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インドでは列車での移動が主な旅の手段でした。
窓の外の眺めは行けども行けども終わりが無いかのような同じ景色。
ずぅっと畑です。
畑と列車の線路の間には溝が掘られてあって、牛の死骸や車のスクラップなどが目に入りました。
死骸なんて見たことは無かったのですが、これもまた行けども行けどもずっと続きます。
この牛の死骸たちは電車に跳ねられてしまったのでしょうか?
それとも溝に葬られているのでしょうか?結局意味は不明のままでした。
そんなことをボーっと考えながらの列車の旅。
ゴトゴト・・・ゴトゴト・・・と、ゆったり走る列車の旅ですから、なんといっても楽しみは“停車”です。
窓越しに色々な物を売りに来てくれます。
カレー・サモサ・チップス・ミネラルウォーター・ジュース・・・おいしそう!
私の楽しみは、『チャイ』。お茶です。
お値段は幾らだったかは忘れてしまいましたが、本当に安かったと思います。
このチャイですが、素焼きの可愛らしいカップに入れてくれます。
ちょっと小ぶりのカップです。
手作りで素焼きなので、『かわいい!』と喜んでいました。
そして、飲み終えたカップをお茶屋の少年にお返しすると、
なんと少年は地面に叩きつけて割ってしまいました。ええッ?カップを叩きつけて割るなんて!
けれども少年は驚く私の事などお構い無しです。
見ると、どなたのカップもそうしています。
素焼きですから、わざと割って細かく砕き、土に還りやすくするのだそうです。素晴らしい!
ちょっと乱暴な気がして驚きましたが、すぐにその考え方に賛同できました。
最近はプラスティックのカップが主流になりつつあるそうですが、やはり素焼き派も多いのだそうです。
プラスティックは提供する側にとっては品質が安定してよいかもしれませんが、
やはり手作りの素焼きのカップは温かみが有って味も格別です。
1杯飲んだらパリンッ!と割ってしまう切なさもまた良いのかも知れませんね。
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尾崎友俐 (おざきゆり)
◆株式会社オリエンタル
◆女性総合研究所(女性支援・起業塾)