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夭折のSF作家・伊藤計劃が我々の良心を問う傑作「虐殺器官」

みなさん、こんにちは!
東京支部の川端淳司です。

暑い日が続きますが、如何お過ごしでしょうか?

私は7月14日のにんげんクラブ・幸塾月例会で司会をさせて頂き、福田純子先生からは
笑顔と仲良く(右翼と左翼のあいだ)の大切さを、飯島秀行先生からは、
「想い+行動=エネルギー」という宇宙でたった一つの法則を身近で学ばせて頂き、
充実した時間を過ごしました。

7月22日には、にんげんクラブ・幸塾・新日本文芸協会協賛というまだ小さいけれど、確かな
ミロクの世への雛形となる、東日本大震災復興・再生支援コンサート&講演『気づき・・・絆』を
開催しました。

池田整治先生と大下伸悦先生の講演、縄手純二さん、フロンティアショップでおなじみのSeiさん
とプロのギタリスト内田充さんのコンサートが創造したとても感動的な時空間をみなさんと共有・
共感でき、関わった全ての人に感謝の気持ちで一杯です。

利他の願いが叶う?かも知れないSeiさんのコンサートへぜひ足をお運びくださいね。


さて、連載第二十二回目は、小説家として僅か3年、34歳で夭折した、今ここを生きたSF作家・
伊藤計劃さんの「虐殺器官」 (ハヤカワ文庫)です。
 
 

 

自死の日に描き終えた『豊穣の海シリーズ』で、輪廻転生を深い意味で敢えて嘲笑い、
『美しい星』で宇宙人の家族の物語を綴った三島由紀夫や最新作『1Q84』でアセンションに
向かう世界のパラレルワールドを描く村上春樹は時代が生んだ小説家ですが、伊藤計劃も
また天のメッセージを授かる時代が生んだ作家だと僕は感じています。

近未来の米軍暗殺部隊に所属し、かつて文学青年だった主人公クラヴィス・シェパード大尉が
語る物語は閉塞感漂う世紀末の現代社会が経験したかも知れないもう一つの世界を我々に
提示し、我々に如何に生きるべきかを深く問いかけてきます。

ことばと意思と意識、良心、心(感情)の人工操作とカウンセリング、自殺、宗教、母子関係、
虐殺、罪と罰と赦し等を切り口に、日本・海外の優れたアニメ・漫画・小説のエッセンスを貪欲に
取り込みながら、人と社会の闇を描いたベストSF 2007第1位の傑作小説です。
 

主人公のシェパードは語ります。

『言葉にはにおいがない』
『死者(自殺した者)は残った者を赦さない』
『人は選択することが出来る』
『音は視覚と異なり、魂に直に触れてくる。音楽は心を強姦する』
『自分で決断する恐ろしさと残酷さ』
『生の実感を得るために戦場に赴き人を殺す』
『大量に人が死ぬことに、世界は慣れつつあった』
『人間とは利他精神で身を滅ぼしてしまうことのできる種族』
『人々は自分が屍の上に立っていることに気がついていない』
『文明は、良心は、殺したり犯したり盗んだり裏切ったりする本能と争いながらも、それでも
 より他愛的に、より利他的になるように進んでいるのだろう。だが、まだ十分にぼくらは
 道徳的ではない。まだ完全に倫理的ではない』

  

世界の虐殺現場になぜか居る暗殺目標ジョン・ポールは語ります。

『仕事は人間の良心を麻痺させる。仕事とは宗教なのだ』
『膨大な数の価値判断が衝突し、ぎりぎりの均衡を保つ場所に、良心と呼ばれる状態は在る』
『愛国心が戦場へ行く動機になったのは、民主主義が誕生したから』
『戦争は愛によって戦われうる。生存の適応として相容れないと思われる愛他精神と
 殺人衝動とが、ここで奇妙に矛盾を解消してしまう』
『人々は見たいものしか見ない』

 

ラストは壮絶なカタルシスで幕を閉じ、日本SF3冠を達成した作品『ハーモニー』へと
引き継がれます。
癌と闘い夭折した日本人作家から我々へのメッセージ。

戦闘描写やSF用語等読み辛いところがあるかもしれませんが、機会があれば、ぜひご自身の
心と魂をそのメッセージに重ね合わせてみてください。

何かが心の中に浮かび上がってくるかもしれません。




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