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スワミ・ラーマ(著)
価格:2,310円
発刊日:2012年8月
出版社:ヒカルランド
本書は、ヒマラヤ聖者とともに生活しながら、自らもヒマラヤ聖者になりたいと
修行を行っていた聖者の自叙伝です。個人的に『ヒマラヤ聖者の生活探究』が
好きなので、本書もすごく楽しく読むことができました。
聖者たちが教えてくれる言葉には、たくさんの珠玉の言葉があります。
もしも仕事や家庭がなかったならば、ヒマラヤに修行に行ってみたい、なんて
妄想を起こさせてしまうほど魅力的な一冊だと思います。
本書に出てくる聖者たちは、空間を瞬間移動したり、天候を自由に操作したり、
何もない空間から財宝を出したり、奇跡のようなことを次々と見せてくれます。
ただ『ヒマラヤ聖者の生活探究』と違うところは、著者が修行中のスワミで
あるため、自分のエゴに勝てず何度も失敗して、人間くさい部分がかなりある
ところです。そのため、現代に住む私たちにとっては、その人間くささに、
よりリアリティがあり、親近感を得られると思います。
著者の師や、師のさらに師、亡くなった後に肉体が消えた聖者など、
死をコントロールできた多くの聖者は、本物の聖者なのだと思います。
ところで、著者に興味を持ったためインターネット調べてみると、自らの
教団を作り、病院の建設など社会に様々な貢献をした一方で、死後に女性
問題で裁判を起こされるなど様々なスキャンダルがあった、と書かれた
サイトがいくつかありました。インターネットの情報は玉石混交なので、
本当かどうかはわかりませんが、誰かや何かをただ妄信するのでなく、
様々な情報を知っておくことも大切だなぁと思いました。
ともすれば聖者たちの起こす事象に心を惹きつけられますが、先月の会報誌
インタビューの中健次郎先生から、
「単なる現象でしょう。現象を超えた世界が実相の真実の世界です」と
教えていただいた言葉がいかに重い言葉であるかがわかりました。
それはさておき、本書はすばらしい本です。
人間は何を学びどのように生きればいいか、たくさんのヒントを与えてくれて、
何度も読み返したい本だと思いました。
ぜひお読みくださいませ。
(にんげんクラブ会報誌2013年2月号より)
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