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野口 晴哉 (著)
2003年2月 刊
出版社: 筑摩書房
この本は、「社団法人整体協会」の創始者である野口晴哉氏(1911〜1076)が書いた本です。
野口氏は、12歳の時に関東大震災に被災した際、本能的に手をかざして治療したことを契機に
治療家を目指したそうです。
野口氏は独自の整体方法をまとめあげ、後に多くの整体指導者を育てました。
一説によると「整体」という言葉は野口氏の発明だという説もあるようです。
そんな野口氏の書いたこの本には、風邪に対する既存の常識とは随分違う概念が
書かれていて、びっくりしました。
風邪とは身体の弱い人がひくものかと私は思っていたのですが、野口氏によると、
風邪はひけばひくほど身体が調整されて丈夫になる、とのことでした。
風邪をここ数年ひいていないという人は、風邪をひくこともできないほどに身体が鈍っている
場合が多い。風邪をひかない人に限って、ある日突然心臓発作や脳溢血など大病に
襲われることがある・・・という部分を読むと、日頃うとましく思っている風邪が、妙にありがたい
ものに思えてきました。
人の身体の癖による風邪の引き方や、背骨捻じれと風邪の関連性、春夏秋冬の風の特徴、
風邪の時の風呂の入り方など、目からウロコの記事がたくさんです。
少々整体に関する専門用語も多いので、同じくちくま文庫から出版されている「整体入門」と
併用して読まれることをオススメいたします。
(にんげんクラブ会報誌2008年6月号より抜粋)