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三浦正雄/矢原秀人(著)
価格:1,680円
出版日:2013年2月
出版社:ヒカルランド
本書は、夏目漱石、宮沢賢治、遠藤周作、南方熊楠、新渡戸稲造、菊池寛、三浦朱門、
柴田錬三郎、佐藤愛子、小泉八雲、稲垣足穂、火野葦平、土井晩翠、小山内薫、
長谷川時雨、長田幹彦と、一流の文学者たちが実際に体験し書き遺したあの世、霊界
についての記録をまとめたものです。
2006年にホメオシスから出版された「あの世はあった 文豪たちは見た! ふるえた!」
を、大幅に加筆修正して、今回新たにヒカルランドから出版されました。
読み終えての感想は、「すごく面白かった!」でした。面白いからいろいろな人に読んで
いただきたい本ですが、怖がりな人はやめておいたほうが良い本でもあります。
というのも、それぞれの体験談は事実なだけに非常に詳細な幽霊の描写が多く、夜間は
怖くて読めませんでした。本書を読むと、幽霊と波長が合いやすくなってしまうかもしれま
せん。
個人的に好きだったのは、新渡戸稲造と菊池寛のエピソードでした。
現在はスピリチュアルブームなどもあり、霊界やあの世の話をするのはさほどタブーでは
なくなってきましたが、少し前までの昭和の時代は、エリートがあの世の話をすることは、
非常に珍しいことでした。しかし戦前までは、エリートも著名人も真面目にあの世について
語っていた時期がありました。
本書を読んで、新渡戸稲造は、真面目に霊について語り、あの世があることを認めた上で、
国のために命がけで活動をしたすばらしい人だったとわかりました。
また菊池寛は、非常に優れた文学者、経営者であり、豪快な性格の方だったようです。
霊感が人一倍強かったにもかかわらず、体験した霊現象について関心も持たず、文章に
書き記すこともなかった人でした。
ではなぜ菊池寛が霊現象に遭遇していることがわかるかというと、評論家の小林秀雄が
そのことについて書き記しているのです。
にんげんクラブの会員様には、あの世はない、霊はいない、と思う方はほぼいないと思い
ますが、本書を読めば「あの世はあった」ということをさらに確信できると思います。
(にんげんクラブ会報誌 5月号より)