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第22回 自然のバランスとスピード          

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第1回 森の人 オランウータン
第2回 野生オランウータンの研究
第3回 ちょっと待って!エコな話はいい話?
第4回 外出自粛で考えること
第5回 緊急事態宣言
第6回 インドネシアとオランウータンと日本人
第7回 オランウータンの棲みかと石炭の露天掘り
第8回 エネルギーのはなし
第9回 ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと
第10回 霊長類学、霊長類研究とオランウータン
第11回 社会を考える -日本の霊長類学―
第12回 温泉に入るサル ~サルの文化的行動~
第13回 世界に知られたスノーモンキー
第14回 オランウータンいのちの学校
第15回 野生のオランウータンのくらし その1
第16回 野生のオランウータンのくらし その2 ~枝わたり~
第17回 野生のオランウータンのくらし その3 ~母子の橋渡し~
第18回 熱帯雨林とバランス ~森林火災~
第19回 森林火災のあとの熱帯雨林
第20回 2021年の年頭に思うこと  ~GOTOの先~
第21回 科学の力
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第22回 自然のバランスとスピード

今日は前回書きそびれた、絶滅ってどういうこと?から始めます。

絶滅というのは単にその種がいなくなるということだけではないのです。
自然という大きな枠の中で見たとき、その中でそれぞれの生物は絶妙のバランスを保ち
ながら生きている、それが自然界です。
生き物だけではなく、その環境に存在するあらゆるものがそれぞれ影響しあいながら
バランスをとって成り立っているということです。
ですから、ある種が絶滅するということは、その生態系、全体としての自然のバランスが
失われたことを意味するわけです。

オランウータンが絶滅するといって、その一種だけを残そうとする。
自然のバランスというものをヒトの力でどうにかしようとすることの難しさをヒトは
本当にわかっているのでしょうか。
ウイズコロナなんていっていますが、共存とか、共生とか言葉でいうのは簡単ですが、
自然のバランスということがどういうことなのかを考え、もっと自然界そのものに対
して敏感になり、大切にしてほしいということを切実に願うわけです。

さて、新型コロナウイルスといいますが、このウイルス、ヒトが知らなかっただけで実は
ずっと以前から地球上に存在していたともいわれています。
ではなぜそれが突然ヒトに対してこんなに猛威をふるう存在になったのか。
まだわからないことだらけです。
人類の歴史はウイルスとの共存の歴史でもあります。
共存とはどういうことか。
科学で説明できること、解決できることはわずかなのです。
そのわずかの積み重ねがヒトをここまで大きなものにしてきたことも確かですが、同時に
ヒトは己の無力さを常に振り返るべきだと思います。

あらゆる意味で、「バランスをとる」というのは意識するととても難しいことだという
ことはみなさんも日々感じられているのではないでしょうか。
精神のバランスなんて、これまた医学ではわからないことばかりの代表のようなもので、
一度崩れると本当に大変で、薬でコントロールしようとしても、上手くいかないこと
ばかり。
そして、一度崩れてしまったものの、何がその原因かをさぐること、これもまた非常に
困難なことです。

ヒトをはじめ、生命体というのは、このバランスの崩れというものに結構もろいのでは
ないでしょうか。
ある程度までのバランスの崩れというものに対してはかなりの補正が働くので、その崩れ
自体に気づかないのですが、ある一点に到達してしまうと、何をしようと結構なスピード
でボロボロと崩れ落ちてしまう。
これは私の勝手なイメージですが、そんな風に思うのです。
人類の長い歴史から見れば、結構なスピードといってもそれなりに長い期間あるのかも
しれませんが、そう考えると、やはり「ある一点」を超えないようにしなくてはいけない
と思うのです。(実はもう超えてしまっているのかもしれませんが。)

バランスの崩れなんて言っても、それが具体的に何なのか。考え出せばいろいろなことが
あってすごく話が抽象的なことになってしまいました。
ただひとつ、バランスの崩れということでいえば、それが何であれ「スピード、速さ」
というものが非常に大きなファクターを持っていると私は思います。

スピードアップは効率主義の現代においては美点とされますが、速いことが良いことばかり
ではないということです。
そもそも自然や生命体というのは恐ろしいほど「ゆっくり」と今のかたちになってきた
わけで、「速さ」というものとは対極的な位置にあります。

速さと効率を追い求め、20世紀の機械文明は驚くべき変化を私たちにもたらしました。
熱帯の森の消滅なんて、その代表のようなものです。
つい半世紀前までは、手引きの鋸で切り倒していたものが、チェーンソーやブルドーザー、
トレーラーなどの重機の登場で状況は一変しました。

機械は人間の感覚を麻痺させ、価値観を変えてしまう。
自然への畏怖なんてものはなくなり、考えなくなるのではないでしょうか。
速いことは人類にとって怖いことだと思いますが、多くの人はそう思わないようです。
急速に変わることはよいことばかりではないはずです。
でもそうしたことに私たちは無頓着なばかりか、急速な変化を「便利」という言葉に置き
換えて大いに喜んでいるのです。

ヒトは速さに関しては、「もっと、もっと」と際限を知らない感じです。
ほんとにそんなに速い必要があるの?ほんとにそんなに変わる必要があるの?もっと速く、
といえばリニア中央新幹線ですが、リニア新幹線はもちろん、いろいろなところで私は
いつもそう思います。
その代償が何なのか、考えてみたことありますか?


(次回へつづく)

オランウータン(0).jpg


プロフィール

鈴木晃(すずきあきら)
京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。
京都大学霊長類研究所を経て、
現在「日本・インドネシア・オランウータン保護調査委員会」代表。
(一社)オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)理事長。
1983年よりインドネシア、カリマンタン島にて野生のオランウータン
の研究を続ける。

鈴木南水子(すずきなみこ)
生後6か月よりウガンダに渡り、チンパンジーの研究をする父のかたわら、
アフリカの大自然の中で育つ。自然によって生かされているヒトの生き方
を求めて、オランウータンと熱帯雨林の保護の問題とその普及啓発活動に
取り組む。


【DVD】鈴木南水子さん お話し会 『オランウータンに、 いつまでも熱帯の森を。』
【DVD】鈴木南水子さん お話し会 『オランウータンに、 いつまでも熱帯の森を。』


(社)オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)
(事務局)
〒162-0065
東京都新宿区吉町8-23 富井ビル2F
TEL 03-5363-0170
FAX 03-3353-8521

ホームページ http://moforangutan.web.fc2.com/
メールアドレス mof.orangutan@gmail.com



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