サイトマップ

最新トピックス

« 前の記事を読む | BLOGトップ | 次の記事を読む »

ミロクの世の創造への叡智が詰まった素晴らしき思想書『場の思想』

みなさん、こんにちは!
東京支部の川端淳司です。

9月22日、23日の船井幸雄オープンワールド2012・にんげんクラブ全国大会がもう直前
ですね!

船井幸雄会長からフロンティアショップのSeiさんへ送られた先日のFAX内容では体調が良く
ないご様子ですが、一日も早い回復を祈念いたします。会場でお姿を拝見し、お話を拝聴できる
と幸せですね。

私は両日、にんげんクラブの仲間と参加し、『東京支部だより』を東京支部の大空さんと2階の
ブース等でお配りするので、我々に気づかれた方は気軽に声をかけてくださいね。

さて、休載していた連載第二十六回目は、8月の『和田晃一の読書塾』のテキストだった
東大名誉教授&NPO『場の研究所』所長である清水博先生の「場の思想」です。
 
 


2003年に上梓された本書は、地球規模での共存共栄のミロクの世の実現が急務である
現代に必要な智慧が凝縮された思想書です。

近代文明を乗り越え地球文明を創造する為の限りなく深い叡知が詰まっており、
にんげんクラブ活動を行う上で、非常に示唆に富み大変勉強になりました。内容が深く
凝縮されていて難しい思想書ですが何度も繰り返し精読頂きたい良書です。

以下に清水先生のとても深い言葉・思想をテーマ別にご紹介します。よろしければ、
何度も反芻して読んでくださいね。

本書との出会いが皆様一人一人にとって、これから主人公(=リーダー)として、この変革の
時代を生きる一助となれば幸いです。
 

【現状と今後の転換・変態】

・ 20世紀の終わりには、「欲望への欲望」によって欲望を自己増幅させ、欲望を巨大化して
人類を支配するメガマシーンが生まれた。それは地球を覆う欲望の自己組織システムである。
現代文明とはグローバル化したマネーの流れが人間の生活を隅々まで支配し、隷属している
メガマシーンのことなのである。
・ 地球規模のIT化によって起きる重要な問題の一つは、経済と流通から倫理性が失われる
ことである。
・ 現在は大きな歴史的分岐点にある。主客分離の立場に立って力の支配によって世界に
秩序をもたらそうとするのか、主客非分離の立場に立ってコミュニティ的生命世界を実現する
形で秩序を生成しようとするかの分岐点である。
・ 日本では社会の大きな転換期になると、生存への危機感から精神的「贅肉」が抜け落ちて、
人々は生死の場に生きていることを自覚し始め、限りなく偏在的な生命(=純粋生命=火の
鳥?)の活きに目を向ける。生命への危機感によって、出会いの場が社会に生まれ、その場に
おいて人と人が出会い、そこから社会的創造の活き(共創)を拡大させて行く。
・ 現実の社会は自分を映す鏡であり、その中に現れる様々な行き詰まり現象こそ、否定すべき
自己の姿を表現している。
・ 権力者のレベルで構造的に腐敗がおきているために、身分制度そのものを否定する以外に
社会が閉塞的な状態から抜け出ることはできない。
・ 限りなく偏在的な生命(=純粋生命=地球生命=火の鳥?)への関係を失った人間の精神は
荒廃し、生命力を失って衰退している。
・ 情報・マネー・政治・行政・銀行・警察・医療・教育・グローバル化した市場経済に関する不信の
洪水を取り除く変態的な変革のドラマを作り出すことこそ、社会にとって最も重要な課題である。
・ 社会が病気の状態にあるときには、人生の生死観が深まるために文化的な創造の芽が生ま
れるチャンスに恵まれることがある。
・ 社会の病気の状態とは、昆虫のさなぎの中で起こる変態のように、表面からは見えないところ
で創造の芽が生まれ、育つ状態なのである。この大きな転換期の今こそ、私達が日本の文化を
変え、実践的な性格を持つ新しい文化を創造するために与えられた千載一隅の機会である。
・ 社会の変態的な転換は、社会に生きる人間のものの見方が根本的に深まって、新しい価値の
世界が見えてくることによっておきる。
・ 転換期の行き詰まりを突破する為には創造が必要である。この創造を共創の形で進めること
が時代の転換なのである。
・ 転換期における問題解決には、世界の枠を広げて矛盾そのものを根本的に解消するという
方法が必要になる。
・ 閉塞的状況を打破する精神的なエネルギーは、まず舞台を広げ、パトス(情)の働きに火を
つけ、共感によってこれを燃え上がらせることがなければ生まれてこない。

【人間・宗教・藝術】

・ 自分自身を救いがたい悪玉として見て、自己否定から出発することが必要なのである。
・ 悪人としての自覚に深く徹するならば、地球のこの危機的状況に対して、自分自身が背負って
いる罪の大きさと責任の重さに驚くであろう。
・ 人間は自己の外部と同様に、自己の内部にも知らない世界があることになかなか気が
つかない。
・ 生きることとは、自己の内なる生命を表現すること。
・ 宗教とは自己の存在が純粋生命(=火の鳥?)の活きによってその存在を深める動的な活動
である。
・ 優れたアーチストたちの藝術表現では、各部分の表現が全体の表現を包含していると
言われる。
・ 浄土教の本質は、称名念仏にあるのではなく、自我の分別・はからいを徹底して断念する、
自分の心を放下することにあったのである。
・ 人間は自己が閉鎖的で解放されていないことから、欲望中心的価値観に従って生きるので
ある。
・ 「救済者」とは、人間に働いてその価値観を主客分離的なものから主客非分離的なものに
変えて、人間の自己中心的活動をコミュニティ的活動に変態させる超人間的生命のことである。

【出会いの場】
・ 細胞があなたの生命~あなたの体全体に宿っている生命~を感じるものが場である。
・ 主客非分離性を考慮して主体(自己)の活きを入れると、(場所的自己言及によって)場が
現れるのである。
・ 全人生を参加させて行う出会いこそが、日本の場の文化の核心である。
・ 人が人と出会うまでには、様々な経験を重ねながら無意識のうちに準備をしているのでは
ないだろうか。そしてそのように準備をしている双方にとって最も相応しい時があり、その時が
互いに一致して出会うのである。
・ やがて別れる人々が出会う「出会いの場」が大きな時代の転換期に重要な役割、すなわち
時代を創造する役割を果たしてきた。
・ 一期一会の出会いの瞬間には、場に人生が凝縮する。
・ 出会いの場は生死の場に接することによって開かれる。
・ 空海、上泉伊勢守信綱、織田信長、千利休、芭蕉、吉田松陰、高杉晋作、坂本龍馬など転換
期に懸命に生きた人物の周囲には強烈な「出会いの場」が形成され、その出会いの場において
魅力的な出会いが行われて、創造性の高い精神的活動が行われていたと考えられる。
・ 日本の場の文化の根底にあるものは生死の場の不完結設計という考えである。そこには
出会いが創造を生むことによって設計が完結するという思想がある。
・ 出会うということは、互いの歴史的生命が空間的に凝縮するばかりでなく、時間的にも凝縮し、
そして互いにぶつかって共時的に活くということである。
・ 出会いの場づくりには、見えない舞台づくりのために自己を捧げて悔いない志の高さが必要で
ある。出会いの場が用意されてこそ、異質の人々による共創が可能になるのである。明治維新
にその場づくりの役を担ったのは坂本龍馬であった。
・ 現在のITは砂地というブロック化できないものを送ることができない、つまり場を送ることが
できないという大きな落とし穴を持っている。
・ 全体とはその内部に砂地すなわち場を含み、その場に部品(個物)を位置づけることができる
もの(世界)を言うのである。

【これからの組織】
・ これからの時代の組織の経営者が「善への感性」と「善を実行する勇気」を持っていなけれ
ば、精神的エネルギーを失って内部から崩壊する。今ほど日本の経営者(独立法人化した大学
経営者も含む)が自己否定を通して創造的思考力を身につける必要があるときはないのである。

【純粋生命(=限りなく偏在的な生命=地球(宇宙)生命=火の鳥?)・慈悲】

・ 純粋生命との出会いによって人間は開かれ、そして人格的に磨かれる。
・ 純粋生命の働きが身体において実現することによって、その身体の状態は全宇宙の智慧が
活く動的な状態になる。
・ 我々が純粋生命の活きに合わせて、人間と自然の「救済者」として活動することを通じて、
我々自身も救われる主客非分離性に奉仕活動の根本があると考えられる。
・ 我々は純粋生命の一部になって、地球に共存在の場をつくる活動をしなければならない。
・ 純粋生命に触れることによって、自分自身にとらわれる心、すなわち我執が消えていく。
そして、それとともに、ともに生きて存在していることを心から親しくまた懐かしく感じるのである。
・ 破れた屋根から差し込む月の光を、純粋生命が送る大きな慈悲の表現と見て、自分に働き
かけてくるこの純粋生命の活きに、精一杯答える慈悲の表現の創出こそが、不信の時代を
人間の創造力によって越える原理である。
・ 慈悲とは自己の生命の活きを他者に与えること
・ 限りなく偏在的な純粋生命の活きは、私達の心に深く届く大きな慈悲心である。
・ 限りなく偏在的な純粋生命の活きに合致する形で創造される新しい文化は、善を表現する
力を持っている。更にその善の奥には、真と美があり、新しい表現を待っている。私達の活動が
真善美の表現に到達した時に、新しい文化が生まれる。
・ 純粋生命の内面からの活きかけによってパトスのレベルが高められると、目線が下がって
誰もが対等に見えてくる。そして、人を信じることができるようになる。

【挫折】

・ 人生の挫折は、もしもそれを素直に受け入れることができるなら、自分の心を縛ってきた
様々な拘束を剥いで、剥き出しの真実を見せてくれる。
・ 大きな挫折感があってこそ、大きな創造の力が生まれるのである。この挫折から創造への
反転は、自己の使命を深く掘り下げることによって生まれるのである。

【共創・創造・構想力】

・ 創造は世界の枠を内部から広げる活動である。
・ 創造とは、自己の身体が開かれて全宇宙の智慧が活く動的な状態に置かれた時に、その身
体が全宇宙の法則性である縁起の活きを実現して宇宙的な活動を創出することである。
・ 創造者にとって時間とは生成する存在であって、座標軸のように自己の存在を位置づける
枠ではない。
・ 異質の「我と汝」が「我々」として統合されさらに開かれることが共創の必要条件である。
・ 人と人との出会いに、純粋生命も出会う。そして、生と死の間の緊張関係を共有してともに
創造的に生きていく瞬間瞬間を自覚する感動から互いの生命力が更に圧縮されて高揚した
精神が生まれる。そして、その高揚した精神から爆発的な創造のエネルギーが生み出される。
・ 創造とは、限りなく偏在的な純粋生命が表現する生命の進化というドラマの一部として、
人間が自己表現を創出すること。
・ 日本の政治にも、社会にも、大学にも、切実に必要なのは、和魂洋才を進めてきた適応的
知能ではなく、大きな構想を生み出す創造的知能なのである。
・ 悟性(ロゴス)と感性(パトス)という質の異なる知性を統合して新しいイメージをつくり出す
創造的な知的能力、これが構想力である。
・ 構想力とは未来への想像力と、場の設計能力(場づくりの能力)が結合した統合的能力と
いえよう。

【日本文化】

・ 日本文化の大切な特徴は、自然のたたずまい(自然の自己表現)が純粋生命を表現して
いると考えるところにある。

【生命】

・科学によっては手を出すことができないのが活きとしての生命の世界。

 
 
******************************

《補  足》

■9月30日(日)「江戸しぐさ講演会」のご案内
 
江戸の良い文化を現代に甦らせるべく活動されている東藝術倶楽部主催の
「江戸しぐさ講演会」(にんげんクラブ東京支部協賛)をご案内いたします。
黒木代表のご好意により、にんげんクラブ会員は会員価格で参加できますので、
日本の素晴らしい文化である江戸しぐさの第一人者越川禮子先生の講演に奮って
ご参加ください。     
  
                    記
 
1 日時:9月30日(日)開場13時30、講演14時~17時
2 会場:新宿歴史博物館2階講堂
(場所 http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=91
(100名収容可) 
3 講師:越川禮子先生(NPO法人「江戸しぐさ」理事長)
    (池田整治先生の講話及びキリロラさんの歌舞も予定)
4 主催:東藝術倶楽部
5 協賛:にんげんクラブ東京支部
6 参加費:会員3,000円(協賛の会員含む)、一般3,500円
7 懇親会:17時30分~19時30分予定
  30名限定(先着順)、会費5,000円(アルコールあり)、4,000円(同なし)
8 申込先:森山(morifumi71@azuma-geijutsu.com)までメールにて
  お申込み下さい。
 なお、懇親会参加希望者はその旨を(アルコールの要不要とともに)記して
 下さい。
9  ちらし:http://azuma-geijutsu.com/event2012,9,30.html
                                    以上

 
 
 
 



カテゴリー

月別アーカイブ



  • zoom寄合
  • にんげんクラブストア
  • 秋山峰男の世界
  • やさしい ホツマツタヱ
  • 舩井幸雄記念館
  • 黎明
  • 船井幸雄.com
  • ザ・フナイ
  • ビジネス共済なら協同組合企業共済会
  • Facebookページはこちら
  • スタッフブログはこちら
グループ会社
  • 舩井幸雄.com
  • 本物研究所
  • エヴァビジョン
  • ほんものや