元に次元を下げてきているという考え方をします。


 4次元や、6、7、8次元を考えないのは、超弦理論で計算すると
それらの次元は生まれてもすぐに消えてしまう次元であり、
大きさも本当に小さな世界になるので考えなくてもいいからです。

一般的にスピリチュアルな知識がある人が言うところの
3次元、4次元、5次元の関係が
3次元、5次元、9次元に対応していると思っても、
それほど間違ってはいない気がします。


この辺りの次元論の基本事項については『いざ高次元世界へ』に
分かりやすく書かれていますので、よかったらぜひお読みください。

 私が講演などでよくお話をするのは、物理的に考えると
「見る人」と「見られるもの」が必ず存在するということです。
物理では、見る人のことを「認識」と言い、
見られるもののことを「世界」と言います。

量子力学的に考えると誰かが認識しなければ、
世界は出現しないのです。

そして、世界が3次元の時の認識は3次元であり、
世界が5次元になるためには認識を2次元にして、
世界が9次元になるためには認識を1次元にすればいいと
考えればいいという話を周藤さんは教えてくれています。

 認識が3次元の状態を私たちにも分かるように表現すると、
自他を何かで比べている状態です。
どちらの方がお金を持っているとか、学歴が高いとか、名門であるとか、
まあ言ってしまえば、どうでもいいことで自分と他人を比べている状態です。

これを2次元認識にするには比べるのをやめればいいのです。
自分がいて、他人がいる、これをただありのまま認められるようになると
2次元認識になっています。


 簡単なことのようですが、比べないというのは実はとても難しいことで、
これができているのは臨死体験をしたことがある人や、
死んだ方がましだという厳しい状況に追い込まれたことがある人が
多いようです。


体験者に話を聞くと、本当に追い込まれた体験をすると
色がなくなっていくそうです。
まったく白黒の世界を体験して、
ふと気がつくと心の底から「助けてくれ!」という、
振り絞るような声が自然と出てきて、
この開き直りとも言える「助けてくれ!」を言えると
物事が急に好転していくというのです。

 昭和の時代は、ここまで追い込まれた人だけが5次元世界、
つまり思ったことが何でもすぐに実現する世界を体験できたのですが、
令和のいまは、そんな体験なしに5次元を生きている人の数も
ドンドン多くなってきているように感じます。


実は5次元世界を生きるポイントは自我の確立です。
日本人が苦手な分野で、しっかりと自己主張ができて
何よりもリーダーとして責任を真っ先に引き受ける覚悟が
できていることが大事です。

ちょっとイメージには合いませんが、
昭和の時代は中小企業の経営者で
全人格をフル動員して経営に当たらざるを得なかった人は
自我が確立していたと言えるのではないでしょうか。

 では認識を1次元にするというのはどういうことかというと、
自他の区別がつかなくなることです。

すばらしいことだと思われる方もいらっしゃると思いますが、
自分の子どもと道ばたの石コロの区別がつかなくなる、
いまの世の中ではまだちょっと危ない世界です。


スピリチュアル用語でいうとワンネスの状態ですが、
周藤さんに言わせるとワンネスは定義があいまいなので、
科学者はその言葉を使えないのだそうです。
その代わり、自我を超えた自己を確立するという感覚で
表現すればいいのかもしれないという話で合意しています。

 スピリチュアル的に言うと、私たちの中には神さまがいます。
その神さまの存在をしっかり意識して、自我を超えて存在するのが
自己という概念です。
自我はいい意味でのエゴの追求によって確立していくものですが、
自己は利他の精神を涵養(かんよう)しなければ
できあがっていきません。


自分は世界や自然を作っている一部であって、
他人や自然を傷つけるということは
自分の身体を傷つけるのと同じことだという認識まで至らなければ、
その境地には達することができないのです。

 このように、自己の確立は一足飛びにはいかないので、
まずは徹底的にエゴを使いながら
自我の確立をするところから始めなければいけないようです。

西洋近代社会は自我の確立と共に発展してきました。

私たちもまずは徹底的に自我、
つまり自分の使命や天命が何なのかを知ることから
はじめていけばいいのだと思っています。


そして、自我と自己を自由自在に行き来できるようになると、
本当に神が存在している10次元以上の
高次元へのアクセスの道が見えてくるのです。


のんびりと走って


 年に数回、熱海の舩井幸雄記念館で講演させていただいています。
「絶対にあなたは大きくなる」と生前父が太鼓判を押していたところ、
本当に大きくなられて今では数千人の会員を擁する奉仕団を率いてい
らっしゃる方がおられます。片山エリコさんという方なのですが、
先日きれい・ねっと感謝祭に『聖なる約束 日本よ永遠なれ』という
新刊を引っさげて登場した赤塚高仁さんの応援演説を買って出てくだ
さいました。

 エリコさんは自分のグループでの講演以外は普段ほとんどやって
いないのですが、昨年あたりに赤塚さんを紹介したところ紹介者の私
も含めて急速に親しくなり、赤塚さんの応援演説ならやってもいいと
いうことで特別に登壇してくださったのです。父の高弟(?)らしく、
謙虚でいらっしゃって、きれい・ねっと感謝祭に出席して学ぶべき
ところがたくさんあったと喜んでいらっしゃいました。

 実は私も今年のきれい・ねっと感謝祭には万感の思いがあります。
代表の山内尚子さんは、若い時にご主人を亡くされてまだ幼かった
息子さんを母子家庭で育てなくてはならない状況になりました。
その時に、父が当時力を入れていた幸塾に何かのご縁で誘われて、
姫路から毎月新幹線に乗って最初は2歳のご子息と一緒に幸塾の熱海
での父の講演に参加されるようになりました。そして、いろいろな
出会いがある中で、ご実家が印刷業をやっているというメリットを
活かして小さな出版社を作られて、本を出版されるようになったの
です。

 そしていまでは、今回の感謝祭のメインゲストと言ってもいい森井
啓二先生やはせくらみゆきさん、それに川田薫先生や赤塚さんの本
などのベストセラーも出版される、小粒でもぴりりと光るいい出版社
になられました。

 ただ、最初の頃は、いつも舩井幸雄オープンワールドに出店され、
そこで父のお墨付きをもらう形でファンを増やしていかれていたの
ですが、昨年で私がオープンワールドの後継である舩井フォーラムも
止めてしまいました。マーケティング的には新規顧客を獲得する方法
がなくなってしまったことになるのですが、しっかりと独自で感謝祭
を大成功させ、新規顧客の獲得の目途をつけられたことになります。

 きれい・ねっとだけではなく、多くの舩井幸雄と一緒にミロクの
世を作ろうとしていたメンバーから見れば、舩井フォーラムがなく
なることはおそらく間違いなく死活問題なのです。だから、山内さんが
見事に対処方法を示してくれたことに、私は個人的にはとてもホッと
しています。いわば舩井幸雄から独り立ちしてくれたわけです。父と
同じようにはいかない私としては、父の精神を独自の方法で継承して
いっていただいていることに頭が下がる思いなのです。

 話を戻すと、エリコさんは、自分の仲間たちに熱海の舩井幸雄記念
館を訪れる機会を作りたいということで、東京や名古屋のメンバーを
中心に記念館のイヤシロチホールで講演を定期的に開催してくれます。
そこにゲスト講師として赤塚さんと私が必ず呼ばれるという流れに
なっているのです。いつもは、あまり話せない次元論などでも皆さま
喜んでくださるので、私も調子にのって好きなことを話させていただけ
るとても貴重な場になっています。ちなみに、そのイヤシロチホールが、
父が幸塾で毎月山内さんたちに本音で話していたホールだということ
にも、ちょっとシンクロを感じて嬉しくなっています。

 今回はせっかくの機会なので前日から熱海に入ってホテルに泊まり、
のんびりとした時間を楽しませていただきました。熱海の温泉は
やっぱりすばらしいですね。いつもは平日にいいホテルに泊まっても
ついついパソコンで仕事ばかりしてしまうのですが、今回はなるべく
PCを見ずに原稿も短いものを1本だけで済ませることができたので、
本当に贅沢な時間を楽しませていただきました。時には、のんびりと
した時間を過ごすことの大切さに気付かされたような気がしています。

 そして、26日の日曜日には東京の四ツ谷で赤塚さんの聖書講座に
出席させていただきました。今回のテーマはアブラハムだったのです
が、ポイントは「急いで」と「走って」でした。

 神様や天使に対処するときにアブラハムはいつも「急いで」、
「走って」いることが聖書から読み解くことができます。神の御心に
沿うためには、ぼやぼやしていてはいけないようです。私たちの周りに
いる人たちは実はすべて神の御使いだということが分かってくると、
頼まれごとは試されごと、どうせやるなら喜んで、「急いで」、
「走って」対処したいなという大事な気付きをいただきました。

 一方で、時にはのんびりとして心に余裕を持つ時間がないと、
なかなか「急げ」ないし、「走れ」ないのかもしれないと逆説的な
ことも考えています。片山エリコさん、山内尚子さん、それに赤塚
高仁さんなどのステキな友人たちと過ごす楽しい時間をより有意義に
過ごすために、今日も「急いで」、「走って」、神さまのリクエストに
応えていきたいと思っています。



 先週末から週明けにかけて、ずっと出かけています。まず名古屋で
にんげんクラブ愛知のメンバーに探検家の石川仁さんを紹介させて
いただきました。できれば、HPを見ていただきたいのですが、半年間、
サハラ砂漠をラクダと一緒に旅するなど、ものすごい経験をたくさん
されている人です。人間に一番大事な能力はサバイバル力なんだと
いうことを教えてくれるステキな人です。

 面白かったのは、にんげんクラブ愛知のメンバーから仁さんの
ような人を紹介されるのが通常のパターンなのですが、今回は逆に
私が仁さんを紹介することになりました。詳しい経緯は割愛しますが、
最初に仁さんを紹介してくれたのは小川雅弘さんでした。仁さんの
プロフィールを見ていると多分2005年のプロジェクトに小川さんや
村中愛さんが関わっていて、その時にご紹介されたのだと思います。
そして、すごいのはそのプロジェクトの事務局長が村中さんだった
らしいということです。ご縁とは不思議なものですね。

 その日はそのまま名古屋に泊まって、名古屋のメンバーと一緒に
兵庫県西宮市の甲山にある神呪寺に車で向かいました。神呪寺を
訪れるのは初めてだったのですが、ご本尊は弘法大師が真名井御前を
見て彫ったという如意輪観音で、この日が年に一度の御開帳の日で
した。この御開帳に合わせて、友人でネイティブ・アメリカン等の
民族楽器の世界的な音楽家である岡野弘幹さんの奉納演奏に合わせて、
書道家の小林芙蓉先生が書を奉納されるというイベントに参加させて
いただきました。

 芙蓉先生は3月20日に京都での「水鏡」の大イベントを実施された
のですが、それからも精力的な活動を続けられていて、どこにそんな
パワーが隠されているのか、いつも驚かされています。奉納が終わった
後の直会も楽しく、私なりの「水鏡」の物理的な解釈などを披露させて
もらう機会もいただき、楽しい時間を過ごさせていただきました。

 翌日は、思い出がいっぱいつまった場所、京都御所の前にあって
聖書の創世記の物語のステンドグラスがとても美しいKBSホールで、
親友の山内尚子さんが主催する「きれい・ねっと感謝祭」に出演して
きました。なんと、この感謝祭にも岡野弘樹さんは参加されていて、
岡野さんの演奏に合わせた尚ちゃんの朗読からステージが始まりま
した。

 その後の最初の講演は、新刊『はじまりの時 光を観じ愛に生きる
時代へ』
を共著で著わされた長典夫先生と長谷川章子さんでした。
その後、尚ちゃんの応援団のような錚々たる先生方が次々に登壇される
中、いよいよ我らが赤塚高仁さんが登場して、私も応援演説(?)を
させていただきました。赤塚さんも、やはり『聖なる約束 日本よ
永遠なれ』
を出版されたばかりですが、会場の皆さまのやまとこころの
火をしっかりと点灯されていたのはステキでした。

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 私にとって何といっても一番すごかったのは、森井啓二先生のご講演
です。普段はほとんど講演をされることがないのですが、なぜか
尚ちゃんだけは特別のようで、昨年に引き続いてのご登壇です。その、
渾身のご講演には魂が震えました。

 毎日のように生死をかけて自然の中に溶け込んでいかれていた年月が
あり、その世界を体験した人しか分からないことを惜しみなく伝えて
くださっていました。冒頭にご紹介した石川仁さんや、ほとんど臨死
体験といってもいいほどの病気を乗り越えた尚ちゃんだからこそ、
理解しあえる世界なんだということが感じられて、いまでも感動が
忘れられません。

 岡野さんの演奏は、自然に対する大きなリスペクトの心が感じられる
本当にすばらしいものでした。くわえて、おそらく赤塚さんの講演に
影響されて、いつもはほとんど演奏中に話をされることがないという
岡野さんなのですが珍しく楽しくとても深いお話もしてくださり、
もう何とも言えない至福の時間でした。来年は5月10日(日)に場所を
神戸に変えて感謝祭を開催することをいまから発表されていて、一体
この世界観がどう広がっていくのか、今からとてもワクワクしています。

 そして、その翌日は京都でにんげんクラブの仲間である大空ゆかり
さんが主催される秘密会合に出席させていただきました。私がミニ
講演会をさせていただいたのですが、集まったメンバーはそれぞれが、
すさまじい体験をしなければ到達できない世界を生きてきたすごい
人たちばかりでした。その懇親会に出るために京都にもう一泊して
東京に帰る新幹線の車中でこの原稿を書いています。

 最初に、にんげんクラブの活動に関わり始めた頃に「渦を巻き起こす」
というキーワードに従って動いていたことを久しぶりに思い出しました。
10年近くの歳月が流れましたが、とてもすばらしい渦があちらこちらで
動き始めていることにちょっと感動しています。
にんげんクラブの皆さまに本当に感謝したいと思います。


愛ってなんだ!


 2014年1月に出させていただいた『にんげんクラブからのメッセージ
舩井幸雄が一番伝えたかった事』
(きれい・ねっと)という著書があり
ます。ちょっと読み返してみると、いまから考えるとかなり稚拙な文章
を書いていて恥ずかしくなってしまうのですが、この本の大きなテーマ
の一つは私のような中高年男性(別に限定する必要はないのですが、
一番分かっていないという自覚があります)に「愛とは何か」を伝える
ことでした。

 本書を読んで恥ずかしくなる理由は、文章が稚拙なこともありますが、
この頃はいまならたぶん書かないような自分のプライバシーをかなり
突っ込んで書いているのです。それだけ、当時の私は愛とは何かという
ことが分からなくて、真剣に悩み試行錯誤をしていたことがよく分かり
ます。もちろん、いまも分かっているとは言えませんが、開き直った
わけではないけれど、私は私なりに中年のおじさんとして愛を理解して
いればいいのだと思うようになりました。

 この本のことを思い出したのは、まさに5、6年前の私のように、
「愛ってなんだ!」と真剣に悩んでいる若者に出会ったからです。


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 先日、熊本の三角(みすみ)にあるサイハテというエコビレッジに
行ってきました。持続可能な社会の実現を模索して、ヒッピーのような
暮らしをしながら「『電気、ガス、水道、政治・経済がストップしても
笑っていられる』"楽園"を目指して」がコンセプトのエコビレッジです。
意識が高く、平和を絶対的に志向しているステキな若者たちの集団です。

 私は今回が2回目の訪問になりますが、前回はざっとビレッジを案内
していただいたのですが、今回はポッカリと時間が空いたこともあり、
じっくりと村の人たちとお話をさせていただく機会をもらえました。
友人に連れられて行ったのですが、彼がサイハテの近くのやっぱりエコ
意識が異様に高い料理人が作るビーガンのお弁当を注文して、それを
お土産に持って行って、私にサイハテの本質を理解できるようにしよう
という企画でした。


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 お弁当というよりは、芸術作品のようなメチャクチャ美味しいお昼
ご飯をいただきながら、自由に語り合いました。私と連れて行って
くれた友人は、二人とも文系人間のくせにいま物理にハマっています。
ハマっているというよりは『いざ高次元世界へ』(きれい・ねっと)と
いう著書がある周藤丞冶さんに物理の最新理論を教えていただきながら、
新しい世の中の方向性を物理的な観点から考えているのです。そして
この時、そんなことは事前に何も言っていないのに、私たちの対応を
してくれた若者がいきなり超ひも理論の話を始めたので驚きました。

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 彼の名前は香取ヒロシさん。ネイティブ並みに英語を使いこなす専門
家で、その流れで言語学についてもかなりの知見をもっていらっしゃい
ます。世界の言語は3つか場合によっては4つに分類されるそうですが、
そこから展開していく彼ならでは文明論を楽しく聞かせていただきま
した。そして、超ひも理論はブライアン・グリーン著『エレガントな
宇宙
』(草思社)を読んで自分のものにしたようです。

 ユニークなのは、超ひも理論から愛が何かということが分かったと
いうのです。その辺りは彼が電子書籍で出版している小冊子に書いて
あるというので、興味がある方は彼のHPからダウンロードしていただ
ければと思いますが、なぜかそれをじっと聞いていた多分20歳代前半の
若者が「愛ってなんですか?」とずいぶん時間が経ってから聞いてきま
した。私も美味しいご飯を食べてかなり気分も乗ってきたので、
ヒロシさんと一緒にいろいろなことを彼と話しました。

 多分、最近の個人的な体験でいろいろ思うところがあったのか、
彼はちょうど私たちが居合わせた場所にいた、サイハテの子どもたちの
ひとり、小学1年生の女の子に、「愛ってなんだ!」としゃがみこんで
彼女に目線を合わせながら尋ねました。そうすると、その子が「愛は
目の前にある!」ととても秀逸な返事をしていました。
びっくりしました。あまりにも本質的なことを1年生の女の子が大人に
対して応えていて、サイハテで育っている子どもたちはこんなに本質的
に育つのかと感動しました。

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 そして、ダメ押しでその子は、大人の了解をもらいながら花壇の花を
摘んでそれを生けて、「これが愛なの!」と示してくれました。完全に
やられました。サイハテは正直に言うと、都会で軟弱な生活をしている
私にはかなりハードルの高い場所ですが、覚悟を決めて一度訪ねてみら
れてはいかがでしょうか。

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 イスラエルのキブツが世界で唯一成功しているエコビレッジの姿だと
思っていましたが、真逆の意味で本質的に自然で自由でサバイバルな
コミュニティができています。オープンハート、オープンマインドで
出かけていけば絶対に感動すると思います。


令和の時代


 長い長いと思っていた10連休も終わってしまいました(この原稿は
連休最終日に書いています)。連休中は都内で出かけはしましたが
ずっと東京にいて、こんなにのんびり何もしなかった時間は久しぶり
だと思います。

 10連休になったのは、天皇陛下のご即位があったからですが、
何度も書いたような気がしますが、日本のリーダーは総理大臣という
よりは天皇陛下であり、それゆえ新しい元号になったことで時代も
大きく変わっていくのだと思います。

 上皇陛下の徳がとんでもなく高いということについて異論のある
方はほとんどいないのではないでしょうか。被災地に赴かれた際の
お姿をテレビなどで拝見しているだけで、涙が出てきてしまいます。
激動の昭和時代を体験し、昭和天皇の後を受けて日本という国を
平和で安定した国に導いてくださったのは、上皇陛下の人間性の
高さのおかげだと思います。本当に、この時代に日本に生まれて
よかったと思います。

 新しい天皇陛下は1960(昭和35)年のお生まれで、親しい人では
小川雅弘さんや兄などと同い年であられ、私から見れば同年代を
生きてこられました。少し年上の赤塚高仁さん(昭和34年生まれ)の
ブログを見ていると昭和と平成の時代を30年ずつ生きてきたことが
書かれていて、私たちの知っている昭和の時代はすでに経済成長を
している時代であり、そういう意味では激動の時代を生の体験で
知っていらっしゃるわけではないと思います。

 ここからは論理が飛躍しますが、上皇陛下はある意味では昭和の
激動の時代の贖罪を運命づけられていました。

 先の戦争では、国内外で多くの方が亡くなりました。昭和天皇が
行けなかった沖縄へ何度も行かれたのをはじめ、太平洋の激戦地で
あるサイパンやパラオのペリリュー島にも行かれ、多くの犠牲者に
対する慰霊を続けてこられたのもそれを体現されていたからだと
思います。そして、象徴である陛下が贖罪を運命づけられていたと
いうことは、平成の時代は日本という国全体も贖罪を運命づけられた
時期だったと考えてもいいのではないかと思います。

 それに対して新しい天皇陛下は、上皇陛下がなされてきたことを
受け継ぐことはもちろん大切なことですが、それに加えて、新しい
力強い日本をクリエイトしていき、そのことによって世界の発展や
平和に貢献するというお役目を持たれているのではないかと思います。

 「令和」という元号が決まった過程があまりにも安倍総理主導だった
ことに異議を唱える意見も聞きましたが、日本国憲法と皇室典範という
決まりの中で実質的に内閣が決めていかなければ仕方がない現実がある
と感じますので、私はそれほど大きな問題はないと思います。

 それよりも、令和という文字や音に込められた力を素直に受け止めて、
力強い日本を作りあげていく天皇陛下の天命を、国民として共に感じて
いければいいのではないかと思っています。

 世界的にみてもインターネットやSNSという新しいメディアの発展で、
大きな真実が分かるようになってきました。もちろん、フェイク
ニュースもたくさん流れてくるので気を付けなければいけませんが、
経験値を積んでいくことで的確な情報を掴み、それを自分の言葉に
変換していくことができるようになってきていると感じます。

 明治以降の近代日本は、生き方を「どこか遠くにいる誰か偉い人」に
決めてもらっていた時代だと感じます。その背景には近現代を作ってきた
西洋主導の帝国主義、民主主義、資本主義の考え方があるのですが、
自我の確立をしなければ何も始まらないという民主主義のすばらしい
点はしっかりと取り入れながら、特に近年になって弊害が目立つように
なった金融強欲資本主義からの脱却を日本が主体となって成しとげて
いかなければならないのだと思います。

 西洋社会は自我の確立ができていますが、それだからこそ、自我の
ぶつかり合いが一番うまく機能する民主主義、資本主義の枠を超える
ことが難しいという側面を持っているように思います。神道や仏教
などの東洋の考え方は自我の確立ができにくいという大きな弱点は
あるものの、より上位概念である組織、社会、世界、宇宙と一体化して
生きていくという感覚が自然と身についていて、これからの世界や
社会のあるべき方向はこの東洋的なアプローチから生まれてくるのだと
思います。

 西洋的な合理主義と神道や仏教の曖昧な概念を無理なく統合して
とらえる能力があるのが日本の特性だと考えると、自我をしっかりと
作って、「どこか遠くにいる誰か偉い人」からの頸木(くびき)を
外れ、自我を一旦確立した上でより上位の集合意識と一体化していく
ことが、令和の時代の日本人のとるべき道ではないかと思います。

 日本人はお母さんやおばあさんから教えられた「お天道様が見て
いるから悪いことはするな」という感覚がしっかりとDNAに刻まれて
いるのではないでしょうか。これは、人間や社会のメタ(上位)概念
として自然を意識している証拠だと思います。

 大自然に守られていることへの感謝をベースにしながら、今度は
いろいろなテクノロジーを使って、大自然から搾取するのではなく
大自然に対して貢献する方向に社会を作り替えていく、そんな令和の
時代を天皇陛下と共に作りあげていきたいと思います。

がんばらない経営


 最近、コンサルタントの仕事をさせていただく機会が増えています。

 船井総研の仕事を実質的に外れたのが2003年のことですから、かれ
これ16年間はお金をいただいてコンサルタントをさせていただくことは
ほとんどありませんでした。その間になにか意識して知見を積み重ねて
きたわけではありませんが、最近なぜかその会社や工場、それに店舗を
見せていただければ、適切なアドバイスができるようになったのです。

 現役のコンサルタントの方に言うと叱られそうですが、お金をいただ
くと結果を出さないといけないというプレッシャーに押しつぶされそう
になりますが、いまはお金をもらわないでアドバイスをさせていただく
だけなので、気楽なものです。

 もちろん、そんな気楽な私に時間を使ってくださり、さすがに交通費
や宿泊費等は出していただくケースがほとんどなので、相手の経営者の
方は経営的にも人間的にも余裕がある方がほとんどです。だからだと
思いますが、一生懸命、売上利益を上げることに喜びを見いだしている
社長さんというよりも、どちらかというと不可思議な私の提案にも耳を
傾けてくださる方が多くなります。そして、そんな社長さんたちとの
つながりから、どうも最近の優秀な経営者はがんばって経営しない人が
多くなっている気がするのです。

 私が有料でコンサルタントをしていたころは、不真面目(?)な社長
にお会いすることは、ほとんどありませんでした。安くはないコンサル
タント料を払ってまで経営を伸ばそうとしている方ですから、真剣に
経営しています。いまだからこそ、そう思うのかもしれませんが、逆に
言うと余裕のある経営者はほとんどいなかったようにも思います。

 でも、いまの船井総研のクライアントの皆さまとのお付き合いは
あまりないのですが、にんげんクラブの活動を通じて、よく船井総研の
コンサルタントにお世話になっていますという社長さんにもお会いする
ことがあります。社長も様々なので、真面目な方ももちろんいますが、
少なくとも私と会っている時に余裕がない方はほとんどいらっしゃいま
せん。

 そう言えば、数は多くありませんが、船井総研時代に知り合いになっ
た社長さんでいまでもお付き合いのある方も何人かはいるのですが、
私と気が合う社長さんには、あまりギラギラした方はいらっしゃいま
せん。

 多分、私の方が選んでいるのだと思いますが、ギラギラしていた方は
一時的に大成功されるのですが、それを継続していていまでも悠々と
経営されている方はそれほど多くはないように思います。

 もちろん、上場企業になって経済誌などに何度も登場している人も
いますが、それでも背後には紆余曲折があったことを耳にすることも
よくあります。昭和の時代は目いっぱい努力をして必死になってがん
ばることが一番正しい経営手法でした。それぐらいでないと生き残れ
ない厳しい時代だったのだと思います。ただ、がんばり続けるだけの
気力がないと長い目で見ると途中で挫折してしまうリスクもかなり高い
のだと思います。

 当時はサービス業で奇跡のサービスをして評判を高める会社がたく
さんありました。船井総研もそんなアドバイスをたくさんさせていただ
いて、異常値を出していただくコンサルティングが得意でした。ただ、
奇跡のサービスもやがては普通のサービスになります。斬新な施設も
時間の経過と共にだんだん古くなります。そんな環境変化の中で、
支持され続けるためにはすごいエネルギーが必要になるのです。

 繰り返しになりますが、私と友人づきあいをしてくれている社長さん
たちは、あまり努力していない気がします。努力していないというより
も、自分や社員の人たちが楽しくやれるように、楽しみながらできる
ぐらいの負荷はかけますが、それで潰れてしまわないようにすることに
もとても気を配っているのです。

 度々書いているとおり、私は気が短いので時々悪い癖で怒りが湧いて
きます。でも、いまのいい社長は怒り等の感情をうまくコントロール
できる人で、幹部の人たちにも負荷をかけないで部下を動かすように
するマネジメントを心がけるように働きかけています。

 厳しくてきつかった経営の世界も、どうやらようやく無理なく楽しく
やる時代になってきたように思えます。これからの社長はまず自分が
徹底的に楽しんで、それでいて自分の長所を活かして、任せられること
は部下に任せる。それで、人材を育成して、楽しいマネジメントをやり
ながら温かい会社を作っていくことを目指すべき時代に来ているよう
です。

 経営書を読むと、そのような経営を目指しているアメリカのコンサル
タントが書いている本をたくさん目にするようになりました。彼らは、
そんな経営をとても分かりやすく論理的にまとめてくれていますが、
実は、そのような経営は日本をはじめとする東洋の方が一日の長がある
ような気がします。ただ、今の日本人に足りないのは、経営だけでは
なく他の分野でもそうなのですが、「自信」なのではないかと感じます。

 まずは儲けられる人が自信を持って儲けることが、今後の日本全体の
豊かさに繋がっていくので、私自身も自信を持って、遠慮することなく
前向きに生きていきたいと思っています。

消費税


 どうも、今度こそ本当に消費税が上がりそうです。
政治経済の見方に精通している人の中には、安倍総理は実は衆参同時
選挙に持ち込んで、増税延期を焦点にして選挙を戦うつもりではないか
という見方をしている人が何人かいました。選挙のことを考えると、
確かに消費税を上げた内閣はほとんど悲惨な目にあっているので、そう
かもしれないなと私も思っていました。ただ、さすがに10月に実施予定
ですから、半年前の今の段階でどうするか決まっていなければとても
対処できないのではないかと思いますし、新聞報道等を見ても今回は
安倍総理も覚悟を決められているように感じます。

 一番分かりやすかったのは、憲政史家の倉山満先生の『2時間でわかる
政治経済のルール
』(講談社+α新書)です。日本の帝王は財務事務次官
であり、過去2回安倍総理が増税を延期できた時は、事務次官が病気だっ
たり軽量級だったりしました。しかし、残念ながら(?)いまの岡本薫明
次官は久々の実力者で、逆に言うと今度は何があっても10%に増税すると
いう財務省の強いメッセージでもあるようです。


(引用開始)

財務省に対しては、抵抗と妥協を繰り返しています。財務省を敵に回すと
政権が持たないが、彼らの言う通りにデフレ期の増税をしても政権が持た
ない。だから、1回は増税するけれども、2回は延期、そしてとうとう10%
もやる姿勢です。
この間、財務事務次官の人事を見ると、実にわかりやすいです。

木下康司   8%増税。  
香川俊介   解散総選挙で、増税を延期。香川本人は癌で、退任直後に死亡。
田中一穂   参議院選挙の際に増税延期を公約。公務員試験130位。
佐藤慎一   久しぶりの経済学部出身。軽量次官。
福田淳一  セクハラで辞任。
岡本薫明   10%増税を早々と閣議決定。

安倍首相が増税延期を勝ち取った相手は、不治の病の香川次官と軽量
次官だった田中・佐藤・福田の3人です。何のことは無い、木下・岡本と
いう実力次官には白旗なのです。

(引用終了)

 私は日本の景気を考えると、いまのタイミングで消費税はまだ上げる
べきではないと思います。ただ、今回はどうも仕方がないようです。
無理やりのプラス発想で8%よりは10%の方が計算しやすいからいいで
はないかと思うしかないのかもしれません。信頼するコンサルタントの
大先輩は、5%から8%は60%もの大増税だったが、8%から10%は25%
の増税に過ぎないから、影響がないとは言えないが2014年の時に比べ
ればかなり軽微に終わるのではないかという見方をしていました。

 ただ、これで消費税の増税は打ち止めにしてほしいと思います。
大蔵省の出身で嘉悦大学教授の高橋洋一先生の『「消費増税」は嘘
ばかり
』(PHP新書)を読むと、少なくとも消費税を上げる前にする
べきことがたくさんあることがよく分かります。財務次官をはじめと
する日本の官僚はすばらしい働きをしてくださっていると私は思って
いますが、消費税を上げなければいけない一番大きな理由が彼らの
天下り先を確保することだとするとちょっと残念です。

 公務員の方の人生設計が、そんな姑息なことをしなくても成り立つ
ような制度をぜひ考えていただいて、シンプルで分かりやすい税金
制度ができるといいですね。確か、お亡くなりになった渡部昇一先生
が書かれていたのだと思いますが、所得税は一律10%でいいという
ご意見でした。
累進課税で負担額が大きいので経営者等の金持ちは節税に走る。
そのために、税理士など本当はとても能力が高い人が、税金を少なく
するという社会全体で考えると後ろ向きの仕事をしている。だから、
そんな面倒なことは止めて一律10%にすれば、誰も節税なんて言う
面倒なことはしなくなるという理屈です。

 また、松下幸之助翁が松下政経塾を作られたのは、政治家や官僚に
経営者感覚を磨いていただいて、税金なんて取らなくてもいいように
してもらう。国にはヒト・モノ・カネという経営資源が集中している
のだから、本来は彼らが経営者感覚を持てば税金を徴収することなど
必要なくなるはずだという考えがあったからだという話を聞いたこと
があります。

 どちらも卓見ですが、いますぐ実現するとはさすがに思えません。
それでも、いつまでも国民をだますようなやり方を続けるよりは、
そちらの方向に向かって進んでいく実感がほしいものだと思います。
そう考えると、10%は計算が容易という面では少なくとも進歩なので、
今回の増税は前向きに受け止めていきましょう。
ただ、決して油断することなく、なるべく影響が少なくなるように
みんなで知恵を絞ることは大切なことだと思います。


トラウマ


 先日、車で遠出をする機会があったので、楽園ライフ社の小原正年さん
からいただいた「川田薫博士DVDスペシャルバージョン」を観ながら
(聴きながら)ドライブを楽しませていただきました。小原さんの自信作
で何と総時間は10時間46分44秒。さすがに、そこまで長時間のドライブ
ではなかったので、ほんのさわりだけを聞かせていただいた感じですが、
大きな気付きをいただきました。

 川田博士は有機物の化合に成功したり、魂の重さを測ったり、それから
最近では常温超伝導に実験段階では成功したりと多くの業績を上げている
理学博士です。大企業で研究者として働いていたのに、管理職になれとい
うオファーがポリシーにあわずに退職。そこから、いまでは多くの人に
愛用されている川田ミネラルの商品化に成功するまでの苦労話や、在野で
多くの研究に取り組まれる中で身につけていった、目に見えない世界への
深い洞察が得られた過程などを改めて聞かせていただきました。

 特に印象に残ったのは、トラウマを解消する方法として、「ありがとう、
ごめんなさい」を1日1万回唱えて、それを100日間続けて計100万回唱える
という手法をお話しされていたことです。大阪で研究を進めている時に、
あることに対して本気で怒りを覚え、男性の怒りは前立腺を痛めるので
前立腺癌になったこと。それを自覚して上記の100万回の修業を続けて
いると途中で血尿が出て、癌が完治したことを実感できたこと等を教え
てくださっています。

 実は、もう5、6年前のことだと思いますが、川田先生に大阪でお会い
した時に100万回の修業を勧められて、私もやり始めたことがあります。
ちゃんと唱えると1万回言い終わるのに、大体2時間30分ぐらいかかります。
辛かったのは、もちろん昼間に唱えるわけにはいかないので、夜帰って
から挑戦することになるのですが、実質的にお酒が飲めなくなってしまう
ことでした。それでもかなりの期間頑張ったのですが、結局半分ぐらいの
所で挫折をしてしまったことを思い出しました。

 トラウマのお話が心に残ったのには理由があって、先日、にんげん
クラブの巻頭言のインタビューを受けていた時に、最近考えているトラ
ウマの話をさせていただいたところだったのです。

 私は、昭和の時代に経営者たちが、お金が絶対的に足りないという
厳しい時代の中で、常に回収を第一に考えてくる金融業界の人々
(大は銀行から小は街場の怪しげな金融会社まで)に対応するために、
つまりは生き残りのために自身の欲望というアンテナを駆使して資本
主義社会を乗り切ってきたことを高く評価しています。彼らは3次元の
世界の中で欲望にまみれて生きてきたのですが、それが結果として社会
を豊かにする大きな原動力になったと思うからです。

 いまは、優れた経営者レベルで言うとお金は余るようになってきました。
また、にんげんクラブに関わってくださるような方は、多くの方がその
ような切った張ったの世界には最初から無縁の方が多いのだと思います。
だから、そんな地獄のような状態を感じている方はいらっしゃらない
だろうと思うのですが、その代わり何かいいことをしなければいけない
という強迫観念のようなものを感じている方が多いのではないかと思って
いたりします。

 良いことをする時は陰徳がベターです。たとえば寄付をするにしても、
「何万円を寄付しました」と名前や金額を見せびらかすような寄付の仕方
は昭和の時代の3次元の世界の社会貢献で、ちょっと格好が悪いと感じる
方が多くなっているのではないでしょうか。

 ただ、最近感じるのは、それをあまり気にし過ぎるとかえって良いこと
がやりにくくなくなるのではないかということです。それならいっそ偽善
でもいいので、良いことを躊躇なくドンドンしていったらいいと思います。
なぜなら、私たちは厳しい騙し合いや競争の3次元の世界から、思いが
すぐに実現する共創の5次元の世界に、まだ生き始めたばかりの所にいると
思っているからです。

 最初からこの世界を完璧に生きようとしても難しいので、まずは良い
ことを思いついたら、何でもいいのですぐに実行した方がいいと思います。
トラウマが残っている状態では、5次元ではストレートに良いことがやり
にくいのですが、トラウマを残しながらでもぎくしゃくしながらでもいい
ので、やっぱり善だと感じたことをみんなが積極的にやっていく方が、
欲望で世の中を動かしてきた経営者たちの頑張りが豊かな社会を作った
ように、いつの間にか、より良い社会を実現する道を作っていくのだと
思うのです。

 そんなことに思いを巡らせていた夜というか明け方に、強烈な夢を見て
しまいました。あらためて詳細を思い出すだけでもしんどいぐらいの
リアルな夢だったのですが、その中で、私がとても怒っているのです。
最近は大分マイルドになってきて怒らなくなったなと自慢げに思っていた
のですが、私は本当はかなり短気で怒りっぽい性格をしています。
川田先生のDVDを見ることで、根っこに残っている強烈なトラウマの
存在に気がついてしまったようです。

 自分は起き上がるのもしんどくなるぐらい疲れ果ててしまうような夢で
したが、まあ夢の中だったので誰にも迷惑をかけなかったからよかったと
思っています。周りの人たちに「偽善でもいいですよ」と勧めるのはあり
だと思いますが、それが分かっているのに自分も偽善をやろうとするのは
間違っているのでしょうね。私も怒りのトラウマをちゃんと解消して、
前立腺を痛めずにトイレに行く回数を少なくするのをとりあえずの目標に
してみたいと思います。

小説に思いを託す 

    
 父はおそらく400冊を超える本を出版させていただいてこの世を去り
ました。文章に関しては絶対の自信があり、特に気合の入った原稿を
書くときには、自分専用の原稿用紙に万年筆で執筆していました。
最良の読者は母で、書きあがったばかりの原稿を母に見せてその論評を
聞くのが大好きでした。

 父と母は、出会った頃はまったく恋愛感情がなく、父から見ると母は
可愛い妹のような存在、母から見ると父は聡明なお兄さんのような存在
だったそうです。

 少しスピリチュアルな話になりますが、母から見ると父は10歳近く
年上で、私も人のことは言えませんが、いわゆるハゲ・デブ・チビの
3拍子が揃っていて、しかも死別した前妻との間に小さな子どもまで
いました。さらに、その頃の父はまだ経営者として成功していたわけ
ではなかったので、貧乏生活を覚悟しなければならない状況でした。

 もうひとつ付け加えると、母は虫を見ると卒倒してしまうぐらいの
性格なのに、結婚当時の舩井家の本業は農家で、父は兼業農家として
コンサルタントをしているような状態でした。当然、母も農業をする
ことを期待されていたのですが、虫を見ると倒れるのではとても無理
だったのだろうと思います。

 それなのに、一体なんでお父さんと一緒になったのかと尋ねたこと
があるのですが、その時母は「だって、いつも話している人が一緒に
なってあげたらいいよと言うんだもの」という話をしてくれたのです。
母はある時まで、みんながそうだと思っていたようですが、いつも
会話をしている目に見えない存在がいて、何でもその人と相談して
行動を決めているようなのです。そして、その人がぜひ父と結婚したら
いいよと話したので、結婚を決めたということだと思います。

 父は典型的な大阪人(河内人)で合理的な考えをする人でした。私も
同じ気質を受け継いでいるのでよく分かるのですが、はっきり言えば
ケチです。気合の入った本の原稿を書くときのために専用の原稿用紙
まで作っているのに、例えば、インターネットに載せるような原稿なら、
コピー用紙の裏に書いてそれをFAXで送っていました。それでも、内容
はしっかりとしたものを書いていたのだから、そこはさすがだと思うの
ですが、そんなところをケチらなくてもいいのにとも思ってしまいます。

 そんな父ですから、何でもあげてしまう母と結婚した時はびっくり
したようですが、後年になってそのおかげでツキが回ってくるように
なったと喜んでいたものです。父の死後、母は舩井幸雄記念館を作って、
そこに来てくださるお客様と父の話をするのを生きがいにして元気に
暮らしていますが、「お父さんはお金を使うのが下手だったから、
これからは私が代わりに使ってあげる」と言っています。もしかすると、
そのおかげで、舩井家にはますますツキが回って来るかもしれませんね。

 母は父の頭の良いところが好きだったようです。円周率を何十桁も
覚えていて、物理的にはそんなところに対して恋愛感情を持ったので
しょう。そして、父は母が文学少女だったところに好意を寄せていたの
だと思います。

 そんな父の夢はいつか小説を書くことでした。父は人生の後半、目に
見えない世界のことをたくさん書いて世の中に知らせる役割を果たす
ようになりました。記念館に来てくださるお客様の中には、そんな本に
出会って人生が変わりましたと言ってくださる方がたくさんいます。

 でも、父は自分が書く本ではいろいろ制約があって、言いたいことを
ストレートに書けないことが残念でならなかったようです。だから、
夢は小説で制約なく言いたいことを表現することだとよく話してくれま
した。でもそこには、文学少女だった母に喜んでほしいという気持ちも
あったのだと思います。ただ、小説を書くのには違う能力がいるのか、
結局夢が叶うことはありませんでした。

 先日、赤塚高仁さんに中村文昭さんの小説『あの日ののぞみ246号
(センジュ出版)を紹介してもらいました。文昭さんの自伝的な要素も
たくさん入っている小説でしたが、あまりにも面白くてあっという間に
読み終えてしまいました。高校生の頃の恋愛についても書かれていて、
小説として大事な要素もしっかり取り入れた構成になっています。
他人とはまったく違う人生を真剣に生きている文昭さんの真骨頂を
感じられる本当に楽しい本でした。

 小説と言えば、現代国語のカリスマ予備校講師で「論理エンジン」
というすばらしい解読方法を編み出した出口汪さんにも『水月
(講談社)という小説があり、親しく話している時に一番読んで欲しい
本は『水月』だと話してくれました。こちらは、高尚過ぎて私にはもう
一つピンときませんでしたが、汪さんのような天才でもやっぱり本当に
言いたいことは小説という形で著わしたいのだなと思いました。

 そう考えると、もしかしたら中村文昭という人物に最初に触れるのに
は『あの日ののぞみ246号』が一番いいのかもしれません。悩んでいる
中高生や、そんな子どもたちの子育てに悩んでいるお父さんお母さんが
読むと、とても元気になるお話なので、ぜひ手に取って読んでいただけ
ればと思います。


弟子


 先週の小林芙蓉先生の「水鏡 3000人祈りの祭典」は、おかげさまで
大成功の裡に終了することができました。

 本当に素晴らしいイベントで、当然ながらゲストで来ている人たちも
超一流のすごいメンバーばかりでした。皆さまのエネルギーのあまりの
強さに圧倒されて、ほとんど男性出演者控室に隠れていたのですが、
おかげさまで芙蓉先生と美内すずえ先生のトークショーをナビゲートさ
せていただく大役はうまく果たすことができました。

 芙蓉先生と美内先生は大の仲良しで、電話で2時間ぐらい話をしてし
まうぐらい気が合うようです。昼の部のテーマは「調和と光の時代に
向けて」でした。参加者の方に配られた芙蓉先生の新刊『水鏡―
あなたの中の神さまが目覚める49の言霊
』(あさ出版)をゲラの段階
で読ませていただいたのですが、その中で芙蓉先生がなかなか世の中
の変容について行こうとしない人々に向けて悲痛の叫びをあげていらっ
しゃることを感じ、それについてお二人に話してもらいました。

 夜の部のテーマは「水鏡の時代に向けて」。3人のトークショーは
乾杯のご挨拶が終わって、参加者の皆さまが食事をとりながらのリラッ
クスしたシチュエーションだったので、あまり難しい話にはならない
ように進めさせていただきました。この時間は一人ひとりの魂が光と
なってキラキラ輝く水鏡のような状態になっていて、来るべき水鏡の
時代のバーチャルな体験をさせてもらっていることをお二人に楽しく
お話しいただきました。

 水鏡の時代が来たことをお祝いするかのように、超一流の芸術家、
芸能家の人たちによるパフォーマンスが次々に堪能でき、本当に贅沢で
豊かな時間を過ごさせていただきました。美味しいフルコースをいただ
いた上に、大役を果たしたご褒美として美味しいお酒やワインも
たっぷり
いただきました。ただ、あまりにもエネルギーが強烈だったので、
ちょっと疲れてしまったのか、これを書いている翌週の月曜日現在でも、
まだフラフラしているような状況です。

 先週はそれ以外にもハードな1週間で、まずは大麻に関する講演を
させていただきました。私自身は専門家ではないのですが、父が2012
年に『悪法 大麻取締法の真実 』(ビジネス社)という本を出している
ので、これに関することを話してほしいと頼まれたのです。

 さすがに、それだけのことで講演することはできないので、大麻に
関する本を数冊読んで勉強したのですが、知人からそれならこれを
読んだ方がいいと言って推薦されたのが内海聡著『歴史の真相と、
大麻の正体
』(三五館)でした。

 真実の情報を伝えるお医者様である内海先生の本では、本質的な議論
を分からないようにしている困った本の代表として上記の父の本が紹介
されているのですが、確かにここに来て急にアメリカの各州が大麻を
解禁する方向に舵を切った事に、ちょっと不思議な感じはしています。
大麻が世界的に解禁の方向になってきたのは10年ぐらい前からの
トレンドなのですが、その大きな理由はおそらく間違いなく、リーマン
ショックで経済がダメになったために、少しでも税収を補うために
大麻を解禁して課税する流れが起きたということです。

 いずれにしても、悪法であろうとなかろうと法律を守ることは大切な
ことです。法律で許される範囲内で、世のため人のためになる活動を
続けていくことはいいことだと思いますが、どうせ学ぶのなら内海先生
の本も読まれることをお勧めしたいと思います。

 そしてさらに、「ザ・フナイ」で評論家の江崎道朗先生と対談させて
いただきました。江崎先生の新著『天皇家 百五十年の戦い
(ビジネス社)のPRを兼ねた対談だったのですが、この本以外にも
江崎先生には『知りたくないではすまされない 』(KADOKAWA)や
コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)など重厚な本がたく
さんあり、対談に備えるのに結構骨が折れました。それに加えて美内
先生の『ガラスの仮面』も読んでいたので、頭の中がかなりぐちゃ
ぐちゃになりましたが、何はともあれ、とても充実した1週間を楽し
ませていただきました。

    

 それにしても、江崎先生のような方との対談が曲がりなりにもできる
ようになったのは、評論家の副島隆彦先生のおかげだと思っています。
父は副島先生が大好きで、経営者の皆さまに副島先生の話を聞いて
もらうために「舩井塾」という勉強会を毎月熱海で開催していたほど
です。私も舩井塾で国際政治や金融の基本となる知識を教えていただき、
それが身体に沁みこんでいるからこそ、一流の識者と話し合えるように
なったのだと思い、本当に感謝しています。

 そういう意味では、私は副島先生の弟子のひとりということになりま
す。でも、怖くてなかなか直接教えを乞いに行くことができていません。
その理由が副島先生の最新著『国家分裂するアメリカ政治 七顚八倒
(秀和システム)に書いてありますので、それを引用させていただいて
今週はペンを置きたいと思います。

 
(引用開始)

 日本国内の、自分では、高学歴の、
「自分はインテリだ。頭が良いのよ。私は、・・・(中略)・・・専門学者だ」
 というような、連中こそは、私、副島隆彦の、真の読者たちである。
私は、このことをよく知っている。
私には、彼らの顔までが、数百人、浮かぶ。
今の、50歳代からの下の、日本のインテリどもの、
政治関心人間のほとんどは、
すでに、私の弟子だ。
彼らは、私に決して近づいて来ない。
私に近づいてきたら、
「あのね、君の頭はこの程度ね、これぐらいだよ」と
目の前で私から判定されるからだ。

(中略)

 これまでに、コソコソと、副島隆彦の本を買って読んで、
それらを自分の書棚の、奥にしまおうにも、溢れてしまって困っている。
お前たちの顔が、目に浮かぶよ。
私と付き合いのある編集者たちが、目撃談でこのことを教えてくれる。
まったくお笑いだな。

(引用終了)


初体験 


 先週の金曜日、大阪の梅田に近い中崎町にオープンしたヒューマン
フォーラムの新業態店「森」
のオープニングパーティに行ってきました。
「USEDを拡張する進化型古着屋」というコンセプトで、同社の創業原点
である古着屋にこだわったメチャクチャとがったお店でした。

 にんげんクラブの関西の仲間も大勢来ていたのですが、例えば3月30日
(土)に大阪で一緒にセミナー
をやらせていただく鳥居厚孝さん等は
とてもコンセプトになじんでいました。

 私はその前に銀行の方にお会いするアポイントがあり、スーツにネク
タイという出で立ちだったので、その場にいた人の中でコンセプトと
合っていないベスト5には確実に入っているなと変な自信を感じていま
した。それでも、会長の出路雅明さんはじめ知り合いが多かったせいか、
居心地がとてもよかったのが不思議です。

 その日は、自分に似合うものを探す自信がなかったので、何も買わず
に帰ったのですが、今度大阪に出張に行った時に秘かに自分に合うもの
を買いに行こうかなと思っています。


 それにしても、鳥居さんは私の理屈っぽい話を一番的確に分かってく
れるすごい人です。格好のいい進化型の古着のお店が良く似合うのです
が、その対極と言ってもいいような私の屁理屈をこともなげに理解され
るのは、とんでもないご苦労を乗り越えて来られているからでしょう。

 鳥居さんは、苦労を乗り越えて確立された完全な本物と言える螺旋
エネルギー療法を生業にされています。30日のセミナーでは、鳥居さん
の施術をストレートに体験することのできるセッション型のセミナーを
やっていただけるようなので、とても楽しみにしています。私も、久し
ぶりの大阪で親しい皆様にしか話せない情報を、楽しみながらお話させ
ていただこうと思っています。

 ちょうどこのレポートがアップされる3月20日(水)には、書家の
小林芙蓉先生
の「水鏡3000人祈りの祭典」が京都で開催されています。
平日の開催にも関わらず昼の部、夜の部合わせて3000人の集客をやり
遂げられた芙蓉先生の覚悟に心を強烈に揺さぶられています。父の言葉を
借りると、「いま3000人の有意の人を集めて祈ることをやり遂げないと
もう待てない」という覚悟が本当に伝わってくるすごいイベントです。

 当日、ご参加いただいた皆様に配られる予定の芙蓉先生の新刊
水鏡――あなたの中の神さまが目覚める49の言霊』(あさ出版) が、
またすごい本です。当日、芙蓉先生と漫画家の美内すずえ先生のトーク
セッションのナビゲーターをさせていただくことになっているので、
特別にゲラの段階で読ませていただいたのですが、読んでいると思わず
背筋が伸びてくる本です。この感覚はイエローハットの創業者でいらっ
しゃる鍵山秀三郎先生の『掃除道』(PHP文庫)のご講演を拝聴させて
いただいた時以来の感覚でした。

  

 ところで、「森」のオープニングパーティが始まるのは19時だったの
ですが、歩いて10分ぐらいの場所での銀行の方との面談が終わったのは
17時少し前で、時間が余ってしまいました。

 そこで、生まれて初めて漫画喫茶に行って美内先生の「ガラスの仮面」
を読むことにしました。「アマテラス」は5巻までしかないので、すでに
読ませていただいたのですが、美内先生と言えばやっぱり「ガラスの仮面」
です。漫画は苦手なのですが、満喫初体験を楽しみながら時間の調整を
させていただきました。

 日本のカルチャーは面白いですね。この日は出張の時でもホテルに泊ま
らずに満喫に泊まるという猛者と一緒だったので、それなら行ってみよう
と思ったのですが、私のようなスーツ姿のおじさんでもそれほど違和感
なく入れたのには少しびっくりしました。

「ガラスの仮面」を読むことに集中したかったので、他の体験はあまり
楽しめませんでしたが、会員証も作ったので、今度東京のお店をゆっくり
と探検してみようと思います。


 肝心の「ガラスの仮面」は49巻中の5巻までしか読めませんでした。
続きは、電子書籍をダウンロードして読んでいるのですが、面白いですね。
さすがにトークセッションまでに全巻を読み終える自信はありませんが、
じっくりと、時には満喫も使いながら既刊分は読破しようと思っています。
おかげさまでいろいろな機会をいただき、この年になっても初体験をさせ
ていただけることに感謝ですね。

 そう言えば、古着屋さんで買い物をするのも初体験です。これも近い
内に挑戦してみたいと思います。ヒューマンフォーラムの皆さまの原点に
かける意気込みからは、自分たちがよければいいというものではなく、
日本のカルチャーを支えていこうという覚悟が伝わってきます。正直に
言うと、コンサルタントから見てもアパレル業界は理解が難しいビジネス
ですが、いまは正解を自分たちで作り出す時代です。他の会社ができない
ものを作る挑戦、本当に頭が下がります。

馬刺しと辛子蓮根


 週末は、赤塚高仁さんが主催する「やまとこころを燃やす旅」で熊本に
行ってきました。熊本には、1月にも行ったし5月にも行く予定になってい
て、今年に入ってから隔月で訪問させていただくかたちになりました。

 熊本大学は当初は全国で五校しかなかったなかの旧制第五高等学校の
伝統を受け継いでいる大学で、そのことからも明治の時代にはとても大事
な都市だったということが分かります。そして現在も、九州新幹線ができ
て博多からは最短30分強で着きますし大阪からも直通の新幹線が通ってい
るので、都市としての注目度は高いのだと感じます。

 日本の都市は、新幹線の有無で大きく発展のあり方が違ってきたという
話を聞いたことがあります。熊本や鹿児島、それに徳島などは明治時代に
は大きな町だったのに、新幹線のルートから外れたことが原因で都市とし
ての勢いが低迷してしまったというのです。

 逆にストロー効果と言って、大阪の都市力は新幹線ができる前は東京に
それほど引けを取らなかったのに、新幹線で東京に簡単に行けるように
なったことで、その力がドンドン失われてしまったということもあるよう
ですが、熊本に関してはプラスに働くのではないかと思います。

 今回のツアーのいちばんの目的は「風の丘 阿蘇 大野克彦美術館」
訪問することでした。両腕を事故で失った後、義手で絵を描く大野克彦
さんは、赤塚さんが20年以上も尊敬するすばらしい方です。

 本を買われた皆さまに対して、一人ひとり丁寧にメッセージを書かれて
いる様子に頭が下がる思いがしました。美術館を作るだけでも大変なこと
だったに違いないのに、その上、3年前の熊本地震で閉鎖に追い込まれた
美術館を、まさに不屈の精神で再オープンするところまでこぎつけられた
底力をまざまざと見せつけられました。

 そして、「私は何があっても負けない」という大野先生の不屈の精神と
同居している、とてつもない優しさを感じた時にはさらにびっくりしまし
た。どんなに辛いことがあってもそこに寄り添える強さを持っていて、
だからこそあれほど優しい絵が描けるのだということが分かり、強くなけ
れば優しくなれないという真実にあらためて感動しています。私も、見せ
かけではない本当の意味での強さをもった人間になりたいと、心の底から
思いました。

 さて、熊本と聞いて私が思い出すのは、なぜか「辛子蓮根」です。熊本
に父がとても親しくさせていただいていたクライアントがいたので、父は
よく熊本に出かけていました。その時に、お土産として持って帰ってくる
のが決まって辛子蓮根だったのです。

 当時は子どもだったので好きだったとは言えませんが、逆に大人の食べ
物だという憧れを強く持っていました。今回は、泊まった黒川温泉の旅館
の夕食に辛子蓮根がついていて、熊本に来たことを実感させていただいた
思いです。

 そして、もう一つの熊本のソウルフードが「馬刺し」です。イスラエル
やペリリュー、それにアウシュビッツにまで一緒に行った広島県呉市の
久村寿美さん等と一緒に、熊本駅で解散になった後、新幹線に乗るまでの
時間、お寿司を楽しませていただきました。駅の中のファーストフード的
なお店だったのですが、いただいたお刺身やお寿司はどれも絶品でした。
特に、馬刺しは隣に専門店があってそこにも行きたいねと言っていたのに、
その必要がないぐらいの美味しさでした。

 馬刺しはお土産でいただいたという記憶はあまりなく、やっぱり地元で
食べるのが美味しいのですね。ビールやハイボール、最後は日本酒まで飲
んでいい気分になって、熊本を後にすることができました。

 食べる話が先になってしまいましたが、ツアーの二日目のメインはペリ
リュー島の守備隊の指揮官だった中川洲男大佐のお墓参りでした。昨年、
ペリリューに行った時、私の意見ですが、中川大佐が近代のゲリラ戦の戦
い方のモデルを作ったのだなということを感じました。それと同時に、
ペリリューの英霊たちはいまでもまだ日本のために戦ってくださっている
ということも感じ、それを受け継がなければいけないということも強く感
じました。

 アメリカに戦争で敗れたことで、私たちは国の歴史を奪われてしまいま
した。赤塚さんの「やまとこころのキャンドルサービス」によって、多く
の人がその歴史を思い出しつつあります。古事記を読むと、いまから2679
年前(西暦に660年を足せばOKです)の2月11日に神武天皇が橿原神宮で
初代天皇になられたのが、日本の国の始まりです。もちろんこれは神話で
すが、神話の時代にさかのぼれるぐらい日本の歴史は長いのです。

 まさに赤塚流で、本を読み知識として理解するだけはなく、現地に行っ
て足の裏で歴史を感じることの楽しさを今回も存分に味わわせていただき
ました。赤塚さんが企画されている7月のペリリューツアー。何か感じら
れるところがあれば、ぜひ赤塚さんと一緒に足の裏で感じてこられること
をおすすめします。きっと人生観が大きく変わりますから。


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クレーン


 おかげさまで、私はいつも原稿に追いかけられています。

 このウィークリーレポートは本音を気楽に書いているので、あまり
準備はしませんが、他の原稿は理屈王の性で本をたくさん読むという
インプット作業が必要になります。だから移動の時間は本を読んでイ
ンプットをしているか、原稿を書いているかのどちらかになり、あま
り車窓を楽しむ余裕がありません。

 また、最近は持病の痛風予防のために大量に水を飲むことと、多分
前立腺肥大のために、小用に行く回数が多く、通路側の席に座ること
が多いことも車窓を楽しまなくなった大きな原因なのかもしれません。

 先日、いつもお世話になっているきれい・ねっとの山内尚子さんの
お父さまをしのぶ会に出るために姫路に行く機会がありました。昔な
がらの職人気質でありながら、最新のオンデマンド印刷機を駆使する
お父さまの存在なくしては、きれい・ねっとのビジネスモデルは成り
立たなかったと思います。

 家族ぐるみのお付き合いをしていたので、ご家族と一緒に姫路で
お好み焼きを楽しんだこともありましたし、講演会の裏方として本を
販売されていた時に、私がタイトルにつられて買おうとすると、
「面白くないからやめた方がいい」というあるまじきアドバイスをし
てくれたりする楽しいお父さまでした。

 しのぶ会は、A(赤塚)K(勝仁)D(出路)N(尚子)のメンバー
のスケジュールに合わせて設定してくれましたので、赤塚高仁さんと
一緒に宮崎の講演会を終えて姫路に向かいました。しのぶ会では、
AKDN以外にも関西のにんげんクラブを支えてくださっている小原さ
んや鳥居さんもいて、めちゃくちゃ明るかったお父さまをしのぶため
に楽しく盛り上がりました。

 最近はあまり飲み過ぎることはなくなったのですが、AKDNが集まっ
た時は例外です。AKDのおじさん3人はほとんど記憶をなくしてしまう
ほど酔っ払い、あとからNに昨日何を話したか確認するようなあり様に
なってしまいます。その日は、創業理念を確認するような、既存店と
は違うコンセプトの古着店を大阪の中崎町にオープンするために忙しい
D(ヒューマンフォーラムという大きな会社の創業者です)も、結局は
姫路に宿泊することになり、4人でカラオケに行きました。

 先週書いたように、私はリズム感がないのでカラオケは苦手なので
すが、後の3人はプロの歌手になってもよかったかもしれないという
ぐらい上手いので、ほぼこのパターンになってしまいます。だから、
ほとんど聴き役に回るのですが、そうすると手持ち無沙汰で必然的に
飲み過ぎることになってしまいます。

 翌日は、新幹線で熱海に行く予定になっていました。姫路を8時過
ぎに出発するひかり号があり、それがちょうど熱海に停車するので、
それに乗ることになっていたのですが、当然二日酔いでヘロヘロで
した。しかも、新幹線に乗る前に仕上げなければいけない原稿があ
り、6時の目覚ましで起きて何とか原稿をまとめたところまではよかっ
たのですが、その反動もあり、新幹線の中で本を読むのはとても無理
な状態になってしまいました。

 実はこうなることをある程度予想をしていたので珍しくグリーン車に
乗ったのですが、結局はぼんやりと車窓を眺めて過ごすことになりまし
た。正直に言うと、あまりにも気持ちが悪くて、寝るのもしんどいぐら
いの状態だったのです。年を考えて、そろそろ飲み過ぎには気を付けな
ければいけないと反省しています。

 車窓を見ていて気がついたのは、クレーンが目立つのは京都と滋賀だ
ということでした。京都に着くぐらいまでは、二日酔いで書いた原稿の
チェックをしなければさすがにまずかったので、あまり景色を見ていな
かったからかもしれませんが、多分、それほど多くのクレーンは見かけ
なかったと思いますが、京都には多くのクレーンが建っていました。
つまり、ビルやホテルがたくさん建設中だということで、これは景気の
善し悪しを見分ける大事なポイントになると思っています。

 ちなみに、東京の都心部はどこに行ってもクレーンだらけになってい
ます。東京オリンピックが来年に迫っているということもあるのでしょ
うが、いまから建てはじめても間に合わないので、オリンピック後もし
ばらくは好景気が続くのだろうと実は私は思っています。

 そして、不思議だなと思ったのは、比叡山をトンネルで超えて滋賀県
に入っても京都の好景気の影響があるのか、クレーンが結構目立ったこ
とです。この勢いなら名古屋はもっとすごいのかなと思ったのですが、
名古屋の駅前などの中心部は新幹線の車窓からは見えないということも
あるのだと思いますが、あまりクレーンは目立たなかったのがさらに
不思議な感じでした。

 名古屋から静岡県にかけては製造業が盛んな地域です。いまの景気は
東京の金融やIT業、それに京都などの観光業が支えていて、製造業は
それほど景気に与えるインパクトがないということなのかなと思ったり
しました。

 いずれにしても、地方に行くと、県庁所在地であってもほとんど
クレーンを見かけることがありません。どうも、景気がいいのは東京や
関西圏だけで、それを地方にどう広げていくかが課題だということが
2週続けて確認できた、二日酔いの新幹線でした。

東京と地方のギャップ


 先週は、3日連続で音楽や舞台を楽しませていただきました。

 まず、最初は定期会員になっているNHK交響楽団(N響)の定期演奏会
に出かけました。

 私は音楽は嫌いではないのですが、リズム感がありません。手拍子を
するのがとても苦手なのです。中学生の時に、音楽を聴きながら手拍子
をしていると自分だけ周りとリズムが違ってくることに気がついて、
それからコンプレックスになりました。

 だからというのは不思議なのですが、それ以降ポップスを聴いていて
も楽しくなくなってしまった私は、なぜかクラシック音楽を聴きながら
受験勉強するようになりました。よかったのは、クラシック音楽だと
わけがわからないので勉強の邪魔になりません。

 好きだったのはマーラーという作曲家の交響曲です。大阪の大きな
レコード屋さんで安く売っていた、1960年代に録音されたバーンスタ
インという指揮者のマーラーの交響曲のレコードをたくさん買ってきて、
いつもそれを聴いていました。

 大学に入って東京に来るとN響の定期演奏会には学生席があって、
それをシーズンチケットで買うと1回あたり千円で聴けました。映画より
安いならとそれを買って、いつも一人でコンサートに行っていました。

 最初にN響の定演でマーラーのシンフォニーを聴いた時は本当に感激し
ました。マーラーのシンフォニーの特徴はとにかく大人数で演奏すること
です。一番、多人数になる交響曲第8番は「千人の交響曲」というタイト
ルがついていて、千人まではいかないかもしれませんが、本当に大人数の
演奏家が舞台に上がります。最初にコンサートで聴いたのは「千人の交響
曲」ではありませんでしたが、普通の合唱団に加えて児童合唱までついて
いるいかにもマーラーらしい曲だったので、驚き方も半端ではありません
でした。

 逆に驚いたのは、モーツアルトのシンフォニーになるととても少人数で
演奏されるということです。レコードやFMラジオで聴いているだけでは
分からない、時代が100年少し違うだけでクラシック音楽がここまで変化
したということも、実際にコンサートに出かけてみることで初めて実感で
きました。

 でも、その頃から逆にレコード(ちょうど、私の大学生ぐらいにCDに
代わりました)でクラシックをあまり聴かなくなりました。実際に生の
コンサートで聴いてしまうと、その感動がまったく違うことに気がついた
からです。

 当時は、一緒にクラシック音楽のコンサートに付き合ってくれるような
友人はいなかったので、N響以外のコンサートにはあまり行きませんでし
たが、たまにつきあってくれる人がいた時には喜んで出かけて行きました。
サントリーホールという世界的にみてもすばらしいクラシック専用ホール
もできて、やっぱりそこで外国の超一流のオーケストラが奏でるマーラー
を聴いて、感激したことをいまでも昨日のことのように覚えています。

 先週のN響はマーラーではなく、ストラビンスキーというロシアの作曲
家の「春の祭典」という有名な曲でしたが、やはりとてもすばらしい演奏
でした。

 翌日は能と狂言の舞台を見せていただきました。友人が能の主役である
シテを演じられた方と親しくされていて、チケットを買われたので、そこ
に連れて行ってもらったのですが、こちらは難しくはありましたが、幽玄
な世界を堪能させていただきました。

 本物研究所社長の佐野浩一からジャパネットたかた創業者の高田明さん
の『髙田明と読む世阿弥 昨日の自分を超えていく』(日経BP社)を薦め
られて読んだところでした。また、その本の中で薦められていた土屋
惠一郎著『NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝
(NNK出版)も読んでいたので、そういう意味ではとても興味深く舞台を
見せていただきましたし、佐野は高田さんの本を読んで経営に対する
ヒントがいっぱいあったと言っていました。オーケストラや能や狂言など
の古典芸能は、長く続いているという意味で、経営の参考になる部分が
多くあるのだと思います。

  


 そして、最後は山下久美子さんのライブコンサートに連れて行ってもら
いました。赤塚高仁さんが山下久美子さんととても親しい友だちで、実は
2012年に京都で開催した赤塚さんとの最初の共著『聖なる約束』
(きれい・ねっと)
の出版記念講演会に山下久美子さんも来てくださって
いました。今回は、たまたま赤塚さんが東京にいる時にコンサートがあり、
赤塚さんの知人が彼女の大ファンで、それなら連れて行ってあげようと
いうことになり、その知人を赤塚さんにご紹介したのが私だったので、
私もついでに連れて行ってもらったというわけです。

 冒頭に書いたように、リズム感がない私にとっては一番緊張したコン
サートで、立ちっぱなしで演奏を聴いたのも生まれて初めての経験でした
が、とても楽しませていただきました。

 山下久美子さんは赤塚さんと同級生なので、還暦コンサートだったの
ですが、とてもパワフルで勇気と元気をいっぱいいただきました。ただ、
当然ですが、一緒にコンサートを楽しんでいるお客様も大体同年代の方が
多く、舞台や皆様のノリの良さとのギャップを楽しめたのもよかったと
思っています。

 東京にいると、お金と時間さえあれば毎日でも超一流の演奏会や舞台が
楽しめます。クラシック音楽のマーケットでは東京が世界一だそうで、
世界中の演奏家が東京に集まって楽しませてくれます。でも、こういった
文化的なもので比べると、たとえ大阪であってもかなり質が落ちてしまう
のは、仕方がないとはいえちょっと残念なことです。

 楽しい中にも一極集中という日本の問題を考えさせられる、3夜連続の
エンターテインメントでした。


妻のトリセツ 

      
 「にんげん」は千差万別だからおもしろい。でも、ついつい自分の
基準で人のことを測ってしまっているのもまた「にんげん」です。

 最初は本屋さんで見つけた『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(白泉社)
という武田一義さんの漫画のことを書こうと思ってパソコンに向かった
のですが、なかなか筆が進みませんでした。週末に赤塚高仁さんと京都、
名古屋とご一緒して、最後は愛知県知立市で赤塚さんがご縁紡ぎ大学愛知
のプレ講義に参加させていただきました。

 その帰りに本屋さんに立ち寄ったところ見つけたのが、『ペリリュー』
だったのです。赤塚さんのお話の定番のひとつであるパラオのペリリュー
島が舞台の戦争漫画で「日本漫画家協会賞【優秀賞】」を受賞した、とて
も話題になっている作品のようです。

 私は普段はあまり漫画を読みません。どうも、漫画を読む能力が欠落
しているようなので仕方がないのですが、3月20日(水)に京都で小林
芙蓉先生が開催される「水鏡3000人 祈りの祭典」で美内すずえ先生、
芙蓉先生とのお話のナビゲーターを務めさせていただくことになりまし
た。

 さすがに代表作は読まなければいけないと思うのですが、とても
『ガラスの仮面』を読破する自信はありません。赤塚さんやきれい・
ねっとの山内尚子さんに相談すると、5巻まで出版されている『アマテ
ラス』(白泉社)
を読めばいいとアドバイスくださったので、大きな
書店のコミックコーナーに行きました。残念ながら、『アマテラス』の
在庫はなかったので、こちらは漫画が大好きな息子にネットで買っても
らうように頼んだのですが、その時に『ペリリュー』を見つけたのです。

 これは赤塚さんへの格好のプレゼントになると思い、帰りの新幹線は
ハイボールを飲んで寝てしまったのですが、家に帰ってからがんばって
読破しました。最近の時代小説は、江戸時代にこんなことはしないし、
こんな現代風の名前は付けないということをあえて無視して、いまの読
者が感情移入できるように工夫がされているということを聞いたことが
あります。この作品でも、作者の武田さんが単行本の1巻最後でネタバ
レされているのですが、漫画であることの有効性(現代の若者に敷居を
低く、戦争のすさまじさを体感してもらえるようにすること)を優先し
て、読みやすいように描いてあるようです。

 それでも、昨年実際にペリリュー島に赤塚さんに連れて行ってもらっ
た私には重すぎる内容で、何度トライしても上手くここで取り上げらる
ことができませんでした。そこで頭を切り替えて、ここまでをいつもの
長い前置きとして、テーマを変えることにさせていただきました。ただ、
普段漫画を読まないという方にも、この作品ばかりはぜひ手に取ってい
ただきたいと思いますし、もうすぐ出るにんげんクラブ会報誌の4月号
でペリリュー島に行ったことを少しまとめていますので、よかったら
そちらをお読みいただければと思います。


 さて、冒頭に「にんげんは千差万別だ」と書いたのは、赤塚さんが喜
ぶだろうなあと思って、今週土曜日からの赤塚さんの東京でのにんげん
クラブ主催の聖書塾
の時に『ペリリュー』をプレゼントしますねとメー
ルをすると、すでに持っているという返事が返ってきました。当然と言
えば当然なのですが、私だったらこんなにいい漫画の存在を知っていた
ら、ご縁紡ぎ大学のような場でペリリューのことを話す時にきっと紹介
するだろうなあと思ったのです。

 赤塚さんはよく「先生には3種類ある」ということを教えてくれます。

 ひとつは「メンター」で、これはご縁紡ぎ大学の前日に赤塚さんにも
参加していただいた生誕祭を死後4年も経って開催して、参加された方
の8割は実際に会ったことがないにもかかわらず、未だに多くの方の心
を打ち、人生に影響を与え続けている故・竹田和平さんのような方です。

 二番目は「ティーチャー」タイプで、赤塚さんに言わせると、「勝っ
ちゃんの講演は、みんなホワイトボードを見て、理解するやろ。それは
典型的なティーチャータイプやからや」ということになるようです。

 そして、三番目が赤塚さんのような「ガイド」タイプです。赤塚さん
は、赤塚さんの世界観で聖書やイスラエルやペリリューのことを私たち
にその時その場に誘うように伝えて、感動を与えてくれます。イスラエ
ルの話やペリリューの話は何度も聞いているのですが、それでも涙が止
まりません。私にはとてもできないことで、本当に赤塚さんはすごいと
思います。

 今回の出来事はこの二人のタイプの違いから起こったことでした。
『ペリリュー』というすばらしい作品は、ティーチャータイプの私に
とっては伝えなければならない必須の情報なのですが、ガイドタイプ
である赤塚さんは武田さんの漫画は情報としては大切にしていますが、
講演の場で披露することではないということが分かったのです。

 それで思い出したのが、いまベストセラーになっている脳科学者の
黒川伊保子先生の『妻のトリセツ』(講談社α文庫)です。女性脳は共
感を求め、男性脳は問題解決を志向するなど、男女は基本的にはまった
く違う本能で生きていて、熟年夫婦が賢く寄り添っていくためにとても
参考になる本だと思いました。女性は心の通信線と事実の通信線の二本
を持っていて、圧倒的に大切なのは心の通信線であり相手を否定しない
ことです。

 でも、男性は事実の通信線しか持っていないので、そんな女性の気持
ちを理解することができません。だから、理解できないのは仕方がない
のですが、それで放り出してしまわずに、うまく対処することを指南し
てくれる優れたマニュアル本になっていますし、実はAIの研究者でもあ
る黒川先生は、これからの時代を生きていくにあたっての人間としての
心構えを男性に教えてくれているのだと思いました。中高年の男性に
とっては必読書だと思います。

 ......と、ここまで書いてみて、やっぱり私は文献を紹介して勉強して
くださいねという、ティーチャータイプであることがよく分かります。
「にんげん」は変わらないものですね。


    

スピリチュアル添乗員


昨年の12月5日にアップしたウィークリーレポートで報告させていただ
いたように、昨年の11月に初めてエイトスター木曜会でお話しさせてい
ただきました。エイトスター木曜会は各界のすばらしい講師ばかりがお
話しされている会で、そのような場でお話しさせていただけたのは紹介
してくれた悪友・赤塚高仁さんのおかげです。そして、今度はその赤塚
さんが1月末にエイトスター木曜会でお話しされるということで、お話
を聞きに行ってきました。

 私はこれまで何度も赤塚さんの講演をお聞きし、その数だけ感銘を受
けてきているのですが、そんな中でも今回はもっとも印象に残る、一番
魂に響くお話でした。日本人の「魂のリフォーム」を請け負うことを天
命にしようと決心され、その覚悟を決められた上でお話しされていたか
らだと思います。人間の覚悟というのはすごい力を持っているのですね。

 赤塚さんは現在、ほとんどの週末全国各地でご講演されていて、その
上に「頼まれ事は試され事」というポリシーのもと、どんなお誘いにも
0.2秒でハイかイエスの返事を返すようにされています。赤塚さんほどで
はないもののわたしも忙しくしていて、お互いに健康が気になりますが、
飲み過ぎにさえ気を付ければ大丈夫だろうと慰め合っています。

 さて、いよいよ2月23日(土)から赤塚さんの東京聖書講座がにんげん
クラブ主催で始まります。昨年の東京での聖書講座にも半分ぐらいは出
席させていただいたのですが、格段にパワーアップした赤塚さんが醸し
出す聖書の世界が楽しみでなりません。聖書が分かれば、日本が分かる
という赤塚さんの方法論には一理あると思いますし、何よりもいま私た
ちが生きている社会は西洋の近代主義が作ったもので、その背景には聖
書の世界がいたる所に隠されています。

 普段はあまり書いたり話したりしないようにしているのですが、私が
月によっては家内よりも赤塚さんと一緒にいる時間が多くなる秘密を書
いてしまいたいと思います。赤塚さんは何度か精霊体験をされていて、
そのほとんどがイスラエルに行った時に起こっているようです。その精
霊体験をA(赤塚)K(勝仁)D(出路雅明さん)N(山内尚子さん)の
ような魂の兄弟姉妹と思えるような人たちの前では包み隠さずオープン
にしてくださるからです。そして、やはり神さまにつながった人の話は、
とんでもなく参考になり勉強になるのです。

 今年の赤塚さんの聖書講座は、きっとAKDNの集まりでオープンにし
てくれる赤塚さんの神秘的な体験に基づくパワーを参加者の皆さんに
シェアしてくださり、それを感じられるような時間になるのではないか
と期待しています。実はかなり人見知りの赤塚さんは、知らない人が多
い講演会ではなかなか本領を発揮しないのですが、8回講座の東京聖書
講座は赤塚さんの魅力が全開になるチャンスだと思っています。赤塚さ
んの講演を聞いたことのある方にとっても、新鮮で魂に響く講座となる
と思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 ちょっと宣伝が長くなってしまいましたが、エイトスター木曜会で
赤塚さんにご紹介していただいたのが、スピリチュアル添乗員の五斗
美湖さんです。赤塚さんの大学時代からの知り合いとのことなのですが、
その頃はまだ女性に奥手だった赤塚さんはあこがれていたのに、あまり
親しくはできなかったそうです。五斗さんも最近の赤塚さんはスピリ
チュアル力が格段に強くなったと驚いておられました。

そしてその席でご著書『神様がよろこぶお参りの仕方』(コスミック
出版)をいただいたので、早速読んでみました。五斗さんは伊勢神宮の
添乗員を400回以上こなされ、それ以外にも、いろいろな霊験がある神
社ツアーに同行されているカリスマ添乗員です。五斗さんが勧める全国
の神社の紹介や、神様がよろこぶお参りの仕方が具体的に分かりやすく
解説されていてとても参考になります。また、五斗さんと一緒に神社を
訪れて人生が驚くほど変化した体験談も掲載されていて、パワースポッ
ト好きの人には見逃せない1冊になっています。

 赤塚さんは伊勢神宮に行く機会が多く、昔は世界中のパワースポット
を訪ねて歩かれた豊富な経験をお持ちのようです。でも、いまは自分の
外に神様を探すのではなく、内なる神を探求して「魂のリフォーム」の
お手伝いをすることを天命にされているので、一旦はパワースポット巡
りは卒業されているようです。ただ、赤塚さんにとって大事な場所、
例えば靖国神社等は定期的に訪れていらっしゃるようです。

 私も、スピリチュアルのことがよく分かる友人に連れられて神社等の
パワースポットに出かけることがありますが、どちらかというと面倒く
さがり屋なので自分から積極的に神社巡りをする機会はそんなに多い方
ではないかもしれません。でも、確かに日本の神社はよくできた仕組み
になっていて、神様と近しく触れ合うことのできるすばらしい場である
ことは間違いないでしょう。

 日本のすばらしい伝統でもあるので、一度、スピリチュアル添乗員の
五斗美湖さんのツアーに参加してみたいと思いますし、そんなツアーを
魂のリフォーマー赤塚さんが企画してくれたらうれしいなあと思ったり
しています。

水からの伝言


 舩井幸雄が最も親しくさせていただいた方の中で、日本よりも海外で
圧倒的に支持されているのが、比嘉照夫先生故・江本勝先生です。
舩井幸雄のPR力がお二人を有名にしたという側面もある一方で、お二人
のことを紹介したということが舩井幸雄のポジションを確固たるものに
したという側面も大いにあると思っています。

 お二人とも、日本ではなぜか「エセ科学」というレッテルを貼られ、
斜めに見られてしまうことが多いのがとても残念です。確かに、科学的
根拠が曖昧で学界の主流派の意見とは違う等、通常の科学者であれば
当然やるべきアプローチにあまり力を入れてこなかったというところは
あるのかもしれませんが、逆に言うと普通の科学者がそんなどうでも
いいこと(?)に力を使わなければいけない状況が、日本の科学技術が
なかなか世界的な突破口を開けない理由になっているのではないかと
心配になります。

 水の結晶写真を広めることで、水が記憶媒体であり、私たちの意識が
水に大きく影響を与えられるかもしれないということを示唆した江本
先生のアプローチは、世界的には大きな驚きをもって素直に受け止めら
れました。

 科学的に考えても水は不思議な性質を持っています。言葉を投げかけ
ることで、水の結晶写真が大きく変化することや、植物を育てる時に
生育状況に大きな変化がみられることは、重箱の隅をつつくような科学
的な反論はいくらでもできますが、世界的にはコンセンサスを得られた
と考えてもいいのかもしれません。

 また、微生物が地球の生態系において大きな役割を果たしていると
いうことを発見した比嘉先生の研究が社会に与えたインパクトも、
とても大きなものでした。EMという概念が生まれたことで、地球の主
は人間ではなく微生物なのかもしれないという私たちの生き方を根本
から変えてしまうぐらいの考えが出てきたのです。私たち日本人はもう
少し素直になって、お二人の業績をもっと評価すべきだと思います。

 江本先生も父も残念ながら2014年に亡くなってしまったのですが、
先日ご子息で株式会社I.H.M.社長の江本博正さんとじっくりお話しさせ
ていただく機会をいただきました。お互いに偉大な父を持つ二代目と
いう立場として、他の人にはなかなか話せない本音のお話もさせてい
ただき、楽しい時間となりました。

 江本社長は、江本先生が遺された『水からの伝言』(完全版がIHM
さんで販売されています。)
という世界観だけでは会社の
利益を出すことは難しく、波動機器の販売等の他の事業で会社の存続を
図っておられます。

 私も舩井幸雄の世界観だけで会社を維持させていくことは難しいと
判断して、現在では主に不動産投資業(父が遺してくれた船井総研
ホールディングスの株式という信用を使った事業)をさせていただい
ています。でも、常に舩井幸雄の精神を忘れることなく、世のため
人のために少しでも社会に貢献できるよう「ザ・フナイ」やにんげん
クラブ等は存続しているのです。

 江本社長は現在『水からの伝言 ザ・ファイナル』を今年中に出版
しようと着々と準備をされているそうです。江本勝先生の偉業を時代
に合わせた形で本にまとめることは、博正社長の社会的責任を果たす
上で大切なことですが、利益を出すことは難しいと考えられてクラウ
ド・ファウンディングというアプローチを考えておられるようです。

 私も昨年、利益を度外視して「舩井フォーラム ザ・ファイナル」
をやり切った立場として、お気持ちがよく分かります。話が具体的に
なったら1口協力させていただこうと思っています。詳細が決まりま
したら、皆様にもお知らせさせていただきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

 美味しく食事をごちそうになった後、調子に乗ってカラオケにまで
行ってしまいました。とても良い声で気持ちよさそうに歌う江本社長
の姿に江本先生の面影を見るようで、やっぱり親子だなあと他人事の
ように感じた自分の不思議な感覚が妙に印象に残っています。

 水つながりでお知らせするわけではありませんが、小林芙蓉先生が
3月20日(水)に京都で開催される「水鏡3000人 祈りの祭典」
すごいことになっているようです。
HPで紹介されている『ガラスの仮面』の美内すずえ先生等に加えて、
滝沢泰平さんさとううさぶろうさんも参加されることになりそう
です。
インターネットを検索していると泰平さんがうさぶろうさんを紹介
している記事
を見つけました。

 昨年の3月に行ったにんげんクラブ愛知主催の「地球への祈りの
集い2018」
に参加してくださったメンバーが、芙蓉先生の命がけ
の覚悟に心を打たれて全面協力をされています。そんな芙蓉先生との
命がけのご縁をつなげてくれた愛知の中山恵美賀さんに改めて感謝し
たいと思います。

リーダーの力


 舩井メールクラブというメルマガに毎月寄稿させていただいています。
父が存命の頃に始めた、世界で一番高い有料メルマガだと思います。

 さすがに、購入してくださっている方の数は減っているのですが、
それだけのお金をいただいていることもあり、かなり真剣に書いてい
ます。準備にかける時間や勉強量は真剣さのバロメーターになると
思いますが、私はこの原稿を書くために毎月最低でも10冊は政治経済
分野の新刊を読むようになりました。いい副作用として、それによっ
て私の見識が格段に深まったように思います。

 がんばっている書店さんには申し訳ありませんが、私はほとんどの
本をAmazonで購入しています。それも、電子書籍で読めるものは、
ほぼすべてデータで購入させていただくようになりました。

 もちろん、紙(変換しようとすると「神」になりましたので、そう
いう側面も持っていることも一応理解しています)の本に宿る温もり
や、情報伝達媒体としての優れた点があることも重々承知しています
が、本を保管するスペースに困らないことと、思い立った時にすぐに
読み始められる利便性を優先させていただいています。

 ただその一方で、Amazonが世界を支配するとか、世界中の小売業
を独占してしまうとかいうことはあり得ないとも思っています。本や
音楽というツールはデータ化しやすいという面があるので、Amazon
のビジネスモデルは有効だと思いますが、残念ながら市場規模はそれ
ほど大きくありません。通販に関しては、どうしても物流という難問
がありますので、そんなに思い通りにはいかないだろうと予測してい
るのです。

 身近な例で恐縮ですが、先日久しぶりに愛猫のトイレ用の砂をペッ
トショップに買いに行きました。いままではAmazonの通販で買って
いたのですが、納期が1~2か月先か、いままでの倍ぐらいの価格かの
二者択一になってきているようなのです。重い割には単価が安いため
業者としてはむしろ買ってほしくないのかもしれませんが、もう少し
対応をスマートにしないと、頭に来てほかの商品も含めて二度とその
業者では買わないという顧客が激増してしまうのではないかと思いま
す。

 得意の脱線になってしまいましたが話を元に戻すと、このように
たくさん読んでいる本の中で、どちらかというと舩井メールクラブ
ではなくにんげんクラブ向けの本があったので紹介したいと思います。
福岡市長の高島宗一郎さんが書かれた『福岡市を経営する』(ダイヤ
モンド社)です。高島市長は1974年生まれですから44歳。2010年
36歳で市長に初当選されて、昨年の選挙で3期目の当選を果たされま
した。


 福岡の人とお話をしていると高島市長の評判がとてもいいので気に
なっていたところ、Amazonで本を探している時に本書の紹介が出て
きたので迷わずに買いました。これも余談ですが、本は迷わずに買う
のがいいと思っています。それこそ一期一会で、買いそびれた本と
二度と会えない経験を何度もしたことがあるからです。その結果と
して、買った本はその30%ほどしか読むことがなく、あとは積読に
なってしまうのですが、それはそれで仕方がないと思っています。

 話をまた元に戻すと、36歳の市長が本気で市政の改革に取り組むと、
企業組織に比べると変革が難しい自治体という組織でも大きく変われ
るのだということが分かったのが最高に面白かったです。父は、組織
は99.9%リーダーで決まると言っていました。地方自治体はリーダー
が首長という選挙で選ばれた明確な存在であることがいい点なのかも
しれません。これに対して行政は、官僚という選挙を経て選ばれた
わけではないのですが、優秀でしっかりと勉強している人たちとの
組み合わせで動いています。政治はまったく分かりませんが、組織
論として読むと本当に興味深いなあと思います。

 そして、さらに面白かったのは、高島市長の本の関連で購入した
元大阪府知事、大阪市長の橋下徹さんの『沖縄問題、解決策はこれ
だ!
』(朝日出版社)です。私は橋下さんとは大分意見は違いますが、
大阪を変えるために彼がやってきたことや、本書で示されている沖縄
に対しての提言が本気でなされていることは大きな評価に値すると感
じました。


行政経験のない若手政治家が台頭することが日本の将来を面白くする
のかもしれません。ただ、それがヒトラーのような独裁者を生まない
ようにするにはどうすればいいのかということは、常に考えなければ
いけないと思っています。

 同様に、船井総研出身の唯一の政治家であった元静岡県湖西市長の
三上元さんは、市長を退任された現在、原発反対運動に本気で取り組
んでいらっしゃいます。送られてきた脱原発の渾身のチラシを、コピー
自由とありましたので、貼り付けさせていただきます。

WR190130-1.jpg  WR190130-2.jpg

 やっぱり、思いが世の中を動かす時代になってきたようです。

Page0001.pdf

Page0002.pdf

脳が外に飛び出す


 かつて、生物の王者は恐竜でした。
 永遠に続くかと思われた恐竜の天下でしたが、隕石が地球に落ちた
ことで地球の環境が大きく変わり、恐竜が生きていけなくなりました。
恐竜はいまでも鳥類にその痕跡を残していますが、大きさは比べよう
もなく小さくなってしまいました。

 恐竜が滅んだあと、地球には哺乳類が出現しました。恐竜のような
卵から孵化するシステムで子孫を繁栄させるのではなく、お母さんの
子宮の中で成長し、生まれ落ちてから一人前になるまでは母乳によって
育つというシステムが最先端の動物のあり方になりました。

 その後、哺乳類から霊長類が現れ、ついには人間が生まれました。
人間は言語を持ち文明を築いていきました。頭脳という厄介なものを
成長させるために、生まれてくるときには自力ではまったく生きてい
けず、母親の全面的な庇護の下でしか生きられないようになりました。
そして、教育システムを作りあげ、その中の優秀な頭脳を持った人たち
によって文明がドンドン進歩していくようになっていったのです。

 そして現代になってついに、人間はその一番大事な頭脳を身体の外に
出すことに成功したのです。AI(人工知能)化が進むと、人間は頭を
ドンドン使わなくなります。例えば、携帯電話が使われるようになって
電話番号を覚えなくなりました。カーナビが普及して地図が読めなくな
り、私のように書くことをなりわいとしている人間であっても漢字が
書けなくなってきました。頭脳をコンピューターに代替してもらうよう
になることで、私たちの頭脳が劣化していくのは間違いのない事実なの
です。

 これからAI化が本格的に進んでいきます。金融の世界ではほとんどAI
で取引が成立するようになり、すでに人間のトレーダーと呼ばれる人た
ちは絶滅寸前に追い込まれているのかもしれません。

 30年近く前に私がニューヨークで金融の勉強をしていた頃、ユニーク
なトレーダーと何人も出会いました。その中でも一番印象に残っている
為替のトレーダーから教えてもらったのが、「為替の世界で長期予想と
いうのは30分後の相場の動きを考えることだ」ということです。

 明日のことを考えているような為替のトレーダーは使い物にならない。
数秒後のことを短期予想として考え、数分後のことを中期予想として
考え、そして30分後のことを長期予想で考えながら相場を張る。そして、
トレーディングを始めてから1,2時間ぐらいでその日のノルマを達成し、
後は遊んでいるのが正しい為替トレーダーのあり方だというのです。

 しかし、いまの相場は1秒間に100万回ぐらいの取引ができる高速
トレーディングの世界になっています。長期予想が数秒後のことを考える
ことになっているのかもしれません。もしくは、もはやそのアルゴリズム
では勝てないので、まったく違うものでトレーディングの世界が構築され
るようになっているのかもしれません。

 当時の為替相場の世界には、素人でありながらFX取引を通じて為替
相場に参入するミセスワタナベと総称されるような存在はあり得ません
でした。いま、ミセスワタナベが大きな存在感を持っているとすれば、
彼らをカウンターパートにして為替相場を動かすようなアルゴリズムを
組み立てているのかもしれません。AIトレードの世界は、アルゴリズムが
ブラックボックスになっていくので、いまとなっては何がきっかけで
相場の方向が決まっているのか、後付けの解釈さえもできない世の中に
なってしまったようにも思えます。

 父の命日にあたる1月19日に、思い出の地パシフィコ横浜でKan.さんの
「マクロコスモスとミクロコスモス 自然(じねん)ということ」という
ワークショップを開催させていただきました。自然(しぜん)ではなく
自然(じねん)という厳しい世界を考えた時に、人類がまもなく本格的な
AI社会を迎え、大脳新皮質を体外に持ち出すことに成功するとどうなるか
ということを、恐竜が滅んだ例えで説明してくれました。

 このままの社会が進んでいくと、恐竜が鳥にサイズダウンしたように
人間も小さくなるのではないか。脳が小さくなるのか、人間が物理的に
小さくなるのかは分かりませんが、Kan.さんは物理的にサイズダウン
するイメージを持っておられるように感じました。

 都会のビルはものすごいものですが、もしある瞬間に電気というもの
がまったく使えなくなってしまったら、そこで人類の進化はミッシング
リンクを迎え、後世の人から見ると大都会のビルが何に使われていたのか
まったく理解できなくなるのではないでしょうか。

 エジプトのピラミッドが何のために作られたのか私たちに分からない
のは、どこかでミッシングリンクがあり、私たちの理解を超えているから
かもしれないのです。そして、AI社会が進んで人間が考えなくてもいい
ような世の中が来ると、ちょうどそのタイミングで電気が使えない状態が
やってきて、私たちはいまの文明を失ってしまうのかもしれません。

 そうならないためには、人間に与えられたボディ、感情、思考という
3つのセンターすべてを使いこなすことができるようにならなければなら
ないのではないでしょうか。思考のセンターばかりを発達させた現状が
AI社会の到来につながっていると仮定すると、ボディと感情のセンターも
フル活動させることが大事になるように思います。

 ワークショップ当日、販売させていただいたKan.さんのにんげんクラブ
会報誌のインタビューをまとめた「Kan.さんに訊く。Vol.1」という小冊子が
このことを考えるヒントになります。まだ少し在庫があるようなので、
にんげんクラブストアでぜひお買い求めいただければと思います。

表紙180.jpg


 
※【書籍】『Kan.さんに訊く。 Vol.1』は、
 大好評につき、増刷いたしました!


世界は存在しない


 1980年生まれの若きドイツの哲学者マルクス・ガブリエル博士の
なぜ世界は存在しないのか 」(講談社選書メチエ)を読みました。
本当はお正月の時間のある時に読もうと思っていたのですが、私には
ちょっと読み応えがあり過ぎ、なかなか読むペースが上がらずに3連休
を使ってようやく読み終えました。最新の哲学の世界は難しく、また
欧米の人にとっては当たり前の教養が私たち日本人には分かりにくい
ところがあり、かなり苦労しましたが、知的刺激をたっぷりいただける
楽しい本でした。


 ガブリエル教授の哲学は「新実在論」と呼ばれています。個々のもの
は存在しますが、すべてのものの共通のプラットフォームとなる、すべ
てを包含する世界は存在しない。そんな主張を物理的、哲学的な思考は
もちろん宗教や芸術等のまったく違う角度からも考察していて、知的刺
激を味わいたい人にはうってつけの内容になっています。お正月にNHK
で番組をやっていたようなので、ご覧になった皆様も多いのではないで
しょうか。

 学生時代に結局買っただけで読みはしませんでしたが、浅田彰先生の
構造と力―記号論を超えて」(勁草書房)が流行っていました。若い
頃はあまり勉強しませんでしたが、最近になって原稿を書く機会が格段
に多くなってきた頃から、気がついたら勉強量が増え、昔は全然理解で
きなかったことが、少しは感じられるようになってきたように思います。


 人工知能(AI)の時代を迎え、人間はもう一度哲学に戻らなければい
けないというか、逆説的に見ると戻る余裕が出てきたのかもしれません。
いままでだったらスピリチュアルな話題は、エンターテインメントとして
あまり深く考えずに楽しんでいればよかったのですが、どうも、物理的な
こと実用的なことはだんだんスマホやコンピュータ、それにAI等が代替し
てやってくれるようになり、人間ができること、人間がやらなければなら
ないことは哲学的な考察に収斂していくような気がしています。

 そして、そうなるといい加減な主張で留まるのではなく、ちょっと深
掘りしながら哲学の領域にも我々の興味は広がっていき、そこにガブリ
エル教授のように分かりやすく斬新な視点で話題を提供してくれる人が
現れてくるようです。物理学の世界も10年ぐらい前にリサ・ランドール
博士という物理の世界に数式を使わずに分かりやすく導いてくれる専門
家が現れ、私でも結構楽しく物理の世界を身近に感じられるようになっ
てきたことを思い出しています。

 ランドール博士の「ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く」(NHK
出版)は日本では2007年に出版されていますが、やはりNHKで特集番組
が放映され、それがきっかけで一種の物理学ブームが起きました。それに
よって、5次元等の高次元の存在に対して注目がされるようになり、実は
過去の「舩井フォーラム」のテーマなどもこの流れに沿って決めさせて
いただき、直観力(超能力)に優れた出演者の先生方とも特に深い話を
したわけではないのに、フォーラム全体のつながりやバランスが最高に
取れていたことを懐かしく思い出します。時代の流行によって、スピリ
チュアルの業界も影響を受けているのです。

 そして、いま大事な流れがこの「なぜ世界は存在しないのか」等に
よって作られているのを感じます。少し地味な番組になりますが、NHK
のEテレで木曜日の22時から放映されている「人間ってなんだ? 超AI
入門」
という番組を見ていると、いまの社会の流れが感じられます。
私はどちらかというと映像を見るよりも本を読む方が時代の流れをつか
みやすいのですが、多くの人はビジュアルな刺激を存分に得られるテレビ
番組の影響を強く受けられているのだと思います。そういった意味では
ぜひご覧いただければこれからの社会の方向性が感じられるようになる
番組だと思います。

 繰り返しになりますが、このAI化を進めていくために、時代はいま
哲学を必要としているようです。私が社会人として仕事を始めた頃に比
べると、脳力がかなり劣化した分野が確実にあります。電話番号を覚え
なくなりましたし、地図が読めなくなりました。そして、このように
モノを書くことを仕事にしているにも関わらず、漢字が書けなくなって
います。父は手書きのはがきや手紙を書くことを推奨していたので、
晩年になって報告を送るときは、手書きでFAXを送ることにしていまし
たが、ワープロで下書きを書いてからそれを自筆で書き直すことを真面目
にしていました。

 仕事を始めたころの大事な仕事は先輩の書いた手書きの原稿をワープロ
で打つことだったので、順番がまったく逆になりましたが、この原稿を
手書きで原稿用紙に書けと言われたら困ってしまうのは確実です。そんな
私でも20歳代でまだワープロの機能が充実していなかった頃は、原稿用紙
に向かって原稿を書いていたこともあるし、それでいてまったく苦痛は
感じなかったのだから人間の習慣とは恐ろしいものがあります。

 こう考えると、人間の能力はAI化が進むとドンドン劣化していくのは
確実なのです。人間ができることは哲学を考えるぐらいになってしまう
世の中が近々やってくるのかもしれません。

景気の変わり目


 今年はカレンダーの関係(4日の金曜日に1日だけ出社してもらっても
船井本社の場合、あんまり意味がない)で7日が仕事始めでした。おか
げでお正月休みが9日間もあり、お正月ボケが何時になったら抜けるか
と心配しています。東京は空気の乾燥で火事の心配をしなければいけな
いほどいい天気が続いていることもあり、個人的には穏やかなお正月で
した。

 大みそかは紅白ではなくて、ベートーベンの交響曲を聴きに行きまし
た。毎年やっているようですが、午後1時に第1番からスタートして、
休みを4回はさみながら深夜12時の少し前に第九が終わるというベー
トーベンの交響曲を半日で全曲演奏するというコンサートでした。私は
好奇心が勝って全曲聴いてしまったのですが、有名な3番(英雄)、5番
(運命)6番(田園)から聴き始める人もいるし、中には最後の第9だけ
聴きにくるという常連さんもいるようです。

 このコンサートを企画プロデュースされたのは、作曲家で音楽プロ
デューサーの三枝成彰先生。第4番の演奏の終わりに日本(東洋)と
西洋の文化の違いについて15分ぐらいのショートスピーチをされまし
た。そこで、お話をいただいたのは、日本は米文化であり西洋は麦文化
であるということです。お米は水田で作れるので、毎年同じ田んぼにお
米を植えても問題なく収穫ができます。しかし、麦は畑で作らなければ
いけないので連作障害が起こり、定期的に圃場を変えるかエネルギーの
収奪以上の肥料を加えるか等の工夫が必要になります。

 だから、日本の文化は基本的に変化を嫌がり、同じことを繰り返すこ
とをよしとします。大きな変化はめったになく、近代になってからは幕
末のペリーと終戦後のマッカーサーという、いずれも外圧によって変え
られたぐらいの経験しかありません。それに対して西洋文化は変化しな
ければ、麦が採れなくなるので変化を絶対に大事にします。西洋の哲学
者(多分、ヘーゲルとおっしゃったと思います)は、変化がない文化に
は価値がないと言っているという例をあげて説明してくれました。

 そして、この変化がなければ価値がないという思想が生まれたのが、
ちょうどベートーベンが活躍していた19世紀初頭だというのです。モー
ツアルトとベートーベンはたった15歳しか違いませんが、モーツアルト
が活躍した18世紀後半はフランス革命の衝撃はありますが、ここまで変
化に対して価値を見いだす文化は定着していませんでした。その証拠に
モーツアルトの交響曲は41曲(ちゃんと数えるともっとあるようです)
もあるのですが、ほとんど違いが分かりません。

 三枝先生の知り合いの日本を代表するピアニストにモーツアルトの交
響曲をピアノ曲に編曲したものを全曲演奏してもらうことを頼むと、ど
こを弾いているのか分からなくなるからやりたくないと断られてしまっ
たというエピソードを話されていました。それに対して、ベートーベン
の交響曲は全曲まったく違うのです。ベートーベンの場合、最初の方の
1番や2番と、最も名曲と言われる7番やおなじみの第9とが同じ人が作曲
したとはとても思えないぐらいの違いがあるという話をおもしろくして
くださいました。

 東京に暮らしているからだというお叱りを受けそうですが、景気が良
くなってきたことを実感として日々感じています。バブルのようなこと
は二度と起こらないと思いますが、それでもリーマンショックの影響で
後ろ向きのことしか考えられなかった頃に比べて、本当に景気のいい話
をたくさん聞くようになりました。豊洲の初セリでマグロの初値が3億
3600万円で1キロ当たり120万円にもなりました。これは特殊なご祝儀
相場ですが、景気の良さを象徴している一つの表れだと思います。

 どうも、今年はペリーやマッカーサーがもたらしてくれた以来の大き
な変化が日本に起こりそうな気がします。トランプ大統領によってもた
らされるものかどうかはよく分かりませんが、いままでと同じことをし
ていたら時代に取り残されるという感覚を久しぶりに思い出さなければ
いけないのではないかと思います。バブル崩壊後の約30年、日本だけが
成長から取り残されていましたが、どうも、もう一度日本も上昇気流に
乗るタイミングがやってきたようです。

 ただ、それでスタート地点に立つ用意ができれば、その後は世界が
日本(東洋)化してくるのかもしれないというようなことを三枝先生は
つぶやいていたように、私には聞こえました。縄文時代ではありません
が、成長よりも平和に価値を置いてあまり変わらないという日本の文化
に世界が追い付いてくるのかもしれないという予感を私は持っています。
ただその前に、この30年で弱くなってしまった日本の力を一旦取り戻し
ておく必要はあると思うのです。

 今年は経済や相場の大混乱から天変地異まで多くの紆余曲折があるよ
うな気がします。ただ、大きなトレンド、父の言い方だとマクロに見れ
ば日本は世界の中でも格別に存在感を高めていく年になるのではと予想
します。ぜひ、にんげんクラブの皆さまには前向きの心持ちをもってい
ただいて、このトレンドを一緒に作っていただければと思います。


アベノミクスが変えた日本経済

 あけましておめでとうございます。
昨年は振り返ってみると激動の1年でいろいろなことがありました。
今年は今上陛下が退位されて皇太子殿下が新しい天皇に即位されることが
決まっているという、めったにないことが体験できるのが間違いない年に
なります。舩井幸雄は、組織はリーダーによって99.9%決まるといつも
言っていました。日本のリーダーは総理大臣ではなくやっぱり天皇陛下な
のだと思います。

振り返ってみると、昭和天皇はかなり政治家だったのではないでしょうか。
例えば、2014年に出版された豊下楢彦著「昭和天皇・マッカーサー会見
(岩波現代文庫)には、日米安保条約の成立に対して昭和天皇が吉田茂
総理を飛び越えた外交をマッカーサーや日米安保の生みの親と言われてい
るジョン・フォスター・ダレス国務長官顧問(後にアイゼンハワー政権で
国務長官に就任)との会談をしていたことが状況証拠をあげて書かれてい
ます。


日本の共産化を防ぐために昭和天皇が完全な不平等条約であった初期の
日米安保をアメリカ側がさすがに、そこまでは無理だろうと思っていた
全土基地化(アメリカ軍はいつでも好きなところを基地にできる権利)
を含めて昭和天皇が主導的に進めていたらしいことが明らかにされてい
るのです。


 
(引用開始)

(旧)安保条約は、日米の力関係から、どのみち不平等な条約になるべ
く運命づけられていたというのではなく、実は安保条約を対等で相互的
なものにする「論理」があったけれども、吉田の稚拙な技巧のせいで、
そのロジックを貫徹できなかったと主張し、さらに、吉田外交が稚拙に
なったのは、天皇裕仁の「二重外交」があったからではないかと推測し
ているところである。

(引用終了)


 戦後の日本の政治体制を作ったのは、世間で言われているように吉田
茂元総理がつくりあげたのではなく、昭和天皇がアメリカと交渉して、
何があっても日本が共産化しないように、作りあげたのだというのです。
それに対して今上陛下は昭和天皇が日本の安全を何があっても守るために
犠牲にしてしまった沖縄や太平洋戦争の激戦地への慰霊の旅を意図的に
続けられてきたのではないかというのです。
再び、「昭和天皇・マッカーサー会見」から引用します。


 
(引用開始)

 自ら「憲法の子」と任ずると言われるように、「日本国憲法の遵守」
を明確に掲げたところがきわめて印象的であるが、その前提として、
明仁天皇の言動には、悲惨な戦争の過去への痛切な反省の気持ちを見る
ことができる。かって、八月六日(広島原爆忌)、八月九日(長崎原爆
忌)、八月十五日(終戦の日)に加えて、「沖縄慰霊の日」である六月
二十三日をも「忘れることのできない日付」と述べたことがあったが、
現に天皇一家は毎年六月二十三日に祈りを捧げていると言われている。
明仁天皇にとって沖縄は、父親の戦争責任とのかかわりにおいて、文字
通り、"贖罪の島"と看做されているのであろう。翻って、およそ本土に
おいて、どれだけの政治家が「沖縄慰霊の日」に同様の祈りを捧げてい
るであろうか。

(引用終了)


 岩波文庫で出版されているのでかなりリベラルな考えを持っている
著者が書かれたものであることはうかがえますが、それでも昭和天皇、
今上天皇のあり方をかなり客観的にとらえていると思います。5月に
即位される新天皇がリーダーとして何を目指されていくのであろうかと
いうことが大変気になるところです。

 いい悪いは別にして、昭和天皇が象徴天皇の枠を超えてまで作りあげた
安保条約もいまや共産主義化の脅威が考えられない世の中になったいま、
見直しが迫られていくのは間違いのない事実なのだと思います。それが、
憲法改正にまで向かうのかは私には判断できない重要事項ですが、世の
中が大きく動くきっかけになるような気は強くしています。

 就任7年目を迎えた安倍政権ですが、お正月なのでその実績を高く評価
しているリフレ派の経済学者である野口旭専修大学教授が書かれた
アベノミクスが変えた日本経済」(ちくま新書)を最後に紹介させてい
ただきたいと思います。東京で暮らしているからかもしれませんが、仕事
をしていると日本経済が格段によくなってきたことを肌で感じています。


 故・竹田和平さんから託された、日本を元気にして豊かな国に再びする
という前提条件ぐらいはアベノミクスによって達成されてきたように思い
ます。年末のレポートで書いたように、唯一の失政が消費税を上げたこと
だというのがリフレ派の経済学者の主張です。今年の10月に予定されてい
る消費税の引き上げが好調な景気に影を落とさないようにするための叡智
が必要とされているように思います。


 最後になりましたが、本年も
にんげんクラブをどうぞよろしくお願い申し上げます。


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