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第8回 エネルギーのはなし   

「一度開発されてしまった自然というのは、
開発の波を止めることが想像以上に難しい。」
前回、石炭と脱炭素の話でこのことを書きましたが、
今回もう少し続けます。


私たちは長年にわたってオランウータンの森の変遷と
石炭の露天掘りのすさまじい発展ぶりを
この目で見てきました。
世間では「環境」だ、「エコ」だと言われますが、
実際には石炭採掘という巨大なニーズの前には
「熱帯雨林」の価値などということは
ほとんど考慮されることもなく、
開発の陰であたりまえのように森は
消滅していっているのです。
このオランウータンの森は専門家からみても、
世界にふたつとはない貴重な熱帯雨林でもあるわけです。
このまま失われてしまうには、あまりにももったいない。
その価値を知るからなおさら何とかしたいし、
何とかしなくてはいけないと思うのです。


「事実を知ってほしい。そしてもっと真剣に考えてほしい。」
これがオランウータンの森の窮境を知る私たちが
訴えてきたことです。
石炭は地球上のいろいろなところにあり、
いろいろな国の人が使っていますが、
実はオランウータンの森の石炭の多くは
日本に運ばれてきていたのです。
でも日本人の多くはこのことを全く知りません。
都合の悪いことは自分のこととしては考えたくない、
まさにこの一言に尽きます。


結果として、日本人は、
「素晴らしいオランウータンの森を破壊してまで、
この地の石炭がエネルギー源として必要だった」
ことになります。本当なのでしょうか。
面と向かってこのように問われると、答えに窮する
かもしれませんが、事実として私たちはエネルギーのため、
少しの便利のために多くの素晴らしいものを失いながら
生活する道を選んでいるのです。
「本当にそれが必要ですか?」
私たちはこの問いをあえて皆さんに問い続けたいし、
その答えの意味をひとりひとりがもうすこし
考えてほしいと思うのです。
オランウータンの森の窮境は、無関心のうちに
「知らなかった」と済まされる話ではない、
エネルギーの話そのものなのです。


こと「エネルギー」という視点に立つと、
ヒトは足るを知るなどという言葉はすっかり忘れ、
「有ること」が絶対になってしまいます。
たとえ何を失おうとエネルギーがなければ困るではないか。
常にこの価値観で、前に前にと進み続けています。
原子力もそうですが一度大きな流れになると
誰もがエネルギーがなければ困るという、その一点で
どんなリスクがあろうと納得してしまうのです。


この恐ろしい事実をもっと真剣にとらえなくてはいけない
と思います。
当然先ほどの問い、
「素晴らしいオランウータンの森を破壊してまで、
石炭が必要か」
という問いに対しても、
いくら世間が「環境」だ「エコ」だといっても、結局は、
「エネルギーのためには必要だった」
という答えが大勢だからこそ、いまでも石炭が
掘り続けられているのです。
結果的に
「エネルギーはいつでも、どこでも必要なものだから、
何でも許されてしまう。」
これが本当のところではないでしょうか。
この苦い現実を知り、私たち自身が変わらなければ、
熱帯雨林はもちろん、世界中どこでも開発は進む一方です。


私たちは野生のオランウータンという視点から
エネルギーのことを話しているので「石炭」が
大きなキーワードですが、
実はどの資源エネルギーをとってみても
エネルギーの問題は同じ根っこを抱えていると思います。
ヒトにとってエネルギーは必要不可欠、絶対だという
価値観に守られた盲目的服従の行きつくところは
地球の資源を使いつくすことなのです。
なんと大変な話ではないですか。


地球の資源は決して無限ではないし、
ヒトだけが使うものでもないのです。
森林火災や開発で荒廃した熱帯の森の中でも、
限られた食べ物をうまく利用し、群れることもなく
お互いコミュニケーションをとりながら
子育てをするオランウータン。
彼らは30年間続いている露天掘りの大開発の
すぐ隣の森で、いまもひっそりと暮らしています。
こうした彼らの姿を見ていると、
それとはあまりにかけ離れてしまっている
ヒトの世の中のおかしさを強く感じずにはいられません。


ヒトの世の中では、緊急事態宣言の解除が正式に
決定されました。
何がどう解決されたのかというと、
何も解決していないように思います。
マスクはまだ届いていません。
言ってることも、やってることもまったくおかしく、
この緊急事態に「これでいいのか?」という事態が
続いていますが、国やマスコミの宣伝に惑わされずに、
実は何が進行しているのかということを
自分自身が考えなくてはいけないと、今あらためて思います。


「本当にそれが必要ですか?」

(次回へつづく)

オランウータン(0).jpg


プロフィール

鈴木晃(すずきあきら)
京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。
京都大学霊長類研究所を経て、
現在「日本・インドネシア・オランウータン保護調査委員会」代表。
(一社)オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)理事長。
1983年よりインドネシア、カリマンタン島にて野生のオランウータン
の研究を続ける。

鈴木南水子(すずきなみこ)
生後6か月よりウガンダに渡り、チンパンジーの研究をする父のかたわら、
アフリカの大自然の中で育つ。自然によって生かされているヒトの生き方
を求めて、オランウータンと熱帯雨林の保護の問題とその普及啓発活動に
取り組む。


(社)オランウータンと熱帯雨林の会(MOF)
(事務局)
〒162-0065
東京都新宿区吉町8-23 富井ビル2F
TEL 03-5363-0170
FAX 03-3353-8521

ホームページ http://moforangutan.web.fc2.com/
メールアドレス mof.orangutan@gmail.com



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