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中山靖雄(著)
価格:1,200円
出版日:2013年2月
出版社:海竜社
修養団 という公益財団法人があります。
1906(明治39)年に誕生した社会教育の非営利団体です。ここの常務理事や伊勢
道場長を勤められたのが著者である中山靖雄先生です。
特別支援学校の教諭で、その職務をきちんと果たしながらも、週末は日本中を講演して
歩いていて、亡くなった教え子との約束である「(人間は)みんな同じで、すべての人が尊い
役割を持って生まれてきた」ということを多くの人が知ることできる世の中が実現するために
がんばっている山元加津子先生を取り上げたドキュメンタリー映画「1/4の奇跡」に中山
先生が出演されています。
その「1/4の奇跡」の監督である入江富美子さんにご紹介いただいて、にんげんクラブの
会報誌で中山先生にインタビューをさせていただいたことがあります。その原稿をまとめて
くれたのがこだまゆうこさんで、そのこだまさんが出版社の編集者を紹介して本書が生まれ
ました。だから、この本が生まれた経緯には、いろいろな人のいい世の中を作りたいと思いが
詰まっているのです。
私は実は20年近く前に修養団に泊まって正式参拝をさせていただいたことがあります。
修養団に行って中山先生のお話を聞いたことは覚えていたのですが、何の会で参加した
かは実は忘れてしまっていました。ところが、本当に久しぶりにお会いした中山先生は私が
誰の会で修養団にやって来たかをちゃんと覚えていました。それどころか、食堂のどのあたり
の席に座ってご飯を食べていたかまで覚えておられるようです。
ここまでできるのは実は理由があります。中山先生は修養団にセミナーを受けに来られる
方の名前をまず全員覚えられます。そして、伊勢神宮に行って全員の名前を唱えながら
参加者にとってセミナーが実り多きいものになることをお祈りに行きます。そして、セミナーが
終わればやはり神宮に行って、今度も全員の名前を唱えながら心を込めてすばらしい
セミナーになったことのお礼を言われるのです。だから、私のこともありありと覚えておられる
のです。
本書には「いいふう」に生きるためのヒントとなる珠玉の話が満載です。本書を手元において
ふとした時にランダムに開けば、ちょうどその時に必要なメッセージが感じられるような本だと
思います。
私は信用金庫に勤めている女性が初任給でご両親をホテルのレストランに連れて行った話が
大好きです。せっかくの娘のおもてなしなのにお父さんは不機嫌そうに腕を組んで上を向いて
いるのです。でも、最後にその理由が下を向いたら涙が流れてしまうのをこらえきれないからだ
とお父さんが話をするのです。誤解が溶けた娘さんは不器用だけどどれだけ自分がお父さんから
愛されているかを実感して号泣してしまうというお話です。
このようなちょっとしたエピソードから、目に見えない世界の大切さや魂のこと、さらにタイトルに
あるように「いまここ」の大切さまで、これからの混迷を生き抜いて行く上で大切なことは全部
詰まっている本です。私は座右の書にしたいと思っています。
(船井勝仁 ドッドコムより)