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みなさん、こんにちは。 お元気ですか?
月火を挟んだ強風が印象に残る一週間でしたが、私は月火と、にんげんクラブ代表会員を
卒業された川島伸介さんと20名弱の仲間たちと東国三社や明治神宮等を巡り、一人ひとりの
行動の誓いと、大難が小難となり良い世の中となるよう祈りを捧げてきました。
この間、快晴で風も穏やかな陽気であったことを神さまと自然に感謝しています。
さて、連載第十一回目は前回に続き、現代日本で最も鋭敏な批評眼を持つ作家の一人、辺見庸氏の1997年~2007年までのエッセイ集、「記憶と沈黙 」(毎日新聞社)です。
東京新聞、月刊現代等への掲載文と書下ろし「垂線」で構成されていますが、2012年の今、
我々が必要な思考の深みがあります。
日常生活で気づき得ない日本の政治・マスメディア・大衆心理の危機や我々が無意識で
関わっている罪や恥を考えるきっかけとして、氏の著書を未読の方には強くお薦めします。
~本文より抜粋~
・皆と一緒の行動には大抵救いがたい無神経とヒューブリスと暴力ないしその初歩的
形態がひそんでいる。
・歴史とはどのみち幾重にもあざなえる大小異質な不正義の縄の、虚偽の結び目の
ごときもの。記憶は歴史の紙くさい平面に垂直に食い込もうとする意思のようなもの。
・小泉時代は第一に物事を生真面目に考えること、深く思惟することの無力感、不正に
どこまでも異議を唱えることの徒労感を蔓延させた。すなわち、シニシズム(冷笑主義)の
かつて無い伝播である。加えて、マスメディアと政治権力の臆面もない連携と強調も小泉
時代に極めて特徴的な風景であった。そして、唯一成しとげた貢献とは米国の戦争政策
への全身全霊を捧げた売国的協力でしかなかった。
・人はファシズムを実時間に自覚することが少ないものですが、いま私達の眼前に競り
あがっているものこそ、21世紀の新しいファシズムかも知れません。
・TVとは恥の花が時の別なく繚乱している世界なのですね。いや、恥の花じゃなくて、
無恥の百花繚乱。無恥のばか花が咲き乱れ、まっとうな知が駆逐されている。
・資本の法則には人格はありません。人倫など入り込む余地がない。人格がなければ
恥も存在しません。
・ドイツのノーベル賞作家ギュンター・グラスがナチスの武装親衛隊に所属していたと
告白した出来事は、人間の恥辱という実存的問題あるいはファシズムと恥辱という
歴史的課題についての彼我の感覚の違いを知る上でも非常に示唆的でした。
・百人支持してくれればいい。五十人でいい。百万人の共感なんかいらない。そんなもん
浅いに決まっているからね。
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◆追記◆
3月31日(土)のアートフェア東京で、知り合いの画家の阿部清子さん、高木優子さん、
阪本トクロウさんとお話してきました。
阿部清子さんは真摯に生きる人物画、高木優子さんはダビデ六芒星や星と人物による天命・使命への道をテーマとした人物画等。
阪本トクロウさんから、彼の日常の何気ない風景を描いた寒暖併せ持つ絵を見た「百人の内、
二人が分かってくれれば良いと思って制作している」と聞いた時、辺見庸さんの「(分かって
くれる人が)五十人でいい」という言葉に繋がりました。
また、応援している画家の設楽雅美さんが東京の神田で4/2-10の間、グループ展「春麗展」を
開催しています。春らしい小品二作とのこと。心休まる絵に興味がある方は、ぜひ足を運んで
見てください。
木ノ葉画廊HP
http://www.konoha-g.jp/index.html
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◆川端淳司プロフィール
氏名:川端淳司。会員番号3853番。1972年大阪生まれ大阪育ち。現東京在住。
2月より東京支部リーダー。
1999年、船井幸雄さんの『男30代悔いなく生きる約束事』をプレゼントされ、
氏の著書がビジネスのバイブルに。
2003年、『この世の役割は人間塾』で人間の本質は魂であることを直感で理解し、
氏の著書が人生のバイブルに。
海外勤務時代にクラシックコンサートと美術館へ共に100回近く通い、2009年に帰国後、
アートを通じた良い世の中をモットーに日本人若手画家の絵を購入して応援中。