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狼の群れと暮らした男

狼の群れと暮らした男

ショーン・エリス+ペニー・ジューノ・著
小牟田康彦・訳
築地書館 刊
定価2,400円+税


本書は、ロッキー山脈の野生のオオカミの群れとともに実際に生活をした
男性の本です。保護区などで監視・管理されている狼と一定の距離を保ち
ながら暮らす人はたまにいますが、絶滅が危惧され実際にいるかわから
ない中、本物の野生のオオカミの群れを命懸けで探し当て、2年も一緒に
暮らして本を書いた男性は世界初です。

軍隊でのサバイバルの経験を積んだ著者が、雪深いロッキー山脈で動物の
生の肉と木の実のみで食いつなぎ、ようやくオオカミの足跡を見つけたのは
なんと2か月半も後のこと。命の危険を感じながらも忍耐強くオオカミと接触
を試み続けた結果、群れの中の最下位の存在として受け入れられました。

野生のクマやイノシシなど大自然にはオオカミ以外にも様々な危険があり
ますが、そのような危険からオオカミに守られ、家族の一員として養われた
彼の経験には驚きと発見がたくさんあります。

どうしてそこまで狼に情熱を傾けられるのか......と彼のまわりにいる人も、
読者の大半も不思議に思うことでしょう。彼と狼との絆は、たぶん生まれる
前からのものだったのだろう、としか思えません。不思議だけれど、世間の
評判とか常識には目もくれず、ひたすら自分を貫いた著者の生き方は、とて
もユニークでかっこいいと思いました。

本書は、今まで誰もわからなかった野生のオオカミの生態や、優しさ、賢さ、
群れの掟など、本当にたくさんのことを教えてくれ、考えさせてくれました。
オオカミについてだけでなく、自然と離れたことによって人間の失った感覚や、
自然を支配できると思ってしまう傲慢さなど、人間の生き方や、地球全体の
環境にも思いを馳せることができました。

また、著者がネイティブアメリカンの長老から教えられる意味深い教えなども、
心に響きました。

日本では、明治以降にオオカミは絶滅してしまったようですが、それによって
シカなどの草食動物が増え、生態系に大きなゆがみが起きているとも言われ
ています。

ぜひ多くの方に本書をお読みいただき、古来ともに生き続けてきたオオカミの
スピリットを、感じてみてほしいと思います。


(編集室 兒玉裕子)

にんげんクラブ会報誌 1月号より




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