サイトマップ

最新トピックス

« 前の記事を読む | BLOGトップ | 次の記事を読む »

第20回 2021年の年頭に思うこと  ~GOTOの先~   

===================================
第1回 森の人 オランウータン
第2回 野生オランウータンの研究
第3回 ちょっと待って!エコな話はいい話?
第4回 外出自粛で考えること
第5回 緊急事態宣言
第6回 インドネシアとオランウータンと日本人
第7回 オランウータンの棲みかと石炭の露天掘り
第8回 エネルギーのはなし
第9回 ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと
第10回 霊長類学、霊長類研究とオランウータン
第11回 社会を考える -日本の霊長類学―
第12回 温泉に入るサル ~サルの文化的行動~
第13回 世界に知られたスノーモンキー
第14回 オランウータンいのちの学校
第15回 野生のオランウータンのくらし その1
第16回 野生のオランウータンのくらし その2 ~枝わたり~
第17回 野生のオランウータンのくらし その3 ~母子の橋渡し~
第18回 熱帯雨林とバランス ~森林火災~
第19回 森林火災のあとの熱帯雨林
===================================


新年早々の緊急事態宣言で幕を開けた2021年です。
GOTO、GOTOと、一体どこに向かおうとしていたのか、これが一国の政策ですから
まったくおかしな話ですが、こんなときだからこそ、ひとりひとりが感性を磨き、
きちんと物事を考えられるようにならなくてはいけないと思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、日本も大変な事態となっていますが、実はインドネシアも同様で、1月8日の
新型コロナウイルスの新規感染者数は1万617人。
ここ数日で急速に感染者数が増え、政府はまたもや外国人の入国禁止措置に踏み切って
います。
9日も感染者は1万人越えということで、2日連続で1万人を超える事態です。
累計感染者数も82万人超えとなり、東南アジア一となっています。

日本では、冬場だから空気が乾燥し肺炎が多くなるとの考え方もできますが、
常夏のインドネシアですから気温は関係なさそうです。
当初からわかっていたことですが、とにかく人の移動が感染者数増加の最大の誘因です。
人類は移動することによって発展してきた生き物ですから、コロナはその根本的な
ところにじわじわと食い込んできているのです。
人類の移動への欲求とウィルスの拡散という問題、これにどう対処していくのか。
学校も休校、入学式も我慢と言っていた昨春から、ちょっと感染者数が減れば、GOTOだ!
などと言っているようでは全く本末転倒ではないでしょうか。
でも、今がピークで、冬が過ぎればGOTO、GOTOオリンピックだ!なんて考えている
ような、直近さえ見ることのできない人類の有様を見ると憂いてしまいます。

少なくとも、これから受験シーズンを迎える中、受験生はもちろん、家族や関係者のこと
を思うと、なんだか無策で、行き当たりばったりで、GOTOなんてよく言っていられたなあ
と思います。
ニュースはいつもコロナのことばかりなのに、そのコロナのニュースも日本のことばかり。
グローバルと口では言いますが、ドメスティックで、あまりに一面的です。

そもそも報道というものが「客観的に事実を伝える」などといいながら、結果として
必ずしもそうでないということは、いろいろな面で明らかとなっています。
それでも人は報道に左右され、支配されるものです。
報道が伝えるものは事実の一面であって、全体でもなければ、時として真実を隠して
しまうものでもある。
オランウータンとかかわっているといつも考えます。

オランウータンという生き物はいろいろと「報道に利用されてしまう」生き物です。
これまでも記事の中で触れてきていますが、オランウータンの孤児を保護しようという
取り組みなどは日本でもしばしばマスコミに取り上げられています。
でも、その多くは、「可哀そう」という人の愛護心に訴えるばかりで、問題の解決への
本質的追及へはほとんど無関心なものばかりです。

訳も分からず「可哀そう」、「オランウータンを守ろう」といっていること自体が、
実はオランウータンから彼らの生息地を奪ってしまう動きへ加担することになっている。
大変皮肉で、遺憾なことですが、現在の野生のオランウータンの置かれている状況を
見るとそう思わずにはいられません。

ヒトにエサをもらい、ヒトに依存して成長したオランウータンの孤児たちがいまインド
ネシアではどんどん増えています。
マスコミはこうした保護の取り組みを美談として宣伝し続け、NGOは運営資金の重要性を
訴えます。
でも、このコロナ禍でこうした行き場のない個体の先行きを思うと、オランウータンの
保護っていったい何なのだ?と思います。

結局はこのような取り組みを「よいこと」として宣伝する活動を維持するために多くの
資金が投入されることになるのです。
確かに「可哀そうな目の前の、そのオランウータン」は救えるかもしれない。
でもそれってどうなのでしょう?そのオランウータンを救う一方で、森の中の多くの
オランウータンたちは忘れ去られ、棲みかを狭められることになっても仕方ないとされて
いるのです。

「オランウータンは絶滅の危機」とよく言われます。
新年早々「絶滅」をテーマにするのもなんですが、では絶滅ってどういうことなのか。
その種が生き残っていけばよいことなのか。
人類自身、多くの近縁種の絶滅の中から生き残ってきた種とされていますが、次回以降、
「絶滅」ということについてもう少し考えていきたいと思います。


(次回へつづく)

オランウータン(0).jpg


プロフィール

鈴木晃(すずきあきら)
京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。
京都大学霊長類研究所を経て、
現在「日本・インドネシア・オランウータン保護調査委員会」代表。
(一社)オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)理事長。
1983年よりインドネシア、カリマンタン島にて野生のオランウータン
の研究を続ける。

鈴木南水子(すずきなみこ)
生後6か月よりウガンダに渡り、チンパンジーの研究をする父のかたわら、
アフリカの大自然の中で育つ。自然によって生かされているヒトの生き方
を求めて、オランウータンと熱帯雨林の保護の問題とその普及啓発活動に
取り組む。


【DVD】鈴木南水子さん お話し会 『オランウータンに、 いつまでも熱帯の森を。』
【DVD】鈴木南水子さん お話し会 『オランウータンに、 いつまでも熱帯の森を。』


(社)オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)
(事務局)
〒162-0065
東京都新宿区吉町8-23 富井ビル2F
TEL 03-5363-0170
FAX 03-3353-8521

ホームページ http://moforangutan.web.fc2.com/
メールアドレス mof.orangutan@gmail.com



カテゴリー

月別アーカイブ



  • にんげんクラブ入会キャンペーン
  • メルマガ登録(無料)
  • にんげんクラブストア
  • 舩井フォーラム 講演CD・DVD
  • Kan.ワークプログラムDVD
  • 黎明
  • やさしい ホツマツタヱ
  • 舩井幸雄記念館
  • 秋山峰男の世界
  • 船井幸雄.com
  • ザ・フナイ
  • ビジネス共済なら協同組合企業共済会
  • Facebookページはこちら
  • スタッフブログはこちら
グループ会社
  • 舩井幸雄.com
  • 本物研究所
  • エヴァビジョン
  • ほんものや