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第65回 新宿に生きた一族300年の血或いは魂の因果、そして、人(けもの)の未来への希望の物語『ストリートチルドレン』(盛田隆二著)

みなさん、こんにちは!
にんげんクラブ世話人の川端淳司です。

お元気にお過ごしでしょうか?

私は先日、にんげんクラブ東京支部のイベント『気づき~絆~』に参加頂いたこともある
アーティスト・武藤邦弘さんの素敵な作品『潜水夫の家』に出会えました。

140808川端さん.jpg

その絵は武藤さんがフランスの芸術家ジャン・コクトー(詩人、小説家、劇作家、評論家とし
て著名であるだけでなく、画家、映画監督、脚本家としての活動も行った)の『大股びらき』
という短編のあるシーンにインスパイアされて描かれたものなのですが、描かれた提灯ア
ンコウのいる深海、家、海底、光、洋上の鳥、などが私の想像力を掻き立てました。

絵画って本当に大きなエネルギーを持っていますね。

みなさんの絵を見られた感想ははどのようなものでしょうか?

私の物語はfacebookの8月4日の投稿を参照くださいね。
https://www.facebook.com/junji.kawabata

ところで、明日8月9日(土)には元にんげんクラブ代表会員川島伸介さんのパワスポツアー
で知り合った仲間の歓送迎会があります。

仲間の一組は結婚という新しい道を、もう一組は大阪から八ヶ岳の地へと新しい道を歩ま
れます。

既ににんげんクラブを卒業された方もいらっしゃいますが、利害関係のない仲間が時に支え
影響し合い、それぞれに新しい道を進むことが、ミロクの世の第一歩のような気がして、良き
世の萌芽をとても頼もしく感じています。

異常気象などもありますが、舩井幸雄さんが死の直前に確信された『ミロクの世(良き社会)』
を一人一人は微力でも、ともに行動して実現させましょうね。

さて、連載第65回目は、前回ご紹介した夭折の美人日本画家・瓜南直子さんの人生を変えた
盛田隆二さんのデビュー小説『ストリート・チルドレン 』をご紹介いたします。



1699年の内藤新宿から1998年の未来の新宿(1990年刊行の為)まで、社会の底辺を生きる
一族の血の因果を廻るその物語は、親方の嫁を孕ませた三次から連なる因果を、新宿という
しがらみの街で13代に渡って生きる男と女の悲痛な生と性の軌跡です。それは今の日本と同
様、生きるのに過酷な世界。

本書に出会い、画家として人間として半ば覚醒した瓜南直子さんは本書をモチーフに描いた画
『けものへん』に関して、作家の盛田隆二さんに次のように語りました。

「けものを通して世界を見ることを知ったとき、荒ぶる青春と決別できたの、やっと」
「ごめん、分らない」
「そう? けだものの愛おしさ、いたましい命、盛田さんの小説から読み取ったんだけど、勘違い
かな?」

私自身はこの小説に300年に渡る血の因果だけでなく、一族の周りの世代を超えて同じ役割を
担う人たちから、魂の因果(輪廻)もまた強く感じました。

絶筆となる豊饒の海シリーズ全四巻で四世代の輪廻転生の物語を描き、最終巻の天人五衰で
はその輪廻を真っ向から否定し、資本主義に魂を売った日本人の覚醒を命を賭して促そうとした
三島由紀夫とデビュー作の僅か1巻で13世代を描いた盛田隆二さんとの間に不可思議な縁を
感じます。

三島の死後40数年を経て白日の下にさらされたでっちあげの戦争や原子力など産業利権構造と
その裏にある闇なる力。今、日本は、世界に誇る芸術・文化・平和・完全循環型農社会を成した
江戸のマインド、更に遡れば2万年の平和を享受した縄文のマインドを取り戻す時にあり、究極的
にはそれを願ったであろう三島の魂魄を背負う役割が本書にある気がしてなりません。

自らの血と魂の遍歴に思いを馳せることを想起させてくれる疾走感に満ちた傑作であり、一族
最後の鉄男の物語はレイモンド・チャンドラーのミステリーの如く読者を惹きつけます。
多くの方に読んで頂きたい、時代が必要とした小説です。




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