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今月の舩井勝仁の言葉

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僕が地球にやっ て来たワケ 第45回


最近思うこと

にんげんクラブ WEBサイトより
ウィークリーレポート( 3/16 更新)

大予言

 ウクライナの紛争は、
この原稿を書かせていただいている
月曜日(3月14日)時点では、
膠着状態を迎えています。
すぐに占領が終了するだろうと
予想していたロシア側は
予想以上のウクライナの抵抗に
びっくりしているのかもしれませんし、
欧米がここまで強い結束で
制裁を強化してくることも
予想以上だったのかもしれません。

ただ、双方とも
さすがにそろそろ落としどころを探る動きが
出てくる頃なのではないかとも思います。
開戦前にバイデン大統領は
軍事介入しないと宣言してしまっているので、
欧米側もできることは限られていますし、
ロシアにしても
落としどころが見つかるのなら
停戦はやぶさかではないと思います。


 米露に英仏を加えた
核保有国同士の戦いは
人類を破滅に追いやります。
バイデン大統領がおっかなびっくりなのは、
これが原因です。

逆に、ここで一方的に
ロシア側に有利にことが運んでしまうと
二度とロシアの暴走を
止めることができなくなります。
互いに相手のメンツを立てながらも
如何に実利を得るかというところが焦点になります。

実際に、今回は
ヨーロッパへのロシアからの
エネルギーの供給が止まったらどうなるかとか、
欧米の金融制裁はどこまで有効かとか、
欧米とロシアが対立した時に
中国はどのような行動を取るかなど、
いろいろなシミュレーションができたと思えば
それぞれ得がたい経験をしたと
考えているのかもしれません。


 もう少し、深読みすると
アメリカが最も対立を懸念しなければいけないのは
ロシアではなく中国なのかもしれません。
じっと様子を見守っている中国を含めて
三者三様でいろいろな探りを入れあっている段階に
すでに入っていると考えると
上記のようにそろそろ停戦は近いのではないか
という見方もできるのかもしれないのです。

ロシアにとってはもちろん
経済制裁の痛手は大きなものがありますが、
今回は8年前のクリミア侵攻の時と違い、
十分に準備をしていたという話しもあるそうです。
例えば、外貨準備として
金(ゴールド)の保有量を
桁違いに増やしていたようです。


 世界経済にとっても
ロシアをシステムから追い出しても
最も困るのはエネルギー分野ぐらいです。
環境問題をとても優先している
バイデン政権だから未だに本格化しませんが、
シェールガスなら
アメリカはその気になれば
いくらでも増産できるのだと思います。
そこまで話題が上ってこないということは
実はまだ余裕があるし、
いまぐらいの原油高やインフレ状態は
もしかしたら
世の中をコントロールしたいと
思っている人たちにとっては
ウエルカムな状態なのかもしれません。

それに比べて
中国を経済システムから排除すれば、
ものすごく大きな痛みが伴います。
今回はそのための前哨戦ぐらいに考えておいて
いいのではと個人的には思っています。


 ちょっと視点を変えると、
3年目に突入しているコロナ禍や
今回のウクライナ侵攻で
世界は確実に
冷戦後30年間続いた
安定した仕組みが崩壊し、
新たな国際秩序を
模索し始めた段階にあるのかもしれません。

私たちは
よほど自ら
危険な環境に飛び込んで行かない限り、
基本的な安全は守られているということを
当たり前だと思って
暮らしてくることができました。

しかし、
ちょっと長い歴史を振り返ってみると、
こんなに恵まれた状態で
人類が生きていける状態は
本当に珍しいめったにない状態だ
ということにすぐに気がつくと思います。
そして、
上記の平和は思い込みに過ぎず、
私たちはまだまだ
危険と隣り合わせの
油断のできない社会に
実はまだいるのかもしれないのです。


 それで思い出したのが、
1973年に出版された
五島勉著
「ノストラダムスの大予言」
(祥伝社)です。
1999年7月に
恐怖の大王が空から降りてくるという内容で、
公害問題などの出現で
社会の先行きを不安視する世相に乗って
あっという間に100万部以上の
ミリオンセラーになったそうです。
私はまだ小学生だったので
読んだわけではありませんが、
父が大好きで
時々この話題を話してくれたことを
妙によく覚えています。
それで、調べてみると
2014年に電子版が出版されていて、
著者が
1999年に何も起こらなかったことの理由などを含めた
まえがきやあとがきを加えた形で
出されているのを見つけました。


 早速、購入して読んでみたのですが、
なかなか面白いと思いました。
父は人類の意識が変わらない限り、
ここで書かれているような予言が
実現してしまうと考えたのだと思います。
そのために
父なりの啓もう活動を
続けて行ったのだと思います。
父と同じような思いを持った人たちの活動のおかげで
予言の年より20年以上
平穏無事な時代が続いてきたのですが、
いよいよ変革の時代が
始まってしまったのかもしれません。

今回も何とか乗り越えられるように、
私たちはしっかりと意識の変革を進めていって、
大難を小難にしていきたいものだと思います。


にんげんクラブ WEBサイトより
ウィークリーレポート( 3/23 更新)

太古インド健康法からみたコロナ対策

 この3連休はどこもすごい人出でした。
3月20日の日曜日は
Kan.さんのパシフィコ横浜での
ワークプログラムだったのですが、
会場周辺のみなとみらいは
休日を楽しむ多くの人出で
にぎわっていました。

また、春分の日に
都内のショッピングモールに
出かける用事があったのですが、
開店前からすごい行列ができていました。
予約が取れない人気レストランに
入るためのものだったようですが、
まん延防止等重点措置が解除されることもあり
街には賑わいが戻ってきているようです。


 ただ、比較的軽症者や無自覚の方が多く、
感染者数もはっきりと減少傾向が出ているとはいえ、
全国で毎日数万人規模の
新規感染者が確認されている状態なので、
それぞれ個人の責任で
できる対策はこれからも
続けていく必要があると思います。

欧米の方は、
そもそも自己責任で
ものごとに対処することに
文化的に慣れているので、
感染者数が高止まりであっても
個人の自由は認められてきた背景があります。

でも、日本は横並び意識が高い文化なので
意識を少し変えて、
まん防が解除されたからといって
個人は引き続き
責任を以って行動することが
求められていることは
忘れない方がいいと思います。


 そんな中で、
にんげんクラブ会報誌の
4月号から新規連載が始まった
アムリットの小沢泰久代表による
『アーユルヴェーダは
宇宙のリズムにあった
シンプルライフ』の第1回
「新型コロナと飲酒と
アーユルヴェーダ(太古インド健康法)」は
とても読み応えがあるいい記事でした。

会員の方は、
ぜひお読みいただきたいと思いますし、
会員でない方は
この機会にぜひ
ご入会をご検討いただければと思います。

会員になっていただくと
毎月会報誌を送らせていただきます。
また、にんげんクラブが主宰するイベントに
会員料金でご参加いただけますし、
もちろんセミナー情報等が
毎月送られてくるので
見逃すことがなくなります。


 会報誌は
「びっくり現象インタビュー」や
4月号で連載が59回目になっている
「Kan.さんに訊く。」
小沢代表による新連載に加えて
高島康司先生の
「コルマンインデックスと私達の未来」と
内容も盛りだくさんで、
優しいテイストを基本としながらも
考え込まされるような記事もあり、
本質的な情報から未来予言、
それに健康法に至るまで
舩井幸雄の世界に興味があった方や、
舩井幸雄は知らなくても
世の中の変革をリードしていかなくてはと
感じている皆さまにとって
大事な情報が満載になっています。


 小沢代表は
名古屋大学で工学博士を取得されている
完全に理系型の秀才だったのですが、
いまは亡き奥様である孝香さまとの出会いから
すっかりインド伝承健康法である
アーユルヴェーダの魅力に取りつかれました。

私も昔、
奥様がご存命の頃に
ご夫妻にインタビューさせていただいたことがあるのですが、
こんなお互いを愛し合っているご夫婦が
本当に存在するということに
驚いたことがあります。

奥様が
「いまの彼が一番好き、
毎日毎日どんどん好きになっていく」
とおっしゃっていたことが
とても印象に残っています。


 そして、お二人で
理想的な生活を究めていかれていました。
私は一度
ご自宅に泊めていただいたことがあるのですが、
私にはお酒も出してくださって
決して自分たちの考えを
押し付けるのではないのですが、
コロナ禍の経験をしたいまなら
素直に小沢社長がおっしゃっていること
(例えば、
飲酒はできるだけ避けた方がいいということ)
が理解できるような気がします。

また、太古インド占星学である
ジョーティシュのチャートを作って
解説していただいたこともあります。
舩井幸雄は
工学博士である小沢社長が
読み解くジョーティシュを
大変高く評価させていただいて、
勉強会の講師などをよくお願いしていました。


 本当は
会員になっていただきたいところではありますが、
サービスで
小沢社長があげていらっしゃる
新型コロナ対策を転記させていただきます。


対策1:
新型コロナ対策としては昼食後や夕食後、
10分から30分くらいの散歩。
あるいは早歩きがおすすめです。

対策2:
会食での飲酒は極力控えましょう。

対策3:
飲酒するなら
途中で白湯をすすりましょう。

対策4:
食事中は冷たい水の代わりに
白湯をすすりましょう。

対策5:
舌を掃除しよう

対策6:
帰宅後は早めに
洗顔、手洗い、うがい、鼻うがい、
そしてシャワーか入浴

対策7:
出来立ての食事を
よく噛んでいただきましょう。

対策8:
食事前のリラックスタイムは
飲酒の習慣から離脱する第1歩


 それぞれの解説も
理に適っていて
とても読み応えがあります。

ひとつだけ例をあげると、
私が実践しているのは
舌のお掃除です。
私もアムリットさんでいただいた
タンズスクレーパー
(舌苔を取るための専用器具)で
毎朝舌の上をきれいにしています。
これだけでも
かなりスッキリして
とても快適に過ごせています。

アムリットさんのホームページに
アクセスしていただいて
健康生活を始められてはいかがでしょうか。

僕が地球にやっ て来たワケ 第44回


最近思うこと

にんげんクラブ WEBサイトより
ウィークリーレポート( 2/2 更新)

数学は百姓仕事に似ている

高瀬正仁著
「紀見峠を越えて」
(萬書房)を読みました。
文化勲章受章者で
日本を代表する世界的な数学者である
岡潔先生の業績を綴ったエッセイ集です。

紀見峠は和歌山県にあり、
ここで岡先生が育ち、
大学を離れてこの場所に籠って
世界的な研究成果を成し遂げた場所でもあります。

エッセイの始まりは、
数学者であり数学史家でもある
九州大学教授の高瀬先生
(日本を代表する岡先生の研究家でもあります)が、
30歳の若手数学者であったときに、
はじめて紀見峠を旅するところから始まっています。


 岡先生は明治34(1901)年に大阪で生まれて、
ほどなく両親の故郷である紀見峠に移ります。
京都大学理学部を卒業後フランスに渡り、
広島文理科大学助教授になりましたが、
昭和13(1938)年には
休職してそのまま退職。
昭和24(1949)年に
奈良女子大学の教授になるまでは、
紀見峠に籠って極貧の農業生活を送りながらも
世界的な研究を成し遂げます。

売れるものは全部売ってしまって、
芋を作り飢えをしのぐ日々を過ごしながら、
多変数函数論という
20世紀の数学の概念を形づくる
論文を完成させるのです。


 その成果は
昭和30(1955)年にフランスの学会誌に掲載され、
この業績が
本当に日本人のひとりの研究者によって
なされたものかどうかを確かめるために、
はるばるフランスから
当代の超一流の数学者が
奈良の岡先生の家まで訪ねてくるという
エピソードがあったそうです。

岡先生は生涯に
3つの数学的な大業績を打ち立てました。
普通はどんな大学者であっても、
生涯に打ち立てられる偉業は
ひとつであるのですが、
数学の研究に関係ない
余計なことは一切興味がなかった岡潔は
一人で3つもの世界的な業績をあげたというのです。


 岡先生が一般的に有名になったのは
昭和38(1963)年から
昭和44(1971)年にかけて出した
エッセイなどの
数学に関係のない書き物が
ベストセラーになったからです。
特に、昭和一桁生まれから
戦中派ぐらいまでの年代の方には人気が高く、
ちょうどこの世代にあたる両親も
岡先生の大ファンでした。
特に父は
情緒が分からないことを
自慢しているぐらいの人でしたが、
数学の問題を解くためには
情緒が大切であるという岡先生の言葉に
ずいぶん考えさせられた
というようなことを話していました。


 岡先生は昭和35(1960)年に
文化勲章を受章しています。
その時に昭和天皇から
「数学とはどういう学問か」
というご下問があったそうです。
そうすると岡先生は間髪を入れずに
「数学とは生命の燃焼であります」
と奉答したというエピソードを、
その場に臨席した
当時の荒木文部大臣が後年語られているようです。

古今東西の数学者の中で、
数学を命の燃焼であると考えている人は
岡先生一人であり、
そういう発想の中から
数学的な問題の解決には
情緒が大切であるという考え方が
生まれてくるのだと感じます。


 岡潔がエッセイとしてはじめて出版した
「春宵十話」(角川ソフィア文庫他)に
書かれている数学の本質を
引用させていただきます。


 
(引用開始)

 また、数学は物理に似ていると
思っている人があるが、
とんでもない話だ。
職業にたとえれば、
数学に最も近いのは百姓だといえる。
種子をまいて育てるのが仕事で、
そのオリジナリティは
「ないもの」から「あるもの」を作ることにある。
数学者は種子を選べば、
あとは大きくなるのを見ているだけのことで、
大きくなる力はむしろ種子の方にある。
これにくらべれば理論物理学者は
むしろ指物師に似ている。
人の作った材料を組み立てるのが仕事で、
そのオリジナリティは加工にある。
理論物理学は、
ド・ブロイ、アインシュタインが相ついで、
ノーベル賞をもらった一九二〇年代から
急速にはなばなしくなり、
わずか三十年足らずで
一九四五年には原爆を完成して広島に落とした。
こんな手荒な仕事は指物師だからできたことで、
とても百姓にできることではない。

(引用終了)


 高瀬先生には10年ちょっと前に
お会いしたことがあります。
にんげんクラブの会報誌の取材だったのですが、
まだ父が存命で、
父の意向をよく知っていた
こだまゆうこさんの取材について行ったのですが、
数学の話はまったく分かりませんでした。

でも、とても面白かったのを
いまでもよく覚えています。
近代数学の中で、
「ないもの」から「あるもの」を提示できたのは、
オイラー、ガウス、岡の3人だけで、
それ以外の数学者は
彼らの提示したものを
ああでもない、こうでもないと
分析しているに過ぎないとおっしゃっていました。


 最近は、独立研究者という人たちが増えています。
高瀬先生の本のことも、
実は数学の独立研究者の森田真生さんの
「数学する身体」(新潮文庫)を読んで、
森田さんが岡先生の大ファンであることが
書かれていて知りました。

高瀬先生の本を読んでいると、
紀見峠に籠って研究していた頃の岡先生は
まさしく独立研究者の
走りであったのかもしれないと感じました。


 また、従来の学者の枠に収まらないという意味では、
台湾の行政院政務委員(デジタル担当、
日本で言えばデジタル担当国務大臣に相当)の
オードリー・タン氏も
独立研究者なのかもしれないと
近藤弥生子著
「オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと」
(ブックマン社)
を読んで思いました。

楽しいことだけをしている、
大学や学会の政治活動から
解放されている研究者たちを
岡潔から順に見ていくと、
未来が見えてくるような気がします。


ウィークリーレポート( 2/17 更新)

パラダイムシフトを超えて

はせくらみゆき先生の
「パラダイムシフトを超えて
 いちばん大切なアセンションの本質」
(徳間書店)
を読ませていただきました。

本文の中にも紹介されている
故・川田薫博士、はせくら先生と3人の共著で
「新生地球の歩き方」
(きれい・ねっと)を書かれている
きれい・ねっとの山内尚子社長と
はせくら先生のことを話していて、
山内さんが
すごい本だからぜひ読んだ方がいい
と教えてくれたのがきっかけになりました。


 読んでびっくりしたのは、
とても難しい最先端の理論物理学の解説を
とてもわかりやすくされていることです。
はせくら先生は難しいことを簡単に伝える天才です。

私は
「チェンジ・マネー」(きれい・ねっと)、
「お金は5次元の生き物です」(ヒカルランド)
という2冊のお金に関する共著があるのですが、
お金の本質を単著の
「宇宙を味方につける リッチマネーの秘密」
(徳間書店)
という本の中で、
私が解説するより
はるかにわかりやすく
まとめていらっしゃるのを読んで
感心したことがあります。


 今回の本も、
物理学者の保江邦夫先生や
周藤丞冶さん
(「いざ高次元世界へ 精神文明の夜明けに」
(きれい・ねっと)
という難解な著書があります)
の量子力学に基づく素領域の研究や
超弦理論の研究に基づく最先端の理論物理学の世界を
はせくら先生流に
わかりやすく解説している本だと私には読めました。

はせくら先生の本は
わかりやすく読みやすいのが真骨頂です。
お金の本にしても、
スラスラ読めてしまって
そんなに無理なく本質を理解することができます。

ただ、私が変に物理の知識があるからかもしれませんが、
今回の本はけっこう読むのに苦戦しました。
それだけ大事な本ということになるのかもしれません。


 お金のことも
実は今回書かれている
物理の知識に基づいて
お金とは何かという本質を
はせくら先生と話し始めたのがきっかけになりました。

理論物理学は
はせくら先生の最も大事にしている
専門分野ということになるのかもしれません。
特に、今回のテーマは
マルチバース(多宇宙)の話や次元論など
かなり難解な話を扱っているのですが、
ここまでわかりやすく書けるのは
もはや才能を超えて、
宇宙のサポートを得ていると考えるしかないと思います。


 ただ、はせくら先生らしいのは
ワークをたくさん紹介していて、
たとえ内容がなかなか理解できなくても、
ワークを実践している内に
頭ではなく
身体で理解できるようになるということです。

このサービス精神もはせくら先生の真骨頂です。
私のような理屈派も
理屈よりも実感を大事にされる実践派も
どちらも満足させる内容になっているのです。

そして、はせくら先生が素晴らしいのは
一般読者向けに
わかりやすさを優先しているにも関わらず、
理論的な裏付けも
きちんとなされているということです。


 反理論派の先生の本を読むと
ここら辺がいい加減なものを結構見かけます。
量子力学で
スピリチュアルな世界の解説をしている本も
最近は増えましたが、
上記の周藤さんと話していると、
物理学者から言わせると
とても許せないような暴論が平気で書いてあって、
読む気にならないものが大半だということです。

学者の世界は厳しい世界で、
一度でもいい加減なものを発表してしまうと
研究者人生が終わってしまうそうです。
大半の物理を使って
スピリチュアルな世界を解説したものは、
すぐに専門家ではない人が
いいとこ取りで引用していることが分かるので、
専門家からすると
読むに値しないものになるのだそうです。


 はせくら先生のすごいところは、
お金のことなら
私のような理屈屋も
物理のことなら
保江先生や周藤さんなど
命がけで宇宙の秘密を解き明かすべく
切磋琢磨している専門家すらも
納得させるだけの理論構築が
しっかりとなされていることにあると思います。

本来は芸術家であるはせくら先生が
ここまでしっかりした本を書けるのには
唖然としてしまいます。
実際にマルチバースを生きて
自由自在に次元を超えている
はせくら先生だからこそ
できることなのだろうと思います。


 ぜひ、巻末に紹介されているワークに挑戦して、
そんなレベルになることに
挑戦していただきたいと思います。
先週紹介した清水浦安先生も覚者ですが、
はせくら先生も
間違いなく悟りの境地に至っています。

おかげさまで、
私の周りにはこんな人が
たくさんいらっしゃるように感じているのですが、
やっぱりみなさんとても謙虚であることが
今の聖人の特徴なのだとも感じます。

そういう意味では
いい時代になりました。
父の頃は、
覚者にはバランスを欠いた先生がほとんどで、
それは社会がまだ全然
そのレベルについてこられていなかったので、
突出する必要があったのだと思います。


 今回の私の一番の収穫は、
言霊のことを
理屈ではなく感覚的に
かなり理解できたことです。

最近、日本人の科学者の
ノーベル賞受賞者が多くなってきたのは、
日本語で思考できることが
大きな理由ではないか
という意見を聞くようになりました。

一般的には日本語という母国語で
ある程度の科学的な論考を進められる
アドバンテージのことを言うのですが、
はせくら先生の独自分野ともいえる言霊学から考えると、
日本で考えているからこそ
到達できる領域があるのかもしれません。

僕が地球にやっ て来たワケ 第43回

最近思うこと

春からガラリと運気が変わることはよく言われていますが、
これだけ疫病に振り回されるご時世、
精神的に停滞の苦痛を味わっている方も多いことでしょう。

有名な拷問の1つに
目的を伝えられず、庭に穴を掘りなさいと
命じられるものがあります。
深い穴を掘ったタイミングで誰かがやってきて、
砂を上からざざっとかけられ、穴を埋められる。
そしてまた「掘りなさい」とただ命令される。
この繰り返しで、人はたやすく発狂すると言います。

文頭から、拷問の話で恐縮ですが、
多くの人がワクチンの辛さを味わった後の新しいウイルス、
それはそれぞれの日常にとって
それなりのダメージを与えられました。
この試練の日々がいつまで続くのだろう、
もう過ぎ去った、少しずつ前に
いい方向に進んでいるはずのことなのに、
どこまで脅かされるのだろう、
そんな気持ちにさせられる行きつ戻りつのコロナ禍で、
我々は何を見させられているのだろう、
何を学ばされているのだろうということをよく考えます。

ピーター・ドラッカーの
「学ぶということは一生続く、
変化に遅れないようについていくための
プロセスだという事実を、
私たちは今では受け入れている。
そして、最も緊急な課題は
人々に学び方を教えることである」という言葉を、
よく私は折に触れ思い出します。
学ぶための大きな目的として、
この一文の中でドラッカーは
「変化に遅れない」ということを伝えています。

そこで思い出すのは、
「万物は流転する(パンタ・レイ)」
という紀元前に活躍した
ギリシアの哲人ヘラクレイトスが遺した言葉。
一言で言えば、
すべてのものは変化していくという意味ですが、
多分ヘラクレイトスがここで読み解いている
「物質が繰り返す無限の変化」を思うとき、
自分の変化、地球の変化、宇宙の変化に
思いを馳せることになります。

この「万物」は物質であるがゆえに、
自分の精神、内なる心にまで
当てはまっているのだろうかということを考えると、
次は「諸行無常」について思うところがありました。

人を愛することも、
同じ人を嫌いになることも、
そして物事に対してもその時々によって、
捉える心が違うことをいい喩えているのが
「諸行無常」であり、
これが世の常であるということなのだと思います。

お金の喜ぶ使い方

先ほどのドラッカーの
「学ぶということは一生続く」は
私にとって大変意味のあることです。

話は少しずれますが、
ある大金持ちの事業家の方に
「恵まれた未来を引き寄せるために
心がけていることはありますか」
と問いかけたところ、
「それはお金の喜ぶ使い方をすることです」
という答えが返ってきました。

この方は、どんな事業をしても必ず成功し、
もちろんその中で大なり小なり試練はあるのですが、
富を引き寄せるという意味では、
必ず1つ1つのプロジェクトで
最後に100%大きな収益を出すという力を
持っていらっしゃいます。

他にも、運を引き寄せるコツとして
「絶対に弱音を吐かない。
たまに近しい人に聞いてもらうことはいいけれど、
それも言霊に配慮して、
前向きな言葉にブラッシュアップするような
明るい愚痴に昇華できるようにすること」
「人のせいにしない。
何か困ったことが起きたとき、
これは自分の心の中でも一瞬たりとも人のせいにしなければ、
ピンチが大難は小難になり、
小難は無難になるのは私の実証済みです」
「感謝は一生。
よく誰かに助けてもらうとすぐにその人への感謝を忘れ、
また対象の人をどんどん変えていく人がいるが、
これを繰り返すと人望も他力運も間違いなくなくなる。
人にしてもらったありがたいことは
心に入れ墨のように深く刻み込んで、
過去に人にしてもらったこと、最近のこと、
何度も何度も思い出しては
具体的にその出来事と相手に感謝すると、
間違いなく人生はグレードアップする」
ということを習いました。

どれも、珠玉の教えではありますが、
親しくなるにつれ、欲張りな私はもっと
直截的な金運アップのコツを知りたくなり、
前述のような質問をしました。
その答えの「お金の喜ぶ使い方をする」。
これには具体的な教えはなく
「舩井さん、
お金はどんどん使わなくては入ってきません」
「はい、
うまく流していくことは私も大切だと思っています」
「その使い方が大事なのです。
お金に心が宿っているとするなら、
お金はどんなふうに使われると
ハッピーな気持ちになると思いますか?
それがわかって使っていくと、
お金はどんどん友達を連れて戻ってきますよ」。

お金がどんどん友達を連れて戻ってくる......
ちょっと言い方が悪いですが、
甘ったるい自己啓発本に書かれているような表現を、
経営者の一線のその方がするのが
少し意外な気もしましたが、
結果を出している超プロが言うのですから、
参考にするべきです。

「お金の喜ぶ使い方」、
ものすごく安易に考えるなら
慈善のような寄付や
クラウドファンディングが一般的でしょう。
もちろん悪いことではなく、
どんどん実行するべきだし、
私も普段から自分なりに応援したいと思える
個人、団体、プロジェクトには
ささやかなお金を出させていただいています。

でも、私の中に
「それだけなのだろうか、
この言葉にはもっと深いレイヤーが
隠されているのではないのだろうか」
と囁いてくるものがありました。

長く考えれば考えるほど、
お金は宇宙であり、
そして自分自身であると考えていいのではないか
という思いに至りました。

いや、まだこれは未完成の答えではあるのですが、
自分自身を本当に満たし、
喜ばせることは何なのだろうか。
そこを熟慮してお金を使うことは
決して悪いことではないということ、
それをまず自分に宣言するところから始めても
いいのではと考えました。

私は、衣食住で言うと、
そんなに身なりや食べ物に
お金をふんだんにかける方ではありません。
旅先での宿のグレードも、
良い所に泊まることももちろんありますけれど、
「ある程度自分のお金が自由になる身分でも、
豪華な所に慣れるのではなく、
あえて不自由さに身を置くことで
自分をいつまでも鍛えていたい」
という考えがあるので、
安いビジネスホテルに
あえてチェックインすることもあるくらいです。

私の妻は、旅行に関しては
宿泊施設にこだわる方で、
連日移動する長旅でも、
その土地で最も良い宿を求めるタイプです。
パートナーとしては、
普段からいろんなことを
頑張ってくれていることを知っていますし、
苦労もかけていますので、
そのことにあまり文句は言わず、任せていますが、
内心そこまでお金をかけなくても良いのでは、と
長年思っていたことも事実です。

私も父と同じく「ケチ」な部分も
多大にマインドに持っているので、
明細を見ては「もったいない」と
もれなく思っていたことも
ここに告白します。

しかし、先ほどの
「お金の喜ぶ使い方」
という言葉を反芻していくと、
「パートナーが本当に心地よく過ごし、
心身ともにリラックスして
その後の日常をストレスレスに送れるなら、
それは本人の喜びであり、
私の喜びとも言えるのではないか」
という思いに至るこの頃です。

惜しみなくシェアする

ここまで読んでいただいて、
「贅沢」というキーワードが、
頭をグルグルされている読者の方も
いらっしゃるのだろうな、
ということも想像がつきます。
無尽蔵に消費することではなく、
私なりにもちろん「収支決算」はあります。
収入と支出のバランスシートは
いつも心がけています。

しかし、今回ここにしるすべく大事だと思ったのは、
自分のお金へのわだかまりや、罪悪感は
いつもフラットな目で
見直していくべきだとの思いです。

思い込みや執着を手放し、
新しい自分になるというのは
本当に難しいことだということは実感していますので、
価値観の棚卸しをこうして心がける
チャンスをもつということを大切にしています。

そういう意味では、
私自身にとっての「お金の喜ぶ使い方」は、
「尊敬する人から教えを請う」
というアクションかもしれません。
振り返れば、
この年、きちんと支払うべきものをお支払いして、
数人の方からメンター的な教えを受けてきました。
セミナーやリトリートも参加してきました。
バックグラウンドはさまざまですが、
そこに投資してきた金額は
特に気にしてきませんでしたが、
自分の手がけてきた事業やライフワークに対して
大きく回収できているのは間違いありません。

そんなふうにシェアしていくことは、
今年の目標というか、
活動の1つにしたいことでもあります。
立春からまた少しリセットして、
皆さんとしなやかにいい意味でしたたかに
この変化に満ちた、混沌とした世の中を
乗り切っていく知恵を
分け合いたいと思っています。

僕が地球にやっ て来たワケ 第42回

最近思うこと

ウィークリーレポート( 12/8 更新)

世代交代

世界的にはオミクロン株の流行が心配されていて
不穏な雰囲気も流れていますが、
この原稿を執筆時点では
国内では感染例は海外から入国された方の2例にとどまり、
市中感染は確認されていません。
群馬県の工場で集団感染が報告されていて懸念されていますが、
いまのところはオミクロン株ではないだろうということで、
現状では国内で感染爆発する気配は出ていません。


 そんなことで、
人出も徐々に増えてきていることが感じられます。
私もしばらく行けていなかった出張が
ここに来て固まってくるようになったのか、
新幹線や飛行機に乗る機会が増えています。
満席にまではなっていませんが、
隣に人が座ってくるのはそんなに珍しくないぐらいには
需要が回復しました。

コロナのピークの時は、
新幹線の車両に私一人という時もありましたので、
かなりの回復だと思います。
鉄道会社や飛行機会社からすれば、
まだなんとか利益が出る水準ぐらいだと思いますが、
逆にあまり値引きをしなくてもいいので
売り上げはまだまだでも
利益を上げていく戦略を採っているように感じます。


 そんな流れもあったので
80歳になった母の誕生日のお祝いが
開けていなかったのですが、
母から見たらひ孫までの世代が集まって
熱海の旅館でお祝いの会をさせていただきました。
昔から仲良くしてもらっている旅館で
そこまで高級路線を打ち出しているわけではないからかもしれませんが、
温泉に入りに大浴場に行くと
若い人がたくさん来ていて、
最近若者に人気の熱海だからかもしれませんが、
ここでも人出が増えていることが感じられます。
熱海は新幹線で行けますし、
節約派には東京都内から
熱海行きの普通電車もたくさん出ているので、
そういう意味では
若い人たちの穴場になっているのかもしれません。


 大企業の方はまだ難しいようですが、
私は会食の機会も増えました。
タクシーの運転手さんに聞くと、
まだ週末限定ですが
それでも徐々に夜の町の人出も増えているようです。

熱海では、若い人が多いこともあって
旅館ですべての消費が完結するのではなく
町にも多くの人が繰り出しているようです。
地元の企業の努力でもありますが、
例えば熱海プリンという人気商品もあり、
これを買い求めようとする若い人が
列に並んでいる姿が目立っています。


 私はどちらかというと
伝統的なネコの舌という看板商品がある
こちらのメーカーさんのお店が好きですが、
ホームページを見ても
熱海プリンの勝ちだなと思います。

市役所が率先して観光に力を入れる中で、
若い人が来るような街づくりを進めてきた
成果が出てきたのかなと思います。
幸か不幸か、あまりインバウンドに一生懸命に
対応していなかったことが
いまのところはプラスに働いているような気もします。
若い人が多いので
客単価はそれほど高くないのかもしれませんが、
まずは集客が大事であるという
経営の基本を教えてくれているようにも感じます。


 舩井家は父が生きていた頃から、
家族の付き合いをそれほど大事にすることはないのですが、
年に1回程度
全員集合で集まることを続けてきました。
両親から見て、
昔は孫の代までが集まっていたのですが、
いまはひ孫も4人いるようになり
とても賑やかな時間を過ごさせていただきました。
そんなひ孫の親の
孫たちが走り回って騒いでいた頃を思い出しながら、
世代交代の確実な流れを感じるプチ旅行になりました。


 我が家も残念ながら息子二人は結婚もしていませんが、
仕事を一緒にしている長男の成長著しいのが
とても有り難いことだなと感じています。
私は本質的には負けず嫌いで
何をしても息子に負けないのを自慢していましたが、
そろそろ譲れるところは譲っていくタイミングだなと
感じる事が多くなってきました。
両親から見て子供世代は全員60歳前後のアラカンで
よく考えれば50年前なら隠居している年なのですから
当たり前なのかもしれません。


 ただ、人生50年だったのが、
いまは100歳を普通に目指せる世の中になりました。
過去の2倍生きられることになったので、
還暦を過ぎたあたりから
第二の人生を生きていく
新たな覚悟をする必要があるのだと思います。
子育ても終わり、
現役世代として一生懸命働いて稼ぐ人生は
終わったのかもしれませんが、
今度は世のため人のために尽くしていくことで
生きがいを感じられるような人生の創造ができるし、
しなければならないのかもしれないと思っています。


 稼ぐ仕事は若い世代に譲って、
世のため人のための第2の人生を送る。
そんなステキなおじさんになることを
目指していきたいと思っています。


ウィークリーレポート(12 /15 更新)

サンタラリー

今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)や
日銀の金融政策決定会合が
開かれる予定になっています。
年内最後の市場の方向性を決める会合で
不透明感が高まる世界経済に対応するための
金融政策に注目が集まっています。

特にアメリカでは
インフレ傾向が顕著になってきていて、
予想以上のペースでテーパリング
(金融緩和の縮小)や
利上げが決定することになると
株式相場にはマイナスになるので、
その行方を金融マーケット関係者が
固唾を飲んで見守っている状態です。


 ただ、残念ながら
主に注目を集めているのはFOMCで
日銀の会合は
よほどのサプライズを出せなければ
そのままスルーされるのだと思います。
FOMCの方も、
テーパリングを来年3月までに終え、
その後年央から年末にかけて
2度の利上げをするというところまでは
織り込み済みなので、
この範囲に収まれば
サンタラリーが始まるのではないかという
期待が高まっているようです。


 サンタラリーというのは
特にニューヨークマーケットでよく観られる現象で、
年末から年始にかけての株式相場が
上がる確率が非常に高いというものです。
年末ラリーという言い方もされますが、
大人にもクリスマスプレゼントがもらえるということで
サンタラリーとも呼ばれているそうです。

ここ2年ぐらいは新型コロナウイルスに
振り回されている私たちの暮らしですが、
相場に関しては
比較的高値で推移してきたと言えるのかもしれません。

アメリカの株式相場は
史上最高値水準で取引されていますし、
日本の株式もオミクロン株の出現がなければ
年内に日経平均で
3万円の壁を突破するのかなと思っていましたが、
どうもそれは実現しないで終わりそうな気がします。


 サンタラリーが注目されるもう一つの理由は、
年末年始にサンタラリーがあった年の
相場は上がる傾向があり、
逆の場合は弱含む傾向があるからです。
サンタラリーが確認されるようなら、
アメリカ株はさらなる値上がりが予想されますし、
日経平均も来年の高値は
3万2千円ぐらいになるのではと言われています。

私の周りには
来年こそ金融恐慌が起こるということを
危惧している人もたくさんいますが、
私は、来年は何とか乗り切れるのではないかという
楽観論を持っています。
それを占う意味でも
サンタラリーの有無に注目したいと思っています。


 来年中の利上げの見通しが予想通りなら
円安になることも予想されます。
日米の金利差が意識されるということですが、
同時にアメリカの金融政策がうまくいくということで、
原油価格も上がっていくようです。
こうなれば、日本にとっては
悪いインフレ懸念が出てくることになり、
そうなると日本株だけ下がるのではないかという
懸念も出てくるのかもしれません。
個人的には新型コロナウイルスの騒ぎが、
春から夏にかけて新たに出てくる
可能性があるのではないかと思っています。


 どうせ、出遅れている日本株が上がらなくても
あまり影響はありませんが
エネルギーや食糧など
海外に資金が流出してしまうものの
インフレは日本にとって
楽しいことではありません。
本質的なマクロな視点で見れば
エネルギーや食糧の自給率を上げることが大切ですが、
目先の対処はなかなか難しいので、
それに備えて
会社経営や生活防衛に当たることも
大事なことになると思います。
怒られてしまいそうですが、
短期的な日本の都合だけで言えば、
パンデミックがこれで収束しない方が
プラスになるのかもしれないようです。


 もう一つの株価に対する
大きな要因になりそうなのが、
米中対立の行方です。
安全保障上の観点で見ると
日本は完全に
アメリカ側に付く以外の選択肢はないので、
経済的にも
中国との距離感を徐々にとっていく傾向が
顕著になるのだと思います。
しかし、短期的なことを考えると
こちらもすぐに中国離れができない
企業が多いと思います。
食料とエネルギーの輸入国であるという点で
日本と利害が一致している中国は
人民元高の政策を採っていますが、
いまの時点ではやはり
金融支配力は圧倒的にアメリカの方が強いので、
いつまで中国が我慢できるかというところかもしれません。


 実際にアメリカを筆頭に西側陣営の国が
北京オリンピックの外交的なボイコット政策を
次々に打ち出す中で、
日本は明確な意志表明ができない状態を強いられています。
テレビを見ていてうなずけたのは、
東京オリンピックの成功に
協力してくれた中国との暗黙の了解を
そんなに簡単に破るわけにはいかないという
背景があることです。
欧米の国が選手団の覇権を断るのならともかく、
外交的なボイコットをするぐらいなら
中国政府にとっては痛くもかゆくもありません。
でも、日本の態度には
とても注目しているということです。


 基本的に日本が親米路線を取ることまでは了解済みだが、
実際に尖閣諸島という問題を抱えている日中両国は
二国間の緊張感を高まらないようにする配慮も
求められるのが実情なのかもしれません。

繰り返しになりますが、
何よりも重要な安全保障上の立場は
親米路線で揺るがないなかでの、
日中関係の行方が
相場に影響してくる2022年になるのかもしれません。

僕が地球にやっ て来たワケ 第41回


最近思うこと

にんげんクラブ WEBサイトより

ウィクリーレポート(11/11更新)

新しい資本主義

 岸田総理が率いる自民党が総選挙で勝利して、
いよいよ今週から本格的な岸田政権がスタートしました。
安倍元総理の下で、新自由主義に基づく考え方で
2012年以来進めてきた日本の経済政策が
大きく変化するかもしれないと感じています。

アベノミクスが始まって、
日銀が異次元の金融緩和政策を実施したことで、
それまで一方的に欧米の金融資本に搾取され続けていて
典型的な負け組の地位に甘んじていた日本は、
本来の経済政策のあり方としては邪道ですが、
少なくとも無条件に日本の富を奪い去られる状態からは
脱却できました。


 日本だけのことを考えると、
未だにデフレ状態を脱却できていませんので
金融緩和を続ける政策もありだと思います。
しかし、例えばアメリカでは
5%前後のインフレになってきており、
リーマンショック以来続いてきた
異例の金融緩和処置が
見直されることになりました。

世界のインフレに向かう流れは止まりそうになく、
日本もやはり独自の政策を取り続けると、
取り残されてしまい
アベノミクス以前の
一方的に搾取される状態に
戻ってしまう可能性があるので、
このトレンドには
ついて行かざるを得ないと感じます。


 世界の政治状況は
リベラルな考え方を持つ政権が増えつつあります。
アメリカが民主党のバイデン政権になったのが典型ですが、
岸田総理も安倍元総理や菅前総理に比べると
リベラル色が強いと感じています。
新自由主義はなるべく規制緩和をして改革を進め、
小さな政府を実現して、
自己責任を強調して
福祉政策を減らす方向に向かいます。
また、富裕者層の減税を行って
景気の刺激を行うことが優先されるのですが、
この政策のおかげで
貧富の格差が
許容できる水準を超えてしまうようになりました。


 中国では、共産党の強制力で
この動きを抑え込もうとしていますが、
日本でも
富裕者層やかなりの利益を貯めこんでいる大企業への
新たな課税などが検討されるようになってきています。
そして、この財源を使って
格差解消に向かう政策、
つまり結果論としては
大きな政府を指向する流れに向かっていきたい
財務省などの考え方が前面に出てくるように感じます。
明らかに新自由主義を指向する維新の会が
総選挙で躍進した流れなどを見ていると、
必ずしもその流れが進んでいくかどうかはわかりませんが、
格差を放置しても構わないという意見は
言いにくくなってきたようです。


 そんな空気を読んだのか、
岸田総理は「新しい資本主義」と
テーマを押し出しています。
いまのところ、曖昧な部分が多くて
何をやりたいのかよく分からないという
批判も出ているようですが、
富裕者層や大企業、それに株式市場を
敵に回す可能性が高い政策を
実行しようとしていると大きく考えると、
あえて曖昧な部分を残しながら
妥協点を探っていると考えてもいいのかもしれません。


 月刊「ザ・フナイ」の
レギュラー執筆陣のお一人である
シブサワ・アンド・カンパニー株式会社の
渋澤健社長から
シブサワ・レターをメルマガとして送っていただきました。
貼り付けたものは
原稿執筆時点では更新されていないようで、
1回前のものなので
ご興味がおありの方は
折を見て更新していただければと思いますが、
渋澤社長が
「新しい資本主義実現会議」の
有識者メンバーに任命されたことが書かれています。


 渋澤社長は
日本の資本主義の父である
渋沢栄一翁の玄孫に当たられる方ですが、
ご本人はアメリカで金融資本主義の最先端である
ヘッジファンドに所属されていたこともありながら
現在は草食資本主義という
優しい資本主義の実現を真剣に目指されています。

強欲な金融資本主義は明らかに行きすぎていると思います。
いまの資本市場は
すさまじいまでの競争の極致であり、
少し油断すると
ビジネスマン人生が絶たれてしまうほどの緊張感の中で、
大きなお金を稼ぐことだけを目的とする人たちに
社会の行く末を任せていてはいけないという思いが、
渋沢社長の書かれたものを読ませていただくと
感じられます。


 山口周著
「ビジネスの未来
 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」
(プレジデント社)
を読ませていただくと、
「ビジネスはその歴史的使命を
すでに終えているのではないか?」
という疑問から
1冊の本が始まっています。
ビジネスというか、資本主義は
「経済とテクノロジーの力によって
物質的貧困を社会からなくす」
というミッションを成し遂げるためにできたものですが、
それはすでに終わっているかもしれないという話を
超一流の研究者が
本にまとめられる時代になりました。


 「新しい資本主義」の形は
まだ曖昧模糊としていますが、
新自由主義の行き過ぎを是正しなければいけないという
社会的な要請に対して
何らかの答えを出していただきたいと思います。
そして、それを提示された私たちひとり一人が
新しい社会の形はどうあるべきかを自ら問うていく、
そんな社会になっていかなければ
子孫に対しての役割を果たせないのではないか
という危機感を
強烈に感じています。


ウィクリーレポート(11/17更新)

副島先生の金融本


 副島隆彦先生の
「コロナ対策経済で大不況に突入する世界」
(祥伝社)
をご贈呈いただき、読ませていただきました。
副島先生は思われたことをストレートに
本に書かれるという技術を持っていらっしゃって、
それが副島本の醍醐味です。
今回は、金融本が売れなくなって、
いまどき書店で金融本が平積みされるのは
副島先生の本ぐらいだと
正直に書かれています。
金融本が売れるのは、
経済の状態が悪く先行きが不安で仕方がない時です。
最近で言えば、アベノミクスが始まる前の
民主党政権下でアメリカにいじめられ、
先がまったく見通せない頃は
金融本がよく売れました。


 人間の心理とはおもしろいもので、
危ないぞ!
と叫んでいるスリリングさが
好きなのかもしれませんが、
恐いもの見たさで
酷い未来が予想される時に
それについて書かれているものを
好んで読む傾向があります。
副島先生は、
リーマンショックが起こることや
トランプ大統領が選出されることを
はっきりと明言して予言した経済評論家です。
私もよくやりますが、
曖昧に語尾を濁して
予想が外れた時に、
後から言い訳ができるような
姑息な手段はとられません。
そして、ずっと
やがて金融崩壊が訪れるということを
明確に予言されています。


 ここ数年は、
金融崩壊が起こるのは2024年だろう
という予言をなされています。
2024年にトランプ大統領が
再びアメリカの大統領になり、
それを絶対に阻止したいバイデン政権は
本当ならとっくに崩壊している金融崩壊を
そこまでは引き延ばすだろう。
それでも、トランプ大統領が
再び大統領になることは阻止できないので、
民衆のヒーローであるトランプ氏は
ディープステート
(世界を実質的に動かしている国際金融勢力)が
仕掛けてくる金融恐慌を
みんなと一緒に戦って
その危機を乗り切っていくというシナリオを
考えていらっしゃるように私には感じられます。


 金融本が売れなくなっているのは、
目先の株式市場が絶好調だからです。
アメリカのダウ平均は
深刻なインフレ懸念が目前に迫っているにも関わらず、
基本的なトレンドは
史上最高値近辺で推移していて、
どちらかというと
まだ上げる方向を見せています。
出遅れが指摘されている日本株ですが、
それでも日経平均は2万9千円台後半で推移していて、
また3万円の壁を年内にも
(もしかしたら月内にも)
突破するトレンドで推移しています。
素直にトレンドだけ見ると、
日本株も来年中にも4万円になって
史上最高値を更新してもおかしくありません。


 副島先生は、今回のご著書で
株価が上がっている大きな原因は、
株式は金融市場において
表面を飾るきれいな商品で、
株式マーケット自体には
大きな問題が内包されていないからだ
という分析をなされています。
それよりも、実はすでに
はるかに大きなマーケットを形成している債券市場に
大きなリスクが蓄積しているのではないか
という問題提起です。
経済をある程度理解している人が、
いま感じている大きなリスクは
中国の巨大不動産会社である恒大集団が
破たんするのではないかという問題です。
実際に、社債の利払いが滞っているという
報道がなされているように、
やはり問題は債券市場にあります。


 そして、もっと大きな問題は、
書名にもあるように
コロナ対策ということで、
世界中で乱発されている各国の国債です。
アメリカでは、
コロナ対策でお金を支給された低所得労働者が
働かなくなったと言われています。
働かなくても生活できるようになったからですが、
さすがに給付金はなくなってきたのですが、
今度は彼らがビットコイン等に投資をして
金融市場の稼ぎで食べていけるようになり、
それ以外にもSNSなどで
小さなお金を稼ぐ術があり
無理して働く必要がないという
風潮が広まっているそうです。


 そんなことで、
コロナ後の経済回復が目覚ましい中で
非正規労働の労働者の確保が難しくなり、
彼らの時給が高騰しています。
それをみた工場などで働いている正規労働者も
自分たちの給料をもっと上げろという
ストを打つようになって、
アメリカ経済は大混乱して
インフレが止まりません。
結局、そんな状態をなんとかできるのは
政府が補助金を出すという方法しかなく、
ただでさえ過熱している金融市場が
ますます高騰するという循環になっているようです。


 しかし、金融市場に
多額の国債が発行されたお金が投入されて
バブルになっているだけなので、
このバブルはいつか崩れます。
きれいにお化粧されている株式市場よりも
本当に危ないのは、
鉄火場になっている債券市場だ
ということを喝破しているのが、
今回の副島本の読みどころです。
国債市場が崩れた時に起こるのは、
ハイパーインフレになる可能性が一番高いと思います。
だから、もしかしたら
預貯金を持っているのが
一番のリスクになる可能性があります。
そうすると、やっぱり
金融の勉強を始めなければいけないのだと思います。


 入り口は、
「ザ・フナイ」に連載していただいている
秋田の土井広文さんの勉強会が
いいかもしれないと思っています。
ぜひ副島先生の本を読んでいただいて、
問題意識を持たれたら
土井さん等のやっている投資勉強会に
アクセスしてみてください。


僕が地球にやっ て来たワケ 第40回

最近思うこと


私の友人で、高額当選の宝くじに
3回続けて当たった人がいます。
その人は1度目と2度目の当選金を
すべて寄付したそうです。
もともと物欲がない人でしたが、
3度目の際、家族が欲しいと思っていたあるものを
買おうか頭をかすめたけれど、
思い切ってそのときも、ある災害基金に全額寄付しました。
すると、自分の事業に3回すべての当選金のトータルの
10倍近くの金額を投資してくれる企業が現れ、
少年時代から夢見ていた大きな仕事を始めることができたそうです。

この話を聞いて、差し障りのない程度に
別の知人での集まりで話したところ
「宝くじに当たるための開運アクションはされていたのでしょうか。
それから、お財布などにはこだわっていらっしゃったのでしょうか」
という質問がありました。
ご本人曰く、宝くじを買った場所は、高額当選スタンドなどと
特集されているような情報などにはまったく疎く、
全国津々浦々に出張に行ったときに、
ふと思いついては気ままに購入するということでした。
お財布は、長財布でもなく、二つ折りのごく普通のシンプルなもので、
一応尊敬している人からもらったので
大切に使っていると教えてもらいました。
ついでに、金運アップによく話題に出る、
お札の向きにもこだわっているかも観察させていただきましたら、
確かにお金を大事に扱っている印象はありましたけれど、
タクシーのお釣りの小銭はじゃらんと無造作に
スーツのポケットに突っ込んでいましたし、
開運アクションを意識して、
気を使っているそぶりはありませんでした。
その人に、
「よく宝くじに当たったら、不幸な目に遭うといいますが、
何か心当たりはありますか」
という不躾な質問をしてみましたら、
一笑に付されました。
このことは最後に触れたいと思います。

お金の最初

皆が常に「欲しい」と心の底から願うお金とは
もともと、「貝」だったという説があります。
だんだん、金を媒体にするようになりましたが、
金自体は、金細工師が通常は保管してており、
預かるたびに預かり証を発行しました。
しかし、金自体は下ろして自分で持っていたら重いし危険なので、
預かり証で取引をするようになりました。
これが紙幣の始まりです。

金は前述のように皆が下ろしに来ないので、
預かり証はもともとある金の量を
はるかに超えて作られるようになりました。
こうして、金細工師が銀行になっていきました。

誰がどのくらいの量の金を預けているか、
そのデータを残しておくためには、文字が必要です。
最古の文字はシュメールのくさび形文字と言われています。
誰がどのくらい借金をしているか、
信用取引の貸し借りの記録が書かれています。
信用取引の記録の必要性に迫られて文字ができました。
インカ文明では文字はありませんでしたが、
紐を結んで、その形象で数字の記録がわかるようになっているようです。

前回のコラムで書かせていただいた竹田和平さんが
幼少期に過ごした疎開先の集落での信用取引の形、
これはまさに古代文明でも行われていたのです。

近代になって金本位制が浸透しました。
金はユダヤ人が採掘や、流通を独占しました。
16世紀には金とダイヤモンドはユダヤ人にしか扱えないもので、
そのような仕組みで一部の人だけが富を手にし、
誇示するような時代が長く続きました。
今は自由に稼ぎ、富はどんな人にも
得られる機会がある世界に移行したはずなのですが、
資本主義に生きる多くの人から、
「お金がもっと欲しい。いい暮らしがしたい」
という気持ちは消えていません。

もともとの信用取引の時代は、
皆が必要なときに必要なものをいるだけ手に入れて
満たされていました。
しかし、金本位制への移行がこんなに長い期間、
豊かさへの欠乏感や、富の追求への
あくなき欲望を生み出したと感じます。

ベーシックインカムの可能性

話は変わりますが、岸田新総理が、コロナ禍において、
また個人への給付金を考えるとの表明を出していました。
このコラムが発表される頃には
どのような流れになっているかは未定ですが、
今後も国民の関心が常に、
自分がもらえる給付金、
支給される現金にあることは、間違いなさそうです。

私はベーシックインカム(BI)は
大いにやればいいと思います。
BIとは、皆さんご承知でしょうが、
簡単に説明すると、国が無条件に
国民全員に現金を配る制度です。
私がこれを支持する理由は、
今後AIの急激なる進化で数十年先には
仕事のほとんどがなくなることが明確だからです。
特に、生産に関わる仕事は根こそぎなくなるでしょう。

今でも日本は、正規と非正規の雇用格差が大きいのは
世界的に見ても如実です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調べによると、
フランスでは非正規の人は
正規の給料の9割をもらっているそうで、
ドイツは大体8割、イギリスで7割、
そして、日本では5割強で、
これだと生活保護を受けている人よりも
低い賃金になってしまうことも珍しくありません。
その上で、さまざまな仕事のAI化を
国が国際競争力向上のために促すというのなら、
それに対するセーフティネットを
責任を持って行う必要があります。
また、非正規の人もスキルアップして、
より収入の高い職業に就けるチャンスのためにも、
BIの給付は効果的だと思います。

何度かこのコラムでも書きましたが、
私は生活に困窮した人がセーフティネットを利用することは
悪いことでないと思っています。
生活保護や、NPOのサポートを受けることに抵抗を持ち、
自殺などが増える社会であってはいけないと思っています。
私とまったく同じ考えを、
ひふみ投信の藤野英人さんがSNSで明晰に書いておられました。
全体に公開の記事なので、引用させていただきます。

「ばんばん稼いでばんばん税金払ってがんがん寄付しよう。
それが楽しいしかっこいいだろ?
投資も積極的にして、消費もして
人生を前向きに生きよう。
でも、いろいろな悪運が重なったり
挑戦が身を結ばなかった人もいる。
でも、大丈夫。問題ない。
そういう人は安心して社会保障に甘えてくれ。
そしてまた返せるようになったら返してくれ。
でも焦らなくとも良いから。
私たちは不運な人、失敗した人をみんなで全力で支える。
親ガチャ? OK クソ親がいるのは知っている。
どの親に生まれたかで、機会に差があるのはよくないね。
そこは気を配るよ。
君には君の人生がある。
でも、国ガチャといわれないようにするから。
分配と成長についてのわたしの考え方」
(引用 終了)


「親ガチャ」という言葉は、
親の所得や成育環境によって、
子の人生に当たり外れがあるという最近の若い人の造語です。
「ガチャ」というのは、
ガチャガチャカプセル自動販売機から来ています。
私は、この「親ガチャ」という言葉に抵抗があります。
小学生などに浸透してしまうと、
前向きに生きる気力を奪ってしまうのでないかと思うのです。
ライトゆえに、罪深い言葉です。
しかし、本当に壮絶な環境下にある子どもがいる現実に対して、
成人するまでの社会保障はより手厚くていいと思っています。

宝くじに当たる方法

最初に書いた、宝くじ連続当選の強運の持ち主は、
「果たして急に大金が転がり込んできたら
何か事故などの不幸への不安がなかったのでしょうか」
という私の質問にこう答えてくれました。

「もしこれから高額当選をした人が
私に不安を打ち明けてきたら、
私のように全額とは言わないまでも、
その中から、最初からないものとして、
まとまった額を、
寄付や社会貢献にお金を使うといいとアドバイスしますね。
私はその後、もちろん人生で試練や葛藤がありますが、
宝くじのせいでと思い当たるアクシデントは1つもありません」

そして
「『宝くじに当たりたい、何かアドバイスはないですか』
と聞いてくる人には、
半分、せめて3割は社会貢献するものに使うと最初から宣言して、
宝くじを買うように勧めています。
それが末等の300円でも必ずそうすると決めて買う。
私のアドバイスを聞いて高額当選した人が何人もいますよ」
と、笑って教えてくださいました。

なかなか貴重なお話を聞けたと思います。
それは、きっと竹田和平さんのように、
社会を応援するような株の買い方でもいいし、
藤野英人さんのおっしゃる
「分配と成長」を勉強する機会にもなると感じます。

僕が地球にやっ て来たワケ 第39回

最近思うこと


ある方に、
「舩井さんの一番の師匠はどなたですか?」
と聞かれました。
私の場合は、父が師匠なのですが、
もう一人大きな影響を受けたのは
故・竹田和平さんです。

和平さんは父と同い年生まれでしたが、
2016年に享年83歳で逝去されました。
特に晩年の数年間に大きな教えを頂き、
お金に関することで
私が書いたり話したりさせていただいていることの
かなりの部分は和平さんに教えていただいたことです。

小川雅弘さんと3人の共著
『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』
(ヒカルランド)が、
和平さんが逝去される1年前、
2015年に出たことも思い出深く感じます。
和平さんの金銭哲学に関しては、
この本を1冊作る間にも私自身が肚に落として、
学びを深めようと努力しました。

和平さんはタマゴボーロで有名な
竹田製菓という会社の創業者ですが、
個人投資家として大きな財産を築き上げて
「日本のバフェット(アメリカの著名な投資家)」
と呼ばれていました。
和平さんのお父様も菓子職人でしたが、
田舎から出てきて裸一貫で高利貸しからお金を借り、
親戚一同力を合わせて死に物狂いで働いて、
戦前に事業は成功し裕福な一族となられたそうです。

もともとの故郷は福井県の山の中の寒村だったそうですが、
そこでお祖父様は地域の発展に尽くした名士だったそうですが、
和平さんはおばあちゃんっ子。
おばあさんは字が読めなかったのですが
熱心な浄土真宗の信徒でした。
おばあさんが、お寺に通って学んだ
浄土真宗の教えを忘れないように
幼少時代の孫である和平さんに繰り返し語っていたようです。
小さい和平さんにその信仰心は深く沁みこみました。
北陸地方の浄土真宗の門徒は熱心な方が多いと
聞いたことがあります。
舩井家も実は浄土真宗なのですが、
私の生まれ育った大阪では
それほど信仰心が篤い人は少ないので
この話を聞いたときはピンときませんでしたが、
この篤い信仰心が和平さんの商いの精神の元となっているので、
このお話をもう少しさせてください。

和平さんの疎開体験

和平さんは、終戦を
小学6年生のときに1年間疎開して
大好きなおばあちゃんのいる福井の寒村で迎えました。
決して裕福ではありませんが、
村の人から尊敬されていた祖父の孫ということで、
村の人から大事にされた疎開生活は
楽しい思い出だったと伺いました。

1年間、福井のその集落で暮らして、
和平少年の最も心に残ったことは、
村でお金を使っている人を見たことがなかったことでした。
それだけ貧しい村であったということですが、
和平少年には神仏感謝の精神が村人に根付いている
理想的な楽園のように感じられたようです。

お金を使わないというか使えない村人たちは
いつも3つの言葉を話していたそうです。
ありがたいのう、おかげさまでのう、
そしてもったいないのうです。
1番目の「ありがたい」は
神仏に対する感謝の言葉。
2番目は「おかげさま」は
村人の相互の感謝の言葉。
そして、3番目の「もったいない」は
物に対する感謝の言葉です。

この村での経験で和平少年はすでに
「お金は実は幻想である」
ということが確信できたのです。
小学6年生の少年の心に刻み込まれたこの精神が、
株式の投資家としてバブルもバブルの崩壊も、
リーマンショックのときも
無傷で乗り切られた和平さんの
確固とした軸になっていたのです。

偉人の金メダル

和平さんの生前の口癖は、
「間違ったこと、やったらダメなことをしたらお腹痛くなる」
ということでした。
和平さんは胃腸が弱かったのですが、
それをポジティブにとらえて、
行動の指針として
「お腹が痛くなることはしない、
もしくは、ただちにやめる」
ことを実践していました。
株式の取引を誰よりも熱心にしましたが
実質的に借金をすることと同じ
信用取引は絶対にやりませんでした。
商売の面では、
菓子の業界では手形取引が当たり前だったのですが、
和平さんはお腹が痛くなるので
徐々に手形は切らないし受け取らないようにしていったそうです。

和平さんの遺した事業に
「日本の百尊の偉人」を刻んだ
金メダルの製造販売があります。
今は小川さんが受け継いで
「百尊家宝」と呼んで販売してらっしゃいますが、
これを和平さんが販売し始めたときは賛否両論でした。
偉人を刻んだ金メダルの価格は、
投資として普通に金を買うときの
倍程度の値段になるからです。

最初に金に投資をしようと思いついたのは、
普通に投資家として儲かるからでした。
当時の金の価格はとても安く、
超一流の投資家の感覚として、
いま金を買えば絶対に儲かると思われたそうです。
でも、投資の一環として金を買うと
お腹が痛くなられたそうです。
株式投資は会社の資金調達の応援になるし、
ある意味経営者にとって一番しんどい
資金調達の応援をするのですから
社会的に大きな意義があります。
しかし、和平さんはただ値上がりを待つために金を買うのは
社会の役に立たないので、エゴだと感じました。
誰の役にも立たないで自分のことだけを考える
エゴの行為から脱却を図っていた
和平さんの方針に反する行為なので、
お腹が痛くなるというセンサーが働いたのです。

値段は市場価格の倍近くになるかもしれませんが
偉人の金メダルは、家宝として
子孫に受け継いでいくことができます。
日本の偉人が刻まれた金メダルが家宝になっていれば、
ただの資産を残すだけではなく、
日本人として大事なマインドを受け継いでもらえます。
和平さんの思いと願いがそこに込められているのです。

小川さんはその精神を理解して、
金を買うときは
目先の価格の上下変動に右往左往するのではなく、
家宝を残すつもりで買えば
神仏からの応援をもらえるよということを伝えたので、
和平さんでもあまり売れなかった
金メダルの販売に成功したというわけです。

お金は幻

和平さんは50歳のときに生き方が変わったそうです。
旅行先の香川県で、
エゴを捨てる生き方をすると神仏からの応援がある
という啓示を受けました。
それが、幼少のときにおばあさんから頂いていた
浄土真宗の教えとぴったり合うことから
生き方を根本的に変えて、
それまではビジネスや株式投資の世界で
ギラギラ生きてきたのですが、
エゴではなく「まろ(真心)UP」することに
重きを置くやり方に変わったそうです。
そうすると、周りに集まってくる人たちの質が根本から変わり、
ますます幸せで充実した人生を送れるようになりました。

ここからが和平さんの真骨頂なのですが、
たとえ相手が神仏であっても借り勘定は残しません。
お礼として4キロの純金の恵比寿像を作って
金比羅様に奉納しました。

私も、和平さんの役に立つために
一生懸命に働かせてもらったことがあります。
多くの教えを頂いたし、
いまに至るまでネタとして使えることを
伝授してくださったのだから
当然だと思っていました。

でも、和平さんはきっちりと
それ以上のお返しをしてくださいました。
まさに、やられたという
心地いい気分になったことをよく思い出します。
確かに、もともとの原理原則を考えると、お金は幻です。
物々交換の後の貨幣は、貝でした。
その後、金を媒体にするようになった時代に、
金細工師は預かり書を発行することで、
実物の金に換えました。
金はそのままやりとりしたら重いからです。
この預かり証が紙幣の始まりです。

そして、現代では金細工が眠っているのは、銀行です。
金を下ろしに来ないので
100の在庫でも1万作るということができるというわけです。
ちょうど50年前にニクソンショックが起こって、
いまはお金のバックアップをしているのは金ですらない、
まさに幻想になっているのですが、
それを実感として知っておくことは
とても大切なことになります。

お金の歴史の話は、
改めてまたどこかに書かせていただきます。
それがわかるとお金の未来も見えてくるようになるので、
楽しみにしておいてください。


僕が地球にやっ て来たワケ 第38回


最近思うこと


にんげんクラブ WEBサイトより
ウィークリーレポート(8 /11 更新)

『正義の時代』


現代の知の巨人といえば、
2017年にご逝去された渡部昇一先生が
筆頭にあげられるのではないでしょうか?
私は高校生の頃、
父からある月刊誌を毎月渡さ れて、
それを読めばいいと言われました。
内容は かなり難しかったのですが、
世の中の動きが手に取るように分かるようになったので
楽しくて結構がんばって毎月読んでいました。
そのレギュラー執筆陣のお一人が渡部先生で、
世の中にはこんなに頭のいい人がいるのだな
ということを知りまし た。

その後は不勉強で、
その著作を拝読することはほとんどなかったのですが、
今回いろいろなシンクロニシティが起こり、
久しぶりに何冊か読ませていただきました。

最初は、松本清張先生の
『日本の黒い霧』(文 藝春秋)を読んで、
そのときにいろいろ調べている中で
渡部先生の
『昭和史―松本清張と私 大正 末期〜二・二六事件』
(ビジネス社)という本が
出ていることを知り購入しました。
積読になっていたのですが、
この原稿を書くに当たり
読み始めたらとても面白く、
すぐに読んでしまいました。

そうすると1976年に出版されている本なので、
多分中学生のときに最初に読んだ先生の本、
『知的生活の方法』(講談社現代新書)が
気になってきたので、
電子書籍で買って読ませていただきま した。

中学生の私は渡部先生の読書方法に感銘を受けたのですが、
とても真似をできないとあきらめてしまいました。
それが最近まであまり渡部先生のご著書を
読まなかった(読めなかった)原因なのかもしれません。
よく覚えているのは、本は重いので、
補強しておかなければ床が抜けるということで、
そこまでして本を読めるようになるには
一体どんな生活をしなければならないか
武者震いをしたものです。

幸いに、いまは電子書籍などがあり、
また古本もアマゾン等を使えば
比較的容易に手に入るようになりましたが、
本当の知的生活をするためには、
基本的なことは変わらないのだろうなと思います。
私の場合は父が亡くなってから
本格的に勉強するようになったし、
それもほとんど原稿を書くために本を読んでいるので
偉そうなことは言えませんが、
若い方の中にはきっと
新しいスタイルの勉強方法を
生み出す人がいるのだと思います。
なぜ ならば、知的興奮というのは
何にもまして魅力的なものだからです。

渡部先生の本を読んでみるきっかけになったのは
阪根大学というオンライン講座の学長を務めら れている
阪根博学長と野村哲也事務局長と
オンラ ンでミーティングさせていただいたことでした。
私も光栄にも阪根大学の講師をさせていただいているのですが、
そこで親友の赤塚高仁さんから教えていただいた、
ユダヤ人2万人の命を救い
終戦後のどさくさにソ連が北海道占領を企てて起こした
占守島の戦いを命じたことで
北海道を救った功績がある
樋口季一郎中将のことを、
樋口隆一編著『陸軍中将樋口季一郎の遺訓』(勉誠出版)を
紹介しながら話させていただきました。

とんでも ない博学の阪根学長は昔、
北海道にツアーで行ったときに
樋口中将のことを話されたことがあり、
それを私の話で思い出されてインスパイアーを受けられたようです。
そして、そのときに思い出したのが渡部昇一先生のことでした。
書名までは覚えておられなかったのですが、
渡部先生のエッセイで
当時の社会主義国のことを甲殻類に例えたものがある。
それを調べてみたいのだが、
現在阪根学長は南米のペルーに在住されているので難しいので、
私に調べてくれないかというお話でした。

調べてみると、1974年から76年に書かれた
『文科の時代』『腐敗の時代』『正義 の時代』
という時代シリーズエッセイ部作の中の
『正義の時代』に収録されている『甲殻類の研究』が
それに相当していることが分かりました。

渡部先生は社会主義や共産主義は
必ず全体主義 (トータリタリアニズム)に
つながるということを喝破しています。
例えば、ヒトラーのナチスは
『国家社会主義労働者党』という正式名称を持っているので
社会主義を旗印にしています。
また、1936(昭和 11)年の二・二六事件の
理論的支柱を提供したことで、
軍人でクーデターに参加したわけでもないのに
軍法会議で死刑を言い渡され刑死した
北一輝の主著は『国体論及び純 正社会主義』
(中公クラシックス)であり、
ソ連の共産主義との違いは
天皇制打倒を叫ぶか
天皇をいただいてその下で
純正な社会主義(反資本主 義)を行うか
のちがいだけであるというのです。

阪根学長は現在の日本の周りも
このような全体主義につながる勢力に囲まれていて、
これを生き 抜くには非常に危うい状態にあるということを
多くの知的生活者に警告する必要性を
感じておられ るのです。

渡部先生の主張は、
若い頃の私には過激に思え ましたが、
いま読むと極めてまっとうなことを
きちんとエビデンスを示しながらおっしゃっていることが分かり、
幸いにも人気があるのか
電子版で読める本がいまだにたくさんあるので、
しっかり と読んでみたいと思っています。

さらに嬉しかったのは、
父や私も親しくしていただいていた
分子生物学者でノーベル賞級の業績を残されている
故・村上和雄先生
(今年の4月に残念ながらご逝去されました)
の遺作である
『コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?』
(幻冬舎)を偶然に読ませていただくと、
そこに樋口中将の業績が紹介されていることです。

赤塚さんが言うように、
危機の時代ということは変容の時代であり、
渡部先生や村上先生のような先人が残したすさまじい業績を
やっと私たちはきちんと認識できるように
なってきたのかもしれ ません。

ウィークリーレポート( 8/18 更新)

日本の美


無観客とはいえ結構騒がしく楽しい日々を送らせてもらった
オリンピックが終わってしばらくの時が流れました。
野球やゴルフなど自分が興味のある
一部の競技をテレビで楽しませていただきましたが、
個人的には新聞でメダルラッシュのニュースを見て、
若いアスリートの人たちが
がんばっているのだということを確認させて
喜んでいたぐらいです。

ただ、開会式と閉会式はしっかりと見させていただきました。
若い人の話を聞くと、 SNS上等では評判が悪く、
仕切っている広告代理店の
頭が古いからだということになっている ようです。

広告代理店と同じように頭が古いのかもしれま せんが、
私は開会式も閉会式も結構良かったと思っています。
イベントの企画に関しては何も分かりませんので、
あくまで素人の意見なのですが、
コロナ禍で行われたオリンピック、
私たちの経済もオリンピックのあり方も
どんどん成長していくイケイケドンドンではなく、
成長が徐々になくな っていって
成長しない中での美を磨いていくスタ イルに
なるのではないかと感じられたからです。

私は前の東京オリンピックが開催された
1964 (昭和39 )年生まれですが、
あのときのオリンピ ックは、
これから日本やアジアがドンドン豊かになっていくぞ
という高揚感を感じられるオリンピ ックだったのですが、
今年の五輪は脱成長を象徴するようなオリンピックだったと
感じさせてくれたと私には思えたのです。

3年後のオリンピックはパリで開催されますが、
フランスも文化が成熟している国で、
成長しない中でのオリンピックのあり方を示すには
ぴったりの国だと思います。

閉会式で紹介されたオリンピ ックのあり方は
それを見事に表現していて、
さすがだと思いました。

5年前のリオオリンピックの閉会式は
それほど熱心には見ていないのですが、
安倍前総理がスーパーマリオになられたのは何となく覚えています。
そのときは、まだ成長を前提とする
熱いオリンピックを目指していたのかもしれませんが、
1年延期とコロナ対応で
本来あるべ きものに変容したのかなとも感じました。

もともと、日本の文化は過度なギラギラしたものを嫌う文化です。
伊勢神宮が典型的ですが、
シンプルでしっかりした職人技の粋を集めて造られたもので
常若の考えを見事に表現しています。
失われた30年とも言われて
日本経済の元気のなさが世界で突出した状態になっていますが、
明治維新以降や戦後の高度成長期の方が異常な状態で
日本は江戸時代には成長をほとんどあきらめることで、
その代わり260年もの天下泰平を謳歌してい たのです。
わびさびに美を求める日本文化には
成長は似合わないのかもしれません。

ただ、やっぱり経済成長しないのは、
諸外国がそれなりの成長を続けている中では
厳しいものがあります。
コロナ禍でもアメリカや中国は成長を 続けていますが、
どうもそれはかなり無理をした
演出された成長のように思えてしまいます。

たま たま、日本は他国よりも30年早く
脱成長のステー ジに入ったのであって、
3年後のパリオリンピックで本格的に表現してくれるであろう、
新しい低成長、脱成長の時代のオリンピックの
ひとつのあり方を示すことができたことで、
日本は大きな役割を果たせたのではないかと
個人的には感じてい ます。

ここまで考えると
わびさびの文化を誇っているのは
何も日本だけではないと感じます。
ヨーロッ パの文化遺産も大半は
重厚な歴史を感じさせてもらえるクラシックなものですし、
新しいものばかりを追求しているように思われるアメリカにおいても、
例えばニューヨークはほとんど地震がないことから
100年以上経った建築物をいまでもしっかりと使いこなしています。

原色が大好きでギラギラしているイメージがあるアフリカでも、
植民地時代の歴史的な建築物などは
クラシカルな趣を感じさせてくれるものが多く、
人類は変容をしていきますが、
それは成長とは違う形で起こってくるような予感がします。

そして、私たちはその新しい変容の形を受け入れて、
もしかしたら日本が率先して
その道筋を示していかなければいけないのかもしれません。

理論物理学者の世界では、
理論を提唱してそれが実験で確かめられるまで
大体30年の年月が必要なのだそうです。
科学であるからには
きちんと実験で確かめられないと認められないのですが、
多くの物理学者にはどの理論が正しいかの
予想はできているそうで す。
なぜなら、本物の理論はシンプルで美しいのです。

産業革命以来、高成長という異常な時代を生きている人類が
変容する時が来ているのかもしれま せん。

特に明治維新以降の日本は
その中でも断ト ツであり得ない成長を続けてきたのですが、
伸び たからには今度は縮んでいく過程でも
先頭を走っていく必要があるのかもしれません。

新しい人類 のあり方を、
成長がなくてもみんなが幸せでシン プルに美しく生きられる世の中を
模索していきた いものだと思います。

僕が地球にやっ て来たワケ 第37回

最近思うこと


そろそろ本格的な夏の到来です。
いろいろな意見があるのは承知していますが、
ワクチン接種も随分浸透し、
停滞した日本のネクストドアが開いたような気がします。
漠然とした不安は残っているものの、
長らくの恐怖の心理の膠着状態から抜け出られる喜びと解放感は、
みなさんそれぞれ格別なのではないでしょうか。

アメリカの精神医学者ジャンポルスキーの
「もし私たちが、物事を『問題』としてではなく、
何かを学ぶ『機会』としてとらえることができたら、
その教訓を得ると同時に、
喜びと満足感をも得ることができるはずです。
ある教訓や課題が目の前に現れるということは、
私たちにその教えを学ぶ心の準備ができたということにほかなりません」
という言葉も、私は大事にしていることの1つです。

試練や葛藤の時期は誰にとっても辛いことですが、
次なる一手が新たな成長過程だとお腹に落ちていれば、
その問題の渦中の時分もほんの少し落ち着いていられます。

人は他人や環境に振り回されているときより、
自分自身に振り回されているときが
もっともパフ ォーマンスが落ちると感じます。
忘れ物やケアレ スミス程度なら問題ないのですが、
命を落とすよ うな事故も
何ものかに心がとらわれているときに起こることは珍しくありません。
いつも明鏡止水の心持ちで日常を過ごすということは無理ですが、
本質的に地に足を着けて過ごす日常の心の習慣を
コロナ禍は教えてくれたのかもしれません。


活力に満ちた私のビジネス

父の死後、不動産ビジネスの勉強を深めていました。
よく飽きっぽく見られがちですが、
1つのことに傾注すると年がら年中、専門書を読み漁り
積極的に超プロの意見を求めにいく積極的な行動をします。
まさに私の人生のポリシーは
「興味のあることはとことん、そのほかのことは中庸に」を地で行きます。

不動産に関しては、特に私の第六感が働く分野 です。
建物を見るとすぐにささやきかけてくるものがあります。
不思議な能力というよりも、それだけ学んで得たものだと感じています。
美味しい料理を食べてみる前に、
いかにも滋味溢れる波動を感じる経験は誰しもお持ちでしょう。
まさにそ んな感じで、
これは『買い』という物件に関しては、
買った方がいいよというささやきを感じるのです。
逆のものは悪い波動というより、やめてお けという厳しさを感じます。

「舩井さんその見方を教えてください」と言われますが、
きっとほかの人には再現性がない私独自のものです。
再現性がないということは、超プロの域には達していないということです。

そろそろ不動産投資も潮時かなという気がしています。
この分野はますます難しくなるので超プロでなければ生き残っていけません。
ただ、投資に関してはこれからも 研究を続けていこうと思っています。

投資に関しては生前の父と心の確執がありました。
父は投資が嫌いでした。
リスクを考えると、不労所得は人を幸せにしないという
父の価値観に合わなかったのだと思います。
しかし、私は投資というものは、資産を受け継ぐ者にとっては
ビジネスの本質に関わるものだと常々思い、父と話をしました。
議論では歯が立ちませんでしたが、父の言わんとすることも理解しつつ、
日本全体を見たときに、
日本人がこのまま資産運用をせず
死に金になってしまう預貯金だけをしていったら、
日本の 経済はしりつぼみになってしまうのではないか、と
そんなマクロな危機感を拭えずにいます。
だから、私の受け継いだものを社会のために活かすには
どうすればいいかという謙虚な気持ちで、
投資 の学びを深めていきたいと思っています。


おりてきた父・舩井幸雄

にんげんクラブの会報誌では
少し不思議な話もしようと思っているのをお許しください。
父の生きている頃からご縁の深い神社が大阪にあります。
コロナのこともあり少し閉塞感を感じていたので
その神社のことを友人に語ったところ、
あっという間に参加希望者が集まりました。
あまり大人数ではいけませんので絞って同行をお願いした中に、
精神世界に詳しい方がおられました。
最近とても 親しくさせていただいている
日本一のコンサルタ ント道幸龍現先生のお知り合いです。

その方は普段はニコニコとして、決して仕切る タイプではないのですが、
神社の入り口で真剣な顔で私にこう言われました。
「舩井先生、お父様が今どうしても言いたいことがあるとおっしゃっ ています」。
このようなことをスピリチュアリストに言われることは時々あるのですが、
そのときは父のメッセージを聞いてみることが必要だと感じました。
彼女がここだというある摂社の前で
一緒にリーディングを聞かせてもらうことにしました。

その方が、すっと時空を超えられてその世界に入られると、
鳥の囀りがやみ、風の動きさえ止まったように感じました。
「お父さんは謝られています。
勝仁が繰り返し言っていた投資の才能は大きく花開き、有益なも のとなるでしょう。
今こそ投資の天分を生かし、そこで得た利益を使って、社会貢献をするべきです。
特に死に関するビジネスというキーワードで次なる分野を探しなさい。
それが孫の世代まで舩井家の繁栄をもたらすことになるとおっしゃって います」

言葉を終えた途端、山の稜線めがけて鳥が一斉に飛び立ちました。
そのことに同行者は「鳥肌が立ちましたね」と言っていましたが、
私は正直ビックリしていました。
私は、リーディングをしてくださった方に
「投資」という私の内面を話した経験もありません。
そして、孫の世代というのは、父から見た孫で、
私の息子のことだな、とそのときに根拠がありませんが確信をしました。
息子もすでに不動産投資の勉強を始めて成果を上げていますが、
息子と一緒に新しい投資の機会を探していこうと思いました。


命のバトン

死に関するビジネスと聞いて
「命のバトン」という言葉を思い出しました。
「命のバトン」は親しくさせていただいている
看取り士の柴田久美子先生がおっしゃっている言葉です。
「看取り」というのは、臨終の際にご遺族の前でしっかりと抱きしめて、
亡くなる瞬間を静謐に、一生を後悔なく終える儀式のことです。
柴田久美子先生の立ち上げられた協会のもとで
「看取り」を学んでおられる方はたくさんおられます。
この柴田先生の活動は大変魅力的で意義深いものですので、
私が挑戦するのは看取りの近接分野になるのかもしれません。

そう言えば、柴田先生に出会ったのは父を看取る寸前でした。
おかげで「命のバトン」を受け継ぐことができ、
そのときの経験が柴田先生との共著
『いのちの革命』(きれい・ねっと)にまとめられています。

父は「小売業の勝利の方程式はシンプルだ。
競合店より大きな売り場面積の店を作り、品揃えで 圧倒すればいい。
競合店が独自の仕入れルートを開拓してきて仕入れられない商品を並べたら、
その店で購入してそのまま自店に陳列すればいい」 と言っていました。
「地域一番店戦略」という理論ですが、
父が現役コンサルタントのときはこの理論だけで
一対一の競合では絶対に負けませんでした。
もちろん、いまの成熟産業になった小売業では
通用しませんのでご注意ください。

私は介護の世界で、
そんなシンプルなセオリーを作りたいなと思っています。
父が作ったノウハ ウではありませんが、
アジアの国ではコンビニが小売業で勝てるビジネスモデルとして席巻しています。
世界中を旅行して感じるのは、
コンビニがある国は日本文化の勢力圏なのだということです。
介護の世界は、柴田先生のような一部の優れたカリスマが何十人か現れ、
たまたま彼ら彼女らに巡り合えれば
かなりいい死に方ができるようにな ってきたようですが、
まだシンプルなセオリーはできていないように思います。

この世界で父が作りあげたような、
「聞けばすぐ理解できて再現性のある」柱を作ってみたいと思います。
不動産投資の世界は私がやらなくても 多くの先達がいますし、
投資で成功できるという体験をしてみるうえでは
必要なステップであったと思います。
現状の介護の世界は、どちらかというと
安易に儲けることが目的の経営者がまだまだ 多いような気がしますが、
そろそろ柴田先生がおっしゃるように
欧米にはない日本流のノウハウが できてもいい頃かもしれません。
そして、それが アジア諸国に広がっていくとステキだなと思いま す。

私が得意な政治経済の世界の動向を見ていると、
アジアは少しきな臭くなってきました。
いい死に方を共有できるようになれば、
多分戦争ができなくなるのだと思います。
私は経営者ですので利益も追求しますが、
よりマクロな父が日本の小売業を近代産業にしていったように、
介護というこれ からの日本の成長産業が
世界に通用するようになるノウハウを作ってみたいものだと思っています。


僕が地球にやっ て来たワケ 第36回

最近思うこと

にんげんクラブ WEBサイトより
 
舩井勝仁のウィークリーレポート(6/9発信)


小樽の惨状

3回目の緊急事態宣言が6月20日まで延長され ました。
最初のときは、それこそ家から出るのもダメな雰囲気でしたが、
そういう意味ではかなり 緊張感が緩んでいるのかもしれません。
しかし、 飲食店でお酒が飲めない、
お酒を出さなくても20時までで店を閉めなければいけないというのは、
ものすごく影響が大きくて、
どちらかというとウ イズコロナで共生を考えていかなければ
いけないステージに入ってきていることを考えると、
ちょ っとやり過ぎかなという気もします。

一時は大阪で医療崩壊が起こり、
重症者数や死 者数がかなり増えてしまいました。
また、ゴール デンウイークの観光客の増加が顕著だった
北海道 と沖縄はいまでも感染者数がかなり多く出ており、
人命を最も大切にしなければいけないという視点 から見れば、
いまのやり方も致し方ないのかなと 思います。

私も、気が付いてみればほとんど出張に出掛け なくなりました。
今月はちゃんとした出張に出か けるのは関西に一度だけで、
実はそれほど気には していないのですが、
世の中の集合無意識に従っ て生きているので、
こういう結果になっているの だと思います。

ちょっと仕事とは言えないのですが、
秘かに先日、北海道に行ってきました。
東京や大阪にはいろいろな意見の人がいて、
にんげんクラブ関係の 友人は
他人に嫌な思いはさせないという前提付き で、
あまり新型コロナウイルスのことを
気にしていない人が多いと感じます。

そんな考えも東京や大阪なら許容されるのか、
私は政府や東京都の指示には基本的には従いますが、
ホテルの部屋飲みなどもやっていますので、
本来の自粛の趣旨から考えるとかなり自由な行動を取っています。

でも、地方に行くと
とてもそんな雰囲気ではない所も多いようです。
親しい人が大変お世話になったおじさんが
コロナではなく天寿を全うされてお亡くなりになりました。
当然、お葬式に参列するものだと思っていたのですが、
東京から田舎に帰るなんてことをすると
身内が村八分に遭うような雰囲気なので
とても行けませんと嘆息していました。
私には感覚的には分かりませんが、
多くの方がそんな気分で生きているのだなと思うと
少し 悲しくなってしまいます。

そんな気分を北海道の小樽で少し味わえたのが、
今回の旅の一番の収穫だったのかもしれないと思 いました。
今回の旅はAKDN
(赤塚、勝仁、出 路(ヒューマンフォーラム会長)、
尚子(きれい・ ねっと社長の山内尚子さん)の
仲良し4人組の旅 で、
出路さんは仕事の関係で参加できませんでし た。

2月に引き続き北海道の旅第二弾なのですが、
今回は山内さんが北海道聖書塾の特別講師をされるので、
北海道聖書塾の主要メンバーにアテンドしていただきながら、
それに合わせての設定だっ たのですが、
かなり自粛ムードの北海道を味わう ことができました。

そうは言っても、札幌は大都会で
電車に乗っても少ないとはいえ、
それなりに必要最低限の動きは感じられましたが、
本当に町の活動がほとんど止まっていたのが
小樽の観光スポットでした。

聞いてみると市からかなり強めの自粛要請が出ていて、
お土産物屋さんなどでも95%は閉まっていま した。
札幌に近い観光地で、
かなりの部分を観光に頼って経済が成り立っているだけに、
特に6月に入って緊急事態宣言が延長されてからは、
とにかく一切の観光に関する経済活動を自粛してもら って
感染の拡大を抑え込むことに注力されているようです。

とても逆説的な言い方になってしまいますが、
その惨状を目撃させていただいて
大半の日本人が 感じているであろう悲壮感が
はじめて理解できた ように感じています。

私は東京の都心に住んでいて、都心で仕事をしています。
地方にも出掛けますが、所詮よそ者ですし、
オンラインで代替できる講演会や勉強会は
特に地方のものは大半それに 変更になりました。

だから、村八分になるような雰囲気を
味わったことがなかったのですが、
そういう目で見ると今回の小樽はすさまじかったです。
こんな姿を見ているといま大切なのは
死生観を持つことなのかなと思います。
マスコミの情報に振り回されないようになって、
人間いつかは必ず死ぬのだということを
意識しながら生きていける かどうかが、
こういうときに行動の違いになって 表れるのかなと感じます。

どちらがいいとか悪いとかいう話ではありません。
特にこれからの日本は超高齢社会を迎え、
誰にとっても死がもっと身 近なものになってきます。
今回のコロナ禍をいい 機会と捉え、
しっかりとした死生観、
つまりどん なふうに死にたいかを
しっかりと考えておくのが大事だと思います。

東大名誉教授で社会学者の上野千鶴子先生の
『在宅ひとり死のススメ』(文藝春秋)を読ませて いただきました。
上野先生は「おひとりさま」という言葉を作られて、
看取り士の柴田久美子先生と も交流があります。

本書にも柴田先生のことに触 れられていますが、
ますます死生観を確立することを迫られている
ということに気が付くためには、 とてもいい本でした。
いい機会と捉え、しっかりとした死生観、
つまりどんなふうに死にたいかを
しっかりと考えておくのが大事だと思います。


舩井勝仁のウィークリーレポート(6/ 16発信)

新しいアルゴリズム

多分、緊急事態宣言が解除される方向に進んで いるように感じます。
まだまだ油断はできません が、
イギリスでG7のサミットが対面で開かれて、
世界は新しい日常を模索し始めた気がしています。
ただ、今回のコロナ禍を機に、
いままでの私たちの経営のやり方や生活の仕方、
そして社会のあり方が確実に変化し始めたのは
間違いないのかなと 感じています。
新しい時代が確実に始まり、
それに対応していくことが求められているのだと感じ ています。

私のような中高年でも
オンラインでの会議や講演をさせていただけるようになりました。
私はお かげさまで、会社に個室があり、
車で出勤できるという恵まれた体制にありますので、
週末や夜などにオンラインで会議や講演会に出席するときは
会社まで行くことが多くなりました。

昨年の第一 回目の緊急事態宣言のときは、
ウイルスにどう対 処すればいいのかもよく分かっていなかったので、
家から出るのも気を使うような感じでしたが、
3回目ともなるとある程度の対処の仕方が分かって きたので、
混乱しながらもそれなりの考え方を持って
対応できるようになってきたように感じます。

例えば、オンライン会議でも私の場合は、
誰もいない週末や夜の会社でやることが日常になりました。
在宅勤務でほとんどの業務がオンラインで対応されている方も
多くいらっしゃると思いますが、
なかなか家庭で落ち着いてオンライン会議をするというのが
難しい方も多いのではないかと思います。
小さいお子さんがいらっしゃる方と会議 をすると、
最初の頃は子どもが乱入してきて、
私などは面白がっていましたが、
当事者にとっては 大変だったのだと思います。

現状に対応するために、
みなさんいろいろなノウハウを身につけて
出勤しなくてもそれなりに対応されるようになってきました。
また、時々電車 で通勤すると
電車の混雑の仕方がかなり戻ってきたようにも感じます。

1年前は絶対に自社で感染者を出さないようにする対応をしていましたが、
大企業であればそんなことは不可能であり、
感染者が出たときにどう適切に対処するかの
各社のあり方ができてきたようにも感じます。
どちらにしてもそれぞれのやり方で
新しい日常を始めつつあ るようにも感じます。

仕事の仕方や生活のあり方が変わってくると、
新しいアルゴリズム
(本来はシステムの構造化と いう意味で使いますが、
この原稿では生活の仕方と考えてもらってもいいと思います)
ができてく るのではと考えています。
私であれば、夜遅くま で飲んで帰ってきて、
それでも朝早く起きて原稿 を書き、
満員電車に乗って通勤するという古いア ルゴリズムがなくなって、
お酒を飲まずに帰ってきて
だから夜に原稿を書いて、たっぷり睡眠を取り、
会社に出勤する必要のないときは、家で仕事 をすることもある
というアルゴリズムができつつ あることになります。

もう少し、掘り下げて考えると、
ほとんどの人は自分で作りあげたものではなく
社会から与えられたアルゴリズムによって生きていました。
会社 に行く方は、お酒を通じてのコミュニケーションを
しない方もいらっしゃると思いますが、
大体朝 決まった時間に会社に行って、
夜疲れて家に帰ってくるということに
疑問を感じずに生きてきたと思いますが、
そんな日常の生活の仕方ですら常識でなくなってきて、
それぞれの新しいパターンが できつつあります。

逆に考えると新しいアルゴリズムを作りあげる必要性を
一人ひとりが感じる時代になってきたと うことになります。
社会から与えられたアルゴ リズムは
よく考えるとおかしいことがいっぱいあ るのですが、
何も考えずにそれに従っていればよかったので、
ある意味とても楽なものでした。

でも、いまは個々人が新しい生き方を模索しているので、
常識が通用せずに、変なアルゴリズムを作ってしまうと
軋轢を起こしてしまって迷惑をかけてしまうことが
頻発しているようにも感じます。
ただ、それも過渡期だと思えば
ある程度仕方がないのではとも感じます。

それぞれが新しいあり方を模索しながら生きていく中で、
それが集まった会社や地域や社会の中で、
その集合無意識としての集団の新しいアルゴリズムができてきて、
今度はそれに従ってみんなが行動するようになるまでは、
ある程度の時間がかかるのだと思います。

めったにない機会なので、いまは目いっぱい自己 主張をして、
自分らしいアルゴリズムを試してみればいいのだと、
ある意味で開き直った方がいいのかもしれません、

ただ、大事なのは新しいあり方をやるということは、
間違っている可能性や社会に受け入れてもらえない可能性が
大きいということでもあるので、
柔軟に変化していけることを忘れないようにする
ということなのかもしれません。

他人の意見にただ従っているだけではうまく生 きられない時代ですが、
自分の考えも多分間違っています。
それを柔軟にバージョンアップしていく覚悟が大事なのかなと思います。

難しいことで すが、楽しいことでもありますので、
新しい生き 方を模索しながら
それぞれのアルゴリズムを作っていくことに挑戦していただければと思います。

僕が地球にやっ て来たワケ 第35回


最近思うこと


にんげんクラブの皆さまは
利他重視の精神性の高い時代に入ったことを
感じていらっしゃると思いますが、
逆に現実に振り回されている日々を
仕方なく送っている気もします。

日常生活で気にな ることは、
ウイルスに感染しないようにする、
周りの人もかからないことに心を配る、
コロナに関する次なる有益な情報を取る等、
本質的ではなく
些末なことばかり考えさせられています。
ただ、ポジティブに考えると
自分に向き合い身体をケアするという
シンプルながら真摯な毎日だとも言えるのだと思います。


私は経営者の責任として、
ヘルスチェックなどのメンテナンスが大事なことに加えて、
疲れるとみるみるうちに
免疫力が下がってくるのが自分でわかるので、
このところは先回りして
自分の身体の変化のみならず
心の声を聞くことを心掛けています。

無理せずに限られた時間の中、
いかにリラックスしてハイパフォーマンスで
日々のタスクをこなしていくかということを
考えさせられている日々です。


以前、たまに読むエニアグラムを
日本に初めて紹介された鈴木秀子先生の本の中で、
「 日中、自分のやらなくてはいけないことを細切れに考えては、
頭を常に不安状態にしておくよりも、
やるべき執務の時間以外は
スパッとその心配事を頭から外す方が
効率よく仕事ができます。
例えば気持ちのいい散歩の時間にアイデアが浮かぶのです」
というステキな気づきをいただきました。

さらに父の考えは、その散歩の中で
「一切頭の中を空っぽにして、
目の前のそよいでいる風の音や、
葉っぱの動きにただただ向き合っている方が、
のちの仕事の時間に
ずば抜けた集中力や企画力が 発揮できる」
というものだったような気がします。

最近、さまざまな賢人がおっしゃるようになった
「いまを生きる」ということが、
鈴木先生や父の 話を捉え直すことで、
わかりやすく集約されてく るように感じます。
もし、読者のみなさんの中で
ご自身やご家族が
コロナにかかられた方がいらっしゃいましたら、
謹んでお見舞い申し上げます。
ご自身を責めないで、
まず身体をいたわっていただき
回復されたら、穏やかに日常にゆっくりと立ち返り
つらい経験を通して逆に「いまを生きられる」ことを
感じていただけるようになれば
ありがたいなと思います。


ちょっとアホ! 理論

私の周りで、「いまを生きる」のが抜群にうまいのは、
前回の号から書かせていただいている
盟友の出路雅明さんです。
出路さんのご著書
ちょっとアホ!理論 倒産寸前だったのに超V字回復できちゃった!
(現代書林)は
どんな自己啓発書より、
楽しく有益な精神論を学べると私は感じ ています。


日本のメンタルコーチの祖 西田文郎先生が
この本を読んでいたく感銘を受け、
「1000人の経営コンサルタントに会うより、
このア ホ1人に会うほうがいい!」と
帯の推薦文に寄せた意味が分かるようになってきました。

コンサルタントや税理士など
客観的にものを見る専門家に依頼して、
ガチの中期経営計画を立て
目標に進んでいくための会議を続けていたら、
業績が悪くなり身体も壊した出路さんは、
本質に戻って
得意な「いまを生きる」ことに集中するために、
すっぱりそのようなガチガチの経営をやめたら、
一気に業績がV字回復して、
健康も取り戻したというお話は前回少し触れました。
2006年の古い本ですが
アマゾンなどネット書店ではまだ買えますし、
kindleでは読み放題に含まれているので、
ぜひ多くの方に読んでいただきたいと願 うばかりです。

しかし、出路さんは根っから
「考えるのが好きな」タイプの人間だという一面もあります。
いく ら経営方針を上手に軌道修正したところで、
もともとの気質というものはそう変わらないのです。
気楽に北海道の網走にある大学のことで
出路さんに相談をしました。

ちょっと本題から外れますが、
その大学にはアザラシの研究をしている
女性の名物教授がおられます。
アザラシの生態観察は、
無人島に籠って行われるそうですが、
それに耐えられるのは女子学生だけだというのです。
女性の本質的な強さや男性の弱さが分かるエピ ソードですが、
網走というかなり特殊な環境にある大学は
ユニークな事例の宝庫です。
赤塚さんや 出路さん、
それに札幌から来てくれた仲間と一緒に
2月の極寒の網走湖でワカサギ釣りをして
単純に限界の環境の中での非日常の生活を
楽しんでいたのですが、
出路さんは一人
その大学の経営についての本質的な思考を巡らせていました。
時代は明らかに目の前のことではなく、
本質的な変化を求めています。
どんな状況でもそれをやり続ける出路さんの姿を見て、
コロナ禍でアパレル業の経営が大変なときに、
うかつに面倒なことを頼んでしまったなと反省しきりです。


考え続けたこと

私も考えることが大好きなのですが、
先日ある著名なコンサルタントの友人が
「世の中の9割の人が何も考えていません」
と言っていたのが印象的でした。
インパクト重視で軽いことをおっしゃる人ではないので、
その言葉の真意を問いました ら、
「大抵の人は、何か問題が起きたら現実を見ない。
その現実から大きく外れたところで、
当事者意識もなく感情で発言する。
これが考えている、と言えますか」
ということでした。

芸能人の動向ばかりに気を取られて、
どのチャンネルを見ても
同じことばかりを話題にしているワイドショーを見ていて
うんざりさせられることがあります。
またかなり以前のことになりますが、
地域貢献のために面倒な役職を買って出られるような
素晴らしい知り合いが、
小泉総理の郵政選挙のときに、一方的に
郵政民営化に反対する政治家のことを
悪しざまに言う姿を見て、
こんなふうに洗脳されてしまうのだなと
啞然と感じたことをいまでもよく思い出します。

まぁ、それも世の中の一部の風景だから、
肯定も否定もしませんが、
前述の先生が言葉を続けて
「でも、考えることが決していいことでもないのですよ」
とおっしゃったことが、
とても心に残りました。
まるで、小噺か禅問答のようではあり ますが、
その後ずっとその
「考えることは決していいことではない」
ということを考え続けました。

私なりの結論としては、
「本を読んだり、セミ ナーで聞いたことを
そのまんまてらいもなく当てはめることが
考えることではない」
ということです。
新しいものを作り出したり、
何かを根本的に改革するミッションは、
やはり考えることになるのだと思います。
何かの課題を解決する際、
困っていることをごまかすのではなく、
本質はもちろん
問題を先送りせず向き合うことですが、
その際にしっかりと自分の頭と心で
判断できるようになる訓練の積み重ねを
怠ってはいけないと言うことが肝要なのだと思います。

最終的には自分の直感力で判断する力を磨き上げること、
その直感力の上に、
さまざまな知見をトッピングすることは
もちろんありだと思いますし、大事なことです。
直感力と書くと、
何かスピ リチュアルのお導きを思う人も多いようですが、
誤解を恐れず書くと
自分の中の神仏をブラッシュ アップすること
なんだと私は思っています。
最近読んだ、
西山圭太著『DXの思考法』(文藝春秋) では、
解決策ではなく
課題で考えることが大事だと記されていました。
直感力の前に、いま流行りの
DX(デジタル・トランスフォーメーション)的な
見方をしてみることも有効なのかもしれません。


ちょうど、エドガー・ケーシーセンターのメー ルマガジンから
「全ての祈りは、
人が神にその答え方を指図しない限り、
こたえられる」
という一 文がやってきました。
今、まさに「考えすぎるな」という
テーマの原稿を書いている途中で、
私には興味深いフレーズだと響きました。

出路さんや私は考えすぎですが、
友人の中であっぱれなまでに考えないのは
赤塚高仁さんです。
赤塚さんの心の羅針盤をのぞいてみたいと思うほど、
飄々と自分の中の直感力に従って、
本業もライフワークもこなしておられます。
「しゃらくさい」理屈はおっしゃいませんが、
もちろんきちんとした方針はあるのだろうと思い ます。
瞬間沸騰器になるときもありますが、
他者を思いやり、
世の中をミクロにもマクロにも見て
自分ができることを、
理屈ではなく真摯に果敢に 取り組む。
赤塚さんは「風の時代」の申し子だと 私は思います。

出路さんも、赤塚さんと気質は違 えど、
行動規範はニアリーで、
「風の時代」でリ ーダーとして
活躍していく人だと思っています。
私も、出路さん赤塚さんの向かい風に吹かれて、
ご縁に感謝しながら
いい学びを続けていきたいと思います。

この話を本物研究所の佐野浩一社長にすると、
赤塚さんは考えに考え抜かれたから、
考えることを超越されたのですね、
というコメント をくれました。

人間のできていない私は
まずは考え抜くことから始めてみたいと思っています。


僕が地球にやっ て来たワケ 第34回


最近思うこと

この会報誌で連載してくださっている
Kan.さんの春のワークプログラムがありました。
いつもKan.さんは多くの人の心を救い、
優しく導く包容力があります。

私が以前、知人に
「あなたにとって、もっとも愛を感じさせられた
アクションは何でしたか?」と
聞かれたことがありました。
そのとき私は
「自分の問題点を辛抱強くその人に気づかせてくれたとき」と
答えました。
今回のセミナーはいつも通り、
11時から18時30分までの長丁場でしたが、
このプログラムの200人以上の受講者の
視点と視座を自然に素早く感じ取り、
それぞれに最善の果実を持たせてくださる現場に立ち会う、
感激のひと時でもありました。

出路雅明(でみちまさあき)さんのこと

最近になって、2人のおじさんの友だちができました。
おじさんになってしまうと、普通は利害がからまって
親友はなかなかできないのですが、
ありがたいことだと思っています。

1人は赤塚高仁(あかつかこうじ)さん、
そして、もう1人は出路雅明さんです。

出路さんはヒューマンフォーラムという会社を
京都で経営しています。
「スピンズ」という洋服屋さんを創業したのが
ビジネスの始まりで、現在もずっと主力のビジネスは
アパレルで活躍されています。

この「スピンズ」の顧客の平均年齢は17歳、
中高生に支持されている洋服を扱っています。
最初は、京都で若い人に人気の寺町通りのビルの
ワゴンのショップから始めました。
現在の1号店はエスカレーターがないビルの3階にあり、
2階には若者に大人気の雑貨屋さんが入っていました。
これでも、階段を上がってきてくれるお客さんは引きも切らず、
それもぶらりではなく「スピンズ」を目指してやってくる人で
お店はとても賑わっています。 

「スピンズ」の魅力は、「ドン・キホーテ」のように
ランダムに商品が並び、それをまるで宝物探しの発掘のように
掘り当てる楽しさ、それも他のお店では見つからない
リーズナブルで唯一無二のもの、そんなところが
若者の心を捉えて離さないようです。

「どんぶり勘定」の奇跡

そんな京都のお店が当たり全国展開を成し遂げた出路さんは、
本格的に会社経営に乗り出しました。
評判の高い税理士や、経営コンサルタントを雇い、
しっかりとした中長期経営計画もでき上がりました。
多額の費用をかけて構築したITシステムも軌道に乗り始めたところ、
お店の現場のスタッフに精彩がなくなり、
売り上げもどんどん下がりました。
人材を大切にする出路さん自身は、
追い詰められ、酒量が増え、これ以上飲んだら本当に死ぬと
ドクターストップがかかるところまでいきました。

そのあと、出路さんは自分らしい
「ドンブリ勘定」に戻ることを決意します。
前述のコンサルタントに作ってもらった
「中期経営計画」や経営管理システムも
叩き壊してしまいました。

すると、出路さんに2つの奇跡が起こりました。
1つは止められたお酒を飲んで、
かえって肝硬変が快方に向かい、すっかり完治。
もう1つはやりたい事業をどんどん心の赴くままに進めていたら
業績はV字回復しました。

ここまでのエピソードは実は
もう少し紆余曲折もあったようですし、
やや話を「盛って」書いていますが、本筋は真実です。

独特の社員教育

出路さんとの初めての出会いは、
赤塚さんとイスラエルについて共に著した
『聖なる約束』(きれい・ねっと)
京都の出版記念講演でした。
私は東京、赤塚さんは三重の人ですから、
講演会は赤塚さんの旧知の出路さんに
仕切っていただくことになりました。

初対面の出路さんの印象は
「目は怖いし、まったく笑わない
本当にとっつきにくい」人でした。  
そのあと、見せていただいた社内報に載っていた
伊勢神宮の正式参拝のときの写真は衝撃的でした。
全員髪の毛の色がまともな人は1人もおらず、
服装こそ正装ですが、
「まるで暴走族の解散式のようだ」と
密かに思ったことを懐かしく思い出します。

このように、スタッフは個性的で、
採用も就活などとは無縁でアルバイトで入って、
猛烈にしごいて正社員という流れのようですが、
離職率も低く、とても有能なしっかりとした人が多いのが
印象的です。
ある女子社員の方はほっぺにピアスをいくつも開けて、
髪の毛が鮮やかなピンクで、
ちょっと往来を歩いていても相当目を引く人ですが、
会社の倉庫管理は彼女無しには回らないほどの能力の高さで、
私生活でも子どものPTA役員だという、
なかなかのかっこよさです。
このような人を見つけ、見守り、
育てて見届けていく出路さんの力にも
私はいつも惚れ惚れしてしまいます。

昨年、コロナで3月、4月は、
出路さんの会社も例に漏れず
売り上げがほとんどゼロになりました。
出路さんは「やばいで、潰れるわ」と
ニコニコ元気に騒いでいました。

何年か前に会長に退いて、
社長以下の人たちに経営を完全に任せていたので、
どことなく寂しそうだったのですが、
危機で経営者魂に火がついたようです。

彼の胆力を感じるエピソードです。
出路さんは、完全にビーガンの
『MUMOKUTEKI カフェ』も経営しています。
「無目的」とは個性的なネーミングですが、
考案者の赤塚さんに、由来を聞くと
「多目的ホールっていうのがよぉあるでしょ? 
漠然とした感じが嫌いで、
そのアンチテーゼで無目的という名前を思いついた」
とのことでした。
カフェには親子でしっかりと食育に向き合えるスペースもあり、
京都ではちょっとした名所になっています。

その他、出路さんは古道具のリペアや
フランス家具の輸入なども現在手がけられていて、
やりたいことをどんどん実行しています。
サスティナブルな感覚を、大上段ではなく
自然に事業に取り入れる感覚も、
センスがあるなぁといつも思うところです。

目が笑った!

そんな卓抜した経営の感性と実力を持ちながら、
とても情のある懐深い気さくな出路さんですが、
もう付き合いが5年以上になるのに、依然
「目が笑わない印象」は続いていました。
すでに彼との信頼関係はありますので、
それを不快に思ったり違和感を覚えることはないのですが、
いつか本当の笑顔を見てみたいと密かに思っていました。

私は、赤塚さん、出路さん、そして
きれい・ねっとの山内尚子さんともに
忌野清志郎さんの『RCサクセション』のコピーバンドで
『AKDN』(赤塚、勝仁、出路、尚子)を結成し、
気ままな音楽活動もしています。
緊急事態宣言下に京都に集まったのですが、
やっぱりみんなで飲みたくて、
ホテルオークラのちょっといい部屋を奮発したはいいのですが、
飲食店もやっておらず、テイクアウトして、
部屋で食事をすることになりました。

目についたお店にふらりと入ると、
そこで赤塚さんと親しい京都在住の
『宇宙とつながる"お部屋の魔法"』の著者
山田ヒロミさんに偶然会いました。
その後山田さんも部屋飲みに誘って飲んだのですが、
出路さんの表情がなんとも言えず和らぎ、
目が今まで見たことのない
優しい笑みを湛える瞬間を目撃しました。

後で考えると「京都人同士」の
友好の表情だということなのだろう
ということにハッと気づきました。
京都の方々の絆は、フランス人同様、
皆さんも良くご存じだと思いますが、
ここまでなのだとなかなかの感慨に耽りました。

今月は出路さんの魅力について
つらつらと綴っていましたら
字数がなくなってきました。
来月は出路さん、赤塚さん、そして私の経営と思考の
志向について書いてみたいと思います。
これがくっきりはっきりと違いがあって、
皆さんにもシェアしたいと思うことが満載です。

僕が地球にやっ て来たワケ 第33回


最近思うこと


今年の4月は、果たして春らしい日本でいられるのでしょうか。
もっともこの国らしい季節である春を、
国民が未曾有の気持ちで過ごした昨年のいま頃を思い起こすと、
しみじみと「あれから1年が経ったのだ」と
感慨深い気持ちになります。

昨春のことは、みなさんにとっても、
人生で忘れられない出来事であることでしょう。
残念ながら、世の中はアフターコロナとはならず、
ウィズコロナとして私たちは今後も不安をかたわらにおいて
日常を過ごしていかねばならないということが
決定的となりました。
しかし既に4つの季節をめぐると、
自分の細胞1つにしても大きく新しく生まれ変わってます。
不安や恐怖におののいた自分の中の感情は、
身体の老廃物を落とすようにいったん流して、
新しい季節を迎えたいと思います。

もちろ正しく畏れるべき課題は残っていますが、
四季の中で軽やかなスパイラルに入るこの時期に、
自然の力を信じて、前向きに乗っかっていきたいものです。


今回は、「私が人を作った話」を書こうと思いつき、
原稿の構成を考えているときに
にんげんクラブの読者の皆様の顔がよぎりました。
初めて告白しますが、実は、
この巻頭言を書きはじめる前に、
毎回いったん原稿の構想を聞いてもらう知人がいます。
私は直感と妄想と現実の合間に生きていると自覚しています。
最近は時々その思いを正直に表現する様になってきました。
そうすると、他者からは、
突拍子もないランダムなことの連続のように
映るらしいのですが、
私の中では整合性が取れた思考なのです。

父もその様な思考をしていたと思いますが、
当時は論理的でないことを言うことを
あまり好みませんでした。
父がもし存命なら、私の発信物については
いろいろとダメ出しをされると思っています。
晩年、父が関心を持つことも、
その頃、まだ世の中ではほとんど知られてない
精神世界のディープな所ではあったとは思いますが、
自分では、自然科学からも客観的に鑑みた観点だと
考えていたようです。

自分では、というのも父に対して
あんまりな書き方かも知れませんが、
確かに、世の中の一歩どころか
十歩も先のことをつぎつぎに発信して、
あれだけ多くの人の支持を得ていたのですから、
その魔法のスパイスのような、
バランス感覚に満ちたトッピングの振りかけ方について
もう少し突っ込んで観察して、
学んでおけばよかったとも思っています。

ビクトリア湖で見たもの


何やら言いわけめいた前段になりますが、
巻頭言に書いていいか
一度他者にフィードバックしています、
ということをここに記してから、
今回のテーマ「私が人間を作ったこと」に
移りたいと思います。

2011年小川雅弘さんと一緒に
アフリカを旅したときのことです。
小川さんの旅の目的は、
ナイル川源流にあるビクトリア湖に
水晶を没めることでした。
小川さんなりの世界平和と究極の浄化のアクションが、
この地に足を運ばせたようです。
私は好奇心での同行でしたが、
このビクトリア湖は、筆舌に尽くしがたい
神秘に満ちたパワースポットでした。
その湖の船の上で瞑想のひと時を持ちました。
漠然とではありますが、太古の昔、
私が宇宙人として地球人を創造した記憶が
よみがえってきた気がしました。

後年のことですが、故・川田薫先生が講演で
「私は人間を作ったことがあります。
女はうまく作れたのですが、
男は失敗作でした」と
笑って話していらっしゃいました。
もしかしたら私も川田先生と一緒に
人を作っていたのかもしれません。

前述の旅行にもう1人同行してくれた女性の友人は、
とてもスピリチュアルな人でしたが、
この私のエピソードを話したところ、
「勝仁さんのスピリチュアルは
ティッシュペーパーくらいの価値よ」と笑われました。
そのときは意味がわかりませんでしたが、
いま書きながら思うのは、
神秘体験がない私のスピリチュアルは
表面的な概念だけで、本質がないと
彼女は言いたかったのでしょう。

在日宇宙人との交流

そういえば、究極のスピリチュアリスト
 はせくらみゆきさんは
「在日宇宙人」と自称しています。
失礼ながら「在日」も取ってしまっていい、
本物の宇宙人だと思います。
3次元での彼女の進化はめざましく、
誰もそのペースについていけません。
以前ダイエットの本を出されるくらい、
大幅な減量に成功されたことがありますが、
そのビフォーアフターは、
脂肪がついていた取れたという
レベルの変化ではありませんでした。
目の前に本人がいても
オーラから何からまったく気が付かないほどで、
その姿は異次元に連れて行かれて
改造されたかのような妄想をするほどでした。

そのあと長いお付き合いで、
はせくらさんはご自身で自在に変容を遂げられる能力がある、
ということがわかるのですが、
前回書かせていただいたマンデラ・エフェクトでたとえるなら、
はせくらさんはいろいろなタイムラインに
自由に移れるのだと思います。
はせくらさんが以前、
にんげんクラブの講座に登壇してくださったときに、
「いまあなたがいる時空が不変だと思わないでください。
カメラのストロボにたとえるなら、
そのフラッシュが焚かれては消える
そのくらいの速度であなたのいる場所は
変わっていっているのです」と
おっしゃっていたことが印象的でした。
その話を聞いてから、
はせくらさんのスピード感のある進化をイメージしつつ、
私はそれを羨ましく見習いたいと思っています。

以前、いろいろと心身ともに行き詰まっていて、
食べたいものも食べられず
しんどい思いをしていたことがあります。
そのことをはせくらさんに話しましたら、
「勝仁さん、いま食べたいものを1週間好きなだけ食べて。
まったく罪悪感なんて持たなくていい。
それで変わるから」と言われました。
言う通り、その頃我慢していたお肉をたっぷり食べ続け、
1週間お肉漬けになりました。
その後の私は、文字通り憑き物が落ちたように、
目に見えない呪縛から解放され、
目に見えて好転した
忘れられない経験となりました。

はせくらさんの世界線

はせくらさんの記念画集『ガイアの祈り』が出ました。
2021年2月22日に2万2000円で発売された
はせくらさんの画業25周年を記念したものです。
「きれいねっと」の山内尚子さんが
渾身の力でプロデュースされた渾身の1冊です。

 私もお祝いに購入させていただきました。
100の絵と100の詩が収められていて、
はせくらさんの世界とヒストリーを
あますことなく堪能することができます。
1ページずつめくっていて、
これははせくらさんの「世界観」ではなく、
はせくらさんの「世界線」を表す
画集だという思いを強くしました。

世界線とは、最近の若い人が好んで使う言葉で、
相対性理論の概念であり、
「高次元時空の中である粒子が動く経路」のことですが、
簡単に言うとパラレルワールドのようなものです。
世界線は無限に存在しますが、
世界はただひとつの世界線に必ず収束しており、
別の世界が同時に存在することはありません。
また世界線が移動する場合、前の世界は消えてなくなり、
新たに世界が再構成されます。
そのとき、その世界の住人に世界線の移動を
観測することはできません。

父の本『エゴからエヴァへ』で
イラストや装丁を担当している頃が、
はせくらさんのプロとしての
本格的活動の始まりだったと思います。
以降、はせくらさんの作品を見てきましたが、
そのときよりどんどん絵の深み、
訴えかけるものの力は増していると、
芸術の素人の私にもよくわかります。

しかし、美術館の順接ルートをたどっていくように
画集の中をめぐり、そのあと逆接に戻ってみていくと、
改めてはせくらさんの持つ力の原点に感銘を受けます。
自分の芸術に向き合うたいへんな鍛錬の積み重ねの日々は
想像を絶する25年だったことでしょう、
そのあと、あらためてもう一度
自然に帰っていくことのできる、
はせくらさんのたおやかさと凄みが
存分に伝わってくる作品集でした。

シリアルナンバー入りの1000冊限定の出版で
残り少ないようですが、
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
これからもはせくらさんの変化を楽しみながら、
どこかのタイムラインでまじわれることを
心待ちにしたいと思います。

僕が地球にやっ て来たワケ 第32回


最近思うこと

立春が過ぎてもまだまだ寒い東京ですが、
冷気の中に、春の準備が始まった
気配を感じることがあり、
つかの間、癒されることがあります。
「自然が繰り返すリフレイン
"夜の次に朝が来て、
冬が去れば春になるという確かさ"の中には、
限りなくわたしたちを癒してくれる何かがあるのです」
生物学者レイチェル・カーソンの言葉ですが、
この言葉を目にするたび、
知らず知らずに活力が湧いてくるのを感じます。

始発に乗って出張に出るために、
未明から活動を始める日がままあるのですが、
まだ明けきらぬ空を見上げていると、
ほんの一瞬確かに空の色が空白になるような
心持ちがするひと時があります。

新しい1日に切り替わる直前の
「メンテナンス中」の「空」の時間。
このタイミングの時空は神秘的であり、
そして生きていることの何か本質を感じさせます。

世の中が本格的にコロナ禍に見舞われてから、
ちょうど1年。
アフターコロナを予測している本や発信物は
すでにたくさん出ていますが、
これからそれぞれがその世界に、
実際に自らの足で踏み出していかないといけないのです。

この未曾有の世界を見届けていくのは、
かなりのパワーがいることだと
皆が思っていることでしょう。
どんなに不安な夜を過ごしていても、
朝は必ずやって来る。
それは頭でわかっていても、
悶々としてしまうときに、
あの未明の「メンテナンス」の時空を
あえてイメージして、
自分で作り出してしまうことも悪くないな、
と考える最近です。

マンデラ・エフェクト

以前少しこちらにも書いた
「マンデラ・エフェクト」について、
よく読者の皆さんが話題にされるので、
もう一度取り上げたいと思います。

「マンデラ・エフェクト」、
私に教えてくださったのは
占い師の桃田光風さんですが、
簡単に説明すると、
事実と異なる記憶を
不特定多数の人が共有している現象を言います。

南アフリカの指導者ネルソン・マンデラさんは、
2013年にお亡くなりになりました。
しかし、
「あれ? 
1980年代の投獄中に亡くなったのではなかったか」
という記憶がある人が一定数いたというエピソードから
「マンデラ・エフェクト」とか、
「マンデラ効果」と言われているというお話です。

「マンデラ・エフェクト」でネットで検索して見ると、
同じように、
「小林亜星さんはご存命なのか、すでに亡くなっているのか」
「兵庫県知事の苗字は井戸さんか井戸田さんか」などなど、
古今東西大多数の人が
単なる「思い違い」「勘違い」と言えない事柄が、
これでもかと出てきます。

これは地球上の人々が、
皆同じものを見ているのではなく、
実はいくつかの別の次元で生きているから、
そこで見せられている現実はそれぞれ違う、
という仮説が立てられるのではないかと考えられています。


それぞれのタイムライン

例えば、「ノストラダムスの大予言」。
多くの重要な予言を当てたノストラダムスがなぜ、
1999年7月の月に地球が滅びる
という予言が当たらなかったのか。
それは、実は別の次元に生きている人には
その現象が起きていて、
我々はその次元に生きていないだけかもしれません。
マヤカレンダーの「2012 年終了説」も同じです。

同じように、コロナも2月の頭には
地球上で1億人の感染者と発表されていますが、
実はもしかしたらその10倍くらいの人が
コロナに罹患している世界もあるのかもしれません。

お芝居に例えると、
2つのお話が同時に進行していて、
登場人物、生きている時代設定、時系列は
ほぼ同じで物語が進んでいきます。
そしてまったく違う結末が用意されている、
といったところでしょう。

実際には2つではなく、
もっとたくさんのタイムラインはあると思います。
一生を通じて同じタイムラインにとどまることもなくて、
また途中で別のタイムラインに
移っていくということもあるでしょう。
今生きているタイムラインで出会う人も、
もしかして自分と違うタイムラインを
生きているのかもしれないのです。

ここで
「では、例えば自分がお腹を痛めて産んだ子どもは
同じタイムラインに生きることはないのですか?」
という問いをもらいました。
いい質問だと思います。

ガイア理論をご存じでしょうか。
地球という、表面に水、大気中に大量の酸素を蓄え、
多様な生物が生存することを特徴とする
この惑星に住んでいるものは、
人も動植物も1つの生命体とみなす考え方のことです。

この生命体には
確かにある共通の意識がそこに備わっていると思います。
しかし、それぞれの人間の細胞と臓器は
1つ1つやりたいことが違うので、
先ほどの回答でいうと、
子どもはたまたま親と同じ
タイムラインを過ごすかもしれないし、
途中でまた新たに自分のタイムラインを
生き始めると考えても
不自然ではなさそうです。

生命体の集合意識と
タイムラインの関係については、
よく分かりませんが考えを深めてみたいテーマです。

生命体と集合意識

父が亡くなる少し前から、
不動産の投資を始めています。
自分が手がけているいくつかの事業の中でも、
もっとも稼いでいる分野でしたが、
最近少し関心が薄れてきました。

私はこれまで扱う物件を決める際に、
必ずその建物の集合意識と自分の意識の
波長を合わせることをしてきました。
すると建物の方から
「買わない方がいい」
というささやきがあることがままあるのです。

キッパリと告げられるときは
もちろん手を引きますが、
面白いことに
「損するけれど勉強になるよ」
というようなささやきがもたらされることもあるのです。

この場合は、
安い買い物ではないので、少々迷いますが
「損するけれど勉強になる」
というワードは私にとってとても魅力的で、
そのまま進むこともありました。

この集合意識の本質についてよく考えます。
地球単位の生命体としての集合意識があるとするなら、
国としての集合意識もあるのではないでしょうか。
1つの国での運命共同体という流れもあるからです。

精神世界のパイオニアであるエドガー・ケイシーは、
やがて日本は沈没するとリーディングしたのは有名ですし、
小松左京先生の『日本沈没』という作品は
今読んでも単なるSFではない
予言書の要素を大きく帯びています。

しかし、実際に日本は沈没していません。
もしかしてすでにしているのかもしれませんが、
私と読者のみなさまの生きる世界ではそうではありません。

それは私たちが私たちのタイムラインをどこかで変えて、
それを選ばないという現実を
選択したのではないでしょうか。

アメリカはバイデン大統領という
トランプ氏より極めて普通の大統領を選びました。
この現実は、アメリカ国民の集合意識のどこを示し、
どこに流れていくのでしょうか。


未曾有のタイムライン

どんなタイムラインを選んだら、
もっとも幸せなのか。
選びなおせるとしたら、
どんどん自分にとって快適なタイムラインに乗り換えたい。

ここまで読んでくださった皆様の中には
そのように感じられる方は多いのではないでしょうか。
そのような気持ちはもっともです。
しかし、ここで忘れてはいけないのは
「人間の人生は平等ではない」
ということです。

ルソーの「基本的人権」が
間違っているとは言いませんが、
人は能力差、環境差があるからこそ
1つの人類集合体だと言えると思います。

ここで、
「幸せになる権利は皆平等ではないのか」
と考えるのは早計で、
私がお伝えするのは
「平等ではなく、それぞれの役割がある」
ということなのです。

未来はいつも明るく心地よく輝いていればいいのですが、
日本に暮らしている以上、
直下型地震がこの先いつ来るかは分かりませんが、
避けられない事実です。
今回のような疫病も
必ず歴史は繰り返すと示しています。
そう考えると、
この世に生を受けている以上、
決していつも楽しい未来ではないのです。
ただただ、たくましく生き残るための
知恵を冷静に身につける。
「なんでこうなるのだ」
と自分の不平等に嘆くのではなく、
共通意識がこうさせているのだということに
フォーカスしてみることが
良いのではないかと考えています。

明け方の空白の時間のように、
必ずメンテナンス、リセットのタイミングが
人生にはしばしば訪れます。
その機会が来たときに
どのような意識を持っているかが大事でしょう。

顕在意識では、
決して選択のアクションを起こすことのできない、
自分の次なる望ましいタイムラインに
うまくシフトできるよう、
現状をただ嘆くことではなく、
果敢に迎え撃つ意識をお互い持って、
この未曾有の時代を乗り切りましょう。


僕が地球にやっ て来たワケ 第31回


最近思うこと

節分を機に、
新たな1年を迎える実感を持つ方も多いと思います。
昨年の冬至辺りに「地の時代」から
「風の時代」にシフトしたと言われていますが、
自分のリセットの節目を意識することは
とても難しいと思います。
暦の上でのリセットもタイミングではありますが、
図らずも自らリセットする局面も
人生には何度かあると思います。


「勝仁さんの着ぐるみの脱ぎ方を知りたい」
という感想をいくつか頂きました。
1月号の巻頭言を読まれての感想です。
5歳のときに見知らぬおじさんに
「あなたは特殊な能力があるが、
その能力を持っていると
普通の世界では生きづらいので
その力は封印しておく。
でも、私たちがいつも守っているので
安心していればいい」
というようなことを言われました。
私はこのときに、
封印をするために
着ぐるみを着せられたように感じています。

50年以上着けていた着ぐるみを
昨年から脱ぎ始めました。
今回はこのきっかけや今後の展開について
書きたいと思います。

父が謝りたかったこと

最近、いろいろなご縁があって
チャネリングをしていただく機会があります。
昨年の春ごろに
素晴らしい能力を持ったチャネラーの方と
知り合いになりセッションの申し込みをしたら
ご快諾をいただきました。
後で聞いてみると
半年先までスケジュールが埋まっているぐらいの
人気チャネラーなので、
多分かなり無理をして
スケジュール調整をしてくださったのだと思います。


私が聞きたかったことは、
その先生を紹介してくれた人と
ビジネス上でコラボをしていっても
いいかということでした。
セッションを始めると、先生は
あなたの質問に答える前に
お父さんがどうしてもあなたと
話したいと言っているので、
そこから始めてもいいですか
とおっしゃいます。
それは願ってもないことなので、
ぜひお願いしますと
そのときのチャネリングセッションは
父に乗っ取られてしまいました。


ところが、父は私に謝りたいと言うのです。
生前の父が私に謝ることは
絶対にあり得ないことだったので、
かなり驚きました。
父は先行投資をするのが大嫌いでした。
コンサルタントにとって大事な能力は
仮説構築力と提案力で、
何よりも大事なのは営業力があることです。
父は、そのどれもが超一流だったので
ビジネスをする上で
先に資金を投じる先行投資を嫌がりました。


それは素晴らしいことなのですが、
コンサルティング業だけでは
上場までした船井総研に
先行きに不安を感じていた父は、
いろいろなビジネスをしていくことに
取り組みだしました。
ただ、やはり先行投資が嫌いで
1年以内に回収できる見込みが立つ
ビジネス以外は許してくれませんでした。

ビジネスをする上で
父から貸借対照表の見方を教えられました。
貸借対照表では
流動比率と自己資本比率だけを
見ていればいいというのです。
詳しい説明は省きますが、
どちらも会社の安全性に関する指標です。


後年、この話を私のお金の師匠である
故・竹田和平さんにしたことがあるのですが、
和平さんは舩井先生の言うように
超安全な自己資本比率を維持していては、
ビジネスを大きくすることができない。
特に、和平さんが投資する会社を見つけるときは、
それにあまりこだわらずに、
リスクを取るときにはきちんと取れる会社を
選ばなければいけないと教えてくれました。

私もどちらかというと和平さんの感覚で
父に新規ビジネスの提案をしていたのですが、
ほとんど私の意見が採用されることは
ありませんでした。


ビジネスの上での私の弱点は、
営業力がないことです。
だから、自信がなかったからか
反論することはなかったのですが、
あの世にいる父が
先行投資をしようとしたお前の判断の方が
よかったと評価してくれるのは
意外ながらも、少しいい気持ちでした。

もちろん、スピリチュアルの時空での
発言ということは承知しています。
私はそのチャネリングの真偽よりも、
それから今の私が何を受け取るか
ということを大事にしたいので、
とてもありがたいセッションだと心に残っています。

剣は抜かないのが極意
 
11月になって四国の剣山に行く機会がありました。
2011年に剣山に初めて行ったときに、
とても素晴らしい体験をしたことがあるので、
楽しみにしていたのですが、
あいにく体調が悪く、
膝の痛みがあって
とても山に登れそうにありません。
ツアーに参加する予定だったのですが、
皆さんと一緒の行動は
できそうになかったのですが、
主催者の人が特別に
私も親しくさせていただいている
先ほどとは別のチャネラーを
私専用ガイドとして
お世話をしてくれることになりました。


剣山はソロモン王の秘宝が隠されているとか、
壇ノ浦の戦いで入水したことになっていた
安徳天皇は、本当は生きていて
剣山に三種の神器のひとつである
剣を隠したという説などがあります。

主催者の方と私をアテンドしてくれたチャネラーは
このタイミングで私が剣山に行くことは
とても大事な意味があると思ってくれて、
そこまで特別扱いをしてくれたのです。


そのチャネラーは
「勝仁さんは剣を持っていることに気付かずに、
無責任に振り回していて血糊がたくさんついている。
だから剣を研ぐために剣山に来たのですよ」
と教えてくれました。
昔、剣の達人から
「剣は抜かないのが極意。
刀のつばにも達人は手をかけないものだ」
と教えてもらったことがあります。
無自覚のスピリチュアルな世界のことであるにせよ、
刀を振り回していたのは不覚でした。


 ところが、そのチャネラーは
「見えない世界の剣は今が抜くべきときで、
勝仁さんも少なくとも
年内は刀を振り回してください」
と言われたのです。
この辺りは私にも真意は分かりませんが、
それだけ変革の幅が
大きなときだったのだろうと思います。

そして、冒頭の着ぐるみの話になって、
今が脱ぐべきときだという話をしてくれました。
父が私に謝ってくれたのも、
着ぐるみを脱いで、自分の力を発揮して
変えられるものは変えていきなさい
ということなのかなと改めて感じました。


そして、そのチャネラーから後日電話をもらって、
数十枚来ていた着ぐるみを
ドンドン脱いでいってもいいが、
何枚かはまだ残しておいてください
というメッセージをもらいました。
私は想像の世界で着ぐるみを破り捨てていったのですが、
いま裸になるのはまだ早くて、
やはり最後の身を守るための何枚かは
置いておかなければならないのだなと
改めて感じていたのです。

宇宙は縮小を始めた?

最後はチャネリングをしていただいたわけではありませんが、
毎年年末に必ずお会いする霊能者の方から聞いたお話です。

「勝仁さんは着ぐるみを脱ぎ始めたようだけど、
最後の着ぐるみを脱ぐのは20年後ですね」
ということでした。
その人は、
昨年の9月ぐらいに実は宇宙の膨張は止まって、
今度は収縮に変わった
というお話をしてくれました。
本当は3次元の現実界も
それに合わせて大きく変革すると思っていたが、
どうも時間差で変わっていくようで
最終的に誰もが世の中が大きく変わったと意識できるのは
20年後だというのです。
どうも、私の着ぐるみもそれぐらいまでは
大事に残しておいた方がよさそうです。

 
20年も生きていられるかどうか
分からないじゃないですか、
と言うとそのときは仕方がないけど、
多分大丈夫です。
というお話でした。

昨年、にんげんクラブでも
講座を持っていただいていた前田知則先生が
同じような話をしていらっしゃったのを思い出しました。
おおまかに言うと、
この世は神様が退屈して作られたものだ。
神様は完璧で何も困らない。
でも、何も困り事がないと退屈で仕方がない。
それで自分をねじることでこの世を創りだした。
まるで子どもが積み木で遊ぶみたいに
この世を組み立ててきたが
そろそろ飽きてきた。


だから、今度は元の完璧な状態に向けて戻っていく。
子どもが積み木で遊ぶと
必ず最後は怪獣のようになって自分が作ったものを壊す。
今はまさにこの崩壊過程で、
でも最後はきちんと片づけて
おもちゃ箱にしまう。
そして、元の何も困らない完璧な状態に戻っていく。
だから、何も心配することはなく
世の中は完全に向かって戻っていく。
科学的な真偽はとても確かめられませんが、
もし宇宙が膨張を止めたのなら
神様は遊ぶのをやめて
片付けのステージに入ったのかもしれません。


そして、明治維新でみんなが髷を結っていたのが、
文明開化で洋服を着るのに時間がかかったように、
20年ぐらいしたら3次元の現実界でも
世の中の方向性が変わったことが
意識できるようになるのかもしれません。


事実かどうかはまったく分かりませんが、
そんなふうに世の中の変革を考えれば
いいのかもしれないと思っています。


僕が地球にやっ て来たワケ 第30回

最近思うこと

あけましておめでとうございます。
昨年も大変お世話になりました。
私なりに今年の抱負を考えていました。
抱負というより、ミッションになりますが
「このカオスのような時代に、
にんげんクラブの会員様が、
より心安らかに泰然として、
ご自身の歩みを力強く進める知見や情報を提供する」
ことを一番にしたいと思います。

スマホを数分間触っていただけで、
情報の洪水が自分の脳と心に溢れこんで来ます。
そこには、足元を照らしてくれたり、
日常の意を強くしてくれるものもありますが、
必ず迷ったり不安にさせられるワードが、
紛れ込んでくるのが問題です。

不安や恐怖の情報は、感情を不安定にさせ、
足元をブレさせます。
自分自身であえて、その渦に飛び込んでいって
情報分別のトレーニングをすることも
1つの選択ではありますが、
その鍛錬が、キャパオーバーで心を蝕み、
疲弊に終わってしまっては、元も子もありません。
本当に難しい時代です。

私自身も模索しながらではありますが、
超プロの先生との学びも積み重ねながら、
にんげんクラブの会員様には、
ニューノーマルの時代を果敢に進んでいく方法を、
しっかりとお伝えしていきたいと思います。

まだ、講座の会場に出掛けられないというような方も
多いでしょうが、事務局も工夫をして
皆様にいいコンテンツを提供できるように
努力していく所存です。
今年もどうぞ変わらずお付き合いをお願いいたします。

「地の時代」から「 風の時代 」に

2020年12月21日は冬至でした。
この節目は大きな流れの転換を示しました。
約250年ぶりに「地の時代」から
「 風の時代 」に移りました。
12月に木星が水瓶座に移動することで幕開けする
「風の時代」は魂を磨き、精神性の拡散や、
叡智の啓蒙をしていくミッションとなります。

「地の時代」は物質的豊かさを示していましたから、
まさに有意の人の台頭が予想されます。
また、羽賀ヒカルさんの
「節分までをどうするかで2021年が決まる」
という運勢についてのアドバイスも大切にしたいところです。
羽賀さん曰く、自分の属している共同体が
この2月の立春を境に入れ替わっていくというのです。
共同体の入れ替わりを、どのような解釈で見るかはそれぞれですが、
「地の時代」から「風の時代」へのシフトとも
何かシンクロしているような気がします。

シンクロニシティを見つめて

シンクロといえば、「シンクロニシティ」です。
精神世界のジャンルに詳しくない方々にも
浸透しているキーワードですね。
「共時性」と訳され、ある心の状態、意味が一致する物的事象が
同時的にいくつも起きるという解釈です。
小さい偶然の一致は日常の至る所に発見できますが、
そもそも、目のつけどころによっては、
それに気づいていない場合が大半だと思われます。

シンクロを表す出来事に出合ったとき、
事柄の意味と一致する心に気づかなければ、
当事者にとって、その時点では
単なる偶然の出来事にすぎません。
一見、それらは異なるものにも見えますが、
本来はすべて共時性現象(偶然の一致)だと考えられます。

無意識的・本質的な思いが現実になったと仮定すると、
シンクロニシティの正体は自然と、心の内の現象と、
外的・物的事象が象徴する意味は、
潜在的に一致していると考えられます。
有意の人たちの間では、シンクロは当たり前なので、
今更驚くべきことでもないのです。
しかし、迷いがちな時世だからこそ、
自身の部分が教えてくれるシンクロニシティは改めて
大事なメッセージとして受け取ろうと思います。

龍神様に守られて

そんなシンクロニシティを通して、
今年、私が深く研究していきたいのは
「空海(弘法大師)」と「聖徳太子」です。

京都に神泉苑という素晴らしいパワースポットがあります。
こちらは二条城に近い史跡で
京都で最も好きな場所のひとつです。
余談ですが、チロルという喫茶店がすぐ近所にあり、
ここのカレーはマニアック日本一と個人的に思っているので、
皆さんにも来京の節には、ぜひ食べていただきたいです。
神泉苑、桜の名所では京都好きの人には有名ですが、
知る人ぞ知る京都で最も意味のある空海に
ゆかりのある場所です。

先日空海さんのパワーを感じたくなって、
久しぶりに訪れさせていただきました。
空海といえば、まず高野山や四国の八十八か所
お遍路を連想しがちですが、
天長元年(824年)に西寺の「守敏」と
東寺の「空海」が祈雨の法を競い、
空海が勝ったことから以後
東寺の管轄となったとされます。

この場所は京都の東寺と同じ真言宗であり、
ご本尊は聖観音、 不動明王、
そして弘法大師「空海」となっています。

神泉苑の入り口が面する御池通りは、
京都のメインの大きな通りの1つですが、
神泉苑の前の道に着目してほしいと、
精神世界に詳しい友人に言われました。
御池通りの広い道からなぜか神泉苑の近くにくると、
片側1車線の狭い道になっているのです。
後で教わったのですが、
神泉苑の裏口はまっすぐ二条城に通じていて、
こちらにメインストリート感があります。
まるで神泉苑の存在を隠しているように感じます。

京都という町は、いまでも空海が龍神のパワーで
守っているようですが、
その龍神は神泉苑に隠れて封じられているように感じます。

封じられたパワー

神泉苑に行った後、路面電車の京福電鉄嵐山本線(嵐電)に乗り、
広隆寺にも行きました。
聖徳太子が建てた7つの寺院『太子建立七大寺』の
ひとつに数えられています。
広隆寺は真言宗で、
京都に都が遷される前に創建されたと言われています。
日本の歴史書『日本書紀』にも記述があることから、
「京都最古の寺」だと言われています。

私はこちらの弥勒菩薩が大変好きなのですが、
今回空海のことが頭にあってなぜか太秦一帯が、
元気がないように思えるのです。
理由は、空海が聖徳太子に対して怒りを持ち、
そのパワーを封じ込めているからだという
面白い説を知りました

なぜ空海が聖徳太子に怒りを持っているのかは、
ぜひ小椋一葉さんの『空海はどこから来たのか
(河出書房新社)を読んでいただきたいと思います。
骨太な歴史書ではありますが、
日本の覇王についての面白い見解がたくさん読めます。


これは個人的な意見ですが、
私は大阪で生まれて高校生まで育った大阪人です。
常々大阪人は京都に対して
コンプレックスを持っているように感じます。
大阪は四天王寺さんを中心に
霊的には聖徳太子に守られているように感じます。
それが空海によってパワーを封じられているなら、
逆に神泉苑に隠されながらパワーを保っている京都に対して
引け目を感じるのは、納得できるように感じます。

心預ける時間

神泉苑のお話に戻りますが、
ちょうど静御前に扮した舞姫が、
白拍子を舞っている時間に伺うことができました。
後で調べましたら、寿永元年(1182年)に大日照りとなり
賀茂川や桂川の水も絶え、神泉苑に100人の高僧が集められ、
99人が雨乞いの舞を舞ったが効果がなく、
ラスト1人、静御前が舞ったところ、
龍神様へ願いが通じてその後、雨が降ったという
貴重な舞いに立ち会うことができ、
ここでも龍神様のパワーが立ち上がっていることを感じた
貴重な経験でした。

これも個人的な見解ですが、
空海のパワーはその後、
平清盛や源義経に受け継がれていったように思います。
静御前が雨を降らすことができたのも
そのパワーの影響があるのかと思います。

立原正秋さんの『春の鐘』という小説は
奈良の神社仏閣を舞台にしたロマンティックな作品ですが、
わりなき関係の男女が、さまざまな出来事に直面したときに
「秋篠寺の伎芸天様に、心預けてくる」
という表現が出てきます。

願いを叶えてもらう。ではなく、
「心預けてくる」という神仏との距離感は
何かホッとさせられるものがあります。
今年もそのような距離感を大事に、
大事な場所と向き合い、
感謝していきたいと思います。


僕が地球にやっ て来たワケ 第29回


最近思うこと

赤塚高仁さんの
お父さん、日本のことを教えて! 』(自由国民社)。
皆さんもう読まれましたか。
売れ行きの走り出しは好調でしたが、
私たちグループの仲間内では、もっともっと
「今年出版された書籍の中でベスト50」に
入るくらいになってほしいと望んでいます。

『命日占い』など、人気作を数多く手掛けている
出版プロデューサー山本時嗣さんの助言を受け、
矢作直樹先生も、加瀬英明さんも、
本の内容に感動して
すすんで帯を書いてくださったこの名著を、
よりブーストさせたいのに、
もう一歩勢いがつかないのは何故なのか、
友人たちと話し合うことがよくあります。

にんげんクラブの会員の皆さんは、
私と赤塚さんの距離や信頼関係を
よくご存じだと思うので
忌憚(きたん)なく書きたいと思います。

大人になった自分が会いに来た

「短所はその人の一番の長所」
という言葉がありますが、
赤塚さんは結構好き嫌いの激しい人です。
声を荒げて喧嘩をする、ということではなく、
自分の主義主張に合わないと、
それまで親しくしていた人でも
縁を切ってしまうのです。
特に民族主義については
強いイデオロギーを持っているので、
その純粋さゆえに、彼の心の線に触れると
「もう、あいつはええ」となってしまいます。

赤塚さんのその理由は、
彼の少年時代の環境にあるように思えます。

赤塚さんは、三重県出身の2月生まれです。
典型的な早生まれおっとりタイプで
小さい頃よくいじめられたそうです。
お母様は子育て熱心な教育ママで、
始終我が子が仲間内で不当な扱いを受けていないか、
細かく気にしておられ、
それが赤塚さんはしんどかったようです。

8歳の夏休み、同級生に虫取りに誘われた赤塚さん。
それがお父さんが医者などの
富裕層の家庭の同級生グループでした。
お母様は張り切って津市で最も大きい百貨店で、
最も高級な虫取りセットを揃えてくれたそうです。
服もパリッとさせられて、
待ち合わせ場所に出向くと誰もいず、
お母様に連れられて、
皆が集まっている病院の子の家に向かうと、
「ほんまに来たんか、これやるわ」と笑われ、
人気のないメスのカブトムシを
分けてもらったそうです。 

聞くだけで胸が痛む話ですが、
赤塚少年は帰り道、惨めさと、
帰宅後に母親に聞かれることを考えると
心が絶望し切って、自殺を考えたのですが、
そのときに、突如
なぞのおじさんが現れて止めてくれたそうです。

そして、5年前あるワークショップを受けていたとき、
そのなぞのおじさんが
56歳の赤塚さんであることが感じられたという
感動のエピソードがあるのです。


私の着ぐるみ

実は、私も似たような経験をしています。
5歳のときに生家から引っ越しました。
それまでに住んでいた南河内の農村地帯は
関西弁で言うところの「へんこ」が多い環境。
「へんこ」とは人の目を気にしない
我が道を極端に行く人。
そこにプラス、父を含め、
「しぶちん」の気性もプラスされていた人が
多いように思います。

いつも自宅近くの駅前でタクシーを拾う人を待ち構え、
「私も乗せてってえな」と
名物おばあちゃんになっていた私の祖母のことは
以前書きました。
父もその血を受け継いでおり、
かなりの「渋ちんのへんこ」です。
お世話になったある宮司さんから
「お父さんはもうちょい
お金使いはったらよかったのにな。
1回も寄付とかしてくれはらずで、
本を持ってきただけやった」
と言われたことがあります。

父のいろんなところでの「しぶちん」エピソードは
枚挙にいとまがありません。 
 
しかし、唯一、母だけは
「お父さんは使わなかったんじゃなく、
使えなかったのよ」
とよく言っていて、
父を深く理解している言葉だなぁと思います。


話がずれましたが、
5歳のときに農村地帯から住宅街に引っ越しました。

あこがれの年上のいとこと近所の公園で遊んだ帰り、
タイムトリップのような不思議な体験をしました。

白いひげのおじさんが出てきて、
「実は、君にはものすごい能力があるんやけれど、
それをそのまま持っていると、
大きくなるにつれしんどい思いをすることになり、
ええことのない人生になってしまうねん。
これからその能力を封印する。
でもいつも君のことは僕が守っているから
心配せんでいいで。
何が起きても大丈夫」
と言って去っていったのです。

まったく論理的ではない不思議な体験です。
しかし、その日から根拠のない自信が
自分の内面に生まれ、
ピンチに見舞われた局面でも
「どっちに転んでも大丈夫」と
プラス発想で過ごしてきました。
この考えを私にもたらしてくれた
白いひげのおじさんには、とても感謝していました。


最近、ある精神世界に詳しい人に
「舩井さんは着ぐるみを着ている。
それを脱ぐ時期がそろそろ来ましたよ」
と言われたことで、
このことを思い出しました。

父もそうでしたが、私も
スピリチュアリストに言われたことを
そのまま鵜呑みにはしませんが、
言われたタイミングは気にします。
今なぜそれを聞くことになったのか、と、
自分を振り返る機会と受け止めます。

私は、白いひげのおじさんに着せられた
着ぐるみのイメージが湧いてきました。
そして、もしかしたら
似たような体験をした赤塚さんも
その着ぐるみを脱ぐタイミングなのではないか、
すると二人とも次のステージに行けるのではないか、
と言うことに思い至ったのです。

本田健さんのアドバイス

ご本人が「足の裏で読む聖書」と
銘打ってることにたがわず、
赤塚さんはどんな人でも
心の奥をぎゅっと柔らかく掴む
すごい力を秘めています。

私が初めて彼のすごさを感じたのは、
イスラエル旅行でガイドをしてもらったときです。
これまで聴いたどんな人の話より、
赤塚さんのお話のポテンシャルはすごいと感じ、
ここからは大切な人に
大切なことを広めていく
お役目を持った人だと確信しました。

そして、ここ数年、
赤塚さんの切り口、話術は
冴えに冴えわたっています。

本田健さんの
「赤塚さんの話はたとえるなら、
そのままではカルピスの原液のようです。
普通の人には飲めないし、
無理やり飲んだら喉に詰めてむせる。
しっかり薄めて飲み口を優しくしたら、
多くの人に受け入れられるでしょう」
という絶妙すぎる助言を
素直に聞かれているように思います。

赤塚さんの着ぐるみは、
小さな頃しんどいときに
「これ以上しんどくならんでいい。
つらい気持ちをそのまま浴びせられなくていいよ」と、
大きい赤塚さんが着せにいったものだと思います。
現在、これだけ他者の気持ちに寄り添えるお話が
できるようになった大人の赤塚さんには、
その着ぐるみはかえって窮屈になり、
必要以上に人と軋轢を起こすのは、
そこに原因があるのではないかと感じています。

脱げたタイミング

自分のことはさておき、
「上から目線」で書いてしまいましたが、
私も、自身の着ぐるみのことを
謙虚に受け止めています。
そろそろ、素直に本来の自分に向き合う
タイミングなのかもしれないと省みました。

先日、ちょっと身体にトラブルがあり
お医者様にかからず、休養していました。
おかげさまで大事に至らなかったのですが、
すっかり快癒したときに
「あ、着ぐるみから出た!」
と実感しました。

この話を親しい人に言いましたら、
「着ぐるみはどんなふうに脱ぐのですか? 
後ろにファスナーがあったのですか? 
それとも自分でびりびりと破くのですか?」
と聞かれました。
面白い質問です。

私の場合は、めちゃめちゃに破り捨てたという
大きな葛藤がありました。
そのことを今度赤塚さんにもお話ししようと思います。


すべては今のためにあったこと

赤塚さんも私も心から尊敬している
伊勢修養団のトップだった
故 中山靖雄先生が書かれた
『すべては今のためにあったこと』(海竜社)
というご著書があります。

その中にある、中山先生の師匠、
蓮沼門三(はすぬまもんぞう)先生の歌が印象的でした。
「根となりて
埋もるるもののありてこそ
いのちの実をも結ぶなりけり」

土の中の根のように、
見えない所に埋もれてしまったかもしれない過去だけれど、
それがあったおかげで
自分といういのちの実が結ぶことができました、
という意味の歌です。

すべては、今のためにあったこと、
という意味を噛み締めたいと思います。

僕が地球にやっ て来たワケ 第28回

最近思うこと


「『なんだかすべてが嫌になった』なんて感情も、
後ろ向きではない感情です。
無理した前向きより素直じゃないですか」
という言葉を年下の友人が教えてくれました。
ダ名言』(主婦の友社刊)という
ゆるい格言集の本が売れているピン芸人の浜ロンさんが
おっしゃっていたそうです。
「言葉遊びっぽいですけどね、響きました」
と友人は言っていましたが、
このフレーズに内観の本質があるような気がしました。
しんどい自分の気持ちも丸ごと味わい、
ちょっと風穴を開けるような感じ、
これは結構大事だと感じます。

羽賀ヒカルさんとの講座

私の周りで、素直な人という印象があるのは、
羽賀ヒカルさんです。
まず、常に爽快で少年のような雰囲気に、
いつもお風呂から上がりたてのような
さっぱりとした風情を感じます。
込み入ったことが起きても、
すぐに自分の機嫌をすっきりと立て直すような、
循環が良いところが素敵だと思っています。

今年の初めに、羽賀さんのユーチューブに出演し、
対談させてもらいましたが
私の大好きな物理もよく勉強されていて、
超弦理論など難しいことも受け止めて、
わかりやすい言葉で一緒に読み解いてくださること
がうれしかったです。
涼やかな会話のラポール(心が通い合っている状態)が
とても心地よく、またぜひジョイント講演を、
と考えていたら、コロナの時期に入ってしまいました。
でも羽賀さんが「なんだかんだで、日本は大丈夫です」と
爽やかな発信を何度もくださり、
それは私も同じ意見だったので意を強くしていました。

そして、「せっかくなら、今年みなさんが
しんどかった分も取り返すべく、
令和3年をとっておきの1年にする準備ができる秋に
講座をしませんか」とおっしゃってくださいました。
それで実現したのが、
10月の『2021年の開運に向けての秘訣
羽賀ヒカルさん&舩井勝仁コラボセミナーでした。

羽賀さんは、この時期に開運アクションの話をする意味として、
10月から来年の立春までの4カ月が
ものすごく大切だからとお話ししてくださいました。
セミナーではお話ししませんでしたが、
楽屋話で羽賀さんは、東洋易学的にみると
コロナは運命学に沿って生々しく息づいていると
おっしゃっていました。
西洋占星術で見ても、どうも11月ぐらいに
何かが起こりそうな確率が高いということで、
立春までにどのような意識を持って過ごすかで、
大きな分かれ道になりそうです。

【伊勢の神様】秘伝開封
【出雲の神様】秘伝開封 』(ヒカルランド刊)
という本を出されている羽賀さんですが、
今年、来年の参拝のトレンドは、
戸隠神社がイチオシとのことでした。
伊勢と出雲も可能なら押さえつつ、戸隠にもぜひ足を運ぶと、
今の陰陽のバランスがしっかりと取れるそうです。

羽賀さんの話で他に興味深かったのは、
ロスジェネ世代(70年代から80年初めに生まれた人。
バブルの後に就職活動をした世代です)が
メディアに洗脳されて精神的に闇を抱えている
というくだりでした。
闇のファクターは2つで、
1つ目はなんと戦隊もの。
〇〇レンジャーでは悪の組織が魅力的で
理想的に描かれています。
メンタルが強く、組織力がある。
なんとなく善の組織の方がカッコ悪く見えるので、
単独プレイを好み、エゴイストが育つということでした。

対してアニメの「まんが日本昔ばなし」を見るとわかりますが、
本来の日本は力を合わせるコミュニケーションで
何かを成し得てきたのですが、
そこには共感できないようです。

もう1つはジャニーズ事務所。
絶大な力でメディアの中では忖度されているので、
かっこいい憧れの象徴として最も存在感があります。
彼らから何を洗脳されているかというと、
楽しく楽に働くことが最高にいいこと
ということだそうです。

バラエティで彼らが輝くコンテンツには一貫性がありません。
ドラマでも次々に役に挑戦している姿が
キラキラしているように見えます。
その結果、本業に打ち込まない方がかっこいいという
価値観が出来上がります。
目の前の人と向き合うこともなくなります。
めんどくさいことも仕事の本質なのが当然なのに、
いろんな仕事をつまみ食いのように
楽しくやることがかっこいいと
無自覚で逃避グセがついてしまったようです。

羽賀さんの専門の運命学で考えると
世の中の6人に1人は面倒臭い人だそうです。
天中殺は12年のうち2回がしんどい歳が回ってきます。
つまり、常に試練は6分の1の割合で巡ってくる
羽賀流天中殺理論。
これも面白いと思いました。

飢えない日本

ランダムに書きますが、次に大切なこととして
お米の話が出ました。
羽賀さんは、神道も勉強されていて同じようなことを
おっしゃっていましたが、
お米は日本の重要なキーワードの1つです。
ここ数年、ご飯をはじめ炭水化物を抜く、
いわゆる糖質制限の呪いにかかっているのは
日本のあり方としては非常に良くないと言っていました。

大嘗祭、新嘗祭は、お米に対して
リスペクト精神を持つ大事な行事です。
コメに対して敬い畏れを持つのは
日本人のDNAだと言えるでしょう。

トランプ大統領はコロナにかかってしまいましたが、
高齢である、肥満である、という
重症化するファクターを持っていました。

以前も少し触れましたが、太っている人と糖尿病の人
は引き続きコロナへの罹患には十分注意した方が
良さそうです。
しかし、コメを敵視するのは間違いだと思います。

北海道の勢い

私は、北海道の網走によく出張に行くのですが、
東京農業大学オホーツクキャンパスの先生と
情報交換をすることがあります。
先生方の案内で雄大な北の農地を見ていると
楽しくなってきます。
日本はお米があるから飢えません。
自給率は現在37%しかありませんが
お米と野菜は、ほぼ自給できています。
だから、飢え死にする人が出るような
食糧危機になることはない、と言われています。

完全に輸入が止まってしまった場合、
10年ぐらい前の農水省の予測ですが、
肉は年に1回くらいしか食べられなくなります。
飼料が入ってこないことが
肉を食べられない大きな理由ですが、
大豆もほとんど輸入に頼っていますので、
豆腐も月に1回程度になります。
葉もの野菜は現在工場で作られているのは
ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そう考えると、お米が主食である日本は、
危機的な状況にありますが
なんとか踏みとどまっている状態です。

札幌は経済的にも比較的元気です。
ススキノには人がいっぱい。
札幌の最も大きなデパートである札幌駅前の大丸も
買い物客で賑わっていました。

前述の農大の先生曰く、
北海道の自給率は、300パーセント、
そして北海道の農家の年収は平均1200万円、
内地は専業農家で400万円と大きな差があります。
もちろん耕地面積のレベルが本州の10倍と段違いです。
漁業も同じことが言えますが、
農業、漁業とも子どもが跡を継がないことは結構な問題で、
設備投資で億の借金を抱える必要があるからです。

1番儲かるのはジャガイモ。
ポテトチップスを作る大手製菓会社が
すべて買い上げてくれます。
てんさいもほぼ全部精糖会社が買い上げてくれて、
補助金も付くので儲かるそうです。

先生にこれからの農業の問題を伺いましたら、
興味深いことをおっしゃっていました。
農大の学生さんは4〜5月に農家や漁家でアルバイトをしますが、
時給は他のアルバイトの倍以上で、
この時期に1年分の小遣いを稼ぐのはザラだそうですが、
これは本土の現状とギャップがありすぎて、
卒業後、専攻を生かして農業や漁業を
北海道以外の地域でする場合、
役に立たないことになることが多いそうです。

本州は高齢化が進み、道の駅で
おじいさんおばあさんが作物を売りに来るとき、
原価もしくはそれ以下で販売してしまうそうで、
現役世代の農家が非常に商売をしにくいということも聞きました。
つまり、本土では農家が儲からないから、
高齢者がゆるゆるとやるしかないという
現状そのものが問題のようです。

これからの日本のキーポイント

北海道で見る農地の景色は、特に心癒されます。
特に麦畑は、芸術家が心掻き立てられる美しい風景です。
今は、北海道は農業政策で、麦をやめて
ジャガイモやてんさいを作っていることが多いので、
宮崎駿さんのナウシカの風景はもう見られなくなってきた、
と農大の先生が言っておられました。

心が和む風景を見ながら、ちょっとスピリチュアルですが、
北海道の神様は日本の神様とは違う
神様がいるとの思いにかられました。
江戸時代には森だった場所が、農業で自然破壊されています。
それで少し神様が怒っているように感じます。

私の友人も、例えば、はせくらみゆきさん、
道幸龍現さん、そして村松祐羽さんなど、
特に霊性が高く直感に優れている人は、
北海道出身の方が多いように感じます。
日本の地形は龍体に例えられることが多いのですが、
最近は頭と尻尾が反対になったように感じ、
私はこれから北海道が日本を引っ張っていくのではないかと
思っています。

僕が地球にやっ て来たワケ 第27回

最近思うこと


夏からにんげんクラブも本格的に講座を始めることができて、
ほっと一息です。

まだまだ予断を許さない状態ではありますが、
ニューノーマルの時代を安心して迎え撃つための新たなヒント、
逆に足元を固めるための原点に返って何が本当に大切なのか、
両面からの情報や気づきを発信する講座やセミナーを
企画していきたいと考えています。

この夏、印象的だったものを2つ振り返りながら、
ご紹介したいと思います。

性の違いを考える

7月に、久しぶりの村松祐羽さんの講座がありました。
祐羽さんは、しばらく執筆や講演などの発信を封印されていましたが、
感じるところがあり約10年ぶりの登壇となりました。
私にとって、大学生の頃からお世話になっている
大好きな祐羽さんですので、
にんげんクラブにその場を選んでくださったことが
とても嬉しかったです。

私は前段で「次元上昇と性の関係」について
お話をさせていただきました。

今後、我々は、今いる3次元から5次元へ、やがては9次元へ
次元上昇していくミッションが与えられています。
この流れは、逃れられないようです。
ただ、3次元から5次元へ行く際には「恐怖」の壁を
5次元から9次元へアップする際には「偽善」の壁を
乗り越えないといけません。
この課題をクリアするためにどうすればいいのか、
私がライフワークとして、常々考えていることは
このコラムでも何回か書かせていただきました。 

 今回、祐羽さんと「生命の科学として学ぶ男女の性」を
テーマに講座をすることになり、
もしかして男女の性の中にもそのヒントが隠されているのではないかと、
私なりに少し勉強をしました。

男性脳、女性脳の違いがはっきりとわかってきたのは、
この30年ほどのことと言われています。
1990年代までは大脳生理学の分野において、
女性の学者はほとんどいなかったそうです。
女性脳に関する研究は手付かずでした。
しかしそのあと一流の女性の研究者が台頭してきて、
どんどんこの分野が明るくなってきたとのことです。

男性に内包される攻撃性は、
女性のそれに比べて 100倍と言われています。
太古に遡り、朝な夕なに狩りをし、
マンモスを獲りに出かける男と、
その留守を預かる女の役割の違いを
イメージしていただければわかりやすいですね。

女性は、「子どもに毎日しっかり食べ物をあげて、
守り、育て上げる」ミッションに忠実で、
「今ここ」に腰を据えている。
この時代、女性の方がどんと構えて
本質的には一家の主だと言えるでしょう。


話は変わりますが、こんな調査があります。
「1年後に100万円がもらえるか、
今1万円をもらえるか」。
その答えは、男性はほぼ100%、1年後の100万円だそうです。
対して、女性のほとんどは、今の1万円を選ぶとのこと。
とても興味深いです。
そして、太古の時代から受け継いだものに加え、
毎月の体調の自分の揺らぎに長年付き合っているからこそ、
女性は、「今」を本能的に生きるのかも知れないと私は考察します。


私のあと、祐羽さんは性の違いについて
このようなお話をしてくださいました。

男性は山のてっぺんに登り、
旗を取ってくることがゴールだと刷り込まれているので、
その競争原理の戦略について頭でっかちになりがちです。
しかし、女性は次元とハートが直結しているので
本能で知っていること、わかっていることの容量が
男性の比ではないそうです。
このことを男性が受け入れ、真摯に向き合うことで
女性の女神性がより輝いていき、
パートナー単位でもそして地球自体も
調和の世界が洗練されていくようになるとのことです。

次元上昇のための5つの方法

 先ほどの次元上昇の話に戻りますが
「恐怖」の壁を乗り越えるための具体的な方法は
5つあると思っています。

死ぬこと、生まれてくること、質のいい睡眠、
そして4つ目は瞑想です。

瞑想は集中する瞑想ではなく、
意識を広げ深める瞑想が有効だと思います。

最後の1つは、男女の性の交わり。
古今東西のヨガの賢者が最高のクンダリーニを追求したように、
快楽を超えた次元上昇の手がかりはここにあるようです。

この日、祐羽さんは性にまつわることも、
タブーを超え踏み込んで、
たっぷりと参加者からの質問にも応えてくださいました。
こちらはDVDに収録されていますので、
ご興味のある方はぜひご覧ください。


祐羽さんと私の結論は
物質の3次元から、5次元の自我(アイデンティティ)
そして9次元の自己(ワンネス)の壁を乗り越えるためにも、
パートナーの性をしなやかに理解して
性の交わりを改めて見つめ直すことが
今、私たちに大きく求められているということで一致しました。

そしてラストに、私が思わず胸が熱くなった
祐羽さんの発言がありました。

「こんな体験をしたい、このことは私は諦めたくない、
ということが皆さんにはそれぞれあると思います。
人に相談して違った意見を言われても
気にせず、自分の内側からふつふつと湧いて思い続けていることは
生きているうちに必ずやってください。
それこそ生まれてきたときに
あなたが持ってきたものなのです」。

女性の参加者が多い会場でしたが、
祐羽さんはマリア様か菩薩様のように
母性に満ちた光を瞳にたたえて、
ゆっくりと語りかけてくださいました。

「生まれてきたときに自分が持ってきたもの」を
実現させるために実践、実行してゆくと、
きっとその先には望んだ高い次元の扉が開かれるのではないかと、
確信に近い気持ちになりました。

真の成長のためにKan. さんが教えてくれたこと

もう1つは8月に行われたKan.さんのワークです。
この時期だからこそみなさんが望んだKan.さんのお話、
いつものパシフィコの会場で
定員の半数に絞ってゆったりと席を取り、
すぐに完売になりました。
Kan.さんもいつもよりフレンドリーに
参加者の皆さんにお話ししてくださいました。

これまでよりボディワークの時間も多かったような気がします。
ハートとボディを直結させるための秘技、
自分のボディをより自分自身に「釈然」とさせる方法を
たくさん教えていただきました。

それらはとてもシンプルながら、
一生涯、淡々と続けていくと、
とてつもなく大きな自分の力になるだろうなと感じました。

約7時間の講座の中で、最も私の心に響いた
Kan.さんのお話をお伝えします。


「どんなに覚醒やら修行やらを重ねても、
嫌いな人が世の中からいなくなるということはありません。
でも、人間関係の問題からガチで逃げずに
人生をひたむきに生きていたら、
これまで苦手だった人の気持ちもどこかわかってくるというか、
なんとなく落ち着いて
その人のことを別の角度から見られるようになり、
自分が勝手に作り出していた壁が消えます。
それが、真の成長です。

その成長は他のことにも波及して、
例えるなら、今まで、よくわからなくて
3分と観ていられなかった映画の意味がわかるようになり、
4分観ていられるようになります」


私の尊敬する師が以前
「成長とはスキルが向上することでも、自信がつくことでもない。
性格を変えることだ」と教えてくれました。
これは私の命題の1つでしたが、
その答えをこの日、Kan.さんのお言葉から
見つけたような気がしました。

コロナ危機に直面して、
平和で安寧な暮らしがどこに行ってしまったのか、
もうそれが戻ってこないことに、
とてつもない閉塞感がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その一方、今回の危機を経験したことで人生の深淵が広がり、
自分のよって立つものがどこにあるかを
じっくりと考える機会になっているとも言えます。

Kan.さんは
「3次元の生活を丸ごと味わう、
3次元をしっかりと生き切ることが人生の命題」
だともおっしゃいました。
この事については、これからも繰り返し繰り返し
考えていきたいと思っています。

僕が地球にやっ て来たワケ 第26回


最近思うこと

さまざまな価値観が変容する2020年において、
上半期の自粛期間に自分の立ち位置を
深く考える時間を持った方も多いことでしょう。
思春期の頃は、
「なぜ今この時代に自分は生まれたのか」
「自分が生を受けた意味は何なのか」
ということを考えたものですが、
答えは出ないまま、
進学、就職と、新たな日常に忙殺されて
いつしかそのような自らへの問い掛けを
することはなくなりました。

しかし今年、社会人になって初めてといっていいほど
ゆっくりとした時間があり、
いろいろなことを振り返る機会がありました。


嫌いな人からの生まれ変わり

『ザ・フナイ』の対談にも登場してくださった
道幸龍現(どうこう りゅうげん)(武久)先生から、
お知り合いに、
「舩井さんの前世は石田三成ですね」と言われたことを
教えられ引っかかっていました。
これまで他のスピリチュアリストから
「あなたの前世は、誰それでした」と
聞かされたことはいくつもあり、
その場はニコニコと聞きつつも、
いわば右から左へ抜けることも多く、
全くと言っていいほど記憶にないのです。

それが、石田三成だけ反発しているのは、
日本史が子どもの頃から好きな私にとって、
三成はとってもいけすかない、
大嫌いな人物だからです。

この時代の二大不人気といえば、石田三成と小早川秀秋を
あげる方も多いと思いますが、
三成は皆さんご承知の通り、加藤清正や福島正則等の
武将に思いっきり嫌われた男です。
三成のイメージは告げ口、陰湿、陰険、
といったところでしょうか。
加えて、数々の陰謀に加担したという説があります。

千利休の切腹、蒲生氏郷(がもううじさと)の毒殺、
関白秀次の切腹などの陰謀の黒幕に
三成がいたという諸説がありますが、
とにかく、人望がないというイメージが
私にとって強烈にネガティヴな印象となっていて、
その生まれ変わりとは、正直ショックでした。

思い出すたびに、飲み会で、ある意味自虐ネタとして
人に話をしていましたら、
道幸先生の友人が以前TBS で放映された
「関ヶ原」のDVDをくださいました。
6時間越えの超長編でなかなか
手を出す機会がなかったのですが、
自粛期間にまとめて一気に見ることにしたのです。
このことについて、また後ほど触れることにします。

父と私の前世での関係とは

父・舩井幸雄もまた、さまざまな精神世界の方と
関わりを持っていましたので、
前世エピソードを告げられることは、
いくつもあったようです。

私が知っている父の前世は、黒田官兵衛。
皆さんもご存じだと思いますが、
黒田官兵衛は秀吉の軍師として名を馳せました。
父はこのような話を聞く際には、
(私も似たようなところがありますが)、
信じることもなく、かと言って丸ごと否定もしません。
聞いたタイミング自体をどこか面白がり、
今それを聞いた意味に、
関心を持つようなところがあります。

これを告げられたときの父の反応は
「フーン」というもので、
特に感情を表に出すことはなかったのですが、
その後から、色紙に署名の横に
「水の如し」と書くことが多くなっていました。
官兵衛の別名は黒田如水ですから、きっと
父の心の奥底のどこかで響いたのではないかと、
私は思っていました。


その父の前世を言われた方が、同じときに、
私たち親子は前世も父子の関係だったと教えてくれました。
父の前世が黒田官兵衛なら、
私はその息子の黒田長政になります。

不思議なことがありました。
私は長く、東京の広尾に住んでいます。
大学に入って関西から上京した頃から、
今に至るまで広尾に縁があります。
チャンスがなかったわけではないのに、
結局この地から出ることがないことを
ちょっと奇妙に思っていました。

5年ほどの前のことでしょうか、
何かの機会に長政のことを調べていると
彼のお墓が広尾にあることを知りました。
祥雲寺(しょううんじ)という臨済宗のお寺でした。

お参りしてから、嘘のように急激に
うまくいかなかったことが良くなりだし、
仕事もしっかりと安定しました。
その後は折に触れ、
長政のお墓に報告や感謝を述べに行くようになりました。
以降、大きなトラブルもなく過ごせているのは
大変ありがたいことです。

いくつもあるタイムライン

黒田長政とのご縁を感じながらも、
私は前世という言葉を聞くたびに
「ローマ法王の生まれ変わりや、
過去生がブッダとかキリストなどと言われている人を
何人も知っているけど、
地球上に偉人の生まれ変わりが
そんなにたくさんいるわけがない」
と内心思っていたことも確かです。

その素朴な疑問をスピリチュアリストの方に
投げてみたこともありましたが、
納得する回答には行き着きませんでした。

それが最近、道幸先生と話していて
興味深いことに気がつきました。
「舩井さん、人はそれぞれタイムラインを
いくつも持っているのです。
三成だったタイムライン、長政だったタイムライン、
それは両方あったのですよ。
その人柄をミックスしたら最強ではないですか」

なるほど、はせくらみゆきさんも
同じようなことをおっしゃっていました。
「人生の日常は、毎秒毎秒時空を変えて流れている。
カメラのストロボのようなものです。
フラッシュをたいた前と後では、
もうすでに見えている世界が全く違う場所にあるように、
たとえ同じ所にずっといたとしても、
時間の経過は同じ空間での連続ではないのです」

これを聞いたときに、イメージが湧いて
面白いと感じたことを思い出しました。

最近仲良くしている占いのプロ桃田光風さんからも
面白いことを教わりました。
事実と異なる記憶を不特定多数の人が
共有している現象を表すことを、
それをマンデラ効果というそうなのです。

「マンデラ」とは南アフリカの指導者
ネルソン・マンデラ元大統領。
2013年にお亡くなりになっていますが、
1980年代の投獄中に亡くなったんじゃなかったっけ? 
という記憶がある人が、地球上に一定数いたという話から
マンデラエフェクトと言われているそうです。

同じように、「小林亜星さんはご存命ですか?」
というようなトピックも
ただそれぞれの単なる記憶違いだと言えない論争として、
ネットで見つかります。

つまり道幸先生のおっしゃるタイムラインを皆、
複数持っていることから、
このようなパラレル現象が自然とあるということなのだと、
私なりに解釈しました。

読み解いてみる面白さ

石田三成のお話に戻ります。
石田三成を加藤剛さん、徳川家康を森繁久彌さんが
演じておられる「関ヶ原」のDVDを見終えて、
40年近く前のドラマとは思えない
生き生きとした血の通った武将の描き方に
すっかり心を奪われました。

三成の「人の話をよく聞かずにすぐに退けて、
自分の考えを押し付ける。鼻持ちならぬ正論ばかり言う」
ところに、これまで嫌悪を抱いていたのですが、
もしかしてそれは「理屈言いで独善的な」
私自身の姿をそこに見ていたのかもしれない、
とそんな感想を持ちました。
三成を違う角度から見たら、真面目で
とても能吏(有能な役人の意味)とも言えます。

私心がなく私財を蓄えるようなことをせず、
自分の感情に決して振り回されることなく、
状況を見て常にクールで的確な判断を下す名宰相です。
その論理的に、物事を遂行していく姿から
学ぶものも多いのではないか、と素直に思えました。

そして、前世から学ぶこととして、
単なる年表を平面で見るのではなく、
その人を立体的に読み解いてみる面白さ、
楽しさがあると感じました。

最近、私は道幸先生の無料コンサルティングを受けています。
なんでも理屈をつけて決めつけたがる癖を一旦横に置いて、
道幸先生のおっしゃることを素直に聞くことを、
肝に銘じてセッションに向き合っています。

この機会は、また新たなタイムラインを
生き始めることになるのかもしれない、と
そんな新鮮な気持ちになっています。

僕が地球にやっ て来たワケ 第25回

最近思うこと

新型コロナウイルスに世界中が振り回されている2020年も、
はや半分以上過ぎました。
引き続き、第二波襲来も予見される中、このWithコロナの状況の中で、
いかに自分の立ち位置、在り方を見出していくかが
問われる時期になりました。
正解はありませんが、不安におののきネガティブに下を向いていても、
時間は過ぎていくだけです。

何度もお伝えしていますが、コロナ前に状況が戻ることはもうありません。
それならピンチをチャンスに活かし、顔をしっかり上げて
挑戦意欲を燃やして前進したいものです。

テレビに溢れる、恐怖を煽るような足元を揺らす情報には、
もう「歯牙にも掛けない」くらいのスタンスでいることが必要です。
本当に自分に必要な知識を見極めて知見をしっかり蓄えていきたいものです。

自粛明けから、書籍、雑誌では今後の世の中の動きを予測する
タイトルのものが激増しました。
すべてを追うのは難しいのですが、何冊かを直感で選び読んでいます。

トヨタの未来

例えば、鈴木貴博著
日本経済 予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方」(PHP研究所)で、
「これから10年でトヨタが潰れているかもしれない」という
衝撃のテーマが取り上げられていました。
かなりインパクトと読み応えのある1冊でした。

著者の鈴木氏はボストンコンサルティング出身の経営コンサルタントです。
未来予測と経営戦略を専門とし、ウェブメディアで100万PVを超える
連載を持つ人気の書き手です。
鈴木さんは、「トヨタを主とする日本の自動車メーカーは
2035年頃にはだいたいだめになって、
グーグル傘下の自動運転車開発企業である、ウェイモのように
多くの人が名前を聞いたこともないような企業が
自動車業界を支配するようになる」と予言します。

その最も大きな理由は自動車産業にこれから起きる変化です。
現在、日本国内には8000万台もの自動車が登録されていますが、
2035年にこれらの自動車すべてがネットにつながることで
新しい価値を生み出したとしたら、
自動車産業のメインビジネスは自動車製造ではなく、
その新しい価値にシフトしないといけません。

そこでコストをかけないでソフトウェア開発をしている
先進のIT会社が、これから台頭してくるというのが
鈴木さんの主張です。
その予想通りに進んでいくなら、日本の将来は
かなり暗いと言わざるを得ません。

皆さんにもこういった説得力のある未来予測をしっかりと
頭に入れていただき、イメージを膨らませていただきたいのです。


Withコロナの消費行動

話は変わりますが、7月の頭に3カ所に久しぶりに出張しました。
1つ目は北海道です。
札幌の街に昼夜出掛けましたが、私は元コンサルタントの
血が疼き、世の中の消費行動をつい観察してしまいます。
私の見たところ、街中に人はたくさん出ていましたが、
買い物袋を持っている人がほとんどいませんでした。
遊びには外出してくるけれど、消費には繋がっていないように
見受けられました。
夜のススキノも東京の夜の三密に負けず劣らずの賑わいでしたが、
果たしてどのくらいの人がお金を落としているのでしょうか。

続いて大阪です。
日本一長いアーケード商店街である天神橋筋商店街に行きました。
全長2・6キロメートルのモールには600店の
お店が立ち並んでいます。
くだけた言い方ですが、いかにもお金儲けが好きそうな
あくの強い大阪顔のおじさん、おばさんがたくさん歩いていて、
この時期にその風景はむしろ心が癒されます。

空き時間があったので全国チェーンのカフェで
原稿を書いていたら、窓の外に異様な人だかりのある店が見え、
外に出て確かめました。
軒先で我先に人々が奪い合うように買っていくものは
「290円弁当」でした。
好奇心に任せて弁当を1つ手に取ってみましたが、
大手の持ち帰り弁当屋なら、その倍程度の値段がする惣菜が
普通に詰められていまして驚きました。
都心だと、夜の半額シールでも貼られていないと
この値段はないと思いました。

安すぎるカレー

そこで3つ目の旅、鹿児島です。
赤塚高仁さんがご一緒でしたので、せっかくならと
知覧まで足を延ばしました。
昼食は、特攻隊の母として慕われたことで有名な鳥濱トメさんの
食堂「富屋食堂」の玉子丼を食べたいと思っていました。
ちなみにこの玉子丼は靖国神社のお食事処靖國八千代食堂でも
再現メニューとして存在するのですが、
一度知覧ででもと思っていたら、富屋食堂はちょうど定休日でした。

すぐそばの風情のある古民家カフェでランチをすることにしました。
見るからに店主の思いの詰まった空間で、カレーランチを注文しました。
最初に野菜を使った味噌汁が出されました。
赤塚さんと「カレーと一緒に味噌汁を摂るとお互いの味を
壊してしまうというから、先に出すということは
こだわりの一品なんだろうね」と言い合いながら、
いただくとしっかりと野菜の旨味が出ていて、
野菜をこだわって吟味していることがよくわかります。
カレーもきちんと時間をかけて仕込んだ自家製であることは
間違いなく、食後のドリンクも付いていて、
さておいくらと勘定を見たら、1人1200円でした。

値段への値ごろ感覚は本当に個人差があると思いますが、
人生、数え切れないほどのさまざまな食事をして、
これだけ手をかけたメニューを出すのに最低1500円は
値付けをしてもいいだろうと心から思いました。
しかし、観光地とはいえ地方でカレー1つにそんな金額をつけたら、
お客が来ないという迷いから、ギリギリの妥協プライスとして
1200円としているのだろうと予想をしました。

多分、私のこの読みは当たっていることでしょう。
デフレがこれだけ長く続いたら飲食店の店主は
値段を上げられないのでしょう。

私は天神橋筋商店街の290円のお弁当は企業努力で
原価を削っているもので適正価格だと思います。
しっかりといいものを提供しているカフェの値段は
本来それとはまったく違う価値観があるということを
ご理解いただきたいと思います。

経済社会における適正価格

過去、商売をしている人から
「値上げって、どのタイミングでするのがベターなんでしょうね」
という質問を受けたことが何回もありますが、
コンサルタントとしての答えは、
「値上げしても客足を減らさないでお客さんの心をつかみ続ける
コツは、値上げ価格の3倍以上の価値を付加すること」
という明確な1点に尽きます。

正直、ものすごく難しいことだから、売る側は最初から
値付けに工夫して、できるだけ安売りせず、適正価格に
見合った価値を頭から湯気が出るほど考えないといけません。

この度、コロナのせいで買い上げてくれる人や会社がいなくなって
廃棄処分の危機に直面し、びっくりするくらいの値段で次々に
投げ売りされる高級食材のサイトが人気を呼びました。
消費者にとっては、ありがたい機会だったでしょうが、
私が見かけたこの件に関する、アメリカ在住の方のコメントが
忘れられません。
「割安で買われたら、支援にならない。
なんなら倍額で買って上げるくらいが、
大変なときの消費者の正しい行動のあり方でしょう」。

正論です。
本質的に、自覚を持って経済を回していくということは
そういうことなのだと思います。

真の存在価値とは最初の自動車の話に戻ります。
昔、超一流大学卒で大手自動車会社でロケットエンジンの
研究をしていた人が、船井総研に転職してきたことがありました。
父が会長のころに話を聞いて感銘を受け、
「舩井会長と一緒に世の中を良くしていきたい」と
転職してこられたそうです。
その方の話で印象的だったのは、当時、大衆車が1台売れても
メーカーには、10万円以下の利益しか出ないということでした。
2百万円近くする大衆車の利益はそんなものだと聞いて驚きましたが、
何よりも自動車市場でのシェアを取ることが最優先事項だったと
聞いて納得しました。
前述の書にあったトヨタのライバルになるであろう新興企業の
今後の躍進を考えると、販売台数やシェアの考え方に
しがみついているのはもう古いと言えそうです。

トヨタといえば、世界における日本の存在価値のアイコンの1つです。
企業にも世の中の流れを敏感に察知し、大胆にシフトチェンジの歩を
進めるスタンスが、コロナ前より、もっとより求められています。
私たち1人1人も、個の価値にしっかりと向き合い、
これから歩みを進める未来に、適正スタンスを見出していきたいものです。


僕が地球にやっ て来たワケ 第24回

最近思うこと


「季節は確実に進み、それぞれの季節に、
それぞれの美しさとやるべき仕事があるのです」
アメリカの絵本画家、ターシャ・テューダーさんの言葉を、今改めて
噛み締めています。季節は駆け足で、冬から春へ、梅雨を経てこの号を
お届けする頃には夏を迎えているでしょう。3つの季節の変化を
これほどまでに感じないで生活してきた年は、人生の中ではじめての
ことです。日本全国の人のほとんどが、息を潜める、心を潜めるような
日々を送った令和2年の上半期だったと思います。最初に引用した
ターシャ・テューダーさんの言葉は短くシンプルですが、いつしか
埋没してしまった爽やかな日常を、活力に満ちた心持ちで
思い出させてくれる気がします。


Beforeコロナの世界には戻れないのは確実ですが、今我々が何を
よすがとして考えれば良いのか、そんなことを考えていたとき、
知り合いからいただいた1冊の本が目にとまりました。
グルチャラン・ダス著『日本人とインド人――世界市場
「最後の成長エンジン」の真実
』(プレジデント社)です。
こちらは、「インドの福沢諭吉」と呼ばれるハーバード大学卒業の
コンサルタントの方が書かれたものです。5月に出たばかりの新刊で、
よく売れているようです。インドの対外国へのビジネスの立ち位置を
しっかりと分析してあり、インドについては、第二の中国的だと
漠然と思っていた概念が変わり、現在のインドがよく理解できる
歯切れのいい1冊でした。
私にとってはこの本のひとつのテーマである、「ダルマ」という
キーワードについて深く考えるきっかけになりました。

我が国のダルマとは?

インドは「アルタ(実利・富・財)」「カーマ(愛・性愛)」
「ダルマ(法・義務)」の3つですべてを考える国です。
その中の「ダルマ」はサンスクリット語では、多様な意味を持つ
語であるそうですが、漢語にはほとんど「法」と訳されている
ように、一般的には「倫理的規範」「決まり」を意味し、
法律も宗教的義務もダルマです。また善の価値観を入れて
「美徳」「義務」「正義」の意味にもなるようです。
この時期だからでしょうか、日本人にとって「ダルマ」は
果たして何になるのか? という思索に強く耽りました。

アメリカだと自由と平等、フランスだと友愛といったところでしょうか。
さて、日本人は? 戦前なら「愛国心」であり「皇室」とすることに
異存はなかったでしょう。
今この時代、最も本質的な倫理的な規範とは何でしょうか。

少し話は飛びますが、ゴーンさんのこと、黒川検事長の辞任のことが
思い浮かびます。
日本の民主主義の中で、検察は左翼の拠り所でした。
古くは田中角栄さん、近年だと外交官の佐藤優さんを容赦無く
逮捕したのも検察です。
しかし、官僚の人事権を官邸が握るようになってから、検察の立ち位置が
変わりました。第2次安倍晋三内閣の下、2014年に「内閣人事局」が
創設されて以降、昇格を人質にとられた官僚側に政治家の顔色をうかがう
傾向が顕著になったのです。
政権に恭順のスタンスを取るようになり、極端なことを言えば検察は
国益を見ず庁益を見るようになったのです。
この場合のダルマ、行動指針は「ムラ社会」です。
先日の黒川検事長の一件も、特捜が最後の聖域だったとする勢力から
何かしらのアクションが起こされたと見るのは果たしてうがった見方で
しょうか。

もし、日本人のダルマは何か? と、広くアンケートをとったとしたら、
という話を親しい人たちとしました。
きっと1位は「どんなときもお天道様が見ている」、つまり
「人に知られなくても悪いことをすれば必ず報いがある」ではないかと
いう結論が出ました。特に強い宗教観からくるというより、
「いたずらをしたらお母さんに必ずバレて怒られる」のような
ものでしょう。
これはシンプルですがとても日本らしいダルマですね。

しかし、匿名のネット社会で言いたい放題の世の中、木村花さんを
追い込んでしまった悲しい事件もありました。
この「お天道様が見ている」というダルマが揺らいでしまうことは
とても悲しいことですね。
残念ながら、今後何か規制ができてもネット社会は暴走をやめないで
しょうから、日本人のダルマをもう一度作り直す、構築するべき
時期に来ていると思います。

天皇制度に対する「畏れ」は持ちつつ、私なりに新しい日本らしい
ダルマを考えていきたいと思っています。


WithコロナとAfterコロナ

複数の超プロの先生に知見を伺うと、残念ながらWithコロナは
ここから3年は続くとのことです。Afterコロナはその先でしょう。
疫病と人類の戦いでは、スペイン風邪、そしてペストが有名ですが、
ペストは14世紀に3回のパンデミックを起こし。
最も流行が激しかったのは1300年代半ばでしたが、17 世紀にも大流行し、
その後18世紀まで続きました。
この間、ペストはヨーロッパの人口の3分の1となる2500万人の生命を
奪ったというデータがあります。
今は医療の発達により、ここまでの「淘汰」に 近い死者は出ないと
思いますが、ワクチンや治療薬ができる期待が膨らむ中、まだまだ
先に延びそうです。

ワクチンができれば病気にかかることなく免疫をつけることができる
集団免疫を確立することができますが、ワクチンの開発は、
時間がかかるだけでなく、病原体によってはワクチンができない
こともあります。
治療薬にしても、臨床試験を終えて、ゴーサインが出るのは1年以上
先のことだと、世界の権威が口を揃えているところを見ると、
まだまだ現実問題、すっきりとAfterコロナの世界にシフトしていく
ことは難しそうです。

また、ワクチンはどんな種類でも、使用してはいけないという
意見もあります。私は新型コロナウイルスのワクチンができたら
使うと思いますが、その意見も尊重したいとは思います。


有意の人がつくる新たな世界


誤解を招くといけないのですが、実はこの自粛の間、
私はほとんど眠れずに超次元から
ささやきかけてくるものと対話していました。
妄想かもしれませんが
思索の1つと考えていただけたらと思います。
今後、9次元の世界に我々が行けたなら、
それが本当の有意の人のゴールだということを、
父は繰り返し私に伝えようとしているようです。

3次元にとどまり、5次元に進めない人がまだまだ世の中の多数ですが、
これを読んでいただいている皆様は、すでに5次元へのシフトは
済んでいて、楽々と維持してくださっているように思います。
5次元を改めて解説すると、他者や外部から何かを与えてもらわないと
いられない人間社会の3次元とは異なり、自ら自然と溢れ出す
愛の意識によって、自分のことも他人のこともごく普通に幸せにできる
時空です。
そこには思い込みもなく強制もありませんが、父はその先、
9次元というさらに高次の場所に、真実があると私に教えてくれて
いるようです。
その世界には愛しかなく、まさにワンネスの世界です。
遺伝子レベルで刷り込まれた恐怖や不安を持つ人たちの集合意識を
しっかりと俯瞰して、超意識を楽々と使える、いや自然に
使いこなしているものだけが存在しています。
ここに行ける人が1人でも2人でも増えていくと、もう想像して
いただけると思いますが、地球を覆い尽くす疫病などのピンチも、
大難が小難になるべく流れがポジティブに変わっていきます。
そんな次元に集う人々をイメージして、父はにんげんクラブを
作ったことを改めて私に力強く語りかけてきました。

今回取り上げたダルマを意識することは、足元を固めることです。
ミクロな立ち位置とマクロな立ち位置を、フラットに確実に
意識することで、次元上昇が望める。
そんなことを考えた自粛期間でした。

これからも講演や各連載を通じて、9次元に1人でも多くの人々を
送り出せるようなヒントを発信していきたいと思います。

僕が地球にやっ て来たワケ 第23回

最近思うこと

「舩井さん、アフターコロナの世界についてお聞きしたいです。
令和のはじまりの年の冬から春、たった1つの季節の移ろいの中で、
ここまでそれぞれの日常が変わると、誰が予想したでしょう」
そんなメールを頂きました。休暇として、逆にお仕事のかき入れ時として、
毎年ゴールデンウィークを過ごしていた日本中の人が、緊急事態宣言の
延長で身動きが取れずに「黄金週間が早く過ぎますように」と皆で願った
のは、今までになかったことだと思います。

皆さんとお目にかかれる貴重な機会である、にんげんクラブ主催の私と
村松祐羽先生の講座が早々に中止になり、こんなときこそ存分に
皆さんと語り合いたいと、もどかしい気持ちになっていました。


ギグ・エコノミー

アフターコロナは、まず日本人の働き方、生活様式が大きく変化すると
思います。 「ギグ・エコノミー」という言葉をご存じでしょうか。
アメリカの著名な起業家支援団体のシニア・フェローであり、ビジネス
スクールの講師もされているダイアン・マルケイ氏の2017年のベスト
セラー『ギグ・エコノミー 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方』
(日経BP社)等で有名になった新しい言葉です。

ギグという言葉、簡単に説明すると「単発」という意味です。音楽が
好きな人には、短いセッション演奏や、一夜限りのイベントを示す
「ライブ・ギグ」というキーワードでおなじみなのではないでしょうか。
「ギグ・ワーク」とは、インターネットを通じて、単発の仕事を請け
負う働き方です。有名なのは、 U b e r E a t 、それからフリーランスの
デザイナーのようなクリエイターが、クラウドサービスと呼ばれる
サイトで募集される専門性の高い単発の案件を請け負うものなどが
あります。

日本でも若い人を中心に随分浸透してきてはいますが、比べ物に
ならないくらい中国ではポピュラーな働き方です。なぜ、中国で
急速に爆発的に浸透したのか。ご存じの方も多いと思いますが、
中国は信用スコア社会です。AIを駆使して全人民の行動をスコア化し、
信用度合いがデータとして共有されています。

日本だと、似たようなものに、クレジットカードやローンの与信が
あります。ローンを組むときの金融機関の審査であったり、消費者
金融を使うとそのデータが業界で共有されることは、昔の私の愛読書で
あった故・青木雄二氏の名作漫画『ナニワ金融道』が有名にしました。
中国の場合、この信用情報の内容が、個人の行動領域としてとても
広いのです。それは、犯罪歴といった大きなものだけが履歴に残るわけ
ではないのです。

昨年、中国では有名な格闘家の徐暁冬(じょぎょうとう)氏が
失信被執行人リストに載って高速鉄道(日本でいう新幹線)に乗れなく
なったことが話題になりました。その理由は、彼はいわゆるビッグ
マウスで他の格闘家の悪口を言って名誉棄損で訴えられて敗訴し、
賠償金と公開謝罪を命ぜられました。賠償金は支払ったのですが、
公開謝罪を拒否。そこで判決不履行ということでリストに載り、
それが理由で切符を買うには身分証明書が必要な中国で高速鉄道に
乗れなくなってしまったというのです。それでも公開謝罪はしたくない
ので、鈍行列車に乗って巡業を回っているそうです。

これとは違うのですが世界最大のEC (イーコマース:通販)企業の
アリババが運営する芝麻(ジーマ:胡麻という意味)信用という
信用スコアがあり、大半の中国人がこれを持っています。例えば
レストランで悪質なクレームをつけた客から、合コンでのひどい
振る舞いのようなものまで、逐一信用履歴に傷が付く仕組みになって
いて、そのチェック事項は多岐にわたります。これらにネガティブな
情報が蓄積されると、就職などに不利になるだけでなく、シェア
サイクルの自転車をレンタルする際もデポジットを取られる、といった
日常生活に大きな制約が起きるようです。ご興味のある方は
幸福な監視国家・中国』 (NHK出版新書)という本が詳しいので、
どうぞご一読ください。

我々の感覚だと、個人情報が極端に管理され、プライバシーがない
じゃないか、となりますが、あちらの国の感覚だと、プライバシーを
失ってもいいから、便利な方がいいとなります。管理社会に
がんじがらめにされて、不正があると、大岡裁きをしてくれることを
期待する国民性なのです。


逆境に強い働き方

前置きが長くなりましたが、信用スコアの発達のせいで、前述した
ギグ・ワークスの雇用主は求人採用をやりやすいのです。それから
働く側にとっての人気の秘密は、欧米のようにチップがもらえること
です。U b e r E a t の北京でのチップ込みの1カ月の報酬は、
8000元から1万元だそうです。大卒の初任給が5000元、フルタイムの
最低賃金が、だいたい4000元なので、どこかの組織に属して働くより
ずっと自由でかつ割りがいいのです。

日本で今のところ中国のような信用スコアシステムがスタートするとは
思えませんが、企業としてはフルタイムで固定給を支払う社員の
ランニングコストを考えると、日本でもギグな雇用が増えることは
間違いないようです。副業奨励もかなりの企業で広がっているのは
周知の通りです。

船井総合研究所はおかげさまで今年で50周年を迎えましたが、社員の
平均年齢は20歳代です。コンサルタントは特に適性に左右される
職種ではあるので、すぐに転職する人も決して少なくはありませんが、
実力のあるコンサルタントは30歳代後半で独立するので、前述の
ように平均年齢の若い、新陳代謝が激しい業界になります。
似たような企業で頭に思い浮かぶのは、リクルートです。若いうちに
猛烈に働いてノウハウを叩き込み、独立、もしくはより専門性の高い
会社に転職することは全くタブーとされていない会社です。

他にも私のお付き合いのある経営者でも、自分で会社を潰 つぶして
しまってその後コンサルタントとしてほぼ一人で活動している方は、
おおむね生き生きと幸せそうに働いています。会社を潰すという
修羅場ともいえるヘビーな体験をしている人は、漏れなくその後の
逆境にとても強くなっています。私にとっても馴染みの深い
コンサルタントという職業、そして、若いときに、外資で修業して
いったん海外に出て帰国して、アントレプレナーになる人たちなども、
「包丁1本さらしに巻いて」的な、ギグな働き方に含まれるように
思います。

変化するライフスタイル

今回、自粛期間にテレワークになり、空っぽのオフィスの賃料だけが
出ていくのがもったいないと一部のフロアを残して解約してみたら、
今後の見通しも問題ないと分かったとされる企業のニュースもあり
ました。社員全員の机は不要で、出社する人だけのフリーアドレスに
するスペースの試算をしてみたら、ランニングコストが大幅に節約
されたというのです。このような動きはどんどん加速して行くこと
でしょう。

シェアオフィスも増えると予想されるので、各地のビジネス拠点で
リモートワークができるとなれば、子どもを連れての働き方も可能に
なることでしょう。週1、いや月に1回の正式出勤で良いとなれば、
もはや首都圏に住む必要はありません。満員電車に揺られる必要が
ないだけでなく、地方は物価が安いので、生活に余裕が生まれます。
新幹線のとまる駅から車で3時間、のような地方で、「半農」を
しながらというライフスタイルが徐々に浸透していく未来も遠く
ないかもしれません。また、日本の農業従事者が現在65歳以上が
多数ということを考えると、食糧の自給率問題も解決できるでしょう。

いろいろと書いてきましたが、このような可能性に満ちた働き方の
変化は、 「見えない世界が見える自由な時間が増える」という観点に
おいて、にんげんクラブの会員のみなさんの進取の気性のマインドに
非常にフィットしているように思えます。

『夜と霧』のフランクルの言葉を思い出します。
「私たち人間がなすべきことは生きる意味があるのかと
『人生を問う』のではなく、人生の様々な状況に直面しながら、
その都度『人生から問われていること』にただただ全力で
応えていく、それだけだ」と。
新型コロナは、今、私たちに何を問うているのでしょうか。
何かを学ぶ機会だとしたら、それに全力で応える姿勢こそが、
自分の人生をよりよく生きていくよすがだと思うのです。
この変化を恐れず、歓迎する、そんな私たちでいたいものです。


僕が地球にやって来たワケ 第22回

最近思うこと


皆さまと同じく、自粛の日々を送っています。
普段、音楽はクラシックしか聴かないのですが、何の拍子か流れていた
いま流行りの「 O f f i c i a l 髭男d i s m 」の「プリテンダー」という
曲を耳にしました。曲中の歌詞、
「もっと違う設定で
  もっと違う関係で
  出会える世界線 選べたらよかった」
の、「世界線」というワードが耳に飛び込んできました。
「世界線」とは相対性理論の用語で、簡単にいうとある一点が時空の中を
動いていくときの軌跡のことです。
次元論に関心のある私、少々興味が湧 わ き、ネットで調べましたら、
「世界線」は、若い人たちの間でSFアニメの世界で多用される単語に
なっているようです。やや曲解ではありますが、人気アニメ映画
「君の名は」のパラレルワールドの時間軸も、このニュアンスなのだろう
と思いました。


穏やかだった日々が、あっという間にコロナの世界に移行してしまい、
その世界線に実感が湧かず戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

当初はインフルエンザよりも死亡率が低いと報道されていたコロナ、
感染者があっという間に増大し、医療崩壊を引き起こしつつあります。
残念ながら亡くなった方の「陽性と判定されたら、医師も看護師も
ほとんど病室に来ず最低限の治療のみになることもある。そして、
荼毘に付されるまで家族に会えない」という情報は、世界中を不安を
突き抜けて恐怖に突き落としました。そして何より終息が見えないことに、
この先の自分たちの当たり前だったはずの日常、そして人生がどのように
変わってしまうのかを思うと、筆舌に尽くしがたい日々です。


「心奪われることなかれ」

私の人生の局面で折に触れ、
「窮するときも、達するときも心奪われることなかれ」という言葉を
贈ってくださる長年のお付き合いの 80 代の超プロの方がいます。
危機管理のプロですが、今年の節分前あたりから、コロナの話題が
出るたび、
「舩井さん、いつも心の真ん中に置いておくのは
『正しく恐れる』ことですよ」
とおっしゃっていました。
叔父上が、戦前の空軍のパイロットで、
「窮するときも、達するときも
心奪われることな かれ」という言葉は、
その方が空中戦で敵の飛行機を追っているときに
思いついたものだそうです。
撃ち落とそうとするその瞬間に、自分の乗った機体も狙われている。
そのような時空に身を置いていたときにどのような心持ちでいることが
最善か、確かにこの一文に集約されているような気がします。

どんなときも、特に、現在のような不安ともどかしさで息が詰まる日々に、
泰然とフラットでいることはなかなかに難しいことですが、自分の感情と
意識を「いまここ」に向ける習慣だけでも身に付いていれば、心が大幅に
奪われることはないのではないかと私なりに解釈しています。

この達人も含め、超プロと話していると、皆さまの関心ごとは
アフターコロナに移っています。
世の中の本質的なフォースバランスは一気に一変するでしょう。
ビジネスでは、ほとんどすべての業種に新しいパワーバランスが
出現されるのだと思います。
さまざまな価値観がリセットされる社会が予想される中、
私たちはどんな心の立ち位置でいればよいのでしょうか。

「アフターコロナの立ち位置」

やはりポイントは、父が繰り返し繰り返し説いてきた
「有意の人になりましょう」ということだと思います。
有意の人というのは、改めて振り返りますが、
世の中の構造が理解できていて、
人としての正しい在り方が分かっている人のことです。
最晩年、父は言い続けました。
「有意の人の集合意識を使わないと世の中は変わらないと、
有意の人の集合意識が世の中の方向を決める。
皆で有意の人になったら、いい思いを集めてあるべき世界を
自分たちが想造していくのです」。

この「想造」という言葉、父と生体エネルギーの佐藤政二先生の造語ですが、
「想像」と「創造」のそれぞれの長所を持ち寄った意味だと解釈して
いいのではないかと思っています。

想造力は人間の持っている一番良い能力で、大いなる可能性に満ちている
力なので、そこに直感力を加えれば最強です。
そんな有意の人たちの集合意識を生かして、あるべきユートピアを
想造しましょう。それが、父が最も言いたかったことだと思います。

コロナのあと、わたしたち一人一人がきちんと意識をバランスよく保ち、
こんな世の中を作りたいとのヴィジョンをしっかりと持ち続け、
その想いを集めていく。
そこで一つの方向性が生まれ、いろんなことが起きても
乗り越えられる可能性が見出されます。
そして乗り越えていった先の世界はとてもいい世界が必ず
待ち受けているのだと思います。

先ほどの「世界線」を私なりに解釈するに、自分たちの定義する
世界線の設定は、素晴らしくいい未来をチョイスしていいと思うのです。
さらに未来には無数の世界線が広がっているとするのなら、
そこは大胆に今こそ大きく化ける未来をイメージとして
存在させていいと思います。

「国破れて山河あり」という先立が残した素晴らしい言葉もあります。
この言葉をつぶやくたび、心が定まるのを感じます。
失うもの、手放すものの先に、残るもの、気づくものも
たくさんあるということです。

「大難を小難に、そして小難を無難に」

父は自然科学をしっかり勉強した結果、神様は良い世の中を
創っていると確信していたように思います。
もちろん当事者である人間の私たちは大変なことだらけです。
私たちの集合意識を合わせていけば大難を小難に、
そして小難を無難にしていくことができるはずです。
50 年経ったら人間が何をしようともユートピアになっているはずだが
それまでにもひどい思いをしなくて済むよう、なるべく集合意識と
無意識を整え、無意識をしっかりと感じられる人になることが
有意の人の課題です。

集合意識にアクセスするだけではなく、もう一歩先に進んで
私たちの集合意識を、手に取るように俯瞰できるようになることが
大事だと、父がいま生きていたら皆さまに発信すると思うのです。
まさに「有意の人」だからこそ到達できること。
そのレベルに行ける人が1人でも2人でも出てくることが大事だと
父はあの世(あるかは分かりませんが)から、祈るような気持ちで
囁いているような気がします。

在りし日の父に「有意の人になるためにはどうしたらいいのか」と
質問される方が結構いらっしゃいました。
こちらの答えとして、父は理屈屋でしたので、理屈で分かればよい、
と論理を重視する男性的な発信をしていました。

その理屈ですが、父は、どんな世の中になっても、大事な人間の在り方は
常にシンプルに二つだと繰り返し言っていました。

1つは世の中の全てのものは生成発展していくということを
しっかりお腹に落とすこと。
そして、もう一つは、本質的に人間は自由に何でもやればいいのですが、
自分たちの上位概念である人類社会や大自然等を壊してしまわないように、
より大きな秩序を守らなければいけない。
もし、その秩序を壊しそうになったら、それを守るために目に見えない力が
必ず働くということです。
だから、秩序に沿った言動、行動のバランスを心掛けることを
目指すことが大切です。
このバランスを形成していくには、「素直で勉強好き」のスタンスで
いることなのだと思います。

「不安を克服する勇気」

この巻頭言で皆さまにお目にかかれるのは、月に1回ですが、
今後ものすごいスピードで刻々と態勢が変わっていくことは
間違いありません。

「舩井幸雄・ c o m 」では毎週何かしら更新していますし、
また、本田健さんや光田秀さん、それから羽賀ヒカルさんたちが
Y o u T u b e で、そのとき最も有益な情報を発信してくださるはず
ですのでこれらの方の動画配信は個人的にはお勧めです。
ぜひ配信の更新をチェックされておくと良いかと思います。

不安を克服する勇気とパワー、にんげんクラブの皆さまなら大丈夫です。
「収束」は混乱していたものの収まりがつくことであり、
「終息」は、物事が止むことです。
その使い分けは、皆さますでに認識されていることと思われますが、
実は解釈は一つだと思います。

有意の人の私たちが「窮しても心奪われること」なく、
心を「収束」させることができれば、
終息の日も近いのではないかと、私は信じてやみません。
その日までどうかお元気で、おたがい生き抜きましょう。
離れていても心は一つです。

僕が地球にやって来たワケ 第21回

最近思うこと

世界中にホッとする春が訪れることを祈る毎日です。
今月は、新型肺炎コロナウイルスについて、私がこの数カ月で仕入れた
情報、考えたことについていろいろランダムに書いていこうと思います。

コロナが長期化しそう、1カ月や2カ月で終息することはないと知った
ときに、まず頭に浮かんだのは、故・竹田和平さんの遺言でした。
和平さんは 4 年前に逝去されましたが、その直前に「東京オリンピック
2020は何が何でも開催しないといけない。 80 年前と同じ流れに
なると非常にまずいから」ということをおっしゃったようです。

昭和 15 年に東京オリンピックが開催されるはずだったことはご存じの
方も多いと思いますが、幻に終わり、翌年太平洋戦争が起こりました。
和平さんは戦前はお菓子職人の息子さんで、そこそこ裕福な暮らしを
されていましたが、戦争ですべてを失い、4年間山中で開拓農民として
電気も水道もない、極貧生活を送ったとのことです。

和平さんは自分のみならず、戦争で国民が直面した艱難辛苦(かんなん
しんく) 、特に経済のダメージからくる精神的な苦しみを今の人に
味わせたくないと繰り返しおっしゃっていました。和平さんは、平和と
お金のことをミクロにもマクロにも語れる方でした。

今、もし和平さんがご健在だったなら、この騒動をどう見られるでしょうか。
ガラガラの居酒屋やイベントの中止ばかりがテレビで報道されていますが、
受注がストップし、キャッシュフローが回らなくなった会社、商店、
個人事業主......。オリンピックが開催後の日本経済がぐっと冷え込むと
いうのは以前からの定説でしたが、開催自体が危ぶまれています。

日本列島が、不安で心が暗くなる昨今ですが、「まろUP!」で原点に
戻りたいところです。「まろUP!」の「まろ」とは眞心を縮めた
和平さんオリジナルの言葉です。一人一人眞心をしっかりと上げることで、
結果世の中をミラクルに底上げするという和平さんの考えはいつも心の
真ん中に置いておきたいと思っています。

ちなみに「まろUP!」に最も効くアクションは、和平さん曰く
感謝とのことです。どんな些細な小さなことにも心を込めて感謝し、
周りの人とも喜び合う。この積み重ねはやがて「すべては感謝に至る道」
になっていくことでしょう。

免疫力を上げよう

利己的な遺伝子』というベストセラーがありますが、その発想で、
この世の中で進歩を司る物質はウイルスと言えるかもしれません。
新型コロナもインフルエンザもうんざりするものの、ウイルス自体、
世の中の進歩のためには必要なものだと言えます。ウイルスを否定する
のではなく、免疫力を上げることでウイルスと共生できる体をつくる......
その手助けをする便利なものの力を借りることも個人的にはとても
有益だと思います。

この時期に読んでおくといい本を、今回いくつか紹介したいのですが、
うつみんこと内海聡(うつみ さとる)先生の『まだ誰も知らない
《水素と電子》のハナシ
』(ヒカルランド)はウイルスのこと、そして
免疫力を上げるためのぶっ飛んだヒントがたくさん詰まった1冊です。
うつみんのこの本の共著者である松野雅樹さんのところの「滝風(たき)
イオンメディック
」、小鹿俊郎さんが開発した「還元くん」は、
すばらしい商品です。滝風イオンメディックは、空気中に浮遊する
あらゆるウイルスや菌から守ってくれる自然の滝つぼの2000倍もの
マイナスイオンを大量発生させることができ、経済産業省からも医療用
物質生成器という認定をされています。

インフルエンザが猛威を振るっていたときも、愛用者からはまったく
かからなかったという声がたくさん集まりました。年齢とともに進む
体内の弱アルカリ体質から酸化体質へのプロセスを遅くできるので、
体のサビつきを防ぐ効果として、免疫力と大いなる関係があるように
思います。2週間のお試しレンタルもあるようなので、そちらから
トライするのもいいかもしれません。

そしてもう少し手の届きやすい価格で入手できる還元くんは自然界の
摂理を活用し、物質の持つ小さな振動の組み合わせから生まれる
イオンや静電気を利用して、抗酸化力の強いお茶を作り出すボトルです。
我が社にも置いて、常にお茶をこちらで作っています。市販のお茶
(ルイボスティ以外)を入れておくだけという手軽さなので、気がついた
人が注ぎ、がぶがぶ飲んでいます。還元くんで作ったお茶を飲むように
なって社員の体調の変化を聞きましたら、体の芯からスッキリする、
快腸だということです。日々口に入れるもので手軽に免疫力アップできる
ツールとして、私自身、気に入っています。

ウイルスと免疫力について知識を得るのに読みやすかったのは、生命と
進化の関係がわかる『生物はウイルスが進化させた』(ブルーバックス)、
そして、ウイルスは「生命体」とみなすのかというテーマがハラハラ
読ませるサイエンスミステリー『ウイルスは生きている』(講談社現代新書)
もお勧めです。

これからの危機管理

ある超プロの先生は「極端なことを言えば、東京に住んでいて、電車に
乗り、つり革や手すりに摑まっている人たちは確実に感染100%です」
と言っていました。若くて持病のない人は問題ないのですが、発症の
心配があるのは、やはり 65 歳以上。そして糖尿の気がある人も気をつけた
ほうがいいとのことでした。普段からお酒をたくさん飲む人もよろしく
ないとのこと、どきっとしました。もし感染した場合、ウイルスは細菌
ではないですから、風邪と間違えてある種類の抗生物質を飲んでしまうと、
命取りになるので重々気をつけるようにということも聞きました。
留意したほうがよさそうです。

買いだめに関してもいろいろと取 と り沙汰されていますが、私個人の
考えとしてはリスク管理対応の日本人の意識は間違っていないように
思います。
現在の日本の食料の自給率は 40 %弱しかありません。それでもみんなで
協力して節約すれば輸入が止まっても何とか飢えずに生きていける試算を
見たことがあります。

環境活動家のグレタさんは、地球の食料事情を鑑みて肉食はやめましょうと
言っていますが、例えば、肉食についてはそれぞれが年1回くらいにすると
飢えずに済むようです。今後、もし食糧危機に見舞われることがあり、
お米を買いだめするときは、味が落ちるのは覚悟で冷蔵庫に入れるのが
いいようです。玄米の状態で保存するには、室温で 18 度を維持しないと
いけないので、一般的には難しいですね。

収束と終息

この号が皆さんの元に届いている頃には、既にオリンピックをどうするか
の決定はなされているでしょうか。にんげんクラブの講座もいくつか
中止や延期になってしまいましたが、安全第一、また皆さんとはいい
タイミングでお目にかかれると思っています。オリンピックはアジア大会
になってもいい、極端なことを言えば国体になってもいいから開催するべき
だというのが、私の周りの超プロの一致した意見ですが難しいようです。
(難しければ、それも「必要、必然」です)国際情勢、経済のプロの方は、
医療や保健問題についても情報収集をされています。この騒ぎは夏には
一旦収まり来年改めて大流行するという情報も入ってきています。
抗体ができるのは来年以降だとのことです。

父が講演や著書で繰り返し発信していた、宇宙一番の大きなルールは
すべて波動であり、その基本は意識と意思を持っている原子核、
この集合体が、3次元のこの世の中で目の前に起こる事象や状態を作り
出しているとしたら、1日も早い収束と終息のためには、一人一人が
とにかく冷静を心掛け、パニックにならないことしかないと言えるでしょう。
できるだけ、うわべの情報に惑わされず、物事の原理原則を調べて知るように
することは必須ですね。  
引き続き、「舩井幸雄ドットコム」舩井メールマガジンでも
最新情報を発信していきたいと思っています。

僕が地球にやって来たワケ 第20回

最近思うこと


日本を代表する劇作家、故・井上ひさしさんの『むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく』という言葉があります。
聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。
この後『おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、
そしてゆかいなことはあくまでゆかいに』と続いていくのですが、
表現は違えども、父・舩井幸雄が生涯をかけてとても大事にしていた
ことのように思うのです。

父は、自分の関心のあるテーマを外部に発信するときは、誰が読んでも、
平易にというのが信条でした。本業のコンサルタントにおける戦略に
ついても、同じくシンプルに伝わりやすく落とし込んでいたように思います。
私も、父のこの姿勢に大きく影響を受けています。

加えて、私は『小学 5 年生に分かるように説明する』ということも
大切にしています。
こちらもある方から教えていただいたのですが、小5の子どもが理解できる
レベルの構成と表現に統一できれば、大人の目・耳・心にも内容がすっと
入り込んで、無理なく認識してもらえるそうです。

春の講演会

今、私は大きな挑戦をしています。こちらでも何度も書かせていただいた
超弦(ちょうげん)理論を皆さんにわかりやすく解説し、そして人生を
変えるヒントにしていただきたいと思ってきました。読者の方から、
「舩井さんのおっしゃる高次元のお話、とてつもない可能性を感じて
ワクワクするのですが、3 次元の視点で世界を考えることに慣れている
自分にとってはハードルが高いです」というメールをもらってより
発奮しました。この号にもお知らせが載っていると思うのですが、
春からの2回の単独講演です。

私に超弦理論をさまざまな角度から教えてくれる若き物理学者の
周藤丞治(すとうじょうじ)さんとの往復書簡もすでにここ 3 年で
数百通になりました。最初は高校生が習う素粒子の疑問を一つ一つ
教えてもらうところから始めましたが、最近はかなり意見交換レベルに
なってきたと思います。より深めて広めて、パワーアップしてお話し
できると思います。ご参加くださる方は、事前でも当日でもどんどん
ご質問は大歓迎です。私の本気、ぜひ聴きに来ていただけたらと
思っております。

クラインの壺

先月号に載せたそれぞれの次元の関連する表に加えて、クラインの壺が
高次元を表すにもっとも適した図形だということも勉強しました。
こちらも講演ではシェアしたいと思っています。

クラインの壺とは、 簡単に説明すると、三次元のチューブをひねって
作った立体で、表をたどっていくといつしか裏になっている形をしています。
形としては円筒で、一方の末端を自身の内部に通して他方の末端につなげた、
内部と外部の区別がつかない壺です。メビウスの輪の立体バージョンとでも
いいましょうか。

メビウスの輪も、クラインの壺もトポロジー(位相幾何学)といいます。
カチッと固まっている三角形や四角形などの硬い図形と対比して、
どんな連続的な変形も受け入れるトポロジーは「やわらかい幾何学」だと
言われます。トポロジーでは三次元が一番難しく、次に難しいのが四次元、
実は五次元以上になると(直観的にはよく分からなくなるが)トポロジーの
観点からは、逆に物事が簡単になってしまうようなのです。
にんげんクラブの皆様に好評なフラワーオブライフも、ジャンルとしては
こちらに近い神聖幾何学の図形です。

宇宙の根源を体感的に表してしまう図形の深さをできるだけ面白く
お話ししたいと思っています。

世界を征服するお宝

もう一つは十種(とくさ)の神宝(かんだから)から見る次元論です。
十種の神宝との出会いは、私が、出口光さんの『メキキの会』に定期的に
顔を出していた頃のお話です。『メキキの会』とは、大本教(おおもときょう)
教祖・出口王仁三郎さんを曾祖父に持つ出口光さんが平成 8年 8 月 8 日に
立ち上げられた団体です。

ある日、その会で、相手の本質を知るために、 15 センチほどの近さで
相手と目を見つめ合うというワークをしていたとき、私は目の前の女性の
前世がアグリッパだと分かってしまったのです。アグリッパとは中世
ヨーロッパの錬金術師パラケルススと並ぶ二大魔術師で、ルネサンス期の
オカルト論者の代表とも言われています。

そのころ、私はなぜか前世が視える時期でしたので、確信を持ち、
そして「あ、この人には分かってしまったことを言ってもいいな」という
自信がありました。そのことを告げるとその女性はにこりと笑って、
「よく分かったわね。今度私に会いにきて。大事なことを教えてあげる」と
言いました。特に色っぽい話でもなく、2度ほどその女性に会い、
さまざまな世の中の不思議なことを教えてもらいました。

そのときに彼女が言った「十種の神宝とカバラを使いこなすと世界を
征服できる」という話が印象的でした。カバラとはヘブライ語で
「受け入れ」という意味で、古代ユダヤの神秘思想です。
数秘術としてのカバラは、ユダヤ人が世界の金融勢力を支配するための
ツールとして長く用いられてきました。こちらはまた私にとって
その後のイスラエルの出会いなどにつながるシンクロニシティな
流れなのですが、カバラのことはまたいつか機会があればお話を
することにして、もう一つの十種の神宝にも、シンクロがやってきました。

その後すぐに、友人に十種の神宝を話題に出したら、「十種の神宝を
祀っている京都の神社に長年縁があるから連れて行くよ」と即答され、
2日後には友人の案内で伏見稲荷大社のある「稲荷山」に鎮座する
伏見神寶(かんだから)神社にお参りしていました。邇邇芸(ににぎ)の
命(みこと) (弟)が持っていた三種の神器と同じく、十種の神宝は
天孫の証となる宝物で饒速日(にぎはやひ)の命(みこと) (兄)が
地上に降りた際に持っていたと言われています。この十種の神宝と
超弦理論の関係、どうぞお楽しみにされてください。

腸でものを考える

春の講演会の話はこのくらいにして、最近面白いことを聞きました。
『人間は腸でものを考える』というのです。
私は、5〜 6 年前から痛風に悩まされていました。お酒の飲み過ぎという
ことも分かっていたのですが、今よりもっと激務な時期、お付き合いも
多く、改善も望めないまま、心のどこかで痛風と一生付き合って行くしか
ないなぁと思っていました。
とはいえ、足の指は普通の革靴がはけないほど腫れ上がり、生活に支障を
きたすほどでした。

ちょうどその頃、ある地方で特別な力を持つ人のセッションを受けることに
なり、このことを話したら「思いがけないきっかけで近々治りますよ」
と言われ、「それは助かりますね」と答えつつも、内心、ほんまかいなと
思っていました。その思いがけないことは、ドイツのザルツブルクで
起こりました。

現地でクラシック演奏会に妻と出席した私は、その日も悪化した足を
持て余していました。
白人の方には、体質的なものなのでしょう、痛風という概念があまり
ないそうで、私の痛がる姿に現地のガイドさんはとても驚かれました。
「大丈夫です。いつものことですから」と言ったにもかかわらず、
「苦しむ姿を見ていられません。これ飲んだら治るでしょう」と
強く勧めてくれたロキソニン(一般的な鎮痛剤)を断りきれずに服用したら、
一発で痛みが治まり、なんとそれから今に至るまで痛風は出ていません。
そんなこんなで久々に前述の特別な方に、最近久しぶりにお会いしたら、
「舩井さんは前頭葉しか使えていないですね」とのお言葉を頂きました。
後頭葉でも物事を考えるようにすると、釈然とおなかに落ちていくそうです。
これは、超弦理論を勉強しても、なかなか応用に行き着かないと悩んでいた
ときでしたので、タイムリーな学びでした。

また、小腸は脳より長いので頭でものを考えるより、おなかで考えると、
人間の能力はどんどん伸びるというのがその方の主張でした。
「虫の知らせ」を英語でg u t f e e l i n g と言い、 g u t は腸を表しますから、
これはつまり「おなかが感じている」と言えるでしょうし、脳内の神経伝達
物質「セロトニン」は実は脳にはたったの 1 割しかなく、 9 割が腸にある
こともそうです。
「舩井さん、腸から全身で考えるようになり、行き着くところ、筋肉で
考えるようになれば最強なんですよ」とおっしゃるので、
「最近足のこむら返りがひどいんです」とお話ししたら、
「筋肉がつるのは、脳が疲れている証拠ですね。勉強のし過ぎではないですか」
とのこと。
その方曰 (いわ)く、こむら返りはストレッチなどせず、自然に痛みが
引くまで放置する方が、体にも脳にも良いそうです。あの痛みに耐えるのは、
なかなかハードルが高いと感じますが、覚悟を決めて挑戦したいと思って
います。
皆さんも、勉強のし過ぎにはくれぐれもお気を付けください。

僕が地球にやって来たワケ 第19回

最近思うこと


去年 6 月の札幌講演のことでした。片山エリコさんと赤塚高仁さんとの講演で
私はあまり上手く話せませんでした。言いたいことがあまり伝わらなかったのです。
1 時間弱の講演でこの日は次元をテーマに話をしました。
身を乗り出して聞いてくれるはずのお客様たちが客席の背もたれに沈み込んで、
みるみるうちに場が冷えていくのがはっきりと分かりました。

この日の夜は、お酒の席が全く楽しめず、意気消沈をした私を見た赤塚さんが
『こんな勝ちゃん初めて見たわ。明日の聖書塾のセミナーの時間、
30 分あげるから何か話して』と言ってくれました。

札幌でのファンも多い北海道聖書塾。普段なら遠慮させていただくところですが、
ありがたい赤塚さんの申し出に元気を取り戻した私、翌日の本番では、
しっかりリベンジさせていただきました。

この日から、私の超弦理論の新たな勉強の挑戦が始まりました。

若き物理学者との出会い

超弦理論に行く前に、私がこの研究をライフワークとするきっかけとなった
周 藤 丞 治 (すどうじょうじ)さんとの出会いについて書きます。

私の発信するものにおいて度々登場する若手物理学者、そして
『いざ高次元世界へ〜精神文明の夜明けに』(きれい・ねっと)の著者でもある
周藤さんを紹介してくれたのは、はせくらみゆきさんと物理学者つながりの
保江邦夫先生です。

2016年に、はせくらさんと私の共著『お金は 5 次元の生き物です!』
(ヒカルランド)
を上梓する直前のことでした。
ある所で、はせくらさんや保江先生から周藤さんを紹介されました。
お二人の誘導もあって、そこで周藤さんと金融論の話をしていて、
ブラックショールズ方程式の話題になりました。
デリバティブ(金融派生商品)の偏微分方程式の1つです。

元来、数学者が作り出した方程式なので、現役の物理学者である周藤さんに
話を振りましたら、 i P a d で検索をして
「『ブラックショールズの方程式』って簡単なんですね」
と一言。
映画の『博士の愛した数式』の1シーンを見ているようで、
実にすばらしいと思い、すっかり意気投合しました。

そのあと、急遽、前述のはせくらさんとの共著に登場してもらいました。
しばらく間があいたのですが、 1 年ぐらい前から、2週間に1回
ファシリテーターを交えた3人で超弦理論の応用について議論を続けています。

超ひも理論

周藤さんの元々の専門分野は、宇宙誕生の研究で、こちらも大変面白いので
来月以降にでも書かせていただこうと思いますが、
私がもっとも影響を受けたのは超弦理論でした。

宇宙現象の全てを読み解くことができると期待される、別名『超ひも理論』です。
これは力を粒子が媒介し、その粒子は非常に小さな「ひも(弦)」のような
ふるまいをすると考える理論です。
まだまだ未知の領域ですが、 0 次元の点ではなく、 1 次元のひもで考える
この超弦理論を使えば、自然界で働く 4 つの力(電磁気力、弱い力、強い力、重力)を
統一的に扱えるのではないかという点において無限の可能性を秘めています。

これまで物理の世界では、「宇宙は 4 次元時空」と捉えていますが、
超弦理論では、「宇宙は 10 、あるいは 11 次元である」としないと
矛盾が生じてしまいます。

次元の矢印をわかりやすく説明した図を載せておきますので、
ご覧ください。

次元論.jpg

今回は、3次元の(物質による)「格差」、5次元の「自我」、9次元の「自己」の
3つについて考えていきます。


『地位』と『主張』

ここ数年で、3次元から5次元にシフトしている人がかなり増えていると思います。
私なりに表現すると3次元は『地位で決まる世界』そして、
5次元は『ディベート(議論)で決まる世界』。
自我が強く自己主張やプレゼンテーションができる人がお金を稼ぎ、
豊かなステージを引き寄せられる次元です。

堀江貴文さんや、西野亮廣さんはじめ、発信力のある人が繰り返し
『これから経済を回していくのは貯金ではなく、信用』と言っている事に対して、
感度の高い人が抵抗なく受け入れている風潮が何よりの現れだと感じます。

クラウドファンディングで瞬く間にお金が集まるのも、3次元だけの頃には
考えられない流れです。
3次元の時代は、寄付の1つを募っても、それまでの地位や分かりやすい
実績がないと、出す側の安心材料にはなりませんでした。
今は『ワクワクする』『心に響く』主張があるものに対して、
共感、応援をしたくなる感情が湧き出たときに、お金が集まります。
まさに5次元の世界をよく表していると思います。

『SNS』の闇

友人のスピリチュアルビジネスの大家が面白い事を言っていました。
これまでセミナーの人気コンテンツは『金運を上げる』『お金を引き寄せる』が
長年不動の1位でしたが、緩やかに変化してきて、
今は自分のSNSにいかにフォロワーを増やし、フェイスブックやインスタグラムで
どれだけ「いいね!」をもらうかというセミナーにより多くの人が集まるそうです。

「今まではお金で操れましたが、これからはいかにそれぞれが持つ自己承認欲求を
くすぐるかですよ」と笑うその人の言葉に、時代の変化を大きく感じました。
私も、SNSはやっていますが、「たまに何か書いておこうか」と
気まぐれに上げる程度です。
たまに人の記事を見て、感心したり、思いがけない人と繋がって良かったと
思うことはありますが、『いいね、いいねはどうでもいいね』というフレーズを聞き、
大笑いして『なるほど』と膝を叩いたくらいの私にとり、
SNSがいつまでも自己承認欲求を満たす場にはなることはないようです。

『舩井さんのSNSとの付き合い方はベストです。SNSセミナーをしている私が
いうのも変ですが、しょっちゅう誰々に会った、どこどこに行った、
なになにを食べたと上げていると、読み手の無意識の妬みや嫉みといった感情が
べっとりとくっついて書き手の人生の流れが滞るんです。
物書きとして自分の人生をつまびらかにして稼ぐ覚悟もない一般人が、
軽々に日常を世界中に公開するのは危険極まりありません。』

それを聞いて、次元の世界の解釈とつながる、と思いました。

『有意の人』の次元

先ほど5次元は「主張」の世界だと書きました。
自己主張の意味合いが強い承認欲求と偽善は表裏にあり、これをどのように
乗り越えていくかが、これから軽やかに高次元にシフトしていく人たちの
課題ではないかと思います。
お金を稼ぐには自分の生育環境で知らず知らずに染み付いた不安のみならず、
遺伝子レベルで受け継がれてきたお金への恐怖を乗り越えていく、
手放していくことがポイントになっていました。
偽善を乗り越えるのには、偽善を重ねて打ち消していくアクションが不可欠です。

日本人は積極的な信仰を持たない代わりに、畏怖の念が強い民族です。
アニミズムに代表される、どんな人やものにも『畏れ』を持ち敬う、
これはもちろん美しい心根ではありますが、その分『偽善』に対して、
抵抗感や嫌悪感が強いような気がします。
私は、『偽善』という行動の解釈をもっと広めて深めていくことが大事だと考えます。
良いことをする時は陰に隠れてやる。陰徳を積むべきなのです。
それで『偽善』をより自然に超えていくことが広まるといいですね。
日本人の民族性にあった己を隠して目立たない自己主張がこの国に根付いた時、
みんなで9次元にシフトできるのではないかと思っています。

この文章を読んでくださっている方々は皆、3次元の住人ではなく、
すでに5次元の住人だと思います。
そしてもう9次元に繋がる準備ができているように思えるのです。

9次元は『ワンネス』、キリストで言うと『アガペ(無条件)の愛』に
近い世界です。
父が繰り返し提唱した『有意の人』は、究極9次元の事を言っている気がします。
今年は、皆で9次元に行けるヒントを私なりにみなさんと考えていきたいと
思っています。
縦横高さの3つの3次元はすぐに思い描けても、そこから広がる多次元の世界は
理解しづらいと思われる方が多いので、
にんげんクラブの主催で、春から私の講座を持たせていただく予定です。

周藤さんとの勉強をこれからも続けながら、みなさんがイメージしやすい言葉で、
高次元についての解説ができればと思っています。

それから、『ザ・フナイ』2019年 10 月号ではせくらさんと
『超弦理論で読み解く生命と豊かさの正体』というタイトルで対談した号は、
皆さんにぜひ読んでいただきたい充実した内容になっています。
まだの方は、バックナンバーのお取り寄せもできますので、
事務局までお問い合わせ下さい。


僕が地球にやって来たワケ 第18回

最近思うこと

あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
ありがとうございました。

令和の始まりは、にんげんクラブの皆様とたくさんお会いできる機会があり、
楽しい1年でした。
今年も心を込めて、皆様の活力と癒し、そして気づきになるような発信や
企画をどんどんしていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。


前号の最後にも書きましたが、「先に与える」というアクションは、
豊かになるのみならず、かなりの意識上昇が見込めることを実感しています。
私も果敢に実行していこうと思いますので皆さんも大きなことで迷っても、
小さなことではためらわず、「先に与える」ことをぜひ実践してみて
ください。
どんどん正のスパイラルに乗って、私とその成果を分かち合いませんか。


父が着目したビジネスモデル


新年早々ですから、開運の話題でいきましょう。
昨秋、歩くパワースポット片山エリコさんが
「勝仁さん、ここは絶対行くべき」と常々おっしゃっていた場所へ
やっと思いかなって旅することができました。

それを実現するために、エリコさんの主催のバスツアーに便乗しました。
ツアーの様子については後ほど詳しく書きます。
エリコさんは、モリンダネットワークのトップディストリビューターの
お一人です。私は父譲りで、ネットワークビジネスに先入観はありません。

父・船井幸雄は、『21世紀は「クチコミ」と「自主性」の時代
―船井幸雄が斬るネットワークビジネス
』(徳間書店)という本等の中で、
かなり早くから、ネットワークビジネスの成長の可能性について
話していました。

「ネットワークビジネスを初めはうさんくさいビジネスと思っていましたが、
調査するに従って、そのマーケティング手法に未来の姿があるとして、
この新しいビジネス新しいマーケティングシステムに注目しました」

「私はこれから『クチコミ』と『自主性』の時代だと思っています。
すでに数百万人が携わっており、これから10年最も伸びるビジネスに
なるようです」

父は十数年前に、日本の医療費が40兆円を超えていること、それが
どんどん増大することを何よりも憂慮していました。
この解決方法は、いつまでも元気で活き活きといられる優れた健康食品や
器具(いわゆる本物商品)をうまく活用することで、病気を未然に防ぐ
ことができればいいと考えていました。その中から、年齢問わず使える
万能薬が出てきたらいいな、ということもよく言っていました。

今振り返って、息子目線で見ると「父はいつも時代を先取りし過ぎていて、
世の中が付いてこられなかったところが悪いところ」だなんて思って
しまいますが、これも優れた鋭い目を持った人特有の一面なのでしょう。

ある日、父は、著名人に連れられてきて、傍にちょこっと座っていた
片山エリコさんの仕事を聞いて、この人はネットワークの世界で、
もっともっと伸びる人だと直感し、次の自分の大きな講演の主催者、
そして対談の相手に指名したのは、ある意味必然だったと思います。


パワーが倍増するパワースポット


エリコさんのパワーの秘密は戸隠にありました。
連れて行ってくれたのは、戸隠神社のほど近くにある寺院で、公明院と
いいます。神様と仏様を祭る「神仏習合」のスタイルをとっていて、
戸隠神社に参拝する前にお参りすると「パワーが倍増する」のだそうです。

公明院を開いた故・姫野公明師は、明治31年豊後に生まれ、京都・
得乗明院で明治天皇叔母宮尼公より剃髪を賜ったとされています。
皇室の関係者との憶測も長らく囁かれてきました。

歴代の首相はじめ大野伴睦氏のほか名だたる政治家や宮家とも
つながりのあった尼僧で、戸隠最後の修験道行者として途轍もないパワーを
持った女性だったそうです。

龍とのゆかりも深く、拝殿の天井に描かれた巨大な龍王の絵はどの角度から
見上げても「目が合う」という不思議な代物で、エリコさんはこの龍と
出会ってから、にわかに信じがたい奇跡の体験をいくつもしていると
話してくれました。

また、境内で「龍の雲」を見つけると、とても縁起がいいのだそうです。
確かに、時空を超えた濃いエネルギーを感じました。口コミで超大物の
著名人などもお忍びで足しげく訪れて、ここで英気を養っていくという
エピソードが納得できる空間でした。

護摩木


この日、参拝に参加したのは、エリコさんのビジネスのグループの
メンバーとその関係者、なんと総勢350人。全国各地からのバスを仕立てた
大々的なものです。私も1つのバスに乗り込みました。車内で、神様への
流儀と願いの叶え方について教えていただきました。

「神社では世界平和や弥栄(いやさか)を祈り、徹底的に御利益をもらいに
行きましょう」と皆様にハッピーなエールをいただきました。そして、
神様には願い事をあれやこれやとダイレクトにお伝えするのではなく、
ただただシンプルに感謝だけをお伝えする。
「いつもありがとうございます」くらいでOK。
どうしてもお願いを付け加えたいのなら
「これからもよろしくお願いします」くらいに止めるといいのです。

それから、護摩木の書き方もレクチャーいただきました。
護摩木の下にはお願い事を書くのですが、お礼にものすごい極意(?)を
お伝えしました。これは、どこに参拝して護摩木を書く際も有効なので、
ここにも記しておきます。

護摩木の一番上には「日本弥栄、世界平和」、真ん中に「御利益」、
下に「名前」を書きます。
私の極意は下部に、「嫌いな人」「苦手な人」の名前を書いて、
真ん中の「御利益」には、その人の幸せと安寧を願うような文言に
することです。
仕上げには、その護摩を焚く際には、感謝の気持ちで差し出し、
見返りをまったく期待しないことです。

バスの中は一瞬静まりかえりました。しかし、急激にスピード感を持って
魂のステージを上げるためには「許す」という行為を徹底的にすると良い
ということ、自分の中に散り積もっている、わだかまりから逃げずに、
しっかりとクリーンにすると良いということをお話ししました。

皆さん納得してくださったようで、私のバスの護摩の売り上げがダントツに
良かったと聞きました。皆さんとそのような時間を分かち合えて嬉しい限りです。


嬉しい報告


帰りに1人のご婦人が私のもとに寄ってきまして、聞きづらそうに
「そして......舩井さんはどなたの名前を書かれたのでしょう。
いえ、お答えになれないなら無理されずに」とおずおずとおっしゃいました。
「いえいえ、問題ないですよ、それは、妻です!」と元気よくお答えしました。
ご婦人のびっくりされた顔が印象的でしたが、私の場合、妻が嫌いなのではなく、
もちろん大好きですが、いつも申し訳ない、どこか後ろめたい気持ちを
持っている存在なのです。

常に大事に関心を払うべき、そしてエクスキューズができない相手に
感謝と謝罪の意識を向けることの大切さを想って、妻の名前を書きました。

後日談ですが、私の乗っていたバスのメンバーの方々から、
「一番心配だった目の前の課題が後日すぐにすっきりと解決した」
「帰ってから、ずっと抱えてきたわだかまりが消え、物事が次々と好転した」
という報告がいくつも寄せられ、私自身驚くとともに、とても嬉しい
気持ちになりました。

もしかしたら、「許す」と言う行為は、冒頭に書いた「先に与える」という
アクションとかなり近いのかな、と気がつきました。
人にとって、嫌いな相手との人間関係は、ついつい先送りしがちです。
しかし、ここに先回りしてわだかまりを消し、そして幸せまで願う習慣がつくと、
自分自身にも豊かなものを引き寄せるような気がします。

僕が地球にやって来たワケ 第17回

最近思うこと


9月、10月は、即位の礼、大嘗祭と天皇の即位に関する儀式が続きました。
祝賀御列の儀も加えて、これで御代替わりに伴う年内の行事はすべて
終了しました。

大嘗祭は、皆さんご存じのように国民の安寧や五穀豊穣を祈る儀式であり、
毎年行われる新嘗祭に近いとされていますが、天皇陛下が一代で一度だけ
臨むこの重要な神事は、政教分離の原則に反し国事行為としませんでした。
憲法違反ではないかとの指摘もありました。元外相の岡田克也氏は
「皇室の私的行事として、新嘗祭と同様に内廷費で賄うこととし、
その規模も身の丈に合ったものにすべきと秋篠宮さまが指摘されたことは
重要で、今後国会においても、しっかり検討すべきことだ」と
ご自身のSNS に書いておられました。

前述の大嘗祭の規模云々のこともしかり、皇位継承議論もそうですが、
ネットの影響力は大きく、昭和、平成の天皇の代替わりのときよりも
ずっと活発に世論が反応していたことが大変印象的でした。

それから、最近目に付く風潮として、「〇〇の事件が大きく取り上げ
られるのは、政府にとって不利益な××を隠しているのでは」という考察が、
メジャーなネットニュースにどんどん上がってくることにもことのほか、
感ずるものがあります。

ほんの少し前まで、このような考察分析は、世の中に極めて敏感な人が
手にする『ザ・フナイ』のような一部のメディアや書き手のみの専売特許
であったと思うので、世の中の大きな変化を感じます。

単に「謀略論」としてのインパクトある論調に刺激を求めることが、
鋭い考察の本質ではないような気がします。『ザ・フナイ』は、
執筆者がプロとして責任を持って論説しています。こういった無責任な
考察が、一般的な人の目につく、多数の人の見る場所に日の目を見る
ようになればなるほど、リテラシーや論理性が大きく問われると感じます。


キャッシュレス社会のこれから

リーマンショックは、既存の金融システムが壊れる予兆を感じさせる
大きなきっかけでした。システム崩壊を予想した世界は、すべての
金融商品の現金化を急ぎました。

当たり前のことですが、現金は「無記名」です。崩壊をまぬがれた
昨今の金融システムでは、マネーロンダリングの監視が年々厳しくなり、
10万円程度のことでも、税務署に目を付けられる時代になりました。

森友問題のときに籠池さんが「こんにゃくを突き返した」との発言を
したとのことで、政治家の隠語が有名になりました。100万円の厚みが
ちょうど「こんにゃく」で、「煉瓦」が1000万円、「座布団」が1億円
だそうです。

大昔から賄賂といえば現金ですが、これからの時代は多額の現金の
やり取りは難しくなるかもしれません。それでも銀行の破綻リスクや、
私たちの預貯金へのマイナス金利が付されることを考えて、根強い
『タンス貯金』ですが、ハイパーインフレのときはキャッシュが
一番危ないと朝倉慶先生は言っておられます。そんな連想で「金」も
人気です。副島隆彦先生は「資産の10%くらいは『金』にして
おきましょう」とおっしゃっていますが、金相場を一喜一憂する人には
向いていないように思います。「金は買ってからは、持っていることを
忘れろ」とは。まさに文字通り「金言」だと思います。

消えゆく紙幣

今年の大きなトピックスといえばもう一つ「消費税増税」でした。
8%より10%の方が、日々の計算がしやすく、次第に抵抗がなくなった
頃に一気にキャッシュレス化を進めてしまおうという日銀の目論見で
あると、多くのプロの方が言っています。

キャッシュレスの普及率は、韓国9割、中国6割に比べて日本は3割
ですから淘汰されるまでにはまだまだ時間がかかる。政府はタンス預金を
吐き出させたい、そして、軽い預金封鎖をしたいという目論見があるようで、
キャッシュレス社会の浸透に向けてポイント還元は絶好のチャンスです。

10年後は大げさでなくキャッシュがなくなる手前まで激減するのではと
言われています。一万円札と五千円札はなくなり、千円札と硬貨だけが
残る可能性が大きいようです。まだまだ先のことのようで現実味がない
気もしますが、着実に現金を使って生活する日常は終わりに向かって
いるようです。


未来の自分に食べさせてもらう

少し前に伺った、作家の本田健さんのお金を生み出す方法は、とても
インパクトがありました。「自分の時間を切り売りする」あくせくとした
労働から解放され、「自分の資産で食べていく」ことで、自由な時間を
獲得しながら富を築き上げていく方法を本田さんは多数著書に書かれて
います。

本田さんは1冊本を出すたびに「30年後もこの本の印税で食べていける」
ことを考えて書くそうです。本が売れ続けると印税が継続して入って
きますので、本が発売時に、パッと売れてその後先細りではなく、
どの時代にも受け入れられる、ずっとロングセラーでいられるような
書き方に留意するそうです。だから、本田さんの本には、例えば携帯や
PC といった、時代によっていつ変化するかもしれないものはほとんど
出てきません。後世、いつの時代に読んでも、違和感のない作りにする
そうです。この話をうかがったとき、単なるテクニックではなく、
自分の仕事への手の掛け方の丁寧さ、ひたむきさが生半可ではない
覚悟だと感じました。


先に与える

秋田に土井広文さんという『お金の学校』を主宰してらっしゃる方が
います。元は上場企業のサラリーマンで3人のお子さんがいます。
仕事に追われ家庭をかえりみなかった頃、自閉症のご次男のお世話で
奥さんがいっぱいいっぱいになり家庭崩壊の危機を迎え、土井さんは
転職の決心をします。転職をしたら給料が下がり、その頃家族4人で
1月に使えるお金は、住宅ローン等の必要なものを支払えば残り3万円。
奥さんが家計のやりくりに奮闘してくれ、つつましく生活していたころ、
お父様が亡くなります。

長男の土井さんは追い討ちをかけられるように葬式の費用、特に寺から
言われた戒名の料金等で100万円という金額にうちのめされます。
「自分はお金のことを何も分かっていないのではないか」
「世の中のお金のシステムを知りたい」という想いで、一からお金の
ことを勉強したいと一念発起します。

家庭菜園を作り、山菜を採りに行き、髪は奥さんに切ってもらったりと
諸々の生活費用を極限まで切り詰めながら、土井さんは『バビロンの
大富豪
』という1冊の本に大きな影響を受けます。その後はいろいろ
勉強し、お金持ちほど「寄付」をしていることを知った土井さんは、
元子ども兵の支援や地雷を世界からなくす活動をしている団体、
テラ・ルネッサンス』に小額ながら寄付をするようになります。

お金への執着と欠乏した感覚が徐々になくなった土井さんは、
臨時収入などにどんどんと恵まれ、現在ライフワークとされている
投資のきっかけとなったようです。金運アップのターニングポイントは
「寄付」だったそうです。

今回は、令和の時代に生きる読者の皆様が、現状に向き合い、豊かな
富を実感している人をヒントにしていただければという想いで書きました。
私も土井さんと同じく、『テラ・ルネッサンス』はじめ、「寄付」は
細々とですが、長く続けています。「隠徳」は神様が味方についてくれる、
意味のある行為だと実感しています。「先に与える」という気持ちと
行動を、今、最も大切に心がけています。

  

僕が地球にやって来たワケ 第16回

最近思うこと

早いもので今年も残り、わずかになりました。
またもや書かせていただくのが心苦しい話題なのですが、台風など
天災が頻繁にやってきて、気持ちの休まるひまがありません。

先月のこのページに、消費税アップや新組閣など政府にとって
大きな局面のタイミングだったので、災害地の報道を控えていた
のではないかということを書きました。この10月の台風では、
電鉄の計画運休などあえて不安感、恐怖感をあおるような
大掛かりな決定をかなり早くからしておき、
「そうでもなかったでしょう。しかし備えあれば憂いなしですね」
とする意図があった、とある情報通の方から聞きました。

確かに東京およびその周辺は、下手をすると、1週間以上
都市機能が失われるほどの壊滅的な被害を受ける可能性があると
繰り返し報道されていました。私は東京にはいなかったのですが、
実際のところ、台風は深夜になる前に去って、翌朝は早い時間から
大変穏やかな晴れ模様だったようです。

前述の話のどこまでが本当か分かりませんし、北陸新幹線や
箱根登山鉄道などの大きなダメージ、そして被災地の大変な
ご苦労を考えると胸が痛いです。
 
私も久しぶりに、テレビで台風のニュースを長時間見続けましたが、
ダムの緊急放流など、災害対策に本来とても大事なことに
ネガティブな報道が多く、どちらかというと偏向報道というより、
勉強不足を思わせるバランスの悪さが目立ち、理系目線を強化する
ことがこれからのメディアの課題なのではないかと感想を持ちました。

一方では、ブラウン管のこちら側にいる私たちも、今や漫然と
画面を見ているわけではなく、スマホやタブレットを片手に
どんどん気になったことはその場でいくらでも調べられるという
時代なので、日頃から知識を蓄えるというより、情報判別能力を
ブラッシュアップさせておくということがいかに大切かという
ことを痛感させられます。


 現代貨幣理論

確かな情報判別能力をつけるために、「まだ出ていない手の切れる
ような最新の情報を、超プロの執筆陣の手で」と、始まったのが、
舩井メールクラブ(FMC)です。FMCでは、毎月私のお勧めの本を
ご紹介させていただいているのですが、10月の1冊は
L・ランダル・レイ『MMT現代貨幣理論入門』 (東洋経済新報社)
でした。経済、金融の分野で、現在私が最も関心をいだいているのが
MMTです。
「自国通貨で借金をすることができる国は財政破綻をすることがない。
そのため、そうした国は借金を恐れるべきではない」という考え方が
あります。こうした理論を「MMT(現代貨幣理論)」と呼びます。

今回、このキーワードを初めて目にされた方にとっては、大きな
驚きを持った考え方かもしれません。2010年頃までは奇説とされて
いたMMTは、1つの経済理論として独自に発展し、アメリカでも
論争が起こるまでとなりました。MMTが本家アメリカで取りざた
されたきっかけは、大統領候補のサンダース上院議員が
ステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学
ストーニーブルック校教授)を経済顧問という、政府にとって大変
重要な参謀役に採用したことに始まったと言われています。

主流経済論、いわゆる一般的な考えでは、国の支出が増えて
借金がかさむようになると国の信頼が低下してしまうため、
国は高い金利を払うことになり財政はいずれ破綻するとされます。
これに対し、MMTは自国の通貨で借金ができる国の場合、
急激な金利の上昇が起きない限りは貨幣を発行して
それを借金の返済にあてることができるために破綻はしない
というものです。

日本の国会でも議論されている流れがきていますが、財務省、
日銀など政府サイドはMMTに対して「財政規律を緩める危険な説」
だとネガティブキャンペーンを行っているのに対し、
日本の一部の経済学者たちは、MMTの本質である「財政赤字は
どれだけ拡大させても財政破綻は起きない」ことに注目し、
議論が活発になっています。


日本ほど適した国はない

暴論かもしれませんが、私はこのMMTを適用するのに日本が世界で
最も適した国だと思っています。
ちなみにアメリカとイギリスもMMTが適用できそうです。
まず不可欠な条件は、自国通貨が発行できて国債が出せること。
お気付きの方もいらっしゃるでしょうが、ヨーロッパの国々が
NGなのは、ユーロを出せるのが自国ではないという理由です。
そして経済大国になった中国もダメです。
十分な金融自由化ができていないからです。

「国際金融のトリレンマ」とは、1980年代に徐々に認知される
ようになった国際金融論上の一説ですが、この3つ
①国内独立制 ②固定為替相場 ③資本移動の自由のうち、
1つは諦めなくてはならないという考え方です。
日本は②を諦めました。
というよりほとんどの先進国は同じです。独自の金融政策を
採れば必ず内外の金利差が生まれます。このとき資本移動が
自由ならば、そこに金利の差を狙った資本流出入が起こり
為替相場の変動は起きてしまうからです。

前述の中国は為替相場の乱高下は避けたいけれど、でも国内の
金融政策の独立性は守りたいという理由で③を諦めました。
中国も今後は、貿易黒字は減っていくので、いつまで今の政策が
続けられるか疑問です。


財源はたっぷりとある

難しいお話でしょうか。京都大学の藤井聡先生の発信されている
ことが、一番やさしくMMTを読み解いていると思います。
先生は、「政府は貨幣の供給者であり、貨幣の使用者である
国民とは、まったく違う」ことを理解しないと、MMTは
見えてこないと書きます。

国民は日本国で円を使い、円で納税することが
義務づけられています。
貨幣の発行者と貨幣の使用者の立場を切り分けないと
見えるものも見えません。
先生は、今年の消費税の増税もまったく必要なかった、
なぜなら政府はインフレになり過ぎない一歩手前まで
いくらでも貨幣を発行しようと思えばできるのだからと
いうことを、繰り返しおっしゃいます。
財源がないという理由で、防災、教育、技術開発投資などが
停滞している日本国はおかしいと一刀両断されます。

最新刊のご著書『マンガでわかるこんなに危ない! ?消費増税
(ビジネス社)は、今売れに売れていて、アマゾンの消費税
カテゴリーの書籍でずっと1位をキープしています。
MMTに関心を持っていただく前段として、日本という国の
財源の仕組みを見直していただくためには、読みやすく工夫された
コミックスなので、皆様にもぜひお勧めしたい1冊です。


赤字財政で国は成長できる

「財政は赤字が正常で黒字のほうが異常、むしろ、どんどん財政
拡大すべき」、このMMTの土台にある考え方は、私は暴論では
ないかもしれないと思っています。
通貨発行権限を持つ政府の債務を不履行にすることは不可能なので、
予算の上限がないと考えるなら、国民の生活水準を向上させることも、
安定した雇用も望めます。

前述の藤井先生がおっしゃるさまざまな国力をつけるための投資も、
もちろん行えます。MMTを導入することで、
「借金が増えるより、国全体が速く成長することで
財政赤字を減らすことができる」と言えるのではないでしょうか。

『MMT現代貨幣理論入門』には、MMTは、アメリカの若い中から
低所得者に大きく支持されていると書いてありました。
日本でも、若年層からミクロ経済に関心を持ってくれる
ムーブメントが起きたなら、頭の固い大人たちをグッと動かせる
のではないかなと私は思うのです。

日々の生活が楽になり、漠然とした将来への不安を解消する
ヒントがここに大きく隠されているということに気付いてくれたら
とても素晴らしいことです。
わざわざ緊縮財政をしている今の手詰まりな日本に一石を投じる
動きがあってもいいのではないかと思います。 
 
2000年以降に生まれた若い人々は、柔らかな次元と空間に
生きています。条件は揃っているのだから、物事をマクロにも
ミクロにも見る姿勢を大いに生かして、枠を外し、近い将来、
MMTが主流の経済理論になるくらいの、よりしなやかに
潤いのある日本にシフトしていってほしいと願ってやみません。

   

僕が地球にやって来たワケ 第15回

最近思うこと

真夏の訪れが遅く、ぐずぐずと残暑が厳しいと思ったら、夏の最後に
台風が大きな爪痕を残していきました。被害に遭われた千葉の地域には
知り合いが多く、胸が痛むばかりです。私はテレビをほとんど見ないの
ですが、聞くところによると内閣改造、消費税アップのタイミングで
このようなことが起きると、ブラウン管の中での災害のニュース報道が
とても少なかったようで、やりきれない思いです。

しかし、インターネットの中ではリアルな情報が刻々と拡散され、
また全国で被災地の支えになろうとする人たちの呼びかけが、
だんだん有効的、効率的になってきているように感じました。
今後、災害は起こってほしくないという気持ちはもちろん本心では
ありますが、これまでの災害や事故でのさまざまな教訓や気づきが、
特に統制の取りようがないネットの中で少しずつでもしっかりと
生かされてきていることは悪いことではないと思っています。
ネット社会が発達して長らく経ちました。その年数だけ、我々に
情報分別能力がついてきたということでしょうか。

少なくとも普段からSNSをフル活用している層には、フェイクニュースに
応戦するだけの審美眼が以前より装備されてきた気がします。
しかしながら、見えない敵が、今後どんな手を使って我々を撹乱して
くるかは計り知れません。情報社会をしなやかに泳ぎ切っていかなくては
行かない現代人には、果敢に知識を深めつつ、客観的に情報を分別する
姿勢が、何よりも不可欠なんだと痛感しています。

ムーンスシ

さて、前号に続き、イスラエルのトピックス後編を書きたいと思います。
このコラムを読んでくださっている方々は、彼の地に馴染みのない方が
多数で、イスラエルといえば、治安が悪く、殺伐としたイメージを
抱いている方が多いと思います。

「街の中はどんよりと、歩いている人も目つきが暗い感じで、いつも
猜疑心と警戒心を持って気の休まる暇がないような気がします。
家族に『せっかくの旅行なのに、なぜ癒しやワクワク感のない所へ
わざわざ好んで行くのか』と聞かれました」
と出発前に言っていたツアー参加者がいました。

実はどんどんイスラエルの都市はそんなイメージを良い意味で裏切る
都会になっています。

テルアビブの夜の出来事です。ツアーの団長、赤塚高仁さんは世界中
どこへ旅しても、必ず一度はお寿司を食べる寿司好きです。今回も、
ホテルに着くや否や、赤塚さんは「勝ちゃん、夕飯は寿司行こう!」と
「ムーンスシ」という名の、評判の店に予約の電話をかけました。
その時点でまだ夕方にもかかわらず、午後10時半までお店はいっぱい、
しかし、すっかりお寿司モードの赤塚さんの気持ちに従い、我々は
それまで時間を潰して遅い夕飯を取りに出かけました。結構な夜の
時間だというのに、通りは若い人で溢れ、談笑している人々は
和やかにリラックスして、その表情からは警戒心などまったく
感じられません。ここは日本かと思うほどの治安の良さです。

「イスラエルは今やパリやNYよりも治安がいいと思います」とは
現地に駐在している人が言ったのには驚きました。聖書では「ヒレと
ウロコのないものは食べてはいけない」という記述がありますが、
翌日に行った人気のシーフードレストランでは、いか、えび、たこ、
かに等が次々と出され、地元の人も屈託なく口にしていました。
そのあたりは随分緩やかになってきたということかと思い、飲食事情に
詳しい人に聞いてみたら、魚に関してはそうだけれど、当地ではやはり、
さすがに豚肉は食べていないし、出すお店もない、ということでした。

ちなみにお寿司屋さんもシーフードも軽く飲んで、食べて支払った
代金は日本円にして1人当たりで1万円強。日本だと高級店の部類に
入ると思うのですが、同じような客単価のクラスの飲食店が
テルアビブにはずらりと並んでいました。決して年齢層が高くない
人々が当たり前のようにこのような食事をして、支払いをしている
ようで、イスラエルは好景気なんだと実感しました。

戒律

そんな思わぬ変化は夜の街で見られたものの、イスラエルは厳格に
戒律を守ってきた国です。シャバットと呼ぶ安息日は、今でも
しっかりと根づいています。金曜日の日没から土曜日の日没まで、
会社もお店もお休みで電車やバスも止まります。

安息日はトーラを読んで過ごす日で、週に一回、自分の人生と向き
合う機会です。シャバットの時は、すべての活動的な動きは禁じられて
います。
車の運転、火を使う調理などはNG、基本電話やメールもしてはいけま
せん。家族団らんで過ごすのが基本ですが、料理ができないので
安息日の食事は、事前に用意をしておき、冷めた料理を食べるという
徹底ぶりです。

シャバットエレベーターなるものがホテルにあります。安息日は
エレベーターのボタンを押すのもダメという強硬派がいるので、
シャバットエレベーターとは、全自動で全フロアに停まる、一切
ボタンを押さないでいいエレベーターのことです。
「これが安息日の象徴の1つなんだな」と、イスラエルらしさを一番
感じられる個人的には大変興味深いエピソードです。

「ベニスの商人」

皆さんの中にはユダヤ人といえば「金融業」というイメージもある
方も多いのではないでしょうか。第2次世界大戦のときのヒトラーの
ホロコースト(大虐殺)の前から、多くのヨーロッパの地で迫害を
受けてきたユダヤ人です。キリスト教社会であるヨーロッパでは
「イエス・キリストはユダヤ人によって、ゴルゴタの丘で十字架に
磔(はりつけ)にされた」の言い伝えが信じられていて、ユダヤ人の
立場はまったくありませんでした。そのため、真っ当な職業に就く
ことは絶望的で、彼らが金融業、つまり工場のような資産を持たないで
できる仕事で糊口(ここう)をしのいでいたのは当然の流れともいえる
でしょう。かの有名なシェイクスピアの「ベニスの商人」ではユダヤ人
の金貸し、シャイロックはあまりにも狡猾な悪人として描かれていま
した。キリストの教えでは、利息をつけてお金を貸すことを禁じ、
軽蔑していましたのでもっともな描き方でありました。

しかし、中世、教会の力も弱まると、人々の倫理観、道徳感も薄れ、
金融業はヨーロッパの人々が軽視できないほどの、巨大なビジネスと
して成長し、そのユダヤ人の才覚は絶大なる存在感となっていました。
まだまだ迫害はなくなっておらず、妬みからの略奪、没収は増える
一方でしたが、彼らは知恵を絞って没収されない無記名形式の証券
(銀行券)を発行・流通させる銀行業を考案しました。この形式が
ヨーロッパでは主流になり、銀行券、つまり紙幣を発行するように
なっていったのです。このスキームを一から考えたのは間違いなく
ユダヤの人々です。

イスラエルの劇的変化

このように、金融業でいわゆる成り上がってきたユダヤ人ですが、
先ほどの治安の変化と同じくらい、イスラエルの中のビジネスの割合が
変わってきたことを、先ほどの好景気から実感しました。

イスラエルは根無し草の国ではなくなったので、メインの産業は、
金融業でなくてもよくなったのです。コンピューターの心臓部である
CPUの世界最大の製造メーカー、インテル社のアメリカ以外の最大の
拠点は、イスラエルです。他にもカーナビやオートクルージング
(アクセルなしでも車が自動でスピードを保つ装置)などの技術は
イスラエルで開発されたもので、世界的に存在感を増しています。
優れた軍事技術を民間技術に転化できるというイスラエルならではの
強みを生かした産業が次々と頭角を現してきました。

アメリカとイスラエルの二重国籍の人も多くシリコンバレーには
とてもユダヤ人が増えているそうです。トランプ大統領は2017年から
エルサレムに米国大使館を移しました。これはパレスチナとの和平
プロセスにおいても、トランプはイスラエル側に立ったということを
示していると言えるでしょう。

これからのイスラエル

これまでは、赤塚さんと、聖書を巡る旅としてイスラエルに心惹かれて
きた私でした。
しかし、最近は、私が日々発信する国際経済を読み解くという点に
おいても、イスラエルは看過できない場所だと実感しています。
まさかこのようなご縁があるとは最初に訪れたときは思いもしません
でしたが、これから閉ざされた国であったイスラエルがどのような
変化を遂げていくのか、興味は尽きません。

赤塚さんは聖書と「やまとだましい」を結びつけて伝えることを
ミッションとされていますがまさに、イスラエルの「情緒的価値」
でしょう。私は、赤塚さんの伝えてくれるものをこれからも学びつつ、
この国の「機能的価値」である経済的国家としての在り方に注目して
いきたいと思います。

赤塚さんの聖書の読み方やイスラエルの位置づけは、まだどこにも
ないものです。イスラエルが私たちにもたらしてくれるものを大事に、
果敢に発信していこうと考えています。

僕が地球にやって来たワケ 第14回

最近思うこと


8月の初めに、片山エリコさん率いる奉仕団のグループと、8回目の
イスラエル旅行をしてきました。エリコさんは、『ザ・フナイ』に
連載をしてくださっているさまざまなバックグラウンドを持つ敏腕
経営者です。別名「歩くパワースポット」として有名な方で、皇居
勤労奉仕を80回以上しているパワフルな方でもあります。

出会いは父・舩井幸雄からでした。十数年前、父が対談相手を探して
いる場所に、編集者がエリコさんをたまたま連れて行って、ほんの
少し数分話しただけで父が当時はまだ無名の彼女を対談相手に指名
したという逸話もあります。

「旅は誰とするか」を何よりも大切にしている私にとって、毎回
気の合うメンバー、そして 日本人随一のイスラエルエキスパートの
赤塚高仁さんとともに旅をするのは、「覚醒」レベルの気づきと
体験に満ちた旅です。今月、来月で、イスラエルでの最近の気づき
を書かせていただきたいと思います。

「イエス様に会える旅」

中東・イスラエルといえば「砂漠」をイメージされる方も多いで
しょう。国土の6割を砂漠が占めます。砂漠の定義を旅で初めて
知りました。年間平均降雨量は200ミリ以下を言うのだそうです。
車窓からは、荒野が広がり、イスラエル建国以来、砂漠の開拓を
パワフルにミッションとしてきたこの国の意志に想いを馳せる
ことになります。集団農場を意味するキブツでは、砂漠での農業
技術が辛抱強く研究され、世界での最先端のテクロノジーを見る
ことになります。

イスラエルの面積はちょうど日本の四国ほどなので、車でどこへ
でも日帰り旅行ができます。イスラエル旅行の観光の目的は、
聖地巡礼、イエスの足跡を巡るといったものがメインで、世界中
から人がやって来ます。

20回以上この地を訪れている赤塚さんの案内で、毎回必ず訪れる
教会がいくつかあります。その教会にまつわる聖書のお話の講義
タイムがあり、これが本当に素晴らしいのです。赤塚さんは、
聖書の現場で行う聖書講義を「足の裏で読む聖書」と名付けて
います。

実は礼拝そのものより、赤塚さんの聖書講義が楽しみな旅の
リピーターさんが多数います。特に私が毎回心待ちにしている
のは「ペトロ召命教会」と「鶏鳴(けいめい)教会」の2つです。
ペトロ召命教会はガリラヤ湖北西部のタプハにあります。
湖畔の木陰で聴く、召命教会にまつわる新約聖書の「ヨハネに
よる福音書21章15節」の箇所の講義には胸打たれます。
この教会は、復活後のイエスが弟子たちに朝ご飯を作って食べ
させた場所として有名です、岩の上にイエスが一番弟子の
ペトロに「わたしの小羊を飼いなさい」と言ったのもこの場所
です。復活したイエスが弟子たちの前に現れ、イエスは一緒に
朝ご飯を食べました。弟子たちはその姿を見て、「ああ、
イエス様は本当に復活してくださったんだ」ということが
分かったのですが、この話を聞くと、いつも近くにイエスが
やって来ているかのような、まるで復活の瞬間に立ち合った
ような感動があり、ひとえに赤塚さんのお話の迫力のおかげです。

それから、「鶏鳴教会」、エルサレムのシオンの丘の大祭司の
屋敷で、映画「サン・オブ・ゴッド」の舞台になった場所です。
こちらの場所にまつわる新約聖書の箇所は「ヨハネによる福音書
18章15節」です。 イエスはゲツセマネの園で捕らえられた後、
大祭司の元へ連れて行かれますが、その際に、イエスを追って
やってきた弟子の一人がペトロでした。話は前後しますが、
捕まることが分かっている前夜、「最後の晩餐」の際に、
「イエス様を命に代えてもお守りします」といったペトロに
イエス様は「鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしのことを
知らないと言うだろう」と言います。そしてまさに、イエスを
追ったときに「イエスなんて知らない」と3回否定してしまい、
鶏が鳴くのです。その鳴き声を聞いて、ペトロも号泣した場所が
まさにこの教会でした。

そのときのペトロの心情は、良心の呵責でしょうか、もしくは
イエスの弟子の心情を先の先まで読んだ深い慈愛に満ちた気持ち
に打たれて、ペトロは慟哭の時を迎えたのでしょうか。
聖書講義のときの赤塚さんは文字通り神がかっていて、話の結末
に差し掛かった後、赤塚さんがはっきりとした答えをおっしゃら
ないこともありますが、聞き手それぞれがそのときのタイミング
にふさわしい気づきをもらえる時間になります。

私は、アガペーの愛について思いを馳せていました。一般的に
男女間にある愛の感情は「エロス」と呼ばれ、「神の無限なる
無償の愛」を表す概念を「アガペー」と呼びます。神は完全な
存在であるので、そうでない存在の人間に向けられる愛が
「アガペー」ですが、この見返りを求めず、条件をつけない愛の
在り方は、果たして人間から与えることは不可能なのだろうか。
人間から一心に神に愛を差し出すことを実践していくことで、
目の前にある人間同士の関係性においても果敢に「アガペー」の
愛に近づいていく道はあるのではないのではないか、とそんな
ことを考えながらこの教会を後にしました。

赤塚さんは、いつも教会の内部のガイドには時間をかけません。
どの教会も常に観光バスがたくさん停まっていて、周辺は大変
賑わっているというのに、いつも講義を聴くにふさわしい
ちょっとした木陰が奇跡的に一つだけ空いているということが
必ずあります。私は「あぁ、イエス様がまた私たちに最善の
空間を用意してくださった」といつも実感します。皆様にも、
赤塚さんのガイドによる旅をぜひ一度体験してほしいと思います。

「2つ命題をくれたイスラエル」

『にんげんクラブ』の巻頭言ですから、どんどん「目に見えない
体験」を書いていこうと思います。イスラエルに旅していると、
天の声がしばしば聞こえることがあります。そんな体験は日本で
はほとんどないことです。2011年、東日本震災の年に、小川雅弘
さんたちと出かけた際に、エルサレムから日帰りで死海ツアーに
訪れました。

ご存じの方も多いと思いますが、死海は海抜マイナス400
メートルの場所にあります。死海沿いを歩いていると、突如私の
耳元で「約束を果たせ」という声が聞こえました。
「『砂漠に雨が降り、サフランの花が咲く』それがおまえの
ミッションだ」と。壮大きわまりない話ですが、その瞬間、
命題となり、私の中で強く息づいていることです。

それから、赤塚さんと初めて出かけたときには、ある高名な先生と
ご一緒したツアーだったのですが、メンバーが先生のお弟子さんが
半分、赤塚さんの関係者が半分で構成されていました。旅の途中、
それぞれの派閥ができてしまいシビアな諍(いさか)いが起こり
ました。心の中にたまったものを互いにぶつけ合う、かなり激しい
怒声が飛び交う中、私は両方の言い分を聞いて、その場をいさめ
ました。普段なら、迷いがあったと思うのですが、ものすごく中庸
な心持ちで、自分で言うのもなんですが、大変冷静にスマートに
解決できたと思います。赤塚さんはそのとき、私をとても認めて
くれたと後で聞きました。それまで赤塚さんと私は、イデオロギー、
よって立つ国家観などがことごとく違っていて、内心それぞれに
相容れないものを感じていたのですが、その後急激に仲良くなりま
した。お互いを認めつつ、成長を応援し合う心の友としてご縁が
続いています。

私自身も、それまで意識したことのなかった「ニュートラルな立場
で他者の人間関係を円滑にする」という自分の持ち味に気づき、
この使命を大切に、仕事や私生活にも生かすべく、努力するように
なりました。このようにイスラエルは、私にとって人生にとって
大切な命題という素晴らしいギフトをくれる場所になっています。

赤塚さんとの共著『聖なる約束』(きれい・ねっと刊)も、ぜひ
お読みいただけたらと思います。

「見守るより寄り添う」

そして、「イスラエルの旅の気づきベスト1」は、奇跡の体験から
でした。昨年のにんげんクラブ主催ツアーでのことでした。
前述の召命教会は普段午前8時にオープンなのですが、無理を
言って、7時半から30分間を我々だけの貸切にしてもらいました。
貸切のはずなのに、音を立てて悠々と掃除機をかけるユダヤ人の
係員には苦笑するしかありませんでしたが、それでも牧師さんの
説教スペースでゆったりと祈りを捧げることができました。

そのとき、私はイエス様を今までになく近く感じました。驚くべき
ことに、イエス様はひざまずいた私たちの下にうずくまっておられ
たのが見えました。これまで私の中でのイエス様は「天の父」、
天界よりこちらを見下ろしている画でした。そのイメージを全く
覆す限りなく床に近い位置から、私を見上げておられていたのです。

私は、イエス様は見守っているのではなく、寄り添ってくださって
いるんだなということを確信し、下記の詩を思い出しました。
少し長いのですが、引用します。


ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。

どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
ひとつはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。

これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。

わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。
このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。

「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
わたしと語り合ってくださると約束されました。

それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
ひとりのあしあとしかなかったのです。
いちばんあなたを必要としたときに、
あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
わたしにはわかりません。」

主は、ささやかれた。

「わたしの大切な子よ。
わたしは、あなたを愛している。あなたを決して
捨てたりはしない。
ましてや、苦しみや試みの時に。

あしあとがひとつだったとき、
わたしはあなたを背負って歩いていた(のだ)。」

クリスチャンには有名な、マーガレット・F・パワーズという方の詩
ですが、まさに私が感じたイエスとの距離感を表していると思います。
そして、「愛の量子力学」について思いを馳せました。
私なりに次元を表現するなら、1次元は「ワンネス」、2次元は
「ありのまま」、そして3次元は「他者と比較のある、今我々が
生きている世界」です。1次元が最も高次元と考えるのが本来なら
しっくりきますが、「神」の次元、1次元にいらっしゃるイエス様は
もしかして、一番下にいらっしゃって、私たちの3次元を見上げて
くださっているのかもしれないと、先ほどの教会で雷に打たれた
ように啓示がやって来ました。

「どん底のときこそ、神が一番近くにおられる」。
私の目の前にイエス様が現れ、身をもって体験したこのことこそ、
皆さんにも一番シェアしたいことです。父がよく言っていた
「経営者は、仕事をしていると、人生で3回くらい首を括りたく
なるような修羅場がやって来る」との言葉が、たまに頭をよぎり
ますが、不安がやって来るごとに、安寧に満ちた向き合い方が
できそうです。

来月号では、イスラエルで気づいたマクロな視点での世界情勢に
ついて書かせていただきたいと思います。

僕が地球にやって来たワケ 第13回

最近思うこと

梅雨明けが遅い7月でした。
令和初の夏はどのような流れになるのでしょうか。

 6月30日に「夏越祓(なごしのはらえ)」という伝統行事があります。
「夏越祓」は「水無月の祓い」とも呼ばれ、1年のちょうど折り返しに
当たるこの日、半年分の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する
神事です。にんげんクラブでは、「令和元年 夏越の祓い」として、
書家の小林芙蓉先生&いときょう先生のイベントを開催させていただき
ました。


驚異のスピリチュアルメンバー大集合

 私の人生、これまで傑出したさまざまなバックグラウンドの方と
ご縁がありましたが、ダントツで興味深いのは、今皆さんが読んで
くださっている会報誌に連載をお願いしている小林芙蓉先生です。
芙蓉先生は書家としての活動の他に、京都で豆腐懐石料理店
「松籟庵(しょうらいあん)」を経営されています。
その「松籟庵」は嵐山の官有地の公園の中にあり、映画「古都」の
ロケ地ともなった情緒溢れる高級なお店で、近衛文麿公の別邸だった
そうです。芙蓉先生と父・舩井幸雄は、京都屈指の「イヤシロチ」と
して「松籟庵」を訪れたことで親交を深めたことがきっかけで出会い、
私もご縁をいただいています。

 この春に、京都で芙蓉先生主催の「水鏡〜3000人の祈り」の
イベントがありました。京都の一流ホテルで昼夜2回、2000人の
キャパの宴会場、夜の部のディナーは着席でフルコースをいただく
気合の入った会でした。

 ゲストとして呼んでいただきましたが、会場に入って驚きました。
大げさでなく、ここ数年で一番驚いたパーティかもしれません。
全国津々浦々、精神世界、自己啓発に関わっている有名な人がほとんど
全てと言っていいほど集結していたからです。スピリチュアルの世界に
生きている方は、時空を超えて、魂も肉体も極めて自由な方ばかりなので、
基本「つるみ」ません。コミュニティを好まない人も多いので、誤解を
恐れずに書きますが、いつしか「消息知れず」になる方も結構いらっ
しゃいます。それが分かってからは、個人的には、去る者は追わずの
スタンスでおりましたので、しばらくぶりの方のお顔をあちらこちらに
見つけて、懐かしい気持ちよりも、芙蓉先生の人脈の広さと、そして
集客に当たってのただならぬ影響力にびっくりさせられっぱなしでした。

涼やかな師弟関係

 お人柄に惹かれてさまざまな人が芙蓉先生の元に集っています。
様々なバックグラウンドの有名人のコラボレーションイベントを
精力的に主催しているにんげんクラブ愛知支部の中山恵美賀さんは、
芙蓉先生の「一番の追っかけ」を自任されています。
「ガラスの仮面」で国民的少女漫画家と言っても大げさではない
美内すずえさんも、芙蓉先生の盟友のひとりです。前述の春の
パーティでも、メインゲストで、一緒にトークセッションをさせて
いただきました。芙蓉先生と夜な夜な長電話をされているエピソードは
長年の絆の強さを感じました。こちらの会場でも甲斐甲斐しく参加者を
アテンドされていた芙蓉先生のお弟子さんの数は、常に50人の大所帯。
芙蓉先生のファンは老若男女幅広くいらっしゃいますが、訪れる
ご婦人たちの悩みや迷いを、本人が口を開く前からピタリと言い当てる
そうです。お弟子さん希望は後を絶ちませんが、かっきり50人と
決まっていて、何か事情などで抜けられる方が出ない限り入門できない
決まりで、志願者は何年もウエイティングされておられるそうです。

 近くにおられる方から伺いましたが、芙蓉先生は師弟という枠を
超えて、お弟子さんをそれはそれは大事にされていて、多忙な日々の中、
50名ひとりひとりとひたむきに向き合っておられ、いつ寝ているかと
いうほどだそうです。お弟子さんが同席される打ち合わせなどで、
お会いした際にも、確かにただ普通の師弟関係ではないものを感じました。
裏表なく師匠の薫陶を受けているお弟子さんは皆さんピュアそのもので、
芙蓉先生の方はお弟子さんを心から慈しんでいる様子が見て取れました。
「入れ替わりがめまぐるしい組織は信用できない」とは、昔から言われて
いることですが、芙蓉先生のところにはそれが当てはまりません。


お金の喜ぶ使い方

 芙蓉先生の凄さは細やかな気遣いにも表れています。手土産に、常に
著作本や気の利いたチョイスのお菓子を紙袋にどっさりとお持ちくだ
さいます。『ザ・フナイ』にご自身が登場されたときはその号を
数千冊も購入し、配られたそうです。

 以前、知り合いの富豪の「お金の喜ぶ使い方」という講演を聞いた
ことがありますが、 その時の「お金はただの物質としてではなく、
心を持っていると捉えましょう、お金自身が喜ぶ使い方を心がけたら、
今度はたくさんお友達を連れて戻ってくるでしょう」というお話を
思い出しました。ちょっと抽象的な内容でしたので、しばらく私なりに
「お金が喜ぶ定義」を考えていました。きっと、不安、恐怖といった
ネガティブな感情を込めるお金の使い方ではなく、極めて気持ちよく
送り出してあげる、そしてその使い方の視点を育て、磨いていくと
いうのがポイントなのだと思います。

 私は経営者なので、芙蓉先生のビジネスマインドに関心がありますが、
芙蓉先生ほど、身銭を大らかに切る方は見たことがないような気がします。
まさにお金の喜ぶ使い方をされているのでしょう。涼やかにお金を采配
する大切さがお腹に落ちているからこそ、目の前の物事がうまく進み、
また余裕が生まれるのかもしれません。父が生前言っていた、成功する
人の条件の一つ 「差し上げ好き」は、芙蓉先生に大いに当てはまる気が
します。


命懸けの平和活動

 芙蓉先生の本業の話も忘れてはいけません。書家としてのご活躍は
華々しく。30歳のときに、全国日本書道連盟の展覧会にて10万点の
うちの3点に選ばれ、オーストラリア国立大学でも書と俳画を教えて
おられたこともあります。現在は、国内外を飛び回り、グローバルな
視点で書に込められた祈りを通じて、世界の平和活動に注力されて
います。芙蓉先生は、「この世から戦争を一つ残らずなくしたい」と
いつも真剣におっしゃいます。

 日本人の女性ひとりで臨むミッションとしては大き過ぎる活動で、
普通なら聞いている方も驚くことですが、長年芙蓉先生の活動と志を
拝見していて、これは本当にかなうのではないかと私は思うように
なりました。韓国にも何度も行かれているようです。詳細な内容は
伺えませんでしたが、ときには国の中枢に近いルートで、書家としての
活動を行っておられるとのことです。

集合的無意識をより高めて

 私は6月のトランプ大統領の北朝鮮訪問は、ベルリンの壁崩壊以来の
世界情勢としては大きな出来事だと感じました。ちょうど今、
脱属国論』 (田原総一朗 井上達夫 伊勢﨑賢治 著)という本を
読みましたが、かなり面白かったです。リベラル派の改憲の議論が
主なテーマの1冊ですが、その中で、いかに在日米軍基地は米国の
核心的利益であるかという箇所が印象深く心に残りました。
沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落した事件はご存じの方は多いと
思いますが、敷地内では大学自治はあるものの、この件に関して
警察権力は介入できず、米軍が封鎖してすべての処理をしてしまった
ことまでは報道されていません。同じように沖縄だけではなく国内には、
日本が力が及ばない場所がいくつもあることもほとんどの人が知りません。
平和を祈る心、今の安全安心な生活をこれからも望む心は誰もが持って
いるとは思いますが、だからこそ日本人は、きちんと両方の目を開いて
真実の情報に逃げずに向き合うことが大切だと実感しています。

 芙蓉先生の真摯な平和実現へのアクションは、地球レベルの集合的
無意識にすでにかなり働きかけていると思います。「有意の人」の
私たちも、活動の形は違えども想いは同じです。芙蓉先生のような
スケールの大きい活動はなかなか難しいですが、携わっている
『ザ・フナイ』『FUNAIメールクラブ』『にんげんクラブ会報誌』では、
枠にはまらない真実の情報を果敢に発信していくこと、それが
私の使命だと思っています。


僕が地球にやって来たワケ 第12回

最近思うこと


前回のにんげんクラブの会報誌の表紙裏でもご案内させていただき
ましたが、5月末に事務所を移転しました。品川、四谷、そして
新天地の三田とこの10 年で3つ目のオフィスです。今回、一番の
トピックスは、父・舩井幸雄の思い出の詰まった書籍のほとんどと、
そして家具のすべてを処分したことでした。

にんげんクラブの重冨さんが、その選別を担ってくれました。
「どの家具も、一点一点すべて思い出が蘇ってくるんです」と
言っていました。

今時、遺品整理をする残された家族の話はドライきわまりない
エピソードばかりですから、社員がこのような想いをかけて
くれることは、私にとってとても嬉しいことです。

「今と過去だけに生きている人はアホ」


しかし、父自身はこのような感傷はあまり好きではなかったようです。
今回、潔く私が「断捨離」を決断できた理由に、父が極めてクールに
過去を振り返らない性質だということがありました。

古くからいてくださる父のファンの方はご存じかも知れませんが、
父は同窓会と名のつくものには決して参加しませんでした。
過去の思い出話に時間を費やすことを嫌悪レベルで嫌がっていました。
「70歳以上の人は大抵過去9、今1の割合で生きている人が多い。
病気と孫の話しかせえへんとこにいると、ツキが逃げていく。
70を超えても、今7、未来3で生きて行かなあかん」と
話してくれたこともあります。

身の回りのものに、まったく執着をしない人で、書類は即断で仕分け
して仕事机がいつも整然としていたのは有名ですが、自宅の家具なども
こだわりなくさっさと捨てることにためらいがない人でした。

舩井家は私が物心ついてきた頃から、だいたい5年に1度引越しをして
いました。そのときの整理も手早く鮮やかだった姿が蘇ってきます。


一方でモノを大切にする人でもあり何十年も使っていたカバンが
熱海の舩井幸雄記念館に展示されています。

そういえば、父は趣味らしきものがない人でしたけれど、唯一
仕事以外で楽しそうな姿は、次の家の設計図を描くことでした。
青い方眼の設計用紙にさらさらと間取りを書くのです。
私たち家族の意向はまったく聞いてはくれませんでしたが、
家族の成長や変化を細やかに取り入れた生活動線になっていて、
さすがコンサルタントと、子ども心に感動した思い出があります。

その設計図は、1枚たりとも余暇の絵空事ではなく、必ず具体的な
家になったことも父らしいエピソードです。晩年に建てた熱海の家も、
オール父の構想から設計されました。引っ越したばかりの頃、近隣の
方に「70歳を過ぎてから家を造るなんてすごいパワーですね」と
声をかけられ、理由を伺うと「年を取ってから新しい環境、新しい
家に馴染むのは億劫なものではありませんか」と言われ、
父に限ってはまったく当てはまらないな、と思いました。


父が、順応性のある前向きな生き方ができたのは、決して単に
怜悧(れいり)な姿勢で人生を振り切ってきたわけではないように
思うのです。過去はどんどん忘却の彼方に飛んでいきますが、
過去をオールすべて善と捉え、自分が関わってきた環境、他者、
そして自分自身を丸ごと包み込めていたからなんだな、と今、
つくづく思います。


父は書類を整理しながら、実は時間を整理して、未来の時間に
備えていたのではないかとも思います。時空を箱に例えるなら、
時折意識して箱を空っぽにして、果敢に未来を迎え撃つ準備を
していたのではないかと思うのです。


「創業者を知らない就活生」


船井総研の中谷貴之社長が面白いことを話してくださいました。
「最近、総研の就職説明会で会社概要のガイダンス映像を流す際に、
舩井会長の写真を写して『名前が分かる人?』と質問すると
3割程度しか手が挙がらないのですよ。舩井という名前自体
創業者の姓だと思っていないみたいです」

これにはただ苦笑するしかありませんでしたが、「船井総研
ホールディングスの大野潔元常務が『コレを読めば創業者の姿が
一番リアルに分かるよ』と、勝仁さんの本をすすめているんです」と
拙著『にんげんクラブからのメッセージ 舩井幸雄が一番伝えたかった事』
(きれい・ねっと)を会話に出されたことを思い出しました。

父の教えや想い出が書かれた数ある書籍の中で大変光栄なことです。
大野常務は、私の祖母のエピソードが大好きで、その環境から父の姿が
くっきりと浮かび上がってくると言っていました。

舩井幸雄の母に当たる祖母はやり手でした。父の時代に、大学に
進んだのは小学校の同級生で3人しかいませんでした。3人の内訳は、
庄屋のご子息と超秀才の女の子、そして父です。
叔父とこの兄弟2人を大学に行かせたのは、当時としてはすごいことです。
祖母の目論見は、将来は大阪府庁に就職してもらい、公務員との兼業農家
でしたが、新聞記者になりたい父はその想いを叶えることはありません
でした。
祖母は、典型的な大阪人でケチでしたから、夜は電気を切ってしまいます。
遅くまで勉強したい父は、6キロ先の駅まで自転車で行き、駅舎の
明かりで勉強していました。

日本がまだ貧しい時代で、特に珍しい話ではありませんが、大学を
卒業したエリートの気持ちと、大学に行きたくても進めなかった人の
気持ちが両方分かった父は、ある意味、さまざまな世の中の格差を
客観的に考察、分析することで成り立つコンサル目線がこの頃、
自然に育まれたのではないか、と大野常務は言っていました。

「撲滅宣言」


そう言えば最近、船井総研が手がけている面白い取り組みを
たくさん聞かせてもらっています。
企業主導型の保育園は花盛りで、今後待機児童の問題の解決が
グンと進みそうだとか、郊外にある駐車場つきのコンビニの
跡地の有効活用として、ご遺体の安置所にする事業が流行って
いるとか、まさに、ゆりかごから墓場まで一生を支えるビジネスの
新しい切り口を経営者に提案できる船井総研のコンサルタント層の
厚さを実感しました。

父がコンサルタント業を始めたときは、小売業のお客様が主でしたが、
今、小売業のクライアントの割合は全体の1%以下だそうです。
このことからも多種多様な分野において総研のコンサルタントが
活躍していることがよく分かります。


しかし、このような話を聞けば聞くほど、私は将来「マーケティング
撲滅宣言」をしたいと、密かに思っています。マーケティングは、
商品がより多く、より効率的に売れるように消費者に向けた企業活動
のことを言いますが、使い方によっては、本当にいるものではなく、
まったくいらないものを売りつけることで、それが世のため、人の
ためになるのか、と常々思ってきました。

そのことに対して、ある友人は「会長が晩年言われた『スピリチュアル
撲滅宣言』につながりますね」と感想をくれました。
実は、私も同じことを考えていました。


先月のこのコラムにも書きましたが、手かざし療法は果たして
人を幸せにするのでしょうか。多額のお金を取っているヒーラー、
チャネラーはいかがなものか、と最近はつくづく思います。
目の前の相談相手の抱えている深刻な問題を解決したり、
幸せに導くのではなく、大半のスピリチュアル関係者は、
自分に依存させ、いかに長く相談相手から搾取するかに傾注して
いるように思えるのです。

確かに、科学ではまだ大自然の原理は解明できていません。
なので、その隙間に目に見えない霊性に関するスピリチュアルが
息づくのは、わからないでもありません。
でも、そろそろ、大切なことは、過去も未来も超えて自分の中に
あるということに気づく時期が来ていると思うのです。

長らくの闘病の合間、父は自分の時間の箱と向き合いながら、
そんなことを考えたのではないか、と私は最近感じています。


僕が地球にやって来たワケ 第11回

ジェンダーニュートラル

先日、六本木の「ベンジャミンステーキハウス」というお店で会食を
しました。NYで3本の指に入る「クールな高級ステーキ店」の日本
初上陸で、メディアでも度々話題になっています。サービスは一流で、
提供される最高級ランク熟成肉のブランドは確かなものですが、実は
私がこのお店を選んだ理由はなんと「トイレを見てみたかったから」
でした。

NYでは2018年1月1日から、共有スペースのないトイレはすべて
「ジェンダーニュートラル(性別不問)」になっているという記事を
読まれた方もいらっしゃると思いますが、前述のお店では、この
トイレを採用しています。

そのような法案が通ったのは、トランスジェンダー(体と心の性が
一致しない人)が多くなり、男性用、女性用と区別されたトイレの
ドアの前で、どちらに入ろうか立ち止まってしまう悩みを解決する
ためです。法案可決から、まだ1年ちょっとしか経っていませんが、
NYでの普及はとても早く、クラブからロックフェスティバルの会場
まですでに浸透しているようです。

念願のトイレ見学は、食事後に足を踏み入れてみましたが、確かに
入り口に男女別の表示がありませんでした。個室は間隔がものすごく
ゆったりと取られ、プライバシーは十全に守られ、このような形式に
慣れていない女性が入ってきても、まず隣室の様子が気になるという
ことはなさそうです。洗面所のスペースも、異性のお客さんと顔を
合わせてギョッとするようなことがない動線が最大限工夫されていま
した。ここは高級店なので、配慮されたしつらえができますが、
向こうの簡素な野外のライブ会場では、ジェンダーフリーでない
人たちにはまだまだ抵抗があるのではないか、と手を洗いながら
想いを馳せました。しかし、生を受けた皆が幸せになるいいことの
実現に向けて、たとえトライ&エラーを積み重ねたとして、社会は
一歩一歩果敢に足を前に進めていかないといけないのではないかな、
とそんなことも考えました。


偽善と陰徳

いいこと、といえば、最近繰り返し考えることがあります。自分は
これだけ良いことをしたのだ、これだけ社会に貢献したのだという
ことをことさらアピールすることを一切せず、密やかに徳を積む
ことを「陰徳(いんとく)」と呼びます。日本ではタイガーマスク
運動のようなアクションをことさら美談に捉える節がありますが、
西洋でも「貧しい病気がちなおばあさんの家の前に、早朝花が
知らずに置かれていて心を和ませた」のような、昔から繰り返し
伝えられてきたエピソードは枚挙にいとまがありません。それに
対して、いいことを思いっきりやる、それをつまびらかにして
行動していると、「偽善」と呼ぶ人もいます。オープンにいいこと
をすると、恩着せがましく、傲慢な感じがするのでしょうか。私は、
「陰徳」も否定しませんが、いわゆる「偽善」とされる行為も決して
後ろめたくないのではないか、と考えるのです。なぜそんなことを
思いついたかというと、令和時代に突入し、私の生きてきた昭和、
平成を振り返ったからなのです。私は時代を振り返るとき、まず
お金の仕組み、経済社会の変遷で考えます。昭和から平成初期に
かけて、経営者の90%以上の頭の中は間違いなく「資金繰り」の
ことでいっぱいでした。

毎月、従業員に滞りなく給料を払うため、得意先に支払いをショート
させないために、地獄のような切羽詰まった気持ちで、会社の存続を
ひたすら延命するために奮闘を越えた死闘の日々を送っていました。
そして、いかに儲けるか、会社を大きくするかに血道を上げる経営者
たち。私の知り合いの超大手企業の財務部長は『ナニワ金融道』が
愛読書で、新入社員が入ってくるたびに全巻読むことを必須として
いました。まさに『ナニワ金融道』の物語の中と同様の、切った
張ったの世界が、日本の社会で繰り広げられてきました。しかし
平成半ばからは、過酷な資本主義は少しずつ、なりを潜め、金融の
時代に移行してきたような実感があります。ただただ「金」
「金を持っているから偉いんじゃ!」の価値観の時代から変容して、
神様が欲まみれの世の中を少しずつ浄化して、随分と綺麗にして
くれたような流れを感じるのです。

すぐに実行できそうな「偽善」

何よりグンと資金調達の方法が多種多様になりました。特筆すべき
ものに、クラウドファンディングがあります。これは、志を持った
人が掲げた目標額が、面識のない人の善意の総意によって達成されて
いくといった新しい形です。お金を提供した人は、募集側の提示した
特典を何かしら受けられる仕組みです。資金の提供を受けた側のみ
ならず、提供した側も幸せになれるものがたくさん出てきたと思い
ます。あっという間に大人気になったふるさと納税は、地方活性化
コンテンツに欠かせないものになりましたが、納税する側は返礼品の
受け取りだけでなく、控除を受けられて、各家庭は家計の足しにも
なります。その流れを受けて、昔からある寄付に際しても、趣旨に
共感して......という肩の力が抜けたスタンスの若い人も多く、心理的
ハードルが下がっているような気がします。世界の地雷問題に取り
組む鬼丸昌也さんのテラ・ルネッサンスさん、大住力さんの難病の
子どもたちを救う公益社団法人には、長年私もささやかながら協力
させていただいていますが、自分自身振り返っても、特に大上段に
構えた気持ちもなく、お二方を純粋に好きで応援したいという
想いが本当のところです。町内会の赤十字募金、コンビニのお釣り
の小銭をレジ横の募金箱に入れる、そんな行為も、昔より気負わず
やっている方も多いのではないかと思います。

これからの生きる術

芸人の西野亮廣さんが繰り返しおっしゃっている「お金持ちより
信用持ちになれば、どんな時代も大げさに言えば一文無しになっても
暮らしていける」という言葉は、滑稽に見えても、これからの信用経済の
本質をついていると思います。「つぶしのきく職業につきなさい」という
先人からの呪縛から、今こそ自分を解き放ち、これからの人は思い切って
突っ張ってもいい、思い切り引きこもっていい、自分がやりたいこと、
気持ちの良いことを徹底的に極めればいい時代だと思います。

最近、お母様から子育てについて助言を求められることが多いのですが、
お子さんがやりたいことをとことん飽きるまでやらせて、潜在的には
5次元の世界に生きられるようになれば、その子の本来の使命や役割に
自然と到達するのではないかということを必ずお話しします。

ちなみに5次元とは、自分の呪縛や遺伝子レベルで植えつけられた
葛藤をすべて手放せて、望みや願いが叶いやすい次元です。
忘れてはいけないことは、温かく見守って、存在的を丸ごと認め、
決して見放さないこと。その距離感だけあれば、父・舩井幸雄の
よく使っていたキーワード「生成発展」のスパイラルにうまく乗る
のではないかと思います。もし人生の中で、のっぴきらない生活
困窮に直面したら、自分を責めたり恥じたりせずに、セーフティ
ネットのような民間の団体を気軽に利用して、また自分の経済が
盛り返したら、まだ見ぬ誰かを応援するようなスタンスもあり
なのかと思います。

新元号にフィットした生き方

未来を担う子どもたちは、軽やかに生きてほしいものですが、私たち
大人はそうは言ってもなかなか手放せないものに、心も体も縛り付け
られています。よく精神世界でカルマを取るためには、手かざしという
手法を取ります。怒られるのを承知で言いますが、手かざしくらいで、
そうそうカルマは抜けません。でも、カルマが手かざしで抜けますよと
近づいてくる人の「偽善」も認めるくらいで、新たな次元が開いてくる
ような気がします。

最初に書いた経営者の欲望を謳歌してでき上がった資本主義から、
辛い行を積まなくてもいい時代にシフトしているのは確かなようです。
その流れでいくといずれカルマがなくなる時代になっていくでしょう。
なので、これからの人の波動はどんどん安定してくるので、そこに
乗っかって、私たち大人は自分の内面のカルマはあればあったでいい、
カルマがあるから人間、そのカルマを楽しむくらいの人生の方が
むしろ自然に美しく生きられる気がします。

以前なら考えられなかった前述の「ジェンダーニュートラル」に、
世界も当たり前のように歩を進めている今この時代です。
マインドもニュートラルを心がけ、「偽善」も「陰徳」もごった煮で、
まさに「持ちつ持たれつ」の概念をより緩やかにしていくと令和の時代に、
よりフィットした生き方になるのでは、と新元号スタートの月に考えました。


僕が地球にやって来たワケ 第10回

最近思うこと


 この冊子が皆様のお手元に届く頃には元号も変わり、ちょうど新緑の
爽やかな空気も相まって、日本全体が気分も新たに動き始めていること
でしょう。

 「令和」という元号については、2人の学者の先生の正反対の解釈が
面白く、興味深く拝読しました。1人目は、元号を考案されたと噂の
国際日本文化研究センター名誉教授 中西進先生です。「令和」の漢字
2文字は、『万葉集』の巻第五の中に歌われている梅の花を歌った32首
の序に使われていますが、中西先生は、昭和59年の著書『萬葉集 全訳注
原文付』の中で次のように訳しています。
「時あたかも新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、
梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のごとく白く咲き、
蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」

 中西先生は、「令(うるわ)しく平和に生きる日本人の原点です」との
コメントを出していますが、もう一方で、東京大学教授の品田悦一
(よしかず)先生は、「新しい年号が『令和』と定まりました。典拠の
文脈を精読すると、〈権力者の横暴を許せないし、忘れることもできない〉
という、おそらく政府関係者には思いも寄らなかったメッセージが読み
解けてきます」
となかなか刺激的な緊急寄稿をされています。品田先生は日本の古代文学
の研究者で、万葉集の専門家です。前述の寄稿は、精読と考察に字数を
割いた丁寧な長文なので、ここでは引用を割愛しますが、インターネット
で品田先生のお名前と新元号を組み合わせて検索していただくと、すぐに
エッセイのテキスト全文が出てきますので、ご関心のある方はそちらで
ぜひお読みください。私は中西先生の解釈に確かなものを見つつ、
品田先生の知性に裏打ちされた独特の感性にも、共感できるところが
あるような気がしています。

蠱惑(こわく)的な夜桜の下で


 お話は変わりますが、4月の頭に毎年、夜桜能が開催されています。
会場は靖國神社能楽堂です。3日にわたり、東京最古の木造能楽堂で
夜桜を楽しみながら能を楽しむという趣向で、今年で27回目になる
老舗の行事です。2019年の日程は4月2日〜4日で、午後6時半の
開始でした。

 梅若実さんの能、野村万作さん、萬斎さんの狂言など伝統芸能が好き
な人も、そうでない人も心そそられる演目が並びます。毎年1000席
ほどのチケットがすぐに売り切れるようです。ただ、雨天の場合は、
都内の劇場に場所を移して上演されると決まっていて、この時期の雨は
案外多く、当日晴れて能楽堂での開催が決行されても、途中から雨模様
になると雨合羽が配られるそうで、これもまた風情がないので、かなり
お天気に一喜一憂するイベントです。

 最初に火入れ式というセレモニーがあります。神前から移した御神火を
分けて、松明(たいまつ)に火をつける「火入れ式」です。こちらの
火入れは、毎年著名人やスポンサー企業から選出された「火入れ奉行」が
務めますが、今年は私が拝命されるという名誉に与りました。開演時間に
なると、照明が全部落ちて、舞台も客席も、一瞬にしてさっと漆黒の暗闇
に包まれます。4人の火入れ奉行が裃(かみしも)姿で松明を携えて
登場し、本舞台の左右に設置された薪に御神火を灯します。私は学者の
宮台真司先生と田中研之輔先生、それにタリーズコーヒージャパン創業者
で元政治家の松田公太先生とご一緒させていただきました。その日の
湿度や温度、風の向きによっては、なかなか点火しなかったり、激しく
大きい火になり過ぎるような話を聞いていましたので、せっかくの機会、
どうせなら美しい火を灯してみたいと、珍しく少し緊張しながら、気合を
入れて臨みました。

 厳粛な気持ちになる、という瞬間は、人生でそんなにないものです。
冠婚葬祭や、はたまた大きい仕事などでは、責任感や当事者意識が入って
くるもので、「厳粛」というゾーンに入ったことは、ほとんどない気が
します。

 もちろん今回も、誠実な気持ちで奉行をさせていただきましたが、
本当に時空ごとタイムトリップした気持ちを味わいました。普段、精神
世界や物理学のプロの方と接していて、一般の方よりは次元上昇の実感
とか、時には空間移動だとか、日常生活ではあり得ない世界を見ることが
あるのですが、今回感じたものはもっと深く自分の内面にアプローチする
世界でした。

「恋の重荷(おもに)」


 先ほど書いた火入れの儀式の後は、格調高い薪能(たきぎのう)が
上演されます。ライトアップされた夜桜のもと、かがり火に浮かぶ
能舞台で当代一の能楽師が舞うさまは、まさしく幽玄の世界といえます。
私は能を劇場でしか観たことがありませんでしたが、アテンドしてくだ
さった方によると、もともと能は野外で行うのが通常でしたから、薪を
焚く野外での能演は一般的なことではあるそうです。 梅若実さんの
「恋重荷」という演目が、心に残りました。極めて簡単にあらすじを
書きますと、舞台は菊を愛好する白河院の庭、菊の世話をする山科の
荘司という者がいました。荘司は白河院の女御(にょうご)の姿を見て、
恋心を抱きます。その想いを知った女御は、使者を通じて、ある課題を
クリアしたら私の姿を見せてあげましょうと荘司に伝えます。それは
指定の荷物を持つこと。普段から重労働に慣れている彼は自信たっぷり
に挑戦しますが、びっくりするほど重い荷は持ち上がらず、失敗した
彼は恨みを胸に自死を遂げます。最初は霊となって女御を苦しめようと
しますが、途中から彼女の想いの深さから守護神に変身するといった
ようなお話でした。現代の風潮だと、さらっとした距離感が好まれ、
何かにつけて重いのは嫌われますが、人の想いの深さというのは軽重
ではないのだと、心に響く物語でした。


戦争歌の歌詞に隠れた想い


 「同期の桜」という歌、どのくらいの読者の方がご存じでしょうか。
有名な海軍挽歌ですが、1番の歌詞「貴様と俺とは同期の桜 同じ
兵学校の庭に咲く 咲いた花なら散るのは覚悟 みごと散りましょ
国のため」は覚えていらっしゃる方も多いでしょう。私は夜桜能の空間で、
最終5番の歌詞を、記憶の底から思い出し、涙が止まらなくなりました。
その歌詞とはこうです。「貴様と俺とは同期の桜 離れ離れに散ろうとも 
花の都の靖国神社 春の梢に咲いて会おう」筆舌に尽くし難い葛藤の上に
ある強い心の絆が伝わってきます。軍隊の同じ釜の飯を食べた同期、明日
にはそれぞれが任務の地に赴き、国のため命を懸けて散る前提で戦う......。
その前提で出会った仲間です。共に訓練を受けた同期にしか分からない悩み、
葛藤、不安。その気持ちを分かち合ったとて、すぐに離れ離れになる関係
です。だからこそ距離感も難しかったでしょうが、その頃の兵隊さんは、
「明治・大正生まれの男」。あの時代に生まれた人々の特有の意志の強さ。
決してぶれず、自分を見失わず、言動や行動は大げさに発散せずに、同期
の友を思う心が、前述の5番の歌詞になったと思うと、その尊さ、貴さに
肅然(しゅくぜん)とした想いを持ちました。

 そして、靖國神社の隣、遊就館に常設展として展示されていた中川
州男(くにお)陸軍中将(任期当時は大佐)の英霊のことを思い出し
ました。中川大佐はこのコラムでも取り上げさせていただいたことの
ある昭和19年、ペリリュー島をめぐる日米の戦闘の日本軍の指揮官
です。米軍が「2、3日で陥落させられる」と考えていた戦いは、
中川大佐の率いる日本軍の粘りで74日間にも及びました。最後は
割腹を遂げました。

 死闘のトップとは言え、中川大佐はとても穏やかな家庭人で、妻には
「永劫(えいごう)演習に行ってくる」とだけ伝えて任地に赴いたそう
です。「永劫演習」というのは、生きて帰還が望めない戦場のことです。
皆様にも機会があれば中川大佐の逸話を読んでいただきたく思いますが、
昨年ぺリリュー島で中川大佐のことをたくさん聞いた私は、この靖國
神社の桜の下に彼も眠っているのだと思うと、また涙がこみ上げてきま
した。

春の梢に咲いて会える


 今回のコラムは、読み方によってはかなり感傷的な内容になりました。

 この夜桜能以来、私は靖國神社に眠る、物言わぬ英霊を思うとき、
すっかり涙もろくなっています。「令和」から後、永遠に戦争が起こって
ほしくないと思う気持ちは、私の中で変わりません。しかし、今回靖國
神社で大事なお役目を果たさせていただき、これからの人生、命を投げ
打つことを厭わないくらい、真摯で果敢に生きてみようと。

そんなふうに命を燃やし尽くすように生きたなら、この桜の下に帰れ
るんだという厳粛な気持ちで国のために命を散らした英霊たちの思いが
多少なりとも分かるようになるのかなと感じています。

 靖國神社に来ると親友の赤塚高仁さんのことを考えます。私が同期の
桜を思い出して、英霊たちも夜桜になって私と同じように人間国宝の
幽玄な能舞台を観ていることを感じられるようになったのは、間違い
なく赤塚さんのおかげです。いつか、赤塚さんが火入れ奉行をされる
日が来ればいいなと思います。この国を命を懸けて愛し、守ろうとして
生きている赤塚さんなら堂々と務めてくださることでしょう。

 そして、そんな赤塚さんの気持ちが伝わり、夜桜能を楽しんでいる
大勢の皆さまにもそんな英霊のことを少し感じていただけるようになれ
ば、日本はもっといい国になれるのかなと思ったりしています。

僕が地球にやって来たワケ 第9回

最近思うこと


 2月25日、第2回目の私の講演会が、四谷の船井セミナールームで開催
されました。にんげんクラブの重冨さんが、「舩井勝仁と、これからを
考える講演会」と名付けてくれました。シンプルで分かち合い感もあり、
気に入っています。

 昨年末の講演は、初回ということもあり、方向性も手さぐりでした。
2回目は、皆様の顔を見ながらお話ししていくうちに「いらしてくださる
皆様に、何か元気の出る足元を照らすようなお話が一つでも多くできれば、
それが何よりも私らしいのだ」ということが分かって、少し気が楽になり
ました。今後も、できるだけ隔月で企画していきたいと思っていますので、
どうぞよろしくお願いいたします。今回のこのページは、そのときにお話
ししたことに加筆してお届けしたいと思います。


『お金の流れで読む 日本と世界の未来』

 「新聞で信じていいのは日付だけ」という名言(迷言?)を残したのは、
糸川英夫博士ですが、この言葉は言い得て妙だと思っています。妄信的に
ならず「客観的に情報をとる」という意識を心掛けています。

 いつも楽しみにしている、日経新聞の電子版コラムがあります。三菱
UFJ銀行、スイス銀行を経て、現在、貴金属トレーダー、経済評論家と
して大活躍されている豊島逸夫(としまいつお)さんの「金のつぶやき」
です。豊島さんはカリスマ投資家のジム・ロジャーズさんと旧知の仲で、
来日の際にやり取りしたことを詳しく書いてありました。

 現在ヒット中のジム・ロジャーズさんの著書『お金の流れで読む
日本と世界の未来
』(PHP新書)も早速読みましたが、地に足が着き
つつ、エッジの利いた経済予測をされるジム・ロジャーズさんが面白い
ので、本日はその話を最初にしたいと思います。彼は昨年末、日本の株
をすべて売り払ったそうです。それほど日本に期待できない理由は、
借金と少子化だと言い切っています。ガーナ、ビルマ、エチオピア、
中国と移民を受け入れない国は必ず衰退しています。いまのヨーロッパ
の移民政策が失敗しているのは急激に移民を受け入れ過ぎたからと
ロジャーズさんは分析します。ロジャーズさんの口癖は「少子高齢化で
外国人労働者にも抵抗感が強い国」の稼ぐ力が弱まる、ということです。
私も常々、日本の古来から持つ民族性の一つである「包みこみ力」を
信じて移民を受け入れても良いのではと考える派です。七沢賢治先生
から教えていただいた「日本人の定義は、日本語を喋る人」というくら
いの時代が来た方が、国力が上がると思います。

 話が逸れました。ジム・ロジャーズさんの予測に戻ると、日本の寿命
は30年、もし自分が10歳の日本人なら、移住するかAK-47(旧ソビエト
連邦軍が正式採用した自動小銃)を買って携える、と、なかなか刺激的な
コメントが続きます。もし、日本に投資するなら、観光、農業、教育で、
日本の大学は留学生を受け入れればまだ伸びるとのことです。私も同感
です。

 彼の予測の視点を国外に向けると、これから伸びるのは朝鮮半島との
ことです。これは、2015年から言い続けてきたそうで、これまで、リー
マンショック、中国の台頭、トランプ大統領、北朝鮮の開国を明確に
言い当てたロジャーズさんなので、ちょっと注目しておきたいと思います。
北朝鮮のツーリズムに期待できるので、韓国で持っている株は大韓航空と
のことです。中国やロシアはすでに北朝鮮への投資を始めていますが、
リスクは文在寅(ムン・ジェイン)大統領がアメリカに対してノーと言え
るか。

 中国はまだまだ可能性があるということで、李克強(り・こっきょう)
首相の「先賞試、後管制」(まずは試しにやる。問題があれば後で規制
する)というフレーズが印象的でした。確かに中国のキャッシュレス
社会の普及は、日本はまったく及びもつかない世界です。しかしながら、
なぜ急速に普及したのかという理由は、中国に流通している貨幣の20%が
偽札だから、と中国視察に行った船井総研のコンサルタントが教えてくれ
ました。

 世の中は予測であふれていますが、自分なりの思い込みを外して、
情報を分別する、そして正しいものの見方を積み上げていくことが肝要
でしょう。その見方を磨く本が世界的に売れていて面白かったので、
本の話が続きますが、次に『ファクトフルネス』(日経BP社)をご紹介
します。


 10の思い込みから自分を解放する

 「ファクトフルネス」とは、データや事実に基づき、世界を読み解く
習慣です。賢い人や知識が豊富な人ほどとらわれる思い込みを10章に
分けて紹介しています。その10個とは、分断本能、ネガティブ本能から、
過大視本能、パターン化本能、犯人探し本能まで、それぞれの差はあれ
ども、人間の内部に誰でもある面白いくくりです。

 この思い込みは、現代人の精神的呪縛とも言えますから、これから
解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが自然に身に付くと、
本書ではうたっています。昨年刊行されると、ビル・ゲイツ、バラク・
オバマ元アメリカ大統領に絶賛され、特にビル・ゲイツは昨年大学を
卒業するアメリカ全土の学生の希望者全員に無料でプレゼントしたほど
の入れ込みようでした。本書ではクイズが13題出されていますが、
本日はこれから皆さんに解いていただきたいと思います。
(会場で用紙を配布。本ページでは一部を紹介します)

質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどの
くらいいる?
・A 20%
・B 50 %
・C 80%

質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%


 いかがでしたでしょうか。会場での正答率は3割以下といったところ
でしょうか。本書にも同じくらいの正答率が書かれていました。ランダム
に答えるチンパンジーの方が正答率が高くしかも、専門家、学歴が高い人、
社会的な地位がある人ほど正解率が低いとのことです。このクイズに驚か
された後に、教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題などを
テーマに、世界の正しい見方を紹介しています。しかし決して難解では
なく、「GDP」より難しい経済用語は出てこないし、「平均」より難しい
統計用語も出てこないのがとてもいい特長だと思いました。ここの会場に
いらっしゃる皆さんをはじめ、若い人にもぜひこの本を読んでほしいです。

 私は、この本を読んで、資本主義で世界は幸福になったということを
ものすごく考えました。お金の仕組みは3次元の地獄を5次元のブラック
ホールに吸収して、綺麗にして3次元に戻すということだったと思って
います。私なりの幸せの次元論の話に移らせてください。


舩井流 次元論

 次元論については、ここ数年の私の研究ライフワークとして、いろいろ
発信物に書かせていただいたり、お話しさせていただいているのですが、
0次元:点世界、1~2次元:線世界、面世界、
3次元:立体世界、この先がとても理解が難しいとおっしゃる方が多い
ようです。「観察しないと世界はあらわれない」のは次元論の土台ですが、
見られるものが世界、見るものを認識とします。認識が3次元、世界が
3次元ですと、自他がはっきりしています。物質の世界です。しかし私は、
認識が2次元で、世界が5次元というバランスが安定している世界に挑戦
する時が来たと思っています。さらに高次元に至ると精神の世界が見え、
時空が融合して、空間と時間の区別が曖昧になります。そこに至ると、
個としての分離された意識ではなく、集合意識がはっきりと表れてきます。
自分は「大いなるものの一部」であり、自分以外のすべても同じように
「大いなるものの一部」という意識です。私は3次元は、ただただ情熱
だけで突っ走れる世界だと思っています。

 故・竹田和平さんも晩年、「情熱があると絶対的に成功します。
しかし維持するのが大変」ということをおっしゃっていました。この後は、
「舩井さんは天の理が分かっているが、情熱がないな」というお言葉も
あったことは余談ですが、高次元ではいのちを描く時間もはっきり見える
ようになりますので、自分の情熱を持続することができます。これは本当
に皆が幸せになれる時空なので、今後この究極世界を実現させることが
きると最強だと思うのです。

 最近、私は九州の旅行に参加して、バスの中でプチ講演をさせていた
だきました。車内には、お子さんを持つママさんが、多数いらしたので、
ふと思いついて「スマホやゲームなどバーチャルの世界にいる今の子ども
たちを憂う声が多いけれど、現代の子どもたちは5次元に楽々と行ける
可能性を秘めている。旧来の大人の価値観の枷(かせ)をはめないで、
調和された精神世界に進んでいくこれからの人々を愛をもって見守ろう」
という話をしましたら、なんと涙ぐんで「最近の胸のつかえが取れました」
「今までは子どもと対立ばかりでした。子どもの気持ちに寄り添って
これから育児ができそうです」といった感想を伝えに来てくれた方が
数人いらして、こちらの方が胸が熱くなりました。

 ものごとの思い込みを外して、柔軟に時代に寄り添い、そして有意の
人として世の中の幸福に貢献するためには、次元論の学びが一番だと
確信した次第です。これからも超プロの方々と臆せず次元について議論
を交わしていきたいと思っています。

  

僕が地球にやって来たワケ 第8回

最近思うこと


砂と珊瑚礁が美しいパラオの海岸で考えたこと


ここ近年、年間何回も海外に出掛けています。その多くは、同行者の誘いに
乗ることが大きいのですが、どの地に降り立っても
「偶然ではなく、すべては必然で一秒たりとも遅すぎず早すぎず今ここで
出合ったのだ」という作家の芹沢光治良の言葉が頭をよぎる、私にとって
毎回意味のある旅です。

その中でも昨年行ったパラオのぺリリュー島は、格別に今後心に残っていく
であろう場所でした。

ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、パラオ諸島ペリリュー島は日本軍
約1万1000人が玉砕、米軍の死傷率も史上最も高い、「忘れられた戦場」と
呼ばれるスポットです。
「3日間あれば占領できる」と豪語した米軍を4分の1の兵力で73日間に
わたり粘り強く戦った象徴である「オレンジビーチ」をはじめとする
激戦地には、現在も多くの人が慰霊に訪れます。

その通称「オレンジビーチ」は、真っ白な砂と珊瑚礁がとても美しい海岸
です。
1944(昭和19)年9月15日、米軍はこの島に海兵を3万人近く投じました。
上陸用舟艇400隻余を率いてオレンジビーチから、総攻撃を開始した米軍は、
当初4~5日で攻め落とせると安易に考えていましたが、思いもよらぬ日本軍の
反撃で、戦闘は73日間に及びました。一切のライフラインを絶たれ、食料の
補給も望めなかった日本軍の粘りは筆舌に尽くしがたいものだったに違いあり
ません。日本軍1万1000人、米軍 2000人が戦死し、米軍は太平洋戦争中に、
一つの戦場では最大となる犠牲者を出しました。

「オレンジビーチ」という名の由来は、アメリカ兵の死傷した際の鮮血で、
美しい珊瑚礁の海岸がオレンジに染まってしまったところからきています。
今回ここに立って、同行者の書家の遠藤夕幻さん(先月のにんげんクラブの
会報誌でもインタビューさせていただきました)は、エネルギーをしっかりと
見られる力がある人ですが「舩井さん、戦争はまだ終わっていませんね」と
つぶやかれました、私も同じことを考えていたので、ただただ驚くばかり
でした。

英霊たちはまだ戦っている

2019年は、日本が経済的に良くなるスタート地点だということを
私は実感しています。
2018年12月13日、内閣府は、2012年12月に始まった景気回復が2017年
9月時点で4年10カ月に及び、高度成長期の「いざなぎ景気」を超える
戦後2番目の長さになったと認定しました。

街角景気という言葉があります。生活景気とも言われ、内閣府が景気を
聞き取って発表する景気ウォッチャー調査のことです。こちらはまぁまぁ
の伸びを示しています。私がそれを特に感じるのはタクシーに乗ったとき
です。
3~4年前までは50歳以上の方が多い印象でしたが、若いドライバーが
格段に増えました。タクシー企業の最大手である日本交通も20~30歳代の
ドライバーさんの採用が増えたそうです。

車内で会話を交わす際に、前職のお話など伺ったりするのですが、典型的な
ブランド企業にいらした話などが飛び出すことも珍しくありません。
タクシードライバーに転職して、年収が上がりましたという話もザラです。
もちろん景気の回復など実感できない、相変わらず家計が苦しいという声は
俄然まだあちらこちらであるでしょう。先月号でも触れましたが、『節約』
という視点で家計簿的に私たちの生活を見た場合、いろいろなことが言われ
ています。

(多少具体的になりますが)例えば住宅ローンの契約をするときに、
『団信』と呼ばれる団体信用生命保険に加入するのが一般的ですが、加入
すると、死亡したり、高度障害状態になったりした場合に、その時点の
住宅ローン残高と同額の保険金が支払われます。『団信』に加入できる
健康状態であることが、住宅ローンを契約する際の条件になっている金融
機関も少なくありません。

『団信』の中でも、最近は、がんと診断されたり、脳卒中や急性心筋梗塞
で所定の状態に該当すると、保険金が支払われる「生前給付型の団信」も
増えています。特定の病気にかかると、それ以降の住宅ローンが免除される
タイプです。
この「生前給付型」はさまざまな病症に適用されて『団信』の保障は
ことのほか進化しています。

10月に消費増税を控えた今年は、3月までに売買や請負契約をすれば、
物件の引き渡しが10月以降になっても消費税は8%ですむような
スケジュールなっているため、駆け込み契約をする方もいると思われますが、
『団信』によって税金の免除される条件など、保険内容を吟味することが
大事だと思います。

私の尊敬する故・竹田和平さんは、「日本国民の年収が1人につき2年で
2倍、5年で5倍になれば日本の景気は活性化する」と常々おっしゃって
いました。
「日本が元気にならないと! 若い人が将来に希望が持てない。結婚も
できない。
子どもも作れない、そんな恐れから異性にも興味が持てないのだと。
私はそこを危惧し、何とか、みんなの年収アップのモチベーションをあげて
ほしいと思う」と。

確かに、海外に行くと、日本がいかに貧乏になったかが少し実感できます。
一説には、NYもイスラエルも東京の物価の3倍と言われています。
南米で一番貧しいボリビアと同じくらいが東京の物価レベルだという専門家も
いるくらいです。このままでいいのでしょうか。若い人たちが頑張れば中国を
抜けるかもしれません。日本を活性化させるために、前述のオレンジビーチ
だけでなく各地、まだ戦ってくださっている英霊のために資本主義として
まだ戦えることがあるのではないでしょうか。

佐野純平君のこと


話は変わりますが、先日本物研究所の代表取締役であり私の義弟の佐野
浩一の長男、純平君のお見舞いに行きました。
23歳のとてもまっすぐで優しい青年ですが、中学生のときに脳腫瘍を
患いました。
おかげさまで主治医曰く「奇跡を超えた回復だ」というまで、病を克服
していたのですが、昨年脳梗塞を発症し、全身不随になりました。
お見舞いに行ったときに、ベッドに横たわる彼が「何とか手は動きます。
毎日の時間が経つのがひどく長く感じられます」と言いました。
その澄んだ目を見たとき、思わず私から出た言葉は
「純平君は、人類の先をいっているかもしれないね。AI(人工知能)が、
世の中を動かす時代になると人間ができることは哲学だ。この恵まれた
時間、哲学の勉強をした方がいいよ」でした。

衝動的に掛けた言葉ですが、まごうことなき私の気持ちでした。
純平君には、
「人間はどう生きるか、生かされるか。愛とは何か。
人間の真の幸福とは何か」
ということを追求してほしいと思いました。彼は特に疑問符も挟まず、
頷いてくれました。私からは哲学の本を紹介するつもりです。

純平君の、リハビリが始まりました。リハビリに関しては、保険がきく
のは半年だけであとは自費になってしまう国の制度を私は今回初めて
知りました。
純平君のリハビリはVR(バーチャル・リアリティー)を使った最新の
もので、先日NHKの朝のニュース番組でも取り上げられました。ゲーム
感覚で身体機能の回復を図り、精神的にもリラックスできるようで少し
ホッとしました。

哲学の話に戻りますが、私が最近気に入っている本は、副島隆彦先生の
ニーチェに学ぶ「奴隷をやめて反逆せよ! 」―まず知識・思想から
(成甲書房)です。「ルサンチマン」という弱者が強者に対して「うらみ・
ねたみ・そねみ」といった感情を持つことを意味する心理用語があります。
ドイツの哲学者ニーチェによれば、ルサンチマンには、単なる嫉妬心のみ
ならず、通常の復讐心が及ばない所から、内側にくすぶりながら燃えて
いる怨念の炎へ転換の要素も引き起こすといいます。

副島先生は、このルサンチマンからの自分を解放せよ、と前述の著書に
書いておられます。抑圧された自己の開放こそが、自己の確立だと。
人間どんな境遇の人にも何かしらある感情でしょう。
副島先生の勇ましい筆が冴える1冊です。ただただ過激ではなく、
足元を温かく照らしてくれるような、意を強くしてくれるような内容
なので、純平君にもお勧めしようと思っています。

李登輝総統の忘れられない言葉

ニーチェはじめ、書店に立ち寄っても、最近の哲学本ブームは目覚ましい
ように感じます。戦前の日本のエリートは、哲学ばかり学んでいたという
ことを私に教えてくれたのは元台湾総統、李登輝先生です。日本の京都
帝国大学に学んだのち、1948年台湾大学農業経済学部を卒業した李登輝
先生は、父・舩井幸雄と京都大学の先輩後輩の間柄で、生前大変お世話に
なりました。
大変お世話になっている外交評論家の加瀬英明先生のアレンジで、台湾に
私もご一緒させていただきました。予定時間を大幅にオーバーした、
李登輝先生、加瀬先生、父が話していた時間は特別なひと時でした。
この時、李登輝先生が仰ゃっていたのは、「日本の教育は素晴らしかった。
旧制高校の教育が特に素晴らしい。その環境にいた人がもれなく戦後の
復興を牽引したのです」ということでした。私の父は、ちょうど学制制度の
変更で1年のタッチの差で、新制高校に進まなくてはいけなくなったことを、
晩年まで残念がっていたようです。
父の唯一の愛唱歌である「琵琶湖就航の歌」(加藤登紀子さんの歌唱で
ヒットしましたね)は三高の寮歌・学生歌でした。
万感の思いがあったようです。旧制高校を卒業した生徒は無条件で帝大に
進みました。
この戦前のエリートたちは、必ず「ノーブレス・オブリージュ」を哲学の
勉強ばかりしたことで身に付けていました。ノーブレス・オブリージュとは、
高貴な身分の者に課せられた義務のことです。
李登輝先生は、武士道の本質を、このノーブレス・オブリージュに見い
出していたのですが、このあたりは李登輝先生が書かれた
「武士道」解題―ノーブレス・オブリージュとは』に詳しく記されて
います。これは読みやすく、名著ですのでみなさまにお勧めします。


またまた話は飛びますが、先日Kan.さんがパシフィコ横浜で登壇して
くださった合間に控え室でAI(人工知能)について少々話をしていました。
Kan.さんは「このままAIが進化しすぎると、人間の大脳がまったく機能
しなくなり、人間の寸自体が小さくなることも考えられるでしょう」と
彼らしい表現をしていました。とても私の心に残った話でした。

そのあと人間が寸足らずにならない方法がないか、と私はしばらく考え
続け、それには哲学を今一度立ち返って学ぶことではないかという結論に
至りました。先ほども少し触れましたが、いかに生きるかということは、
その人自身の経験に加えて、どれだけその問題に向き合ったかによるの
ではないでしょうか。この経験と思索、加えてその人仕様の学習のコンボは、
決してAIではじき出せる答えではないでしょう。

ポスト構造主義の浅田彰さんなど、私も何度かチャレンジした読みきれ
なかった哲学書もありますが、もう少しとっつきやすく、本質的に哲学に
向き合える良書をまた皆さんにご紹介したいと思います。

最近の講演録から

 節分も迎え、ここを新たな年の区切りとされる方も多いようですね。
今回から私の巻頭言のテーマは、最近思うことを中心に、最近の講演録
も紹介していこうと考えています。どうぞよろしくお願いします。

 今回は、昨年12月26日に船井セミナールームで開催した私の講演会の
中でお話しさせていただいた内容から抜粋してお送りします。国際情勢、
経済の話が主でしたが、年明けに超プロと意見交換をしましたので、
そちらから得た情報も含めて、加筆修正してお届けします。

エイトスター・ダイヤモンドの「木曜会」

 父の代からの読者の方は、母が生前の父に唯一もらった宝石のプレゼ
ントがエイトスター・ダイヤモンドだった、という逸話を覚えていらっ
しゃるかも知れませんね。

 エイトスター・ダイヤモンドは田村熾鴻さんが経営されている波動
最高値のダイヤモンドを扱う四谷の宝石店ですが、田村さんの長年の
ライフワークは自社で開催されている「木曜会」です。この「木曜会」
は、1000円(講師が地方から来られる場合は1500円)の会費で、すごい
講師の話を聞けることが大人気で、人が入りきらず、複数階のフロアで
中継することもあります。昨年11月、赤塚高仁さんの紹介で私も登壇さ
せていただきました。2時間のノンストップ講演、おかげさまで好評を
博しました。これを聞きにきたにんげんクラブの重冨さんが「舩井社長
もこのように定期的に同じ会費で、自社のセミナールームでリラックス
したムードで講演をしませんか」と、今回、企画してくれました。

予測と予想、そしてAI

 皆さんが私の話の中で、一番期待してくださっているのは未来予測で
しょうね。

 2018年は内外、激動の年でしたが、私にとって一番の激動の出来事は
舩井メールクラブに「年内に株価が2万円を割ることはない」と書いて
しまったことです。外して落ち込んでいたらちょうど本社に「生活防衛」
の録音に来られた塚澤健治先生に慰められました。父はよく、「予想は
してはいけない。それが、当たることに拘るようになるから」と言って
いました。この言葉は、今振り返れば、舩井幸雄という、たぐいまれに
想念力の強い人が予想を発表することで、集合意識に働きかけてしまう
という懸念を示唆していたように思います。

 数学でいうと、論理的思考はAIにとって強敵で、統計確率は比較的
得意だと、ある本で読みました。大学受験でいうと、AIに入試問題を
解かせてみると論理的思考が必要な東大に合格するのは極めて難しく、
統計確率で対処できるMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)
クラスだとなんとか突破できるようです。

 この事実からも論理的思考が必要な抽象的概念がいかに難しいかよく
分ります。

 私は極めてアナログに、読書や情報交換をはじめ虚心坦懐に勉強を
続けて、AIができないような予測をお届けしたいと思っています。


北朝鮮問題

北朝鮮は、自らの手で積極的な「非核化」はしないでしょうね。目下
中国、 アメリカは、北朝鮮・韓国の織りなす「田舎芝居」に振り回さ
れています。

 トランプ大統領までが、北朝鮮のペースにはまり、身動きが取れない
状態です。今年2回目の米朝首脳会談が予想されますが、北朝鮮の
「非核化」は進展しないでしょう。既に報道されていますが、北朝鮮は、
アメリカの制裁解除の具体的な動向がないとして、現在も隠密裡にICBM
の開発や、核開発(核弾頭の生産・約100発)をしていると思われて
います。もしかすると今年の夏以降、第1回目の米朝首脳会談以前の相
互の威嚇・牽制といった軍事力が伴うにらみ合いが再現されるかも知れ
ません。

日本経済

アメリカ連邦議会は1月3日、昨年の選挙で当選した議員によって開会
しましたが、上院は共和党が多数を維持する一方、下院は民主党が過半
数を占める「ねじれ議会」になりました。そのためトランプ大統領の今
後の政権運営も大きく「市場経済の屋台骨」に影響を与える火種となり
そうです。警戒しなければなりませんね。そして今後、日本では現在の
株安に対抗する手段はあるのでしょうか。現状としては、日本銀行は
1月4日、金融緩和策の一環として上場投資信託(ETF)に700億円
超の買い入れをし、株価を下支えしようとしましたが、その効果は期待
できるのでしょうか。私は限界があると思います。日銀が昨年12月に
約8000億円を買い入れたとき、相場の下落傾向に歯止めはかからな
かったのです。日銀の黒田東彦総裁は、4日「全国銀行協会」の新年の
会合で、円高や株安について「米国やその他の外国で予想外のことがあ
り、マーケットに大きく影響している」と述べていますが、当事者意識
のない全く無責任な発言であると思います。しかし、米中の貿易摩擦の
問題をはじめ、イギリスのEU離脱問題等々、2019年も日本は海外情勢
に振り回されることは避けることができないでしょう。

米中貿易問題 習近平の限界と敗北

 米中貿易戦争で、そうやすやすと中国はアメリカに屈しないと思い
ます。

 米中の「新冷戦」、その覇権争いが激化する可能性が高く、決着が
つくまでは相当の期間がかかると思われます。アメリカがなりふり構わ
なくなったのは、中国に対する危機感の表れでしょう。中国は既に各種
産業開発において、イノベーションを起こすまでの技術水準を備えはじ
めたといわれています。

 1月6日現在、米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン
所長は、米中の貿易摩擦について、「短期的には休戦を延長する可能性
もあり、紛争解決の道は不明である」と述べ、90日間と期限を区切った
貿易協議で摩擦を解消することは難しく、問題が長期化するとの見方を
示しています。この度の両国暫定的合意(アメリカの制裁関税の引き上
げの期限付き見送り)はアメリカが中国にさらなる譲歩を迫るための
一時的な措置でしょう。習近平主席にとって、現時点では対米交渉での
屈辱的敗北でしょう。中国政府の国内向けの公式発表と、国内メディア
の報道では"90日間の猶予付き"という肝心な事実が極力隠蔽されていま
す。この事実が、中国国民に知れ渡ると習近平・政府の権威が問われる
ことになるからです。中国政府と習近平主席は、アメリカの追及に逃げ
場がなく、結果的には、恥を忍んで合意したとの情報があります。
習近平主席の対米対応は「一貫した戦略性」に欠けていて、習近平政権
内部の関係幕僚の読み違いが露呈したことを如実に表しています。

 情報によれば、関係幕僚(側近)が排除されたとも言われています。
首脳会談でトランプ大統領に提起された(要求された)知的財産権の
侵害や非関税障壁の設置など「これまでの妥当性(適法性)のない中国
の一方的手法」を中国は目に見える形で改めることができるか、それは
不可能に近いでしょう。

 今年6月に日本で開催されるG20で議論を主導する日本に、仲裁役と
して期待する旨の「声」もありますが、中国は、日本にとって安全保障
面での脅威であることは違いありません。地理的に近接した隣国です。
人口15億人の市場です。日中関係は、中国の脅威をテコにして、日本に
とって生産的な関係を構築することも必要であると思っています。

中国が仕組んだ「爆弾」なのか=ソフトバンクの通信障害

 昨年12月6日のソフトバンクの長時間の通信障害、いろいろな噂が飛
び交いました。「華為(ファーウェイ)」の実態と孟晩舟(もうばん
しゅう)氏の逮捕が関係しているのではと見ます。

 この会社、非上場で情報公開がなされていません。民間企業でありな
がら、解放軍と政府の関連と支援が推測されています。昨年12月1日、
世界最大の通信機器メーカー「華為」の創業者の娘でCFO(最高財務
責任者)の孟晩舟がカナダ当局に逮捕されました。

 「華為」の実質的経営責任者は、人民解放軍の出身の任正非(じん
せいひ)です。孟晩舟は任正非の離婚した妻の娘で、妻の父親は元四川
省の副省長を務めた人です。

 孟晩舟の拘束の第一報は、拘束から4日が経過してもたらされました。
半日後の午後1時39分、突然日本国内でソフトバンクの携帯電話が繋が
らなくなり、4時間半にわたって異例の通信障害が続きました。当然
(ソフトバンクの株式上場も合わせ)さまざまな憶測が飛び交いました。

 当初、ソフトバンクがアメリカでの携帯大手との合併を画策している
ことや、次世代通信規格「5G」での開発で「華為」と協力関係にある
ことから、アメリカの関与を疑う筋もありました。しかし通信障害は
日本だけでなく、世界11カ国で発生したことが明らかになり、さらに
原因はスウェーデンの通信機器メーカー「エリクソン」のソフトウエア
の不都合だったと発表されました。この情報から、今度はその疑いの
目が中国に向けられました。

 「エリクソン」と言えば、2018年の通信機器メーカーランキング
で「華為」に世界一を譲ったものの、「華為」にとっては「5G覇権
競争」の最大のライバルでした。

 一方ソフトバンクと並んで深刻な通信障害を受けたのはイギリスの
「O2」という携帯大手です。今回の孟晩舟の拘束は、「イラン制裁」
に関わる事案でありますが、このアメリカ当局の捜査で、イギリスの
金融機関「HSBC」が深く連動していたと言われています。

 中国はカナダ当局に対して孟晩舟拘束を公表せず、秘密裏に釈放しな
ければ大変なことになると脅かしながら、中国側は「エリクソン」の
通信機器ソフトウエアへ潜入作業を進め、カナダ側が中国の恫喝を押し
切って孟晩舟の拘束を発表した7時間後に、予告通りに「エリクソン」
の通信網に仕組んだ「爆弾ソフト」を起爆させた、という情報があり
ます。


お金持ちになりましょう

 私たち日本人は「円」という世界に通用する国際通貨を持っています。
また国家的にも個人が保有するお金は保障されています。私たちはそれ
ぞれ仕事をしながらお金(収入)を得ておりますが、お金は大事な
「生活(生きるため)」を築く土台です。そしてお金は「生きもの」だ
と私は思います。お金は育ち、育てることのできる「生きもの」だと
言えますね。

 しっかりと稼いでお金持ちになるのは大事なことです。資産、財産の
有効活用をきっちりと見直すことが大事です。お金の入りと出のバラン
スのある調整です。出の分野では倹約も大事ですが、税金対策も大事で
しょう。多くのサラリーマンは、源泉徴収という世界的にあまり例の
ない徴収を受けていますが、確定申告などの税務申告をする方は、専門
の税理士に相談し法的に許されている範囲で十分に検証すべきです。
「いかに税金を払わないようにするか」に尽きます。

 同時にお金を育てる方法も考えるべきでしょうね。冒険的な投資は
危険ですが、それぞれの力量に応じて、運用することです。1990年
代に流行った「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズに書いてあったこと
を要約すると「いかに税金を払わないようにするか」に尽きますが、
一方日本一の投資家の故・竹田和平さんが遺された究極の幸福哲学は
「しっかり稼いで、しっかりと税金を払えば皆が幸せになれる」と言っ
ています。2019年の消費税アップ施行もすぐそこです。みんなで
お金持ちになりながら、国民の義務である納税を大事にしましょう。
誤解を恐れずに言うと、赤字国債を追加で発行して、軍事費に使えば
よいと考えています。円ほど信用されている通貨はない、とは世界中
のまごうことのない一致した見解です。

 お金持ちは"倹約と使い上手の二刀流、お金を育てる楽しみを持つ"。

 
2018年を大盛況で締めくくった、
舩井勝仁の講演会、第2弾が決定しました!!!

第2弾「舩井勝仁と、これからを考える 講演会」&「懇親会」(2/25)

僕が地球にやって来たワケ 第6回

国際的潮流の中の日本


実は私は女系天皇でもいいと思っています。愛子様でいいのじゃないか
という意見ですが、赤塚高仁さんのように真剣に日本の将来を憂えている
人の合意は得られそうにありません。ちょっと話を戻すと伏見宮家がすご
く力を持つようになったのは明治以降で、明治維新は伏見宮家を主体とす
る北朝革命だったんだろうというふうに片桐勇治さんは言っています。

逆に終戦直後は、伏見宮家だけが特に狙われてパージされたのです。
戦争に負けたことで南朝がまた力を取り戻したそうです。戦前はもしかし
たら天皇家よりも伏見宮家の方が実権を持っていた。
戦争に負けないで旧体制の日本が続いていたら、婚姻とかいろんな中で
いつの間にかまた北朝系に戻っていたんじゃないかというのです。
終戦で南朝系に戻ったんだけど朝鮮戦争がきっかけでまた北朝系が力を
持ち始めた。そこから、日本の戦後の歴史が始まったというのが片桐さん
の言い分です。国際金融勢力と王族連合の対立が世界にあり、南朝系と
いうことは王族連合側になったということですが、世界の流れは国際金融
勢力が、トランプ大統領になったつい最近まで、世の中をコントロールし
ていました。だから、日本もやはり朝鮮戦争に巻き込まれることによって
金融勢力側の北朝系が力を持っていた時代が続いていたのです。

でも今の天皇家は間違いなく南朝系なので、それに対して静かな抵抗を
されていたのではないかと思っています。ついでに言っちゃうと、安倍
総理は、これだけ日本や世界の流れが南朝系に来ていて世界的に王族連合
が強くなっているにもかかわらず、一人逆らっていまだに国際金融勢力に
従順な困った人かもしれないという意見もあります。

確かに大きく見ると、金融が一番世の中を動かす基本になっている点は
変わりませんが、ロシアマフィアみたいな裏側の勢力が力を持って世の
中を動かしているという流れが少し弱くなってきているのかなと感じます。

トランプ氏がそもそも大統領になれた大きな理由は、副島先生などが
はっきり書いていますけど、デイヴィッド・ロックフェラー氏が2017年に
101歳で亡くなったからです。

副島先生に言わせると彼が実質的な世界皇帝でしたが後継はいません。
ジェイ・ロックフェラー氏という甥がいるのですが、ロックフェラー家は
継がれましたが、世界皇帝ではありません。いまだに、デイヴィッド・
ロックフェラー氏の右腕だったのが95歳のヘンリー・キッシンジャー氏で、
左腕だったのが91歳のポール・ボルカー氏で、この二人が世界を動かして
います。ボルカー氏は背が高く(2メートルくらいある)第12代FRB
(米連邦準備制度理事会)議長だった人で、二人ともまだまだお元気です。

政治をキッシンジャー氏が動かして、経済をボルカー氏が動かしていると
言われています。90歳を超えた二人が世界に君臨するのは、さすがに
そろそろ無理になってきています。

この二人の力がなくなると国際金融勢力の力がなくなって本格的に世の
中が違う方向に動き始めるのではと言われています。やっぱりグローバル
系を動かしている国際金融勢力は戦争を欲しますが、今度戦争が起きたら
世界が終わります。もしかしたら世界は終わらないかもしれませんが人類
は終わる。だから、さすがに戦争はもうダメだよねっていう考えを持って
いるのが、王族連合であり南朝系なのです。しかし、いろいろな歴史の中
で経済が発展するときは、やっぱり金融が強いときです。日本で言うと
北朝系が強いときの方が経済が発展するのだと思いますが、それに対して
平和を志向するのが南朝。経済発展よりも平和を志向する世の中に、
大きな流れではなりつつあるのかなという気もします。逆に言えば経済
成長はしなくなります。

全面的に賛成するわけではありませんが、片桐さんはその流れに抵抗して
いるのが、安倍総理と、イスラエルのネタニヤフ首相の二人で、国際的な
潮流に待ったをかけて、やっぱり国際金融勢力でいいんだとがんばって
いるという意見です。だから、2019年の日本経済は大暴落して大変なこと
になる可能性が高いというご意見なのです。

一つの皇統が続いてきた理由


日本のスピリチュアリティという視点で見ても、この南北朝の対立っていう
のは面白い視点かなと思います。日本という国は、権威と権力を分けて
うまく存続してきた国なんです。天皇家という、絶対的な権威はありますが、
天子様には権力がありません。このシステムでずっと国を繁栄させてきた、
世界でも希有な国なのです。

ところが、日本人の中でも何人かは権威と権力を統合しようとした人が
いるのです。まずは、平清盛。天皇家をないがしろにして、自分が実質的
な皇帝になろうとしましたがうまくいきませんでした。そして、二人目が
後醍醐天皇です。彼は天皇であったのですが、権威だけじゃなくて権力も
握ろうとした人で、やっぱりうまくいきませんでした。三人目が足利義満
です。三人とも失敗したので、日本には近世がないという説があります。

通常は江戸時代が近世だと言われるのですが、近世というのは、今の
歴史学の定義では絶対権力者が動かす世の中のことを言います。その観点
で、世界史的に見ると中国の宋という時代が近世の始まりでした。
それまでの時代は貴族が多大な力を持っていて、貴族の合議政治というか、
みんなで話し合って自分たちの利害得失を調整しながら運営していました。

宋時代に絶対権力を持つ皇帝が初めて出てきました。それ以降中国では
皇帝に絶対的権力があって、それを支える科挙制度ができました。
隋時代(518〜618年)に科挙はできていますが、本格的に機能し始めた
のは宋の時代からです。実はこちらの方が歴史学者の主流の説なんです。
市井の歴史研究家はこれに与しないのですが、中世史とか中国史の専門家は
この説をとる人の方が多いそうなんです。絶対権力者の存在が近世を
つくっていったのです。この絶対権力者が王族連合と言えるかもしれません
が、宋の時代は日本では、平清盛の時代にあたるのですが、中国の動きを
清盛は日本でも実現しようと思ったけどうまくいかなかったのです。
それを後醍醐天皇と足利義満もそれぞれの立場でやろうとしたけれど
やりきれずに、日本ではずっと権威と権力が別れる状態が続いてきました。

そんなやり方で歴史が動いてきたので日本は中世からいきなり現代に
なったと言われています。
江戸時代までは日本は近世になりきれなくて中世だったのですが、
いきなり近世を飛ばして現代になったというのが日本の歴史の真相だと
いうのが、主流の学説になっています。

いい悪いは別として絶対権力者というのが日本にはついに現れませんでした。
これが多分、赤塚さんが言う、2678年、世界で唯一こんな長い間一つの
皇統が続いてきた一番大きな理由で、かなり特殊ではありますが日本が
素晴らしい国になった大きな理由だと思っています。

インフレと経済発展がもたらすもの


こういう目で上部構造の戦いを見ていると、世界的には、やっぱりだんだん
戦争の時代が終わりつつあって、江戸時代や戦後の日本のように戦争が
できない状況になってきています。一番好きなエコノミストのお一人が
増田悦佐先生ですが、アメリカの有名大学で経済学の博士号を取得されて
いるちゃんとしたエコノミストなんですが、独自の変わった意見を
おっしゃる先生です。
増田先生は、いまの日本にとって一番いい政策は何もしないことだという
意見です。どういうことかと言うと、黙っていてもアメリカと中国はこけて
くれる。何かすればするほどまずくなるから、いまはアメリカと中国が
勝手にこけてくれるのを日本は待ってればいいと言うのです。
いまのエコノミストの中では、主流ではありませんが、私は一番共鳴します。

こんな増田先生の意見の中で私が一番好きなのは、過去100年間は
インフレと戦争の時代だった。1914年に第一次世界大戦が始まって、
フランスで終戦100周年のセレモニーをやったとニュースでやっていました
が、ちょうど100年前の1918年に終わったんです。1914年から2013年までの
100年間は戦争とインフレの時代。2014年から始まった100年はデフレと
平和の時代。これからはデフレで戦争がない時代になるよという意見です。

どうせもうすぐそうなるのだから、じたばたせずに金融の量的緩和、
ましてや財政出動なんて、そんなことやめて、とにかく何もしなくてじっと
我慢しているのが一番いい。そうすればアメリカがいまのやり方が続かなく
なって、間違いなくこけます。中国もアメリカの亜流ですので同様にその
うちこけます。そうしたらいつの間にかちゃんと日本の時代になっている
から心配しなくていいと言うのです。

これからはデフレで戦争がない時代になっていくというのは、なんか
当たっているように感じます。
今、ちょっと研究していて『ザ・フナイ』とか『メールクラブ』とかに
これから書いていこうと思っているのですが、やっぱり、グローバル経済は
インフレが、必要だという意見になります。

黒田日銀総裁とか安倍総理とかが、がむしゃらにやろうとしている、
何が何でもインフレにするぞという政策は、多分戦争に結びつく可能性が
高い。借りたお金がどんどん高くなるってことなので経営者にはデフレは
しんどいのですが、一般庶民にとってはデフレは悪いことではありません。
給料が上がらなくても物価は下がっていくので生活は楽になっていきます。
年金生活者とかお年寄りとかはしんどいですがそのための社会保障を考えて
いけば対処方法はあります。 

でもどっちかというと資本家がしんどくて、庶民が楽なのはデフレです。
デフレでいいじゃないかって話は説得力があります。でもその代わり
経済は成長しませんがその方向を目指すべきかもしれません。

1990年ぐらいと、いまの日本のGDPはそんなに変わらなくて450兆円
くらいです。当時のアメリカのGDPは600兆円くらいで、もう少しで
追いつくってところまで行ったのですが、そこから30年近くたって、
日本は相変わらず450兆円くらいなんですけど、アメリカは1600兆円に
なったのです。中国に至っては当時40兆円ぐらいしかなかったのに
今は800兆円になって、ゆうに日本を抜いて2倍近い規模になりました。
これは日本だけデフレだったからこうなってしまいました。

それも現実で、デフレだと経済成長しません。
日本が貧しくなったのは間違いない事実です。でも増田先生に言わせると
貧しいことの何がいけないのですかということになる。確かに日本は平和
ですよね。アメリカとか中国は平和ではありません。それを考えると
このままでいいんじゃないのっていう意見も一理あるのかなという気が
します。

何を言いたいかと言うと、国際金融勢力はやっぱり成長してもらわないと
困るので、戦争をしてでもインフレを演出します。トマ・ピケティが
『21世紀の資本』で言った利子率の方が成長率より高い世の中は
資本家だけがどんどんよくなっていくのです。いまはそういう時代です。
金融勢力は資本家ということなので、資本家にとったらインフレじゃないと
困るわけですが、大半の庶民にとってはデフレの方がいい。それも真実です。 
 
王族連合という言い方はちょっと抵抗がありますが、ずっと世界を見守って
動かしてきた人たちからするといまのインフレの時代の方が異常なのかも
しれません。デフレで成長しないという方が上部構造、日本で言うと、
北朝、南朝という視点で見ると今の天皇家を筆頭にして、南朝側の方の
やり方がみんなが幸せになっていいのではないかと感じます。
本質的に戦争を前提とする経済発展が必要かどうか振り返って考えてみる
タイミングが来ているのかもしれません。

僕が地球にやって来たワケ 第5回

日本のスピリチュアリティの始まり
   
2018年の秋に、岡野弘幹さんという音楽プロデューサーであり、世界の
民族楽器を多彩に演奏する世界的なミュージシャンに連れられて天河神社
に行って来ました。父がとても好きな神社で以前から気になっていました。
公共交通機関で行くには、近鉄南大阪線という大阪阿部野橋駅から出る
ローカルな電車で行きます。鉄道の線路の幅は3つあって、その一番狭い
ものを狭軌と言いますが、大阪阿部野橋駅から奈良の橿原(かしはら)
神宮前が南大阪線の終点でそこから吉野駅を結ぶ近鉄吉野線は、ともに
日本の標準軌よりも狭い狭軌です。

それだけローカルなのですが、2両編成の特急で大阪阿部野橋駅から1時
間くらいで天河(てんかわ)大辨財天社(正式名)の最寄り駅下市口
(しもいちぐち)に着いて、そこからは1日に2、3本しか出ていない
バスで1時間ぐらいかかりますので、簡単に行けない場所にあります。
来られる人を神社が選択しているようにも考えられるので、私は岡野
さんのおかげで、ようやくご参拝させていただく許可をいただけたの
かもしれません。

そこは役行者(えんのぎょうじゃ)が作ったところだと言われています。
役行者と日本で傑出した霊能力を持っていた弘法大師空海の路線が、
日本のスピリチュアル界を作ったのではないかと思っています。

天河神社のすぐ隣に、最初に南朝が開かれた場所という所があるのですが、
後醍醐天皇が南北朝の対立で逃げて南朝を開いた所が広義で言えば天川
(地名は天川です)を含む吉野です。天川とか吉野というのは、五木
寛之さんが言っている山の民「山窩(さんか)」が、後醍醐天皇や南朝を
守った場所ではないかと感じました。

日本のスピリチュアリティっていうのは彼らの文化のことじゃないかと
思います。山の民の背景にあることは、五木さんの本でよく分かるので
興味がある方は読んでいただければと思います。私はその分野は不勉強
ですが、少なくとも後醍醐天皇や足利幕府によって南北朝が統一される
までの南朝が彼らに守られて来た歴史の流れみたいなリアリティは強く
感じました。後醍醐天皇の建武(けんむ)の新政に最も貢献した楠木
正成の本拠地である河内(かわち)は父と私が生まれた所で、私たちは
近鉄南大阪線の沿線で生まれました。出身である松原市内のお寺の
ご住職が父の親友で若い頃に父と一緒に訪ねたことがあります。

面白いことにその辺りは、浄土宗と浄土真宗が村ごとに交互に配置されて
いるのです。豊臣秀吉に対してシンパシーが強い大阪近郊で民意が結集
して反徳川の一揆などが起こらないように配慮されたものなのかもしれ
ないと思いました。うちの村は浄土真宗なのですが、そのご住職は隣村の
浄土宗でした。

大和川を越えてすぐの、大阪市の隣の市で、今でこそベッドタウンに
なっているけれど、私が生まれた頃はまだ舩井家も含めて兼業農家が主体
の村でした。父と訪ねた今から30年ぐらい前でもご住職が毎週のように
檀家を巡って仏教の話をするお逮たい夜や参まいりという風習がまだ
残っているという話をしてくださったのが妙に印象に残っています。

天河神社は、弁財天ですから弁天様、お金の神さまです。村中愛さんは
鎌倉の銭洗弁財天が良いと言います。お金持ちになりたい人はそこまで
行かなくても、地元にある弁財天に行くといいと思います。必ず池が
あって、水のエネルギーがお金のエネルギーになっているのです。
だから大雨になったら金持ちになるから喜ぶべきなのです。

父の社葬のときは大雪になったのですが、台湾に社葬に参列していただ
いたお礼のご挨拶にお伺いしたらおめでとうと言われました。あんなに
大雪が降ったらこれから舩井家は絶対に金持ちになるというのです。
実際に雨とか雪が降るのは吉兆だと中国の人は思っているみたいです。

確かにそうで水にご縁を持つとお金持ちになると思います。
鉄道の話に戻ると、世界的には狭い日本の標準軌という、線路の幅を
改良して広くした広軌で建設されたのが東海道新幹線です。新幹線構想と
いうのは戦前からあって、弾丸列車構想として下関と釜山(ブサン)の
間にトンネルを通して、東京から満州まで通そうという壮大なものでした
が、東海道新幹線として1964年(昭和39年)に実現しました。

面白いのは、新幹線を造ったお金は、世界銀行の融資だったのです。
世界銀行は貧しい国しか相手にしないから、当時の日本は貧しかったの
です。
新幹線を含めて日本は世銀から31プロジェクト計8億6000万ドル強の
融資を受けて返済が完了したのは、1990年のことでした。

これが世銀の歴史の中でも一番成功した融資の一つだと言われています。
日本のことですからもちろんきちんと約定通り返済しましたし、東京-
大阪間をこれだけの頻度で大量輸送できる新幹線がなかったら、今ほど
日本が成長したかどうかは分からない。世界的にも鉄道の衰退を食い止めた
と言われています。今、ヨーロッパの主要都市間は鉄道で行き来することが
多くなりましたが、これは新幹線の成功に触発されたと言われています。

金融とグローバルと戦争


国際政治評論家の片桐勇治さんは、世界の歴史は国際金融勢力と王族連合
の二元論で見ればわかるし、日本では、南北朝を軸に見るとよく分かると
いうのです。

国際金融勢力と言うのはロスチャイルドやロックフェラーです。近代に
なってから、金融を握ることで世界の中心になっていった勢力。この
勢力は戦争を欲するのです。金融というのは戦争とすごく結びついていて、
実はグローバルという考え方自体が戦争と密接に関係しているとベンジャ
ミン・フルフォードさんは、はっきりと言っています。

トランプ大統領はこの国際金融勢力の動きに待ったをかける大統領です。
トランプ大統領が出現してから彼らの思い通りに行かなくなったと言わ
れています。100%そうだと言えるほど僕は分かっていませんが
うなずける点もかなりあります。

もしヒラリー・クリントン氏が大統領になっていたら、今頃米中が戦争
していたと副島隆彦先生は言います。

金融家からすると、戦争が起こればお金が動くから、定期的に戦争して
もらわないと困るということです。どうも彼らの思う通りにならなく
なってきたっていうのはその通りだと感じます。あんまり深掘りすると
ベンジャミンさんになってしまいますが、日本で言うと王族連合が南朝の
方につながっていて、国際金融勢力が北朝の方につながっているのでは
ないかと片桐さんは言います。

今の皇室は、南北朝が統一されて足利幕府から以降北朝の流れで来て
いるはずですから、普通の歴史で言うと当然北朝です。でも、靖国神社に
行ったら楠木正成の銅像があり、明治天皇はどっちが正当なのだと聞かれ
たら南朝に決まっているじゃないかと答えたそうです。でも北朝の天皇で
あるはずの明治天皇が、南朝が正当だって言うのはおかしくないでしょうか。

未来の皇室

現在の皇室が南朝だという話は二つあります。
まず、明治天皇は実は孝明天皇の息子ではないというものです。
加治将一先生の小説に詳しく書かれていますが、山口県の田布施
(たぶせ)というところに、長州藩がずっとかくまっていた南朝系の
天皇がいて、明治天皇はその大室寅之祐(おおむろとらのすけ)と
いう人がすり替わったものだという説です。

フルベッキという幕末に日本にいた宣教師が撮った、ほとんどの維新の
主な人物が全員出てくるフルベッキ群像写真というものがあります。
アカデミーの世界では偽造されたものだということになっていますが、
父は会社の自分の部屋に飾っているぐらい大事な写真だと言っていました。

これを見ると明治維新はたった3000人の貧乏下級武士が成し遂げたことが
よく分かる。いまのアセンションも1万人ぐらいの有意の人が出れば成し
遂げられるという話をよくしてくれました。

真ん中に座っている名前のわからない人が明治天皇であり、それが大室
寅之祐ではないかと言われています。田布施にいたので、そこの出身の
伊藤博文がお目付役件監視役だったというストーリーです。陰謀論が
好きな人が言うには、孝明天皇と本当の明治天皇を暗殺したのは伊藤
博文で、だから彼が明治の初代総理大臣になって偉くなったのだと言い
ます。

そうだと思っている人が結構多いみたいで、幼少の頃の明治天皇は
虚弱体質で弱々しかったのに、明治になると軍服を着て馬を乗りこな
して、すごく壮健な人物になったので明らかに違う人物だというわけ
です。農村で素朴に暮らしていたから大きな体で強かったのだと言うの
です。だから明治天皇から南朝になったという話です。
そして、南朝系の家系は水戸と薩摩も守っていて西郷隆盛は菊池源吾っ
ていう変名を使って活動していたことがあります。菊池家というのは
明らかに南朝系の家で、加治先生はそれが、明治維新が南朝革命で
あった証拠だと言っています。

もう一つの見方では、実は江戸時代の半ばから南朝系の皇室になって
いたという話もあるようです。これはまだあまり明確に話してはいけ
ないことになっているようなので詳しい話はやめておきます。
どちらかは分かりませんが、少なくとも今の皇室は、歴史には出て
こないが、北朝系ではなくて南朝系になっているのではないかという
かなり明確な状況証拠があるようです。

片桐さんは、明治維新は逆に実は北朝革命だったのではないかと言い
ます。江戸時代の後半は、南朝系の天皇が続いていて明治維新は本質的
には北朝革命だったという見方です。状況証拠があるのは明治になって
から急に主流になったのは北朝の伏見宮家系の皇族なのです。

天皇家には裏と表があって裏天皇家である伏見宮家系が本当の黒幕で
力があると言う人もいます。
その筆頭がJOC会長の竹田恆和(つねかず)氏。そのご子息が法学者で
あり政治評論家の竹田恒泰氏です。女系天皇は絶対駄目だという論陣を
張っている人で、穿(うが)った見方をする人は、戦後の皇籍離脱で
一般の人になった旧宮家を復活させれば男系がいっぱいいるから、そう
なればいいと思っているからだと言うのです。竹田家を含む、旧伏見
宮家系の一族から天皇を出したいから、女系天皇が駄目だという論陣を
張っているというわけです。

今の皇室制度だと側室も養子も駄目なので、こんなに宮家を少なくして
男系しか認めないと近い将来必ず皇統が途絶えるのです。もう悠仁
(ひさひと)さましかいない。2019年に天皇陛下になられる皇太子殿下と
秋篠宮さまと悠仁さま、この3人しか実質的に継げる人はいないのです。

昔みたいに側室制度を作ることができれば存続できる可能性は高いのです
が、世論的に絶対に無理。
昔は女性天皇もいたのではないかという話もありますが、女性天皇は存在
しましたが女系天皇はいないのです。

男性天皇の配偶者であった女性天皇が、夫が亡くなった後に即位して
その夫婦の子息が天皇になった例はあるのですが、女性天皇が他の人との
間に作った子どもが天皇になった事例は過去の歴史で一度もないのです。
皇室の存続には日本の未来がかかっているので、女系天皇を認めるか、
旧宮家を復活させるか、国民的議論が必要になっているのです。

僕が地球に やって来たワケ 第4回

アンデスの文明観と繋がる

この夏に昨年に引き続き2回目の南米に行ってきました。南米の文明は、
一般的には3000年くらい前に起こったと言われていますけど、ピラ
ミッドがいっぱい出てきて、年代を正確に測定できる「カーボン14
(炭素14)」で測定したら、4500年くらい前のものだっていうこと
がわかったそうです。考古学的にはそういう検証はだいぶされてきてい
て、そうするとエジプトのピラミッドとそう年代が変わらない。もしか
したら誤差の範囲で同時に起こったんじゃないかという話があるんです。

南米の特長は文字がないこと。今までは、文字がないというのは、劣っ
た文明だからと言われていたんですが、例えば私の師匠格のある先生は、
「文字がないのは劣っているんじゃなくて進んでる。文字にした瞬間に
真実じゃなくなるので、本当に文化が進んでいたら文字にしない」と
おっしゃっています。中東の砂漠文明は文字にしないと伝わらなかった
けれど、南米は豊かだから文字にする必要がなかったとも考えられると
思っています。

 砂漠の文明は一神教。「自然は克服すべきもの。一神教の世界は唯一
絶対神だから逆らってはいけない」という世界観でつくられています。
キリスト教から始まって、ユダヤ教、イスラム教という流れで、今の
社会をほぼ形作っている。でも、南米に行くと背景に多神教の世界が感
じられます。

スペインがやってきたときにほとんど滅ぼされてしまったけれど、今の
ペルーのクスコにつながっていたインカ道なんか、全ての道はローマに
続くじゃないけど、すべての道はクスコに続くっていうくらい、整備さ
れた素晴らしい文明でした。

 それが、たった数千人のスペイン人に全部征服されちゃったんです。
でも、幸いなことにクスコは標高4000メートルくらいの所にあるか
ら、奥地や高地の方に行くと、今でも純粋なアンデスの文明に従って生
きている人たちがまだいる。まだ貨幣経済に汚染されてなくて自給自足
の暮らしをして、電気はせいぜいソーラー発電くらいしかなくて。
そんな人たちがいっぱい残っています。すごい標高が高い場所だから、
昔の文明がそのまま残っている。 

今回はボリビアにも行ったのですが、宗教はカソリックでマリア信仰が
さかんです。マリアとパチャママって言う現地の母なる神さまが、完全
にオーバーラップしていて、マリア信仰と言いながらきっとパチャママ
信仰なんだろうなってすぐに思いました。独自の宗教が結構濃密に残っ
ている感じがするんです。

砂漠を緑に戻すっていう約束を果たすためには、自然と敵対する一神教
の文明ではなくて、自然と共存して自然からの恩恵に感謝していく、
アンデスの文明観の方がどうもそれに近い気がして、日本の八百万の
神さまとつながっていくんじゃないかって思えるんです。

 怒られちゃうかもしれませんが、日本の神さまってどうもウソくさい
気がしています。アマテラスとかスサノオって、日本らしくないと言う
か、多分大陸の考え方や文化文明に基づいて、それに日本古来のいろい
ろな伝説とかを混ぜたという感じがします。天孫降臨て言うけれど、
あれは朝鮮半島から王族が来て、俺たちは優れた文明で遅れた日本を
統治してやるぞっていうことで作られたような気がしなくもないのです。
八百万で山川草木すべてに神が宿るって言うのは日本の宗教観だと思い
ますが、古事記の中に出てくる物語は、天皇家が日本を支配するための
正当性を表すために書かれたような気がするのです。
そこに南米の神さまをもってくると意外にピッタリ合うんじゃないかと
思います。

南米の神さまをバックボーンに新しい文明観を


 そういうふうに翻って見ると、一神教の文明の背後にはなんとなく
ヒマラヤのヒンズー教の考え方があるような気がします。インド、中東、
ヨーロッパという一神教の文明から、インド、南米、ポリネシア、日本
文明という、多神教文明に変わっていくとおもしろい。自然と共栄共存
して自然の恵みに感謝しているようなそんな文明観がつくられると、
すごく生きやすい世の中になっていくんじゃないかと思うのです。

特に、母なる大地の神さまパチャママが現地の人は大好きで、そういう
宗教観を日本も取り入れていって、バックボーンとしてアンデス文明み
たいのをもっと研究する。今のインドの神さまもいいですが、シバ神と
か厳しいですよね。個人的には、酒飲むな肉食うなって言われるところ
がついていけません。すごく難しい宗教観で生きて、彼らは解脱するの
が目的で、解脱は輪廻からはずれることだから違うとは言わないけれど
何かピンと来ません。

 でもインドの宗教感がすぐれているのは間違いない。まだ南米の宗教
観はよく知らないけれど、なんとなく感覚的には、多神教と言うか、
万物には生命や神さまが宿っていると言う。それでいて文字も使わない
くらいの高度な文化を今から5000年くらい前に作っていて、必要な
くなったら急にいなくなるんですよね。マヤ文明なんて典型だけど、
すごい栄えていたのにある日突然いなくなっちゃったりとか。
これアセンションしたんじゃないのって考えてしまいます。

 一般的には、アフリカで発生した人類が、ベーリング海峡の昔は陸橋
になっていたところを歩いてアメリカ大陸に渡ったと言われていますが
本当かなって思っています。インド文明と南米文明が実はつながってい
るという伝説も考えられるのではと思います。

 当時の文明は、僕らが考えている以上に進んでいて、エジプトとアン
デス、南米もつながっていたでしょうし、イースター島には南米とポリ
ネシア文明のミックスが見られます。例えばモアイ像とか正座の文化は
アジアからポリネシアの文化です。南米の人は、絶対正座しないそうで
すが、最近南米の遺跡から正座している像が出てきたりするのです。

 南米の文明はイースター島やポリネシアとも、実は5000年くらい
前からつながっていたのではないかと思えてしまいます。僕らが思って
いるよりも当時の世界はもっと文明が進んでいて、結構行き来があって、
極端な話、宇宙船で行き来していたのかもしれません。たぶん交通手段
とかは僕らが考えているよりも発達していて、互いに影響を及ぼし合っ
ていた。

 その中で、厳しい砂漠の文明と豊かな高地があるからおもしろい。
一方でマイナス400メートルがある死海とは逆に、4000メートル
の高さで、空気が薄くないと暮らせない宇宙人がいるから、両方ででき
たのじゃないでしょうか。実際に人が住んでいるんですよね、標高
4000メートルの所に。僕らなんて行ったらすぐ高山病になってどう
にもならないのだけど、なんとボリビアの実質的な首都ラパスは、周辺
都市も含めて200万人もの人口が標高4000メートル前後の所に
住んでいるんです。

 この標高が、多分スペインの征服から守ったんじゃないかと思います。
北米のネイティブアメリカンは、白人にほとんど絶滅させられてしまっ
たけれど、南米の方はスペインが弱かったこともあって、そんな高地ま
で責めていけなかったみたいです。これから文明を担って行くのは日本
の役目だから、もっと南米と交流して南米の神さまをバックボーンにして
新しい日本文化をつくっていけたらおもしろいなと思ったのが、
今回感じたことです。

僕が地球に やって来たワケ 第3回

ガリラヤ湖畔の物語を体感

イスラエルのマサダツアーは、なんだかとても懐かしい感じがするから、
何か縁があるのかもしれない。でも、よく分からないなって思っていた
ら、何年か経って赤塚高仁さんのツアーに誘われたんです。

それなら、この機会にちゃんと知りたいと思って行ってみました。
赤塚さんは「足の裏で読む聖書」というコンセプトで、文字を読むの
ではなくて、体感する旅をしています。

例えばイエスの3年間の布教活動の場所のほとんどだったという、
イスラエルの中で一番風光明媚なガリラヤ湖に行きました。
赤塚さんは「水は記憶している」と言います。

ガリラヤ湖畔の幾つかの重要な教会のうちの一つに、ペテロが初代教皇に
任命された場所だと言われている首位権教会に連れて行ってくれました。

イエスキリストが処刑され、ペテロが逃げて帰ってきて、また元の漁師の
仕事に戻った。でも一晩中漁をしたけど何も捕れない。
すると、朝、岸にいる人に、網を反対側に下ろしなさいって言われてそう
したら、船に上げられないほどいっぱいの魚が捕れた。

これはペテロが最初にイエスに会ったときと同じエピソードで、やはり
全然捕れずに帰ってきたら、イエスが反対側に網を下ろしてみなさいと
言って、その通りにしたらたくさん魚が捕れた。
そのときイエスは「これからは魚じゃなくて人間をとりに行こう」と
言って、ペテロを一番弟子にしたっていうエピソードなんです。

それと同じことが、死んだはずのイエスが復活したとされてありありと
描かれている場面なんです。
イエスはペテロに、「おまえは私のことを愛するか」って3回聴く場面が
あって、普通に聖書で読んでもわからないけど、赤塚さんはそれもちゃん
と、水が記憶しているって読み解いています。

西洋、ギリシャ文明から受け継いでいる愛って言うのは4段階あって、
3回言った愛のレベルが全然違う。
ペテロは、「私だけは、何があっても先生が殺されても付いていきます」
って言ったのに裏切ったわけだから。
イエスは、おまえは明日の朝ニワトリが鳴くまでに、私のことを3回
知らないって言うだろうって。実際に、3回そう言っちゃうんですね。

3回目にニワトリが鳴いた時にイエスと目が合って、もう、いたたまれな
くなったという記述があって。
裏切ったのはユダだけじゃなくて、12人の弟子全員だから顔を合わせる
ことができなかった。
漁から帰ったらイエスが朝ごはんを用意して待っていてくれたんです。

最初に「おまえは私のことが好きか?」ってイエスが聴いたら、顔も
上げられずに下向いて「大好きです」って。
それなら私の子羊を飼いなさいって言われたけど、また「私のことが
好きか?」って聴かれて「好きです」って言ったけど、まだとても
イエスを正視できる状態ではなくて。

これは赤塚さん流なんだけど、3回目はイエスが、ペテロの顔を下から
覗き込んで、「おまえ、本当に私がみんなを愛するように、アガペーの
愛で人類を愛せるか」って言ったら、今度は決心を固めて「愛してます」
って。じゃあ、私の子羊を飼いなさいと。
つまり、教皇になって人類を導いていきなさいっていうことなんです。

臨場感溢れる赤塚さんのツアー

それを演じている赤塚さんを見てると、そこにいた人全員に、ペテロも
イエスも見えてくるんです。魚を焼いてパンを焼いて、ごはんを作って
くれるイエスの存在も感じられます。
僕はそこに行くまでは、聖書のツアーってどうだろうって斜めに見て
たんだけど、その場面を見せられたときに、これはすごいって思ったん
です。
実際に聖書の中に書かれている人たちが、ありありと現実感たっぷりに
見られるなんて、こんなに強烈な体験は他にはない。
そういう場面があちこちに感じられるのです。
これが赤塚さんとイスラエルに行くすごい魅力です。

前に触れたマサダの悲劇でも、男たちが、じゃあみんなで死のうって
言ってる場面が強烈に感じられるのです。
このツアーで面白いのは、まず、ハティクヴァっていうイスラエルの
国歌をみんなで歌うことです。
世界中の国家で短調で歌うのはハティクヴァと君が代だけだから
すごい懐かしいメロディ。
意味は分からないけど、歌ってると途中で涙が出てきて詰まっちゃう
ようなところがあります。
ホロコーストの歌でもあるのですけど、希望っていう意味で、これだけ
酷い目に遭ったけど、いつか私たちの国家をつくって幸せな日々を送る
んだって。
その意味が分かっちゃったんじゃないかというくらいに、泣けてくるん
です。
マサダのシナゴーグで自決を決意する場面に行って、そこでハティク
ヴァを歌ったりして、すごく臨場感に溢れるんです。
その他にも、実際にイエスとか弟子たちが歩いた所に行って、そう
感じることにものすごく感動する旅なんです。

あるとき赤塚さんが、港が見える丘の上から2000年前の話をして
いる場面で、ふっと異次元の世界にトリップしたみたいになって、今日
ここで僕たちが赤塚さんから受けた説教の話を2000年後の人たちが
しゃべっている絵が見えちゃったんです。

「赤塚さん、もしかしたらこれは2000年後の人たちに向けて新しい
聖書をつくっていかなくちゃいけないかもしれませんね」って、
そのテーマをまとめて書いた本が、赤塚さんとの最初の共著の
『聖なる約束』(きれい・ねっと)です。

イスラエルを知り、日本を振り返る

宇宙人文明が地球人と混血して人類を創り上げて、住みやすいように
死海を造ったのが原因で砂漠ができたんじゃないかって話を前回しました。
イスラエルの初代首相であった、ダヴィド・ベン=グリオンも、砂漠開発
がイスラエルの生命線だからって、国家元首にもかかわらず、砂漠の中の
キブツに住んでそこを終の住処として一生を終えたのです。
そこまでして砂漠の開発に関わったんです。
国土の60%が砂漠のイスラエルが、砂漠に飲み込まれるか、砂漠を征服
するかに、未来がかかってる。
実際にベン=グリオンの執念みたいなのが、いまだに息づいていて、
行く度に緑が増えている。
砂漠の街ベール・シェバでは、アブラハムの井戸っていうのがあって、
ユダヤ人の祖であるアブラハムが神さまに言われてそこに移住してきて
住んだ場所って言われています。

30年前に赤塚さんが糸川先生に最初に連れてこられたときは、デザート
インていうホテルが1つだけで、そこに泊まって、お湯が出ないことを
先生に言ったら、
「何を言ってるか。ここは砂漠の街なんだぞ。水が出るだけでもありが
たいと思え」って。
今は超近代都市に生まれ変わっていて、高級ホテルが幾つもあるし、
行く度に街もどんどん広がって、砂漠も点滴農法でどんどん緑が増えて
いっている。
世界はどんどん砂漠化しているけれど、イスラエルは八百何十万人
しかいない小さな国なのに、確実に砂漠が緑に変わっている。
そういう方向に世の中を動かしていかなきゃいけないと思う。
それが約束を果たせっていうことなのかなと。


イスラエルに行くと、安全保障のこととかいろいろな問題を感じるし、
マサダの悲劇があったときと同じように、今の日本は、実質的にアメ
リカの属国で全部決められている。
当時のイスラエルはローマの属国だったことに反発して蜂起して
完膚無きまでに国家をつぶされた。
というのは今の日本の状態とそんなに変わらないような気がして
危機感を感じてます。
イスラエルがどんなふうに建国されていったかを知ると分かること
だけど。

1948年に独立したときは、人口は100万人くらいしかいなくて、
みんながイスラエルに来たかったわけでもないのに、ホロコーストとか
の戦争孤児たちを世界中から無理矢理駆り集めてきてつくった。
だいたいユダヤ人ていう定義もあいまいで、ナチスがユダヤ人て言えば
ユダヤ人で、少しでもユダヤ人に関係ある人は、みんな駆り集められて
約束の地にたどり着いたらすぐに戦争に投入されて。
そんな状況の中で建国して、独立戦争を勝ち抜けたっていうのは奇跡
みたいなことなのです。

今でも近代国家ではあるけどいびつな国家で、絶えず戦争状態にある
から、お母さんたちは、ちょっと前まで一番のエリートだった落下傘
部隊に子どもが入ったら、それを喜ばなきゃならない。
当然、軍事的に一番危ない所に投入されて、命の危険にさらされると
いう葛藤があったりする。
多くの人がホロコーストで感情をなくしてしまうような体験をして
いる中で、かつ、いつも戦争しているようないびつな緊張感から学ぶ
ことがあるんじゃないかと思います。

日本はあまりにも、国があるのが当たり前でこのまま幸せに暮らして
いけると、みんな思い込んでるけど、よく見ると、利害の少ない遠い
国には友達がいっぱいいるけど、利害がある近い国、アメリカ、中国、
ロシア、韓国、北朝鮮とかは、みんな友達じゃない。
建国してからのイスラエルの状態と何も変わらないかもしれないって
ことが、何回か行って感じていることなんです。


僕が地球に やって来たワケ 第2回

約束を果たせ


 2011年に、初めてイスラエルに行ったときに、「約束を果たせ」って
言われたんです。それから気になって何度も行ってます。イスラエルは
何度も行きたくなるけど、なぜかエジプトに行くとすぐ帰りたくなる。
友だちに言わせると、僕とイスラエルとの関わりはモーセだそうです。
モーセの時代に出エジプトをしたときに関わっていたらしいです。
だからエジプト嫌いなんです。出エジプトが本当にあったかどうか
怪しいらしいんですけどね。
聖書って本当は2500年前のバビロン捕囚のときに書かれたもので、
まったくなかった話ではなかったんだろうけど、『古事記』と一緒で
神話だと思います。
100万人の人を40年間連れて、荒野をさまよったっていう話は
だいぶ大きくなってる。モーセとしては十戒を神から授けられて、
それによって一神教は全部できている。
ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も原点はそこにあるんです。
どうも僕はそのときに関わっていて、エジプトでひどい目に遭って、
イスラエルに逃げて来たらしい。
最近ヒカルランドさんが出した本にあるんですが、ニビルっていう
宇宙人が核戦争しちゃって星が大変なことになって、地球にある
基地の環境を直すには金(きん)が必要で金を採りに行かないと
いけない。かなり進んだ宇宙人だから、当時知的生物がいなかった
地球に人間をつくって奴隷にして、金を採らせようとする。
でもそこに恋愛感情が生まれてきて、地球人と交わったりして
子孫ができた。やっぱり古代文明は宇宙人がつくった文明だと思ってます。
そして、宇宙人は、自分たちが暮らしていける環境が必要だから死海を
つくったんだと思います。死海は塩分が通常の海の10倍くらいで生物が
全然棲めない。海抜マイナス417メートル。高山病の反対で空気が濃い。
紫外線が届かないから日焼けしない。
それが原因で砂漠ができたのかもしれません。
飛行機で海外に行くと、機内に今飛んでる所の地図が出てくるじゃない
ですか。アフリカから中東、中国まで、同じ緯度の所だけ砂漠なんです。
僕も宇宙人の1人で、地球の環境を変えるときに、神様に
「ちょっと砂漠ができちゃうけどいいかな」って聞いたら、
「いいけど元に戻せ」って言われた。そんな約束をしたような気がして
仕方がないんです。

 イスラエルにメギドの丘っていう、26回征服されて造り直された
大激戦地だった遺跡があるんです。ハルマゲドンは、メギドの丘の戦争で
自分たちが征服されちゃうことかもしれないし、本当は宇宙最終大戦争
ではないかもしれない。
でもユダヤ教もイスラム教もキリスト教の人も、一神教の人は、最後は
神様に「今まで自分たちは大変辛い目に遭ってきた。
こんなに敬虔に生きてきたんだから他の悪い奴はいなくなるんだ」と言う。
たぶん、元の、雨が降る状態に戻すときには、大天変地異が必要なので
必ず起きる。そのことを言ってるんじゃないかと。
もしかしてハルマゲドンってそういうことかもしれない。砂漠に雨を
降らすっていうのは旧約聖書のイザヤ書に、砂漠に雨を降らせて
サフランの花が咲いてみんなが喜ぶみたいな話が出てくる。
それを、できればハードにやらずに、ソフトランディングでやりたいのです。

 イスラエルは、四国くらいの面積しかなくてしかも60%が砂漠なんです。
砂漠開発にすごく力を入れていて、世界で唯一砂漠が緑に変わっている国です。
砂漠に緑が増えていくと気象関係が変わってきて、雨も降るようになるんだと
思うけど、このままいくと何万年もかかりますよね。
あんまりハードにしたら大変なことになるけど、雨が降るようなことを
する役割があるんだろうな。
僕は、今世でできるとは思ってませんけど、次か次の次くらいで
やらなきゃいけないんじゃないかなと思ってます。
ちょっと怖いのは、あっちが緑になったら日本が砂漠になるかも
しれないってことも、ちょっと思ってます。

 イスラエルはヨルダンとは仲良くやってて、陸路で歩いて行けるんです。
映画のインディ・ジョーンズの舞台になってるヨルダンのペトラ遺跡は、
すごく繁栄していた町なのにある日なくなって、建物だけがそのまま
残っているところです。
イスラエルもそうなる可能性があるし、エドガー・ケイシーの
リーディングだと、日本はもう沈んでる筈で、小松左京の『日本沈没』も
その辺から持って来ている。
僕のビジョンはイスラエルの滅亡が見えたけれど、
必ずしもそうならなくてもいい。
超能力のある人たちの中には、日本に大津波が何個も同時にやって来て
沈んでしまってるビジョンを見ている人がいるらしい。
今の日本を決して安心してはいけないけれど、怖がる必要もないと思います。
それぞれ、やるべきことが来ると思うし、祈ることでもいい。
イスラエルみたいな激しい所に行って帰ってくると、日本は決して
安全じゃないってことを感じるので、そこは少ししっかりと言った方が
いいかなと思っています。

 現実的なところでは、イスラエルには、アイアンドームっていう
優れたミサイル迎撃システムがあるんです。
アメリカは、ミサイルを撃たれたことないのでアメリカ製の防衛システム
なんて機能しないから、買うのならアイアンドームがいいって
現地で言われました。
帰ってきてから、軍事評論家の人にそのことを言ったら、
確かにそれはいいんだけれど、イスラエルは既に中国に売ってるから
日本には絶対売ってくれない。
イスラエルはあれだけアメリカと仲良くしているのに、ちゃんと中国や
ロシアとも仲良くしている。日本はそんなこと何も知らないって。
安倍総理がこの前イスラエルに行ったときに、靴の形をした器で飯
食わされたんです。イスラエルの常識ではバカにしていること。
理由は、アラブの国に武器を売ろうとしてるからなんです。
イスラエルはロシア、アメリカ、中国を見ていて日本なんて見ていない。
それぐらい世界の現実は厳しいことを安倍総理はよくわかってるはず。
武器を売るということは同じ体制に入ってるってことだから。
僕らはイスラエルと仲良くしていると思っているわけだけど、
マスコミの人は、みんなが反イスラエルです。
こっちは意識してなくても、向こうからしたらふざけんなって。
そうやって日本はだんだんと敵を増やしてしまっている。
それがいいか悪いか。総理はわかっていても僕らは何も知らない
わけじゃないですか。もうちょっと、世界で何が起きてるかを
わかった方がいいと思います。


初めてのイスラエルで感じた懐かしさ

 一番最初のイスラエルは仕事で、3泊だけでした。
そしてマサダに行ったのですが、そこは西暦73年に、イスラエルが
ローマに完全に滅ぼされた事件があった所。
死海の近くにかつてヘロデ大王がつくった避寒地、冬の宮殿を建てて、
砂漠の真ん中にもかかわらず最先端の水を蓄える仕組みがあって、
わずかな雨をためて水が豊富に使えるようになっていて、
王様が来たときはお風呂にも入れる。
自給自足できて、約1000人くらいの人が逃げ込んで、
攻めて来るローマに抵抗して戦っていた場所なんです。
最後はローマが土木技術とかを使って攻略してきて、いよいよ明日
ローマが攻めて来るという日に、リーダーがみんなを集めて、
このままだと全員捕まって奴隷になってしまう。奴隷になるよりも
死を選ぼうと。ユダヤ人は自殺をしてはいけない決まりがあるから、
家に帰ってまず家族を殺し、また戻ってきて、くじで10人が他の人
全員を殺して、次に1人が残った9人を殺して最後に自殺する
ということをしたのです。
でも、女性2人と子ども3人が水飲み場に隠れていて生き残り、
マサダの悲劇が明らかになったと言われています。
そこは、世界遺産になっててすごく雄大な遺跡がそのまま残ってる。
イスラエルは世界で唯一、男女共に徴兵制があるんですが、
二度とこのような悲劇が起きないようにと、入隊式はそこで行われるんです。
そういうストーリーがあるから映画にもなった感動的な場所です。
死海に行った人は必ず行くような所。ガイドがいるバスのツアーで
死海に行く途中、とても懐かしさを感じて、きっとここに関わっていた
だろうって思いながら、ぼんやりと外を眺めていたら、
あの「約束を果たせ」って声が聞こえてきた。
それからですね、イスラエルがなんとなく面白くて、
縁があるように思えてきたのは。

(編集/山上晴美)


僕が地球にやって来たワケ 第1回

感じる国イスラエル

 机の上の親父の写真もいろいろ言ってきていますが、最近、(上から)
来るのを感じるんです。マインドフルネスとか、そういう、落ち着いた、
非日常の時間を持つようになると、たぶん、繋がりやすくなるのだと思
います。だから7回も行ってるんですが、イスラエルは繋がりやすいとこ
ろなんです。前回行ったときも、危ないって言われて周りのスピリチュ
アルな人や、メッセージを受け取る能力に長けている人たちがすごく心
配してくれました。ありがたい大阿闍梨(だいあじゃり)が書いてくれ
たお経を入れたお守りを持たせてくれて、いざというとき、命の危険を
感じたらこれを食べなさいって。そうすれば助かるからって。今回のツ
アーは、特に危険なことはなかったけれど、肌身離さずそれを持ってい
ました。終わって長いフライトで日本に戻って、成田からは京成電車に
乗って、東京の自宅に帰ってきたんですが、夜も遅く、ちょっとうら寂
しい電車の中で、なんだか日本は危ないって感じがしたんです。イスラ
エルより日本の方がよっぽど波動が悪いって気がしました。

 大阪で地震がありましたね。月に3回くらい行ってて、1年くらい前
から、行くとあれーっ? て感じで。普通は東京の方が波動が悪いんだ
けど、去年くらいから大阪の方が悪い。母も感じる人で、父よりもスピ
リチュアルなんですけど、毎日、ちょっとずつ(地震を)起こしてくだ
さいって頼んでるんですって。皇居の横の、日比谷とか大手町のビルが
全部倒れているビジョンを見たことがあるらしく、そうならないように、
地震が来るならゆっくり分散して来てくださいって。

 それと、僕は通風があるんですけど、クロガリンダっていうサプリを
3年くらい前から飲んでたら出なくなったんです。そんなに不規則な生
活はしてないんだけど、イスラエルに出掛ける前に突然また通風になっ
たんです。これは身代わりかな。いなくなるなら通風に変えて引き受け
て持っていけと。親父の方は、熱海に越したのは、富士山の爆発を止め
るくらいの感じで本人は思っていたし、あの、3・11の日には、僕が親
父を激怒させてしまって、その20分後くらいに地震が来たんです。
スピリチュアルな人であればあるほど、天変地異に対する警告がすごく
あるようです。


友だちがいない日本

 先日、元NHKの池上彰さんが出る番組で、彼なら公平だろうと思って
期待して観たら、完全にパレスチナ側に立った報道だったんです。世界
中の報道機関がそうでないといけないってプロトコールがあるかのごと
く。

 みんなは、分離壁を造ってイスラエルの領地を広げているって言うけ
ど、分離壁の大きな目的は、出入りの制限をして自爆テロを防ぐってこ
となんです。大半のパレスチナの人はイスラエルの人ととても仲良くて、
経済を完全にイスラエルに依存しているので、仕事のときはイスラエル
で働いて、パレスチナに帰ってくる。過激派を除いたら、イスラエルと
共存共栄しているんです。デモがあったり発砲している所は、テロリス
トのハマスが実質支配しているガザ地区です。あれは、市民を盾にして
イスラエルに対して攻撃しているので、放っておくとまた自爆テロを起
こしたりとかミサイルを撃ち込んだりする。治安を守る意味でもやって
るんです。普通だったらもっとマイルドにやるのを、イスラエルは躊躇
なくやって、一般市民を盾にされても解決するという強硬な姿勢があり
ますから。僕らのガイドしてくれた日本人は、イスラエルの男性と結婚
して現地に30年住んでるんですが、湾岸戦争やイラン・イラク戦争のと
き、イラクが何百発ってミサイルを撃ってきて、ほとんどの外国人が逃
げていなくなった。それでも彼女は危ないとも怖いとも思わなかったそ
うです。でも、あの自爆テロが頻発しているときは、こんなところに住
んでたら精神おかしくなるから、子どもを連れて日本へ帰ろうかと思っ
たっていうくらい、やっぱり大変だったのです。あの分離壁が何のため
に造られたかって、世界中の報道機関が全然ちゃんと伝えてない。

 イスラエルが危ないってみんなが言うのは、周りに友だちがいなくて、
敵ばかりだからです。そういうイスラエルの状態を見ると、日本も周り
に友だちいないと思いませんか。台湾くらいかな、日本のことを好きな
国は。アメリカも含めて信用できる国はないです。日本だけちょっと変
なのかもしれません。他の国は性悪説で動いているけど、日本は人のこ
と信用する。戦争で迷惑かけたのは間違いないんだから謝ったらいい。
でも、世界の常識から言うと、謝るってことは本当に本当にひどいこと
やったから謝るんだって。だから日本はけしからんと。世界の人は絶対
謝りません。アメリカで交通事故起こしたらアイムソーリーって言うだ
けでこっちの責任。日本人の感覚だと、起きたのはお互いに責任がある
んで、まずごめんねって言ってから話し合いが始まる。世界の常識だと
そういうときに謝るということは非を認めること。全部責任かぶっちゃ
う。だから彼らからしたら違和感があって、従軍慰安婦の問題で謝るっ
ていうのは、やってないんだったら謝るわけない。もっと悪いことした
からだろうというのが世界の人の感覚。日本人は善意でやっているつも
りだけど、全然そんなのは受け容れられてないです。で、そこを逆にう
まくついて、奴らはとんでもないことやってるんだって、アメリカから
もヨーロッパからも思われてるんです。


砂漠で生まれた宗教と自然から生まれた宗教
 
 これは、どうしてかというと宗教的な背景があるからです。日本の神
様は僕らのことを守ってくれる優しい神様で、あちらの神様は言うこと
聞かなかったら全滅させるぞとかいう怖い神様です。砂漠で生まれた宗
教だから、自然は克服するものであって、守ってくれるものではない。
日本は豊かな森の中で生まれて、自然は友だちで、守ってくれるありが
たい存在。神様は、基本的に自然観がそのまま宗教観になってる。残念
ながら中国や韓国やキリスト教やイスラム教はその砂漠の宗教から来て
るし、現実的には為政者のことを何も信用していない。自分のことは自
分で守らなければいけない。ごく一部の、太平洋の島の人たちやネイ
ティブアメリカンとか、中南米の古代文明で生きてた現地の人たちは日
本人と同じ感覚で生きてるけど、みんな殺されちゃってほとんど残って
ないです。自然が味方だっていう文明を持ちながらいまだに繁栄してい
るのは日本だけです。

 日本に住んでると、安全だし別に困ることもないし、国があるのが当
たり前だし、政治家のこと誰も信用してないとはいえ、長いものに巻か
れてたら幸せに生きていけるんだって感覚を持ってるけど、世界中の他
の国の人たちは長いものに巻かれたらとんでもない目に遭うと。ちゃん
と自分のことは自分で守れっていう感覚。日本ていう国が2千何百年続
いてきたのは、実は奇跡であって、当たり前ではない。今とっても危な
いところにいるよっていうのが、現実的にもスピリチュアル的にも言え
ることです。日本の神様の方が劣勢なんです。だから天変地異が日本で
起こっちゃうかもしれないということに、ちょっと気づいてしまって。
もうちょっとうまく日本のことを伝えていかなきゃって思ってます。

 日本でこうして当たり前に平和に暮らせているのは、奇跡みたいなこ
となので、国を守るにはどうしたらいいのか。現実的なところでもスピ
リチュアルなところでも、もっと僕らは考えなきゃいけないんじゃない
かと思います。


(編集/山上晴美)


マインドフルネス

 先月ご紹介した西原克成先生の教えを思い出しては、口呼吸ではなく
鼻呼吸をするように心がけています。そうすると、意外なほど鼻が詰
まっていて、かなり意識しないと口呼吸をしてしまっている実態が分
かってきます。冬はともかく夏は大丈夫ではないかと思うのですが、
ほとんどの時間を快適な冷房環境の下で生活しているために、少し寒い
と感じると鼻が詰まっていることが多いことに気づきました。

 イスラエルの旅行は例年にない異常気象で連日40度越えになる厳しい
ものでしたが、行きの飛行機の中が寒くて風邪を引きそうになりました。
帰りの飛行機では教訓を活かして機内にセーターを持ち込んで事なきを
得ましたが、現代の便利な生活には落とし穴があることを認識できるい
い機会になりました。

 ところで、これには嬉しい副作用があって、鼻呼吸を意識すると自然
に呼吸に意識がいくようになり、駅まで歩いている時間や電車の中で
立っている時間にも自然にプチ瞑想ができていることを認識できるよう
になってきたのです。瞑想といえば今流行りのマインドフルネスですが、
この分野の第一人者である人見ルミさんの著書『マインドフルネススト
レッチ』(KADOKAWA)
を読んでいると、まさに駅まで歩いている時
間や電車の中でもできる呼吸法のことを詳しく具体的に紹介されている
ので、このシンプルで実践的なところが人見さんの人気の秘密なんだろ
うと思いました。

 そこで、本を読み進めていくと、オフィスに着いてからもパソコンを
立ち上げている短い時間を使って瞑想することが勧められています。通
勤途上もそうですが、忙しさを感じてしまう生活を送っている私たちは、
ついついそんな細切れの時間もスマホやタブレットを見てしまい、それ
でさも時間を有効に使っているつもりになっています。

 逆にオールドメディアを手放せていない私は、家ではパソコンを立ち
上げる時間がもったいなくて、その時間を使ってざっと新聞を読んだり
してしまうのですが、新聞の記事が面白いとついそちらに集中してし
まって、せっかく立ち上げたパソコンがそのままの状態で放置されてい
たりして、実は電気の無駄遣いをしていることになっているのかもしれ
ません。忙しがることの弊害を教えてくれているのがマインドフルネス
の精神になるのかもしれませんね。

 会社でもパソコンが立ち上がるのを待っているのはイライラするので、
まず鞄からノートパソコンを取り出して、何はともあれ電源を入れます。
それからコンセントを繋いだりLANを繋いだりして準備を終えてから、
机の上の未決裁の書類に目を通すということで時間の無駄遣いを防いで
いるつもりになっていますが、本当はその時間を使ってゆったりとプチ
瞑想をするぐらいのほうが、一日の仕事をするための態勢を整えるのに
は有効なのだろうと思います。

 さらに、マルチタスク(一度にいろいろな仕事を並行してこなす)は
実は効率が悪く、ある程度集中してシングルタスクで取り組んだほうが
いいというアドバイスがあり、まったくそうだなとうなずいてしまいま
した。私の場合、原稿を書くときに調子のいいときはまさに集中してシ
ングルタスクで取り組めますが、なかなか書けないときはついついメー
ルをチェックしたり日経平均や為替をチェックするなど、どうでもいい
ことに時間をかけてしまって肝心の原稿が書けなくなってしまうことが
よくあります。

 もちろん、シングルタスクで集中して書いたときのほうが、いい原稿
になるケースが多いので、いまは他のことに気を取られないように集中
することを心がけてこの原稿を書いています。

 瞑想法で最近もうひとつ気に入っているのは、自分の心臓の鼓動を聞
きながら瞑想するというやり方です。これは清水義久先生のワーク
ショップに行ったときに教えていただいたものなのですが、呼吸が一番
やりやすいと思いますが、自分の体に流れている何らかのリズムに意識
を集中させることで、自然と瞑想状態になっていくことができるのです。
上級者向けで難しいようですが、腸と脳のバイオリズムをシンクロさせ
られるようになると、脳の活性化にかなり繋がっていくと感じるので挑
戦してみたいと思っています。

 そんなことを考えているにもかかわらず、ついついマルチタスクの癖
が出てしまって、人見さんのマインドフルネス研修のホームページを見
てしまいました。そして、見つけたのが私もよく知っているサトケンさ
んこと佐藤研一さんと人見さんが3年前に開かれた「サトケンさんの重
ね煮料理教室とメディテーション」というセミナーの記事でした。普通
に考えると、料理教室と瞑想が一緒になるとは思えませんが、『マイン
ドフルネスストレッチ』
を読んでいると、昼食のときにも「マインドフ
ルネス・イーティング」ができることが紹介されていました。

 
(引用開始)

① スマホ、タブレットなどのスマートデバイスや本をしまいます。
② 料理を口に入れ、約2分間、飲み込まずにゆっくりと噛み続けま
 しょう。
③ 味(甘さ、酸っぱさ、辛さ、塩辛さ、苦さ)の変化や食感、だ液
 の変化、そしゃくした食べ物が喉から食道へと移動する感覚に意識を
 集中します。

(引用終了)

 これを読んで思い出したのが、アーユルヴェーダ(インドやスリラン
カの伝統医療)の合宿に参加したときに、インド人の先生がおっしゃっ
ていた食事の仕方です。まず、食事のときには会話はしない。じっくり
とそしゃくして食べ物の味を味わい尽くし、食材に命を与えてくれてい
る植物(動物:アーユルヴェーダでは基本的にベジタリアンの食事をと
ります)に感謝の念を送るのです。合宿のときしかできませんでしたが、
確かに食材とコミュニケーションが取れたような気がしたことを思い出
しました。

 そんなこともあって、にんげんクラブストアで販売している佐藤研一
さんの『求めないで歩いた25年 今、ここ、サトケン』という小冊子を、
サトケンさんの波乱万丈の人生に驚きながらも楽しく読ませていただき
ました。この会報誌でびっくり現象のインタビューを担当してくれてい
る山上晴美さんが編集して作り上げたものなのですが、にんげんクラブ
ストアの隠れた人気商品になっているようです。

今ここサトケン76.jpg

 サトケンさんの人生そのものが、まるでマインドフルネスを実践して
いるようです。目の前にあることをとにかく一生懸命トコトン楽しみ尽
くして余計なことを考えない。すると、誰も経験できないような味わい
深い人生を体験し尽くし、やがて自分がやるべきことが自然に分かるよ
うになってくるのだということが実例で示されています。混迷の時代を
生きていくための素晴らしいヒントがたくさんもらえる本だと感じまし
た。

 ITベンチャー企業の取締役を退任したサトケンさんは、人生の師とな
る船越康弘さんが営む岡山の山の中にある民宿で半年間、丁稚奉公生活
を送ります。そこで、究極レベルで日常のことに取り組むと心の使い方
が変わってくる。そのうえで料理に取り組むと、自分独自の料理が作れ
るということを学んでいきます。美味しいというよりは、優しく丁寧で
明日もまた食べたいという料理が作れるようになるのだというのです。

 これを読んでいると、すべての仕事や生きるための活動がマインドフ
ルネス=瞑想に繋がっていくということが分かります。私も自分の原稿
がうまいというよりは、優しく丁寧で次回もまた読みたいと思えるもの
になるよう精進してみたいと、少しだけ感じるようになりました。誰も
がそんな生き方をするようになれば、AIが今の多くの無機質な仕事を肩
代わりしてくれるような時代になったときにも、私たちが楽しく充実し
て生きるすべが発見できるのではないかと感じています。

おしゃべりな腸

日本免疫病治療研究会会長で医学博士の西原克成先生のお話を伺う機会
がありました。西原先生は、離乳食は乳歯が生えそろう2歳半ぐらいま
では食べさせるべきではないという見解をお持ちです。赤ちゃんの腸は
まだたんぱく質を消化する機能ができていないため、タンパク質を含む
離乳食を早く始め過ぎるとアトピーやアレルギーの原因となってしまう
という持論をお持ちになっているのです。

 西原先生のご著書『子どもの腸には毒になる食べもの 食べ方』
(青春出版社)
を読ませていただくと、その他にもちょっと常識とは違
う様々な見解を述べられています。


 口呼吸が多くの病気の原因になっているので鼻呼吸をできるようにす
ることが大切である。乳歯が生えそろうまで母乳を続けていると口呼吸
になりにくくなる効果もあり、鼻呼吸の子どもたちは口をぽかんと開け
ている口呼吸の子どもたちに比べて成績も良くなる傾向がある。

 人間は冷血動物ではないので、冷たいものは食べたり飲んだりしては
いけない。アイスクリームは論外で、ビールも冷やして飲まない方がい
い。
このようなことを心がけることで、アトピーで悩んでいる子どもさんた
ちをはじめ多くの患者さんが劇的に回復した事例がたくさんあるという
ことでした。

 またお話の中では、身体にいいという意見をよく耳にする玄米ですが、
アブシジン酸、フィチン酸という有害な発芽抑制タンパク酵素が含まれ
ているので、赤ちゃんの離乳食に使うのは論外で、授乳中のお母さんが
食べるのもやめた方がいいということも聞かせてくださいました。

 西原先生のお話に触発されて、関連する本が読みたくなって見つけた
のが1990年生まれのジュリア・エンダース著『おしゃべりな腸』(サン
マーク出版)
です。ドイツではミリオンセラーになったそうなのですが、
日本語の翻訳が出た2015年時点でも弱冠25歳の才媛によって書かれた本
でした。

 興味深かったのは、幸福ホルモンと呼ばれている「セロトニン」の
95%が腸で作られているということです。この事実から著者は、うつ病
の原因は頭にあるのではなく、お腹(腸)にあるのではないかと推測し
ています。腸は第二の脳、あるいは原始脳ではないかという意見も聞い
たことがあります。

 黄金週間に、「舩井フォーラム ザ・ファイナル」でご講演をいただ
いた気功家の清水義久先生のワークショップを受講させていただきまし
た。そのときに教えていただいたワークに、ピンポン玉ぐらいの白い光
り輝く「気」の球をおへそから体内に入れるというイメージトレーニン
グがありました。

 詳しくは清水先生の気功セミナーを受講していただくか、7月上旬頃
には、私が受講させていただいた「本当に頭が良くなるセミナー」の
DVDが販売になるようなので、そちらをご覧いただければと思います。

 講座の中ではなかったのですが、清水先生からこの白いピンポン玉大
の「気」の球を下丹田に当てるイメージをすると、第二の脳としての腸
が活性化されるというお話を伺ったことがあります。

そして、それができてはじめて「小周天」という気功法が完成するとい
う話だったことを思い出しました。

 「小周天」とは、身体に集めた「気」を体内にある「気」の通り道に
沿って循環させる、すなわち回すことによって強化する気功法のことで、
昔、矢山利彦先生に教えてもらったことがあります。

古の修行者たちにとっては、一生の修行を必要とするほどの奥義なので
すが、矢山先生はそれを初学者でも割合に簡単に達成できるプログラム
を開発されました。

 私も10年ぐらい前に半年間、月に1回の講座を受けさせていただいた
ときに、矢山先生のおっしゃる小周天は回せたのではないかと、そのと
きは感じました。また、実は今でも意識すれば、小周天を回せている感
覚は持っています。

 小周天は通常男性は人間の上半身を前回りに回っていて、女性は後ろ
回りに回っています。だから男女が抱擁すると互いの「気」が同じ向き
に回って、お互いに「気」の力が強くなる効果があるという話をよく覚
えています。

 今回清水先生に奥義中の奥義として教えていただいたのは、小周天の
本当の意味は脳と第二の生命感覚の脳である腸を「気」の力で繋ぐこと
にあるということです。ただ、残念ながら現代人は腸で造血しなくなっ
ているので、ほとんどの人が生命感覚の脳である腸の脳的な機能が働い
ておらず、小周天を繋いでもあまり意味がない場合がほとんどだという
のです。しかし、白い光り輝くピンポン玉のワークで小丹田を刺激する
と腸が生命脳的に活性化するので、小周天の意味が飛躍的に増すという
ことを教えていただきました。

 頭にある脳は疲れやすく、活性化するには休ませてあげるぐらいしか
方法がないのですが、生命感覚の脳である腸のエネルギーに繋ぐことが
できれば、簡単に活性化することができるといいます。

ただし、小周天をマスターするためには、その前提条件として腸が生命
脳としての機能を取り戻していることが必須となるようです。

 私はあまりじっくりと気功に取り組むことができていないので、それ
ほど実感はないのですが、それでも確かに脳の活性化には素晴らしい効
き目があるように感じています。

 『おしゃべりな腸』の中でもう一つ面白かったのは「ホヤ」の話です。
東北や北海道で食べさせてもらえる珍味で、特に日本酒との相性が抜群
の肴です。癖があるので嫌いな人も多いのですが、私は大好きです。

 ちょうど最近、北海道の網走と仙台でホヤを食べさせていただく機会
がありました。どちらも、それぞれのホヤが最高で他所のものは食べら
れたものでないといううんちく付きでごちそうになったのですが、私は
どちらも確かに味は違いましたが、とても美味しくいただきました。
ちょっと困るのは、お酒が進んでしまって翌日の二日酔い注意報が格段
に高まることぐらいで、東北や北海道に行く機会が増えて嬉しいことの
筆頭に拳げてもいいぐらいの「ホヤ」体験なのです。

 ちょっと脱線しますが、人間とはまことにないものねだりな生き物の
ようです。東北でも三陸地方、特に漁港として有名な気仙沼などの美味
しいお店に連れて行ってもらって食べるお刺身は、新鮮で美味しいうえ
にそれだけでお腹いっぱいになるぐらいの量が、東京などでは信じられ
ないぐらいの厚切りで出てきます。

 ところが、地元の方は決まって、「もう魚は食べ飽きたのでお肉を食
べたい。できればイタリアンやフレンチを気軽に食べさせてくれるト
ラットリアやビストロのような店がいいのだけれど、そんなお店は仙台
ぐらいまで行かないといけない」というようなことをおっしゃるのです。

 とてもグルメな友人に、シェフが一人でやっている大船渡のステキな
イタリアンに連れて行ってもらったことがありますが、一人ではとても
回せないので、あまり宣伝したくないとシェフが言っていました。そう
考えると、世界中の美味しいものが気軽に食べられる東京や大阪は本当
に恵まれているのだなと思います。

 話を戻すと、その「ホヤ」は変態をする動物で、幼生のときは最適な
環境を求めて泳ぎ回るのだそうですが、成体になると海底の岩などで絶
対に動かない固着動物になります。そして、その後、なんと「ホヤ」は
自分の脳を食べてしまうというのです。

 『おしゃべりな腸』の中では、それを見た科学者が「脳は運動するた
めに発達する」という仮説を立てたというエピソードが紹介されていま
す。運動しないのなら(「ホヤ」の場合は運動する必要がなくなれば)、
脳は必要ないのです。そして、腸にあたる部分が、運動する動物の脳の
機能であるコミュニケーション機能を代替しているのです。

 腸の脳感覚を使うということは自然の摂理に従っていることになるの
で、神さま(サムシング・グレート)の意志に基づいて行動することが
できるのかもしれません。しかし、理由はともあれ人間は、大脳新皮質
を特に発達させることで腸の脳的な機能をほとんど退化させてしまった
ようなのです。

 そう言えば、西原先生は「過労死になるのはおかしい」とおっしゃっ
ていました。人間は構造上、立っていることや座っていることを長時間
続けられないようになっています。だから、現代の多くの人が従事して
いる頭脳労働をするのなら、寝そべって仕事をすれば絶対に過労死にな
らないということを教えてくださったのです。

 寝そべるのが無理なら、四つん這い(難病に罹った葛飾北斎が、四つ
ん這いの姿勢で絵を描くことで長寿を全うしたという事例をあげてくだ
さいました)でパソコンに向かえばいいというのですから驚きです。

 動物の脳は血圧が90ml必要なのですが、立っているとどうしても
120mlほど必要になります。

このことが身体に与える負担が大きいので1日に8時間ぐらいは眠らなけ
ればならないのですが、寝そべっていれば脳の血圧を保つためのプレッ
シャーがそれほど必要ないので過労になることはないというのです。
どうしても徹夜で原稿を書かなければいけない状態になったときには、
ぜひ試してみようと思います。

 腸の声に耳を傾け、人間の身体の構造に鑑みてそれを生活に活かして
いけば、豊かな人生が広がるようです。専門分野とはいきませんが、
この分野もいろいろ勉強してみたくなってきました。


グレートシャーマン

私たちは果たして進歩しているのでしょうか。

たしかに、生活はドンドン便利になっています。今、新幹線で京都に
向かう車中で本稿を書き始めましたが、座席に電源のコンセントがあ
るので新幹線に乗りながらでもストレスなくPCに向かい合うことが
できています。さらに、必要な情報はかなりの割合がインターネット
で手に入るので、ほとんど資料も持たずに原稿を書くことも可能にな
りました。

国内に限らず世界中どこにいても、PCさえあればほとんどどこでも
インターネットがつながりますし、私にはとてもついていけません
が、スマホのようなミニマムな最新機器を使いこなして身軽に仕事を
している人も数多く見かけるようになりました。

本当に便利になりましたが、反面、日々の暮らしには余裕がなくなっ
て、落ち着かない毎日を送るようになっているようにも感じられます。

先日、最先端医療を手掛けているベンチャー企業の社長のお話を聞く
機会がありました。角膜の再生は、従来の手法である移植ではなかな
か提供者が現れず長い間待たされることになるのですが、いまは自分
の細胞から培養して角膜を再生させる手法が研究されているそうです。
同じ手法で膝関節の痛みの軽減などにも大きな効果があることが期待
されていて治験も進んでいるとのこと。また、電子カルテをビッグ
データとして活用して、新薬の開発などに活かす試みも進んでいます。
このような動きのおかげで、ますます進む高齢化の中にあっても、私
たちの平均寿命はまだまだ延びていくようです。

近未来にはAI(人工知能)が私たちの代替をしてくれるようになり、
私たちは働かなくてもよくなるという話もあります。昔なら、一部の
エリートの知的な好奇心を満たすためだけにあるものだとされていた
哲学等の分野が、人間に残された大事な分野になるとも言われていま
す。理屈王の私としては嬉しくもありますが、このような流れに対応
するためには、人間はかなり進化しなければならないのだということ
がよく分かります。

先日、『ザ・フナイ』の対談で医師の矢作直樹先生とお話しさせてい
ただいたときに、先生は「今の子どもたちの中には、「レインボーチ
ルドレン」といって、人種が違うというよりは魂の種類が違う子ども
たちが大勢生まれてきており、未来は彼らに託せばいい」とおっしゃっ
ていました。それが正しいとすれば、旧人類である私たちは自分たち
の進化に注力するばかりではなく、新しい魂を持つ世代の邪魔をする
ことなく、サポートできる体制を創り上げるのが大切なのかもしれな
いと考えるようになってきました。

その視点から20歳代前半の息子たちを見ていると、テレビなどは地上
波やBSを見るのではなく、インターネット中継で自分の好きな番組を
見ています。

今の社会はまだマスコミの力が強大なので、私たちは洗脳され、マイ
ンドコントロールされているように思えますが、子どもたちの時代に
なるとマスコミを通じてのマインドコントロールはかなり難しくなる
ように思います。

飛行機や新幹線のチケットの予約もスマホでできるようになっており、
チケットレスで発券もしません。経費の精算もWEB領収書を自分でダ
ウンロードしたものを使っていますが、思えば便利な時代になったも
のです。アメリカや中国などでは店に入って好きなものを勝手に持っ
て帰ってきても、生体認証を使って自動的に精算できる小売店の実験
も始まっているようです。

後は、根強いお金の概念さえ変えることができれば、モノを所有する
とか売買するということをほとんど意識しないような世の中もやって
くるのかもしれません。

数学者の新井紀子さんが書かれた、『AI vs. 教科書が読めない子
どもたち』(東洋経済新報社)
を読んでいると、AIはコンピュータと
いう計算機を使ってやることなので、数学的な限界がある。だから、
シンギュラリティ(特異点、いろいろな概念があるようですが私は
AIが自分よりも優秀なAIを創造できるようになることだと捉えていま
す)は絶対に起こらないと書かれていました。なぜなら、数学ができ
るのは論理、確率、統計だけであり、実際にビッグデータの活用など
の実用分野で使えるのはその中でも確率と統計だけだからだというの
です。


したがってその手法には限界があり、たとえば入試問題でいうとMA
RCH(明治、青学、立教、中央、法政)や関関同立(関学、関大、
同志社、立命館)などの「私立大学の雄」のレベルなら東ロボ君
(AIで東大合格を目指すプロジェクト)はすでにクリアしているが、
確率や統計の応用だけでは太刀打ちできない東大レベルの問題は解
けません。だから、実験は有益ではあるが(東大に合格するという
意味では)失敗だったと結論づけているのです。

そこで、この見解を知り合いのAI研究者にぶつけてみたところ、
確率・統計の一般化を図ればいいので、難しい問題ではあるが挑戦
している研究者は彼を含めて存在しているということを教えてくれ
ました。数学の概念を変えるぐらいの試みになる可能性があるよう
なのですが、多くの科学者はやはりこの世は数学で説明できるとい
うことに確信を持っているようで、そのための方法論を日々研究し
ているのだと胸を張っていました。このような研究者が存在する限
り、私はシンギュラリティがやはり起こるのではないかと期待して
います。

次世代のコンピュータと言われる「量子コンピュータ」はまだ定義が
はっきりしていないようですが、今までのゼロとイチだけですべてを
表現するノイマン型のコンピュータとは違う世界をつくっていくこと
は間違いないでしょう。そして、これに哲学や宗教で議論されている
本質に迫る手法を加味していけば、この問題はクリアできるのではな
いかというのが、友人の見解でした。

私たちがその理屈を理解する必要はないのですが、囚われず無心にな
ることはとても大切なことなので、以前少しご紹介した清水義久先生
『包み込みの幸福論』(徳間書店)などを参考にしながら、引き続
き正しい人間の在り方を探求していきたいと思っています。

正しい人間の在り方を探求していく上で、考えさせられる本に出会い
ました。吉野安基良(あきら)著『グレートシャーマン』(たま出版)
です。

2011年に出版された本で、物語の設定は最初にリオで地球サミットが
行われた1992年になっています。日本のNGO代表で地球サミットに
参加した筆者がアマゾンのシャーマンたちと親しくなり、その後、
アマゾンの叡智を日本にもたらす過程で起きるさまざまなトラブルを、
世界中の感性の高い人たちと解決していく物語になっています。

どこまでが自叙伝的なノンフィクションで、どこまでが物語なのかは
判然としませんが、現代の便利な社会を生きている私たちに大きな問
題提起をしている秀作であることは間違いないでしょう。正直に言う
と本書は私にとってそれほど得意な分野ではなく、自分から手に取る
ことはないと思います。筆者の吉野さんが中心となってフェアトレー
ドの精神で販売されている「コパイバマリマリ」を販売するための対
談を、吉野さんの会社の監査役を引き受けておられる不食の弁護士
秋山佳胤先生とさせていただいたことがきっかけで同書を知りました。
そして、その内容に深く感動しているのです。

対談は、秋山先生と商品の輸入元である株式会社サポートジャングル
クラブの社長で吉野さんの息子さんである吉野朝(あさひ)社長の
三人でさせていただきました。朝社長は、幼少期をアマゾンのジャン
グルで過ごされたそうです。秋山先生も何回かそこまで行かれたそう
ですが、日本から行けば現地に到着するだけで1週間ぐらいかかると
いう場所だそうで、冒頭に書いたような便利な都会暮らしになれた私
などは、とても生きていけない場所だろうことが想像できます。

でも、たった500年前にスペインによって滅ぼされたインカ文明の叡智
が、そこにはまだたしかに残っていて、いまそれが復活するタイミング
が来ているのかもしれないという予感を抱かせてくれる本でした。
人間の本性を思い出すとはどういうことか、いずれ秋山先生にご紹介
いただいて吉野安基良さんにお会いできる日を楽しみにしています。


この素晴らしき 「気」の世界

 にんげんクラブの会報誌としては珍しく、先月は相場の急落の話題を
書かせていただきました。
その後、急落の流れは一旦収まったように思えたのですが、トランプ大
統領の貿易戦争を連想させる発言や、円高ドル安が続いていることなど
から相場は2番底を形成できず、どうも下げ止まるきっかけを失ってい
るようです。皆さまがこの会報誌を読まれる頃には、もしかすると久々
の2万円割れが実現しているかもしれません。

 ただ、私は実際に自分では投機として株式を買っていないこともあっ
て、評論家的な意見で申し訳ないのですが、2万円を割ってもまったく
問題はないと思っています。大きな流れで見ると3万円~4万円に上げて
いく途中経過だと感じられるからです。朝倉慶先生の『株の暴騰が
始まった!』(幻冬舎)
という本が出版されました。全面的に賛成と
いうわけではありませんが、そろそろ日本もバブル崩壊の記憶から立
ち直らなければいけないタイミングであるという点には大いに賛成し
ているのです。

 理想は円高で株高が実現することですが、そのためには日本経済は
実はそんなに悪くないということを多くの人が実感することが大事な
のではないかと思います。景気はまさしく「気」がつくるもの。景気
がいいと多くの人が思えば、景気は良くなります。清貧よりは清富の
思想を持つ人が多くなれば、自然と景気は良くなり株価は上がるので
す。円高とは日本の力が強くなることですから、海外で利益を出して
いる大企業には痛手かもしれませんが、力があるのが大企業なのです
から、それはしっかりと企業努力で乗り越えていただければいいので
はないでしょうか。

 お金は何にでも変化するという意味では「幻想」であると言えます。
そして、今のお金というのは実は誰かの借金でできていて、みんなが
景気が悪いと思っているために借金をする人がおらず、仕方がないから
政府が一生懸命借金をしてくれているという状態にあります。今はその
乱高下ばかりが話題になっているビットコインなどの暗号通貨ですが、
中央銀行制度によって借金でお金をつくり出す経済の、明らかに先を
行っている制度なので、社会を変革するポテンシャルを持っていること
は確かだと思います。

 ところで、先月本当は、清水義久先生の『包み込みの幸福論』
(徳間書店)
のことをしっかりご紹介しようと思っていたのですが、
相場やAI(人工知能)の話、それに本田健さんが見ているあっさり
実現する素晴らしい理想的な世の中の話が中心になってしまい、詳し
く触れられないままに終わってしまいました。だからというわけでは
ありませんが、清水先生が2016年に出版された『この素晴らしき「気」
の世界』(風雲舎)
のことを今回は取り上げてみたいと思います。

   

 経済ですら「気」がつくっていることなど、自分の分野に照らし合わ
せてみると、気を使いこなせれば、達人になることは間違いないと思い
ます。

清水先生や矢山利彦先生は、それができるから大きな役割を果たされて
いるのだと思いますし、亡くなった父もそうだったのでしょう。

 『包み込みの幸福論』を読んでびっくりしたのは、清水先生が父以上
に舩井幸雄の真髄を理解されていて、それを分かりやすい言葉で表現さ
れていることです。

 「包み込み」は父の思想を理解する上で大切なキーワードですが、
実はかなり分かりにくい、まるで禅問答のような世界観を表しています。
「包み込み」は悪くとると「いい加減」ということにもなり、実際に
父が紹介している本物の人や商品の中には、いつの間にかなくなってし
まったり、極端な例で言うと逮捕されてしまった人までいるほどです。

 父は、どんな人にもいいところがあり、そのいいところと付き合えば
いいのだという考え方を持っていました。そして、世の中の流れの中で
悪者にされてしまって不幸な結末を迎えることになる人や商品であって
も、本当の意味でみんながいいところを受け入れれば、長所伸展法が
作用して本物になっていくのだという考えだったのです。

 正直に言うと、私はそこまでの自信はないので、ややこしさを感じる
人やモノには近づかないようにしています。その結果、安心ではありま
すが、面白みにはどうしても欠けるかもしれません。

 清水先生は、気功法からスタートして、道教、仏教、古神道をマスター
し、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンズー教、ゾロアスター教
などの秘教的な部分を調べ上げ、神智学、人智学、数秘術、西洋魔術、
各種占星術に精通しているということを、『この素晴らしき「気」の世
界』清水義久(語り)・山崎佐弓(聞き書き)
の中で天外伺朗先生が
紹介されています。そんな魔法学校の校長先生のような存在である清水
先生にかかれば、舩井幸雄の本質も見事に分かりやすく解説できると
いうことです。

 同書を読んでいるうちに、私もしばらく清水先生の気功教室に通えば、
たとえ怪しい本物であっても、いいところだけを取り上げられるように
なるだろうかと考えるようになりました。そして、なぜ清水先生がここ
まで舩井幸雄から教えを受けたことをPRしてくださるのかも、初めて分
かりました。実は内心、こんなに父の思想を理解されているのに、父か
ら清水義久という名前を聞いた覚えがないことがとても不思議だったの
です。

 以下は、同書の(はじめに)からの引用です。これを読んで謎が氷解
しました。


(引用開始)
 いまから二十数年前に、群馬で、船井幸雄先生に触発された人たちが
自然発生的に集まって「近未来研究会」というグループができた。
ぼくもその運営に関わった。当時、船井先生の著書に紹介された方々を
講師として招き、講演会を開催し、五年ほど活動していた。
ぼくたちはその活動を、見えない気の世界を通した「最先端の科学」と
呼んではいたが、世間的にはまだ認知されていない分野が多く、オカルト
的と陰口をたたかれた。

 船井幸雄先生はじめ、工学者の政木和三先生、フーチの古村豊治先生、
サイ科学の関英夫先生、速読の植原紘治先生、宇宙の法則の知花敏彦
先生、ノストラダムスの予言の池田邦吉先生、新体道の青木宏之先生、
「あの世の科学」の天外伺朗先生など二十名近くの講師を招き、気功は
矢山利彦先生の指導のもとに毎年開催された。

 船井先生は表にこそ顔を出さなかったが、先生そのものが超能力者で
あり、先生の存在自体が本物の証だった。先生がある人やある会社を
本物だとして本に紹介するときは、先生ご自身がほとんど自分でその人
の能力が出せたときだった。本当の意味で、その人を包み込んでしまい、
その能力を得ていた。先生は、クリエイティブなものを創る発想には、
霊的な能力と日常生活の理性を合わせた「ダブル・コンピューター」で
いかないといけない、とぼくたちに仕込んでくれた。ぼくたちは今でも
船井先生から受け取って真似しているところが多い。

(引用終了)


 群馬といえば、植原紘治先生の地元です。にんげんクラブの櫻井本子
さんからこの著書をご紹介いただきました。
20年前に群馬にそんな研究会があったことはまったく知りませんでした。
講師の顔ぶれを見ると、父以上に深く研究されて、しかもこの世の理を
理解するポイントとも言える気功をものにされているのですから、父の
真髄を理解していただけるのも頷けます。

 清水先生が書かれているように、父の特技は他人の優れた能力をあっ
という間に真似して自分の能力にしてしまえることでした。自分で使え
るようになって試しているから、たとえ世間から見て怪しげに思えるこ
とでもあれほどの自信が持てたのでしょう。

 そんな清水義久先生の「舩井フォーラム ザ・ファイナル」での講演
テーマは「人はいつか神になる」。まさしく父が目指していた世界を、
父の能力を全部使いこなせるようになられた清水先生からお聞きできる
ことがとても楽しみです。父でさえ気づかなかった市井の舩井幸雄研究
家が、ザ・ファイナルに登場してくださるのは、本当に素晴らしくあり
がたいことだと感謝しています。


包み込みの幸福論

 
 この原稿は、日経平均が1072円下がった翌日の2月7日に書いています。
まだ9時になっていないので、今日の相場がどうなるかは分かりませんが、
昨日のニューヨークでは567ドルもの上げを記録しており、今日はかなり
高騰することは間違いないでしょう。昨日のアメリカの相場は朝方には
一時的に567ドル下げていたそうで、猛烈に大きな変動率になったようで
す。

 このように変動率が大きくなった原因は、昨今では取引の大半がコン
ピュータを使った自動取引になっているからのようです。ある一定以上の
下げを記録すれば自動的にすべて売りの指示を出すように、また、「危険
指数」と呼ばれる、変動率を基に計算される指数がある一定以上になると
自動的に売却するようにプログラムされていて、人間が取引をするよりも
乱高下の幅が大きくなるというのです。

 今、ガルリ・カスパロフ著『DEEP THINKING 人工知能の思考を読む』
(日経BP社)
を読んでいます。著者は1963年に旧ソ連のアゼルバイジャ
ンで生まれた史上最強と謳われたチェスプレーヤーです。1996年と1997
年にIBMのスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」と対戦したのです
が、この対戦がAI(人工知能)が人間のトッププレーヤーを初めて破った
画期的な出来事として記憶と記録に残っています。

 著者は、黎明期でお話にもならないところから、トッププレーヤーと
いえどもまったく歯が立たなくなった近年の状況まで、チェスの分野で
のAIの発展過程に大きく関与しています。まだ半分程度しか読み進めて
いないのですが、例えば相場取引の分野でAIがどのように発展していく
かということを考察しようとするときにとても参考になります。

 おそらく相場で使われている今のAIのレベルは、1996年に初めて持
ち時間の長い公式戦で、ディープ・ブルーが世界チャンピオンであった
カスパロフ氏を破ったレベルなのだと思います。ただ、これから目覚ま
しい発展を遂げていくのは間違いなく、早晩今回のような乱高下はしな
くなるようになるのかもしれないということが予想されます。そうこう
しているうちに9時を過ぎて、日経平均の寄り付きは前日比391円高で
スタートし、9時10分現在では665円高を付けています。少し前まで私は、
相場の乱高下は変動率が高いほうが儲かる人たちがわざとつくっている
と考えていて、もちろん少しぐらいはその要素もあるかもしれませんが、
実は大半の原因は未熟なAIによる自動取引によって引き起こされている
過渡期的な問題のようです。

 AIの進歩は加速度的に速くなっているので、今年の秋ぐらいになると
このような乱高下はなくなり、そういう面では、今までの考え方でいくと
起こる可能性が高い金融恐慌的な動きが、AIのおかげで回避される可能性
もあるのではないかと感じています。

 にんげんクラブの会報誌ではあまり触れませんが、舩井メールクラブ
舩井幸雄.comの原稿では相場の動きを論評することが多くなりました。
いつも言い訳を書かせてもらっているのですが、自分では株式相場で失敗
することが多いのですが、だからこそ客観的に見えるようになってきて、
どうも相場の流れが感じられるようになってきました。

 トランプ大統領のメチャクチャな戦略にもかかわらず、残念ながら今回
のような世界経済の大きな流れを変える力があるのはアメリカだけで、そ
れゆえ昨日あたりにアメリカで流れが反転すると予想していたのですが、
その通りになって少し自己満足しています。

 ただ、まだ今のレベルは人間が想像できる程度ですが、これからの相場
の流れは間違いなくAIがつくっていくことになるので、後半年もすると
まったく未知の領域に行ってしまうような予感もします。

 お金が儲かるという意味では、金融分野に一番多くのお金が投資される
のは間違いないので、チェスの世界で20年かけて発展してきた流れも、
多分半年ぐらいで実現してしまうのではないかと思います。

 では、そんな予測の難しい時代に、私たちはどのように対処すればいい
のでしょうか。

 「舩井フォーラム ザ・ファイナル」に出演してくださる本田健さんと
『ザ・フナイ』での巻頭対談のために、先日、健さんの事務所を初めて
訪問させていただきました。健さんと親しくなったのは日本一の個人投資
家と呼ばれていた故・竹田和平さんのご縁だったのですが、和平さんは平
成の花咲じいさんとも呼ばれていて、自分と同じ日(2月4日)に生まれた
赤ちゃんに無料で金のメダルを配っておられました。

 健さんは金は配られませんが、作家でいらっしゃることにちなんで高級
なボールペンを配っておられます。それも100種類の名言が入っている
スペシャルなもので、何度会っても配ってくださるので、健さんに会う度
に名言が増えていくことになります。健さんは、それを楽しみに人が会い
に来てくれればいいと思っているというのですから感服してしまいます。

 ちなみに私が頂いた名言は「自由に生きよう!」というもので、
「当面の私の目標ですね」と言うと、「大体できていることが出てくる
のですよ」という気配りまで頂いて本当にすごい方だなとあらためてびっ
くりしました。

 ミリオンセラーになった『ユダヤ人大富豪の教え』をはじめとして、
出版された本の合計部数が750万部を超えた大ベストセラー作家の貴重な
時間を頂けたことに感激しています。今から、舩井フォーラムでの健さん
のお話が楽しみですし、5月12日から22日まで、なんと健さんと行くイス
ラエル旅行
を企画していますので、ピンと来た方は資料を取り寄せてみら
れてはいかがでしょうか。

 ところで、対談の内容なのですが、私はあらためて『ユダヤ人大富豪の
教え』
を読んで行ったこともあり、お金の話について突っ込んでお聞きし
ようと思っていたのですが、私の質問にはちゃんと答えてくださるものの、
どうも健さんの興味はそんなところにはないようでした。

 お金持ちになるには、自分の好きなことを見つけて楽しみながら喜びな
がら仕事をしていけばいい。誰かを幸せにした分だけ頂けるのがお金とい
うエネルギーなので、まず自分が喜んで、それをアマチュアのレベルでは
なくプロのレベルで行って、喜んでもらえる量を増やせばいいというお話
でした。

 アマチュアからプロになるためにはメンターを見つけて教えてもらえば
いい。ただし、中には反面教師にしかならないダメンターもいるので、そ
れには気を付けてくださいという内容でしたが、それはすべて『ユダヤ人
大富豪の教え』に書いてあることでした。

 健さんが今一番やりたいことは「Happy Money」という考え方を広めて
いって、お金をもらうときも感謝で幸せ、お金を払うときにも幸せな気分
で払うようにすれば、2030年ぐらいには世の中はメチャクチャ良くなると
いうことを、広めていこうというものなのです。

 私は理屈で2020年までは何とか乗り切れるかもしれないが、その後は
間違いなく金融恐慌が来ると言ってきたのですが、健さんにかかると
2030年にはハッピーが実現しているのだから、そこから時間を引き戻し
てくればそれでいいんだよと簡単に教えてくださったのです。そのお話
を聞いた私は、どうもこれがAI時代の人間がやるべきことだと感じまし
た。

 にんげんクラブのセミナーから生まれた清水義久著『包み込みの幸福論
だから、未来は変えられる!』(徳間書店)
がベストセラーになっていま
す。清水先生は舩井幸雄からすべての世界に道が開ける「よい人間になり
ます。ありがとうございました」という真言を教わったという話を書かれ
ています。気功という観点から書かれたシンプルな本物の幸福論を、清水
先生の気功の師匠でもある矢山利彦先生と一緒に4月21日(土)の「舩井
フォーラム ザ・ファイナル」
でお話しいただくことになっています。

 やっぱり、最後の舩井フォーラムは見逃せないと思うのですが、
いかがですか?

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北朝鮮

年初に副島隆彦先生からお電話をいただきました。仕事の打ち合わせが
済んだあと、先生がいま一番興味を持っている「霊魂と物理学の関係」
や「ユダヤ(イスラエル)問題」についてのお話を楽しく聞かせていた
だきました。

私も周藤丞冶さんの『いざ高次元世界へ 精神文明の夜明けに』
(きれい・ねっと)
を通じて、物理学がこの世の構造をかなりの部分で
解き明かしていることが分かってきましたし、イスラエルは赤塚高仁さ
んのおかげでかなり得意分野になりました。

3月には赤塚さんと共著で、ホロコースト関係の翻訳本をきれい・ねっと
から出す予定になっています。ボールはきれい・ねっとの山内尚子社長
に投げてある状態なのですが、かなりヘビーな内容なので、山内さんの
編集能力がどのように発揮されるのか楽しみにしています。さらに、5月
には「本田健・久米小百合(久保田早紀)と行く 遥かなるイスラエル
への旅」
を企画しており、イスラエルを通じて日本のことがより明快に
見えてくることと思います。

お正月休みにチック・シセロ、サンドラ・タバサ・シセロ著『現代魔術
の源流【黄金の夜明け団】入門』(ヒカルランド)
という大著を読ませ
ていただきました。西洋のオカルト的な考え方の源流になっている、西
暦1900年前後にイギリスに存在した「黄金の夜明け団」の奥義について
書かれたもので、西洋的なオカルトの入門編としてはとても分かりやす
い本だと思いました。

その中でも特に興味を引いたのが、ほとんどの源流がユダヤの密教とも
言えるカバラに行き付くということがあらためて理解できたことです。

それで思い出したのが、何年か前、それほど親しくしていたわけではな
いのですが、一緒にあるワークショップを受けたことがあるスピリチュ
アルなことにとても造詣が深いステキな女性と話をしていた時のことで
す。彼女が突然、天皇家に伝わる「十種の神宝(とくさのかんだから)」
と「カバラ」が分かれば、世界が征服できる」という話をしてくれたの
です。

一緒に受けたワークショップでは、相手のエネルギー体をお互いに見合
うというワークをしました。見知らぬ人と数十センチの距離で向き合い、
相手の目を見つめ合いながらその奥底を見るというワークだったのです
が、私はちょっと脱線してしまって、その時だけですし思い過ごしだと
は思いますが、相手の前世が見えるようになったのです。そして、他の
人のことはあいまいだったのですが、どうもそのステキな女性は「アグ
リッパ」という魔術師だということを確信をもって認識してしまい、そ
れを相手に伝えたらとてもびっくりされていました。


ウィキペディアで調べてみると、16世紀のドイツにハインリヒ・コルネ
リウス・アグリッパという魔術師がいて、カバラの研究をしていたよう
です。カバラに興味を持った私は、すぐに本を何冊か取り寄せてみたの
ですが、とてもついていくことができず、早々に諦めてしまったことが
あります。

それが『【黄金の夜明け団】入門』を読んだいまなら、もしかすると理
解できるかもしれないと思うのです。「遥かなるイスラエルへの旅」で
は、カバラの叡智を知るプログラムも入れたいと思っているので、現地
で学び感じることができることがとても楽しみです。

もちろん、副島先生はカバラではなく、学術的にパレスチナがどのよう
な意味を持つかについての考察を進められていて、この会報誌が出る頃
には書店で販売されているであろう『ザ・フナイ』の3月号にその論考
を載せていただいています。この原稿を執筆時点ではまだ読んでいない
のですが、とても楽しみにしています。

そして、そんな長い電話がそろそろ終わろうとした時、副島先生が
「最後にひとつ聞きたいことがある。勝仁さんは私が断言している4月
にアメリカが北朝鮮を攻撃するということに対してどのような意見を
持っているのか」とおっしゃいました。予期せぬ質問に驚いたのですが、
実は年末年始に書いた「今年はどんな1年になるか」というテーマの文
章で、北朝鮮のことを触れないわけにはいかなかったので、関連する
本をかなり読みました。

結論から言うと、本の情報だけではよく分かりませんでした。ただ、
ひとつだけ、お正月中や平昌オリンピックの前に攻撃することはない
だろうと思ったのは、昨年末、広島の呉で行われた赤塚さんの「ヤマ
ト人への手紙」出版記念講演会に友情出演した際に、見せていただい
た呉の海上自衛隊の基地には、まったくと言っていいほど緊張感がな
かったのです。実際に呉の海上自衛隊のナンバー2に当たる幕僚長とも
お話させていただいた上での一次情報だったので、副島先生も納得さ
れたのではないかと思います。

その時の電話はそれで済んだのですが、実際に4月に攻撃があるかどう
かは、未だに私には理解できていません。しかし、アメリカ軍の情報は
かなりの程度、自衛隊には伝わっていると思うので、もし半年以内に
真剣に攻撃が予定されているのなら、年末休暇に入っていたということ
があるにしても、もう少しは緊張感があるのではないかと感じました。
それを言うと副島先生の意見に異を唱えることになってしまいますが、
正直なところはそう感じています。

いまのところは、それ後に読んだ米ハドソン研究所主席研究員の日高
義樹氏が昨年末に出された『米朝密約 なぜいま憲法改正、核装備か』
(徳間書店)
の意見が一番確からしいと思っています。日高氏は元
NHKの米国総局長でアメリカ在住50年のベテランジャーナリストであ
り、外交軍事の専門家でもあります。アメリカの、特に共和党系の有
力者とのつながりが深く、NHK退社後も定期的に民放で名前を冠され
た報道番組をお持ちで、参考にさせていただていました。

ただ、参考にしつつもこれまでは何となく日高氏の論調に抵抗感を
持っていたのですが、今回のご著書での意見は納得できるものがあり
ました。詳しくは同書を読んでいただきたいと思いますが、簡単に言
うと、アメリカも中国も核保有国になった北朝鮮を韓国や日本に大き
な被害を出さずに攻撃する能力はなく、アメリカの世論もアメリカに
大きな被害が出るような攻撃は支持しないので、アメリカは北朝鮮を
攻撃することはできない。

逆に、北朝鮮経済は一般に言われているほど悪くはない。また、韓国に
比べてはるかに軍事大国になっていて、世界史の常識では経済大国は
軍事大国にはかなわないので、このまま放っておくと、北朝鮮主導で
朝鮮半島が統一されることになる。それを避けるためには日本が核武装
するしか手はない、というものです。

後半はともかく、前半はかなり納得させられる論調で、すでに北朝鮮の
戦力はアメリカをしても攻撃できるレベルを超えてしまっており、共和
党などのアメリカの保守派は、日本に憲法改正をして核武装を迫ること
になるという論調が日々高まっているという、現場の声をレポートして
くれている内容になっています。

アメリカの国力が軍事力やトランプ大統領という異例のリーダーを擁し
ていることで、相対的にはかなり弱くなってきていて、日本もいつまで
もアメリカの核の傘に頼っていられる状態ではないということが伝わっ
てきました。表面的には今年中の軍事行動はないという結論ですが、
日本が核武装しなければならない状態というのは、かなりの切迫した状
態ということになり、その線で国論をまとめる能力があるのかは、かな
り疑問だと思います。

大変な時代になってきました。包み込み力を大切にし、一緒に平和のた
めに祈ることがミッションになってきている、にんげんクラブの役割が
いよいよ大きくなってきているように感じています。


金運アップ

 2015年に、故・竹田和平さんと小川雅弘さんと私の3人の鼎談を
『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(ヒカル
ランド)という本にしました。経営者、投資家として大成功した
和平さんの秘密を小川さんと二人で根掘り葉掘り聞いた、とても
いい本です。

今、読み返しても大変参考になることが大いにありますし、何より
も和平さんの相場の見方が当たっているからびっくりします。

 和平さんは本の中で、株価のピークは2020年から2021年頃で、
日経平均で言うと4万円ぐらいになっているだろうという話をして
います。

この本が出た後は、少し株価が低迷しましたし、小川さんのメンター
である村中愛さんが伝えてくれるメシアメジャーのメッセージによる
と2017年は「経済の年」とのことで、リーマンショックのような経済
の大波乱が予想されていたこともあり、さすがの和平さんも外すのか
なと思っていたのですが、皆さまがメシアメジャーのメッセージを
真剣に受け止め、熱心に祈ってくださったおかげもあってか、2017年
中の経済の大混乱は免れたような気がします。

 さらに、日経平均は一時的に2万3000円台を付け、年末の株価も
2万3000円前後で終わるのではないかと思います(本原稿は2017年
12月中旬に書いています)。北朝鮮問題や、アメリカがエルサレム
をイスラエルの首都と認めて大使館をテルアビブから移転すると発表
したことでかなり不穏な雰囲気になってきた中東情勢がどうなるかと
いった地政学的な問題はありますが、基本的には2018年は、景気は
拡大基調で推移するのではないかと思っています。おそらく、来年の
日経平均の高値は2万5000円から、ことによっては2万7000円ぐらい
を付ける可能性もあるのではないでしょうか。

 そして、次に経済の問題が起こる可能性が高い2019年をうまく乗り
切ることができれば、和平さんが言う4万円台という数字も現実味を
帯びてくる可能性があるように思えます。ちなみに、アメリカの株価
はトランプ大統領の強い意志で、冗談ではなく多分4万ドルまでは行く
のではないかと考えられます。したがって、リスクをとっても平気だ
という方は、アップル、グーグル、フェイスブック、それにアマゾン
の4強の株を中心に、アメリカ市場に投資することを検討されてもよい
かと思います。

 ただ、この流れはやはりバブルだと思うので、2021年頃から景気が
悪くなり始め、株価も暴落していく可能性が極めて高いことも、あわ
せてお知らせしておきたいと思います。山が高ければ高いほど、谷は
深くなります。特に、アメリカ株はバブルの頃の日本と同じような
傾向があるように思えるので、逃げ時が大切だと思います。
私は、和平さんの意見と違って、日本株は3万円にまではならない方
が、むしろよいのではないかと考えています。

 投資は自己責任でお願いしたいと思いますが、日本一の個人投資家
であった和平さんのノウハウをコンパクトに余すことなく聞き出せた
自信はありますので、よろしければ『まろUP!』の本を改めてお読み
いただき、投資の世界に興味を持っていただければと思います。
和平さんが危惧していたように、2021年に金融的な大恐慌が起これば、
現金が紙くずになる可能性もあります。銀行の預貯金しか持っていない
状態も危ないということになるので、今は長期投資という健全なスタ
イルの投資を始めてみるいい機会ではないかと思うのです。

 さて、今回は株価の予想や投資を進めるために巻頭言を書き始めた
わけではありません。この本の中で語られている和平さんの名言を
紹介したかったのです。本を買って読んでいただきたいところですが、
出版から2年経っているので大サービスで肝の部分を紹介させていた
だきたいと思います。

 
「お金の本質は愛なんだよね」

「お金は何にでも変化できるという意味で本当はまぼろしだと思って
いるんだけど、確かに愛の光をストレートに表現できる大変優れた
ツールですね」

「お金の力で倒産することもあるし、それで命を失う人もいるからね。
基本的には与えたものが受け取るものという因果応報の天則が働いて
いるんです。人から奪うと一旦は儲かった気がするけど、結局は奪わ
れてしまうんだよね。お金がストレートだから奪い合うと憎悪の光に
なるけど、与え合うと愛の光になるんだよね」

「お金のことばかり考えていると疲れちゃうからね。お金ができたら
趣味のことを考えたり、社会貢献を考えたり、投資を忘れることが
あるような投資家が長続きしているよね」

「いくら儲けても幸せにならないと意味ないがね。金儲けて体壊したり、
人間関係が悪くなったりしたら意味がない。そのためには、精神性を
上げて道を究めていく姿勢が必要ですね。如何に徳をつけるか、つまり
世のため人のために喜ばれることを如何にしていくか、ちょっと応用編
だけど、その徳も陰徳じゃなきゃダメなんだよね。寄付をする時は名前
を言わずに隠れてする。いいことは誰も見ていない所でするもんなんで
すよね」

「5年後に財政破綻が現実味を帯びてくるような時代だから、現金を
持っていても安全とは限らないという難しい環境を生き抜かなくては
いけない。何度も言うけど、インフレは国にとって最終手段で、もう
それを使うしか方法はないというところに追い込まれる可能性が非常
に高いからね。僕は子どもの頃、その世界を実際に体験して本当に
ひどい生活を何年も送らなければならなかった。
だから、次の章で話す、純金への投資も保険としては必要だけど、
小川さんを通じて百尊家宝を買ってほしいけど、株も実は現物資産
なんだよね。
だから、十分ヘッジ資産になる。お金、現金はまぼろしなんだよ、
本当は。株は生活に密着した企業行動に基づいて発行されているの
だから実は現金よりもよっぽど実物資産なんだよね」

「私の考えが正しければ、バブル崩壊までまだ5年あります。株価も
多分2倍ぐらいにはなります。ギリギリまで粘っていたら危ないから、
3、4年間(2015年の鼎談ですからいまからなら1、2年間)は、日経
平均で言って30000円を少し超えるところぐらいまでは投資の世界に
入るチャンスだと思いますので、ぜひ智徳志士の会にも入ってもらっ
て、「まろUP!」の投資家の道を探ってもらえればと思います。
投資の話はやっぱり面白かったな。舩井さん、小川さん、
どうもありがとう」

 和平さんが楽しくお金や投資の極意を語ってくれているのがよく
分かりますね。欧米で主流の(強欲)金融資本主義の特徴は信じられ
ないほど多くのお金を稼げますが、楽しくなく、やがては体や精神を
壊してしまいます。それに比べて、和平さんの投資は明るくて、
ご本人が一番楽しまれていたのです。

 さらに、小川さんが、和平さんはお金に好かれていて、投資に関し
ては超自然的な見えない力に確実に守られていたことを見事に聞き出
してくれています。お金はストレートな素晴らしいエネルギーなので、
目に見えない存在の力を借りることができれば、本人のバランスが
崩れない限り必ずうまくいくようになっているのです。

 最近、村中さんと小川さんの本、『シリウス:プレアデス直系 
メシアメジャーが語った 知って備えるべき未来《超緊急警告編》』
(ヒカルランド)
を読んでいて、メシアメジャーや村中愛さんが人気
があるのは、やっぱりお金儲けに強くて、しかもそのお金儲けが楽し
く愛の実践につながるようになっているからなのだということに気が
つきました。

 村中さんと小川さんの講演会に行くと誰でも1兆円は持っていると
いう宇宙銀行の暗証番号が分かるヒントを教えてくれます。小川さん
自身も含めて、暗証番号が解けると、お金が入ったり妊娠したり、
人生の大きな希望が叶った話がたくさん紹介されています。このとき
に、疑り深くそんなことはあり得ないと考えている人は決して宇宙銀
行からお金を下ろすことはできないのですが、単純に喜べる人はちょう
ど必要なタイミングで必要な金額が手に入るようになっているそうです。

 宇宙銀行と言えば、『生命の暗号』(サンマーク文庫)の村上和雄
先生が主人公の、白鳥哲監督の映画『祈り』の中で、村上先生が少年の
頃におばあ様から宇宙銀行への貯金の話を聞いているシーンが出てくる
ことを思い出します。

 筑波大学の村上先生のチームが人の遺伝子の暗号を世界に先駆けて
解読する作業をしているときに、フランスの世界的な研究所も同じよう
な作業に取り組んでいて、あちらの方がかなり先んじているという情報
をキャッチしました。敵情視察に向かったフランスで思ったよりも差が
開いていることにがっかりした村上先生は、帰りに立ち寄ったドイツで
京大の先輩科学者に愚痴をこぼすと、フランスなんかに負けるな! 
京大も全面的に協力するから、世界で最初に人の遺伝子の暗号の解読を
成功させようと盛り上がり、村上先生はこのときに宇宙銀行から預金が
下ろせるということを実感されたそうです。

 そして、実際に世界で最初に村上先生のチームが人の遺伝子の暗号
を解読したので、村上先生はノーベル賞の候補にもなったことがある
というのです。宇宙銀行は素晴らしいですね。

 実は、これにはちょっとしたこぼれ話があって、私がまだ30歳ぐらい
の頃、村上先生と父が船井総研の主催で全国を回って講演するという
企画がありました。私はその本部の責任者をしていたので、確か新潟
だったと思うのですが、村上先生と二人で話す機会がありました。

 そのとき、まだ若造だった私に向かって「私の科学界でのキャリア
を考えると、舩井さんと付き合うのは得策ではないんだ。舩井さんと
付き合わなかったら、もしかするとノーベル賞も取れるかもしれない。
でも、いくら科学の世界で有名になっても、私が本当に伝えたいこと
は受け入れてもらえないんだよ。ところが、舩井さんを通じて一般の
人になら伝わることに気がついてしまったんだ。だから、私はノーベル
賞よりも本当のことをより多くの人に伝えることを選んだんだよ」と
本音を教えてくれたのです。

 村上先生がノーベル賞を犠牲にしてまで私たちに伝えてくれた本当
のこと。大事にしなければならないですよね。そして、実は小川さん
も村上先生と同じく、経営者としての栄光を投げ打って、世のため人
のための活動を選んでいます。2018年は、ちょっと大変だとは思いま
すが、そんな小川さんに付いて行ってみようと思います。灯台下暗し
で、新しい世の中を創っていくための一番大切なものが見つかりそう
な気がするのです。

 それに、超一流の経営者である小川さんと一緒にいると、間違いなく
お金に好かれます。お金のストレートなエネルギーを愛の光で使いこな
したい人は、ぜひ小川さんや村中さんの講演やイベントに足を運んでみ
てください。本当の幸せが近づいてくることは間違いないと思います。

いきるをつくる

 出路雅明(でみちまさあき)さんの『ちょっとアホ理論』(現代書林)
に出会ったのは2009年のことです。この本は2006年に出されているので
10年以上前ということになりますが、これほど衝撃を受けたビジネス本
は他にはなく、おそらく私の中のベストビジネス本は生涯これで決まり
だと思っています。

 ちょっと長い引用になりますが、2010年1月6日のにんげんクラブの
ホームページで連載しているウィークリー・レポートにアップした記事
をご紹介したいと思います。私の興奮がよく伝わってくるからですが、
その時には赤塚高仁さんを通じて出路さんとこんなに親しくなってAKD
(赤塚・勝仁・出路)ライブをするほどの仲になるとは夢にも思ってい
なかったので、人生とは面白いものだということを振り返る意味でも、
どうぞご容赦ください。


 
(引用ここから)

こんにちは船井勝仁です。
あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、ありが
とうございます。本年もミロクの世を作るための活動にご理解をいただ
き、いろいろな実践活動を皆様と一緒にすすめていければと思っており
ます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

昨年の最後のブログが「アホの会」で今回が「ちょっとアホ理論」です
から、ふざけすぎかもしれませんがご容赦ください。もしかしたら、ア
ホがこの難しい時代を乗り切るキーワードかもしれないと思っています。

ヒューマンフォーラムという古着チェーン店の社長の出路雅明さんの
『ちょっとアホ!理論 倒産寸前だったのに超V字回復できちゃった!』
という本があります。

天外伺朗さんの『非常識経営の夜明け』(講談社)に紹介されていて
とても興味を持ちました。読んでいただくのがわかりやすいので、
天外さんの本から引用させていただきます。

(引用開始)
出路は、パンクロックのミュージシャンだった。その業界では、
かなり名が知られ、カリスマ的な存在だったらしい。
1993年、一念発起してワゴン車1台で古着屋を開業。仲間に恵まれ
急成長し、2001年には年商35億円、利益率14%に達した。

ところが、その成功とは裏腹に、本人は不安と不満にさいなまれる
ようになり、燃え尽き症候群を体験し、社業にまったく身が入らなく
なってしまった。

涙ながらに仲間に謝り、気を取り直して猛勉強し、ありとあらゆる
本を読み、またセミナーに出まくり、経営の改善に取り組む。
世の中で提唱されているさまざまな経営手法、マーケティング手法を、
コンサルタントの指導のもとに、片っ端から導入し始めた。

(中略)

ところが、そういうすさまじい努力をあざ笑うかのように
売り上げが落ちていった。コンセプト・ショップを開けば、業界誌など
では絶賛され、いい気になったが、売り上げはさっぱりだった。
2004年には、3億円の損失を出し、20億円の借金を抱え、
打つ手がすべて失敗したことを認めざるを得ない状況になった。

目の前に倒産の2文字がせまってきたのだ。さらに出路は、
家族の病気や本人の胃潰瘍など、同時多発的危機に見舞われた。

......もう、あかんな......。
そう思うと、出路は逆に気が楽になった。
開き直ったのだ。
そして、どうせダメなら、せめて楽しくやろう、と決心した。

(中略)

それから出路は、すべての経営学、マーケティング手法に背を向けた。
精密な経営情報システムを反故にして、経理を昔ながらの
「どんぶり勘定」に戻した。
判断基準を、自分と大切な仲間が「楽しいか? 楽しくないか?」
という一点に絞った。

このフィロソフィーを、出路は「ちょっとアホ!」と名づけた。
―「正しいか? 正しくないか?」「良いか? 悪いか?」
「〜するべきか? 〜しないべきか?」などの"常識"的な判断基準は、
「ちょっとアホ!」の天敵―

もがき苦しんだ2年間は、まさにその天敵に振り回されていたのだ。
この日から出路は、医者に禁じられていた大好きな酒を飲み始めた。
医者は激怒したが、2ヶ月後に胃潰瘍は完治。
お店も、自分たちの好きなものを仕入れて、客を巻き込んで
お祭り騒ぎで売ることを徹底。
すると業績はV字回復をしていった。

(引用終了)

私は出路社長にお会いしたことはないのですが(ノリに付いていく
自信はありませんが)、ぜひお会いしたいと思っています。
「ちょっとアホ!理論」を読んで、この厳しい時代には現場にしか
正解はない、ということが分かりました。
して、周りからどう見られるかというミエを気にしている場合ではなく、
自分の直感(楽しいか? 楽しくないか?)に素直に従うのがベストだ
と確信できるようになりました。

おかげさまで、「ちょっとアホ!理論」を読んでお正月から
とても元気になりました。

(引用ここまで)

 ヒューマンフォーラムはそれからも成長を続けたのですが、一人で
引っ張っていくことの限界を感じた出路さんは、岩崎仁志さんを社長
に任命して自分は経営に直接タッチしないことを決めました。

そうすると当然のように経営はうまくいかなくなり、売り上げは落ちて
利益も激減してしまいましたが、それでも、自分の心の中にある闇を
見るという作業を社員を巻き込みながら続けて行くことで体制を整えて
いき、創業以来2度目のV字回復を成し遂げたのです。

 出路さんにとって何より辛かったのは、実は自分自身の闇を見つめて
いく作業だったのだと思います。
それを「いきるをつくる」というコンセプトで有機農業などに取り組ん
でいるmumokuteki(無目的)というコンセプトで、新しい業態を確立
することに成功する方向に活かしていったのですから、出路さんの経営
能力は特異でありとてもまねできない凄みがあります。具体的には、
出路さんは会社に行かずに無農薬、無化学肥料で農業をするという作業
に没頭して、しかもそれをしっかりと儲けるという事業に展開して
しまったのです。

 そして、今のmumokutekiは出路さん一人の力ではなく、それぞれが
闇を見つめることで格段にレベルアップし、それぞれが「ちょっとアホ」
の時の出路さんを超えるような能力を身に付けている仲間が既成の枠を
超えて集ってきています。だから、出路さん自身の想像をも超えたシン
クロや様々な動きがドンドン起こってきて、本来のヒューマンフォーラ
ムの考え方である仲間が集い楽しいことをしながら仕事を創っていくと
いう方向へと深層レベルで動き出しているのです。

 そんな一人ひとりの能力を完全に引き出す経営の手法を、出路さんは
「エンパワー経営」と言っていました。しかし、どうもいまではそんな
コンセプトも、ヒューマンフォーラムという枠さえも超えて、それこそ
mumokutekiにみんなが好き勝手なことをすることで、それがしっかりと
同じ方向に向かって、ポスト種本主義のあり方を指し示す方向にまで動
き始めているというのが、この取り組みの真髄だと思います。

 最近、ちょっと元気がない出路さんと私の心友である赤塚高仁さんは
「無目的のコンセプトは、俺が出路に教えてやったんや」と悔しがって
いますが、実は出路流の「やまとこころ」の表現の仕方を心底喜んで
いるようです。

 赤塚さんのmumokuteki があったからこそ、これからの社会の方向性
を示す「いきるをつくる」というコンセプトが、自然に、かつしっかり
と儲けを生むレベルまで昇華していっているのだと思います。

私も負けないように、しっかりと屁理屈を駆使して、赤塚さんや出路さ
んのmumokutekiが、どうポスト資本主義につながっていくかを表現して
いきたいと思っています。原点はもちろん「ちょっとアホ」、いかにも
私たちAKDにピッタリですね。


シュタイナー思想

初めてシュタイナーのことを耳にしたのは、20年ぐらい前のこと。AI
(人工知能)の研究をしていた故・五味隆志さんからでした。五味さん
は20歳代後半から30 歳代前半の私の思想形成期に一番大きな影響を与
えてくれた恩人です。

当時のAIは今と違ってロボティックスが主体で、アメリカの軍事的な
研究開発は進んでいましたが、「何があっても防衛分野だけはやらない」
という五味さんの強い意志で進められており、その研究は本当に手探り
状態でした。社員が10人程度の中小企業でありながら、当時のAIの超一
流の研究者を東京に10人近く招いてシンポジウムを開催するなど、かな
り先端的な研究を手掛けておられました。

私も、現在でもその分野の第一人者であるMIT(マサチューセッツ工科
大学)のロドニー・ブルックス教授の研究室に同行させていただいたり
しましたし、何よりも机上の空論に終始することなく、実践することに
重きを置く素晴らしい研究者でした。当時のロボティックスの研究は、
今のようにコンピュータのアーキテクチャー(プログラムの論理的構造)
をつくるよりもバッテリーやモーターの問題が先決であり、カナダに
あった五味さんの会社の社員は必ず、まず板金を切ることから修業させ
られていたことを懐かしく思い出します。

アーキテクチャーと言えば、今ではディープラーニング(深層学習)と
いって人間がプログラムを与えるのではなくAIが自律的にプログラムを
つくっていくアーキテクチャーが大きな成果を挙げていて、AIが近い将
来私たちの生活を大きく変えることが確実な情勢になってきています。

おそらく、20~30年ぐらいすれば英語の勉強をするのは趣味や研究の
世界、今でいうとラテン語や古代エジプトの文字であるヒエログリフを
学ぶような感覚になると思います。体にウェアラブルデバイス(身に
着けて持ち歩けるコンピュータ)が自然に通訳をしてくれるようになっ
て、お互いがお互いの母国語を話してもごく自然な会話が成立するよう
になるのでしょう。

車の自動運転はもう少し早く実現して、車の運転も趣味の世界になる
と思います。

50年程度のスパンで見れば、今人間しかできないことの大半はAIや
ロボットが取って代わってくれるようになります。

赤塚高仁さんとの共著『聖なる約束3 黙示を観る旅』(きれい・ねっと)
に書いた通り、人間は労働から解放され、聖書の創世記に書かれている
エデンの園に帰っていくことができるのです。そうなれば、先の選挙で
希望の党が公約に掲げたベーシックインカムの制度もおのずから実現し、
人間は食べるための労働(「ライフワーク」をもじって「ライスワーク」
というそうです)からも解放されることでしょう。

さて、そうなってくると、人間は何のために存在するのかを問われる
ようになり、いよいよ哲学的な思考を深めていくことが求められるよう
になります。

最近少し勉強したシュタイナーの思想は、宇宙観から歴史観まで幅広く
網羅されていて、これからの時代に合った哲学的思考を深めていくため
には、ぜひ学んでおくべきものだということがよく分かりました。

シュタイナーの翻訳本や解説本はたくさんあって、あまり体系的にまと
まっていない印象があったのですが、個人的には、半田広宣、福田秀樹、
大野章共著の『シュタイナー思想とヌーソロジー』(ヒカルランド)が
(750頁を超える大著で、実はまだ読了していないのですが)とても
分かりやすいのでお勧めです。

不勉強で、ヌーソロジーという考え方はこの本で初めて知りました。
私流の解釈ですが、「時間の流れには、私たちが普段意識している
デジタル(不連続で直線的)なものと、アナログ(連続で円環的)
なものがある」ということは、最近の「舩井フォーラム」でずっと
テーマに掲げている「次元を超える」ための具体的方法論として使え
るなという感覚を持ちました。まずは、この本を読破したいと思って
います。

五味さんはシュタイナー教育にも大変興味を持たれていて、私も当時は
そのことしか分かりませんでした。子どもの自主性を極端に大事にして
いく教育方法で、海外、特にドイツにおいて大きな成果を挙げていると
いうことは分かりましたが、当時の日本の実情を考えるとなかなか難し
いのではないかと思いました。それに何より、何冊か本を読んでみたの
ですが、何を言いたいのか概念的なポイントが私にはつかめなかったの
です。

でも、不思議なことに、社会の在り方を根本的に変えてしまうインパク
トを持っていることが分かってきたAIに、20年以上前に触れさせてくだ
さった恩人が、AIとはまったく関係のない文脈でシュタイナーの存在を
教えてくれていたのです。

その後しばらくシュタイナーのことは忘れていたのですが、2011年の
東日本大震災の半年後ぐらいに、福島で講演をさせていただくことが
ありました。小川雅弘さんと新しい、にんげんクラブをつくるための
全国講演をやっていて、確か一緒にレンタカーを借りて、仙台から福島
まで回ったのです。

そのときのことを不思議とよく覚えているのは、小川さんに仙台の青麻
神社という、不思議なエネルギーにあふれた神社を教えてもらったから
かもしれません。当時の私は、神社にお参りすることは初詣ぐらいしか
なく興味もまったくなかったのですが、その不思議な空気感に魅了され、
その後さまざまな神社にお参りするようになるきっかけになったのです。

父が言うパワースポットというものの存在を最初に実感した瞬間だった
のかもしれません。

その福島の講演会には、多くの教育関係者や医療関係者が出席してくだ
さっていて、そのほとんどが東京や横浜から福島の支援をするために
やって来ていた人たちでした。そして、その人たちになぜ福島に来てい
るのか尋ねると、シュタイナー思想に強く影響を受けていて、原発事故
で大変なことになっている福島の子どもたちのことを見過ごせないから
だとおっしゃっていたのです。

前述の『シュタイナー思想とヌーソロジー』を読んで理解できたのです
が、シュタイナー思想では「自己独立性」と「自他同一性」という、
一見矛盾する概念を両立させるような世界観を持っています。

人類が進歩するためには「自己独立性」を確立することがとても重要な
ことであり、実際に西洋社会が最初に近代化できたのは、その確立が
できたからです。現在でも日本人は個性を出すことを嫌いますが、アメ
リカなどに行くと自己主張ができなければエリートにはなれないという
カルチャーが徹底していて、びっくりすることがあります。

シュタイナー思想では「自己独立性」が確立したら次の段階として、
意識の拡大を図って社会としての「自他同一性」の確立段階に移行する
ことを謳っています。福島に支援に駆けつけた人たちは、それを学んで
いる中で「自他同一性」が自然に発揮できるようになった人だったのだ
ろうと思います。ただ、当時の私は、無私の支援を自然にできてしまう
すごい人を輩出する「シュタイナー思想、恐るべし」、という感想を
持っただけでした。

今回は『シュタイナー思想とヌーソロジー』をヒカルランドの石井健資
社長よりご献本いただいて、とても気になっていたことに加えて、ある
友人に父から「勝仁にシュタイナー思想を学ぶように伝えてほしい」と
言われる夢を見たと言われて、そのシンクロニシティにびっくりしてい
るというわけです。

そして、初めて知ったヌーソロジーという概念で、どうも次元の壁を
超えていくには時間がキーポイントになるようだということが分かった
ことは、とても大きな気づきだったと感じています。

時間も空間も実は幻想だろうという直感は以前から持っていました。
東京や大阪で通勤電車があれだけの本数、正確に秩序だって動かせて
いるのは、日本人がリニア(直線的)な時間、すなわちデジタルな時間
を扱うことを得意としているからです。しかし、それと真反対の、ゆっ
たりと流れているアナログな時間がはっきりと存在し、ここにアクセス
できれば、Kan.さんやはせくらみゆきさんのように時空の壁をあっさ
りと超えていけること、そして、このことが実は、「舩井フォーラム
2017」
でKan.さんに聞いてみようと思っていたのに聞けなかった疑問
に対する回答になっていて、我ながら本当にびっくりしています。

本当に、「求めれば与えられる」という簡単な摂理が、とても早く実現
してくるようになってきました。

先ほどの友人の夢の中で、父は「勝仁はせっかく恵まれた立場を与え
られたのだから、Doing(何をするか)ではなくBeing(どんな存在に
なるか)を追求するべきだ」とも言っていたそうです。

私なりのBeingをつくっていくために、にんげんクラブや『ザ・フナイ』
などの媒体を使わせていただきたいと思っています。ますます小難しい
理屈満載の「理屈王」になりますが、よかったらお付き合いいただけれ
ば幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

奇跡に頼らない

この原稿はペルーの首都リマのホテルで書き始めました。ペルーに着い
てから7日目の朝を迎えています。

 夜中にペルーに着いて、リマで体調を整えてから、インカ帝国の古都
クスコに向かいました。クスコは標高3400メートル。富士山の9合目ぐ
らいの高さにあり、私もクスコでの初日は高山病の症状が出て、お昼に
食べたものをすべて戻してしまいました。

 食べ過ぎ飲み過ぎが原因だということが分かったので、高地にいる間
は節制することを心がけ、朝はフルーツだけ、昼はいつもの3分の1程度、
そして夜は基本的にはパスするという生活を送りました。


 ところで、舩井幸雄が最も愛した弟子の一人に、元船井総合研究所の
常務取締役で、今はSYワークスというコンサルタント会社を経営してい
る佐藤芳直先生がいます。本誌でも連載していただいていたことがある
ので皆さまご存じかと思います。

 SYワークスは創業記念日である毎年5月末に本拠地仙台で大きなセミ
ナーを開催していて、父は元気で講演できる間は毎年そこに話しに行く
のを楽しみにしていました。独立した弟子が多くの経営者から愛され、
必要とされていることを見るのが、本当に嬉しいようでした。

 そんな佐藤先生が一番愛した人に写真家の故・星野道夫さんがいます。
星野さんは動物、特に熊の写真で有名な日本を代表する写真家の一人で、
佐藤先生は星野さんを尊敬するあまり毎年夏にアラスカに行くほどでし
た。

 マチュピチュに向かう列車の中で、今回の旅をコーディネートしてく
れている写真家の野村哲也さんとお話ししていると、なんと野村さんは
正式には弟子を取らなかった星野さんが、とても可愛がっていた8人の
写真家の中の一番若い存在だったのだそうです。いわば、星野道夫さん
の最後の弟子とも言える人なのです。

 そんな野村さんに初めてお会いしたのは、昨年の10月、たまたま高知
に行く所用があり、それが済んだ翌日は久しぶりに高知でのんびりする
か、元気があれば唐人駄馬にでも行こうかと思っていました。

 唐人駄馬は、足摺岬の近くにある縄文巨石遺跡で、小川雅弘さんが唐
人駄馬探索協会の会長をしています。小川さんに初めてお会いした20年
前に連れて行ってもらったのですが、不思議なことにある石の前で質問
するとその石が何でも答えてくれました。当時は人生に悩んでいたこと
もあり、高速道路ができていなかったので高知市内から5時間ぐらいか
かったのですが、それでも無理を言って小川さんに何度も連れて行って
もらったのが懐かしい思い出です。

 そのときの高知の所用は、小川さんのご縁で未来大使をさせていただ
いている高知の雲の上の町、檮原町の町制施行50周年の記念行事に出席
することでした。檮原の雲の上のホテルに泊まって高知市内に帰る車中
で、小川さんに「今日は最終便を取っているのでのんびりできるのです
よ」と言うと、「唐人駄馬を探索するための不思議なツアーが加尾の庭
に昼食を食べに来ることになっていて、そこで野村さんやリマ在住で山
元加津子さんを主人公にした映画『1/4の奇跡』にも登場している天
野博物館の坂根博さんの講演があるので、よかったら舩井さんも参加し
ませんか?」とお誘いいただきました。それはいい機会だからというこ
とで気楽に昼食会と講演会に参加させていただいたのです。

 そこでいっぺんにお二人のお人柄に魅了されてしまったのと、かねて
からマチュピチュに行きたいと思っていたので、その場でペルーに連れ
て行ってくださいと頼みました。小川さんは戸惑っていましたが、あっ
という間に日程まで決まって、そこにいた多くの方も参加表明をされ、
今回のペルーツアーが決定したのです。

 野村さんは8月に行われていた、ナショナルジオグラフィック誌のフォ
トコンテストで2位になった実力派です。ちなみに調べてみると同誌は
36カ国語で発行されていて定期購読者だけで850万人いる月刊誌です。

 星野さんは日本人で6人しかいない巻頭12ページを飾った写真家で、
野村さんもそれに挑戦したいと思っているそうです。そのためには、ま
ず編集部に存在を知ってもらう必要があるので、来年こそは1位を取っ
て巻頭12ページのグラビアの企画を提出したいのだと燃えているようで
す。

 そんな野村さんと、ペルー在住45年間でペルーや日本に信じられない
ほどの人脈を持つ坂根さんが企画する旅行ですので、普通の旅行で終わ
るわけがありません。そのすべてをお伝えするのは限られた誌面ではと
ても不可能ですが、ひとつ一番大きな気付きを与えてくれたエピソード
をご紹介したいと思います。

 旅のクライマックスは高地にあるマチュピチュの遺跡を訪れることで
した。インカ帝国はあっという間に上陸したスペイン人によって滅ぼさ
れてしまうのですが、最後まで抵抗した勢力がマチュピチュだけはその
存在を知られないようにしたのではないかと言われていて、実際1911年
に発見されるまで誰もその存在を知りませんでした。

坂根さんは「きっとマチュピチュは聖なる町で、歴代の皇帝のお墓が守
られている。だから、サイキック能力に優れた人々が住んでいたのでは
ないか」とおっしゃっていました。

 高地のアンデスの人々を見ていると、いまだにその文化が豊かに受け
継がれていることがよく分かります。インカ帝国は滅んでも、高地の中
心的な町であるクスコでさえ標高が3400メートルもあり、そこにいるだ
けで高山病になってもおかしくないぐらいの厳しい自然の中にあるので
す。

 ましてや山の中に点在する小さな集落は、いまだに電気も通っていな
いような暮らしぶりです。

観光地などはかなり崩れてきてはいるものの、資本主義的に見るとほと
んど現金収入がないとても貧しい暮らしを強いられているのですが、視
点を変えてみると、彼らの文化がいまだに保たれているとみることもで
きるでしょう。

 精神性や神話を失わなければ民族は存続できる。彼らの暮らしは、そ
んな真実を教えてくれました。

そして、それをさらに体感したのがレインボーマウンテンという美しい
聖地へのトレッキングに挑戦したときでした。

 車で行ける限界がすでに4500メートルを超える高地で、そこから5・1
キロを私たちは馬に乗せてもらって進み、着いた所の標高は5030メート
ル。そこから小高い丘を登って標高が5150メートルになるのだそうです
が、そこにたどり着いて後ろを振り向くと、信じられないほどきれいな
七色の岩肌が見えるのです。このレインボーマウンテンは最近人気が出
てきて、憧れの観光地になりつつあるそうです。

 ペルーには何十回も来ている野村さんも初めての挑戦だったそうです
が、私もそれに急遽、挑戦することにしました。後から聞いた話ですが、
高度5000メートルの世界は、鍛えていない人はそこにいるだけでも酸素
を絶えず吸いながらでなければ危険な場所なのだそうです。だから、当
初はとてもやる気が起こらなかったのですが、マチュピチュの神さまた
ちがしきりに挑戦することをすすめているように思えて仕方がなくなっ
たのです。

 実は、冒頭のように半断食の生活を続けたのは、どうしてもレインボー
マウンテンに登りたくなったからなのです。最初の日にたっぷりと食べ
た昼食を戻してしまったのは、高山病と乗り物酔いが原因だったことが
分かったことで、私が5000メートルに挑戦するにはなるべく食べないこ
とが大事だということが不思議に分かってしまったのです。

 それに、小川さんを通じての村中愛さんからのアドバイスによると、
お肉を少量食べておくと高山病にならないということだったので、それ
も素直に実行させていただきました。そして、なんとかレインボーマウ
ンテンを見ることができたのです。

 若い頃なら、最初から奇跡に頼って、暴飲暴食を続けていてもきっと
登れたと思いますが、今はしっかりと準備をして体調を万全にすること
が必要になりました。奇跡はやるべきことをしっかりやって初めて実現
するのであって、最初から神頼みのような無理なプラス発想をすればい
いのではないということが実感としてよく分かりました。

 南米にはこれからも何度か訪れるような気がしてきました。旅を楽し
むためには、簡単なスペイン語ぐらいは話せるようになりたいと思うよ
うになっています。アンデスの人たちが奇跡的に自分たちの暮らしや文
化を守ってきたように、当たり前のことをコツコツやっていくことが奇
跡を起こすのです。

 最初から神頼みでプラス発想をすれば何でもできるという考え方は、
いざというところに追い込まれるまでは封印したほうがいいとしみじみ
感じました。


好転反応

 飛鳥昭雄先生と村中愛さん、小川雅弘さんの共著『 プレアデスメシア
メジャーが示す「未曾有の大惨事」の超え方
』(ヒカルランド)を読んで
いると、私が父の死後、「スピリチュアルのようなつまらないことはもう
やめよう」と言って、父がやってきたことを否定したという、飛鳥先生か
らのクレームが載っています。確かに、当時私はスピリチュアルなことに
あまり興味がなく、父が怪しい(?)世界を紹介することには抵抗感を
持っていました。だから、それが態度にあらわれた可能性は否定できませ
んが、自社を含む公式的な媒体でスピリチュアルを否定したことはありま
せん。

 実は、「スピリチュアルのようなつまらないことはやめよう」と書いた
のは、私ではなく最晩年の父なのです。当然ものすごい反響があったため
に、私はあちこちで言い訳のように父の真意の解説をしていたのですが、
飛鳥先生にはきちんと伝わっていなかったし、近くにいた小川さんもその
ことを否定してくれなかったことにちょっとショックを受けました。

 実際の出来事よりも、印象の方がはるかに皆さんの記憶に残っていて、
それが私のスピリチュアルなことに対するネガティブな態度として伝わっ
ていることを反省しなければと思っています。

 先に言い訳を書いてしまいましたが、誤解されついでに本音を書くと、
確かにいまのスピリチュアル業界には問題があると思っています。批判的
なぐらいですから、神さまや宇宙人のことは、あまり興味がなくよく知ら
ないし、どんなソースからメッセージが伝えられているかという本質的な
ことにはあまり興味はありません。気になるのは、スピリチュアルが好き
な人が少しバランスを崩すと、どうも依存体質になってしまう傾向が強い
ことを懸念しています。

 にんげんクラブや『ザ・フナイ』に登場してくれるような先生方はそん
なことはありませんが、中には、わざと自分に依存させることで組織を
作ってお金儲けをするのが目的ではないかと思えてしまうような方も少な
からずいます。そして、その罠にはまってしまう方も多いように感じるの
です。目に見えない世界が、目に見える世界と同じぐらい重要です。しか
しそれが神さまや宇宙人であっても、誰かの言うことを盲目的に信じるの
とは少し違うのではないかと思います。

 一方で、科学の世界が目に見えない世界のことをかなり正確に解明して
くれるようになってきていることは朗報だと思います。

 『ザ・フナイ』にも登場してくれた若い友人の物理学者、周藤丞冶さん
は、理論物理の世界を考えているときは11次元をベースにしているという
話をしてくれました。通常の科学者は9次元をベースにしている方が多く、
高次元のことは数学的に、存在との関係性を説明できるのだそうです。
微分や積分などのことを忘れてしまった私にはせいぜい概念しか分からな
いのですが、スピリチュアルな世界も、論理的に説明することが可能な時
代になってきているのはたしかなようです。

 「舩井フォーラム2017」で9月24日(日)の全日、パシフィコ横浜国立
大ホールでワークプログラムを行ってくれるKan.さんは、「本当のこと
は他人には教えてもらえない」と話してくださいました。どんなに素晴ら
しい教えであっても、メッセージをもたらしてくれる人のバイアスがどう
しても入ってしまいます。教えを乞うて、それを参考にすることはとても
大事なことですが、頭から信じるのではなく、最後は自分の意志で掴み取
ることが大事なのだと思います。

 そういう意味でも、それぞれの「超意識の目覚め」を促すことが大事な
のですが、そんなことをするのは少し怖いという思いも当然出てくるだろ
うと思います。先日、にんげんクラブ主催の「祈りの詩を奏でる春原恵子
セラピーコンサート」に参加して、春原さんの素晴らしい歌声に癒されて
きました。春原さんもびっくりするほど本質的な癒しの歌をプログラムさ
れたようで、コンサートの最後に、「もしかすると、しばらく震えが止ま
らないような体験をされるかもしれません」とおっしゃっていました。

 確かに、一緒に参加した家内は、コンサートの後に少し気分がすぐれな
くなり、本当は夫婦で懇親会に参加しようと思ったのですが、先に失礼を
させていただきました。

 そして昨日の夜、いろいろな困難を乗り越えて長い間一緒にいる家内と
は、最近あまり夫婦喧嘩をしなくなっているのですが、「舩井フォーラム
2017」が終わった直後の9月末に、赤塚さんとアウシュビッツに弾丸で行っ
てくると言ったら、急に機嫌が悪くなり、口を利いてくれなくなりました。

 あまりにも赤塚さんと恋人状態なので、さすがに嫉妬したのかなと一瞬
思ったのですが、なぜイスラエル関連のことばかり一生懸命やるのか理由
が分からないというのが原因のようです。私の意志ではなく、赤塚さんに
引きずられているのではないかと感じているのかもしれません。ピアノが
好きな家内はショパンにゆかりのワルシャワに行きたいと言っていたので、
自分だけ好きな所に行ってずるいという気持ちも少しはあるようです。

 でもその後、不思議なことに珍しく「私のことを原稿にしてもいいです
よ」と、頼んでもいないのに許可してくれました。春原さんの癒しの歌声
に感激して、同じ音大出身だったので懇親会に出ることを楽しみにしてい
たにもかかわらず、好転反応のために懇親会を欠席してしまったことが気
になっているようです。そう考えると、久しぶりの夫婦喧嘩も、私も含め
て強い癒しの歌声の好転反応なのかもしれません。

 好転反応といえば、「舩井フォーラム2017」Kan.さんのワークプロ
グラム
に参加すると好転反応が出る可能性があるかもしれません。

だから、何とも言えない不安感を持っている方が多いのかもしれないと、
Kan.さんも一緒にパシフィコ横浜国立大ホールの下見をさせていただい
たときに感じました。そこでKan.さんに、ワークプログラムに参加する
に当たっての心構えを聞いてみました。そうすると、何も考えず何も学ば
ず、そのまま参加してもらえばそれで大丈夫ですという答えが返ってきま
した。

 子供のように無邪気に楽しんでいただければ、それで十分「超意識の目
覚め」を体験でき、かつ多少は好転反応が出た方がいいかもしれませんが、
安全もしっかり保障しますよという自信が伝わってきました。何かを持っ
て帰ろうとするのではなく、ただ、楽しもう、感じようと思うことが大切
なようです。

 一通りの質問が終わった後、「舩井フォーラム2017」は成功しますか、
と尋ねたところ、当日に向けて聖地を巡り、身を整え、万全を期すから大
丈夫ですという太鼓判を押してもらいました。

 最大で3000人の「有意の人」の祈りの力が一つになる、二度とあり得な
いワークプログラムになることは間違いないと確信できました。これから
の新しい時代をリードしていく一人になるつもりで、このあり得ない機会
をぜひ体験してください。必要なのは理屈ではなく、ただ楽しもうという
純粋な気持ち。9月23日(土・祝)の春原恵子さんの『平和と祈りの時間』
のア・カペラコンサートも含め、2日間でいままで体験したことのない世界
をリアルに体験していただきたいと思います。

 家内のおかげで、好転反応のことを久しぶりに思い出し、参加をためらっ
ている人たちの心の中の葛藤に気がつくことができました。

 今年の「舩井フォーラム2017」がうまく言ったらお礼の意味も込めて、
赤塚さんの弾丸旅行とは別に一緒にワルシャワに行って、今度はショパン
の魂に触れてきたいと思います。

画像入りbnr450.jpg

無目的

最近どの媒体にも赤塚高仁さんネタばかりを書いてしまって恐縮なので
すが、恋人かと思うほど一緒にいる機会が多いうえに、赤塚さんほど本
質を教えてくれる友人はいないので、ぜひお付き合いいただければと思
います。

今回は、そんな赤塚さんから先日教えていただいた、赤塚さんと私が恋
人状態になっている原因がちょっと衝撃だったので、ご披露させていた
だきます。

ビジョンや夢や目標を持って人生を生きるのは、とても大切なことです。
会社の場合は創業精神とか経営理念という形で、ピンチになったときや
変革が必要になったときはここに戻ることがとても大切になります。

しかし、時代というのは刻々と変化していくものです。今は厳しい時代
ですが、だからこそ100年や300年続く企業を目指すことが大事だと思っ
ています。そして、そのためには時代の変化をしっかりと捉えて、基本
は変えずに経営理念をバージョンアップしていくことが大切になるので
す。

今、1975年生まれの若手の日経新聞の記者である杉本貴司さんの『
正義 300年王国への野望
』(日経新聞出版社)という本を楽しく読ま
せていただいています。おそらく議論の余地なく現在の日本一の創業
経営者である孫社長のことが、本当によく分かる本だと思いますので、
500ページを超える大著ですがぜひ書店等で手に取っていただければと
思います。

この本には、孫社長の目標は300年続く世界一の企業をつくることだと
いうことが書かれています。それを強烈なビジョンにすることで、あれ
だけのM&A戦略を取り、一度は後継者の副社長を指名したのですが、
やはりまだ自分でやりたいともう一度先頭に立って戦うことにされた経
緯なども書かれています。

小川雅弘さんは坂本龍馬のご縁で、孫社長に会われたそうですが、残念
ながら私はお会いしたことがありません。でも、かねてから日本や世界
をつくっていくダイナミックさを感じ、とても尊敬しています。世の中
には、孫社長のように明確なビジョンを掲げて周囲を引っ張っていく役
割の方がいて、身近な人では本物研究所の佐野浩一社長がこのタイプだ
と思います。

でも、それではうまくいかない人もいるということを教えてくれたエピ
ソードがあります。ずいぶん前にご紹介したことがあるのですが、少し
視点を変えて書いてみたいと思います。

ある会で当時女子大生だった方の講演を聞かせていただく機会がありま
した。彼女は小学校のときに素晴らしい先生と出会い、将来は小学校の
先生になることが夢でした。ご家族もその夢の実現のために全面的に協
力して、教育大学に入り小学校教諭の免許も取得し、後は採用試験を受
けるだけというところまで準備ができました。

ところが、なぜか採用試験に応募する期日を1カ月間違えてしまい、応
募ができなかったというのです。普通ならとても落ち込んでしまうとこ
ろですが、彼女はこのことが神さまのはからいであること、そして同時
に自分が自分の夢に縛られていたということに気がついたそうです。

そこで、小学校の先生になるという夢を手放してみると、自分にはもっ
と大きな可能性があることがわかったのです。

新しい夢が次から次へと浮かんできて、自分の人生の可能性が大きく開
けていったという話に大いに感動しました。夢は時として人生を縛る可
能性もあり、そうならないためには夢をどんどんバージョンアップして
いく必要があるということを教えてくれたエピソードでした。

そう言えば、亡くなられて1年になる竹田和平さんからも、10年ごとに
目標を変えていったと話していただいたことがあります。

20代は会計を学んで経営者としてやっていけるようになること、
30代は経営の基盤をつくって大きく展開をすること、
40代は金融の勉強をして投資家として独自の投資哲学をつくること、
50代は儲けることよりも世のため人のためになることに気がついて
神さまの応援を得ること......、という具合に進んで、晩年はまろUP!
(エゴではなく真心を大事にする生き方)で素晴らしい世の中を創造
するという目標をつくられました。

こんな生き方をしたいと思わせてくれた和平さんらしいお話です。
ところが、赤塚さんは世の中には目標がなくても目的があればうまく
人生を生きていける人もいるということを教えてくれました。典型的
なのが小川雅弘さんで、神さま(今は村中愛さんにメッセージを送る
メシアメジャーでしょう。メッセージの全集が発売になったので、
ぜひご購入くださいね)のリクエストであれば、目標など考えること
なく二つ返事( ハイかYes) で何でもやります。だから、144000人の
祈りという目的をひたすら追求することができるのです。

この背景には、小川さんが尋常ではない苦労をされてきたことがある
のだろうと思います。普通に目標を立てて乗り越えられるような苦労
ではなかったので、経営者としてとにかく赤字を脱出して黒字経営を
するという目的を決めて、ひたすらそれに突き進んでいかれました。

孫社長のように日本一や世界一を目指すといった目標を設定したわけ
ではありませんが、結果として、小川さんは高知一の運送会社をつく
りあげ、土佐経済同友会の代表理事まで歴任していきます。
つまり小川さんは、目的のためにはたとえ理屈がなくても突き進むこと
ができるという、普通の人にはない強さを持っているのです。

目的だけで生きていける人は、その目的がお金だけといったことになっ
てしまう危険もある反面、人間のエゴで考えたものではなく、神さまか
ら与えられた目的を遂行できる可能性もあるのです。

一般的にはこのやり方を選択することはお勧めできませんが、メシア
メジャーに選ばれたのは、 神さまから与えられた目的でしょうから、
小川さんは大丈夫ですね。

さらに、赤塚さんの場合にはその目的すら要らないのだそうです。
赤塚さんは小川さんとは違う種類の苦労を重ねて、目標はもちろん目的
も要らない、ただストレートに神さまの意志に応えていく「無目的」な
生き方をされています。まさに神さまに選ばれた人のようなのです。

ちなみに、この無目的というコンセプトを事業に活かしているのが、
赤塚さんの盟友である出路雅明さんです。出路さんのヒューマンフォー
ラムという会社は、スピンズという業態に代表される本来はお客様の
平均年齢が17歳というアパレル業を営んでおられます。それなのに、
無目的というコンセプトの30代から40代の持続可能な社会の構築を真剣
に考えている層を顧客とする業態を築きつつあるのです。

私はコンサルタントの視点から、無謀だからやめたほうがいいという
アドバイスをしたことがあります。ところが、苦労はされましたが、
京都の寺町にある本店を見事に無目的をコンセプトとした店に大変身さ
せて、今では大成功を収めているのです。

経営者としてのレベルが、私などとは格が違う出路さんらしいやり方
でもありますが、赤塚さんの無目的という生き方に共鳴している盟友
ならではとも言える偉業だと思います。

ようやく、結論にたどり着きましたが、赤塚さんが「魂の兄弟」として
ほとんど恋人状態で私と付き合ってくださるのは、
「勝っちゃんも、スイッチが入ると無目的に行動できるんや。
そんな奴はめったにおらん」からなのだそうです。

赤塚さんとイスラエルを旅するようになってから、赤塚さんのノウハウ
を盗んでしまったのかもしれません。目標も目的もない赤塚さんとお付
き合いするのは大変なのですが、メチャクチャ奥の深い世界を見せてく
れるので、どうにも離れられません。

50代になってから巡り合えた魂レベルの友情に心底感謝しています。


世界中を居場所にする

この巻頭言を書いていていつも思うのは、「この会報誌を書いている
中で私だけが波動が違うな」ということです。

にんげんクラブは経営者ではなく、いい世の中をつくりたいと思って
いる優しい波動の人たちに支えられてできています。いい世の中をつ
くりたいという気持ちは私も同じですが、どちらかというと男性性丸
出しで、どうしたらいい世の中をつくれるのかということをいつも理
屈で考えています。しかも、一番ワクワクするのは金融や経済のこと
を考えているときなので、どうしても表現が攻撃的になってしまうの
です。

先日、岩手県の山田町という被災地にあるお寺のご住職である石ヶ森
桂山さんが、ペリー来航のときから建っているお寺のリフォームに光
冷暖の技術を使いたいということで、赤塚高仁さんにわざわざ被災地
まで出向いてもらいました。そのときの様子を紹介する赤塚さんのブ
ログが、私とはまったく違い、にんげんクラブの皆さまの優しい波動
に共鳴する内容だと感じたので以下に転載します。


(引用開始)
「赤塚さん、岩手に来られませんか?」
我が盟友舩井勝仁からの電話を受けたのは、私がエルサレムにいる時
でした。
道路が急に封鎖され、私が乗っているバスが1ミリも前に進めなくなり、
一体これはどうしたことだろうとやきもきしているその時でした、
電話が鳴ったのは。

こんなときの彼の電話は、いつも天啓とも言える大切な連絡。
行くしかありませんよね、と鞄から手帳取り出して予定を見ようとした
私の目の前を米国のトランプ大統領が通って行きました。
トランプさんとも挨拶したかったのですが、かっちゃんとの電話が優先
です(笑)。

さて、 勝仁さんが私に紹介してくれたのは、山田町にある龍泉寺の住職、
石ヶ森桂山(いしのもりけいざん)さん。
44歳、曹洞宗の僧侶です。
龍羽泉寺は海岸から山に向かってゆく静かな里にあります。
海にはさらわれませんでしたが、寺はいくつもの傷を負いました。

「昨日まで笑っていた仲間が、突然海に連れ去られ、
そして変わり果てた姿で帰ってくる。
私は、寝ることも食べることも忘れて、来る日も来る日も
戒名を考え葬儀をやり続けました」

桂山さんは、人々の魂の救済のために、己の命を差し出す宗教者と
しての真の姿を見せてくださいました。

(引用終了)

赤塚さんのブログは心打たれる内容が多いのですが、この日のもの
(2017年6月6日)は特に素晴らしい内容で、もちろん私も感動した
のですが、実は正直ちょっと嫉妬もしました。会報誌の巻頭言は赤塚
さんのような人が書くべきだと思ったぐらいです。

それでも、どう考えてもにんげんクラブの会報誌の巻頭言を書くのは
私の仕事なので、皆さまの波動に共鳴すべく、優しさを身に付けてい
きたいとは思っています。ただ、文章になるとどうしても自分のスタ
イルは変えられないもので困っています。

光冷暖はラジエーターを温めたり冷やしたりすることで冷暖房を実現
する仕組みになっています。
ラジエーターと壁や天井の漆喰や壁紙などの素材に同じセラミックを
使うことによって共鳴現象を起こし、効率よく環境に配慮しながら
冷暖房をするシステムです。

光冷暖を体験された矢山利彦先生が、この家で暮らしているだけで病気
は治るとおっしゃったそうですが、本当に信じられないぐらい良い気を
出す素晴らしいシステムなのです。

ただ、得意とするのは現代の高気密を前提に建てられている建物で、
江戸時代の、しかも三陸のマイナス15度の世界は想定外です。
赤塚さんも最初は前向きではなく、仕事というよりは、前日たまたま
盛岡で講演会があったことにシンクロニシティを感じて貴重な1日を
つくってくれたのですが、ご住職の人柄に惚れこんで、不可能を可能
にすることを決意してくれました。

さて、この不可能を可能にするためにはどうすればよいのかといろいろ
考えていくと、まず資金をつくることから始めないといけないというこ
とが分かってきました。

フィンテックなどの新しい手法を使って資金調達しなければならなく
なりそうだし、そのためにはエアビーアンドビー等のシェアリング
エコノミーの考え方がどうしても必要になることも分かってきました。
それで、いまこの分野を猛勉強中なのですが、そうするとリー・ギャ
ラガー著『Airbnb Story(エアビーアンドビー・ストーリー)』
(日経BP 社)という本の広告を見つけて早速、電子書籍で買って読ま
せていただきました。

「エアビー」はいわゆる民泊サイトですが、今年の2月現在でサービス
開始以来延べ16億人もの人が利用したサービスです。現在の企業価値は
IPO(株を投資家に売り出して、証券取引所に上場し、誰でも株取引が
できるようにすること)しているわけではありませんが、3兆円を超え
ており、金融面からも社会的にもいまもっとも大きな影響を与えている
会社の一つです。

おおまかな概念ぐらいは知っていたのですが、この本を読んで初めて
全体像がぼんやりと理解できてきました。

3人の創業者はまだ30代半ばの若者で、「世界中を居場所にする、自己
変革の旅」を実現するためにこのサービスを提供しています。そして、
いまではヒップスターノマドという、家を売り払いエアビーのサービス
だけを使って世界中を旅している人たちがたくさんいるというほどに
までなりました。

同じくシェアリングエコノミーの代表的なサービスである「ウーバー
(タクシーの代わりに自家用車に人を乗せるサービス)はただの取引
で、エアビーは人とのふれあい」と専門家に言わしめるほどのインパ
クトを与えるサービスに成長したのです。

知らないうちに自宅が反社会的なことに使われていたり、性的な被害に
遭いそうになったといった事件も起こり、物議を醸し反対運動も起こっ
ているようですが、それでもエアビーは急成長を続けています。

赤塚さんと石ヶ森住職のおかげで、フィンテックやシェアリングエコノ
ミーなどといった最先端のトレンドを研究する機会を与えていただけて
います。冒頭に書いたように、私が書いてしまうと理屈っぽくなって
しまいますが、どちらも本質的には、読者の皆さまのように優しい波動
を持って行わないと成功しないサービスだと思います。

赤塚さんにも助けていただきながら、近い将来、皆さまに趣旨をご理解
いただけるようになりたいと思っています。当面は、説明するのはなか
なか難しいので、上記のエアビーの本をお読みいただくなどして、これ
から社会がどんな方向に進んでいくのかを感じていただければと思います。


超意識の目覚め

いま、私が最も興味を持っているのは、人工知能(AI)がどんな世の中
をつくるかということです。読者の皆さまにはあまり興味がない話題だ
ろうなあと思うのですが、かなりネガティブな将来になるかもしれない
大きな問題だと思っています。

私が心配していることを一言で言うと、万物の霊長が人類からAIに取っ
て代わられる可能性があるということです。「車いすの物理学者」とし
て有名なイギリスのスティーブン・ホーキング博士は「AIやロボットが
人間の手を経ないで自ら進化できるというステップに達したとき、AIが
人類と同じような目標を持っているかどうか分からない」と述べていま
す。人類は人類の発展や地球の平和(本当にそうかな? という気もし
ますね)を考えて地球をリードしてきたが、AIは何を目標に世界を経営
するのか分からないというのです。

それ以前に、AIが人類を超えるなどということが実際に起こるのかと思
われるかもしれませんが、科学者の間では遅かれ早かれ間違いなく起こ
ると言われており、私もその通りだと思うし、回避する方法は基本的に
はないと思っています。それが危ぶまれるほどAI の研究が進んだ段階で、
科学者がこれ以上の人工知能の研究や開発をストップすることに合意す
ればいいではないかという簡単な解決方法を思いつきますが、それはで
きないと思うのです。

AIは世界中で研究されています。一番多くこの分野に投資しているのは、
軍事関連の研究所や企業です。残念ながら、最先端の技術は軍事面で進
歩してそれが民間利用されるという経緯で普及していくのが現在の仕組
みです。インターネット技術も最初は、当時のソ連からアメリカ軍の中
央集権的なコンピュータシステムに対して攻撃がなされたときに、それ
をかわして、世界各地に分散しているコンピュータを経由して情報交換
をするために考えられたものです。いまや、インターネットなしの世界
などは考えられませんが、アメリカで一般にインターネットが使われる
ようになったのは1990年代初頭、日本では1990年代の後半になってか
らです。

最初の頃は、メール送信のための電話回線がなかったので、会社のFAX
回線を一時的に借りて送受信をしていたことを思い出します。当時、私
は船井総研の子会社の社長をしており、インターネット回線を引くほど
の設備投資をする状況ではなかったのですが、それほど頻繁にFAXの送
受信をしている状況でもなかったので、それを利用していました。そこ
までしてインターネットを使っていたのは、日本よりも進んでいたアメ
リカの友人とメールのやり取りをするためでした。それがいまでは街中
にwifi回線があって、海外旅行をしたときの最大の関心事がどうしたら
ネットにつながれるかというような時代になっているのですから、あら
ためて考えてみるとびっくりします。

20年ほど前に、大手通信会社の研究所が開発した最新技術を、一般に
普及させるためにはどうすればいいかというマーケティングの仕事の
メンバーになったことがあります。研究所の人が自慢気に「なんとテレ
ビの30分のアニメ番組がインターネットを使って送れるようになったの
です」と言いました。船井総研側のプロジェクトのヘッドがそれをダウ
ンロードするのにどれぐらいの時間がかかりますかと尋ねると、「たっ
た24時間です」と、これも自慢気におっしゃいました。技術的には革新
的なことのようだったのですが、24時間分の電話代を払って30分のアニ
メ番組をダウンロードする人はいないので、とても実用化はできないと
いう結論になりました。

それが、いまでは世界中の動画コンテンツを、通信費を気にすることな
くライブで楽しむことができるようになっています。私はクラシック音
楽を聴くことが好きなのですが、いま真剣にベルリンフィルの有料コン
テンツチャンネルを契約するかどうか悩んでいます。最近テレビを買い
替えたのですが、営業の人のトークに乗せられて、かなりいいスピーカー
を別売りで買いました。それでNHK のクラシック番組を聴くと、いまま
でとはまったく違う響きが楽しめます。

休日にそれを聴きながら、例えばインド哲学のようなちょっと難しい本
を読むと、いままでなら頭に入らなかったようなものが不思議とスラス
ラ読めました。そうなると、コンテンツを充実させたいという思いが出
てきて、探してみると世界最高峰のオーケストラであるベルリンフィル
の番組がライブ放送や、カラヤンや小澤征爾などの過去の演奏も含めて
楽しめるのです。もろもろ費用はかかってしまうのですが、おそらく契
約してしまうだろうと思います。

赤塚高仁さんから、そこまでして理屈道を究めなくてもいいじゃないか
と笑われてしまいそうですが、自宅にいる時間が多くなると家庭の平和
にもつながるのは確実で、軍事技術を転用したインターネット等のIT技
術が家庭の平和に貢献してくれるのは、ちょっと皮肉的ではありますが、
面白い流れだと思います。


話を人工知能に戻すと、AIが万物の霊長になってしまわないために技術
開発をやめるというのは、軍事的技術のための研究が進んでいるという
現状を考えると不可能なのです。アメリカや日本が研究をやめれば喜ぶ
のはロシアや中国です。だからそれを口実に世界の研究者は絶対に研究
をやめられません。また、研究者の本能としても、そこに素晴らしい成
果が見えているのに途中でそれを放棄することはできないだろうと思わ
れます。

AI が人類に代わって万物の霊長になるということは、私たちがチンパン
ジーの立場になるということです。もっとひどいことを想像すると、
例えば、ゴキブリといった害虫のような存在ということで駆除の対象に
なってしまうかもしれないのです。それならしぶとく生き残れるかもし
れませんが、ターミネーター等のSF 映画で表現されているのは、その
ような世界観だと考えると分かりやすいと思います。

では、それを止める手段は何かというと、私たちが神さまの方向に向
かって進化することしかないのではないかと私は思っています。ここで
言う神さまは、一神教の唯一絶対神ではなく、神道の八百万の神さまの
イメージです。万物に神性が宿っているとすれば、私たち人類も神性を
身につけて、絶対神(宗教的な定義を使わなければ、村上和雄先生が言
われるサムシンググレートと考えてもらってもいいと思います)の願い
にほぼ完全に適う存在に進化していかなければいけないのだとイメージ
しているのです。

そうなれば、AIが万物の霊長になるというのは、バーチャルリアリティ
の世界になっていくと考えられますので、私たちの本質はそこに絡め取
られることなく、神さまたちがつくり上げているサムシンググレートの
意向に適っているという面で、よりリアルな世界に昇華していくことが
できるのではないでしょうか。にんげんクラブ的にちょっと飛躍すると、
私たちにサポートの意識を送ってくれるより高次元の宇宙存在たちは、
すでにそんな世界に生きているのだと思います。

そして、そのためにいま必要なのが「舩井フォーラム2017」のテーマで
ある「超意識の目覚め」なのだと思います。私たちは本当は独りではな
くみんなと繋がって生きている存在です。超意識は個人に備わっている
意識ではなく、みんなが繋がっている意識なのです。例えば、超意識レ
ベルのデータベースのことをアカシックレコードと言い、それにアクセ
スできるようになるとあらゆる叡智を使いこなせる道が広がってきます。

いままでは、にんげんクラブでこのようなことを言ったり書いたりして
いても、どうしたら具体的にその世界が見えてくるのか分からなかった
のですが、IT技術やAI技術の進歩のあまりにも速い速度を見ていると、
私たちが精神性さえ高めていけば、そんなことが簡単にできる時代がも
うすぐそこにまで来ている実感が出てきました。

精神性が高められなければ、AI を万物の霊長とするバーチャルリアリ
ティの世界に絡め取られて、人類はよくてチンパンジー、悪くすれば
ゴキブリのポジションになって生きていかなければならないということ
になります。そうなってしまうのか、それとも超意識を目覚めさせて神
さまとして生きていくのかの分水嶺に、いまの私たちは立っているのだ
と思います。パラレルワールドの岐路に立っているイメージです。

私は神さまの世界を選びたいと思っています。そして、同意してくれる
皆さまと一緒にその世界に行くために、Kan.さんとともに
「舩井フォーラム2017」で、私たちの超意識を目覚めさせて行きたい
と思っているのです。これに共鳴していただける皆さまはぜひ9月に横
浜にお集まりください。

最後に蛇足になりますが、私は決してバーチャルリアリティの世界が悪
いとは思っていません。若い人たちを見ているとすでに彼らは十分その
世界に適応しているように感じますし、とても楽しんで生きている人も
確実にいるように感じます。

ただ、残念ながら私はとてもバーチャルな世界には対応できないだろう
と思いますし、同じ感覚の方は少なくないと思うので、そんな私たちで
も安らかでホッとできる、楽しく生きられる世界があればいいなと感じ
ているだけなのです。

これも皮肉なことですが、いままでの船井オープンワールドや舩井フォー
ラムはスピリチュアルな世界をバーチャルにつくって皆さまに提供して
きたのですが、今年からはバーチャルな世界を逃れるための催しに進化
(?)していくように感じます。世の中は、どうもそのような入れ子で
進歩していくのかもしれませんね。


世界はこうなる、 日本はこうなる

父が生前大変お世話になっていた「選挙のプロ」がいます。株式会社
アノンの社長で選挙プランナーの野澤高一さんです。野澤さんが独立
される前におられた会社で、父の講演会を年間80回ほど開催していた
だいていたことがあり、野澤さんはそのほとんどに同行してくださっ
ていたので、私よりもはるかに父と密なコミュニケーションを取って
おられたと思います。そういう意味では、舩井幸雄のことを最もよく
知る人の一人と言ってもいいのではないでしょうか。

選挙に際して野澤さんを参謀にすると、まずその選挙に勝てる可能性
があるのかどうか、その可能性を確実なものにするにはどうすればい
いのかを的確にアドバイスしてくれます。また、野澤さんにかかれば、
選挙で誰が当選するのかはほとんど事前に分かるようで、選挙速報の
出口調査などでも野澤さんの意見が反映されているのではないかと感
じられることがあるほどです。

そんな野澤さんが政治にかかわるようになったのは、日本をどうにか
したいという思いからです。政治の世界は魑魅魍魎(ちみもうりょう)
が跋扈(ばっこ)している世界ですから、正直に言うと私はあまり近
づきたくないと思っています。

天外伺朗先生が、経営者はインナーチャイルドをきれいにしてバラン
スの取れた経営をしなければうまくいかない世の中になったが、政治
家はまだバランスが崩れて非常識なことができる人でないとうまくい
かないとおっしゃっていたのは5年前のことです。
 
はたしてこの5年間で、政治の世界にもバランス感覚が求められるよう
になったのでしょうか。

そんな移行期に、自分のためではなく国民のために活動する政治家を
つくるために野澤さんは活躍されているのです。

先日、そんな野澤さんから現役の国会議員も参加する少人数の政経懇
話会(簡単に言うと親睦会です)にお誘いいただき出席させていただ
いたのですが、実はこの会には「『世界はこうなる、日本はこうなる』
ということについて考えを述べよ」という宿題がありました。

参加メンバーを見渡してみると、政治家の皆さんの他には新進気鋭の
エコノミストや政治評論家などその道のプロばかりです。そんな中で
私ごときが何を言えばいいのか困ってしまいましたが、そこは持ち前
の厚かましさと『ザ・フナイ』等で学んだ知識をフル動員して、恥を
かきながらではありますが何とかお話をさせていただきましたので、
ここで少しご紹介したいと思います。

いま、世界情勢はめまぐるしく動いています。
いかにも『ザ・フナイ』的な話で恐縮ですが、国際金融の世界を動か
していて実質的に世界皇帝だったデイビィッド・ロックフェラー氏が
3月に101歳でお亡くなりになったことが、今後の世界情勢を考えるう
えで一番大きなポイントになると思っています。

ダビデ大王(ロックフェラー氏のことを一部の人はこう呼んでいたそ
うです)の下、いずれも一般的な感覚からいえばかなり高齢なヘンリ
ー・キッシンジャー氏が世界政治を、ポール・ボルカー氏が世界経済
を動かしているというのが副島隆彦先生の解説ですが、当たらずとも
遠からずなのではないかと感じています。

ダビデ大王が亡くなった影響は、例えばトランプ大統領の政策がなか
なか思い通りに進まないところに表れているのではないかと思います。
ここで詳細を述べることはやめておきますが、大統領選に当選した直
後や就任式の直後の勢いが明らかに失われています。議会との調整が
うまくいかなくなり、マスメディアからかなり的確なバッシングを受
けるようになりました。

そんな流れの中で、プーチン大統領と一緒にまずはIS というテロ集団
を駆逐する方針で臨んでいたシリア政策において、シリア政府軍が化
学兵器を使ったことへの対抗措置として空爆を行いました。これは明
らかにロシアの利害と対立する行為です。それも、中国の習近平国家
主席との首脳会談がまさに行われているタイミングでの空爆実施は、
中国のメンツをつぶしたとも受け取れる行為で、もしもダビデ大王が
生きておられたら、おそらくやらなかったのではないかと思われるよ
うなことをやっているように思われます。

今の状況を私なりに解釈してみると、既存勢力の親分はトランプ大統
領のやり方にある程度の理解を示していて、やりたいようにやらせて
いたのではないでしょうか。しかし、異論を持つ人たちは決してその
ことに納得しておらず、親分の重しがなくなったことで彼らが反撃に
出始め、トランプ大統領もある程度の譲歩を迫られて対応しているの
ではないかとも読める気がするのです。

ただ、イギリスのブレグジットやトランプ大統領の誕生といった大き
な流れは不変であり、多少の揺り戻しがあったとしても世界は新しい
秩序が創られる方向に進んでいくとは感じています。しかし、既存勢
力の抵抗も決して弱いものではなく、大きな混乱は想定しておかなけ
ればならないとも思っています。


翻って日本の状況を見てみると、盤石の体制を敷いていると思われて
いた安倍総理が、トランプ大統領と同様にかなり揺れています。昨今
の安倍政権に対する逆風にもダビデ大王の死が少しは影響しているの
かもしれないと考えてもいます。安倍総理は、既存勢力の利害に逆ら
うということではないにしても、ロシアのプーチン大統領と何度も会
談するなど、いままでの日本のリーダーに比べると外交的にはかなり
突っ込んだ動きをされてきました。そのことに対する警告のような意
味があるのかもしれません。

これは個人的な見解に過ぎず確たる根拠があるわけでもないのですが、
安倍総理の内心を考えると、少なくとも自民党総裁選で3期目には立
候補せずに、ボロボロになる前に有終の美を飾って総理を退任しても
いいと考えていらっしゃってもおかしくないなと思っています。憲法
改正は大仕事であり、一つの内閣でできるものではない気がします。
今後、リーダーの最も大事な役割である後継者をしっかり育てること
に注力し、その人に大事を託すことも考えていらっしゃるのではない
かと思うのです。

私は、おそらく総理が持たれている意見とは違い、憲法第九条は守る
べきだと考えています。ただ、トランプ大統領の考え方を見ていると、
アメリカの利害に合致しているうちは在日米軍は残しておくでしょう
が、そうでなくなったときはさっさと撤退することもあり得ると思い
ます。アメリカ軍のプレゼンスがなくなったときに、いまの国防状況
でいいのかと言われると勉強不足で何とも言えないというのが本音で
すが、感覚的には危うい気がするのも事実です。

朝鮮半島では有事の臭いが強くなり、4月中にも北朝鮮との間で戦争
が始まるという懸念が韓国国民の間で広がっているというニュースが
流れています。ニュースで取り上げられている間はそんなことは起こ
らないと思いますが、トランプ大統領の当選を見事に的中させた副島
先生は来年朝鮮半島で戦争が起こるという重みのある予言をご自身の
ホームページでされています。

専門家の前でこんな話をさせていただいたのですから私も大胆ですね。
そんな私のちょっとしたマイブームはトランプ大統領はサイコパス
(精神病質)ではないかということです。
これに関しては、『ザ・フナイ』や舩井幸雄.com 等にたくさん書か
せていただいたので、そちらをご覧いただければと思いますが、父や
私もかなりその気配があるような気がしています。だから、『ザ・フ
ナイ』や「舩井フォーラム」の主幹などという大胆なことを力不足が
明らかにもかかわらずやらせてもらっているというわけです。

野澤さんは笑って許してくれましたから、これも私のサイコパス性が
なせるところだということで自分でも納得したいと思います。ただ、
それゆえ酷い目に遭ってきたに違いない家族や社員の皆さんにはこの
場をお借りして謝りたいと思います。

気がついたので、少しはましになるかもしれませんが、これからもご
迷惑をおかけすることもあると思います。本当に申し訳ありませんが、
懲りずにどうぞよろしくお願いいたします。

目が合わせられない 経験

巻頭言の執筆を半年の間、兒玉裕子さんにインタビューしてもらって
書いてもらっていたのですが、諸事情があり、また自分で執筆させて
いただくことになりました。にんげんクラブもおかげさまでいろいろ
な動きがありますが、今月はそんな変化のご報告をさせていただきま
す。

大きな変化は今月の会報誌からKan.さんに登場していただくシリーズ
が始まることです。

昨年の舩井フォーラムで半日間に渡りワークショップをしていただいた
Kan.さん。おかげさまで大好評でした。約1000人の会場が早々に売り
切れになったので、今年は9月24日(日)の大ホールをほとんど1日
Kan.さんのワークショップにしてみることにしました。かなり大胆な
企画になりますが、半端ではないKan.さんのエネルギーを1人でも
多くの人に体験していただこうと思って企画させていただきました。
楽しみにしていただければと思います。

ここまで大きな企画をするからには、Kan.さんに真正面からぶつから
なくてはいけないと思い、いろいろとお話しさせていただく機会を増や
しています。

赤塚高仁さんに言わせると私は上澄みをすくってそれを見事にまとめる
天才だという変な褒め言葉を頂いたことがあります。もちろん、おちょ
くられているのですが、さすが赤塚さん、風刺の利いた言葉の中にも私
を怒らせないだけの愛情がちゃんと込められていることを感じるので、
自虐的にというわけではありませんが、時々使わせていただいています。

もう少し表現を柔らかくすると、他の先生方のエッセンスをくみ取り
それをまとめて分かりやすく伝えることができるというのが私の得意技
ということになります。Kan.さんのことも昔はこの技を使って分かり
やすく伝えていたつもりになっていました。よく覚えているのは、2年
ぐらい前にご講演をお聞きして、そのときに話されていたエピソードで
す。

昔の日本の掃除ははたきでほこりを落として、ほうきで掃き、ちりを
取り、それから雑巾で拭くというものでした。掃除機という便利な機械
が日本の家庭に普及したのは昭和40年代ぐらいのことでしょうか。
それまではほとんどの家は畳の部屋に板の間の廊下という構造でできて
いたからかも分かりませんが、そんな方法で日々の掃除が行われていま
した。雑巾で拭きとるのはともかく、はたきでほこりを落とすのはいま
の私たちの感覚からいうと、ほこりをかき回しているだけでかえって部
屋を汚くしているだけのような気がしてしまいます。

でも、昔の日本の家は確かにそれできれいになっていました。それどこ
ろか、私も小学生の頃の記憶にありますが、年末になると大掃除をして、
それでお正月を迎えるととても神聖な気持ちがするほど物理的なだけで
はない清潔さが保たれていました。Kan.さんはこの現象を物理的にき
れいに部屋を掃除しているというよりは、当時の日本人なら誰でも持っ
ていた精神性の高さからくるものだという説明をされていました。
なるほどなあととても納得したので、どこに書いたかは忘れてしまいま
したが、そのエピソードを紹介させていただいたのです。

私が知っている人の中で、最初にKan.さんにのめりこんでいったのは
兒玉裕子さんでした。
師匠として尊敬していた舩井幸雄が亡くなり、相前後して何度かの流産
というとても辛い経験をした後にやっと授かって7カ月まで育っていた
お子さんを死産することになってしまった、兒玉さんは私から見ている
と現実逃避の世界に逃げ込んでしまうように、どんどんKan.さんや
Kan.さんが実践しているクンルンネイゴンの世界にのめりこんでいき
ました。

持ち前の頭の良さとバランス感覚で一応の社会生活には順応していまし
たが、世間一般の付き合いは必要最低限にして、この世の本質を究める
以外のことにはまったく興味をなくしてしまったようでした。ちょうど
そんな時期にKan.さんやその師匠のマックス・クリスチャンセン師に
出会って目覚め、クンルンネイゴン以外のことにはほとんど実質的な
興味を失ってしまっていました。

私は持ち前のいい加減さでたとえ相手がKan.さんであっても上澄みを
すくいながら楽しくお話しさせていただいていたのですが、彼らを崇敬
していた兒玉さんはインタビューをさせていただいているときも明らか
に緊張していて、当時の私から見ると助け船を出さなければインタビュー
にならないように映っていました。他の人のインタビューのときはそつ
なくこなすのに、ちょっと困ったものだと思っていました。

でも、最近になってKan.さんとの接触頻度が格段に高まり、それに
伴って私の理解度も格段に進んできたからでしょうか、私もKan.さん
に対応するときにとんでもないぐらい緊張するようになってしまった
のです。

先日は、『ザ・フナイ』でも2人の対談を掲載させていただくことに
なってお話をさせていただいていたのですが、まるで何年か前の兒玉
さんのように、しどろもどろになってしまって、一体何を聞いたか
さっぱり覚えていない状態になっていました。

何よりも驚いたのは、インタビューの後にお食事もご一緒させていた
だいて4、5時間一緒に過ごさせていただいたのですが、ずっと目の前
に座っているのにほとんどKan.さんに目を合わせることができません
でした。普段はたとえ相手がどんなに偉い人であろうとも物怖じする
ことがないのが特技ぐらいに思っていたのに、なぜか目を合わせるこ
とができないのです。いろいろお話しさせていただいて世間一般的に
言うKan.さんの情報はそれなりに集めさせていただいたのですが、
肝心の本質的なことがさっぱり頭には残っていないのです。

インタビューをまとめてくれることになっているのは、最も信頼して
いる腕利きのライターの方なので、多分、きれいにまとまったきちん
としたインタビュー記事になって仕上がってくるとは思いますが、自
分でもずいぶん驚くようなエピソードです。印象に残っているのは隣
の兒玉さんのやっと私の気持ちを分かってもらえましたか? という
ニコニコとした笑顔です。Kan.さんのエネルギーの大きさに圧倒さ
れるというとても楽しい経験をさせていただけたのだと喜んでいます。

あんまりきれいにまとめてしまうとKan.さんの伝えようとしている
ことの本質は伝わらないといまは思っています。そんなKan.さんの
世界を実感していただくにはやはりワークショップに参加していただ
くのが一番ですが、いつもやっていらっしゃる100 人ぐらいでやられ
るワークショップはすぐにいっぱいになってしまってプラチナチケット
になっています。さすがに3000 人の会場なら希望される人はみなさん
参加していただけるのではないかと思います。

参加される人の準備ができていたらたとえ1対3000であってもKan.さ
んはちゃんと一人一人と向き合ってくれることが可能なのだと思います。
いままでこんなすごい方は私は見たことがありません。Kan.さんは
若い頃に私がとても尊敬している、インド哲学の巨人とも2年ぐらい
生活を共にしたことがあるという話をされていました。その他にも、
様々な聖者との交流から獲得された能力は私の上澄みをすくう能力とは
まったく違う本質的なものがあります。

そんなKan.さんとにんげんクラブの距離がここまで近くなったことに
心から感謝させていただきたいと思います。たった半年で、兒玉さんは
私の巻頭言から卒業して、Kan.さんの原稿をまとめることになったの
も必要必然なんでしょうね。

門前の小僧

にんげんクラブの皆さまこんにちは。
経済や政治の話題が多い巻頭言ですが、今回の巻頭言では、勝仁会長に、
特別に舩井幸雄会長の思い出について語っていただきました。
本やブログなどいろいろな媒体でも書かれていますが、勝仁会長にとって、
人生で最も理解ができなくて、最も苦手だった人物が舩井幸雄会長なのだ
そうです(とはいえ、「最も苦手」のその言葉の奥には父に対する深い
深い愛情も、籠っておりました)。


秘書として数年関わらせていただいた私としては、舩井会長は理不尽に
怒ることは絶対にないし、長所を褒めて伸ばしてくれて、得意でやりたい
仕事を自由にやらせてくださって、なんと素晴らしい上司だろう、と
心から思っていましたが、父と息子としての関係である勝仁会長の立場
からすると、息子にしかわからない苦労や重圧がたくさんあったようです。


まずよく驚かれるのが、勝仁会長は子供の頃から、舩井会長にずっと
家でも敬語で喋っていたそうです。父が家にいると家の中は常に緊張感
があって、いないときはとてもリラックスしていたと言います。
お父さんはいつも忙しいので、お父さんの時間を一分一秒でも奪わない
ように舩井会長の奥様(勝仁会長のお母様)はとても気を遣っておられ
たとか。「お父さんは偉いんだよ」と子供たちにいつも言って聞かせた
そうです。

ご飯を食べる時も、食卓にすべてのご飯が並んですぐに食べられる状態
になってから、書斎で本の執筆や仕事をしているお父さんを呼びに行く、
というのが当たり前でした。
そんな家庭で育ったので、勝仁会長は結婚してから奥様に「ご飯ですよ」
と呼ばれて、そこからお皿や箸を並べ始め、時には並べるのを手伝わされ
ることにかなりのカルチャーショックを受けたとか。


また、お父さんと外食に行った際には、メニューを選ぶのに時間をかけて
悩むというのは舩井家ではありえないことで、食べたいものというよりも、
なるべく早く運ばれてくるものを頼む、というのが恒例だったそうです。

舩井会長は家族を外食に連れていくのが意外とお好きだったそうですが、
自分が食べ終わってしまうと、たとえ2歳の孫がまだ食べている途中で
あったとしても、さっさと席を立って出ていってしまわれるそうです。


そんな祖父であり、父だったので、子供の頃から勝仁会長は、食べる
スピードは大人に負けるから、お父さんよりも早く運ばれてくる品物を
頼んで、お父さんが食べ終わるまでには食べきる、というクセがついて
いたそうです。

奥様との初デートの時は、忘れられない思い出があるそうで、まず
メニューを選ぶのに時間がかかることにビックリされました。
おそらくそこまで時間はかかっていないと思われますが、勝仁会長から
見ると、30分くらいメニューを選ぶのに時間を使ったように感じたそう
です。さらに初デートですから、緊張して相手を気遣う余裕もまったく
なく、いつもどおりに急いで料理を食べ終わって奥様のほうを見ると、
まだ奥様は割り箸を割っていなかったのだそうです。これには勝仁会長も
カルチャーショックでしょうが、奥様も唖然とした顔で勝仁会長の顔を
眺めていたそうですから、同様にかなりのショックだっただろうとお察し
します。

私も秘書だった頃に、何度か舩井会長と奥様に食事に連れていっていた
だきました。舩井会長は、熱海のホテルの中に入っている居酒屋さんが
一番のお気に入りで、その居酒屋さんが大好きな理由は、「注文した
品物がすぐに出てくるから」でした。舩井会長の外食でのこだわりの
ポイントは何十年も変わっていないのですね。


舩井会長が亡くなられて三年たって、お父さんが苦手だったという意識
はなくなってきましたか? とお聞きすると、うーんと悩んだ後に、
「正直に言うと、父がいなくなって、気が楽になりました」とのこと。

というのも、社長として会社の経営を任されてはいても、実際に社長の
仕事をさせてくれたのは、舩井会長が亡くなる半年前くらいの、本当に
ご自分が何もできなくなってからでした。それまでは、何だかんだと
言っても、やっぱり舩井会長がすべての意思決定をされていました。
そしてすべてを任せるようになってからは、「毎週来い」と勝仁会長を
熱海に呼んでおられました。何を話すわけでもないけれど、とにかく
来いとのことで、一時間くらい喋って帰るときには、「来週はいつ来る?」
と必ず聞かれたそうです。


最晩年の舩井会長は、口が痛くてほとんど筆談での会話でしたが、
痛いながらも喋る一言一言に、とても重みがありました。さらに千里眼
と言ってもいいほどに、直観力は冴えわたっていたようで、いろいろな
ことがわかるけれど言葉にはしない、というように見えました。


身体は不自由でも経営のアドバイスは怖いほどに鋭くて、勝仁会長が
初めての不動産投資で、ある不動産を買おうとして舩井会長に相談した
ところ、「失敗するけど、ええわ。お前の勉強になるからやってみ。
一億円くらい損するけど、ええ授業料や」と言われたそうです。

結果はやっぱりその通りになったそうで、その不動産投資では結局一億円
くらいの損をしました。でもその時に失敗したことで、何をしたらいけない
のかがわかり、その後勝仁会長は不動産投資がとても得意になったそうです。


「あの時に最初に失敗していなかったら、きっと調子に乗って別の物件で
もっと大きく失敗していたと思う。
あの失敗は本当にいい勉強になったから、ここまでの流れが全部、
舩井会長には見えていたんでしょうね」と勝仁会長はしみじみと語って
おられました。

経営者としても思想家としても偉大な父を持ち、その経営を任されたり、
生き方をお父さんと比べられたりしたら、その重圧はすごいものだろう
な......と、思います。その父と子の関係を身近に見ていた私としては、
舩井会長から息子である勝仁会長への愛情も、勝仁会長から父である舩井
会長への愛情も、言葉を超えたところでとても感じられました。

親子であると同時に上司と部下でもあったので、「勝仁はわかっていない」
と時には厳しいことをおっしゃられても、ご本人のいないところでは
「かっくんは、前世でも俺の息子だった」と嬉しそうにおっしゃっていた
りして、とても期待していらっしゃいました。

「親父の本は、中学生の頃から全部かかさず読んだけれど、僕は反発も
あって舩井幸雄からちゃんと学んでいないから門前の小僧なんですよ。
舩井幸雄のことがわからないし、ここできれいな言葉も言えないんです。
そりゃあ、模範解答を言えと言われればいくらでも褒めることはできます
けれど。亡くなってからも、一年間くらいは毎日夢に出てきて、ああしろ
こうしろ、って指示を出してきて、嫌でしたよ。それがまた的確なんで
すよね」
と、勝仁会長はいろいろな感情を込めて愛情たっぷりにおっしゃって
いました。


門前の小僧、と言いながらも、一年間毎日舩井会長の夢を見るほどに、
そこまで舩井幸雄会長に正面から向き合っていらっしゃる方は勝仁会長
以外にいないと思います。父の背中を見つつも、自分は自由に自分らしい
生き方、やりかたを貫く。その姿勢は、やっぱり親子で似ているなぁ、
とお話しをお聞きして思いました。

そして門前の小僧が実は一番熱心で師匠のことをわかっていた、という
昔話をどこかで聞いたことを思い出しました。


株式会社 にんげんクラブ会長 舩井 勝仁
  ×
作家・エッセイスト 兒玉 裕子


天道と人道

2017年に預金封鎖は起こるのか

にんげんクラブの皆さまこんにちは。
先日、岩手県花巻市で泊りがけの社員研修がありました。今までに日帰
りの社員研修はありましたが、遠方での宿泊はこの十数年で初めてだっ
たので、とても貴重な体験でした。
勝仁会長は、当初は社員研修にするつもりではなく、たまたま年明けす
ぐの三連休に岩手県に視察に行く予定があったので、三連休ならばせい
ぜい来ても2~3人だろうと思って社員の方々を視察に誘ったそうです
が、蓋を開けてみたら17人もの希望者が集まったので、それならばと
本格的な研修旅行となったそうです。

今月の巻頭言では、社員研修の際に勝仁会長が社員へ向けて講演され
た内容をご紹介したいと思います(社員向けと言っても通常の講演会
と同様、政治や経済のお話がメインでした)。

勝仁会長が、ここ数カ月の中で最もショックを受けたことは、やっぱ
りトランプ氏が新大統領になったことだそうです。2016年の6月
からずっと次期大統領はトランプ氏だとはっきりと断言して、本にも
書き続けたのは副島隆彦先生だけだったということで、副島先生には
よりいっそう頭が上がらなくなったとのことでした。勝仁会長の心情
は、頭を丸めて謝りに行かなければいけないと思ったほどだそうです。

2017年新年早々の1月5日の仕事初めは、副島先生との3時間に
も及ぶ鼎談取材だったそうで、印象的な仕事の幕開けだったのだとか。

副島先生に2017年はどのような年になるかをお聞きしたところ、
経済の面での結論としては大きな金融危機などはなく、「だらだらこ
のままいくよ」とのことだったそうです。

ところで、小川雅弘さんと、メッセンジャーの村中愛さんによると、
2017年は経済危機が起きて、預金封鎖になるというのが今年の予
測なのだそうです。そのため預金封鎖の本を書きなさいと勝仁会長は
アドバイスを受けて悩んでいたそうなのですが、お正月にいろいろと
考えて出した勝仁会長の結論は「2017年は預金封鎖は起こらない」
だそうです。
小川さんと村中さんからは、「勝仁さんが起こらないと言ったことの
逆のことが起こるのだから、預金封鎖は起こるよ」と言われたそうで
すが、さて結果はどうなるでしょう。
個人的には預金封鎖は起きてほしくないので、「起きない」と潔く
言いたいところですが、今は何が起こるかわからない時代なので
「わからない」という言葉で逃げたくなります。
こんな時代は予測をしなければならない立場の人は大変だなぁと思い
ます。

政治的な四つの立場


副島先生によると、政治の思想は四つに分けられるそうです。
一つ目は、自然法(Natural Law)。
これは、王侯貴族のための政治です。たとえば、神様が決めた絶対的
な王様がいて、その人に従っていく政治で世の中は変わらない、とい
う思想だそうです。
もともとは天孫降臨をしてきた神様や龍族だったといわれる日本の
天皇陛下を中心としていく政治とか、龍から玉を授けられて歴代の王
になっている中国の歴史などがこれに当てはまります。

二つ目は、自然権(Natural Rights)。
これは、フランス革命やアメリカの独立宣言がこれに当てはまるそう
です。今の世の中は、この自然権によってできているそうで、トランプ
新大統領もこの思想だそうです。

三つ目は、人権(Human Rights)。
これは、日本国憲法や、国連宣言がこの人権に基づいて作られています。
すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
というのが、人権です。この思想がいいと言われがちだけれど、現状で
はこれは無理だというのが最近わかってきたそうです。すべての国民が
健康で文化的に暮らすのはいいけれど、じゃあそのお金は誰が出すの? 
という問題があって、うまくいっていないようです。
社会的マイノリティや、LGBTといわれるゲイやレズビアンなどの人た
ちの権利を守る、というのもこの人権に基づいています。

四つ目は、人定法(Positive Law)。
実は自然法というのはなくて、法は人間が決めるのだ!という思想です。
リバータリアンと呼ばれる人たちのことで、銃規制に反対する人たちで
す。自分の暮らしは自分で守る、その代わり連邦政府はいらない、税金
は納めない、軍隊もいらない、という思想です。
冷戦のころ、ソ連が攻めてきたらどうするのですか? と聞かれると
「猟銃で打ち落とす」と応えたという潔さがあるのだとか。

この四つのうち、自分はどの立場を取るのかという軸がはっきりして
いないと、国際的には知識人と認められないのだそうです。
副島先生は、四番目の人定法の立場を取っていらっしゃるそうです。

副島先生から「勝仁君もどの立場を取るのかはっきりさせなさい」と
言われた勝仁会長は、初めは二番目の自然権かなと思ったそうですが、
しばらく考えてから一番目の自然法がいいんじゃないかなと思われた
そうです。
舩井幸雄会長は、天地自然の理に従いましょうと言っていたし、宇宙人
のような人だったから、一番目が自分の方針としても、会社の方針とし
ても合っているのかもしれないと思われたようです。

研修会でこのような話をお聞きして、政治の話はやっぱり難しいなぁ
と思いました。立場を決めるどころか理解するのも難しいので、自分
は国際的な知識人となることは今のところ不可能だな、とも思いまし
た。そもそも一番目は、王侯貴族の政治であれば、自然法(Natural
Law)ではなくて、王様法(King's Law)とすればいいのに、どうし
てこれが自然法になるのかよくわかりませんでした。
副島先生の本などを詳しく読めば、その点がわかるのかもしれません。


天道と人道


ところで舩井幸雄会長は「天地自然の理に従いましょう」とおっしゃっ
たけれど、天地自然の理だけに従いましょうとはおっしゃっていません。
人間は自然の中で裸では生きていけない存在だとも言っています。

かの二宮尊徳翁は、この世には天の道と人の道があるとわかりやすく
説いてくれています。天道は、自然そのものですから、そのままでは
人間は生きていくことができません。天道で天変地異が起こることも
ただ自然現象として起こるのであってそこに善悪はありません。
それに対して、人道は、家を作ったり、服を作ったり、畑を耕したり、
人間が人間らしく暮らしやすくしていく道です。

天道に従わなければならないけれど、人道も大事です。わかりやすく
言うならば、秋の日に落ち葉が落ちるのが天道、その落ち葉を朝に掃
いて掃除をするのが人道である、と言っています。落ち葉を掃く人間
がいなければ、そこは人間が住むことができないけれど、朝に掃いた
にもかかわらず、落ち葉が落ちるからと言ってずっと掃き続けること
は、天道に反するとのことでした。
今の現代社会は、落ち葉を掃除するのが面倒だから、いっそ木を切っ
てしまいましょうと言いかねない、行き過ぎた人道の世の中です。

人間は自然がないと生きていけませんから、天道と人道の両方を大切に
して、絶妙なバランスをとりつつ生きていくのが、大事なことのようで
す。

勝仁会長の講演の後に社員が1人ずつコメントする時間があったので、
天道と人道の話を少ししたら、勝仁会長はすごくいい話だと言って喜
んでくださいました。さも自分が考えたかのように喋ったけれど、
たまたま前日に読んだ二宮尊徳翁の本からの受け売りです、と白状す
ると笑っておられました。

結局政治的には一番目、二番目、三番目、四番目のどの立場が良いの
かよくわかりませんが、人間の人間性が高まっていけば、どの政策や
立場であれ世の中は平和になっていくのかもしれませんね。

かみ合わない

にんげんクラブの皆さまこんにちは。本書は2017年の2月号ですが、読者
の皆さまのお手元に届くのは、新年が明けて数日たった頃だと思います。

昨年は大変お世話になりありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

本年もよりいっそう楽しいにんげんクラブの会報誌を作っていきたいと思って
おります。


さて、今月の勝仁会長への取材の日は、出張続きで少しお疲れなようでした。
勝仁会長は北海道へ出張に行き、そこで大雪が降ったために札幌からの飛
行機が飛ばず、札幌に延泊をすることになって、翌日はそのまま沖縄へと飛
び、沖縄での滞在は十数時間で東京へ帰ってきてから次の日にこの取材を
迎えたそうです。日本縦断の移動ですね。

日本の北と南を繋いでくるお役目があったのでしょうか。勝仁会長の感覚では、
北海道の神様は怒っているように感じて、沖縄は優しかった、とのことでした。
北海道ではホワイトアウトと表現されるほどの大雪だったそうですから、そう感
じるのも自然なことと思います。お知り合いの方に余市にあるフゴッペ遺跡とい
う洞窟に連れていってもらったそうで、そこには羽の生えた人や、角の生えた
人の絵が描かれていたそうです。羽の生えた人が天つ神、角の生えた人が国
つ神のように見え、勝仁会長には戦っているように見えたそうです。普通はそ
のように解釈しないそうですから、大雪でない暖かい日に訪れても同じように
見えるのか、ぜひもう一度訪れてみていただきたいなと思いました。


世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち

今月の取材も、まずは政治のお話をお聞きしました。勝仁会長は、トランプ政権
になると予測をズバリ的中させた副島隆彦先生の本を再度学び直す必要があ
ると思われたそうで、一冊の本を読み始めたそうです。その本とは、『世界覇権
国アメリカを動かす政治家と知識人たち』副島隆彦著(講談社+α文庫刊)です。

まだ途中までしか読んでいないけれど、アメリカの政治について非常によくわか
る本だとのことでした。この一冊の本の内容を理解しているかどうかで、アメリカ
や世界の政治の見方がガラリと変わるそうです。特に知識人の相関関係を表し
たチャート図が非常にわかりやすいとのことでした。

勝仁会長によると、日本以外の先進国の知識人は、英語の文献で勉強をするた
め本書のチャート図のようなものを知っているのがあたり前なのだそうですが、
日本人だけがなぜかこれを知らないから、世界の政治のことがよくわからないの
だそうです。

またこの本に加えて、写真がたくさん掲載されている『世界権力者人物図鑑』
(日本文芸社刊)を読むと、さらによくわかるそうです。


じつは『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』にはある思い出が
あります。まだ私が舩井幸雄会長の秘書になる少し前の2004年に、ある日
舩井会長から一本の電話がかかってきました。その用件とは、「これから僕の
秘書になる前に、時間があるならばこの本を読んでアメリカの政治の勉強をし
ておきなさい。とてもよくわかる本だよ」と指定されたのが、この本でした。

当時は前職の引継ぎがまだきちんとできていなかったため、秘書になることは
決まっていたけれど正式に入社するまでに少し時間が空いていたのです。
舩井会長の秘書になることは夢にまで見た憧がれの職業であり、これ以上に
ないほどの希望に燃えた状態でこの本を読みました。しかし、横文字が多い
上に政治について全く興味が持てなかったため、私の頭ではどれだけ読んでも
さっぱり理解できず、入社する前から大きな敗北感を味わった一冊が本書でした。

政治を勉強するにはとても優れた本とのことですので、ご興味のある方はぜひ
お読みくださいね。

ちなみに私は、十年以上経った今読んだとしても、やっぱり全然理解できない
だろうことがわかるのでもう読みません。不得意な部分を無理に触るだけ時間
の無駄ですから。私には権力者の人物図鑑を読むよりも、動物図鑑や野鳥図
鑑を読んでいるほうがよほど楽しいのです。でもいつか、ごく自然にむくむくと、
権力者の人物図鑑が読んでみたいなという気持ちがもし湧いたら、読んでみ
ようと思っています。

次のアメリカ大統領がトランプ氏になると決まって、今までの常識とは違うタイ
プの人が大統領になることで、何かわからないけれど、スカッとした気分が
漂っているとのことでした。これと同じことがじつは以前に日本でも起こっていて、
2012年の年末に安倍政権が誕生した時も、同様にスカッとした気分が世間に
漂っていたそうです。

トランプ氏がなぜ今回選ばれたかというと、歯に衣着せず、本音を言うことで
信頼を勝ち取っていったようです。政治の世界では政治の話法があって、言っ
てはいけないことがあらかじめ決まっていて、本音でない会話が続いていくた
め聞いていてじつにつまらないそうなのですが、トランプ氏はそれに従わず
言ってはいけないことも本音で話すので、言葉に力があったようです。

一方安倍首相も、日本の政治家にしては珍しく本音を話すタイプだそうで、
意外と似ているのかもしれないとのことでした。

いろいろとほかにも政治のお話はお聞きしました。印象に残った言葉は、「少な
くともスーツを着て仕事をしている人は、フェイスブックなどの情報ばかりを読む
のでなく、せめて日本経済新聞は読んだほうがいい。新聞で本当のことが書い
てあるのは日付だけなのかもしれないけれど、それでも読まないと仕事をする
うえで話にならない」
とのことでした。

確かにこの意見には賛成です。
どんなゲームに参加するにも、やっぱりルールを知らなければいけないですか
ら、そこに参加するためには、日本経済新聞は必読なのでしょうね。

とはいえ、今のところ私は読んでいません。他の文脈でこの言葉は出たと思って
いたのですが、もしかするとこれは私に対する苦言だったのかもしれないと、今
この文章を書きながら思っています。

そのほかに、沖縄では「模合い」という頼母子講や無尽講のような相互自助シ
ステムがあるお話は面白かったです。
20人くらいの人が集まって、一定額のお金を出し合い、一人の人が当たったら
そのお金を全部もらうシステムだそうです。
ある会では、一人5000円ずつ出し合って、当たった人がそのお金を倍にして
全員の飲み代を払うシステムだそうで、当たったら困るのだそうです。なんだか
面白くてすごく仲良くなれそうですね。

東京のビジネスは合理的なのでほとんどそういうことはなくなったそうですが、
地方ではこのように濃密な人と人との繋がりが、ビジネスにはとても必要だと
いう話がとても面白かったです。
普段あまり人と会わず、本ばかり読んで過ごしているので、そのような経営の
お話はとても勉強になりました。


模合の話は楽しく聞きましたが、大半はあいかわらず話がかみ合わない時間
が続き、取材が終わった後、「兒玉さんと僕は違うということだけはわかった」
としみじみ勝仁会長はおっしゃっていました。
取材の回を重ねるごとに、かみ合わなさを楽しんでいる気がします。

かみ合わない人たちがたまにかみ合うから、そこに新たな何かが生まれて、
人生は面白いのかもしれませんね。

株式会社 にんげんクラブ会長 舩井 勝仁 × 作家・エッセイスト 兒玉 裕子

「2017年はどうなるか」

にんげんクラブの皆さまこんにちは。この会報誌がお手元に届く頃は、年末
も押し迫って忙しく過ごしておられる頃と思います。今月は新年号ということ
で、2017年の予測を勝仁会長からお聞きすることになりました。

ところで、この取材を行ったのは、10月の末でしたから、まだ米大統領選挙
の結果が出る前でした。そしてその時点では、日本の多くの方がそう予測し
たように、次の大統領はヒラリー氏になると勝仁会長は予測しておりました
ため、2017年はヒラリー氏が大統領になった後に世の中がどうなるか? 
と話が進んでいきました。しかしトランプ氏が次期大統領と決定してしまいま
したので、この時お話しいただいた予測は根底から覆されてしまったことに
なります。とはいえ細かい予測は別にしても、大きな流れの金融の仕組みの
お話はとても面白かったのでご紹介したいと思います。

お金が生まれる仕組み

お金が何でできているかというと、原価15円程度の紙でできています。なぜ
この紙に価値があるのかというと、信用があるからです。以前のアメリカは
お金を金に換えてくれましたが、ニクソンショックが起こってから金に換える
ことはなくなり、その代わりに国が紙幣を信用する仕組みを作って紙幣を発
行するようになりました。これを信用創造と言います。今のお金はどのように
信用創造されているのかというと、実は誰かの借金なのだそうです。誰かが
銀行からお金を借りるとお金が生まれ、返済するとお金がなくなります。

銀行の中だけで動いているお金と、銀行の外に出るお金は性質が違います。
銀行は、銀行の中だけで、お金が循環していきます。たとえばA 銀行→ B銀
行→C銀行→A銀行とお金が循環していくこと、これをインターバンク市場と
言うそうです。ぐるぐると循環させながら回っているお金で信用創造をして、
それが外に出て誰か銀行以外に貸し出したときにお金が生まれる仕組みに
なっています。この循環の仕組みを、銀行以外の人たちがやると、A社→ B
社→ C 社→ A 社と物を売って架空の売上を立てることは、循環取引と言っ
て虚偽記載で立件・摘発の対象になるそうです。

世界中の銀行が、インターバンク市場の中でぐるぐるとお金を回し続けてい
て、信用を創造しています。このインターバンクの中だけは、何があってもデ
フォルトを起こして信用を崩してはいけなかったのですが、日本は1997年
に三洋証券がデフォルトを起こして倒産してしまいました。

そこで日本は信用がなくなり、信用創造がつぶれてしまいました。そのため、
ジャパンプレミアムと言って、日本の銀行が海外から資金調達をする際には、
通常より高い利率を要求されるようになったそうです。

世界は、2008年のリーマンショックでこの信用創造が壊れました。

現在の日本が世界で一番国債が多いのは、今の日本人は1997年以降借
金をする人が少なくなったからだそうです。誰かが借金をしてくれなかったら、
お金が生まれず経済が回らないから、仕方なく政府が借金をしてくれている
のだそうです。リーマンショック以降は、アメリカも紙幣をたくさん刷って、国
債がどんどん増えてきているそうです。

お金を血液だと考えてみると

と、ここまで聞いてなるほどなぁと思いました。

金融、経済の話が大の苦手な私の解釈では、こんなふうになりました。私は
お金のことを、人体で言うところの血液のようなものだと捉えています。

すべてのものは、相似象だと思っているので、人体を宇宙にも地球にも応用
できます。お金が血液だったとしたら、脳とか、各種の臓器とか、血液を多め
に使う器官があったとしても、体じゅうに滞りなく、血液は循環したほうが良い
に決まっています。たとえば脳ばかりに血液が行ってしまうと、冷え性になっ
たり、がんができたり、最終的には脳溢血で死亡したりしてしまうことでしょう。

今のお金のシステムは、あるところだけに血液が集まり、あるところには全然
血液が流れない状態と言えます。

勝仁会長のお話をお聞きして、なるほどインターバンク市場というのは、心臓
のようなところなのだなと思いました。心臓が適切に働いているときは良かっ
たけれど、日本は1997年に、世界は2008年に心筋梗塞を起こした。そこ
で、バイパス手術をしたりペースメーカーを入れたり、輸血をしたりして、術後
の復帰に数年かかり、その後なんとか今までもたせてきたけれど、もう心臓と
体はボロボロですよ、という状態が今の経済なのでしょう。心臓のさらなる手
術は難しいから、末端の毛細血管や腸の細菌の力に期待してみようという視
点がクラウドファンディングやビットコインやairbnbやウーバーでしょうか。

このボロボロの体をなんとかするには、現状維持でいくか、死を覚悟しつつ
さらなる大手術にかけてみるか、意識の大転換をして不死鳥のごとく復活す
るか、いっそ一回死んで生まれ変わるか。

個人的には意識の大転換が一番良い方法だと思うのですが、皆さんはいか
がお考えでしょうか。トランプ政権は大手術を試みるかもしれませんね。

このようにお金を血液として想像してみることは、いろいろと応用できます。
必要以上にため過ぎていたら、毒素を排出する腎臓や肝臓が悪くなったり、
流れが滞りがちになったら動脈硬化になったり、金欠のときは貧血になった
りと、占いではありませんし正解もありませんが、一つの視点としては面白
いと思います。ちなみに私は万年貧血ぎみですから、こういう人の語る経済
の話はあまり信用しないほうが良いと思います(笑)。


これからどうするか

勝仁会長は、2017年は金融危機が起こる可能性が高いからぜひお金に
意識と愛を向けてくださいとのことでした。相場をしている人だけが困る小難
の金融危機ならばいいけれど、一般の人、特に社会的な弱者の人たちが困
る大難は、なんとしても避けたいものですね。

お金持ちの方のための資産運用のオススメのポートフォリオは、現金預金が
50パーセント。後は、ドルや株や不動産や投資信託など好きなものを持ち、
10パーセントは保険のためにお金を持つのが良いそうです。特に、金の硬貨
は1枚で、四人家族が1か月暮らせるだけの資産になるそうですから、10枚
持っていれば1年くらいなんとか暮らせるのだそうです。日本人はお人よしで、
隣で飢えている人がいるのに、自分だけ食べることはたぶんできないから意
味はないかもしれないけれど、手軽に持ち運べるし、子供にも引き継げて家
宝にもなるから、余裕のある人は金のコインを持つのが良いでしょう、とのこ
とでした。そして最後の10パーセントは、世のため人のために、若い人の支
援をするために使ってください、とのことでした。

お金とは、世の中の投票権のようなものです。安くて便利でばかりを求めた
結果、コンビニが増え、安全で安心な食べ物がスーパーから消えてしまいま
した。愛をこめ、心をこめて物を作り、売っている人から、愛を込めたお金で
買うことで、世の中を変えていけるとのことでした。これは一人ひとりが身近
なところからできる素敵な変革ですね。貧血ぎみの私も、今年はお金にも愛
情を向けて、大切に使いながら気楽に生きたいと思います。


「放っておけ」

にんげんクラブの皆さまこんにちは。こだまゆうこです。
舩井フォーラム2016もおかげさまで無事に行うことができました。大きな
イベントを開くことは、それだけ大きな責任も伴い、そして多くの方々のサ
ポートを頂きながら開催することができるものなのだと毎年この時期を迎
えると感じます。今年は「封印が拓かれるとき」がイベントのテーマでした
が、ご参加いただいた方々の、それぞれの心の封印が、その方固有の方
法で、拓かれたのではないでしょうか。ご縁のある方々と一緒に集い、祈り、
交流できましたことに、心から感謝しております。ありがとうございます。

さて、今月の巻頭言での勝仁会長へのインタビューは、勝仁会長がイスラ
エルの旅から帰国した翌日に行われました。さらに次の日からはタイへの
出張が迫っていたそうで、すごく多忙で疲れていらっしゃる時の取材でした
が、楽しいお話を聞かせていただきました。

今回の旅は、スタートからアクシデント(?)が起こり、なんと入国審査の際
に携帯電話を落として壊してしまったそうです。おかげで、旅行中ずっと電
話は使えない、カメラも使えない、携帯でのネットももちろん無理でした。

勝仁会長のイスラエルの旅も今回で4回目、特に赤塚高仁さんが主宰す
るツアーは、三年連続三回目の参加だそうで、ツアーで行く所はだいたい
同じですから、観光のポイントとしてのイスラエルには、すでに飽きてしまっ
ていたそうです。そのため、他のご参加者の方が景色に感動したり、ガイド
のバラさんのお話を熱心に聞いたり、写真を撮ったりする中で、勝仁会長
は自然と、その場の空気やイエス様やマリア様、はたまた神様や自分自身
との対話をする時間がかなり長かったとのこと。要するに、暇だったのです
ね(笑)。携帯電話を壊してしまったのも、自分自身との対話のためには必
要、必然、ベストなことだったのでしょう。

私はイスラエルに行ったことがないので体感はわかりませんが、多くの宗
教の最も重要な聖地でもあることから、たぶんイスラエルは自分自身や神
と繋がりやすい土地なのだろうと思います。そのような場に日本人であり
ながら4回も行けるとは、勝仁会長はよほどイスラエルとご縁が深いのだ
と思います。

いろいろな存在と対話をし続けた旅だったということで、個人的なことでは
ありますが、どんなメッセージを受け取られたのか、具体的に教えてくださ
いとお聞きしました。すると、「いいのかなぁこんなこと喋って」と躊躇され、
「もちろんこのメッセージは、僕のたんなる妄想で思い込みですよ」と前置
きをしてから、まず教えてくださったのは、マリア様からのメッセージです。
ヴィア・ドロローサ、イエスの苦難の道という、イエス様が十字架を背負っ
て歩いた道があるそうですが、そこのある地点でマリア様から「私の息子
を助けてくれてありがとう」となぜだか言われたそうです。はじめは意味が
よくわからなかったそうですが、イエス様やマリア様は、きっと時空を超え
た存在だから、いつの日かイエス様を封印から解放する役割があるのか
もしれないなぁ、とのことでした。ここだけ聞くと、キリスト教徒の方にはびっ
くり仰天で罰当たりな妄想だと思うかもしれませんね。勝仁会長が感じるこ
とは、イエス様は、死後二千年もたっているのに、いつまでたっても世界中
の多くの人から「主よ」と助けを求められ続けています。それってじつはし
んどいんじゃないかな? と思うそうです。確かに、すべての人が自分自身
の光に気づくことができれば、イエス様を頼ることもなくなるでしょう。そうす
れば、イエス様はいつまでも十字架を背負い続けることなく、また別の役
割に移れるのかもしれません。

とはいえ、私自身はと言えば、キリスト教徒でもないのに、悲しい時や困
難にあった時、真理の道を求めている時に、「どうかお導きください」と、
イエス様やマリア様、はたまた他の聖者様のことを思い浮かべる時があ
るので、微妙な気持ちにもなります(笑)。自分の足で立てていないと言わ
れればそれはそうなのですが、自分の足だけでは立てない時もあるし、立
てるようになるまでは、やっぱりイエス様は思い浮かべてしまいます。

こんな時は人間であるイエス様に焦点を合わせるのでなく、「キリスト意識」
に焦点を合わせて、自分自身の内なる光を取り戻すことが大切なのでしょ
う。いつの日か自分で立てるように、日々コツコツと努力と忍耐、精進が必
要ですね。

勝仁会長は、初めて行った時から、なぜだかイスラエルではメッセージが
聞こえたのだそうです。

その一度目の旅のメッセージとは、「砂漠に雨を降らせ緑を取り戻す約束
を果たしてほしい」ということだったそうで、それは非常に勝仁会長の心に
響いたとのことでした。 

それから今回の旅で、神様から強く言われたことは「おまえは甘い!!」
ということだったのだとか。今回の旅では、映画「インディ・ジョーンズ」の
舞台となったヨルダンのペトラ遺跡も見に行ったそうですが、ペトラ遺跡を
見ていたら、繁栄していた文明が、何らかの災害で一瞬にして滅亡して遺
跡となったのではないか、という気がしたそうです。今まで、勝仁会長は
人類が進化して世界が地上の楽園に変わる時は、明治維新の時のよう
に混乱などあまり大変なことは起こらないだろうと思っていたそうです。
それがペトラ遺跡にいると気候の厳しさなどを直かに感じて、「そんなこと
はない。甘い」と神様の声が響いてきたとのことでした。どの文明も同じ運
命をたどる可能性はあるぞ、ということを思い起こさせてくれたとのこと。
なかなか厳しいメッセージですね。このメッセージは勝仁会長が個人的に
受け取ったメッセ―ジですが、ここでご紹介することで、そうならないため
に、一人ひとりがどう生きるか、を読者の皆さまにも今一度考えていただく
メッセージなのかもしれません。

さらにもう一つ、何度も受け取ったメッセージは「放っておけ」だそうです。
何かトラブルが発生した時、人はすぐに怒ったり、解決しようとしたりしま
す。たとえばイスラエルの旅行でバスが渋滞に巻き込まれたとき、すぐに
「あの車が駐車違反をしているせいで、なかなか進まない」とか、悪者を
見つけ出して断罪しようとしたり、とにかくイライラしたり、焦ったり。でもよ
く考えたら自分が悪者を見つけたり、怒ったりしたところで、バスの渋滞が
解消されることはありません。運転手であれば、何らかの解決方法を探そ
うと努力する役割ですが、乗客はイライラしても、何も解決できないのです。
だから渋滞していたとしても、「そんなことは放っておいて、俺ともっと対話
をしようじゃないか」と神様に言われたような気がして、神様と意識を合わ
せて対話を始めると、自然と渋滞は解消されたのだとか。こんな経験から、
様々な場面で「放っておけ」を感じるようになったそうです。誰かと誰かが
喧嘩をしていても、彼らは彼らで喧嘩がしたくてしているのだから、無理に
仲直りさせようとか考えないで、放っておいて、自分は自分と対話をしよう、
そして「今、ここ」を大切にしよう、と思うようになったら楽になったそうです。

以上が、イスラエルで感じた主なメッセージとのことでした。勝仁会長は
個人的に喧嘩の仲裁がとても上手だと思っていたので、「放っておけ」は
面白いメッセージだなぁと思いました。今後は直接関わらずに間接的な
意識で喧嘩の仲裁をしていくのかもしれませんね。

問題はできれば解決したほうが良いと思うけれど、私自身も自分では解
決できない問題まで頭で考えて大きくし過ぎてしまうクセがあるので、
「放っておけ」をたまに思い出したいと思いました。

男女の会話の視点


こんにちは。こだまゆうこです。にんげんクラブ会員の皆さまにはいつも大変
お世話になっております。今月からにんげんクラブ会報誌がリニューアルしま
した。それに伴い、毎月ご好評いただいております舩井勝仁会長による巻頭
言を、勝仁会長に私がインタビューをさせていただき、それを編集して皆さま
にご紹介することになりました。
 
そもそもなぜこのような形になったかというと、勝仁会長はにんげんクラブ会
報誌のほかに、舩井幸雄ドットコムの原稿や、『ザ・フナイ』の巻頭言など、
また舩井メールクラブなど様々な文章を書いておられます。それらの締め切り
日時は重なることが多いため、『ザ・フナイ』の巻頭言とにんげんクラブ会報誌
の巻頭言が、似たような内容の文章になってしまうそうです。そこでにんげん
クラブでは少し変化を持たせるように、少し巻頭言の表現手法を変えてみよう。
女性性の時代だからということで、女性のライターである私に編集の依頼が来
たのでした。

正直に書くと、この依頼をいただいたときは、すごく難しい仕事だなと思いまし
た。お聞きしたことをそのまま書いただけでは、たぶん『ザ・フナイ』と同じよう
な記事になってしまうでしょう。
とはいえ私流に解釈してお伝えしてしまうのは巻頭言にふさわしくありません。
勝仁会長の表現したいことを巻頭言という大事な場で上手に書ける自信があ
りませんでした。そのような自信のない状態で取材に挑みましたら、喋るほう
も、聞くほうも、なんとなくうまく意思疎通ができていないような違和感が残り
続けて、非常に長く大変な取材となりました。取材の最後に、勝仁会長から
「もちろんこだまさんの考えを書いていいですよ。僕が喋ったことで違うと思っ
たことは、勝仁さんはこう言ったけれど、私は違うと思うと書いてくれていいん
です」とありがたい言葉をいただきました。当初から勝仁会長はそのつもりで
お話しくださっていたのでした。その言葉を初めに確認してから取材をすれば、
もっとこの取材はスムーズだったかもしれませんね、とお互いに笑いました。

さてそんな経緯とともに、にんげんクラブらしく、お互いに意見を出しつつお互
いを否定しない「寄り合い」のようなスタンスで、巻頭言をお伝えしていきたい
と思います。このインタビューはある意味で、男性性と女性性、左脳型と右脳
型の融合がテーマなのかもしれません。意見が違うことでお互いに対立が生
まれるのでなく、新た理解が深まることを祈りながら、今月からの巻頭言を
ご紹介したいと思います。

最近の勝仁会長がお気に入りの本はヘンリー・キッシンジャー氏の著書
WORLD ORDER 国際秩序』(日本経済新聞出版社刊)なのだそうです。
キッシンジャー氏は、今年で93歳という高齢にもかかわらず、著書を読むと
全く衰えが見られず文章も冴えわたっているようです。その話の流れから、
この世界はたった十数人が牛耳っているようだ、という話題になりました。
副島隆彦先生が著書の中で書いていらっしゃるには、今世界を動かしている
人とは、デービッド・ロックフェラー氏(101歳)、政治の右腕はヘンリー・キッ
シンジャー氏(93歳)、経済の右腕はポール・ボルカー氏(89歳)、この三人の
意向で世界の方針はだいたい決まるそうです。それにもう一人を付け加える
ならば、ジョージ・ソロス氏(86歳)とのことでした。どうしてこのように高齢の
方々が世界を動かしているのか......その答えは、勝仁会長の解釈によると、
50代、60代の年代の方々が、本来やるべきことをやっていないからだそうで
す。

そしてなぜ本来やるべきことができないかというと、戦後生まれの人には、世
界を経営していく、そんな非情なことができないからだそうです。創造には破
壊がつきものです。何か新しい秩序を創っていくには、既存のものを壊してい
かねばなりません。先進国にとって良かれと思ってやったことが、必ずしも他
の国や地球にとって良いことではないかもしれません。

舩井会長もよくおっしゃっていたそうですが、昭和の時代に大企業を創り上げ
ていくには、社会をより良く発展させていく実行力とともに、コスト削減や効率
重視など、ある意味では血も涙もないような非情な決断ができる人でなけれ
ば経営はできなかったそうです。世界の経営ともなると、もっと血も涙もない決
断ができなければその責任を担うことができないだろう......とのことでした。

そのように政治、経済のお話が深まっていきそうだったのですが、私があまり
にもつまらなそうに話を聞いていたのか、「この話題はあまり好きじゃないよう
ですね」と、そこで政治経済のお話は終わりました。

私は仕事柄、政治経済の様々な講演会を聞いてきましたが、どれだけ勉強し
ても政治経済に興味が持てません。私にとって、ディビッド・ロックフェラーさん
やその他の政財界のトップに立つ人は、本の中や講演会の中で顔写真を見
る人、という位置づけで、映画スターとさほど変わりません。

政治経済のストーリーの映画の主人公であって、私の人生の中に関わる登
場人物ではありません。
仮に同じ町内会に住んでいらっしゃるならば、もう少し興味も湧くとは思います
が、そういうこともありえないので、ふーん、という感想で終わってしまうのです。

世界が本当に十数人に操られているとしたら......ではその十数人はいったい
何によって意思決定をし、何によって操られているのでしょうか。

彼らは彼らで、良かれと思うことをやっているだけかもしれませんし、民衆を恐
れているのかもしれませんし、自己の利益ばかり考えているかもしれませんし、
単純に奥さんの意見を参考にしているだけかもしれません。自分の身の回り
で起こることから、いろんな情報を得ながら意思決定をしていることでしょう。

これを突き詰めていくならば、結局はほとんどすべての人が何らかの存在に
思考を操られながら生きていて、究極に世界を操っているのは「神だ」という
別の視点ではごく当たり前の答えに行きつきます。政治経済の話としては本
末転倒ですが。

すると、ロックフェラーさんとは会話をする機会がないから、神様にアクセスし
たほうが早いよね、という話のすり替えが私の脳内で起こり、世界を誰が牛
耳っていたとしてもどうでもいいじゃない、というような発想になるのです。
これでは会話が続くわけもないですね。

これは、勝仁会長と私がほんの数分話した際の例ですが、多くの男女の会話
は、このようにお互いが全く違った視点、論点で語り、話が噛み合いません。
男性脳、女性脳の違いなのか、お互いのことを、金星人だ、火星人だ、無知だ、
わからずやだ、と思いたくなるのも、納得なほどに考え方が違うのです。
これはどちらが良い悪いではなく、単に役割の違いだと思います。どちらもお
互いの視点を自分にはないものとして認め合い、尊重することができるときに、
新たなものが生まれるのだと思います。

今月は、実験的にこのような話題をご紹介しましたが、取材中はほかにも様々
な話題が飛び出しました。来月以降はもう少し盛り上がった話題をご紹介した
いと思います。勝仁社長によると、『WORLD ORDER 国際秩序』はかなり内
容が充実した面白い本だそうですので、ご興味のある方はぜひお読みください
ませ。また、今年の芥川賞に輝いた『コンビニ人間』村田沙耶香著(文藝春秋
刊)もかなり面白かったそうです。こちらは私も読んでみましたが、とても面白く、
いろいろと考えさせられました。ぜひお読みいただければと思います。

ところで話は変わりますが、10月15日、16日と『舩井フォーラム2016』が行
われます。
16日は、弘法大師空海について、多くの先生にご講演いただきます。また、
世界同時刻の祈りの時間には、パンフレットには掲載されていませんが、
はせくらみゆきさんにもご登壇いただく予定です。
この二日間を通して、皆さまの心の中の封印が拓かれて行くのかもしれませ
ん。とても楽しみなイベントです、ぜひいらしてくださいませ。

今月のにんげんクラブ ~10月号~

 先日、久しぶりに将棋の羽生善治先生とお話しさせていただく機会があり
ました。ある方をご紹介することが目的だったのですが、とても深くて濃い内
容のお話になり、その場に同席できたことが本当にありがたく感激していま
す。

 一番、印象的だったのは不可思議な世界に入り込み過ぎないようご自分
を戒めていらっしゃる姿勢でした。コンピュータとの対戦について質問をさせ
ていただいたのですが、かなり研究を進められていて、人間のプロなら絶対
に指さないような世界を垣間見ることができるとお話しくださいました。その
お話から、コンピュータの指す将棋はとても参考になるが、その世界をあえ
て追い求めることはしてはいけないという感覚が伝わってきたのです。

 羽生先生は、AI(人工知能)の専門家の方からAIの知能指数(IQ)は4000
にもなると教えてもらったそうです。IQは人間の平均が100、アインシュタイン
でも180だったそうなのですが、4000から見れば100も180も誤差の範囲で
大した違いはないということになります。少しネットで調べてみるとMIT(マサ
チューセッツ工科大学)が2012年にAIのIQを調べたときには4歳児程度とい
う結果が出たそうなので、AIはものすごいスピードで知能を獲得していって
いることになります。

 でも、羽生先生の健全な感覚は、IQ4000の世界は人間の領域ではないの
で、そこはあえて追い求めないという姿勢になるのです。

 羽生先生のお話の中に、麻雀の世界で20年間負け知らずだという桜井章
一さんのお話が出てきました。2011 年に羽生先生が桜井さんにインタビュー
される形で出版された『運を超えた本当の強さ 自分を研ぎ澄ます56の法則
(日本実業出版社)という本があります。早速読ませていただいたのですが、
二人の勝負師の対談は二人にしか分からない世界であり、私のように勝負の
世界に生きていない人間がその本質を理解するのは簡単ではないということ
を感じました。

 それゆえ、表面的な理解しかできないという前提の上で書かせていただくと、
桜井さんは「健やかであること」の大切さを話されていたそうです。本の中では
特にそのことに触れられた部分はなかったのですが、私にはその表現がとて
も心に残ったのです。

 麻雀はギャンブルと直結する裏の世界で、桜井さんも若い勝負師の頃は新
宿の歌舞伎町を徘徊していたそうです。本の中では、最近の電車に乗ってい
るスーツを着てネクタイを締めているサラリーマンの臭いが、当時の歌舞伎町
で世の中の裏側を歩いていた人たちの臭いと同じであることを憂えています。
最近の麻雀は、お金を賭けない競技麻雀や女流プロなどの明るいイメージも
出てきていますが、やっぱりまだまだアウトローな雰囲気が漂う世界です。

 それに比べて、羽生先生がベテランと呼ばれるようになった将棋の世界は、
いまではほとんど胡散臭い雰囲気を感じない世界になりました。その代わり
と言ってはなんですが、電車の中でスマホのゲームに興じているサラリーマ
ンの中に狂気を感じるというのが勝負師の感覚なのです。

 昭和の時代、将棋はいまよりもはるかに庶民に人気がありました。インテリ
や経営者層に支持されていた囲碁に比べると縁台将棋という身近なイメージ
で、それこそ賭け将棋なども盛んに行われていて、何となくアウトローな臭い
がして、それがまた魅力だったのです。

 でも、プロになる前後からコンピュータの棋譜を使って勉強してきた羽生先
生やその少し上の谷川浩司先生にはまったくその気配がありません。これは
桜井さんが言う健やかな世界になっているということなのではないでしょうか。

 一局一局の勝ち負けが明確に決する勝負の世界に生きているのに、その
頂点に立つプロの世界が健やかである現代日本の囲碁や将棋の世界には、
電車の中のバーチャルの世界が狂気の臭いを発するようになってきた現代
社会の健全化に向けて、とても参考になる気づきがあるような気がします。
ポケモンGO でますます加速されることになったバーチャルとリアルの世界
の境界のあいまいさを受け入れていくには、不可思議な世界を取り入れる
ことで桁違いな強さにステップアップする可能性を、あえて放棄する健やか
さが必要なのではないでしょうか。

 例えば、アスリートがドーピングをして金メダルを取ることや、芸術家が麻
薬の力を借りて前衛的な芸術作品を完成させるという安易な道を選ばない
感覚と言えば分かりやすいでしょうか。

 コンピュータとの対戦を通じてある意味での人間の世界にはまったくない
可能性を垣間見つつも、人間の知能でついていけない不可思議な世界に
入り込み過ぎないようにするバランス感覚が、もしかするとすべての分野で
ITの力が格段に強力になってきた現代においては一番必要とされる感覚な
のかもしれません。

 私は「舩井フォーラム2016」で封印を拓いたときの私たちに必要な感覚が、
まさに羽生先生がいま気を付けている感覚に似ているような気がして仕方
がないのです。封印を拓くと、特に最初は不可思議な世界が垣間見られる
ようになって楽しくなってしまうかもしれませんが、それは私たちが追い求め
る世界ではないのです。3次元の世界を選択して生まれてきたのですから
5次元の世界からのサポートは受けるにしても、それをきちんと使える準備
ができるまでは慎重な姿勢で未知のものには向き合う必要があるようです。
 
 未知に対しては敬虔な気持ちを感じることが大事なことで、でも未知の前
ではリラックスすることが大切だとKan.さんはおっしゃっていました。まさに
それを体現されている羽生先生のすごさに改めて驚かされました。将棋の
世界で一番強いということは世界で一番頭がいいと言ってもおかしくない羽
生善治先生のバランス感覚には、学ばされることがたくさんありました。

 話は違いますが、道を絶えず切り拓いている船瀬俊介先生と矢山利彦先
生と私の鼎談を『ザ・フナイ』でさせていただくことになりました。お二人は同
じ高校の先輩後輩になるそうで、矢山先生は先輩との楽しいやり取りを楽し
みにしているというお話をお電話でされていました。私たちが人生を通じて
社会に発信していることの重みを決めているのは、どれだけ人生に対して真
摯に向き合ってきたかだと思います。達人レベルの人生を生きてこられた超
プロのお二人との鼎談には少々緊張しますが、とても楽しみでもあります。

 そんな、Kan.さん、船瀬先生、矢山先生も出演してくださる「舩井フォーラ
ム2016
」はやっぱり見逃せないと思います。

今月のにんげんクラブ ~9月号~

 よくある話ですが、なかなか原稿がはかどらずに苦労しています。
原稿を書いている今は、参議院選挙が終わって都知事選挙が始まるタイミン
グなので、世間では政治的なことが話題になっているのですが、にんげんク
ラブで政治的なことに触れるのはなるべくやめておこうと思っているからです。

 そうすると、今度は天皇陛下が生前退位のご意向をお示しになっているとい
うニュースが大きく報じられるようになってきました。私も実はインターネットの
フェイスブック等の情報を結構参考にしているのですが、これが改憲を防ぐた
めに出されたものだの、逆に改憲を進めるための天皇陛下の政治利用だの
と両極端な説があるようで、触れたいようにも思うのですが、やっぱり難しい
ようです。

 個人的には、赤塚高仁さんと『聖なる約束』(きれい・ねっと)の続編を出す
ことになっていて、今回は聖書の最後にある「ヨハネの黙示録」がテーマなの
で、このことを一生懸命調べているのですが、それについて『ザ・フナイ』や会
報誌で触れるのは出版後の話になります。また、はせくらみゆきさんと『チェン
ジ・マネー』(きれい・ねっと)
の続編を今度はヒカルランドさんから出すことに
なって、その一度目の対談の前日にビットコインの仕組みを初めて理解でき
ました。このことを書こうかなとも思ったのですが、やっぱり巻頭言で書く話で
はないような気がしています。

 それに、不思議とイライラしているのです。最近いろいろな方から飲み過ぎ
を注意されるからかもしれません。かなり体力がなくなってきていることを自
覚するようになっているのですが、相変わらずお酒はおいしくいただいていま
す。今度は禁酒をするというよりは、二日酔いにならない程度に適度にお酒
を楽しめるようになることを目標にしてみたいと思っています。

 「舩井フォーラム2016」で『銀河系ボディに目覚める~身体に秘められてい
るダイヤモンド パスとは何か~』というワークプログラムをやってくださるKan.
さんからは、「先代(Kan.さんは父のことをこのように呼びます)に半分献杯さ
れるといいですよ」とアドバイスをいただきました。Kan.さんが言っている意味
とはちょっと違いますが、父と酒を酌み交わしている感じで緊張感を持ちながら
お酒を飲めば、飲み過ぎることはないだろうなと思ったりもしています。

 Kan.さんのワークプログラムは売れ行きが好調で、この巻頭言をお読みい
ただいている頃には満席になっていると思われます。

 Kan.さんからは、「DVDにして販売してもいいですよ」というお話をいただい
ているので、この機会を逃してしまった方はそちらを楽しみにしていただけれ
ばと思います。

 私が「舩井フォーラム2016」でとても楽しみにしているのは、16日(日)に旺季
志ずかさんと香川宜子さんに続けて講演していただくことです。お二人と私の
鼎談を『ザ・フナイ』の9月号と10月号に掲載させていただきましたが、とてもお
もしろいお話になりました。政治の時代になってとてもきな臭い現状ではありま
すが、それを包み込んで癒していくには女性性がバランスよく強くなっていくこ
とが大切だと思います。

 旺季さんは『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』(サンマーク出版)が
6万部以上のベストセラーになっているのですが、その第二弾として女性性に
スポットをあてた小説を書く準備をされているそうです。旺季さんはテレビの
人気ドラマの売れっ子脚本家なのですが、いまは脚本の仕事を断って小説
の執筆に専念したいぐらいの気持ちで気合が入っています。実際にご一緒し
ていた時に仕事の依頼の電話があったのですが、きっぱりと断っていらっしゃ
いました。

 もうお一人の香川先生は、不思議なことがいろいろと重なって『アヴェ・マリ
アのヴァイオリン
』(角川文庫)と『日本から《あ
わストーリー》が始まります
」(ヒカ
ルランド)を上梓される運びになりました。香川先生は四国のジャンヌ・ダルク
と呼ばれているようで、本当に元気で強い女性です。とてもおもしろい鼎談と
なりましたので、ぜひ『ザ・フナイ』をお読みいただければと思います。そして、
間違いなくこれからの世の中の変革の旗を振っていかれるお二人の講演を皆
さまとご一緒に伺えることを、とても楽しみにしています。


   


 そして、なんと言っても今回の「舩井フォーラム2016」の目玉は15 日(土)
18時からの交流会・懇親会とA・K・D コンサートです。赤塚高仁、出路雅明、
そして私の50代のおじさん三人が心底まじめに愛と平和のメッセージをお届
けするライブを本気でやります。三人のアイドルであるきれい・ねっとの山内
尚子さんにも参加していただいて、言葉では伝わらない感動を共有したいと
思っています。

 ちょうど原稿を書いているタイミングで、「人は真実に触れると感動できる。
そして、感動すると視点が変わる」というメッセージに触れました。A・K・D ライ
ブの真実の魂、スピリットを皆さまに感じていただけるよう、赤塚、出路をはじ
めとするMC サクセション( 忌野清志郎さんのコピーバンドでMC が多いので
こう名付けられたそうです)のメンバーも本番に向けて真剣に練習を重ねてい
ます。

 「舩井フォーラム2016」の二日間、私たちだからこそ伝えられる真実のメッ
セージにあふれる時空を創っていきたいと思っています。

今月のにんげんクラブ ~8月号~



宇宙は、今日も私を愛してくれる
山元 加津子 著 三五館刊

 かっこちゃんこと山元加津子さんと一緒に講演させていただく機会をいた
だきました。私はずっと以前からかっこちゃんは日本の宝だと思っています。
神さまが日本のために、かっこちゃんというステキで心のきれいな人を遣わ
してくださったのだと感じているのです。それなのに、深く考えないというい
つもの悪い癖が出てしまい、ティーアップとはいえかっこちゃんとのカップリ
ングの講演会を気楽に引き受けてしまったために、これも毎度のことですが
前日になって、その責任の重さにすっかり眠れなくなってしまいました。

 かっこちゃんが日本の宝だと言ったのは、そのままの言葉ではないかもし
れませんが、『すべては今のためにあったこと』(海竜社)という名著を残さ
れ、昨年惜しくもこの世を旅立たれた修養団の伊勢道場長だった中山靖男
先生です。いまは中山先生の遺志を継いで『へそ道』(サンマーク出版)と
いう内観法を世の中に普及させている入江富美子さんが監督をされて、
かっこちゃんが主演の「1/4の奇跡」というドキュメンタリー映画の中で、
中山先生がそのような趣旨の発言をされているのです。

 私がこの映画を最初に観たのは7年ぐらい前のことだと思いますが、その
ときは中山先生がここまでおっしゃるのだからステキな人なんだろうなとは
思いましたが、かっこちゃんの神髄は分かっていませんでした。その後、入
江さんの紹介で生前の中山先生にこの会報誌のインタビューをさせていた
だき、そのインタビューから20年近く前に私が一度だけ伊勢の修養団で研
修を受けさせていただいたことを中山先生がありありと覚えていらっしゃっ
たことに感激しました。でも、同時に中山先生やかっこちゃんが、生半可な
覚悟で毎日を過ごしていらっしゃるのではないということに気付き、それか
らはすっかり畏れ多くなってしまっていたのです。

 親友のSei さんのホームグラウンドである横浜の綱島での講演会だった
のですが、Sei さんと共同主催をしてくれた大学時代からの友人の向井さ
んが、前日に電話をくれました。以前勤めていた会社の同僚や大学の同
期生を誘ったので、にんげんクラブの説明を講演の中でしてほしいという
のです。かっこちゃんとの講演会で何を話してよいか考えあぐねていた私
にとっては、とても大きなヒントになるありがたいリクエストでした。
 
 8年前に船井本社に戻ってきて講演活動を始めたころ、いつも講演の最
初に皆様に尋ねていたことがあります。「『百匹目の猿現象』と『O︲リング
テスト』をご存じですか?」と必ず聞いていたのです。まだ講演に慣れてい
なかった私にとっては、その二つのことを知っている人がどれだけいるかが
バロメーターになっていて、知らない人ばかりのときは目に見えない世界の
不思議な話は控え目にして、ほとんどの方がご存じであればここは何を話
しても大丈夫だと判断して、思いっきり不思議な話をさせていただいていま
した。

 この二つのトピックスは父が命懸けで伝えてきた目に見えない世界を表
す象徴的なものであり、知っている方にはその先の情報を、知らない方に
はこのことをお伝えするというふうに使っていたのですが、最近にんげんク
ラブ関係の集まりに来てくださる方にはほとんど常識になっていることなの
ですっかり忘れていたのです。しかし、そもそも父がにんげんクラブをつくっ
た大きな理由は、「有意の人」の集合意識の力でいい世の中を作り上げる
という一種の「百匹目の猿現象」を起こすことなので、この講演では初心に
戻って「百匹目の猿」の説明をさせていただくことにしました。

 でも、昔と違っていたのは、幸島(こうじま)の猿の話から始めてみんな変
わっても12歳以上のオスザルは変わらなかったというオチの話の後に、変
性意識の話まですることになったのですが、それが案外受け入れてもらえ
ていたことでした。『幸せが追いかけて来る!』(きれい・ねっと)の著者であ
るヒプノセラピストのSORA・KEIKOさんがご参加くださっていたのでご挨拶
いただいたのですが、必然的な流れとして変性意識の説明をさせていただ
くことになってしまったのです。

 直感力と想造力の話もさせていただいたのですが、ワードとしての「百匹
目の猿」を知らない方に対してでも、こんな話が普通に通じるようになって
きたことに少しびっくりしました。そして、意図していた方向とは全く違うかた
ちになりましたが、かっこちゃんのティーアップという大役を果たすことがで
き、正直ホッとしています。

 販売されていたかっこちゃんの本の中で、私にとっていま必要な本だと感
じた『宇宙は、今日も私を愛してくれる』(三五館)を購入してサインをしてい
ただきました。翌日、気楽な気持ちで読み始めたのですが、とても読みやす
くて分かりやすい文章ですが、あまりに深い内容にまたびっくりしてしまいま
した。いま、私たちが生きていくにあたって知らなければいけない大事なこ
とが書かれている、最良の宗教書であり哲学書です。

 やっぱりかっこちゃんは並大抵の人ではなく、偉大な人です。あんなに真
面目な人生は私にはこれからも送れそうにないのですが、私も自分の役割
を果たしていけるようにしっかりとがんばらなくてはと決意を新たにしていま
す。


      

今月のにんげんクラブ ~7月号~

 会報誌に同封して送らせていただきましたが、「舩井フォーラム2016」のプ
ログラムが正式に決定しました。当初の予定から大きな変更がありましたた
めに例年よりもお知らせが遅れましたが、その分パワーアップした講師陣と
なり、フォーラムを主催させていただく私たちの心構えも整ってきています。
「雨降って地固まる」となるよう精いっぱい精進いたしますので、どうぞよろし
くお願いいたします。

 今回の「舩井フォーラム2016」の一番の特徴は、いままでよりも女性性の
要素が格段に増えたということです。講師の男女比は昨年も今年もほとん
ど変わらないのですが、イメージカラーがピンクになったこともあり、今年は
ずいぶん女性性が前面に出ている感じがします。

パンフ表紙.jpg


 ちなみに、私の文章は文体こそ「ですます調」ですが、内容は理屈っぽく
典型的な男性性主体で、「女性性の時代がやってきますよ」と言っている割
には、自分自身の変化はなかなか難しいのが現状です。幸い、舩井本社グ
ループのスタッフや手伝ってくれる人たちにはステキな女性が多いので、彼
女たちのアドバイスに素直に耳を傾け、無理せず楽しみながら少しずつ柔ら
かく変化していきたいと思っています。

 私自身が思考だけではなく体感的にも女性性の時代を理解して変化する
こと、女性スタッフをはじめ女性性の時代を体現する皆さまの意見をもっと
取り入れていくことで、来年は女性講師の比率を50%以上にしたいと思って
います。

 また、「舩井フォーラム2016」のテーマは「~封印が拓かれるとき~」です。
サイマー女史に出演していただく前提で企画していた元のプログラムのテー
マは「世界144000 人の平和と悟りのための祈り」でした。ところが、144000
という数字を示したことに対して、唐突で違和感を持った、戸惑ったというご
意見をいただいたこともあり、それを包み込む新たなテーマを考えさせてい
ただいたのです。プログラムやテーマの変更があっても、これまでお知らせし
てきた精神はもちろん引き継いでいます。

 先日NHK のE テレでモーツァルトのレクイエムの演奏を見ました。レクイ
エムはモーツァルトの絶筆の曲で、クラシック音楽好きの私はもちろん聴い
たことがあるし、何より1984 年に封切られた映画「アマデウス」のクライマッ
クスの重要なシーンで使われていたことで印象に残っている曲です。ただ、
宗教的なことに興味がなかったこともあり、歌詞の内容などはほとんど知り
ませんでした。

 音楽を楽しもうと見始めたのですが、途中から歌詞の内容に興味が湧いて
きて、インターネットで少し調べてみました。「レクイエム」は「鎮魂歌」という意
味で、いままでの私は単純にお葬式で歌われる曲だと思っていました。もち
ろんそういう意味も半分はありますが、同時に宗教儀式として歌われる「ミサ
曲」という側面も持っているようです。「レクイエム」と呼ばれるのはミサ曲の
冒頭、ラテン語で「レクイエム エテルナ」(永遠の安息を)と歌われるところか
らきているのです。

 そのミサ曲としてのレクイエムの形式として、最後の審判の日の光景が歌
われます。ちなみにモツレク(ファンはこう短縮して呼びます)では、最後の
審判の光景までの大半はモーツァルト自身の作曲で、その後の神を賛美す
る朗らかで明るい曲は弟子の作曲と言われており、映画で使われている部
分もそうですが、モツレクの聴きどころはこの激しく恐ろしい「最後の審判の
日の光景」の場面にあります。

 不思議なラッパが鳴り響き、恐怖の大王が現れて死者が嘆きながら蘇って
きたりするその場面のモチーフは、大半が聖書の最後である「ヨハネの黙示
録」からきていることは明らかでしょう。144000 という数字は「ヨハネの黙示
録」に度々登場する数字なので、西洋の人たちにとっては「最後の審判」を
想起させる数であり、彼らのDNA にしっかりと刻み込まれたハルマゲドンの
象徴なのだと思います。

 レクイエムは救世主が現れて、最後の審判が行われ、自らの深い罪を懺
悔した人々を救ってくださり、神を賛美する朗らかで明るいメロディーで終わ
ります。もしかすると、144000 という数字は、西洋の人にとってある種の封
印だと考えることができるのではないでしょうか。世界の終わりの辛い体験
を経なければ救世主は現れない、最後の審判は行われないという「恐怖の
封印」になっているのだと思います。

 宗教家の方には怒られてしまいそうですが、救世主は私たち一人ひとりの
内なる心や魂の中にあるのだと私は思っています。そして、その救世主が現
れるためには、西洋、あるいはクリスチャンの方であれば144000 という数字
に象徴されるような恐怖の封印を解かなければならないのではないかと解釈
しているのです。

 さらに、西洋より格段に情緒主体の日本における封印は、高野山の奥の院
でいまでも生きていると感じられる弘法大師空海によってそれとなくかけられ
たものなのではないかと感じています。

 今年の「舩井フォーラム2016」では空海の封印について考えることも大きな
テーマにしていきたいと思っています。そして、私たちの中にある救世主を皆
さんと一緒に探していく集まりにしたいと思っているのです。


白forum2016_size370-66.jpg

今月のにんげんクラブ ~6月号~


       

愛知ソニアさんの『人類創世記イナンナバイブル』(ともはつよし社)を読みま
した。『アヌンナキの旅』と『イナンナの旅』の2冊あり、Amazonでは販売して
いるようですが発行部数を少なくして一般書店で販売することなく、出版社
による直接販売を前提にしているので、価格設定もそれで採算があうように
少々高くなっています。
 
「ともはつよし社」は、かなりの刊行数を出しているある出版社が、一般書店
に流通させるにはちょっとまずいかもしれないと判断された本を出している、
いわば第二レーベルともいえる存在です。私は本書ではじめて知りましたが、
巻末に掲載されていた同社の本のラインナップを見ていると、思わず注文し
たくなってしまう本が何冊もありました。TV や新聞、それに雑誌などの他の
メディアに比べて比較的どんな意見でも出せると思われる出版の世界です
が、やはり制約があるのですね。
 
イナンナの旅』の最後に著者も書いていますが、この本は日本では1995年
に出版されたゼカリア・シッチン著『人類(ホモ・サピエンス)を創成した宇宙
』(徳間書店)を基にして、それに本書の主人公である宇宙人イナンナとの
チャネリングを加えて書かれたものです。私は500 ページ超のシッチンの本
も5年ほど前に結構がんばって読んだことがあり、ある程度の知識はあった
のですが、書かれていることを受け入れたくない気持ちがあるのか、正直も
のすごく読むのが大変でした。
 
だからというわけはないと思うのですが、最近の私はどうもスランプに陥って
しまっているようです。スランプというのは、たとえば王監督やイチロー選手
のような超一流選手であっても記録が気になり始めた途端になぜか不思議
と打てなくなるような状態のことをいいます。もちろん私が超一流というわけ
ではありませんが、やる気が湧いてこないというか、いつもならスラスラ書け
る原稿になかなか手が付けられず、結局締め切りギリギリになって関係者に
迷惑をかける状態になってしまっているのです。
 
『イナンナバイブル』や『人類を創成した宇宙人』のテーマは、宇宙人が豊富
にある金(ゴールド)を採掘するために地球にやってきたこと、自分たちで金
を掘るのは大変なので、類人猿に遺伝子操作をして知的な自分たちのプロト
タイプを作り、彼らにその作業をさせたこと、そしてそのプロトタイプが私たち
人類の祖先であるということです。結局そのことが根本的に受け入れられな
いためにスランプになったのですが、逆に言うとスランプになるほど何らかの
真実が含まれているように感じていることも確かだと思います。
 
本書では開放的な性についても取り上げられています。宇宙人たちは人類
から見れば神様のような存在であり、だから実際に神と呼ばれていたようで
すが、宇宙人たちの性の倫理観は私たちのものとはまったく違うということも
書かれています。例えば人間にとって近親相姦は大きなタブーですが、ある
宇宙人にとっては純血を守れるのでむしろ奨励されていたこと、だから宇宙
人の影響が直接及んでいた、たとえば古代エジプトのファラオ等は近親相姦
での結婚が珍しくなかったのだということです。
 
また、宇宙人たちも人間と同じように大きな過ちを犯してきました。たとえば、
古代に核戦争を起こして、地球の環境のみならず宇宙に対しても大きなマ
イナスのエネルギーを作り出してしまい、宇宙政府のようなより高次な存在
から大きな罰を受けて、その時から実質的には地球にいられなくなったこと、
最近になってようやく死にかけた人の魂と合意の上でその人の肉体を借り
る形で、過去の過ちを償うために地球に転生してきていることなども書かれ
ていました。
 
ある程度の真実とかなりの部分のフィクションが混ざった本だというのが私
の感想ですが、いま、直面しようとしている人類の改革は、宇宙人の助けを
借りるばかりではなく、できれば私たち人間が主体になって進めていきたい
ものだと思っています。そのためには人類が意識の拡大を行っていけばい
いと思っていますし、その前提条件としてまずはトラウマやカルマをクリーニ
ングしていくことに取り組んでいくことが大事だと考えています。
 
読み進めていくのがしんどい『イナンナバイブル』を読むこともクリーニング
の一環だったように思います。ここに書いてあることが真実だと思い込む必
要はまったくないというのが私の意見ですが、クリーニングのために読んで
そんな見方もあるということを心のどこかに留めておけばいいのだと思いま
す。
 
飛鳥昭雄先生は自らをサイエンス・エンターテイナーと呼んでいます。真実
はノンフィクションとして書くよりもエンターテイメントとして書いた方が書きや
すいのだというのがそれを見た父の意見でした。「ともはつよし社」の存在は、
真実を表現する媒体のあり方としてはとても参考になりました。にんげんクラ
ブの会員の皆さまには文章や講演等、様々な形で真実の情報のありかを提
供させていただきたいと思っていますが、その真実の情報を見極める感性が
今一番大切なのかもしれません。
 
『イナンナバイブル』を読んでいただけると、真実を知るというよりはむしろそ
んな感性が磨かれるのではないかと感じます。『人類を創成した宇宙人』は
物理的にも読むのがしんどい大作ですが、『イナンナバイブル』なら恋愛小
説を読んでいるような感覚で読めるので大丈夫です。様々なところに真実が
あらわれる、楽しい世の中になってきましたね。


今月のにんげんクラブ ~5月号~

 
先日、ある会合で朝倉慶先生とご一緒させていただきました。出版不況にも
かかわらず3月に出版された新刊『世界経済のトレンドが変わった! 』(幻冬
舎)が好評でよく売れていると、自信を持っておられました。今年の前半はい
きなり円高株安のトレンドから始まって、ついに日本経済の大波乱がやって
来るのかという恐怖が世の中を覆っていることもあり、いまは経済本がよく
売れているようです。
 
その一方で、2012 年の冬至に起こると言われていたアセンションがどうも
本当に現在進行形で起こっているようで、それに呼応するようににんげんク
ラブに関連する皆さんの意識の変容がどんどん進んでいるようです。例え
ば、3月6日に三重県鈴鹿市の椿大神社(つばきおおかみやしろ)で行われ
た「地球への祈りの集い」では、意識の変容が確実に起こっていることを確
信するにんげんクラブの有志の皆さんが、いま世に出してもいいギリギリと
も言える本当に素晴らしい演出をしてくれました。
 
経済的な大混乱なのか天変地異が起こるのかは分かりませんが、確実に
破滅に向かって進んでいるであろうというトレンドが感じられるようになって
いる一方で、有意の人の数が確実に増えていて、その人たちの意識の力が
日に日に大きくなっていることも感じられるようになってきていて、世の中は
一体これからどういう方向に進んでいくのか、まさに混沌としてきているよう
です。
 
もちろん、たとえ経済破綻のような出来事が起こって大難がやって来たとし
ても大きなトレンドで行くと世の中は確実に良い方向に進んでいます。デリ
バティブの残高は2008 年のリーマンショックの時には4京円~6京円ほど
あったと言われているのですが、いまはその時よりもひどい状態になってい
て12京円ぐらいになっているのではないかと言われています。この規模に
なった強欲マネー経済が爆発してしまうと、抽象的な言い方になりますが時
空を歪めてブラックホールを作ってしまうぐらいの影響があるかもしれません。
 
ただ、人類は昨年アメリカの物理学者たちが初めて重力波の観測に成功し
たということなので、ようやく光をも通さないブラックホールの世界を使いこな
せるようになってきているのかもしれません。

そう考えると、新たな挑戦として人間の強欲が作ってしまうかもしれないブ
ラックホールを何とかできるようになるのかもしれないのです。
 
あまりいい例ではありませんが、人工の放射能は良いものではありません
が、好むと好まざるとにかかわらず我々は自然のものも含めて、これからは
放射能と向き合っていかざるを得ないようです。

だとすると、人間の叡智を使って放射能と共生する方法を考えていくことが
できるようになる可能性もあるのだと思います。公式的なところではほとんど
認められていませんし、実際いい加減なものもあるのだろうと思いますが、
微生物技術などで放射能の無害化に成功したという話も耳に入ってきます
ので、そんな可能性を探っていくべき時が来ているのは間違いないのです。
 
でも、やっぱり大難は来ないのが一番いいのです。原子力発電を使わない
で暮らすことができるようになることの方が、原発事故を何とかするよりもは
るかに素晴らしい世界であることは間違いないでしょう。経済的な理由だけ
を優先して、地震大国である日本で原発をわざわざ動かすことはないと思
います。幸いにも原油価格などのエネルギー価格はずいぶん下がってきて
いますし、あまり美しいとは言えませんが太陽光発電も日本中に広がってき
ましたので、電気代が高くなったという弊害はありますが、ほとんど原発が動
いていないいまの状況でも何とか暮らしていけるのもまた、間違いのない現
実だと思うのです。
 
経済破綻にしても、起こるのを待つよりも何とかそれを避ける方法を考える
方が私はベターだと思っています。いつの時代も何か大きな事件が起こると
一番大変な目に遭うのは社会的弱者です。世の中を変えるためにならと悲
劇を待ちわびる必要はなく、豊かな暮らしを維持したままでシステムの変更
を考える方が絶対に幸せだと私は思うのです。いざとなれば田舎で農を中
心とする暮らしに戻ればよいのですが、都会の暮らしの中で自然環境とうま
く折り合いながら生きていく方法も考えられるのではないかと期待しているの
です。
 
意識の変容が起こっていることを考えると、今後世の中はますます意識の力
が強くなり、有意の人の集合意識を使うという父が望んでいた方法論でそん
な悲劇を避けることは、それほど難しいことではないのではないかと思い始
めています。実はフリーエネルギーの技術も常温超伝導の技術もすでに実
用化の準備は整っていて、後は私たちの精神エネルギーがそれを使いこな
せるレベルに達することを待つばかりのような気がしてきているのです。
 
経済破綻が来るのか来ないのか、金融相場がどんなレンジで動くのか、社
会の血液であるマネーがきちんと循環させられるのか......。

すべてが私たちの意識に責任がある出来事です。他人事にして非難するの
ではなく、それぞれの専門分野で自分の意識の力に責任を持つことが大切
なのだと思います。専門分野というのは何も特別なことではなく、学生であれ
ばきちんと勉強や研究に励むことですし、主婦であれば家族が毎日健康で
幸せに生きられる環境を作り上げていくことです。
 
いままでは超人が一般人である私たちには真似のできないようなことをやっ
てくれていましたが、私たち自身の意識で責任を持ちながら社会の渦を回し
ていく時代がいよいよ始まったようです。にんげんクラブはそんな皆さんの
集まりになってきたのだと強く感じています。

今月のにんげんクラブ ~4月号~

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AKDトークセッション&MCサクセションLIVE懇親会 in 京都
(2/6 京都KBSホール)


 経済について今年は大丈夫だという見方をしていたのですが、どうもまず
い状況になってきました。株価も為替も私が許容範囲だと思っていた水準を
すでに超えてしまっています。投資をやっている人たちは別にして、普通の
生活を送っている方に影響を及ぼさないレベルの「プチ恐慌」ならいいなとい
う希望的観測を持っていたのですが、かなり危なくなってきているようです。


 どうも、1月末に実施された日銀のマイナス金利導入の影響が大きいよう
です。そしてこれは、2013 年の年末に第二次安倍政権が発足して以来続
いてきた大企業、東京、資産家優遇の政策から、中小企業、地方、庶民にも
光を当てていく、すなわち従来の日本政府や日銀が採っていた政策への転
機になる出来事となるかもしれないと私は感じています。

 そもそも最近の円安株高で喜んできたのは大企業、東京、資産家であり、
実はそれ以外の人にはほとんどメリットをもたらしてきませんでした。金融政
策とは、建前はともかく本音では強い人のために行われるというのが世界の
常識です。しかし、日本の政策当事者は他国に比べれば弱いものに対して
も温かい政策を採っており、このためにリーマンショックの後日本だけがひと
り負けしていました。

 この弱肉強食の競争に負けていた従来の状態を、世界標準に合わせた政
策を実施することで回復させたのがアベノミクスなのだと思います。

 でも、日本人はお人好しなので、弱肉強食の世界で勝ち残っていくのはどう
しても難しいようです。なんとかするための非常手段がマイナス金利政策だっ
たのですが、これは相手にしっかりと読まれていたようで、それに合わせて円
高株安が仕掛けられて見事にはめられてしまったのだと思います。マイナス
金利はヨーロッパでも導入されていたので、大丈夫だろうと踏んだのでしょう
が、何百年もの間の戦争をくぐり抜けて現在があるヨーロッパの人たちのよう
にしたたかに振る舞うのは私たちには難しかったようです。

 やっぱり日本は、たとえ国際的な競争に負けたとしても、中小企業にも地方
にも庶民にも優しい政策を地道に採用していくほうが、みんなが幸せになれる
国なんだろうなと感じています。ちょっと拡大解釈で恐縮ですが、株価なら1万
4000 円~2万4000 円、為替なら105 円~ 135 円の範囲であれば、リーマン
ショックのときのような悪影響は、少なくとも私たちの暮らしには受けないレベ
ルで収まるのではないかという見通しに変更させていただきたいと思います。

 ただ、しっかりと見極めておきたいのは、実は円安株高の方向に行き過ぎて
も、私たちの暮らしにはあまりいいことはないということです。山が高ければ谷
は深いので、私たちが負う傷が結果的には深くなってしまう可能性が高くなる
のです。

 もし相場をやるなら、株なら1万9000 円より上にいけば上がり過ぎだし、為
替では120 円以上の円安は庶民にはあまりいいことはありません。マーケット
では変動率を上げたいと目論む人がたくさんいるので、上がってくればもっと
行ってしまうかもしれませんが、決してそれに振り回されないようにしたいもの
です。

 話はまったく変わりますが、一昨年の「舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014」
の頃から、折に触れて次元の壁を超えることをテーマにさせていただいてきた
のですが、おかげさまで最近実感としてイメージできるようになってきました。
そして、それを具現化させるのが10月15日、16日の「舩井フォーラム2016」
です。サイマー女史の力をお借りするのは、それを分かりやすい形でずっと
やってこられたからですし、ようやく私たち日本人がそれを受け容れるだけの
準備ができてきたからこそ、今このタイミングでこのようなイベントができるこ
とになったのだと感じています。

 少し抽象的に言うと、3次元空間に生きている私たちは、元来意識の力で多
次元にもアクセスできるようになっています。例えば、誰でも睡眠時には意識
は当たり前のように多次元に行っているのです。このような睡眠時や瞑想時
になる変性意識の状態になることが、簡単にできるようになってくると次元の
壁を超えることは容易になります。もちろん、これは高い精神性が求められる
危険も伴うチャレンジですから、少なくともしっかりと地球にグラウンディングす
ることだけは忘れないでいただきたいと思います。

 そして、なかなか想像できにくいのですが、次元の壁の中においては女性
性は下から上に上がってくるエネルギーで、男性性は上から下に下がってく
るエネルギーだというのです。直線に上がってくるというよりはそれぞれ下か
ら上、上から下という楕円形の動きをしており、それが3次元で融合するとそ
こに次元の壁を超えた超次元のエネルギースポットが出来ます。この超次元
空間はすべてが調和した完ぺきな世界であり、そこでは常温超電導のような
奇跡も当たり前に実現するのです。

 ただ、最近気づいたのは、仮にその上下のエネルギーの融合ポイントをつ
くれても3次元で生きている私たちの融合ポイントをつくることができていなけ
れば、その状態は安定せず長続きしないのではないかということです。次元
の壁が上下だとすれば3次元のエネルギーの融合ポイントは左右の回転で
イメージすると分かりやすいと思うのですが、いずれにしても3次元でも異質
なもの同士の融合をすることがとても大切になるようです。

 そのためには、異質なもの同士がそれぞれ核融合を起こすぐらいのエネル
ギーが必要であり、安全性が保たれるだけの私たち一人ひとりの精神性の
高さが求められていると感じます。冒頭に書いた経済や金融の話などは、見
方を変えれば精神性が試される最も簡単な事例だと思うので、そのつもりで
しっかりと見つめていきたいと思います。


今月のにんげんクラブ ~3月号~

 
先月号の巻頭言で「経済の季節は終わり政治の季節が来た」と書いたので
すが、年明けから株式相場は大暴落の様相になり私の見通しは見事に外れ
てしまいました。負け惜しみにしか聞こえないかもしれませんが、今回の株式
の暴落の原因はサウジアラビアとイランの国交断絶であり、中国のカントリー
リスクが急浮上していることであり、それに伴う資源価格、中でも原油価格の
暴落です。だから、やはり政治の季節が原因になっているのだと思います。
 
みなさんがこの巻頭言を読んでくださる頃には株式相場もかなり落ち着いて
いるのではないかという希望的観測を持っていますが、その一方で、金融の
世界もいつ何時何があってもおかしくない状態であることは間違いないので、
リーマンショック級の大惨事が起こっている可能性も否定はできません。
 
ポイントはアメリカによる中国いじめがいつまで続くかということではないかと
思います。バブルをつくらされて、それが暴落することによってとことんいじめ
られ、搾り取られるという道筋は、日本が25年前から現在に至るまで経験し
ているのとほぼ同じところを通っています。ただし、中国は日本よりは強いの
ではないかと思います。しばらくは大変かもしれませんが、日本のように20年
以上も低迷から脱せない状況が続くことはなく、5年ほどでそこから抜け出せ
るのではないでしょうか。
 
現在の株式市場は外国人投資家の売買比率が6割を超え、保有比率も3割
を超えるマーケットになりました。日本株の相場を決めているのは外国人投
資家、その中でもヘッジファンドに代表される利益のみ追求する究極の投資
家によって操られています。そして、その売買の大半はフラッシュトレーディン
グという1秒間に数千回もの取引ができるロボットトレーディングで行われて
いるのです。
 
相場の変動率(ボラティリティと言います)が高い、つまり荒れているほうが儲
ける機会が多くあるということになるので、いまは金融技術を持っている彼ら
が荒れる相場を演出しているのだと思います。ですから、もし投資家になるの
であれば、彼らの気持ちが読めて相場の流れが読めるのであれば短期売買
の世界でも勝てる可能性はありますが、そんな才能がない一般の投資家が
持っている唯一の強みは期間に縛られないことなので、日々の株価に右往
左往しない長期投資家になるしか勝てる可能性はないだろうと思います。



保江邦夫 著
『ついに、愛の宇宙方程式が解けました 神様に溺愛される人の法則』
徳間書店 刊/定価 1,600円+税

 
さて、話はまったく変わりますが、物理学者である保江邦夫先生は湯川秀樹
博士が最晩年に研究に取り組もうとしていた「素領域」の研究に取り組み、ス
ピリチュアルなことを含めたこの世の不可思議な現象を、すべて科学的に説
明できる理論の構築に取り組まれようとしています。「素領域」はスピリチュア
ル現象を説明できるだけではなく、社会のあり方を根本的に変えられるような
ポテンシャルを持っているようです。
 
最近は物理経済学という学際的な研究分野が盛んになっているそうです。す
でに私がニューヨークで金融の勉強をしていた1990年代の初頭には、金融
の最先端技術はもはや物理学の世界であり、物理か数学の博士号を持って
いる人でないと理解できない世界になっていると言われるようになっていまし
た。おそらく研究分野としての状態はその頃に完成してしまっていると思うの
ですが、ブラック・ショールズ方程式というもので大体説明できるようです。
 
文系の私はこの方程式をみてもチンプンカンプンなのですが、保江先生はこ
の分野にも造詣が深いようで、以前講演会でも「数秒後であればマーケットの
動きはほぼ完全に予想することができる」というお話をされていました。前述の
様に1秒間に数千回のトレーディングができるシステムがすでに稼働しており、
その取引が株式市場の過半を占めている現状を考えれば、数秒後が予想で
きれば儲かることは確実で、もし保江先生がお金儲けをしたければ簡単にそ
んな仕組みを作ることができるのだということになります。
 
しかし、保江先生はそんなことをしても幸せにならないことをよくご存じなので、
まったく興味がありません。先日、保江先生の『ついに、愛の宇宙方程式が
解けました: 神様に溺愛される人の法則
』(徳間書店)のあとがきに出てくる超
能力者桐生夫人と若手物理学者の梶田さんとじっくりとお話しする機会があっ
たのですが、桐生夫人がヒントをくださり金融の世界のエネルギーをまったく
違うものに変換することは、保江先生や梶田さんのような優秀な物理学者に
かかると簡単にできるのではないかという話になりました。
 
そこで、私が梶田さんにブラック・ショールズ方程式のことや、それが前述の
ボラティリティの計算式であること(方程式は分かりませんが概念は分かって
います)、それに金融のプロは市場の歪みを見つけてそこで儲けをだす裁定
取引(アービトラージ)で儲けていることなどを説明させていただきました。そう
すると梶田さんは私の言葉をすぐに理解してタブレットで必要な情報をその場
で取り始め、あっという間に物理経済学の根本的な概念を掴んでしまわれた
ようです。
 
桐生夫人は、金融の波動を収奪から分かち合いに変えれば簡単に世の中は
良くなるという話をされていました。私が「エントロピー(原始的排列および運動
状態の混沌性)が増大するのではなく減少する仕組みの構築ができるのです
ね」と喜んでいると、「そんなことは不可能です」と一蹴されてしまったのはちょっ
と寂しかったのですが、逆に科学者らしくしっかりと地に足がついているご意見
を聞かせていただいて、ものすごい信頼感を持ちました。
 
保江先生や梶田さんのような人の物理学の研究が、世界を救う大きな足がか
りになるのではないかという予感がしています。


今月のにんげんクラブ ~2月号~

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「にんげんクラブセミナー 宇宙からの黙示(アポカリプス)Ⅲ」(12/19 東京グランドホテルにて)

最近、感じているのは金融経済の季節が終わり、政治の季節がやってきた
ということです。昨年12月にアメリカのFRB(連邦準備制度理事会、アメリカ
の中央銀行)が利上げを実施したことが大きな話題になりました。しかし、
本当は金融経済が世の中の方向性を決める流れは、昨年1月7日に起こっ
たフランスのシェルリー・エブド襲撃事件等がきっかけとなって完全に終わり、
それ以降はテロや空爆、それにトルコによるロシア機撃墜事件などの戦争
にまでは発展しないレベルの小競り合いなど、政治の分野が世の中の方向
性を決める非常時に入っています。
 
ただ、FRB が12月まで利上げを引っ張ったおかげで経済も昨年一年間は
注目を集めることになったというのが実態であったと思います。さすがにFR
B の利上げ前後は、金融マーケットがバタバタしましたが、これも収益率が
低下して潰れるところが出るなど苦戦をしているヘッジファンドが起死回生を
狙って仕掛けたものにすぎず、それなりの収益はもたらしたかもしれません
が、彼らの苦境を救うほどの大イベントにはならなかったのだと感じます。
 
例えば、利上げが発表される前週に、それを見込んで123 円台になってい
た為替水準が一瞬で121 円台に持っていかれる流れがありました。これは、
ヘッジファンドの仕掛けであったのですが、それに対して日本の個人投資家
(象徴的にミセスワタナベと呼ばれています)がFX 取引(外国為替証拠金
取引)のドル買いで立ち向かったという報道がなされていました。この原稿
を書いている時点でどちらが勝ったかは分かりませんが、ヘッジファンドに
日本の個人投資家が立ち向かえるようになったのは少し前なら驚きの事実
ですが、いまはそれほどびっくりする話題でもなくなってしまいました。
 
1992 年に伝説のヘッジファンドであるジョージ・ソロス率いるクオンタムファ
ンドが、ユーロ加入のため人為的に設定されていた英ポンドが高過ぎると
いう見解からポンド売りを仕掛け、それに英政府が立ち向かったものの資
金が尽きて固定相場制を解くことになり、結果としてユーロ加入ができな
かったことがありました。これでクオンタムファンドは巨額の収益を手にした
のですが、そのことをきっかけにそれ以降の世界はヘッジファンドの動きに
よって決まるようになってきました。しかし、2013 年頃にはヘッジファンドの
黄昏が囁かれるようになり、ヘッジファンド業界のスーパースターたちは、
「落ちたロックスター」と言われるようになってきたのです。
 
ミセスワタナベの活躍もうれしいことではありますが、衰えたりとはいえまだ
まだ巨額な資金を持っているヘッジファンドに真の意味で立ち向かっている
のは、実は金融の世界ではソブリンと言われている先進国の政府です。日
米欧の金融政策当事者がいくらでも通貨を発行できる立場を駆使してヘッ
ジファンドの裏をかく動きを取ることで、政府や中央銀行の意向がまかり通
るようになったのです。
 
民間ができることは民間がやるべきだという経済の原則からすると、これま
では政府が口出ししないことで世界経済の発展を支えてきた金融の分野が、
経済合理性を考えないソブリンによって実質的に動かされているというのは
由々しきことです。しかし逆の見方をすればこの事態は、政府が動かさなけ
れば経済が機能しないような政治の季節がやってきたことの象徴的な出来
事だと思えるのです。
 
政治の季節とは、いままでの常識で言うと戦争の季節だということになりま
す。例えば、1929 年の暗黒の木曜日で始まった大恐慌は、ルーズベルト大
統領がニューディール政策などで何とか回復させようと試みるのですが有効
な効果を上げることができませんでした。では、いかにして経済的にその不
況を乗り越えることができたかというと、第二次世界大戦によって日本やヨー
ロッパなどのアメリカ以外の先進国が焼け野原となり、復興の旺盛な需要を
すべてアメリカが担うことになったからです。
 
日本においても、戦後の大混乱を乗り切ることができたきっかけは1950 年
に起きた朝鮮戦争の特需のおかげという具合に、世界経済全体を揺るがす
ような大不況は戦争でしか取り戻せないというのがいままでの常識なのです。
そして、それを現状に当てはめれば、2008 年のリーマンショックの影響下か
ら抜け出せていない世界経済をなんとかするには戦争を起こすしかないとい
うことになります。
 
しかし、私たちはもう戦争をしてはいけないのではないでしょうか。もし国連
の常任理事国(米・英・仏・露・中)のような核を大量に保有している大国間
の戦争が起これば、大げさではなく人類が滅亡するような事態になってしま
うのです。これらの大国の思惑は、例えば日本と北朝鮮を戦争させる、つま
り代理戦争を起こすことで小国の犠牲によって経済回復を図ろうということ
にあるのかもしれませんが、情報が瞬時に飛び交ういまの時代において、
それがいつまでもうまくいくとは考えられません。
 
実際にフランスでは130 人の無辜の民が犠牲になるテロ事件が起こってい
ますし、中東や北アフリカなどの紛争地域ではすでに戦争状態が続いてい
ると言ってよいような状態になっています。そして実は一部の報道によると、
アメリカやイスラエル等の情報機関が設立に関与したと言われているIS(通
称イスラム国)の勢力がコントロール不能なレベルにまで膨張してしまい、
彼らがもし核兵器を手にするようなことがあれば、それを使うのにまったく
躊躇しないだろうという意見が真剣に交わされているのです。
 
経済のために紛争地域を犠牲にして限定戦争をするという発想は、人類の
絶滅につながるのです。だから、そうならないための方策を考えていかなけ
ればならない、それがにんげんクラブの役割だと私は思っています。先月号
で投げ掛けさせていただいた「一体にんげんクラブはどこに行くのだろう」と
いう問いに対する解を求めるヒントになればと思い、少々難しい理屈を書か
せていただきました。

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今月のにんげんクラブ ~1月号~

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        11/14~15 にんげんクラブ 高野山寄合     


にんげんクラブはどこに行くのでしょうか。
「舩井フォーラム2015」が終了して、いま一番考えている正直なテーマです。
「舩井フォーラム2015」では、舩井幸雄的な世界の集大成ができたと言って
よいと思います。そして、それはすなわち、これからはいよいよ舩井幸雄に
頼らないにんげんクラブになっていかなければならないということだと思うの
です。

本当のところ、実はにんげんクラブはもうすでにかなり自主的な運営がなさ
れています。各地のリーダーがそれぞれ考える理想社会の在り方を継続的
に模索する動きが広がっていて、中には必ずしも舩井幸雄的な世界ではな
いものもあり、ちょっと大袈裟かもしれませんが思想的にも幅広い意見を寛
容に受け入れる土台ができてきているのです。

もしかすると、一番の問題は私たち東京にいる株式会社にんげんクラブの
社員が、その動きについていけているのかどうかということなのかもしれま
せん。なにしろ、いま自主的に広がっているにんげんクラブの活動は、いま
までの常識で考えると不可思議で、しかもとても危ういバランスの上に成り
立っているものなのです。

しかし、私や主要メンバーの皆さんは、それこそがにんげんクラブの本質だ
ということで合意ができているのだと確信しています。

にんげんクラブにはなるべく明確なリーダーがいない方がいいと思っていま
す。リーダーの意見で物事が決まっていくのではなく、みんなの総意で意見
が決まっていけばいいということです。ただ、声の大きい、あるいは求心力の
あるリーダーの意向で物事が決まっていくのは世の常であり、それを否定す
るつもりもありません。多様性を認めていくことで、短期的にはバランスが崩
れた動きが出てきてしまうこともありますが、この不思議なにんげんクラブの
在り方が信頼をもって共有できている限りは、中長期的にはそれは調整され
ていくのだと思っています。

たとえば、赤塚高仁さんにいつもあきれられているのは、にんげんクラブの
団結力のなさ、具体的に言うと集客力のなさです。赤塚さんはご自身の魅力
のなせるわざで、これはという講演会のときには半ば無理やりにでもチケット
を販売する力があるのですが、にんげんクラブの場合は私がいくらお願いし
ても、皆さんの心に響かないものは動きません。

ただ、甘いと言われればまったく反論の余地はありませんが、どんなに私た
ちがすばらしいと思って企画していても、皆さんがピンとこないものを押し付
けるかたちになってしまうのは本意ではないのです。また、参加人数だけで
講演会の意義が測れるものではないという気持ちもあり、本当に申し訳ない
とは思うのですが、せっかくすばらしい先生にお越しいただいても、参加者が
少ないこともどうしても出てきてしまいます。先生方には大きな心で受けとめ
ていただけているので、本当にありがたいと感じています。

そして一方では、そんなやり方にもかかわらず、立ち見が出るほど盛況なこ
ともあれば、何より「舩井フォーラム2015」のように皆さんの心に届いたとき
には、あれだけ大きなムーブメントになるのですから、私も本当に不思議です。

これからも、なるべく多くの考え方ややり方を持っている人が集える場を皆さ
んと一緒に創っていきたいと思っています。全国を走り回っていると、にんげ
んクラブの運営の仕方や『ザ・フナイ』の編集方針、「舩井フォーラム」の講師
の選び方などに真摯なクレームをいただくことがあります。確かに、明らかに
私と意見が違う人や、いままでの延長線上のやり方ではない方法論がいきな
り出てきて、つながりが分からないという意見もよく理解できます。

でも、私は誰かが何かをやりたいと手を挙げたときには、自分の意見と合わ
ないからといって否定したくないと思っています。そればかりか、もしも相手が
こちらの意見を否定してかかってきても、にんげんクラブの方は相手の意見
を包み込んでいきたいと思っているのです。

私たちの周りには、先駆的なすばらしい活動をしている団体が多くあります。
それらは、一つの集団としては強くまとまっているのですが、意見の違う他の
集団とはバラバラに動くばかりではなく批判しあっていることもあり、本当に
もったいないと感じます。

にんげんクラブはお互いに自己主張を謳歌しながら無理せずお互いを包み
込み、やがてそんな多種多様な集団の動きをも包み込んでいきたいと思って
いるのです。

先日、来年の「舩井フォーラム2016『世界144000 人の平和と悟りへの人類
の祈りin横浜&室戸』」のことを考えていて、重要なことに気づきました。
それは、私たち「有意の人」が、実は一番この世の中の秩序を乱してしまって
いるのかもしれないということです。

見えない世界の大切さを知っている人が持っている知識には、理想的な世の
中の実現の前には、必ず未曽有の大きな試練が待っているというような終末
論的な要素が少なからず含まれているものです。

その知識ゆえに、私たちはパラダイスの実現を待ち望むつもりで、その前段
階であるとんでもない試練を待ち望んでしまっているかもしれないのです。
「有意の人」の意識力は強烈なものですから、私たちが心から試練を待ち望
んでしまうと、本当にひどい試練を引き寄せてしまうことになりかねません。

大きな犠牲を払うことなく、いまの豊かな生活をそのまま残しながら、意識の
変容を受け入れられる世界を創るためにはどうすればいいのか......。
これまでの歴史のセオリーを覆すようなこの大きな課題をクリアするために、
私たち不可思議なにんげんクラブが重大な役割を担っているのではないかと
いう気が強くしています。

その重要な第一歩として、『世界144000 人の平和と悟りへの人類の祈り』の
意味を、にんげんクラブの皆さんにきちんと伝えていくことに重点を置いてい
こうと思っていますので、常識では分かり得ないような説明になってしまって
恐縮ですが、ご理解いただければと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。


今月のにんげんクラブ ~12月号~

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       『舩井フォーラム2015』   10/17・18 パシフィコ横浜

「舩井フォーラム2015」開催直前にトルコに行ってきました。大きな目的は二
つありました。一つは、赤塚高仁さんと一緒にキリスト教を世界宗教へと広げ
た使徒パウロの足跡を辿ること。そしてもう一つは、これは私の課題としてイ
スラム教を知ることです。
 
赤塚さんは、イエローハットの創業者であり、掃除道を広めていらっしゃる鍵
山秀三郎先生とシリアのダマスカスに行ったときに、キリスト教の使徒パウロ
の「私のようにキリストを広めなさい」という声を聞くという聖霊体験をされまし
た。それから、真剣に聖書の勉強をし、聖書が分かることで『古事記』が理解
できるようになり、日本のことが分かるようになったという話を、私との共著
『聖なる約束』や、本誌に連載いただいた原稿をまとめられた『ヤマト人への
手紙』(いずれもきれい・ねっと)という本で書かれています。
 
パウロは「目から鱗」という言葉の元になった「パウロの回心」というエピソード
の後、それまでのキリスト教を迫害する立場から一転して、キリスト教を布教
する立場となりました。パウロは主にユダヤ人以外の人々に布教していった
のですが、その布教の旅で何度か当時小アジアと呼ばれていたトルコに立ち
寄っており、赤塚さんはその軌跡を訪ねたいという願いを持っていたので、超
強行軍の3泊6日のトルコの旅に同行してくれたのです。
 
トルコは中東とはいっても、国土の60%が砂漠で周りを敵に囲まれたイスラ
エルや、それこそ砂漠の民であるアラブ諸国に比べれば、雨が降って緑豊か
な恵まれた場所でした。そのせいか、同じイスラム教を信仰していてもかなり
寛容で、トルコの独立戦争を勝利に導いた英雄アタテュルク(トルコの父とい
う意味)の西洋化政策がしっかり根付いていることもあり、女性も普通に街を
歩いていますし、お酒も飲めます。
 
政治的にもNATO(北大西洋条約機構)のメンバーですし、ギリシャ問題など
もあり実現は難しくなってきていますがEU に入るという話もあるぐらいで、ア
ラブ諸国やアフリカの国々と比べるととても豊かであることが感じられますし、
実際に街や観光地を歩いていても、途上国に見られる生活のためとはいえ、
やるせなくなるしつこい物売りの被害などにはまったく遭いませんでした。
 
パウロが布教していた頃は、イスラエルに比べてもかなりの先進地域であり、
ここへの布教が成功して、そこからキリスト教はギリシャやローマなど当時の
世界の中心に向けて進んで行ったように感じました。トルコ最大の都市であ
るイスタンブールはアジアとヨーロッパの境にありますが、トルコの地を押さ
えるのがキリスト教の布教に関して一番大事なことだったのかなと感じるこ
とができたのは収穫でした。
 
ところが、この旅の本当の目的は別のところにあったようです。パウロの軌
跡を辿る旅だと思っていたために、赤塚さんも私もほとんど意識していなかっ
たのですが、キリスト教の巡礼のためにトルコを訪れると定番になるのは、
「ヨハネの黙示録」でヨハネがイエスに言われて手紙を送ったとされる7つの
教会だということで、その7つの教会をすべて訪れることになったのです。
 
「ヨハネの黙示録」は新約聖書の最後にあるものですが、内容は非常に難解
です。聖書を読み始めたときに赤塚さんに「ヨハネの黙示録」には何が書いて
あるのですか、と質問したことがあります。すると、赤塚さんは十字架のイエス
がもっと進歩した姿と長生きしたヨハネが最晩年になってようやく会えたという
ことは分かったのだが、それ以上の意味はまだ分からない、とおっしゃってい
ました。
 
7つの教会の中には世界遺産になっているような貴重な遺跡の中にあるもの
もあれば、ほとんど誰も訪れることがない寂れた遺跡になっているものもあり
ます。でも、足の裏で聖書を読むことをモットーとしている赤塚さんには十分に
感じるところがあったようです。
 
まだ具体的なイメージはほとんど浮かんでいないのですが、来年中ぐらいには、
『続々聖なる約束』(『ヤマト人への手紙』は「続聖なる約束」でした)として、新
たな黙示録について何かを書くことになろうかと思います。最近、私は竹田和
平さんからいろいろ教えてもらう中で親鸞のことがとても気になってきています。
実は、舩井家も浄土真宗の門徒なのですが、親鸞については高校の日本史で
習った程度の知識しかありませんでした。しかし、どうも日本人にとって大事な
思想であることが感じられるようになってきており、仏教思想は苦手だったの
ですが、親鸞を手始めに少し学んでいこうかと考えていました。
 
そうすると、パウロと親鸞が似ているという説があるようで、どうも容貌まで似
ていたのではないかという話もあるらしく、少しびっくりしました。この辺りにつ
いても徐々に深めて『ザ・フナイ』等に書いていこうと思っていますが、日本の
仏教思想から黙示録を繙いていくのもおもしろいのかもしれません。
 
そして、今回の旅の二つ目の目的であるイスラム教を知ることが、黙示録を
創るために大事になるということも感じています。イスラム教のことについて
も、改めて『ザ・フナイ』でまとめてみたいと思っていますが、いまの延長線上
で社会が動いていくとすると30〜50年後はイスラム教が中心の社会になっ
ているのだと思います。いまの世界の中心は欧米のキリスト教文化圏ですが、
マクロな視点でみるとキリスト教文化圏とイスラム教文化圏が戦っており、こ
れまでの歴史から考えるとイスラム教文化圏にヘゲモニーが移るだろうと予
測できるからです。
 
黙示録の目的は、この世の最後の姿を知らせることにあるのかそういう世の
中にならないように警告のためにあるのかは分かりませんが、私はいまのと
ころ警告のためにあると思っています。だから、このままキリスト教とイスラム
教の対立や、あるいはイスラム教同士の中での主導権争いになるとこんな世
の中になってしまうという姿を示すのが新しい黙示録の役割ではないかなと
思っています。
 
「聖なる約束」シリーズで示したいのは、一神教の厳しい文化の中で、日本が
どう在ればいいのか、さらにそれを進めて日本が世界の文明に対してどのよ
うな貢献をすればいいのかを考えることだと思っています。体験と勉強を重ね、
近い将来そんな原稿を世に問うことができることが本当に楽しみです。

今月のにんげんクラブ ~11月号~

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(京都寄合 9/5)            (宮崎寄合 8/30)


 
いよいよ、「舩井フォーラム2015」が間近に迫ってきました。
昨年の「舩井☆SAKIGAKEフォーラム」で次元の扉が開いたと思っています。
にんげんクラブの皆様や「舩井フォーラム」に集まってくださっている皆様は、
思いの力の使い方をマスターされて来ていて、自分でどこまで意識している
かは別ですが、ふとしたことで次元を越えて思考ができるようになられてきた
のだろうと思います。
 
全国各地の寄合などに出席させていただくと、そんなことを感じます。みなさん、
それぞれの方法で、まもなくやってくるいままでと違う未来への対処法を感じて
いて、それぞれのやり方でそれを実践し始めているからです。それは、自分の
利害得失からの行動ではなくて、自分でもよくわからないのだけれども何かに
突き動かされるように動いているという実感です。天にすべてを身を任せると
いう感じですが、それでいて乗っ取られているわけではないというのも、にん
げんクラブのディープな方の特徴かもしれません。
 
にんげんクラブの小川雅弘さんは、来年の舩井フォーラムは144,000 人の
人を集めてその変化をみんなではっきりと感じる大会にしたいと考えています。
パシフィコ横浜に5,000人の方に集まっていただくのはもちろん、日本中、世
界中をつないで本当に次元の扉を超えた144,000 人が集まって、それで一
緒に同じベクトルを向くことで世の中の飛躍的な変化を確実にしたいと考えて
いるのです。
 
正直に言うと、私も最近になってようやく小川さんのイメージに付いていけるよ
うになってきました。来年のメインゲストは故サイババ師の高弟で外国人でか
つ女性でありながらもインド政府公認の女性グルになっているサイマー女師
です。「舩井フォーラム2016」の翌週は高知の室戸岬にインドの高僧108 人を
お連れして2日間護摩を焚くイベントを開催しようと奔走しています。
 
サイマー女師も彼女の人生の中でも最大級のイベントになるのは間違いなく、
全世界から彼女を慕う人たちを1,000人連れてくるとおっしゃっているそうです。
だから、来年の「舩井フォーラム2016」はとても国際的なイベントになります。
そして、例えば高知はホテルの客室数のキャパや道路の問題などもあり、いま
から自治体や地元の財界・商工会なども巻き込んで協力体制を作っていかな
ければ、とても実現不可能な催しを実行しようとしているのです。
 
私たちにとっても、これは大きな変化です。基本的にいままでは国内思考で外
国の方との交流は考えてきませんでした。しかし、この国際化の時代にまた日
本が世界のスピリチュアルリーダーになっていかなければいけないことが、だ
んだん明らかになってきたことなども考えますと、いつまでもいままでと同じやり
方が通用するとは思えないのです。だから、いまは私たちにんげんクラブも変
化を受け入れて行く時なのだと感じるようになってきました。
 
変化を受け入れるといえば、8月に「いのちの革命」(きれい・ねっと)を一緒に
書いた柴田久美子先生の「第二回看取り士全国大会」に参加させていただき
ました。昨年の全国大会よりも柴田先生も格段にパワーアップしているし、そ
れだけではなく周りとの調和が図られてきていて、看取り士の世界が加速度
をつけて広がっていくことが感じられました。
 
柴田先生が看取り士の活動を通じて世の中に広めているのは、死生観を変
えることです。私たちは死を忌み嫌って、それから目を背ける生き方を長い間
やってきました。それは現代医学では死は敗北であり、核家族化した家庭環
境から見ても死と向き合うよりは施設などに担ってもらって、なるべくそこから
目をそらさないと、上手くやっていけないという少し悲しくて厳しい現実があり
ます。
 
しかし、後10年したら団塊の世代がいよいよ死を身近に感じる、そんな時が
確実にやってきます。いまのやり方の延長上には、厚生労働省が病床数を
増やさないというか増やせない現状をはっきりと発表していて、私たちは病院
で死ぬという贅沢がなかなかできなくなってきたことが明らかになっています。
この危機を乗り切るためには、死はすばらしいものである、よく生きるために
は、最期の時に死を穏やかに受け入れられる体制づくりが大切であるという
ことは大事なポイントになります。
 
今年の看取り士全国大会の基調講演は「納棺夫日記 」(文春文庫)というベス
トセラーを書かれている青木新門先生でした。本木雅弘さんが好演されて日
本アカデミー賞を取った映画「おくりびと」の原点になる作品です。「納棺夫日
記」がベストセラーになり、「おくりびと」を多くの方が見たことで、日本人の死
生観は変わり始めました。しかし、まだまだ現場の実情が私たちに伝わってき
ていて、大きなチェンジが実感できるところまでには至っていないようです。
 
私は映画は見たのですが、「納棺夫日記」は未読でしたので、全国大会で買っ
て新門先生にサインをしてもらいました。柴田先生はシンポジウムの中で、新
門先生が一番伝えたかった第3章が映画ではまったく取り上げていなかったの
で、映画の原作と言うことを拒否されたのではとおっしゃったことが気になって
いました。そして、本を読ませていただいて、その意味が分かってきました。
 
北陸の地はいまでも熱い仏教信仰によって支えられている地です。懇親会の
時に新門先生の隣に座らせていただいたのですが、先生は仏教書を片っ端
から読み、その中でも北陸の地に一番受け入れられている浄土真宗の教えに
深い共感を覚えていらっしゃるようです。そして、納棺夫としてたくさんの死をみ
つめてきた先生には死を受け入れた時に見える「ひかり」の存在に気がついた
ようです。
 
親鸞はこの「ひかり」を不可思議光如来であるとはっきりと示していて、不可思
議な「ひかり」であるが、これは理屈で説明できるものではなく体感するしか仕
方がないものです。そして、宮沢賢治も「星の王子様」もキリスト教も天理教や
大本もさらには、ナポレオン・ヒルに至るまで、すべての本質的なことを教えて
いるものにはこの「ひかり」が表現されているのです。
 
次元の扉を開けることができるようになったみなさんが、次にやるべきことは
それが自由自在に使いこなせるようになることです。そう考えると、柴田先生か
らこの「ひかり」について感じさせていただいたり、それを自分たちだけで共有し
て満足するのではなく、小川さんのように行動的に、有無をいわさず多くの人に
この「ひかり」を指し示す事が大事なのだと感じるようになってきました。

今月のにんげんクラブ ~10月号~

20150724_163041.jpg   ライブ1.jpg
        バーチャル ISRAELツアー in愛媛(7/23~24)


舩井フォーラム2015」を前にして感じるのですが、いま、本当に大きな変化
のターニングポイントが来ているようです。私自身もいままでごまかしてきた
ことや、見て見ぬふりをしてきたことなどに、しっかりと向き合わされるような
体験がやって来るようになりました。そもそも、「向き合う」という思い込みも
必要のないもので、あるべき方向性、ビジョンをしっかりと持ち、それに対し
てゆるがない思いを持てればそれですべて解決のようなのですが、やっぱ
り50年以上生きてきたクセは根強く残っているので、そのクセを手放すため
に強制的な浄化が来ているようです。
 
にんげんクラブの会員の方にもきっとそんな方が多いのではないかと思いま
す。体調を崩したり、いままで問題なかった人間関係がうまくいかなくなった
り、人生の転機を迫られるようなことが起こったりしているかもしれませんが、
それらはみんな乗り越えられる試練、神さまからの宿題なのだと感じることが
できればそれでいいのだと思います。要は自分のこだわりを手放すことがで
きれば大丈夫ですので、どのような試練でも楽しんでみていただければと思
います。
 
これまでずいぶんと偉そうなことを言ったり書いたりしてきましたが、赤塚高仁
さんに二度イスラエルに連れて行ってもらって聖書から私に近づいてくる経験
をしてから、猛省するようになりました。聖書の世界は、聖書を読んでその本
質を感じなければ、決して伝えられるものではありません。いままで私がやっ
てきたことは表面上の知識をお伝えすることが中心だったのですが、物事の
本質を受け止めてそれに基づいて発した言葉でなければ、これからはあまり
意味がないことにようやく気づくことができたのです。
 
舩井フォーラム2015」で「やまとこころのキャンドルサービス」の話をしてくれ
る赤塚さんは、その場に必要な話を聖パウロのエネルギーを受けて伝えてく
れます。私はイスラエルの旅で赤塚ワールドにどっぷりと浸かることで「聖書
に触れる」という、いまの私にとって一番大事なことを教えてもらいました。
舩井フォーラム2015」で心をオープンにして赤塚さんの講演を聞いてくださ
れば、その時に一番必要なメッセージが自然とやって来ると思います。
 
さて、なぜ私にとって聖書に触れることが一番大切なことだったのかというと、
原典に当たることの大切さを知ることができたからです。私は知識欲は旺盛
ですが、要領がよくて面倒くさいことが大嫌いです。だから、聖書にしても『論
語』にしても『古事記』にしても原典に当たらず解説書を適当に読んで分かっ
た気になっていることが多いのです。例えば、日本人は『論語』が大好きなの
で『論語』に関する本は山ほど出ています。私も嫌いではないので何冊か読
んだことがあるのですが、まったく自分の血肉になっていません。
 
それは著者の力量が足りないのではなく、読者である私が『論語』を読んだ
ことがないのでは、著者の伝えたいことの本質が伝わってくるはずがないか
らなのです。そこで私は、加地伸行全訳注『論語 増補版』(講談社学術文庫)
に挑戦してみました。岩波文庫版は金谷治先生の訳注ですが、日本の学術
界の伝統に則って保守的な朱子学的な視点で解説されており、江戸時代に
は反逆の教えだった陽明学的な要素が多少感じられる加地先生の方が面白
く読めるというアドバイスをもらって、そちらを選ぶことにしました。
 
陽明学と言えば安岡正篤先生ですが、戦後の政界や財界に強い影響を及
ぼし、我らが小川雅弘さんも稲盛和夫先生の盛和塾で安岡先生の『立命の
書『陰騭録』を読む
』(致知出版)と出会い、経営や人生の真髄に覚醒めて会
社を立て直し、高知を代表する経営者となりました。小川さんは最近『たった
今、宇宙銀行の財布の口が開きました
』(ヒカルランド)という怪しい本を出さ
れたのですが、よく読むと変革を大事にした陽明学の匂いがちゃんとしてい
ます。
 
書き下し文を読んで、加地先生の現代語訳や注を読ませてもらうというかた
ちで、とりあえず読了することができました。もちろん、まだ全然私の血肉に
はなっていませんが、これでこれからは『論語』に関する本を読んだ時やお話
を聞いた時の深みがまったく違ってくると思います。
 
『論語』といえば忘れられない思い出があります。昨年の12月に惜しくもご逝
去されたアサヒビール名誉顧問の中條高徳先生に昨年の春、父の葬儀にご
出席いただいた御礼に伺ったことがあります。その時なぜか、愛についての
話になったのですが、中條先生から「『論語』では愛は恕と教えている。恕が
分かれば『論語』が分かったことになるよ」と教えていただきました。その時は、
まったく意味が分からなかったのですが、恕とは『論語』では衛霊公十五に出
てくる言葉です。
 
子貢という弟子が発した「生涯行うべきことを一文字で表すことができますか」
という問いに対して孔子が答えたもので、それが恕だというのです。その後に
有名な「己の欲せざる所は人に施す勿れ」(自分がされたくないことは、他人
にもしないことだ)というフレーズに繋がるのです。恕は普通「思いやり」という
ふうに捉えるのですが、『論語』の精神論を生涯かけて伝えてきた中條先生に
とっては、それこそが愛であり2500年前に創られた『論語』の世界でも、やは
り愛が一番大切なものであると教えているということを、人生の最晩年に私に
伝えてくださったのです。
 
赤塚さんのおかげで聖書を一応読み終えることができたのですが、聖書に比
べれば『論語』を読むのは難しくありませんでした。分量の問題もありますが、
『論語』は私たちの生き方に知らず知らずの内に大きな影響を与えており、恕
は知らなくても「己の欲せざる所は人に施す勿れ」は聞いたことがあるし、意味
も大体分かるからです。
 
冒頭に書いたように、私自身個人的なことでいろいろな試練を楽しまされてい
ます。いまは『論語』を読まなくても解説書を読めば分かった気になれるような、
あまりにも便利な世の中です。それが便利であり効率的だという思い込みを手
放すことが、本質に気づき伝えるうえでとても重要なことだということに気づくこ
とができました。『論語』が終わったので、いまは赤塚さん推薦の竹田恒泰先生
の『現代語古事記』(学研)に挑戦しています。新しい世の中を想造するにあた
り、原点を振り返りながら本質を大事にすることが求められる時代ですね。

今月のにんげんクラブ ~9月号~

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      舩井フォーラム2015 関西大会(7/5)

 だんだん、「舩井フォーラム2015」が近づいてきました。今年のテーマは、
2003年に行われた「第1回船井幸雄・オープンワールド」のテーマであった
「エゴからエヴァへ」です。このテーマを選ばせていただいたのは、舩井幸雄
的な世界を表現する最後のイベントであるという認識と、「舩井幸雄が伝え
たかった世界」の集大成にしたいという思いがあるからです。

 そんな「舩井フォーラム2015」のプレイベントとなる、7月5日に大阪で開催
させていただいた「舩井フォーラム関西大会2015」のテーマは「いのち、目醒
める」。このプレイベントを開催してくれた、にんげんクラブ関西の有志たちが、
「舩井フォーラム2015」の本当のテーマを見事に表現してくれたことにびっくり
しました。

 舩井幸雄はその後半生で、私たちの「いのち」は、常識や社会的なタブーや
長年の経験による感情のパターンなどが邪魔をして、本当はまだ目醒めてい
ないのではないかということを訴え続けてきたのだと思います。オープンワー
ルドに参加してくれた人は、その場ではそのメッセージを受け取ってくださるの
ですが、残念ながら会場の外に出て日常生活に戻っていくと、主催者の私た
ちを含めてそんなメッセージをすぐに忘れてしまっていました。そして、本当の
意味で自分のいのちを輝かせることなく、目醒めていない状態を続けてきた
のだと思います。

 しかし、いよいよ時代の大激変が本当に迫ってきたことが、誰の目にも明ら
かになってきた現在、ついに「いのち、目醒める」時がやってきたようです。
関西大会で川田薫先生はいのちを目醒めさせるための具体的な方法を分か
りやすくお話しくださいました。川田先生は「舩井フォーラム2015」にもご出演
くださいます。そして、丸山修寛先生は実践的に簡単にクーム(空や無)に日
常的になれる方法をお話しくださいました。電磁波とうまく付き合う方法や、
地磁気を高めていく方法など、簡単に日常生活に応用できるお話でした。

 そして、農業は楽をして簡単に儲けることができるというお話を神谷成章先
生と大下伸悦先生から聞くことができました。当日は時間が限られていたた
めに、神谷農法のすごさは伝わったものの詳細のお話までは伺えなかったの
ですが、『ザ・フナイ』7月号に大下先生が寄稿してくださった内容や、ちょうど
その1週間前ににんげんクラブ新潟でお聞きした神谷先生のご講演内容から、
まとめの時間で私の理解を皆様にお伝えすることができて、本当に良かった
と思っています。

 農業の常識からは考えられないことですが、神谷農法では土中のphを4程
度の酸性にすると雑草が生えなくなる。そして好熱菌という微生物を使いこな
すと冬でも土中の地温を20℃程度に保つことができるので野菜の栽培が可
能になる。さらに、石炭は草木などが炭化(カーボン化)したものであるという
ことをヒントに、炭化した資材を使いこなすと農業は楽にうまくいくというような、
とにかく目からウロコのお話でした。

 そして、大下先生はその神谷農法を応用して、既成概念を手放して視点を
変え、なるべくお金をかけないことで、農業で失敗するなどということはあり得
ないということを伝えてくださっています。例えば、野菜の栽培はホテル業なの
だそうです。快適な環境を提供すると野菜たちが気持ちよくなり、すくすくと育っ
てくれて、無農薬無化学肥料の状態でも雑草などに悩まされず簡単に栽培が
できるというのです。そんな大下先生も「舩井フォーラム2015」に出演してくだ
さいます。

 また、宮㟢貞行先生はアマミ舞の「あわの唄」(「舩井フォーラム2015」でも
冒頭のパフォーマンスとして登壇いただきます)を受けて、日本語の響きにつ
いてのお話を頂きました。ホツマツタエなどの日本の古代の叡智にも明るい
宮㟢先生は「あわの唄」や「トホカミエヒタメ」の意味などを具体的に解説し、
それを健康法などに活かすやり方までお伝えくださったのです。そして、時間
の関係でお話には登場しませんでしたが、新著『寄りそう皇后美智子さま 
皇室の喜びと哀しみと
』(きれい・ねっと)に著された皇室の役割についての
思いを次の講演者である赤塚高仁先生へとつないでいただきました。

 トリを飾るのは、「やまとこころのキャンドル・サービス」を続けていらっしゃ
る赤塚高仁先生でした。新著『続 聖なる約束 ヤマト人への手紙』(きれい・
ねっと)は、この会報誌に掲載された
ものに加筆して出来た本ですが、心を揺さぶられる素晴らしい本になりまし
た。新たに書き下ろされた第13章では「天皇はキリスト」であるということを、
魂を込めて命を懸けて伝えられています。新約聖書と終戦の詔書(いわゆる
玉音放送)の内容を対比すると天皇がキリスト(救世主、メシアという意味の
ギリシャ語)であることが分かるという、足の裏で聖書を読み解いてこられた
赤塚先生ならではの視点にびっくりしました。もちろん、赤塚先生も「舩井フォ
ーラム2015」にご出演いただきます。

 最近、「舩井フォーラム2015」の講師の方々、例えばひすいこたろう先生、
植原紘治先生、中矢伸一先生、羽賀ヒカル先生、山岡尚樹先生、高橋呑舟
先生、佐藤政二先生、近藤洋一先生、柴田久美子先生、青木勇一郎先生、
竹田和平先生などにお会いさせていただいたり、ご著書などに触れさせてい
ただく機会が多くあります。その度に諸先生たちの思いが「エゴからエヴァへ」
や「いのち、目醒める」につながっていっていることを感じています。

 なかでも、私が一番うれしかったのは武田葉子先生とじっくりお話できたこ
とでした。共催していただく株式会社トータルヘルスデザインの人気講師なの
ですが、失礼ですが、「どこにでもいるごく普通のおばさん」です。そんな武田
さんが株式会社夢を叶える学校の代表をされて、数々の奇跡を普通に起こし
ているのです。普通のおばさんがミラクルを起こす時代、それが「いのちが目
醒めた」時代に当たり前に起こることで、すでにそれを実現している「大阪の
おばちゃん」に出会えたことに、魂が震えるぐらい感動しました。

 こんな講師陣を45人も集めてしまった理由を感じていただき、世の中の変
革を実現していくミラクルを起こす力を参加者お一人お一人に持っていただ
ける「舩井フォーラム2015」にぜひご参加いただいて、歴史の証人になって
いただければと思います。よろしくお願いいたします。

今月のにんげんクラブ ~8月号~

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     『悠久の伊勢に学ぶ会』(6/20-21)
    


 今年は大変化の年になるのでしょうか。足下できな臭い動きが感じられるよう
になってきました。関東地方では頻繁に有感地震が起こるようになり、口永良部
島(くちのえらぶじま)の火山噴火などから考えても、地球が活動期に入っている
ことは間違いないようです。

 出張でホテルに泊まっているとき、朝に時間があるときは午前8時から放送の
NHK―BS のワールドニュースを見るのを結構楽しみにしています。主要国で
放送されているニュース番組をそのまま流す番組で、それぞれの国のメイント
ピックスがどこにあるのかが感じられるからです。

 最近は圧倒的に干ばつや洪水、記録破りの暑さや寒さ、それに山火事や地震
などの被害といった異常気象の話題が各国ニュースの中心になっています。も
ちろん、どの国においても国民がその日その日をどう暮らしていけばいいかが
一番重要なニュースなので、異常気象が起こればそれがメインニュースとして報
道されるのは当然のことです。だから、その辺りは割り引いて考えなければいけ
ないのかもしれませんが、それにしても世界各地でどれだけ異常気象が頻発し
ているかを知るとびっくりしてしまいます。

 一方、政治経済の方は、一見すると安倍政権は盤石の様子で、株価は高い水
準をキープしています。東京や大阪ではタクシーの運転手さんから以前よりは景
気がいいという話が聞けるようになってきましたし、新幹線のグリーン車は高齢
者の団体旅行などが使っているようで混んでくるようにもなりました。でも、日々
直接深い情報を送ってくれる人たちの声を聞いていると、きな臭さがだんだん感
じられるようになってきているのです。

 最近、政治の面でおもしろい情報をくれる人に片桐勇治さんがいます。政治家
の秘書や国民新党の広報部長をつとめ、最近までJOC 傘下のあるスポーツ競
技団体の事務局長をされていました。政治家や政党の情報が伝わるのはよく分
かりますし、関係ないようでスポーツ競技団体も実は政治に大きく影響されるも
のなので、逆に言うと独自の優れた情報網も持っているのです。

 またメチャクチャ勉強好きで、先日も私のためだけに国際政治の見方の講義を
してくれたのですが、なんと準備のために3日ぐらい徹夜をされたそうです。講義
の後飲みに行ったのですが、お酒を飲むのが半年ぶりぐらいだったうえに徹夜の
疲れも相まって、別れてすぐの所にあった公園のベンチでしばらく眠ってしまいま
したと、翌日メールをいただいてびっくりしてしまいました。

 片桐さんの一番ユニークな論考は、2013 年4月28日に日本が真の独立を果
たしたという考え方です。一般的には日本は終戦後GHQ(連合国軍最高司令官
総司令部)に占領され1951(昭和26)年のサンフランシスコ講和条約によって独
立が認められ、それが1952(昭和27)年4月28日に発効して独立したことになっ
ています。

 しかし、実はサンフランシスコ講和条約と同時に結ばれた安保条約や1952(昭
和27) 年2月28日に結ばれた日米行政協定(1960 年の新安保で日米地位協定
になった)などで、日本はいまでも実質的にはアメリカの占領下に置かれており、
真の独立を果たしているとは言えません。このことは、少し表現がおかしくなりま
すがマスコミ以外の情報を集めている人たちの間では常識であり、おそらくにん
げんクラブの方ならそれほど違和感はないことだろうと思います。

 実際に日米地位協定によれば、基地内での捜査権はアメリカ軍にあって日本の
警察はそれに手も足も出せません。それどころか、2004 年8月に米軍ヘリが沖縄
国際大学の敷地内に墜落した事件では、米軍機事故現場はすべてアメリカ軍の
管轄地になるという米軍の日米地位協定の解釈により、日本の警察当局は一切
事故現場に立ち入れないという事態が起こりました。

 安保条約や日米地位協定の解釈は本来日米当局の話し合いで行われるもので
すが、日本はアメリカから独立を果たしていない属国であるため、実質的にはアメ
リカ側の解釈ですべての物事が進んでいるというのが実態なのです。日米地位協
定が有効なのは米軍基地や沖縄だけではないので、もしあなたの家に米軍ヘリが
墜落したら、その瞬間にあなたの家は米軍管轄地になり、それをもっと拡大解釈し
ていくと米軍基地として接収されてしまっても文句は言えないことになるのです。

 ところが、片桐さんは一定の資料を示しながら、実は昭和27年4月28日に法律
上の独立を果たした際に、日本は裏協定でアメリカから多額の借金をする代わり
に、その担保に本来の独立国なら当然持っているいくつかの権利をアメリカに与え
ていたというのです。しかし、約束通り61年かかって2013 年4月28日に無事にそ
の借金の返済が終了したので、国際的な取りきめに則って、それらの権利が日本
側に返ってきており、このとき実質的にも日本は独立を果たしたというのが片桐さ
んの意見なのです。

 100%納得できたわけではありませんが、片桐さんの経歴や情報網、それにあれ
だけの勉強量で裏付けを取られていること等を考えるとあながち間違いではない
のかもしれないと感じています。そして、安倍総理がいままでの常識から言うとアメ
リカに対して好き勝手を言っているように思えるのも、安倍総理が国際政治の常識
を分かっていないからではなく、いままでの総理に比べれば格段にフリーハンドを
持っているからだとも考えられるのです。

 ところが、最近その片桐さんが安倍政権はそれほど長くは持たないのではない
かという話をしてくれるようになりました。理由は紙面が尽きましたし、秋頃から
『ザ・フナイ』に片桐さんの連載をお願いしようと思いますのでそちらに譲りますが、
ここで言いたいのは、安倍総理がもし早期に退陣するようなことがあれば確実に
経済に大きな影響があると予想されるということです。実際に一時はマイナス金利
になっていたドイツ国債が1%以上の金利になったことをきっかけに日米の国債の
金利が上がってきており、これはかなり危ないサインのように思えます。

 あまり心配し過ぎることはないのですが、金利の急騰や安倍総理の退陣などと
いったニュースが飛び込んで来たときには、流れが変わったと思ってしっかり対応
しなければいけないということだけ今回はお伝えさせていただきたいと思います。

今月のにんげんクラブ ~7月号~

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(にんげんくらぶ飯田 講演会にて  5/12)

 赤塚高仁団長の下、「聖書に学ぶやまとこころの旅2015」に参加しています。
この原稿は全日程が終わって飛行機を待っているテルアビブのベン・グリオン
国際空港で書いています。

 7月5日の「舩井フォーラム関西大会」、それに続いて10月17日、18日パシ
フィコ横浜にて開催の「舩井フォーラム2015 SAKIGAKE-BITOが作るエヴァ
の世界
」に出演してくれる赤塚さん、そして、同じく舩井フォーラムで講演して
くれる滝沢泰平さんも一緒に往復にかかる時間も含めて9日間の長旅を満喫
しました。

 詳しいことは、『ザ・フナイ』にも書こうと思っていますが、ここでは、にんげん
クラブの皆さんに特にお伝えしたい二つのことについて書かせていただきたい
と思います。

 一つ目はゴラン高原を訪れたときのことです。この地は1967年の第三次中
東戦争以降、イスラエルが実効支配していますが、国連や国際社会はそれを
公式には認めていません。現在でも国連がPKO活動としてUNDOF(国連兵
力引き離し監視軍)を展開しており、日本も1996年から2013年までは自衛隊
を派遣していました。

 ゴラン高原ではイスラエル軍やUNDOFのキャンプも見ることができ、さらに
はその向こうのシリアも見ることができました。シリアやイラクで問題になって
いるISIS(イスラム国)の活動とはまったく関係のない地域ですが、それでも
他のイスラエルの地域の平和な雰囲気に比べると、はるかに緊張感を感じま
した。

 不思議に思われるかもしれませんが、普通に旅行で訪れるイスラエルの街
は日本以上と言ってもよいほど治安が良く、危険を感じることはほとんどあり
ません。

 人種差別になってはいけませんが、アラブ人居住区やパレスチナ自治区に
ある観光地に行くとスリなどもたくさんいるようです。ところが、ユダヤ人居住
区に入ると、貧富の差があるからだと言われればそれまでですが、ほとんど
心配することなく歩くことができます。また、こまめに清掃がされているようで、
街がきれいです。昔の日本人が貧しくても慎ましやかだったように、イスラエ
ルにいるユダヤ人は、普通の庶民が勤勉に倹約して日々を美しく生きている
ように感じました。

 治安の良さが一番感じられるのは、世界中から大勢の観光客が訪れており、
私たちも含めてまったく緊張感なく、観光や聖地を訪れる信仰の旅をエンジョ
イしていることです。小川雅弘さんがパスポートをすられてしまったヨーロッパ
の先進国の方が、はるかに観光客にとっての治安は悪いように思います。
もちろん、中東情勢があっという間に戦争状態になって、滞在中に戦闘に巻き
込まれてしまう可能性がないとは言い切れませんが、日本国内にいるのと変
わらないぐらい安全に、私には感じられました。

 それでも、さすがにゴラン高原という紛争地域に行くと多少の緊張感は感じ
られます。しかし、イスラエルが実効支配しているものの国際的には承認され
ていない、日本で言うと尖閣諸島にあたるぐらいの場所ですが、実際に現地
に行ってみると完全にイスラエルの一部としか感じられませんでした。

 UNDOFが見える観光用の駐車場(アラブ人の物売りがいるぐらいですので、
私たちのような物好きな観光客が結構来るようです)にいると、機関銃で武装
したイスラエル軍の兵士が定期監視にやってきて少し驚きましたが、最前線で
の緊張感という雰囲気ではありませんでした。

 パレスチナ自治区に出入りするときはセキュリティーチェックということで、
バスにライフルを持った兵士が乗ってきて一応チェックをしていきます。こちら
は少し怖い思いをするのですが、兵士の顔を見ると明らかに徴兵された新兵
が担当しており、多分20歳そこそこの彼ら彼女らの方が、異邦人の私たちに
対して恐怖の思いを抱いているということが感じられました。

 イスラエルには徴兵制があり、女性も徴兵されます。周りをほとんど敵に囲
まれている人口818万人余りの小国が置かれている厳しさを感じます。それで
も、ゴラン高原を実質的にうまく統治している姿を見ると、日本も尖閣問題で見
習うべきところがたくさんあるように感じました。

 そして、もしかするとこのイスラエルの緊張状態は、自覚がないだけで実は
私たちが近隣諸国との間に置かれている状況にそっくりなのではないでしょう
か。尖閣問題から目をそらすことなく、しっかりと現実を直視して対応しなけれ
ば固有の領土さえ守れないというのが世界の常識なのです。


 二つ目にお伝えしたいのは、エルサレムにいる敬虔なイスラム教徒たちの
焦りです。エルサレムには岩のドームという場所があり、ユダヤ教徒、イスラ
ム教徒双方にとっての聖地なのですが、現在はイスラム教の聖地として国か
ら守られています。そこで、私たちのグループに小さな事件が起こりました。

 メンバーのひとりが軽くお祈りをしたのですが、それがイスラム教の聖地で
他宗教の神様に祈りを捧げたことになり、イスラム教を冒瀆したということで、
敬虔なイスラム教徒からものすごい勢いで怒られてしまったのです。

 4年前はイスラム教徒しか入れない岩のドームの中にどうしても入りたかっ
た小川さんが、イスラム教徒だと言い張って入ろうとして失敗したというエピ
ソードがあるぐらいのゆるい感じでした。しかし今回は、私たち以外にもユダ
ヤ教の熱心な信者が明らかにそれと分かる姿で聖地に入ってきたのですが、
危ないということで警官に守られているような状況でした。周りからは大きな
ブーイングが出て、ある意味、世界でいま一番ピリピリしている最前線が岩
のドームのように感じられました。

 アラブの人は難しいなあと感じたのですが、最後に訪れたヤッホという港
町で、私たちのグループとそこに居合わせた高校生ぐらいのイスラム教の
女の子たちのグループとがとても仲良くなり、互いに写真を撮り合って喜
んでいました。宗教と関係のないところでは平和が実現しているのです。

 たった7日間の滞在でしたが、それでも国際政治という面でもとても深い気
づきを得ることができた有意義な旅でした。皆さんも、イスラエルのことを少
し学んでみませんか。きっと目からウロコのような新しい発見があることと
思います。

今月のにんげんクラブ ~6月号~

 4月号に日本一の投資家で日本のウォーレン・バフェットと呼ばれている竹田
和平さんと出会ったエピソードを書きました。

 その和平さんを紹介してくれた青木勇一郎さんが中心となって4月4日の志士
の日に「まろわ祭り 博多 5年で5倍の所得になる」が開催されました。個人で
事業を立ち上げているか立ち上げようとしている人を中心に、全国から80人の
とても意識の高い人たちの集まりが実現したのです。

 和平さんは日本を代表する株の投資家ですが、その投資戦略は長期投資で
す。株価の値上がりを追求するのではなくPER(株価が1株当たりの利益の何
倍になっているか。現在は17倍ぐらいが平均です)が割安な株(企業の純利益
を発行済み株式数で割ったものが1株当たり利益です。5億円の利益が出た会
社の株式数が1000万株なら1株当たり利益は50円になります。PERが割安な
水準の10倍なら株価は500円、平均の17倍なら850円、高めに評価されていて
20倍ならば1000円になります)を買っていきます。

 ここで詳細を書いても仕方ないかもしれませんが、その他にROE(株主資本
利益率)やPBR(1株あたりの株主資本)、そして高配当の株式を中心に買って
いきます。短期売買でキャピタルゲイン(要するに安く買って高く売って得る利
益です)を狙うのではなく、長期投資でインカムゲイン(ここでは配当金で利益
を上げていくことと考えていただいて差し支えありません)を得る投資手法なの
です。


 先日、あらためてお昼ごはんをご馳走になりながら二人でお話をさせていた
だく機会があったのですが、この時におもしろいエピソードをお聞きしました。
和平さんはバブル経済がピークだった1985年ごろに、投資家の直感で金(ゴー
ルド)の投資がおもしろいと思われました。当時の金の価格は1トロイオンス当
たり320ドル程度でした。いまは1200ドル台、一番高かった2012年ごろは1700
ドル台ですので、その直感は見事に当たっていたことになります。

 でも和平さんは「舩井さん、金をそのまま買ったらお腹が冷えるでしょ。だから
純金で百尊の金貨を作ることにしたのだよ」とおっしゃったのです。確かに金を
そのまま買ったら儲かりますが、それでは自分の儲けのことだけを考えている
ようでかっこいいとは言えません。だから、日本の繁栄を築いてくださった百尊
(天照大神、卑弥呼、聖徳太子、平清盛、織田信長、勝海舟、渋沢栄一等)の
業績を讃えるための金貨にして、それだけではなく『人生を拓く「百尊」の教え』
(講談社)という本まで出版してその教えを広めておられるのです。結果として
金(ゴールド)に投資して大儲けされたのですが、ここまですればお腹は冷える
ことなくしっかりと天意に適った生き方ができるというわけです。


 話を元に戻すと、和平さんのことを心から尊敬している青木さんは、和平さん
がこのままいけば日本は財政破綻を起こし、私たちが一生懸命に築いたもの
が水泡に帰してしまうという危機感を共有しています。そして、経営者や投資
家などお金を稼ぐ能力がある人がお腹の冷えないやり方でしっかりと儲けて、
節税をしようなどというケチなことを考えずにしっかり納税して日本の税収をい
まの2~3倍ぐらいにすれば、財政破綻の問題はあっさりと解決するという方法
論をまじめにやろうと声をかけて集まった有意の人たちの集まりが「まろわ祭り 
博多 5年で5倍の所得になる」だったのです。

 5年で5倍の所得になるために和平さんが作った集まりが「智徳志士の会」で
す。メーリングリストを活用したIT問答を続ける内に自然とお腹が冷えない経営
手法、投資手法が学べる和平さんが開発したやり方を実践する会で、やはり4
月4日から始まっています。私も参加させていただいているのですが、問答とい
うやり方で有意の人と共有意識を作っていく内にひとりでは気づかない、かなり
深い世界に誘われていきます。


 そんなことを考えているとにんげんクラブのホームページ上にある「こだまゆ
うこの熱海伊豆山通信」というブログで「豊かさってなんだろう」(2015年4月6日
アップ)というタイトルを見つけました。本当に大切なもの(きれいな空気、おい
しい水、緑豊かな山々)はお金では買えないもので、最近の若者達の中にはお
金は持っていなくてもそんなお金では買えない本当に大切なものを大事にして
いる人がいるという話を書いていました。

 先日、親しくしている若い友達と話をしていると、世界中の有意の人と繋がり
たいから彼らが訪れる機会が多い広島に引っ越して、エアビーアンドビーとい
うサービスに部屋を提供しているのだそうです。ネイティブと英会話をして学び
たいと思って始めたのですが、英会話学校にお金を使うのではなく逆に部屋代
をいただきながら英会話学校では得られない生のリアルな会話を楽しめている
と教えてくれました。

 世の中の流れはアベノミクスの成功でインフレ気味になってきており、外国人
観光客の爆発的な増加と相まって最近は出張に行く時にホテルの部屋が取れ
ないで困るようになってきました。いままでの考え方だったら、ホテルを作って儲
けてやろうと考えるところですが、新しい時代に生きている若者たちは余った部
屋を世界中のステキな人たちとシェアして楽しもうとしているのです。

 これと同じように、車を買うのではなくカーシェアをするとか、シェアハウスでみ
んなと一緒に住んで強固なコミュニティを自然と築いてしまうとか、私たちにはで
きなかったような生き方を着々と実現している若い人の話を聞くと大きな刺激を
もらえます。

 若者達のように新しいパラダイムに暮らすことは50歳を超えて贅沢に慣れた私
には難しそうですが、和平さんのお腹が冷えないという知恵を活用しながら、経
営者としてしっかり儲けてしっかり納税して日本の財政破綻の危機を救おう、そし
てそんな経営者や投資家の仲間を自分たちの力を使って増やしていこうという
「智徳志士の会」に積極的に参加して、私は私の役割を果たしていこうと思います。

 そして、私のようないまさら本質的な愛について語ることは難しいおじさんであっ
ても、若者達の邪魔にならないように、しっかりと世の中の発展に貢献していける
ということを、示していければと思っています。

今月のにんげんクラブ ~5月号~

 時の流れは驚くほど速く、感覚的にはちょっと前にお正月を迎えたばかりな
のですが、カレンダーを見るともう4月、ゴールデンウィークがワクワク待ち遠
しい季節になりました。目に見えない世界のことが分かる友人たちの情報を
まとめてみると、3月21日の春分の日までに世の中の変革期が到来し、この
巻頭言を皆様にお届けしている頃には新しい時代が始まっているのだと感じ
つつこの原稿を書いています。

 さて、3月上旬には、にんげんクラブ愛知支部の皆さんが椿大神社(つばき
おおかみやしろ)で「地球への祈りの集い」というイベントを開催してくれました。
正式参拝をさせていただいた後、山本行恭宮司がご挨拶くださったのですが、
神官の方からみても今年は激動の大波乱の年だというお話をしてくださった
のが印象的でした。

 「地球への祈りの集い」は細野晴臣さん、雲龍さん、KNOBさんの奉納演奏、
花柳鶴寿賀先生のアマミ舞の奉納、さらには小林芙蓉先生の富士山の書の
奉納とものすごく豪華なメンバーにご先導いただいて皆で地球に愛の祈りを
捧げました。

 会場の三重県鈴鹿市にある椿大神社は、道を開く猿田彦様をお祀りしてい
て、椿講という制度があるので東海地方の人には馴染み深い大きな神社です。
しかし、全国から参加される方にとっては、公共交通機関がほとんどなくとて
も不便なところであるにも関わらず、本当に多くの方にお集まりいただき、大事
なイベントは皆さんよく分かっておられるなあと感心させられました。


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 いままでの時代は猿田彦様に道を開いていただき、天之宇受売(あめのう
ずめ)様にうずを回していただいてきたのですが、冒頭述べたとおりすでに始
まっている新しい時代は、にんげんクラブの会員の皆さんのような新しい時代
に気がついた私たち普通の人間が、自らの力で道を開きうずを回していく時代
のようです。このイベントを主宰してくれたにんげんクラブの中山恵美賀さんは
とてもきれいでチャーミングな普通の女性ですが、彼女たち普通のお母さんが
持つ愛の気持ちで地球に感謝の祈りを捧げることができ、まさにうずが回り始
めたことを実感することができました。

 大事なのは「母性の愛」です。私のような男性には母の無条件の愛はなかな
か理解できないのですが、逆に言うと「お母さんに対する無条件の感謝の愛」
で地球に対して感謝を捧げればいいのです。ここで挑戦したいのは、お母さん
に対する無条件の愛をすなおに感じるために、産み育ててもらった過程ででき
てしまったトラウマをうまく解消していくことです。

 愛にあふれている女性の友人からは、「お母さんに抱っこしてもらえばいい
のよ」とアドバイスされています。恥ずかしくて「お母さん抱っこして」とはとても
言えませんが、せめて電話をしたりたまには顔を見せて、しっかりと母の目を
見て話をしたいと思います。そうして、私たち一人ひとりが、産んでくれたこと、
育ててくれたことに対してしっかりと感謝の気持ちを送ることができるようにな
れば、やがて愛がもっともっと感じられるようになるでしょう。そして、その愛に
よって大地を産み、私たち生物を育ててくれている地球に対して感謝を捧げら
れるようになればよいのだということを、強く感じさせてくれるイベントだったと
思います。


 私はおかげさまで、相変わらず道を開いてうずを回すために、日本中を旅さ
せていただいています。今日は、先月号の巻頭言で紹介した竹田和平さんに
お会いするために名古屋に向かっています。朝の新幹線からはとてもきれい
な富士山が見えました。もうすぐ、富士山が一番きれいに見える三島から新富
士あたりに差し掛かるところですが、まさに小林芙蓉先生が書いてくださった
日本という国土をしっかりと守っていただいている富士の愛を感じ、それに対
して感謝の愛を送らせていただきたいと思っています。

 そう思うと、列車はちょうど母の住む熱海を通過しています。熱海からは富士
山は見えませんので、しばらくは心の中で母に対して感謝の気持ちを送りたい
と思います。

 私たち人間には猿田彦様や天之宇受売様のような大きな力はないかもしれ
ませんが、まず家族をしっかりと大切にしていくこと、そしてすばらしい仲間と
一緒に楽しいことをワクワクしながらやっていくことで、いつの間にか大きなこ
とを成し遂げることができるのだということを、にんげんクラブ愛知の皆さんか
らあらためて教えていただきました。

 目に見えない世界のことがよく分かる人たちから話を聞くと、富士山の噴火も
危ないけれど、それよりも首都圏直下型の地震が来る可能性が本当に大きく、
それによって日本は壊滅的なダメージを受けてしまうだろうということを本当に
心配されています。しかし、天変地異も含めて、この世の中で起こることはすべ
て私たちの意識や行いがつくり上げているものです。だから、家族に対する愛
をまず大事にできるようになった私たちが率先して助けあい、いい世の中をつ
くっていくように意識を向けて、行動していけばいいのだと思います。

 そんなSAKIGAKEBITOの集まりである、「舩井フォーラム2015 SAKIGAKE
BITOがつくるエヴァの世界」を、今年も10月17日(土)、18日(日)にパシフィコ
横浜で開催します。

 にんげんクラブの皆さんがそれぞれの場所で道を開き、回し始めたうずを共
有できるようなイベントを、皆さんと一緒につくっていきたいと思っています。
うずを回し始めた仲間が1年に1度集まるお祭り、それが舩井フォーラムです。

 白状するとこの原稿は、結論がよく分からないまま書き始めたのですが、私
の気持ちがまとまってくると三島では雲に隠れてよく見えなかった富士山が、
新富士で本当にきれいな姿を現してくれました。彼女に精一杯の愛と感謝を
送りつつ、彼女が私のやっていることを認めてくれたと思って、和平さんから
しっかりと多くのことを学んでこようと思っています。またどこかで、その内容を
皆さんにもシェアしますので、楽しみにしていてくださいね。

 そして、私が回し始めたうずや皆さんが回し始めたうずを合わせていくことで、
大波乱の年を共に楽しく乗り越えていきたいと思います。
本当にいつもありがとうございます。感謝しています。


今月のにんげんクラブ ~4月号~

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先日、竹田和平さんにお会いしました。そして、2009年の少し古い本ですが、
和平さんの『けっきょく、お金は幻です。』(サンマーク出版)を読みました。
びっくりしました。私が最近一番伝えたいと思っていることが、私よりもはるか
に分かりやすくシンプルにコンパクトにまとめて書いてあったからです。
 
和平さんは1933 年(昭和8年)生まれですから、昨年亡くなった父と同じ年に
生まれた大先輩です。ちょうどこの本が出る5年ほど前に、ちょっと努力すれ
ばお会いできる機会があったのですが、残念ながら私はそのときはお会いす
ることを選択しませんでした。日本一の投資家で、自分と同じ誕生日である
2月4日に生まれた日本中の赤ちゃんに純金のメダルをプレゼントするという
和平さんの行動が、当時の私はあまり好きになれなかったのです。
 
でも、それは傲慢な考えだったと反省しています。お会いすることもなく本も
読まずに、人から聞いた断片情報だけで判断することで本当にもったいない
ことをしました。せめてそのときにこの本を読んでいればと後悔しています。
もし、そのときから和平さんの薫陶を受けていれば、いまから5年後に到達
できる世界がもっとしっかりと見えるようになっていたかもしれません。
 
例えば、はせくらみゆきさんとの共著『チェンジ・マネー』(きれい・ねっと)では、
まさにお金は幻想であるということを書きたかったのですが、和平さんの本を
読むと、私の本の説明が不十分であることがよく分かります。概念で分かった
ことを何とか伝えようとしている私に比べて、和平さんは実体験に基づくとて
も分かりやすいお話を紹介して説いてくださっているのです。
 
和平さんは戦争中、ある村に疎開されていたのですが、その村は戦争が行
われている実感がないほど、のどかな村だったそうです。
農業で生活を成り立たせており、いまから考えるととても貧しい生活でした
が、みんな穏やかで温かい心を持って、とても平和に、まるでおとぎ話のよう
に暮らしていました。家に鍵をかける人など誰もおらず、荷物を道端において
神社にお参りに行っても誰も物を取ったりしない。そんな心配をする必要が
ない、まるで桃源郷のような世界でした。
 
そして驚くべきことに、疎開していた1年間、和平さんは村の人がお金を使う
姿をまったく見なかったといいます。70年前の農村では、本当に日常の生活
にお金が必要なかったのです。村の人たちがいつも口にしていた言葉は
「ありがたいのう」「もったいないのう」「おかげさまでのう」でした。
お金ではなく心が流通していたのです。このときの体験が和平さんに
「けっきょく、お金は幻想である」ということを教えてくれました。

残念ながら、私はお金が要らない生活を体験したことがありません。だから、
お金の要らない世界を概念だけで説明しようとしてしまうのですが、和平さん
は11歳のときに実際にそんな理想郷を体験しているのです。

とはいえ、和平さんと同じような体験をした人は日本中にたくさんいるはず
です。和平さんがすごいのは、おそらくただ一人、その体験から「お金は幻で
ある」ということを悟ったということです。そして、それを知っていたから経営者
や投資家という、ほとんどの人がお金に翻弄されてしまう人生を送ることにな
る分野で大成功を収められたのです。

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竹田和平さんはお菓子メーカーの経営者として大成功されましたが、それより
も日本一の投資家として有名です。朝倉慶先生によると世界で一番ユニーク
な投資家で、目先の株価などにとらわれることなく、四季報の情報だけで割安
に評価されている会社を探しだし、その会社を応援する気持ちで長期保有を
するのです。がんばって多くの配当を出してくれた会社に対しては、お礼の手
紙を書くこともあるといいます。

考えてみると、配当金をもらえることはとてもありがたいことです。私は船井総
研(現在上場しているのは船井総研ホールディングス)の株主であると同時に、
以前は社員や役員をしていました。船井総研で働いていた頃は、それで給料
をもらっていたのですから当然ですが、稼ぐことに大変な思いをしていました。
ところが、いまは後輩の皆様がものすごくがんばってくださり好業績を上げて
いただいているので、そのときの給料よりもはるかに多くの配当をいただける
ようになりました。

少しでも船井総研の皆様にご恩返しするために、いろいろな問題が生じること
もありますが、何とか父から受け継いだ株式を保有し続けようと思っています。
もちろん、株主総会に出席したり時々高嶋社長や幹部の皆様とお会いしたり
して、心からの感謝をお伝えすることも私の大切な仕事だと考えています。
そして、船井総研に迷惑をかけないようにまっとうに生きていかなければいけ
ないと肝に銘じているのです。もしかすると、このことがにんげんクラブの活動
を続けている大きな動機のひとつになっているのかもしれません。

和平さんが立ち上げられた智得志士の会という集まりがあります。朝倉先生の
「日本の財政破綻は不可避である」という意見を真剣にとらえられて、それなら
経営者や投資家が一生懸命がんばって、たくさんの税金を納めて財政破綻に
ならないようにしようという活動です。税金を払わないように勉強するセミナー
はたくさんありますが、少しでも多くの税金を払うために経営者を集められるの
は和平さんしかいないと思います。

年会費が6万5000 円でこんな本質的な集まりに参加できるのなら、にんげん
クラブでも積極的にお手伝いをしようと思っています。にんげんクラブに和平さ
んをご紹介いただいたのは1月に開催した「宇宙からの黙示(ソラからのアポカ
リプス)Ⅱ」の講師であり、アカシック・レコードを読めるなどの能力を生まれつ
きではなく努力して身につけられた、私の親友である青木勇一郎さんです。

にんげんクラブの皆様に、和平さんが70年前に体験し会得された「お金は幻
である」という感覚を、智得志士の会とは違う目的かもしれませんが、分かっ
て使いこなしてほしいと思っています。そして皆様の周りに、がんばってはい
るのですが、愛が分からない少し困ったおじさんがいれば、智徳志士の会を
お勧めいただきたいと思っています。愛が分かっていないという意味では資格
が十分あると思っている私は、早速入会したいと思います。本当に素晴らしい
人に出会いました。青木さん、ありがとうございました。


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写真はすべて
『宇宙からの黙示(ソラからのアポカリプス)Ⅱ』
アースキーパークリスタルPちゃんが伝えるアカシックレコードからのメッセージ
~今、日本の近未来をかえるとき~(1/31 東京グランドホテル)
  より

今月のにんげんクラブ ~3月号~

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(大阪)にんげんクラブ新春大交流会(1/4)


私は週に2回、ブログというかコラムのようなものを書いています。
ひとつは生前父が連載していた舩井幸雄・comの「いま知らせたいこと」を受け
継いで書かせていただいています。父が書いていた頃に比べるとアクセス数は
落ちていますが、ありがたいことにそれでもその頃の3分の2程度のアクセス数
をいただいており、信頼している先生のアドバイスもあって、ざっくばらんになり
すぎずに舩井ファンでない人が読んでくださることも想定しながら書いています。

そして、もう一つが、にんげんクラブのホームページの「舩井勝仁のウィークリー
レポート」です。こちらは、いまは誰でも読めるようになっていますが、もともとは
にんげんクラブの会員様限定のレポートだったこともあり、なるべく本音で気楽
に書くようにしています。

個人的にはこちらの方が気に入っているのですが、そのにんげんクラブの
ホームページの看板商品は私のレポートだけではなく、「こだまゆうこの熱海
伊豆山通信」だと思っています。もともと大勢のファンがいるこだまさんですが、
いまや心と魂の扉を完全に開いてほぼ完全にオープンハートになっていて、
昨年は5回以上彼女のセミナーに参加したというディープなファンも出現して
いるほどの人気です。

1月6日にアップされた今年最初の通信は「マックス・クリスチャンセンさんの
セミナーの感想」というタイトルで書かれています。内容はこだまさんの講演
会での定番のお話で、私も何度か聞かせてもらったことがあるのですが、
それでも読んでいると泣けてしまいます。

掲載の許可を得るために翻訳された英文が最後に掲載されているのですが、
それを読んでいると、和文との微妙な表現の違いを感じ、それで改めて違う
感情が刺激されて会社の自室で読んでいたので良かったのですが涙腺が
すっかり崩壊してしまいました。皆さまにもぜひお読みいただければと思い
ます。

こだまさんだけでなく、私の周りにはほぼ完全に心と魂の扉が開いていると
感じる素晴らしい人たちが何人もいます。『聖なる約束』(きれい・ねっと)の
共著者赤塚高仁さんも間違いなくそのひとりです。

もう満員になってしまったようなのですが、昨年に引き続き今年のゴールデン
ウィークにも赤塚さんのイスラエルツアーが企画されていて、実は私も参加
させていただくことになっています。また、私が共著者になるかどうかはまだ
決まっていませんが赤塚さんの新しい本を出そうという話も進んでいて、
今年は赤塚さんが本格的に大活躍を始める年になるのは間違いないと、
私は確信しているのです。

赤塚さんは論理的には表現されませんが、本質的なことを感覚的に理解され
ているようです。まさに、私が3年ぐらい前にもらった「考えるな、感じろ」という
テーマを実践されています。出版の話にしても実は大手の出版社から素晴ら
しく条件の良い提示を受けているようなのですが、実質的に私がプロデュース
させていただいた企画に乗ってくれました。本を売って有名になりたいという
目先だけの目的であれば大手出版社の企画のほうがはるかに有利ですが、
それでは赤塚さんのやりたいことが自己実現しないことをなぜかきちんと感じ
ているようなのです。

そして、そんな赤塚さんも巻き込んで、にんげんクラブ愛知支部の中山恵美賀
さんが中心になって開催されるのが3月8日(日)、三重県鈴鹿市にある伊勢国
の一宮、椿大神社(つばきおおかみやしろ)で行われる「地球への祈りの集い」
です。先月号の本誌にチラシを同封させていただきましたのでご覧いただきた
いのですが、もしなくしてしまった方はにんげんクラブ(03-6698-9561)まで
お問い合わせいただければと思います。

恵美賀さんも、こだまさんや赤塚さんと同じようにほぼ完全に心と魂の扉が開
いている人だと思います。先日、大阪のにんげんクラブ関西の集まりにわざわ
ざ参加してくれた恵美賀さんと話をしていて気がついたのは、どうしても論理的
に考えてしまう私が彼女の言っていることを理解できない理由は彼女の話には
主語がないということでした。しかも、私がきちんと認識していない人のことを
話題にしているときに、その主語を省略されるのでさっぱりついていけないの
です。

でも、不思議なことに恵美賀さんの周りの、特に女性の人たちは話について
いっているようです。イベントの主な目的は元YMOの細野晴臣さんら一流の
音楽家の演奏を彼女がいま一番大事に思って活動している花柳鶴寿賀(はな
やぎつるすが)先生のアマミ舞と一緒に奉納すること、そしてもう一つは草場
一壽(くさばかずひさ)先生の陶彩画「アモトからの龍」の世界を表現すること
です。この龍は「宇宙の根源から来た龍」であり「宇宙の根源に向かう龍」でも
あるようです。

恵美賀さんの表現で言うと「宇宙外生命体の龍」ということなのですが、論理的
に考えてしまう私には地球外生命体ならなんとかついていけても、宇宙外生命
体になるとさっぱりわかりません。しかし、少しだけ開いてきた心と魂の扉の奥
にある私の本質は、その言葉に強く反応してしまうのです。

大阪の懇親会で恵美賀さんからおもしろい石の写真を見せてもらったのですが、
あまりにも気になったので強引にもらってきました。いま、会社の机の上に飾って
あって、そのまるで人(神?)の顔としか思えない写真を前にして原稿を書いて
います。不思議なもので、主語がないのだということに気がついてから、私の感
覚で主語を探してくれば恵美賀さんの話が理解できたような気分になることを
発見しました。

恵美賀さんとは前世(?)からの深いご縁があるように感じるのですが、にんげん
クラブのイベントはそんな魂の仲間が見つかる場でもあるようですので、ぜひ皆
さまにもご参加いただければと思います。

こだまゆうこさんと私のジョイント講演会を何回か熱海の船井本社の事務所で
開こうと思っています。次回は2月22日(日)に開催いたします。こだまさんの
提案で事務所に引いてある温泉に入ってもらってお弁当を食べてから講演を
聞いてもらうことになりました。

講演する方から言えば、眠たくなる条件が揃ってしまう無謀な企画ですが、
そこはオープンハートなこだまさんの企画ですから、論理的な私には分からない
素晴らしい展開が待っているのだと思います。

そして、いろいろな試行錯誤をしながらその集大成として、10月17日(土)、
18日(日)には、今年も舩井☆SAKIGAKEフォーラムを開催することになり
ました。詳細はこれから決めていきますが、ぜひ手帳にご予定として書き込ん
でおいてください。どうぞ、よろしくお願いいたします。


今月のにんげんクラブ ~2月号~

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舩井勝仁とこだまゆうこのコラボ講演会(熱海事務所12/21)


舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014に出演してくださった、はせくらみゆきさんが
以前ブログで「ルーシー」という映画のことを書いていらっしゃいました。日本では
昨年の夏に公開されましたが、ちょうど1月の半ばにDVDの販売が始まるよう
です。

この原稿は12月の初旬に台湾のホテルで書いているのですが、前日の国際線の
フライトでこの「ルーシー」を見ることができました。しかも、前半の舞台は台北で、
今このタイミングで見ればいいというシンクロニシティ(共時性)を感じてしまいま
した。

ルーシーというのは、エチオピアで発掘されたアウストラロピテクスという約300万
年前の化石人類に付けられた名前であり、ある意味でいうと世界最初の人類です。
ルーシーという名前は1970年代にこの化石が発見されたときに流行していた
ビートルズの歌から付けられたということですが、この映画の主人公ルーシーも
そこにかけて名前が付けられているようです。

あまりレベルの高くない普通の女性であるルーシーが台北で知り合ったボーイ
フレンドに頼まれて、新種の薬物をマフィアの組織に持ち込むことになりました。
そして、マフィアに利用されることになるのですが、あるトラブルからその新種の
薬物が許容量をはるかに超えてルーシーの体内に吸収されてしまいます。
そのことによって、通常の人類であれば脳の機能の10%弱しか使われていない
のに、彼女は徐々に能力を上げていき、最後は100%の能力を使いこなして、
物理的な次元にはとどまれなくなりますが、この世に遍在できるようになるという
物語です。

はせくらさんは、彼女自身の目に見えない世界に対する能力が上がっていく様が、
この映画に似ている部分があるそうですが、私も機内食を食べながら自分が
万能になっていく感覚を味わっていました。多分、この映画の売りはハードボイルド
な部分だと思うのですが、脳を使いこなすことができるようになるのが、これから
私たち人類に求められる進化の方向性であるということが示唆されている
ストーリーになっています。

重要な登場人物ということで、脳機能の研究における世界第一人者の大学教授
が登場するのですが、彼が講演しているシーンが映画の重要なモチーフになって
います。講演の中で、地球上の生物の中で人類は10%程度の脳機能を使いこな
す最も進化している種であるが、ある種のイルカはその上をいく20%の脳機能を
使いこなしているというのです。台湾でお会いさせていただいた、台湾最大の流通
業の前CEOでいらっしゃる林蒼生先生も、おおまかにはその意見に賛成だと
おっしゃっていました。

はせくらさんが私たち人類がこれから進化していく方向に向かって先行して走って
いるフロントランナーの一人だと仮定すると、そのはせくらさんが見ている世界を
感じるひとつのおもしろい機会が、この映画を見ることによって提供されると考えて
いいのだと感じます。

さて、そんなことを書いていると、為替がついに1ドル120円になったというニュース
が飛び込んできました。正直に懺悔すると、実は私は2014年内に120円になる
ことはないだろうという見方をしており、船井塾のときにそんな話を経営者の方々に
してしまったのですが、見事に外れてしまいました。2015年には安倍総理が退任
するだろうという見通しや、2015年10月には消費税が上がるだろうという見通しも、
おそらく外してしまいました。

言い訳になりますが、世の中は本当に激しく動き始めたようです。今までの感覚で
表面的な予想をしていると恥をかいてしまうことになります。もっと深く読み取る、
つまりルーシーのように自分のポテンシャルをもっともっと高めていく必要があるの
です。後付けの解説にはあまり意味がないのですが、例えば消費税の問題は税率
のアップを延期したということよりも、停止条件なしに2017年4月には確実に10%に
するということが決定したことがポイントになるようです。

世の中の動きをよく知っている友人が「大体、10月に消費税を上げるなんてメチャ
クチャなことを考えるわけがない。商業にとって一番大切な歳末商戦に大きな影響
を与える10月に消費税を上げるなんていうことをしたら、その年の個人消費に壊滅
的な影響を与えるのは間違いない。日本はGDPに占める個人消費の割合が60%
にもなる成熟国なのだから、そんな事態が実現してしまうと間違いなく恐慌が起きて
しまうよ」と解説してくれました。

その解説を聞かせていただいて、私はもしかすると本当に大きな動きを決めている
人たちは、初めから2017年4月に消費税を10%にすることに決めていたのでは
ないか。しかし、そう簡単には世論には受け入れられないだろうから、まずは2015年
10月に上げるとアナウンスしておき、それを延期したという形にしてすんなりと消費
税を10%にすることのコンセンサス(合意形成)を取ろうとしたのではないかと思って
しまいました。

以上のようなことは、これまでの予想のやり方とは違っているものの、すべてマスコミ
等から普通に取得できる情報に基づいています。
私のように経済のことを予想する立場にいるのであれば、ルーシーのように100%
とはいかずとも、脳の容量をもう少し大きくして使いこなし、これから何が起こるのか
をもっと正確に予想できるようにならなければいけないと思います。

さまざまな識者が為替が120円を超えると円安が新しい局面に入るという意見を
発表しています。ちょうど今朝届いた、高島康司先生の有料メルマガには、
「アメリカが安倍政権やアベノミクスについてノーを突き付けた」という解説が
なされていましたが、今年はいよいよ日本対アメリカの経済金融分野の本格的な
化かし合いが始まるのかもしれません。

どうも選挙で自民党が大勝するのは間違いのない流れのようですから、引き続き
私たちのリーダーを任せることになった安倍総理には、日本の国益を守っていただ
けるようにしっかりとがんばっていただきたいと思います。それに加えて、私たち一人
ひとりも心と魂の扉をしっかり開いて、ルーシーやはせくらさんのように進化した人類
を目指すときが来ていることを感じます。大きな自分の生き方をどこか遠くにいる誰か
偉い人に委ねるのではなく、自分自身が神(サムシンググレート、天)と直接つながって、
自分で考え、意思決定し、自己責任で行動できるようにならなければいけないことを、
もう一度確認するべきタイミングに来ているのは間違いないようです。


今月のにんげんクラブ ~1月号~

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舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014 (11/1・2 パシフィコ横浜国立大ホールにて)
左) 佐野浩一 中央)佐藤芳直社長 右)舩井勝仁


 舩井☆SAKIGAKEフォーラムにお越しいただいた皆様、本当にありがとうござい
ました。おかげさまで次元の扉が開き、私たち人類は新しいステージに進むことが
できたのではないかと感じています。先月号の巻頭言に書いたように、いよいよこ
れからの時代は物理的にも大変化が始まるタイミングが来ているように感じていま
すが、だからこそますます、恐怖の気持ちで過去や未来にとらわれることなく、「い
まここ」を有意の人やSAKIGAKE-BITOと共にしっかりと生きていくことが大切にな
ると思います。
 
 舩井☆SAKIGAKEフォーラムでにんげんクラブとして楽しかったのは、東京四谷
での寄合でした。全国から20人ぐらいの仲間が集まってくださり、ついつい声を大
きくしてしまう場面もありましたが、本音をぶつけ合うことのできる本当に楽しく有意
義な時間を過ごさせていただきました。
 
 2015年も舩井☆SAKIGAKEフォーラムを開催したいと思っています。そして、20
14年以上ににんげんクラブの人たちのご意見を取り入れるかたちにしていきたいと
も考えているのです。全国から決して安くはない費用をかけて多くの方にお集まりい
ただくイベントを、学芸会のノリでやるのはいかがなものかという、もっともなご批判
があることもよく承知しています。それでも、やはりこれからの時代は男性性のカリ
スマが方向性を指し示して、みんながそれについて行くのではなく、みんなから出て
きた意見を女性性のカリスマがまとめる形のイベントを目指したいと思っているので
す。
 
 そして、にんげんクラブの会員の皆様は大きなイベントをつくり上げる仲間として、
充分に成熟してきたのではないかとも感じています。以前、にんげんクラブのイベン
トで会員のお一人から「勝仁さんは、私たち一人ひとりの心の中が平和になれば世
界平和は簡単に実現すると言われましたが、世界のどんな紛争地域よりも激しい
争いをしている私の心の中を平和にする方法を教えてください」という質問をいただ
きました。こんな本質的な質問を、私のことを気遣いながらしてくださるにんげんクラ
ブの皆様のレベルの高さに、刮目していたのですが、舩井☆SAKIGAKEフォーラム
のフィナーレでは、それに対する私なりの答えをお伝えさせていただきました。
 
 フィナーレの舞台に立っていただいた認定NPO法人テラ・ルネッサンスの鬼丸昌也
さんが素晴らしいシンクロで、私たち個々人の心の中を平和にすることが世界平和を
つくり上げる方法だというお話を、もちろん何の打ち合わせもなしにしてくださいました。
そして、そのお話からつながるかたちで、本当に本質的なことを参加してくださった多
くのSAKIGAKEBITOとシェアさせていただくことができたのです。
 
 私たちは競争原理を導入して、男性原理で文明を発達させてきました。世界中の
先進国や最近ではBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)のような中
進国の人たちも、豊かで便利な生活を謳歌するようになりました。これは、間違いな
く競争原理の下で切磋琢磨してきた先人たちがもたらしてくれた豊かさですが、どう
も資本主義というシステムは世界中の15%ぐらいの人しか豊かにできないシステム
であることがはっきりと分かるようになってきました。
 
 私たちが便利な携帯電話やスマートフォン、そして家庭用ゲーム機を使うために、
鬼丸さんが支援してきたアフリカの国々ではレアメタルの争奪のために内戦が起き
て、多くの子どもたちが誘拐され子ども兵にさせられています。アフリカの子どもたち
の不幸を見て見ぬふりをするのはもう無理なのです。日本人が享受している豊かさ
を多少は手放すことになるのかもしれませんが、勇気を持って資本主義というシステ
ムを手放し、世界中の人たちが共に豊かに生きられる新しいシステムの模索を始め
なければならないタイミングに来ていることは明らかです。
 
 舩井☆SAKIGAKEフォーラムで故・江本勝先生に代わってオープニング・メッセー
ジを伝える大役を果たしてくださった『聖なる約束』(きれい・ねっと)の共著者である
赤塚高仁さんは、私利私欲もええ格好をしたいという気持ちもなく、シリアのダマス
カスでメッセージを伝えてきた使徒パウロの意に従って、やまとこころのキャンドル・
サービスをしながら現代の聖書を作っていく活動を、何の気負いもなく淡々と続けて
いらっしゃいます。
 
 鬼丸昌也さんも、本当に悲惨なアフリカの子ども兵の話を自分の感情をまったく交
えずに淡々とお話しされます。可哀そうだとか、何て酷いことをしているのだという怒
りの感情などは一切ない状態で、現場に行って体感してきた事実をただありのまま
伝えて行くことができるのだそうです。やはり、鬼丸さんも赤塚さん同様、自分がしな
ければいけない役割を完全に果たすことができる、そんな一人なのだと思います。
 
 にんげんクラブの仲間にも赤塚さんや鬼丸さんのように、損得や自分の感情を超
えて自分の役割を完全に、しかし淡々と果たしている仲間たちが何人かいます。最
近目に見えないことが分かるようになったという私の友人は、そのような人がいま世
界中に1500人ほどいて、このような仲間が14万4000人になったら人類が中心になっ
て運営しているいまの地球のシステムが物理的にもアセンション(次元上昇)できる
のだと言っていました。
 
 しかし、まだまだ1500人しかいないのです。舩井☆ S A K IGAKEフォーラムにご参
加していただいた皆様やにんげんクラブの会員の皆様のようなSAKIGAKE-BITOの
中から、本当にハイヤーセルフと一体化して行動できるような人たちへ進化していく
人の数がドンドン増えていかなければならないのです。
 
 これからのにんげんクラブは、そんな本質的な活動をしている人たちに集まってい
ただき、そんな人たちが自分が言わなければならないこと、伝えなければならないこ
とを安心して発表できるような場を想造していきたいと思っています。そして、その皆
様が創るうずがそれぞれの小宇宙になり、そんな小宇宙同士がお互いに干渉し合い
ながら大宇宙を創っていくさまを皆様と一緒に楽しみたいと思っているのです。
 
 そして、そこに参加してくださる皆様も、それぞれのうずを回し始め、自らの小宇宙
を創りだすようになる、それがにんげんクラブの本質的なあり方だということが、よう
やく分かるようになってきました。そんな小宇宙が年に一度、集まってお互いに干渉し
合って2日間だけのバーチャルの世界ではありますが大宇宙を具現するのが舩井☆
SAKIGAKEフォーラムの役目なのだと思います。
 
 舩井☆SAKIGAKEフォーラムというイベントは、皆様と共に創り上げていかなけれ
ばならないのだと意を強くしているのです。


今月のにんげんクラブ ~12月号~

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10/21 舩井セミナールーム
舩井勝仁の『いま知らせたいこと・いい世の中をつくるために必要なこと』講演会にて


 この会報誌が届く頃には舩井☆SAKIGAKEフォーラム(11/1・2開催)も終わって
おり、私たちの理想的な世の中をつくる活動も新しいステージに入っていると思いま
す。一体これからの世の中はどうなっていくのか、改めて考えてみたいと思います。

 2009年に舩井幸雄が命懸けで話をした「船井幸雄オープンワールド」の模様をお
伝えした『2012年の変化はすでに起きている』(徳間書店)という本があります。舩井
☆SAKIGAKEフォーラムへ向けての準備が佳境を迎えたいまの段階で、そしてこれ
を読者の皆様に読んでいただくのが舩井☆SAKIGAKEフォーラムが終了していると
いうこのタイミングで、どうしてもこの本を手に取りたくなりました。

 それは、船井総研を引退した後に舩井幸雄が一番やりたかったこと、つまり世の中
が大きく変化するにあたって必然的に私たちに降りかかってくる「大難を小難に、小難
を無難に、無難を無事にする」ことだということをもう一度、舩井☆SAKIGAKEフォーラ
ムが終わったこのタイミングで確認することが大事だと思ったからです。

 同書では、私たちが意識を変えずにいまのままの生活をしていたら起こる天変地異
について、日月神示を引用して紹介しています。同書からの孫引きになりますが引用
させていただきたいと思います。

 「海が陸になり、陸が海になる。

 神世のひみつと知らしてあるが、いよいよとなりたら地震、雷ばかりでないぞ、臣民
アフンとして、これは何とした事ぞと、口をあいたままどうすることも出来んことになる
のぞ、四ツン這いになりて着るものもなく、獣となりて、這いまわる人と、空飛ぶような
人と、二つにハッキリ分かりて来るぞ、獣は獣の性来いよいよ出すのぞ、火と水の災
難がどんなに恐ろしいか、今度は大なり小なり知らさなならんことになりたぞ。一時は
天も地も一つにまぜまぜにするのざから、人一人も生きては居れんのざぞ。それが済
んでから、身魂がみがけた臣民ばかり、神が拾い上げてミロクの世の臣民とするのぞ、
どこへ逃げても逃げ所ないと申してあろがな、高い所から水流れるように時に従いて
居れよ、いざという時には神が知らして一時は天界へ釣り上げる臣民もあるのざぞ。
人間の戦や獣のケンカ位では何も出来んぞ、くどう気つけておくぞ、何よりも改心が第
一ぞ。

 日本は御土が上がる、外国は御土が下がる。都の大洗濯、鄙(田舎)の大洗濯、人
のお洗濯。今度はどうもこらえてくれというところまで、後へひかぬから、その積もりで
かかって来い、神の国の神の力を、はっきりと見せてやる時が来た。


 海の津波気を付けてくれ、前に知らしてやるぞ。

 今までの逃れ場所は山であったが、今度は山に逃げても駄目、神の御旨の中である
ぞ。

 月は赤くなるぞ、日は黒くなるぞ、空は血の色となるぞ、流れも血ぢゃ、人民四つん這
いやら、逆立ちやら、ノタウチに、一時はなるのであるぞ、大地震、火の雨降らしての大
洗濯であるから、一人逃れようとて、神でも逃れることは出来んぞ、天地まぜまぜとなる
のぞ、ひっくり返るのぞ。」


 同書の結論は2009年の船井幸雄オープンワールドに3000人の有意の人が集まって
いただいて共に以下のことを祈ったことで、大難が小難になったのだということでした。

1.天変地異がなくなるようにお願いする
2.生活恐慌がなるべく少なく済むようにお願いする 
3.大難を小難にする
4.よい世の中を早くつくりたい

 いつ倒れてもおかしくないような状態の中で、命懸けで話す鬼気迫る舩井幸雄の講演
に多くの人が感動して、この流れは確かにここから始まったように確信しています。

 私たちの意識が創りだす集合無意識が世の中の現実を創っています。だから、多くの
人たちが未だに資本主義が極まったマネー資本主義強欲資本主義の時代に、「いまだ
け、自分だけ、お金だけ」という価値観で生きているということを真摯に反省して、利他の
心で愛にあふれる生き方を選択しなければならないのだと、あらためて思います。

 今年4月にイスラエルに行った時に、旧約聖書であまりにもみだらな生活をしていたた
めに神の怒りを買って滅ぼされたソドムとゴモラの遺跡として名高い、死海のそばにある
「ロトの妻の塩の柱」を見学してきました。ロトは敬虔な人で神から許されたのですが、絶
対に後ろを振り向いてはいけないという神の言いつけに背いて町を振り返った妻は塩の
柱にされてしまったという神話の通りの遺跡でした。

 前記の日月神示を読んでいると、私たち現代人は神から見るとマネー資本主義に溺れ
ていて、すべてがソドムとゴモラの町になってしまっているのではないでしょうか。ロトの
ように神から信頼されている何人かの預言者が、必死になって神の言葉を忠実に実行し
ようとするのですが、それもそろそろ限界にあるのかもしれないと感じてしまうこともあり
ます。

 そして、もしかすると象徴的にロトの妻の役割を引き受けるのが、最初に一番酷い目に
遭うと日月神示で言われている私たち日本人なのかもしれないと感じるのです。それを避
けるためには、いま一度2009年の船井幸雄オープンワールドの時に皆様と共有した、私
たちが利他の心に真剣に目覚めて、その集合意識で世の中のあり方を変えるのだという
決意と覚悟を確認していくことがとても大切になると思います。

 これからのにんげんクラブはそれぞれの考え方の違いや好き嫌いを乗り超えて、私たち
有意の人の力を結集していけるよう邁進していきたいと思いますので、よろしくお願いいた
します。


今月のにんげんクラブ ~11月号~

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  右から長典男先生・村松祐羽先生・鳴海周平先生・舩井勝仁
(にんげんクラブ北海道支部交流会 9/7 北海道EMER140にて)

 11月1日㈯、2日㈰の舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014では、いままでと違う
ことにもいろいろと挑戦していこうと考えています。

 例えば、ブース出展も私たちの大切なプレゼンの機会だと捉え、増川いづみ先生
のサウンド・ヒーリング関連商品やはせくらみゆきさんのアートの販売、それに増川
先生やはせくらさんからご紹介いただいた自然素材の麻や綿や絹を手作りで創り
上げている「うさと」の服や、お客様を王妃としてデザインされたブランド「レジーナ・
ロマンティコ」の服の販売などの出展をいただけるようになりました。

 はせくらみゆきさんは、一見対極にあるように見える「うさと」の服も「レジーナ・ロ
マンティコ」の服も上手に着こなされていますが、どちらもすてきで、どちらの世界も
包み込んでいくのが舩井☆ SAKIGAKE フォーラムのコンセプトだということが分
かっていただけるようなブースづくりをしていきたいと思っているのです。

 また、にんげんクラブの会員の皆様が集まる喫茶スペースのような場所づくりも
考えています。できれば畳を20畳ぐらい敷き交流していただける場を設けたいの
です。そして、例えば皆様に一番好きな舩井幸雄の本を1冊持ってきていただいて、
それで人生にどんな変化があったのか、なぜにんげんクラブの会員になったのか、
これからどのように世の中を変えていけばいいのか、等を話し合っていただければ
と思っています。

 ご承知のとおり、今回は選挙をさせていただくという試みをしたのですが、大阪の
行政書士で落語も話せる生島清身さんにご登壇いただけることに決まりました。
また、生島さんも含めた大ホール登壇者の投票では、2012 年の船井幸雄オープン
ワールドの時は小ホールから人が溢れだした天野聖子先生に自問自答法のお話を
いただくことが決まりました。

 さらに、各地のにんげんクラブで魂を揺さぶられるような映画の自主上映の活動が
拡がっていることから、1日目の夜の時間に映画の上映をさせていただくことにしまし
た。これも投票を行い、ハートオブミラクルさんの『日本一幸せな従業員をつくる!』
に決まりました。来年からは、皆様からどんどんいい映画を推薦していただいて、
その良さをプレゼンしていただき、そんな盛り上がりの中から映画を選び、大ホール
の大きなスクリーンで皆で感動をともにしたいと夢見ています。いずれの試みも、
まだベストのやり方とは言えないかもしれませんが、会員の皆様にもさらに参加意識
を持っていただけるようなことに、これからもトライ・アンド・エラーでどんどん挑戦して
いきたいと思っています。

 ところで先日、少しおもしろいものを見つけてきました。電磁力発電機です。コイル
を巻いて作った電磁場に回転する磁石を通すことでスパークを起こし、それで発電し
ます。最初に磁石を回すための電力をバッテリーから入力するのですが、電磁場と
磁石がスパークして発電したものを別のバッテリーに返しながら、出力と入力の
バッテリーを変化させて循環する仕組みを実現していました。

 私がはじめてこの電磁力発電の仕組みを見せてもらったのは、いまから20年以上
前のことになると思います。おそらく原理的にはニコラ・テスラが発明したものですの
で、100年以上の歴史があるのだと思いますが、いままでは実用化がなかなかでき
ませんでした。

 一番大きな問題は発電機を永久に回し続けることには成功するのですが、実際に
電気を取り出して使えないということです。例えば電磁力発電機から豆電球をつける
等の電気を取り出してしまうと、極端に磁石の回転数が落ちてしまいます。そうなると
電気の循環が起こらなくなるので、永久発電機ではなくなってしまうのです。

 電気を使うと回転数が落ちてしまう原因はコギングという現象が起きて回転の制御
が上手くいかなることですが、今回の発電機ではコイルの巻き方と磁石の作り方に
工夫を加えて、このコギングを起こさないことに成功したのだそうです。実際にLED
ライトをつけたり、小型扇風機を回したり、それから私のスマートフォンの充電もさせ
ていただきましたが、問題なく磁石は発電を続けていて、もしかしたら実用可能な永
久機関ができたのかもしれないと期待させてくれるものになっていました。

 開発者にこの機械を舩井☆ SAKIGAKE フォーラムで展示しませんかと申し入れ
ています。できれば、国立大ホールの舞台の上で発電をしてもらって、その電気を
何かの用途にずっと使い続けてみたいと思っています。私が見せてもらったものでも、
自動車のシガーソケットから取って使えるレベルの電気製品は使えるようになってい
るそうですし、いま研究を続けている最新のものなら普通の家庭用の電化製品は
大丈夫だということです。

 開発者はこれで大規模な発電所をつくるという発想ではなく、各家電に発電バッテ
リーとして組み込むような方式を考えていると話されていました。原子力発電所や
大型火力発電所で大量の電気を作り、それを送電線で送るという仕組みではなく、
電気を使う現場で個々に発電をした方が余計なコストがかからず、結局は都合が
いいという発想なのです。

 永久機関のような世の中のあり方を根本的に変えてしまう本物技術は、長年父が
夢見てきたものです。いろいろ紹介もしましたし、自身も多くの投資をしてきたようで
すが、結局広く陽の目をみる技術を世に問うことはできませんでした。これがそこま
での技術かどうかはまだ分かりませんし、同様の技術を開発されている方の情報を
聞かせていただく機会も多くあり、そのすべてについて精査ができているわけでは
ありません。

 でも、この技術をビジュアル的に私たちに目に見える形で舩井☆SAKIGAKE
フォーラムに出していただけることは、とてもすばらしいことだと思っています。
ご参加の皆様にびっくりしていただいて、これが実用化されて普及したら一体どんな
世の中になるのかを一緒にワクワク考えていけるきっかけになれば楽しいなあと
感じているのです。もし、エネルギーが無料になれば、私たちは本格的に、お金が
要らない世の中の実現に向けての一歩を踏み出すことができるかもしれません。

 フリーエネルギーは神様から与えられる本質的なものだから、これをいまだけ、
自分だけ、お金だけの世界で使おうと思っても上手くいかないのではないかという
インスピレーションを感じたことがあります。本物技術は世のため人のためだけに
使う覚悟を持って実用化に臨まなければいけないのだと思うのです。

 どこまで本物技術なのかはともかく、舩井☆ SAKIGAKEフォーラムに集まって
くださる有意の人たちがそれを見て、どんな世の中を想造したいと思うのか、
それが私たちのミロクの世の創り方になるのだと思うのです。

今月のにんげんクラブ ~10月号~

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千葉支部主催 舩井勝仁講演会にて(8月10日銚子)


 11月1日㈯、2日㈰に舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014を開催させていただきます。
にんげんクラブの皆様には、万難を排して、すばらしいミロクの世の中を作るために
ぜひ横浜までお集まりいただきたいと思っています。

 にんげんクラブ恒例の懇親会は今回、初日の映画の上映会がある関係でお店の予約
が難しいため、ちょっと遠くなりますが東京の四谷の船井セミナールームで時間無制限の
寄合をしたいと思っています。ミロクの世を作るために私たちは何を為すべきかについて、
思いっきりこの懇親会で語り合いましょう。

 さて、このことはさまざまなところで何度か書いたり話したりしていますが、開催が決まっ
た当初 、舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014は舩井幸雄を懐かしむ大会にしようと思っ
ていました。だから、いつも出演していただく先生や、最近はご縁が遠くなっていましたが
舩井幸雄がかつてとてもお世話になっていた先生方に総出演していただき、イメージで
いうと懐メロのような企画でいいと安易に考えていたのです。

 しかし、3月上旬の舩井☆SAKIGAKEフォーラム2014のためのキックオフミーティング
があるその日の朝、父が夢枕に立って、「そんなつまらんことはやめろ!」と言ったのです。
正確に言うと、私は早く目が覚めたときは1時間から1時間半の瞑想をします。こんなに長
時間の瞑想をするのは、心のクリーニングをしたいと思っているからなのですが、この日
はほとんど父との対話をしていました。

 その自問自答の中で父が言っていたのは、①おれは昔を振り返るのは嫌いだから、お
れのことを懐かしむのは必要最低限にしろ、②あの世に来てみてますます世の中の変化
を加速させていかなければいけないことが分かったので、あえて今までお世話になった
先生に頼らないことで、気づきを加速させるようなイベントにしろ、③おまえはリーダーに
なるのを嫌がるが、組織にはリーダーが必要だ。必要なことは粛々とやっていけ、という
ことでした。

 そこで、①父の死の直前の今年1月11日に開催した「舩井幸雄先生に愛と感謝を送る
会」の発起人代表を務めてくださった江本勝先生と自他共に認める舩井幸雄の一番弟子
である佐藤芳直先生をお呼びして、舩井幸雄の思い出について語るイベントを初日の午
前中にコンパクトにまとめて開催することにしました。

 ②不思議なことに私がここに来て出会わせていただいている今までとは違う超プロであ
る、例えば、Kan.先生、増川いづみ先生、はせくらみゆき先生、それに神田昌典先生を
中心にキャストさせていただき、船井幸雄オープンワールドには絶対外せなかった中矢
伸一先生や副島隆彦先生には、あえてお声をかけませんでした。そして、佐野浩一社長
が知り合った超プロの先生の中から投票により大ホールで講演をしていただく方を選ば
せていただき、皆様の総意で作り上げていく舩井☆ SAKIGAKE フォーラム2014にした
いと考えました。③さらに、舩井☆ SAKIGAKE フォーラム2014は父が船井幸雄オープ
ンワールドでやっていたように私が全責任を負い、運営していく覚悟をしました。そして今、
命懸けでイベントを運営していく意味について考え続けているのです。

 船井オープンワールドは1994 年から始まったイベントです。当時の船井総研にプロジェ
クト本部という部署があり、そこのたった3人のチームがこのイベントを立ち上げました。
そのときの責任者であったT さんとは今でも友人ですが、これだけのイベントを一から創
造するのは本当に大変なことだったのだと思います。当時のT さんはいつもピリピリして
いて、具体的な内容までは覚えていませんが、私の心ない一言に激昂して胸倉を掴まれ
て殴られそうになったことがあったほどです。

 T さんをはじめとする3人は、毎年オープンワールドの半年前ぐらいから休みどころか
ほとんど寝る暇もないぐらいの勢いでイベントを作り上げていました。その最高傑作となっ
たのが1997 年の船井オープンワールドなのですが、このときネイティブ・アメリカン、アル
ガギン族の長老であるウィリアム・コマンダさんに講演してもらったからかもしれませんが、
イベントが終わると天地がひっくり返るような雷鳴とともに大雨が降り出しました。

 このときのことは、はからずも2012 年の最後の船井幸雄オープンワールドの講師をして
くださった天外伺朗先生から「舩井さんのイベントは怪しいものが多いが、あのときのオー
プンワールドは私の人生を変えたと言ってもいいぐらいのインパクトがあった」とおっしゃっ
ていただきました。また、私の魂の友人である佐々木重人さんはこのオープンワールドが
きっかけで大手商社から船井総研に出向してくることになり、さらにはその後本質的な人生
を生きる決意をすることになったのです。

 余計なことを少し書くと、私が『チェンジ・マネー』に書いたように1997 年は折からの世界
金融危機と重なって船井総研が黒字倒産するかもしれないという時期と重なっていました。
そのときに限ってというか、17年後のいまだから言えることですがそのときだからこそ、この
ときの船井オープンワールドはとても大きな赤字を計上することになりました。これだけの
イベントをするためには船井総研も舩井幸雄も、それだけの犠牲を払う必要があったのだ
ろうと感じます。

 幸いにも、船井総研は倒産の危機を回避して、その後はその教訓もあって目覚ましい業
績回復で今日に至っていますし、船井総研から離れた船井幸雄オープンワールドも、より
舩井幸雄の意志に近い形での運営を続けてくることができました。

 今朝早く、最近はあまり夢の中にもやってこなくなっていた父と、久しぶりにゆっくり自問
自答の中で会話をしました。あのときのTさんのような死に物狂いの力を振り絞って舩井☆
SAKIGAKEフォーラム2014を作らなくてもいいというアドバイスが今日の主な内容でした。
舩井幸雄は自分がかかわったすべてのコンサルティング案件に命懸けで取り組んできた
ことを自負していましたが、ほとんど死に物狂いにはならなかったというのです。

 その代わり、父は愛で包み込むような気持ちですべての案件にかかわってきました。そし
て、船井幸雄オープンワールドに対しても、力まずに愛をもって講師の先生方や参加してく
ださる皆様、そして私たちスタッフを包み込んでいたというのです。

 父の愛には全然かないませんが、私もより大きな愛を持てるように切磋琢磨して舩井☆
SAKIGAKEフォーラム2014に臨みたいと思っています。私の愛と皆様の愛が一緒になっ
て作っていくイベントを楽しんでいただいて、それによってミロクの世が生まれてくることを
実感したいと思っています。横浜でお会いできることを楽しみにしております。


今月のにんげんクラブ ~9月号~

先日、にんげんクラブ愛知支部の皆様とご一緒に、恵那(えな)市の笠置山に行って
来ました。ピラミッドのような巨石や磐座(いわくら)がゴロゴロある不思議な山で、な
んだか宇宙人たちが集まってこれからの地球の統治について話し合っているような、
ちょっと不思議な感覚がありました。そこで私は、「これからは地球人である私たちが
自分たちでいい世の中を創っていきますのでどうぞ見守ってくださいね」と独立を宣言
してきました。


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笠置山ツアーには、「富士夢祭り」を主催している大志さんも参加されていました。彼
は、愛ある夢を広げようと、毎年旧暦の七夕の日に世界中の人々に夢を書いてもらっ
た「夢ハンカチ」を持って富士山に登り、それを山頂から日本中、世界中にバラ撒こう
という活動をしています。私も5年前に一度参加して、初めて富士山に登りました。最
後は膝が笑ってしまって大変でしたが、100 人の仲間と登った富士登山は忘れられ
ない一生の思い出になりました。
 
最近は富士山が世界遺産に登録されたことや大志さんご自身のパワーアップもあり、
参加者の数がかなり増えているようです。彼の得意技は元気玉を天に向けて発射す
ることです。元気玉というのは、鳥山明さんの『ドラゴンボール』という世界的に大ヒット
した漫画の主人公孫悟空が、地球中の人の元気や勇気を少しずつ分けてもらって使
う武器です。孫悟空はこの元気玉を、みんなの恐怖が集まってできた魔人を倒すため
に使うのです。
 
富士山の頂上で大勢の人が輪になって元気玉を発射するのを、神様視点で上空から
見てみると、きっと美しい花火が打ち上がったように見えるのだと思います。彼が主導
して打ち上げた元気玉がドンドン広がっていき、みんなのポジティブな思いで地球が包
まれることを想像すると楽しくなってきます。いまは、まずみんなからポジティブな元気
玉を集める段階ですが、目指している方向性はにんげんクラブと同じだと感じますの
で、今後もいろいろ情報交換をさせていただきたいと思っています。
 
さて、ここで少し冷静になって振り返ってみると、大志さんがとても大事な活動をやって
いること、そしてそれがにんげんクラブの方向性と一致していることは、実は富士山に
一緒に登った5年前にはもう分かっていることでした。ところが、このご縁がその時限り
になってしまったのは、もちろん大志さんから見てにんげんクラブの活動が怪しく見え
たからという可能性もありますが、やはり私の中で彼がやっていることに対しての理解
が足りなかったというのが、本当の理由のように感じます。
 
当時の私は、車が欲しいとか、豪邸に住みたいとかいうような夢を持つということに疑
問を感じていたのです。だから、夢ハンカチのプロジェクトを進めている彼の活動が本
質的には好きになれなかったのかもしれません。
 
古い話で恐縮ですが、やはり5年ぐらい前に参加したワークショップで、私はある女性
に出会いました。当時、女子大生だった彼女は、小学校の時にとてもステキな先生に
出会い、その先生に憧れて小学校の先生になることが夢になったそうです。その後、
両親の理解も得て本人もしっかりと努力して教育大学に行き、教員採用試験に対する
万全の準備も整えて、後は試験を受けるだけ。
 
ところが、十年以上に渡って夢見てきたことがまさに実現しようとしていたその時、なん
と何かの勘違いで採用試験願書の締め切りの日付を間違えてしまい、願書を出すこ
とができなかったのです。
 
本来ならこれは大きな悲劇なのですが、この時彼女は小学校の先生になるという夢に
縛られていた自分に気づいたのだと話していました。小学校低学年のころから周りにも
認めてもらえるような夢をひたすら追い続けてきたので、いつの間にかそれが本心から
の夢なのか、それとも小学校の先生になるのだという既定事実が出来上がっているの
で、何も考えずにただひたすら突き進んできただけだったのかの区別がつかなくなって
いたことに気がついたのです。
 
そして、突然その夢が崩れたことで、自分にはその他にもやりたいことがいっぱいあるし、
それを進めていくことに心底ワクワクすることに気がついたと言います。小学校の先生
にならないのなら、こんなこともしたい、あんなこともしたいということがいっぱいあって、
自分の可能性が急速に拡がっていくことにウキウキしてきたそうです。
 
結局、彼女は青年海外協力隊に入り、アフリカの国に赴く道を選んだと言っていました。
幼いころからの夢が崩れた時に、自分の今の状態を直視したことによって、彼女は小さ
な夢の後ろに隠れていた、より大きな夢の存在に気がついたというわけです。このエピ
ソードが決定的になって私は本質的に生きていくためには、夢を持つよりもいろいろな
可能性に対して心をオープンにしておく方がいいのだ、という結論に達していたのです。
 
しかし、今回大志さんとお話ができたことで、私は夢を持つことの大切さについて誤解し
ていたことが分かりました。大志さんは、車や家が欲しいという夢は恐怖から来る夢で、
彼がみんなに持ったほうがいいと伝えているのはそうではなく「愛ある夢」だと言うので
す。前述の女子大生の場合、本人は恐怖から小学校の先生になりたいと思ったわけで
はありませんが、周りは学校の先生になれば生活が安定するからいいという恐怖感か
らの夢だと感じていた人もいるのかもしれません。
 
やっぱり、キーワードは「愛」のようです。夢も愛、つまり自分の魂の底から湧いてくる純
粋な思いに基づくものであれば、それは人生をキラキラ輝かせて、自分の持つ可能性が
最大限に発揮できるすばらしいものになります。この愛という定義を理解するのはなか
なか難しいのですが、恐怖に基づいているという概念は分かりやすいので、夢の動機が
恐怖かどうかを見ていくと分かりやすいかもしれません。
 
ただし、恐怖という側面から見ている限り、恐怖を超えることはできないので、最後は愛
を信じること、自分を信じること、この世の中を創っている大いなる存在を信じることが何
より大切になるのだと思います。
 
今回の旅で、慈愛に基づく愛ある夢をすべての人が持って、自分をキラキラと輝かせる
ことができる世の中になれば、争いのない、いい世の中が来るという大志さんの想いが
しっかりと理解できました。そのことによって、やっぱり最初に宣言したとおり、宇宙人た
ちにある程度の幸せを保障してもらう代わりに、恐怖を受け入れていくような時代は、そ
ろそろ終わりにしたいとあらためて感じたのです。

今月のにんげんクラブ ~8月号~

 にんげんクラブは不思議な団体です。その目的は、ともにいい世の中を作ることです。
そのために、まず私たち自らがともに学び、世の中の構造と人間の正しい在り方を知る
有意の人となって、その集合意識の力でみんなが平和を謳歌し豊かに生きられる理想
の世の中を作るという方法論で、これまではやって来ました。そして、これからは一人ひ
とりがそれぞれの学びを活かし、実際に行動していく「SAKIGAKE-BITO」となっていこ
うというのが、いま私たちが皆様にお伝えしているメッセージです。

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  6月14日 生体エネルギー体験寄合(山形支部)


 
 「いい世の中をつくること」を目的とする団体は、あまり他にはないようです。いい世の
中を作るためにコンセプトを作り、それに共鳴してくれる人たちを集めるというのが一般
的なやり方のようで、その考え方でいくと、これまでのにんげんクラブは「有意の人」、
これからは「SAKIGAKE-BITO」がコンセプトということになるのでしょうが、自分で言う
のも何ですが、これらはあまり強い、つまり人を集めるために有効なコンセプトとは言え
ません。しかし、実は私はそれでいい、むしろ本当はコンセプトがない方がいいと感じて
います。
 
 舩井幸雄もコンセプト作りがあまり好きではありませんでした。「すなお、プラス発想、
勉強好き」「必要、必然、ベスト」「包み込み」等々、ネーミングは本当に上手かったので
すが、船井総研の経営理念と言われると私も覚えていないほどです。初期の頃は主な
お客様だった流通業の皆様のために、上場した後は必然的に命懸けの立場になる中小
企業の経営者のためになる存在たれ、というのが大きな考えで、それ以上の明確なコン
セプトは作らなかったような気もします。
 
 船井総研で仕事をしていた時も、舩井幸雄の業績を説明するのは簡単なのですが、
肝心の船井総研がどんなコンサルティング・サービスをする会社なのかということにな
ると、なかなか分かってもらえずに何度も歯痒い思いをしたものです。でも、船井総研を
離れたいまになって考えてみると、それが船井総研の強さの秘密であり、小山前社長、
高嶋現社長の時代にそのポテンシャルが花開いたのだと思います。
 
 コンセプトがないということは、すなわちそれを推進するリーダーもいないということで
す。船井総研の場合は、小山・高嶋両社長が会長のやり方を少し崩して強力なリーダー
シップを発揮したので会社が飛躍しました。しかし、にんげんクラブの場合はそのコンセ
プトのなさにさらに磨きをかけていきたいと思っています。みんながリーダーになり、好き
勝手なことを言っているのですが、そこに善悪の判断を持ち込まないことによって、お互
いのことを心から認め合うことができるようになりたい、というのが私の理想なのです。
 
 コンセプトがないのでタブーもありません。みんなが気持ち良く集える場となるように、
批判はしないようにしようと提案しています。また、日本人はあまり議論が上手くないの
で、反対意見もできるだけ言わずお互いの意見を認めあうことから始めてほしいと思っ
ています。そして、善悪を決めずにすべてを受け入れながら、ともに高いステージに進
歩していくようなイメージを持っているのです。
 
 タブーがないので、不可思議なことを言う人も仲間になります。スピリチュアルなことが
大好きな人が集まれば、普段はなかなか言えない話題でも思う存分みんなで楽しみます。
でも、たとえば私のようにそんな話にあまりついていけない人もそこにいて、分からないか
らといって嫌がるのではなく、ニコニコ楽しくみんなの話を聞いているのです。
 
 ただ、宗教を否定するわけではありませんが、特定の神やメシアやサムシング・グレート
を崇拝する活動は、にんげんクラブではやりたくないと思っています。これまでサムシング・
グレートと私たちの仲立ちをし、私たちを守ってくれてきた宗教指導者たちに感謝しつつ、
これからは一人ひとりが自分を磨いていきながら、誰もが当たり前に神を理解し、徐々に
神に近づいていけるような世の中を作っていくことが大切です。カリスマ性を持った神が出
てくるのではなく、これからは人間がサムシング・グレートに直接つながって生きていく時代
だと思うのです。
 
 本当のサムシング・グレートは決して崇拝されることを望んでいないと思います。おそらく、
私たちすべての存在は彼の分身です。自分の分身に崇拝されて、はたして嬉しいでしょうか。
崇拝を要求するのは完全に自他同一であることが分かっていないからであり、そのレベルに
とどまっている神様と付き合うのはナンセンスだと思うのです。ただし、これについても批判
することなく、やりたい人はやりたいようにやればいいというのが結論です。
 
 このように、分かりにくいにんげんクラブですが、これからの具体的な動きとしては愛を伝
えていくのがいいと思っています。この辺りは昨年出版させていただいた『にんげんクラブか
らのメッセージ 舩井幸雄が一番伝えたかった事
』(きれい・ねっと)に書きましたが、特に愛
がなかなか分からない私のようなおじさんたちに、愛を伝えていきたいと思っているのです。
 
 ある知り合いの女性からは、「いままであなたたちおじさんは、さんざん私たち女性を抑圧し
て、それで自分たちだけいい目にあってきた。時代が変わって、愛が分からなければ生きに
くい時代なったら、手のひらを返すように『今度は俺たちに愛を教えろ』と言われても、そんな
都合のいい話にはついていけない」と怒られてしまいました。
 
 もしかすると女性を敵に回してしまったかもしれませんが、『チェンジ・マネー お金の価値を
変えるのは日本だ!
』に書いたように、たしかにいまのおじさんたちの力では心が豊かな時代
はやってきませんが、逆にあるべき未来をイメージ化できつつある女性たちだけでも、現実は
なかなか変わらないのだと思います。
 
 本当の意味でいい世の中を作るためには、両者の共通項であるマネーを介して手を結ぶの
が最も有効だと思っています。詳細は本書に譲りますが、お金が恐れではなく本来のシンプル
なエネルギーになっていくと、実はどんな自己主張も包み込んでいく潤滑油のような役割にな
ると思うのです。
 
 いずれにしても、急に同じステージには立てないかもしれませんが、女性の皆さんにはぜひ
寛大な心を持って、心も豊か、ものも豊かな社会、いい世の中を作るために、特にいまお金を
動かしているおじさんたちに愛を教えていただければと思います。もちろん、おじさんである私
自身も愛を理解し伝えていくように引き続き努力していきますので、どうぞよろしくお願いします。

今月のにんげんクラブ ~7月号~

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4/26 千葉支部寄合                  5/13 飯田勉強会


おかげさまで、私はいままで共著を含めて7冊の本を出させていただいています。ありがたい
話だと思います。最新の本は、はせくらみゆきさんとの共著で『チェンジ・マネー お金の価値を変えるのは日本だ!』(きれい・ねっと)です。はせくらさんとの共著ということもあり、いままで
の私だったら絶対に書けない本ですので、新境地を開いたと言ってもいいと思います。

昔、野坂昭如さんや加藤登紀子さんが歌った「黒の舟唄」というヒット曲があります。父は戦争
中に近くで焼夷弾が爆発したことがあり、それ以来、音楽を楽しく味わう感性がなくなったのか、
音楽はあまり好きではありませんでした。唯一の例外が、憧れの旧第三高等学校の寮歌「琵
琶湖周航の歌」でした。加藤登紀子さんがそれをカバーしたアルバムに「黒の舟唄」も入って
いて、珍しく父が歌謡曲を聞いていたという思い出もあいまって、「男と女の間には、深くて暗
い川がある......」という印象的な歌詞が、子供だった私の心に刻まれているのです。

歌謡曲と言えば、敬虔なクリスチャンの人には怒られるかもしれませんが、4月の初めにイス
ラエルに行った時、教会で一緒に行ったツアーのメンバー24人で、「故郷」を歌いました。最後
に団長の赤塚高仁さんが「アーメン」と言ったので、何となくみんなもそれに従うと、賛美歌を
歌ったと思われた神父さんが、赤塚さんにすばらしいとわざわざ言いに来ていました。赤塚さ
んいわく、アーメンは「まったくその意見に同意する」という意味で、日本の歌謡曲でもいい歌
はみんな賛美歌になる資格があるとのことでした。

だからというわけではありませんが、「男と女の間には深くて暗い川がある」という歌詞は、な
ぜか子ども心に響いているし、50歳になったいまでも女性のことはよく分からないというのが
正直な実感ですので、テーマはともかく「黒の舟唄」は賛美歌級のいい歌なのだと思います。

今回はせくらさんとお金をテーマに本を書こうと思ったのは、はせくらさんが代表している、目
に見えない本質的なものの存在を大事にしている人たちと、父や私が代表している、直感力
や想造力の大事さは知っているが、それよりも現実的な企業経営、もっとぶっちゃけて言って
しまうと金儲けが大事だと思っている経営者の間には、やっぱり越えがたい河が流れている
ことに気がついたからです。

はせくら陣営にいる方は女性が多いのですが、お金に対して警戒感、もしかしたら軽蔑感を
持っているのかもしれません。だから、お金は大事にはするのですが、どちらかと言うとあま
り関わりを持たないように気をつけて暮らしているようです。一方、私たち経営者は、父と一緒
に勉強してきたこともあり、三次元的で物質的なものの見方だけではこれからの世の中の変
化に対応することは難しいという知識はありますが、現実に経営を進めるに当たっては利益を
出して会社を存続させることと、超自然的なことがリンクしていません。いわば、趣味として舩
井幸雄のもとで、直感力の研究をしてきたという感じが正直なところではないかと思います。

この本を著していく中で、私はにんげんクラブの現状の問題も、このギャップにあるような気が
してきました。いい世の中を作るためにはお金にこだわっていてはダメだという意見の人から
は、にんげんクラブを株式会社にした時にクレームをいただきました。父や私にすれば、いま
の世の中で一番制約がない組織が株式会社であり、きちんと適切な利益を出して払うべき税
金を納めていれば、後は結構自由度が高いことが株式会社という形態を選んだ理由です。
でも、やっぱり株式会社の本来の目的は利潤の追求にあるわけですから、そこに違和感を覚
えるのがにんげんクラブの会員なのだと思います。

はせくらさんと合意したのは、「こころ」を大事にするにんげんクラブの会員の皆様も、「もの」を
大事に思う経営者の皆様も、どちらも正しくて間違っているということです。本当は「こころ」と
「もの」は比例して豊かになるものであり、本当に豊かでみんなが幸せに暮らせる世の中を作
るためには、「こころ」も「もの」もどちらも豊かにしなければならないということでした。そして、
それを実現する方法は勇気を持ってこの越えがたい河を渡っていくことだということが、読んで
いただくと実感として分かっていただける本になったと思います。

実は、7冊の本の中で私が一番好きなのは、もう3年前の本になりますが、『未来から考える
新しい生き方
』(海竜社)です。当時、父から「お前のいままでの本は俺の名前に傷をつける本
だったが、これは俺にもプラスになるいい本だ」と、厳しい言い方の中で最大級の賛辞をもらい
ました。

しかし、本の中で「父の呪い」と書いたことについては怒られました。心理学的に両親の思いを
乗り越えていかないと、いい人生は送れないという文脈で書いたので、真意は理解してもらった
と思いますが、それでも当時の私の、「にんげんクラブは父の従来のやり方ではダメで、お金儲
けではなく世のため人のためでなくてはならない」という思いが父に伝わり、それは違うのでは
ないかということを伝えたかったという父の思いが、いまになって理解できるようになりました。

その時父は、伝統芸能を受け継いで行くのは「守破離」だと言いました。まずは、徹底的に師匠
の技を真似てそれを守ることが先決だ。それが完璧にできるようになってはじめて、師匠の技を
破って自分の特徴を出し、またそれが完璧にできるようになってから師匠の技から離れて自分
独自の技を生み出して名人になっていくのだという教えです。

いまさら遅いかもしれませんが、父の死後、私は「守」を徹底的にやっています。あるにんげん
クラブの集まりで講演した時、出席されている方から、「お父さんの話はもういいので、自分の話
をした方がいいと思うよ」と言われるほどでした。

正直に告白すると、父の死後、夢枕に立ってくれる父の教え通りに原稿を書いて、講演をし、経
営を進めていました。そして、そう言えば最近、あまり父がやって来ないことに気が付いたので
す。どうも、「俺はこちらでも忙しいのだから、何でも相談に来るな」と言われているように感じて
います。不思議なもので先日、人生の大事なタイミングで相談に乗ってくれるある師匠から、
「守破離は途絶えているのではなく、連続していることを知れ」と諭されました。
連続性を意識しながらですが、そろそろ徹底的な守から次のステージに行くべき時が来たのか
もしれないと感じています。


今月のにんげんクラブ ~6月号~

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いま、イスラエルでこの原稿を書いています。私にとっては二度目のイスラエル訪問に
なります。前回は三泊四日の忙しい旅でしたが、エルサレムでイエス・キリストや聖母
マリアを感じたり、世界で唯一女性にも徴兵制度があり国民皆兵を実行している、イス
ラエル新兵の入隊式を行うマサダの遺跡も訪れることができました。そういった意味で、
イスラエルに来て最低限必要なことは感じることができたと思っていました。
 
今回の旅行は、この会報誌に「ヤマト人への手紙」を連載してくださっている赤塚高仁
さんを中心とした「聖書を体感するイスラエル10日間の旅」です。赤塚さんは故・糸川
英夫博士の意志を引き継いで、日本テクニオン協会の会長を務められ、25年前に糸
川博士とともに初めてイスラエルを訪れてから今回で12回目のイスラエルになるとい
う、日本で最もイスラエルのことを熟知している一人だと思います。
 
糸川博士といえば、戦前の一式戦闘機「隼(はやぶさ)」の設計者であり、戦後はロケッ
ト工学や組織工学の分野でご活躍された世界を代表する科学者のお一人です。そんな
糸川博士は世界中の大学の教壇に立つうちに、優秀な学生がほとんどユダヤ人である
ことに気付き、イスラエルに関心を持つようになりました。そして、そんなユダヤの強さの
秘密を探ろうと、イザヤ・ベンダサンというペンネームで『日本人とユダヤ人』(角川文庫
ソフィア)という名著を著された山本七平先生と、舩井幸雄も大変尊敬していた評論家の
小室直樹先生と三人でイスラエルを訪れたそうです。
 
日本の頭脳と言ってもいいような三人がイスラエルを研究するためにやってきたというの
ですから、最初は警戒されて当局の取り調べを受けたこともあったそうですが、日本とイ
スラエルが手を結ぶことが二度と世界戦争を起こさないために一番重要なことであると
いう信念を持たれた糸川博士は、やがてイスラエルの人々に心から尊敬されるようにな
りました。
 
さて、今回イスラエルに来て一番印象に残ったのはヤド・ヴァシェム(ホロコースト記念館)
です。命のビザを発給して6千人のユダヤ人を救った杉原千畝さんがヤド・ヴァシェムから
顕彰されており、日本人としてはそういう人が一人でもいたことにホッとした思いを抱きま
したが、ホロコーストの悲劇がイスラエルという国を1900 年の時を経て建国する大きな
きっかけになったことは間違いないと思います。
 
ヤド・ヴァシェムの展示は1948 年5月14日に初代首相ダヴィッド・ベングリオンが独立宣
言を読み上げている映像と、子どもたちがイスラエル国歌、ハティクヴァを歌っている映像
で締めくくられています。ホロコーストの悲劇を二度と繰り返さないために、彼らは自分た
ちのこの国家を造り上げたのです。ベングリオンが最愛の妻でありシオニスト運動の同志
でもあったポーラと共に眠る墓前で、ツアー参加者皆でハティクヴァと君が代を歌いました。
なぜか涙がこみ上げて止まりませんでした。
 
別途訪れたマサダの砦は、紀元後73年、イエス・キリストの死から約40年後にユダヤ民
族が国を失うという悲しい出来事の舞台となった遺跡です。何があっても自殺を認めない
ユダヤ民族にも関わらず、ローマの奴隷となるよりは死を選ぶという選択をし、女性2人、
子供5人を除く1000 人近い人がお互いを殺し合うというかたちでの自決を選びました。
この壮絶な古代ユダヤ国家の最期が、2000 年後のいまも続いているシオニズム運動の
原点となっています。
 
ここで私が感じたことは、いまの日本が国際社会で置かれている立場が、イエスの時代の
ユダヤのそれと似ているのではないかということです。強力なローマの属国として生きる
道を選んだユダヤは、その約1000 年前のダビデ王、ソロモン王の時代に最盛期を迎えて
いました。ユダヤ教という排他的な側面を持つ宗教を大事にしながら、長い間独自の文化
を保ってきたのですが、イエスの時代には頭の固い律法学者や自分のことばかり考える
政治家が生み出す矛盾に耐え切れなくなっていました。
 
イエスはそんなユダヤに訪れるであろう未来が全部分かっていた、もしかすると、2000 年
後の現在にイスラエルが国家として再建することまで見抜いていたのかもしれません。
そのうえで、神の子である自分が十字架にかかり人類の贖罪をすることで、今日まで社会
を存続させることを選んだのではないかと思うのです。一方、日本も神武天皇が即位して
皇紀2674 年という輝かしい文化を誇っています。しかし、明治維新から敗戦に至り、その
後実質的にはアメリカの属国であるという立場を選びながら謳歌しているいまの繁栄は、
実は砂上の楼閣でかなり危ういものなのかもしれません。
 
今回の旅は聖書を感じる旅でした。旧約聖書のダビデや預言者たち、それに新約聖書の
イエスや聖母マリア、それにペテロやパウロなどの使徒たちが、聖人としてではなく、悩み
もし裏切りもし怒りもする人間としていきいきと描かれて、それを実際に彼らが行動した地
で感じることのできる、本当に楽しい旅になりました。
 
イエスの時代には彼自身が犠牲になることや、最後はホロコーストの悲劇にまで至るよう
な悲しい歴史を必要としました。しかし、同じような運命の時を迎えているいまのヤマト民
族は、戦うことを選ぶのではなく、日本人の良い意味でのおおらかさ、いい加減さを駆使し
て、世界平和を作り上げることで民族の歴史を守りぬいていかなければならないのではな
いかと感じています。そしてヤマトの民が世界の歴史において、初めて本当の意味での
戦いのない真の平和を築きあげることができれば、それは世界中に拡がり、人類は大き
な進化を果たすことができるのではないでしょうか。
 
ベングリオンの最大の功績はイスラエルの国土の60%を占めるネゲブ砂漠の緑化に挑
戦したことです。私は中東やパレスチナに関する政治的なことについては不勉強ですが、
イスラエルが対立しているアラブ諸国はほとんどが砂漠の民です。一滴の水のために殺
し合いをしなければ生きていけないような過酷な自然の中で暮らす彼らが、本当の意味で
平和を手にするためには、砂漠を緑に変えていくしかない、これがベングリオンの信念だっ
たのです。
 
砂漠を緑にしていくことをアラブ諸国に拡げていく時に、闘争心の塊のようなユダヤ民族
とアラブ民族だけではうまくいかないことは目に見えており、そこで良い意味でいい加減な
ヤマト民族が必要となるのです。そして同時に、それをやり切ることがヤマト民族を滅びか
ら救える唯一の方法だという糸川博士の確信に触れることができたことが、この旅の最大
の収穫でした。

今月のにんげんクラブ ~5月号~

花作家・花育家 森直子さんの作品と一緒に。.jpg        (花作家・花育家 森直子さんの作品と一緒に)
     

 この原稿は3月10日に書き始めました。春の兆しを感じ始める時期ですが、今日は
東京大空襲の日、明日は東日本大震災が起こった日だということを思うと、日本人に
とって春の始まりというのは、暖かな季節を前に、先人の思いを大事にしなければなら
ない大切な時期なのかもしれません。

 先日、私は久しぶりに靖国神社に参拝してきました。あわせて渋谷のNHKの前、渋
谷税務署の横にある二・二六事件の慰霊碑にもお参りをしてきました。政治的な問題
を考えると、私は総理大臣や閣僚が靖国神社に参拝することには反対なのですが、
国のために亡くなっていかれた英霊に私たち一般国民がお参りするのは正しいことだ
と思うので、皆さまもお近くに行かれた時にはぜひ靖国に行ってみていただければと
思います。

 最近私は、二・二六事件の総括ができていないことが、靖国問題をはじめ日本が中
途半端な状態にある大きな原因のような気がしています。私たちは戦前のことは、あ
まり楽しい事柄ではないのでしっかりと直視しないようにしていますが、三島由紀夫の
小説で、二・二六事件をテーマにした『英霊の聲』には、筆舌に尽くしがたい無念の想
いが描かれています。遠い昔の出来事のようですが、実はこの事件は1936(昭和11)
年、つまりたった78年前の出来事なのです。

 そして、冒頭述べた東京大空襲は1945(昭和20)年ですので、こちらはたった69年
前の出来事です。この先人たちの苦しみを見ないようにして蓋をしていては、私たちは
いつまでたってもここから先に進めず、先に進めなければ日本はいつまでたっても「普
通の国」にはなれないのではないかと、私は思っています。「普通の国」と言うと小沢一
郎さんが思い浮かぶかもしれませんし、軍国主義化を目指すととらえられてしまうかも
しれませんが、決してそうではなく、反省するものは反省し、主張するべきところは主張
する、そんな「普通の国」になりたいと私は思うのです。

 戦後の日本は、現実を直視せず経済だけに特化して、世界に冠たる経済大国になり
ました。バブル崩壊の後、失われた20年を越えて30年に向かってしまっている状況下
にはあるものの、それでも日本はとても豊かですし、東日本大震災のようなとてつもな
い災害に際しても、助け合いの精神を発揮して世界の人たちを感動させるだけの精神
的なすばらしさをまだ残しています。

 ただ、前述のとおり、おそらく1936 年頃から私たち国民は、現実を直視しないで進ん
できてしまいました。いま戦後の現実を作ってきた絶対条件である、圧倒的なアメリカの
力が相対的には随分弱くなってきたことを考えると、これまで現実を抑圧してきたことの
ツケが噴き出してくることは容易に想像できます。

 日本が「普通の国」であれば、総理が国内の神社に参拝に行くことが問題になることは
まず考えられませんが、日本は敗戦国であり、ポツダム宣言や東京裁判を受け入れて
戦後体制をスタートしています。いかなる事態も、マクロにはミロクの世の方に向かって
いるので構わないのですが、もしここで日本も感情的に反発して中国や韓国だけではな
く、アメリカをも敵に回してしまうようなことになれば、日本はまた1945 年のような悲劇に
見舞われしまう可能性が高くなります。

 にんげんクラブの会員の皆さまのような意識の高い人は、大丈夫な確率が高いと思う
のですが、私たちの親しい人がそんな目に遭うかもしれないと分かっていて、それを黙っ
て見ているのは、私は嫌です。回避するためにできることは、何でもやりたいと思います。
辛い作業ですが、現実を直視することができれば、そんな戦争は避けることができるかも
しれませんし、本当に集合意識を力強く使うことができれば、天変地異であっても避ける
ことができるかもしれません。私は今後、そのような活動をしていきたいと思っています。

 父が亡くなった直後は、今年のにんげんクラブの活動は、舩井幸雄を偲ぶというテーマ
で進めていこうと思っていたのですが、父がそんなつまらんことはやめて、もっと前向きな
テーマで進めていけとアドバイスをくれているように感じています。舩井幸雄を偲ぶのも
いいのですが、それならそれが前記のように、本当の意味でミロクの世を作るための活
動につながっていくことをやらなければならないのだと思います。

 例えば、11月1日、2日に開催させていただくことになった、舩井☆SAKIGAKEフォーラム
では、ご参加いただいた皆さまから「私の人生を変えた(舩井幸雄の)1冊」を募集したいと
思っています。それを集めていくと、皆さまが舩井幸雄からどのような影響を受けたのかが、
明らかになります。そして、それを総合していくことで、皆さんの力で何をすればミロクの世
ができていくかが明らかになると思うからです。

 また、ボトムアップの舩井☆ SAKIGAKEフォーラムにしたいので、講師の自薦他薦を皆
さまからいただき、私たちだけでは思いつきもしないイベントに昇華させていきたいとも考え
ています。

 舩井幸雄はいろいろな本物の先生を世の中にPR していくことに天才的な能力を持ってい
ました。それを今後は佐野浩一や私が担っていかなければならないのですが、正直に言うと
ふたりともまだまだ力不足です。そこで、このイベントそのものにその機能を担わせてしまお
うと思っているのです。

 具体的には、WEB上で講師を推薦していただく機能を作って、その人たちを選挙で選ばせ
ていただくことにチャレンジしていきたいと思っています。ただ、やはり舩井幸雄の想いを伝え
るという意味でも、佐野浩一や私の主観も大事にさせていただきたいのです。
ですから、パシフィコ横浜で講演をしたいと思う方は、ぜひ非公式な形で私たちに繋がるツテ
を探してみてください。

 世の中を動かしているのは人と人とのつながり、人脈です。信用する方からの紹介で、私た
ちは人脈を広げて行くもので、それは舩井幸雄も同じでした。紹介するというのは大変な責任
を伴うので、紹介者があなたのことを信用していなければ、いい紹介はしてくれませんし、だか
らこそ紹介の力はとても大きいのです。にんげんクラブの支部代表や本物研究所の地域の代
理店の人を通じて、ぜひ私たちにアプローチしてみてください。

 選挙と言っても私たち運営側は決して上から目線になることなく、謙虚さを忘れず皆さんと
同じ立場で良い世の中づくりをしていくことを、肝に銘じたいと思っています。難しいチャレンジ
ですが、それでもいま始めていかなければ、あまり良い未来はやってこないと感じています。
心して進めていきますので、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

今月のにんげんクラブ ~4月号~

      巻頭言右写真.jpg

左01.jpeg  左ページ02.jpeg
   沖縄・御神崎

舩井幸雄が永眠して、これからのにんげんクラブは一体どうなるのか、本来ならば
真剣に心配しなければならないところなのですが、なぜか全然心配になりません。
 
私は2011 年の舩井幸雄オープンワールドの時に、父がお集まりいただいた有意の
人の集合意識を使って、世の中を良い方向に変えたことを確信しています。
また、2012年の舩井幸雄オープンワールドで、やはりお集まりいただいた有意の人に、
父が「今度は皆さんが有意の人を1万人ずつ作ってください」をお願いしたことが、
皆さんの気持ちに十分届いていることが確信できているからです。
 
舩井幸雄が残した事業のうち、船井総研はもうすでに舩井幸雄がビジネスにタッチしなく
なって10年以上が経過しています。もちろん、舩井幸雄のDNA は船井総研にしっかりと
引き継がれていて、その強みがますます磨かれているからですが、舩井幸雄の死が
船井総研のビジネスに影響をもたらすことはほとんど考えられません。
 
後は、舩井幸雄グループで、これからは船井本社グループになっていくと思いますが、
父が船井総研を引退した後、真剣に取り組んだビジネスとしては㈱船井メディアと
㈱本物研究所の事業が上げられます。いま、その2社はどちらも佐野浩一が社長として
引っ張っていますが、こちらは船井総研と違って、舩井幸雄が物理的にいなくなった
損失は計り知れないものがあります。でも、船井メディアにはしっかりと利益を出して
いこうというDNAが、本物研究所には何があっても赤字にはしないというDNAが、
しっかり受け継がれていますので、私はこれがある限り、何とかなると実は楽観視して
います。
 
しばらくは大変なことが多くあるとは思いますが、逆に今度は新しいTOP である
佐野浩一のカラーがはっきりと全面に出てくるので、少し長い目で見るといままでよりも
いい会社になるかもしれないなあ、と思っているのです。
 
そして、船井本社は私がやっていくことになりますが、父が見守ってくれていることが
実感できますし、何よりもとてもツイてると感じていますので、いまのままの体制で
自然の流れに乗って行きたいと思っているのです。
 
そして、さっきと違う話になってしまいますが、問題はにんげんクラブです。
にんげんクラブは正直に言うと、舩井幸雄が行き詰まってしまった資本主義社会を
何とかするために、もう少し丁寧に言うと、人間が何とかしなくても超自然的な力が
何とかするのは明らかなのですが、それでは人間が大変な目に遭ってしまうので、
人間の力で百匹目の猿現象を起こして、その変革に伴う大難を小難にして、小難を
無難にして、無難を無事にするべく作った勉強会です。
 
これを事業として何とか辻つまを合わせてきたのは、舩井幸雄の凄いところですし、
その凄さに甘えてしばらくはこのままの体制を続けさせていただこうと思っていますが、
やはり凡人である私にとって、にんげんクラブを事業として継続することには無理が
あると思っています。だから、何とか船井本社が他の収益を上げて、それで
にんげんクラブの赤字を補填する体制を組んでいく必要があると、大きな流れでは
考えているのです。
 
ただ、面白いものでそう割り切ってしまうと、最近は東京のJR 四ツ谷駅近くの
船井セミナールームができて、そこでにんげんクラブのセミナーができるようになって、
すばらしい先生方からいままで以上に深い内容のセミナーを開催していただけるように
なりました。にんげんクラブ価格でやっているので、それほど大きい収益は生まれませんが、
その代わり赤字にはならないように気をつけてやっており、これらの新しい流れが、
会員の皆様に新しいシンクロを起こしはじめて、にんげんクラブのうずが新次元に到達して
いくことを、実感しています。
 
ただ、これが分かっていただけるのは本当にレベルの高い有意の人になるので、
舩井幸雄の最も根本的な考え方の原点である、「来るもの拒まず、去るもの追わず」の
原則を徹底しようと思うと、やっぱりいまよりも多くの(お金を払ってくださる)会員様を
集めることに注力するよりは、その奥の深い会員様を中心にして、その方たちが引っ張る形で、
有意の人の裾野を広げていく活動を中心にした方がいいと思います。そして、それは各地の
支部の中心メンバーが日々の活動の中でやっていただいていることとも、整合性が取れていると
感じるのです。
 
だから、これもとても逆説的なお願いになるのですが、いま私の巻頭言を読んでいただいている
深いレベルの有意の人である、にんげんクラブの現会員の皆様にはできる限り、にんげんクラブの
会員であり続けていただきたいと思っています。論理的な説得はできませんが、にんげんクラブの
会員であり続けていただくと、不思議なことに皆様の人生が好転していくと思います。そして、
私たちにんげんクラブに集うものの気持ちが純粋に、世界中の子どもたちが幸せに暮らせるような
ミロクの社会をつくること、になればなるほど、私たちの幸せ度合いは深くなっていくからです。
 
はっきり言うと、にんげんクラブは会員の皆様の善意に支えてもらうしか、続けていく方法は
ありません。別に、にんげんクラブがなくなっても、世の中の変革は必ず起こるので心配することは
ないのですが、やっぱりにんげんクラブが存在したほうが、変革に伴うハードランディングが少しでも
ソフトランディングに変わっていく可能性は確実に高くなっていくのです。だから、ぜひ、一緒に、
にんげんクラブを続けて行きましょう。私も、損得抜きで日本中の皆様の元にこれからも参りますので、
皆様が有意の人の輪を広げていく企画をどんどん形にしていただいて、それが新次元に到達して、
もっともっと楽しくなっていくイメージを一緒に持てたらと思っています。
 
そして、それが少しずつ実現していけば、損得抜きで一生懸命にやった皆様や私たちが一番に
幸せを感じられるようになるのは、間違いないと思います。
 
どうぞ、これからもにんげんクラブをよろしくお願いいたします。


今月のにんげんクラブ ~3月号~

 ご存じの方も多いかもしれませんが、舩井幸雄が平成26年1月19日午後10時1分、
熱海の海がきれいに見える病室で永眠いたしました。81歳でした。危ない状態であ
ることは本人も認識しており、自分なりの死生観もできていたのだろうと思いますので、
納得の上での大往生でした。でも、残された家族にとってはあまりにも早いお別れに
なり、なんとも言えない不思議な気持ちがしております。

 以下の文は、他界する前にそんなことは思いもしない時に書いたものですが、ザワ
ザワの主な原因はもちろん父の入院でしたので、少しおかしいところはありますが、
そのまま掲載させていただきます。

 また、この場をお借りしてにんげんクラブの皆様から、故人にいただいた生前のご厚
誼に対して熱く御礼を申し上げ、謹んでお知らせさせていただきたいと存じます。

 先々月の巻頭言でアセンションは起こったという私の意見を書きました。舩井幸雄も
同じ意見ですが、やっぱりそれでもというか、それだからというかどちらにしても世の中
はますますザワザワしているように思います。

 お金のことをメインテーマにしている福本伸行さんの『賭博黙示録カイジ』というコミッ
クがあります。実写版の映画にもなりましたのでご存知の方も多いと思いますが、私は
コミックをほとんど読まないのですが、船井という登場人物がいるので随分前からこの
コミックのことは知っていました。そして、主人公がとてもまずい状況になってくると漫画
特有ですが、ザワザワという言葉が擬態語で使われて、それが分かるように工夫され
ています。

 いま、私が感じているのはこのコミックで主人公が感じているようなザワザワという感
じなのです。スピリチュアルなことを遠慮なく話せる友人から昨日(1月の初旬のことで
す)電話がかかってきて、「精神世界で大地震のような大きな揺れを感じている。地震
で言うと横ではなく縦揺れで、あと7、8日続く様に感じる」と教えてくれました。

 こういう状況になると、新しい世の中に対応するための準備がまだできていない私た
ちにとっては、とても大変な現象がいっぱい起こることが予想されます。対処法は起こっ
た現象に一喜一憂することなく、どっしりと構えていることだと友人は教えてくれました。
この巻頭言を皆様が読んでいる頃には、彼女が言った縦揺れはもう収まっていますが、
今年はこんな現象が繰り返すことが予想されるので、なるべくジタバタせずに慌てない
ことが大切だと思います。
そして、それぞれの現象はとっても大変なものが多いと思いますが、マクロに見ればい
い方向に向かっている現象だということも言えるのだと思います。

 実際に私の周りでも、個別に見るといろいろ大変な現象が、年が開けてから続けて
起こっています。友人から電話をもらう直前まで、いちいち反応して疲れてしまっていた
のですが、やっと開き直れて大きく受け止めようと思うことができたタイミングだったの
で、とても心に響きました。有意の人である、読者の皆様にもきっと私に起こったような
一見大変なことが頻発する(している)可能性が高いと思いますが、大きくどっしりと受
け止めていただければ、乗り切れない試練はやってこないので、安心していただけれ
ばと思います。

 話は変わりますが、昨年のにんげんクラブ関西大会の時に出版した私の著書『舩井
幸雄が一番伝えたかった事
』(きれい・ねっと)で困ったおじさんに愛を理解してもらう
のが私の役割だと思うということをあとがきに書きました。もちろん、私もその困ったお
じさんのひとりなのですが、おじさんにはおじさんの良さがあることに、いま思いが至っ
ています。それは、おじさんたちが一生懸命働いて、現実的な経済活動を進めてきて
くれたおかげで、いまの私たちの豊かな暮らしが築かれたという当たり前のことです。

 お正月休みにビジネス本やお金に関する本を随分読みました。一番、心に響いたの
がウォルター・アイザックソン著『スティーブ・ジョブズ』(講談社)です。私は1988 年に
アメリカに留学した時にはレポートを提出するためのワープロとしてマッキントッシュを
使っていました。中古のもので、プリンターまで付けて1000ドルぐらいだったような気
がしていますが、いまから比べるととてもシンプルなゲームがついていて、いつもそれ
で遊んでいたのを思い出します。
 日本に帰ってきてからは、PC は仕事でしか使っていませんのでWindowsですし、
スマホもあんまりよくわかっていませんが、ずっとdocomoユーザーですのでアンドロ
イドを使っています。また、音楽は要らない生活なのでipodも使っていませんので、そ
れ以来アップルの製品は使っていませんでした。

 また、資本主義はもうすぐ終わると思って生きていますので、資本主義の最先端を
走っているスティーブ・ジョブズの生き方はほとんど関心がなく、この本も気になっては
いましたが、愛を考えるにんげんクラブのテーマからは離れていると思って読んでいま
せんでした。でも、読み始めると、あっという間に引き込まれてしまって、食事をするの
ももどかしいぐらい集中して読みました。

 舩井幸雄は、スティーブ・ジョブズは偉大な人物だが電磁波の問題があるIT 機器を
普及させてしまい、そのカルマのために彼自身が病気になって早逝することになった
のではないかという意見を持っています。それはそうかもしれませんが、ここ5年ぐらい
の間に彼が創りだしたものが、私たちの暮らしを大きく変革させたのは間違いのない
事実で、これはもう後戻りできないのだと思います。そして、そうだとするならば電磁波
の問題を解決して、私たちは明るい未来を考えていかなければいけないのだと思いま
した。

 スティーブ・ジョブズが私たちにスマホを残してくれたように、舩井幸雄は私たちの意
識の力があれば、電磁波の問題も含めて解決が難しいと思われている問題が実は何
とかなるのだということを残していったのだと思います。意識の力はものすごく、それが
集まった集合意識を正しい方向に向けることができればどんなことでも可能になるのだ
と思います。

 舩井幸雄はにんげんクラブの皆様が回しはじめていただいているうずを、あちらから
ニコニコと見守っているに違いないと思います。
ワクワク楽しみながら、皆様と一緒に活動を続けられることに、いつも心から感謝いたし
ております。


今月のにんげんクラブ ~2月号~

          関西勝仁さん.JPG
            にんげんクラブ関西大会


11月30日のにんげんクラブ関西大会で、にんげんクラブは新しいステージに
移行できたのではないかと感じています。

関西2.JPG   関西.JPG
  にんげんクラブ関西大会           フィナーレ


 
4月の名古屋で開催したミロクフェスティバルに続いて、支部の有意の人たちで
作り上げていくにんげんクラブ大会が大成功裡に開催できましたし、特にはせくら
みゆきさんの講演のときには明らかに時間がゆっくり流れていることを300人弱
の人たちが一緒に体験できたことは、ヒマラヤ聖者の奇跡の世界が日常になる
予感を感じさせてくれるものでした。
 
私の『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(きれい・ねっと)も、先月の巻頭言に
書いたように、私のような中高年のおじさんに愛を伝えていくためにはとても
有効な本になったと思いますが、それと同時に出版された、川田薫・はせくら
みゆき・山内尚子著『新生地球の歩き方 愛の星へのパスポート(きれい・
ねっと)』は本当に素晴らしい本で、にんげんクラブの皆様にはぜひお読みいた
だきたいと思います。
 
本を読んでいらっしゃらない人のために、この本の一番のポイントをあげると、
以下の宣言文(マントラ)を川田さん(本当は先生と書きたいのですが、先生と
言うと罰金だとあとがきに書いてあるのでこの敬称にさせていただきます)の
意見では1日に100 回唱えればいいそうです。100 回は大変だと思いますが、
川田さんは20分ぐらいで唱えられますよ、と言っていました。感性が強い女性
は回数にこだわる必要はありませんが、理屈が大好きな男性は100 回に挑戦
すると早い人なら1ヶ月ぐらいで超能力が身についた自分を発見することになる
と思います。
 
「心と魂の扉が完全に開きましたので、すべての存在物との対話が自由にでき
るようになりました」この状態を私は選択します。
 
この本の中で川田さんは、心はハートのところにあり、魂はみぞおちの奥の辺り
にあり両者の違いを明確に意識できるようになればいいと書いてあります。
これもポイントですね。そして、私たちはいままでの競争社会の中で心と魂が開
いてしまえば、とても生きにくいと思い込んでいましたので、大体は扉を閉めて
いますし、ひどい目にたくさんあって疑り深くなっている人の中には厳重に鍵を
かけている人もたくさんいます。
 
でも、先月号に書いたように意識の世界では確実にアセンションが起こり、地球
の環境が激変しているいまでは、心と魂の扉を開くことで直感力をつけて生きて
いくことが必要となってきましたので、鍵をあけて扉を開く努力をしなければ、こ
れからの世の中では逆に生きにくくなってしまいます。そして、この扉を開くため
にはいままでは上手く使うと有効な面もあったトラウマやカルマをすべて手放し
て、素の自分で生きていく決心をしなければならないのです。
 
話は変わりますが、先日広島福山支部の田邉由利花さんが開催してくれている
彼女のお店café SEEZ で大体月に2回のペースで開かれているオールナイト
の寄合に参加してきました。こちらは私がいままで参加した中でも一番不思議な
話が飛び交っていた超スピリチュアル寄合で、乾杯をする前から宇宙語が飛び
交っていました。日本人だけが集まっているのだから、日本語を話せばいいと
思うのですが、宇宙語でなければ伝えられないニュアンスもあるそうで魂の扉
が開いたら、宇宙語の意味が分かるようになるのかもしれません。
 
最近の私はスピリチュアルも大好きになりましたが、一方では現実的なことを
大事にすることの大切さも強く感じています。田邉さんには明石のにんげんク
ラブ関西大会でもお会いしましたし、本当にいろいろなイベントに参加して下さ
り、さらに自分たちでもにんげんクラブ以外のいろいろなイベントを企画していて、
お仕事は大丈夫ですかと心配になってしまうのですが、不思議なことにご商売は
とても順調だと話してくれます。
 
にんげんクラブの支部代表をやって世のため人のために生きていくことを選択す
ると、人生が好循環するようになるようで、たとえばこだまゆうこさんはどちらかと
いうと苦手な寄合の集まりを熱海でやってみたら、ずっと願っていた赤ちゃんが
授かったと私の本のまえがきに書いてくれました。スピリチュアルなことに興味が
わいてきたら、田邉さんやこだまさんのように、人生が好循環をしているのかを
チェックしてみればいいと思います。そして、そうでない場合はバランスが悪くなっ
ていることが考えられるので、もう一度自分の生き方を現実的に直視してみれば
いいのだと思います。
 
スピリチュアルと言えば、この原稿を書いているのは12月12日ですので明後日
「宇宙からの黙示録(ソラからのアポカリプス)」がいよいよ開催されます。これは、
小川雅弘社長がにんげんクラブの社長を引き受けてくれるときにどうしてもやり
たいと思っていた企画です。小川社長のオリジナルのアイデアは紅白歌合戦の
ように、スピリチュアルな能力に優れている人に翌年はどんな年になるのかを
予測しあってもらおうというものですが、昨年よりもさらにパワーアップした宇宙
人大会になったと喜んでいます。
 
年末のこのイベントは毎年続けていきたいと思っていますが、2013年いっぱいで
小川社長はにんげんクラブの社長を退任して、私が社長になることになりました。
 
小川社長のおかげで、全国に支部が立ち上がり、支部の方の力でいろいろな
イベントが各地で開催されていくようになりました。にんげんクラブの活動は、先
生たちの話を受け身で聞くことから、自分たちの力でうずを回すことに変化して
いきました。これが小川社長の一番の功績だと思います。
 
小川さんにはこれからも取締役として、にんげんクラブの活動に関わっていただ
けることになっていますし、何よりも親友というか私の道先案内をしてくれる魂の
お兄さんだと思っていますので、これからも甘えるところは甘えていこうと思って
います。みなさんもいままで以上にP ちゃんに会いに高知までお出かけいただけ
ればと思います。心と魂の扉が完全に開いたら、P ちゃんとも対話ができるように
なりますから、きっとすばらしいメッセージがいただけると思います。

今月のにんげんクラブ ~1月号~

アセンションが起こったのかどうかというテーマを最近は考えるようになりました。
そして、同時に「人間の性格は変わるのか」、「嫌いな人(苦手な人)を好きになる
ことができるのか」というようなことを考えるようにもなってきました。きっかけは
『舩井幸雄が一番伝えたかったこと にんげんクラブからのメッセージ』(きれい・
ねっと)という本を書いたことでした。


関西大会準備寄合11_6.jpg   寄合カフェ.jpg
関西大会準備寄合(11/6)              寄合カフェ101(10/28・福岡)
 
異論があるかもしれませんが、私はアセンションは起こったと思っています。もちろ
ん、物理的に宇宙人が来て準備ができた人を宇宙船に引き上げてくれて、その間
に地球はノアの箱舟のときのように生物が住めないような状況になってしまうこと
はありませんでしたし、そこまでいかなくても大地震が起こって東京に人が住めなく
なることや富士山が爆発して首都圏から政治経済の機能が他の地域に移ってしま
うこともありませんでした。
 
経済的に国債が暴落して紙くずになってしまうことや銀行が破綻して流通が機能し
なくなり、農村には作物が余っているのに、首都圏では餓死する人が出てしまうよう
なこともありませんでした。激しい変化を期待していた人にとってはアセンションは
起こらずにだまされた、という感じを持っている人もいるかもしれませんが、実は私
たちの精神的な側面では多くの人の意識が確実に変容を始めているのだと思って
います。
   
青森懇親会の写真915.jpg   大阪02.jpg
青森寄合懇親会(9/15)               大阪寄合(9/12)   

 
私たちの心が変容してきたので、それが集合的無意識に反映されるようになって、
そこから物理的な現実もだんだんと変わっていくのだと思っているのです。そして、
次に大切なのは、この世をリードしてきた中高年の男性の思いが変わっていくこと
です。それは、アセンションで心の有り様が変化したのは大半が女性や若い人で
あり、社会の中心になっている中高年の男性の気持ちはほとんど変化しなかった
ように感じているからでもあります。
 
しかし、残念ながら世の中を動かしているのは中高年の男性です。
 
彼らが変わらない限り、私たちの暮らし方は根本的には変わりません。私たちが
アセンションによって気がついた変化を彼らにも分かってもらう必要があるのです。
そして、彼らに分かってもらわなければいけない基本概念を一言で表すと「愛」と
いうことになります。そして、ご主人やお父さん、会社の上司や地域のボスなど皆
様の周りにいる中高年の男性を思い浮かべていただいて、その人たちに「愛」を
伝えて行くことは、絶望的に難しいと思ってしまうのではないでしょうか。
 
ここまでは、私は自分が中高年の男性ではなくまるで愛が分かっているような書
き方をしてきましたが、もちろん私も中高年の男性であり残念ながら愛について分
かっていません。しかし、おかげさまでにんげんクラブという愛がなければ運営して
いけない活動の主宰者をさせていただいていることで、「愛」をごく当たり前のこと
として受け止めて日々の生活に活かしている元気な女性たちの気持ちが分かる
ようになってきて、同年代の男性に比べれば「愛」が分かってくるようになりました。
 
また、当然ですが絶望的に愛が分からないお父さんたちの気持ちももちろんよく分
かっています。そこで、気がついてしまったのは、当たり前のように「愛」が分かって
いる女性や若者たちと、絶望的に「愛」が分からない中高年男性の橋渡しをするの
がにんげんクラブの主宰者である私の役割のようです。


大阪03.jpg   大阪05.jpg
大阪寄合(9/12)                  大阪寄合(9/12)

 
にんげんクラブの創設時のメンバーとして上記の本のまえがきをこだまゆうこさん
にお願いしました。私が本気で本音の原稿を書いたので、それに呼応してくれて
こだまさんも本気で本音のまえがきを書いてくれました。少し、長いまえがきになっ
たので編集されてしまうと思いますが、それは本当にそれだけでも小冊子にして
別に販売したいと編集者が言ったほど素晴らしいまえがきになっていました。
 
そこには、私がこだまさんと個人面談をしたときにこだまさんのことを「最も苦手な
人」と言った話や、スピリチュアルが大好きであまりお金を使おうとしないにんげん
クラブの会員の人たちのことを私がバカにしているように感じていたことなどが本
音で書かれていました。そう言われると反省しきりなのですが、確かにこだまさん
に対して私は苦手意識を持っていたことなどを思い出してびっくりしてしまいました。
というのは、いまの私はこだまさんに対して苦手意識どころかもっとも信頼している
人の一人だと感じているからです。これは、私がそれだけ大きく変化したことの証で、
もしかしたら私は性格すらも変わってしまうことができたのかもしれないと思っている
のです。
 
そして、スピリチュアルなことが大好きなにんげんクラブの小川雅弘社長のような人
のことも小川社長は例外ですが、確かに私は苦手としていましたが、もしかしたら私
はいまのにんげんクラブの中で誰よりもスピリチュアルなことが大好きになったのか
なと感じるぐらい変わったと思います。
 
私はいまでも実は苦手な人が何人かいます。その筆頭が絶対に頭が上がらない
舩井幸雄なのですが、最近は舩井幸雄の気持ちになり切って代わりに原稿を書く
機会が増えてきました。苦手意識を克服できたら、にんげんクラブは新しいステージ
に行けるのかもしれないと、とても個人的なことだと反省しつつ真剣に考えています。
 
にんげんクラブはこれから舩井幸雄という原点に帰っていこうと思います。舩井幸雄
は不思議な人で普通なら「舩井幸雄を語る」というような企画は本人が亡くなってか
らやるものですが、本人もとても嬉しそうにその報告を聞いていました。本人が嬉し
いのなら遠慮することはないので、それぞれの会員様の舩井幸雄像を語るような
寄合をやってもらえばいいと思っているのです。
 
そして、それを通じてにんげんクラブがこれからどういう方向に向かうのかが確認
できるようになり、今度は舩井幸雄離れをしていけばそれこそが舩井幸雄の本望
だと感じています。さあ、まずは皆様の舩井幸雄像を考えてください。そして、それ
を寄合等の場でにんげんクラブの仲間たちと語っていただくことがアセンションに
つながっていくのだと思います。よろしくお願いいたします。

今月のにんげんクラブ ~12月号~


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          「Kukai&Ryoumaガイアセミナーin高知」(10/5~7)ご参加の皆さま

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  「加尾の庭」にて、不思議な光の柱も        「P-chan」とともに


先月号で予告しましたように11月30日のにんげんクラブ関西大会に向けての
にんげんクラブの本の執筆にようやく取り組み始めました。直感で本の構想は
10月になってから考えたほうがいいと思いましたので、9月まではインプットの
時期に当てていました。
 
本のタイトルは仮題ですが「舩井幸雄が伝えたかったこと~にんげんクラブから
のメッセージ~」にしたいと思っています。次ページは現在のところのもくじの案
ですが、講演のレジュメのように見ていただくと、私がいま伝えたいことがお分か
りいただけると思いますので、ここで紹介させていただきたいと思います。
 
かなり悩んで、編集者の山内尚子さんと作り上げたもくじですが、私の主張であ
るにんげんクラブがなぜいま必要とされているのかということが、愛というキー
ワードを理解することで私の中で明確になってきた過程をご紹介することで、現
実感を持ってお伝えできるのではないかと思っています。
 
山内さんにはご迷惑をかけることになりますが、ギリギリまで原稿が上がらない
ことが予想されますので、11月30日のにんげんクラブ関西大会での先行販売に
なる可能性が高く、何かピンと来た方は、当日、明石の子午線ホールまで足を
運んでいただいて真っ先に本を読んでいただければと思っています。
ハッキリ言うとそれぐらい自信がある本になりそうです。
 
最近、舩井幸雄の原稿を代筆することがかなり多くなってきました。身体の調子
が悪いこともありますが、それよりも情報を発信し続けることを少しお休みにして、
自分の人生を振り返ることをじっくりやっていかなければならないことに気がつい
た父に代わって、気持ちを代弁して原稿を書いています。
 
瞑想や心の垢を取るデトックスの作業が進んだこともあり、かなりストレートに父
の気持ちが分かるようになってきました。そして、例えばなぜ父がアベノミクスの
ことをあれだけ大々的に批判するのかがよく分かるようになってきました。
 
舩井幸雄の気持ちが分かるようになってきたら、7年前に舩井幸雄がなぜ、にん
げんクラブを作ったのかが理解できるようになりましたし、これからどういうふうに
にんげんクラブを運営したらいいのかも見えるようになってきたのです。
 
長い間、お待たせして申し訳ありませんでしたが、ミロクの世を作るためのにん
げんクラブの活動がいよいよ本格的に始まります。
 
皆さんもワクワクしながら一緒ににんげんクラブを盛り上げていっていただきたい
と思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 
「 舩井幸雄が伝えたかったこと~にんげんクラブからのメッセージ~」(仮題)

もくじ案

はじめに いまこそ、にんげんクラブが必要なとき

序 章  寄合の輪が拡がっている

第一章 舩井幸雄はなぜにんげんクラブをつくったのか

①「必要・必然・ベスト」は舩井幸雄の人生観を表現する言葉
②リーダーは命がけ
③神様が理解できないとコンサルタントはできない
④「にんげん」としての人間
⑤究極の理想はヒマラヤ聖者の生き方
⑥舩井幸雄が描いている「ミロクの社会」とは
⑦有意の人をつくろう

第二章 いままでの社会の仕組み

①断末魔の資本主義 アベノミクスの行方
②金融制度を変えない限り、人間は幸せにならない
③理想的な経済運営のあり方
④民主主義や資本主義の成り立ちを考える
⑤男性社会を超えて
⑥感情の罠と既成概念からの開放
⑦愛による自然、宇宙の摂理に従う

第三章 愛による統合社会へ

①愛とはなにか
②女性が虐げられてきた理由
③封印されてきた男女の愛のかたちの再構築
④鎧を外すことから始める
⑤愛が実感できた瞬間
⑥愛によって二元社会が統合されていく
⑦対立社会を超えて

第四章 にんげんクラブが、「ミロクの社会」への渦を巻き起こす

①民が神になる時代
②統合されゆく社会を上手に生きていくために
③ドンドン本音で自己主張をしよう
④誰も他人の話を聞いていなかった寄合
⑤にんげんクラブのリーダーは包み込み型世話人
⑥ピラミッド型で搾取型の組織から逆三角形で支援型の組織へ
⑦にんげんクラブが「ミロクの社会」への渦を巻き起こす

あとがき


今月のにんげんクラブ ~11月号~

 これからのにんげんクラブの方向性について考える機会が多くなってきました。
きっかけはこの会報誌にもチラシが入ると思いますが、11月30日に開催する
にんげんクラブ関西大会です。これは、兵庫支部代表の山内尚子さんが4月に
名古屋で行われたミロクフェスティバルをみて、これに続くイベントを誰かがやら
なければならないという危機感を感じてくれて、千賀一生さんの「ガイアの法則」
で次の文明の中心になると明示された東経135 度にある明石市の子午線ホー
ルでやってくれることになりました。
 
 7月に山内さんが主催してくれた佐々木重人さんの『マトリックスの真実』の出版
記念講演会を神戸で開催したときに、子午線ホールの下見に行ったのですが、
私が調子に乗って山内さんに「次は1万人規模のイベントをにんげんクラブの本
部が考えるのではなく、山内さんが中心になって考えて実行しましょうね」と提案
しました。成り行きと言えば成り行きですが、とても自然な流れでその言葉が出
てきて、その瞬間から山内さんの頭がすごい勢いで回転を始めたのが分かりま
した。

神山さん.jpg   関東支部寄合.jpg

関東支部大寄合の進行を努めた神山邦広さん   関東支部大寄合(9/7開催)


巻頭言ボードPH.jpg   千葉の杵鞭さん.jpg

魔方陣(3方陣と9方陣)                深田剛史先生から「数霊」も紹介いただきました

 
 そして、明石から神戸に移動する電車の中で、今度は山内さんから「にんげん
クラブは一体どういうことをする会なのか、はっきりと書いた本を勝仁さんが書い
てください」と逆襲されてしまったのです。でも、これもまったく必然の流れから出
てきた発言で、「にんげんクラブの活動イメージを明確にする時が来ている」とい
うことを確信した瞬間でした。
 
 
 でも、正直に言うとにんげんクラブで私が何をしたいかということを言語化する
のはとても難しいということに気付き始めていたときで、その時点では不思議な
ことに山内さんが私の気持ちを一番深く理解していてくれていると感じていまし
た。個人的にもいろいろ大変なことがあった山内さんがミロクフェスティバルや
『マトリックスの真実』を通じて、本当の私の気持ちの深いところを理解してくれ
たようです。
 
 当時は、船井幸雄が2006 年ににんげんクラブを作った時点のにんげんクラブ
のあり方に原点回帰する程度しか言葉としては考えていなかったのですが、そ
れではまったく不十分で、にんげんクラブはやっぱりミロクの世を作るために大事
な役割を果たさなければならない存在ですので、もっと明確ににんげんクラブの
あり方を明示していくことが必要です。
 
 ただ、私は誰かがカリスマになってリーダーシップを発揮していくやり方がもう
すぐ終わり、直接民主主義でみんなの意見が湧き上がってくるようなやり方で
組織を運営していくイメージをにんげんクラブに対して持っており、船井幸雄も
だから船井という冠を付けないにんげんクラブを始めたのです。それなのに、私
がにんげんクラブの方向性を明示し、その理念を明らかにするような本を書くこ
とはとても矛盾した行為になってしまいます。
 
 これはただ単に本を書くというような簡単な問題ではなく、にんげんクラブの行
く末を左右する大きな出来事になるという直感がして、それから真剣に考え始め
たというわけです。ちょうど、インドに行って瞑想する時間が多く取れることになっ
ていましたので、自分の内面を見つめて余計な荷物を下ろすことから始まって、
これからの私の人生の大半の活動になるにんげんクラブのあり方についてゆっ
くり考えることにしました。
 
 難しいのは、カリスマになってはいけない私が理念を考えなければならないと
いう矛盾を解決するためには、理念を考えるという直接的なアプローチで突き進
むだけでは答えは出てこないということです。それを克服するには矛盾を包み込
むというか、ヘーゲルの弁証法で言うところアウフヘーベン(止揚:古いものが否
定されて新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのではなく、
古いものが持っている中で新しく蘇(よみがえ)っていくべき優れたものがより高い
段階に昇華していくこと)が必要だということです。
 
 このアウフヘーベンの作業を遂行するためには、人間の力だけでは不十分で
神の恩恵を与えられなければ到達し得ないのだと思います。話は少し脱線します
が、民主主義にしても資本主義にしても現在の私たちの生活の基本をなしている
システムができあがっていく過程には必ずキリスト教の神の恩寵(おんちょう)と
いう考えが深く関与しています。これが分からないと民主主義や資本主義が本当
に分かったことにはならないので、大半の日本人はキリスト教を理解していませ
んので、両方とも分かっていません。
 
 少し前までは、だから日本はダメなんだと思っていましたが、最近は中途半端に
民主主義も資本主義も理解できていなくて、だからその本質的な運営ができてい
ないから、日本が新しい世の中を想造していく可能性が高いのかなと思ったりして
います。マルクスは社会主義革命は資本主義が最も進んだ国で起きることを想定
していましたが、実際はロシアや中国などの当時の発展途上国で実現したのと同
じ理屈だと考えればいいのだと思います。
 
 にんげんクラブで言うと、船井幸雄の考え方を否定するのではなく、それをアウフ
ヘーベンさせていくことで、万人に受け入れられる考え方に昇華させていきたいと
思うのです。そしてそのためには唯一絶対神だけを信じているキリスト教やユダヤ
教、イスラム教の考え方を否定するのではなく、それを八百万(やおよろず)の神々
を信仰している日本的な宗教観と融合させていって、そんな新しい神の恩寵をい
ただきながら考えていけばいいのではないでしょうか。
 
 インドは西洋の唯一絶対神的な考え方と日本の八百万の神々的な考え方の中
間点にあってその双方の原点に当たるポジションを占めているかもしれないと考
えたとき、インドの神々の懐で瞑想する機会を持てたことはにんげんクラブの行く
末を考えるに当たっては必要、必然だったのかもしれません。
 
 西洋近代主義や、伝統的な大和(やまと)の価値観、さらにはインドの宗教的な
感性が日常的に受け入れられている環境、そして船井幸雄が作り上げてきた日
本的なスピリチュアルなどをすべてアウフヘーベンした世界観を、これからにんげ
んクラブの寄合などを通じて皆様と一緒に作り上げていきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


今月のにんげんクラブ ~10月号~

 今月はいつも私が言っていることと矛盾してしまうのですが、私の自己主張を
書かせていただきたいと思います。
もちろん、にんげんクラブの皆様に私の意見を押し付けるつもりはありませんし、
皆様の寄合いでの話題を提供できればいいというぐらいの軽い気持ちで書き
ますが、いま現在の私の気持ちをなるべく正直に書いていこうと思います。

 この原稿はインドに出かける予定があるのでいつもより少し早めの7月下旬に
書き始めました。つまり参議院議員選挙が終わって10日ぐらい経っている時点
での私の意見だと考えていただければと思います。

 私は昨年12月の総選挙の結果には衝撃を受けましたが、今回の参議院選挙
は予想通りの結果だと軽く受け止めてしまいました。そして、その自分の気持ち
に結構衝撃を受けています。選挙が終わって1週間も経たないタイミングで株式
会社アノンの野沢高一社長と二人でお会いさせていただく機会をいただきまし
た。そして、そこでこれから3年間は大きな選挙がないという事実を改めて確認
しました。つまり、私たちはいまの政治体制を受け入れるとすると3年間は変化の
チャンスがないということになります。

 ちなみに野沢社長は選挙のプロです。自民党でも民主党でもみんなの党でも
志が高く見どころのある政治家であれば支援をして高い確率で当選のお手伝い
をしてきました。野沢社長は船井幸雄とも大変親しくしていただいています。前職
の会社で年間に何十回も船井幸雄の講演会を主催してくださり、その担当として
お付き合いしてくださった野沢社長は4、5年前までは最も船井幸雄と接触頻度
の高い人だったのです。

 だから船井幸雄の経営感覚をよくご存じの野沢社長は3年間選挙がないことを
事前に見越して、その間は売り上げがなくてもつぶれないでやっていける準備を
整えています。そして、この期間を情報のインプットにあてることを決心してにん
げんクラブに入会したいということを伝えるためにわざわざお尋ねくださったとい
うわけなのです。

 あまり詳しいことは書けませんが、株式会社アノンは選挙関係の世論調査の仕
事もされています。いまでは多くのノウハウが蓄積されており、投票が締め切られ
た直後にすぐに当確が出るのを訝(いぶか)しく思うことがありますが、ほとんど事
前の世論調査と投票率をみれば実は選挙の開票前におおよその当選者が分かっ
てしまうというところまで、現在は世論調査の精度が上がっているのです。だから、
あんなに早く結果が分かるのは不正選挙だと考えるのは短絡的な考えのようです。

 野沢社長はそれほど選挙の技術が進んでいて、やりようによっては政策や政治
に対する思いなんかとはまったく関係なくテクニックだけで政治家になれてしまう
現状に危機感を持っていて、政治家にとって本当に必要な条件は何かを考え、
それをしっかりとバックボーンにしながら選挙の仕事を続けていこうとされている
ように思いました。

 私は大分先のことになると思いますが、選挙のない民主主義をするにはどうすれ
ばいいかを考えていかなければいけないと感じています。昨年の総選挙と今回の
参議院選挙をみていて、いまの選挙システムが民意を反映しないシステムになっ
てしまったのは明らかだと感じるようになりましたし、どんなに選挙制度の改革をし
てもそれであるべき理想の政治システムが確立されることはあり得ないだろうと
思うからです。

 そして、選挙のない民主主義システムの雛形(ひながた)が「寄合い」だと思って
います。もちろん、まだまだにんげんクラブでやっている「寄合い」はシステムとして
は全然完成していません。それに、これは政治のシステムだけではなくお金に関す
る経済や通貨のシステムの変革ともリンクしていかなければいけないと思っている
ので、そう考えるとじっくりと取り組んでいくべきテーマだと感じます。でも3年間も
じっくりと考えるチャンスはめったに来ないので、いまこそ考えるときだと思うのです。

難波神社-S.jpg   7月10日岡崎寄合1.jpg
難波神社                       7月10日岡崎寄り合い


7月19日大宮寄合.jpg   25日の大阪寄合1.jpg
7月19日大宮寄り合い               7月25日大阪寄り合い


 少し話が変わりますが、私がやらなければいけないと思っているテーマは日本が
真にアメリカから独立することです。でも、アメリカと対立して力ずくの独立を勝ち取
るというイメージではなく、アメリカと話し合って利害を調整しながらアメリカの利益
をいかに維持するかという論点も考えながら、独立を果たしていくことを考えるとい
うやり方なのです。

 明治の政治家は不平等条約を改正するために命を懸けて欧米列強諸国との交渉
に当たりました。それと同じ気概を持って、まず日本が実は独立を果たしていなくて
アメリカの属国であるという事実から目をそむけることなく、それを直視しながら新し
い境地を切り開いていく覚悟をすることから始めなければいけないのだと思います。
そして、多くの国民が独立を真剣に果たしたいと思うようになって、
その民意が反映されるようなシステムができて初めて、独立が果たせるのだと
思っているのです。

 そのためには、まずにんげんクラブにタブーを作ってはいけないのだと思っていま
す。例えば、原発の問題を考えるときに頭から何も考えずに「ノー」だけではいけな
いのではないでしょうか。もちろん、私も原発には絶対反対ですし、なるべく早く原発
のない社会を世界中で実現すべきだと思っていますが、放射能の危険性についても
頭から議論を許さないような姿勢は間違っていると思うのです。

 具体的に言うと、副島隆彦先生や中矢伸一先生の言う「いまの福島の放射能の
レベルならかえって健康にいいぐらいのレベルなのかもしれない」という議論にも耳を
傾けるようなにんげんクラブでありたいと思っています。それが、アメリカのやり方なら
すべてを否定するような考えでは、上記のような直接民主主義が絶対に成功しない
ということと同じように、真の原発問題の解決につながる姿勢だと思うからなのです。

 もちろん、放射能は絶対に安全だからという考えに無条件に与(くみ)するわけでも
なく、お互いにタブーを作らず相手の話を冷静に聞くことができ、それでいて洗脳も
されない立場の取り方をみなさんと一緒に突き詰めていきたいと思っているのです。

 タブーがなくても安全が守られて、自由に本音をぶつけ合えるようになることが
理想的な政治システムではないでしょうか。


今月のにんげんクラブ ~9月号~

 先月号でにんげんクラブは変革期に来たということを書きました。

 これは4年前に川島伸介さんを代表会員に迎えて、にんげんクラブが
会員さんの中に飛び込んでいくという大変革をしたことや、昨年小川社長に
就任していただいて足が地についたスピリチュアルなことを積極的に取り入れて、
にんげんクラブの場でなければ話せないようなことを語り合える場としての寄合を
活動の中心にしたぐらいの大変革をまた目指してということです。

 それは船井幸雄が皆様の前に出て行くことがいよいよ難しくなったという危機感
から来ていますので、次の改革のテーマは「原点回帰」です。

 兒玉裕子さんに先日、「なぜ、船井会長はにんげんクラブを作ったのですか」と
聞いてみました。にんげんクラブができたときは、私は船井本社に参加しておらず、
創設の精神を知らないことに今さらながら気がついたのです。
だから、創設メンバーである兒玉さんに改めて聞いてみたのです。

 兒玉さんの答えは、「日月神示にある『三千の足場づくり』が会長の目的だったと
思います」というものでした。3000人から5000人の有意の人の集まりである
にんげんクラブをつくり、それを神がミロクの世づくりのために顕現する足場にしよう
というのが、にんげんクラブの本来の目的なのです。
船井幸雄が日月神示と「百匹目の猿現象」の精神を合わせたものを形にしたら、
にんげんクラブになったというわけです。

 そして、有意の人というキーワードを持って来ました。船井幸雄の2008年の著書
有意の人』(徳間書店)のあとがきから引用してみます。

 
「有意の人」という言葉の説明は、本書中でも何回も述べましたが
「自分やお金や目先のことも大事だが、それとともに
"世の中の構造やルール" "人間の正しいあり方"などを知り、
正しく考え、正しく生きよう......と気づき、
勉強に取り組みはじめようとしている人か、
すでに取り組んで実行している人たちのこと」だと言っていいと思っています。

 川島伸介さんがにんげんクラブの改革をはじめてくれたころに兒玉さんから
「にんげんクラブが変わってしまうのは少し悲しい」と言われたことがありました。
会長の世界を私なりに発展させていこうと思っていた当時の私には兒玉さんの
気持ちがよく分からなかったのですが、にんげんクラブができたときの思いを
理解せずに新しいやり方をがむしゃらに進めてしまったということを反省しなけ
ればいけないことを、いまならよく分かります。

 小川社長の株式会社にんげんクラブの集大成として、12月14日に予定されて
いる「宇宙からの黙示」(私はにんげんクラブ宇宙人大会と呼んでいます)という
イベントを開催します。このイベントは小川社長の地に足がついたスピリチュアル
路線に共鳴する方はとても喜んでくださっていますが、船井幸雄なら絶対にこの
ようなイベントはやらないと思います。

 少し長くなりますが4月15日付けの船井幸雄.comの「船井幸雄のいま知らせ
たいこと」のページを掲載させていただきたいと思います。


 私は40~50年セミナーとか催し物にかかわってきたその道の超プロです。
 その私がはじめて見た企画がこれから紹介する4月27日に名古屋で
 行なわれる(株)にんげんクラブ主催のミロクフェスティバルです。
 にんげんクラブは私が創ったのですが、この種の催しをここが行なうとは
 まったく思いませんでした。
(中略)
 私のセミナーの常識は講師1人に、1・5 ~2時間はゆっくり話してもらう
 というタイプです。1日なら多くて3~5人、そして聴講料5~6万円です。
 それが1日で講師だけで32人(?)も出演、のべ35~40も催しがある
 もようですから、それこそ私の行なってきたセミナーの逆を行くものです。
 どんな効果があるか、私には分かりません。私にも分からないのです。
 好奇心の強い方、話題を求めたい方は、ぜひ御参加、今後のために
 結果や感想をおきかせください。
 「ワクワク」「笑う」「聴く」「観る」「学ぶ」「動く」とテーマが書かれていますが、
 1人でも2人でも講師中にすばらしい仲のよい知人ができたら、全会場に
 参加できる前売りの5000円、当日の6000円はお安いでしょう。
 しかも講師の名前と顔ぶれを見ますと、私の知人が20人以上もいます。
 ともかくそういう意味でびっくりしました。


 創設者の思いをいま、もう一度見つめ直したいと思います。言い訳になって
しまいますが、有意の人の集合意識で良い世の中を想造していくという船井
幸雄のにんげんクラブの原点と会社経営として利益を上げていくということを
矛盾なくやっていくにはカリスマ性が必要なのだと思います。いい世の中を
つくりたいと思ってボランティアで活動をしていただいている各支部の皆様の
思いと株式会社として利益を上げていくという目的は凡人にはなかなか両立
させていくことができません。


伊勢懇親会.jpeg
(伊勢懇親会  撮影:田島さん)


 実際にミロクフェスティバルは集客に大苦戦して関係者にとても迷惑をかけて
しまいましたが、支部の人たちの思いを中心に、にんげんクラブ活動を続けて
いくという方向性はこれからも続けていこうと思っています。もちろん収支はあう
ようにしていきますが、利潤をにんげんクラブの活動で出すことは目的にしない
でおきたいと思っています。ただ、それにプラスして「有意の人」の集まりが
にんげんクラブだという原点回帰にこれからは入っていこうと思っているのです。

 そして、有意の人が「勉強に取り組みはじめる」ところから、「すでに取り組んで
実行している人たち」つまり各支部で積極的に活動を推進している人たちの
ステージに進化していこうというのがこれからのにんげんクラブのあり方なので
はと感じています。これなら、いままでの流れを引き継ぎながら無理なく原点
回帰ができると思います。

 これからも機会があれば各地の支部に行きますので、皆様の率直なご意見を
いただければと思っています。よろしくお願いいたします。

今月のにんげんクラブ ~8月号~

 にんげんクラブとは何なのだろうと考えることがあります。

 きっかけは昨年の夏、台湾に李登輝(りとうき)元総統のお見舞いにうかがった
時に、李登輝元総統が株式会社にんげんクラブの名刺を見て、「にんげんクラブ? 
にんげんクラブかあ! にんげんクラブなぁー」とおっしゃったことでした。
いままであまり気が付きませんでしたが、よく考えたらとんでもないすごい名前です
よね。

 にんげんクラブの原点は船井幸雄の有意の人の集合意識の力で、あるべき理想
の世の中であるミロクの世の中を作ろうという思いです。この原稿を書いているの
は6月の初旬ですが、5月末にも仙台と広島の寄合に参加させていただきました。
特にその時の懇親会で皆様の思いを聞かせていただくことを楽しみにしているの
ですが、多くの方から10年前、20年前から「船井先生の本を読んできました。
先生の本に出会って私の人生が変わりました」とおっしゃっていただけます。

宮城よりあい.jpg
(仙台 寄合)


 船井幸雄は、世の中は私たち人間の思いが作っていることをずっと説明してきま
した。多くの人の集合意識が競争や策略に基づく「今だけ、お金だけ、自分だけ」の
世界から、助け合いや与え合うことを基本とするミロクの世の中を選択すれば、
それだけで理想の世の中が実現することを20年近くにわたって著書や講演などで
訴え続けて来たのだと思います。

 その思いに共鳴していただき、この世には目に見える世界と目に見えない世界が
あり、本当は目に見えない世界の方が重要であるということを共に学んでいただい
た同志の方が集まっていただいているのが、にんげんクラブの原点です。
端的に言えば、船井幸雄ファンクラブです。

 船井幸雄ファンの皆様の悩みは、自分では目に見えない世界のことを勉強して
気がついているのですが、それがなかなか周りの人に受け入れられないことです。
つい、職場や家庭で本音を話すと周りから頭がおかしくなったのではないかと思わ
れてしまい、自分が学んできたことを共有する場がなかなかありません。最近、
全国各地で寄合をするようになり、そんな思いを共有する場があることを喜んで
いるコアな会員の皆様が活発に活動をしてくれるようになってきました。

 できれば目に見えない世界があることを知っている船井幸雄ファンでない人とも
コラボレーションができないかなとも考えています。
私は野球が好きですが、大阪で生まれたので阪神ファンでありアンチ巨人ファン
です。でも、野球が好きなことは確かですし、強い巨人に立ち向かっていく阪神を
含む弱小球団ががんばっている姿を見るのが好きなので、巨人の試合もテレビで
楽しく見ています。つまり、アンチ巨人ファンも少しマクロに見れば巨人ファンの一種
だと言えるのだと思っています。


 それと同様に目に見えない世界のことを認めている人は、船井幸雄に関心がなく
ても、極端に言うと船井幸雄が嫌いな人でもマクロに見ると同じ考え方を持っている
仲間だと言えるのではないかと思っています。そういう人たちとのコラボレーションを
しようと思って、メキキの会やトータルヘルスデザインのバンクシア・フィットネス、
さらにそれを元に同社の近藤洋一会長が考えている「大還暦の会」等との協力関係
を作っていこうと思っています。

 小川雅弘社長はエドガー・ケイシーが好きで王家の谷を発掘したハワード・カーター
のように、伝説だと思われているアトランティスの叡智や前世でコマンダーとして
地球までやってきた宇宙船を発掘したいと本気で考えています。そんな小川さんの
思いに共鳴している精神世界に興味が深い会員さんたちも小川さんと語るために
積極的に参加していただくようになりました。

 私は足が地についていない精神世界は問題が多いと思っているのですが、
小川さんは高知を代表するような経営者の一人で盛和塾にも入っていて、稲盛和夫
会長から表彰されるようなしっかりとした経営を長年にわたって続けてきた人です。

 そして、そのバックボーンになっているのは会報誌で兒玉裕子さんが連載してくれ
ている安岡正篤先生が説いた『陰隲録(いんしつろく)』にありますので、この辺りは
中村天風先生に共鳴していた船井幸雄の考え方とも相容れる点が多くあります。
経営を上手くやっていくという視点で目に見えない世界のことを認めるという
アプローチをしている人たちとも一緒にやっていけるのではないかと思っています。

 広島の寄合の時は兒玉裕子さんが同行してくれたのですが、たくさんの兒玉ファン
が参加してくれていました。船井幸雄が育てた、書くという才能にあふれている兒玉
さんですが、話をすることには苦手意識があるようですが、寄合という形なら、自分
をあまり主張せずに相手の言い分をじっくり聞くという兒玉さんのいいところが活か
せるので、これからは兒玉さんにも積極的に寄合に参加してもらおうと思っています。


広島よりあい.jpg     ケーキ.jpg
(広島 寄合)


 船井幸雄のファンクラブ的なところからはじまったにんげんクラブですが、いろいろ
な人が関与していく中で、いろいろな思いを持っている人が集まってきています。
意見や方法論が違う人たちがお互いを認め合いながら、世のため人のために生きて
いこうという思いを共有する会になっていけばいいと感じているのです。

 にんげんクラブはまた変革期に来たのではないかと感じています。
いまは、創造と破壊を繰り返すような時流にありますので、にんげんクラブのあり方も
私の考えにとらわれることなく、いろいろな人の思いを取り込んでいきながら、その時
その時のあるべき方向に参加している人たちの集合意識に従って動いていけばいい
のだと感じるのです。

 支部の寄合や映画の自主上映や、少し問題はありましたが愛知支部が取り組んで
くれたミロクフェスティバルのような機会をどんどん作っていくことで、皆様の思いを
発露させる場面をたくさん作って行きたいと思っています。もちろん、失敗から学ぶこと
が大切なので、私を含めて、思いと違って上手く行かなかったこともきちんと認めて、
その現実を直視しながら一歩一歩先に進んでいければいいのではないかと思ってい
ます。

 変革期のいまがチャンスですので、皆様の考え方が取り入れられたにんげんクラブ
を一緒に作っていければと思っています。よろしくお願いいたします。
もちろん船井幸雄の思いを大切にしていくことが大前提条件ですので、船井幸雄ファン
の方も安心してお付き合いいただければと思います。


今月のにんげんクラブ ~7月号~

 4月27日にワクワクミロクフェスティバル(にんげんクラブ愛知大会)が無事終了
しました。残念ながら集客に苦戦して、関係者の皆様には多大なご迷惑やご心労を
かけてしまったこと、責任者として心よりお詫わびさせていただきます。私の思いの
中では絶対に失敗しない枠組みを決めてスタートしたのですが、皆さんの強烈な
思いの調整にもっともっと私自身が関与させていただかなければならなかったと
反省しております。反省はしなければいけませんが、愛知支部のみなさんがつくり
上げてくださったイベントなので、これを次に活かすための新しい活動につながって
いけばとも思っています。例えば、参加してくれた兵庫支部の山内尚子代表は11月
末に、千賀一生先生の「ガイアの法則」によるとこれから文明の中心になる東経
135 度にある兵庫県の明石でイベントを組みたいという考えを表明してくれました。
イベントの規模ではなく、リーダーたちの思いが実現していく活動をコツコツと続けて
いければと思っています。
 
 また、5月12日には高知の小川社長が3月から始めたレストラン「加尾の庭」で
定員をオーバーして新高知支部の立ち上げのイベントを行いました。小川社長の
思いを大事にして行ったイベントには愛媛や広島県福山、それに京都支部の方々
も参加していただいて、新しいにんげんクラブの形を提案していただきました。
P ちゃんをはじめとする、いろいろなパワーグッズの力を体験していただき、小川
社長自慢の土佐養生膳を参加者の皆様に堪能していただきました。さらに、瞑想
等のワークショップを通じて、より本質的な世界に共同でふれていただく機会を
持っていただけたのではと思っています。
 
 私は今年になってトータルヘルスデザインさんが開催されているバンクシア・
フィットネスのベーシック、アドバンス、マスターコースをすべて受講させていただき
ました。これからは本質的な世界に触れてもらうための手法として、バンクシア・
フィットネスのインストラクターに、にんげんクラブの活動へ参加してもらえるように
同社の近藤洋一会長とお話を進めています。
 
 また、小川社長に専務理事をお願いし私が理事長をしている協同組合企業福祉
共済会とのタイアップ事業として長野県飯田市で9月から地元経営者向けの
にんげんクラブ支部の立ち上げをします。これは沖縄でもやりたいと思っており、
5月中旬にプレセミナーをやはり小川社長にも参加してもらって行いました。業績
アップに即効性があるわけではありませんが、拙著『未来から考える経営』の中で
主張させていただいた、新しい経営のあり方を一緒に討議する支部活動にして
いきたいと思っているのです。

 企業福祉共済会は一種の保険商品ですので、正直に言うと最初は営業活動を
するのに大きな戸惑いがありました。しかし、小川さんが自分の親しい会社に
どんどん営業してくれるのを見て、別に給料をもらっているわけではないので、
ここで保険の営業をしているという気後れを感じる必要がないことに気が付き
ました。この共済会は実質的に船井総研のやっている共済会ですが、すでに
23年間の実績があり、その間ほとんど船井総研には業績的な寄与はしていま
せん。実質的な創業者である三上元(みかみはじめ)現静岡県湖西市長の思い
で、本当に中小企業のためのCSR(企業の社会的責任)活動のために創業して
存続しているのです。
 
 この共済会は船井総研のクライアントのようなきちんと利益を出している中小
企業にとっては経営者にも従業員にも、とても有利な商品の提供を、理事や
実質的な親会社である船井総研がお金を取らないことで実現できている組織
なのです。そして、ご理解をいただいてその地域である程度まとまってこの
共済会にご加入していただくことができたら、それらの会社の経営者や思いを
同じくする経営者を対象にした勉強会を開催していくこともにんげんクラブの
活動にしていきたいと感じています。
 
 このように小川さんや私の思いもどんどん新しい活動として実現していきます
が、それ以上に皆さんの思いも実現化していきたいと感じています。経験値を
積んで試行錯誤を繰り返していくことで成功パターンというか、失敗しないための
方法論を確立していきたいのです。
 
 大事なのは、無理のない範囲、自分がしんどくない範囲、自分がやりたい範囲
で何か自分の主張を発信していただくことです。自分の思いを発信すればそれが
いまは確実に、それも速やかに現実化します。ワクワクミロクフェスティバルでは
いろいろな制約がある中でも、愛知支部の人の思いは見事に現実化しました。
もちろん反省点はしっかりと踏まえながらも、その種は確実に全国に拡がって
いくのだとも感じています。
 
 話は変わりますが、ウガンダ・エチオピア旅行に小川さんと一緒に行った
K さんから誘われて長野県伊那市にある日本一のパワースポット分杭峠
(ぶんぐいとうげ)に行ってきました。5月の新月の日に勝仁さんと行く必要が
あるからというメッセージをK さんが受け取って、私もスケジュールの調整が
できたのです。分杭峠でK さんが私に伝えたかったことは、世間体を気に
したり人と比べることをやめて、すなおに自分がやるべきだと感じたことを
感じたままに躊躇なくやることでした。
 
 自分の考えを持つことはとても大事なことですが、自己主張ができるように
なると、今度はその考えを手放すステージに行くことを目指すのです。分杭峠
でK さんが私に求めたのは、私が一番やりたくないと思っていること、それも
私の自己主張の一種でした。あえてそれをやらせることで私がやりたくないと
思っている本当の理由を逃げることなく見つめる機会を与えてくれたのです。
それは、しんどくてつらいことでしたが、おかげさまでこだわりと恐れを手放す
ことができました。
 
 そして、翌日高知の室戸岬の弘法大師の聖地でもそれを実行することができ、
私も確実に一歩先に進むことができたと感じています。いつも言っていることの
繰り返しになりますが、いまは手放して一歩下がって自分を見つめるときです。
それができなければいまの時代の変化についていけません。常識や成功体験を
手放すことは怖いことですが、それができるためのにんげんクラブ活動を
これからも続けていきたいと感じています。恐れを手放してどんどん手を上げて
いただきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。


                (にんげんクラブ会報誌 7月号より)

今月のにんげんクラブ

 船井幸雄.comで4月から「船井勝仁の"直感"のすすめ」というコラムを書き
始めました。時代はいよいよ本格的な非常時に突入しました。こういうときは
常識や既成概念やタブーにとらわれて、過去の延長線上だけに生きていると
幸せに生きることはできません。

この時代を上手く生きていくためには直感力を磨き、その直感に従って大胆に
生きていくことが絶対必要になります。

 そこで、3月に(株)船井本社に入社したスピリチュアルの知識はまったくありま
せんが、すなおでステキな新入社員K君に、スピリチュアルな話を教えていくと
いう形で月に2回のペースで連載をすることになりました。4月15日にアップ
した2回目の原稿からは、K君にまず私が話した内容をまとめてもらい、それに
私がコメントするという形で連載を進めていくことにしました。
 
1回目は、私が1人で原稿を書くと絶対に気が付かないことをK君のレポートで
感じることができ、私の世界も拡がっていくことが実感できて、とても楽しく
原稿を書くことができました。これも直感力を発揮するための一つの方法論だと
思いますが、どんな内容をK君が書いてくれるかがまったく予想できませんので、
余計な知識を持たずにK君の原稿を読んですなおにそのとき感じたことを原稿に
まとめることができます。

 実は直感力とは何かを体系立てて説明しようかというふうに考えていました。
正直に言うと下心があって、その連載が本になればいいなと思っていたのです。
しかし、それならすでに1987年に父がウィリアム・カウツ博士との共著
『ビジネスに活かす直感力の研究』(PHP 研究所)に書いてあり、それと同じ
物をいまさら書いてもまったく意味がありません。しかし、スピリチュアル
初心者のK君の思ってもいない反応に応えて書くのならば、とても意味がある
ことだと思ったのです。

 できればレクチャーの形でK君に話すのではなく、普段の仕事の会話の中で
直感力に関係する話が出てきたことを中心にまとめてもらえばいいのではと
思っています。そして、この直感を大事にするということは、これからの
にんげんクラブの活動にとってもとても大事なことになると思っています。

 この会報誌では、今月から2回に渡って、2月下旬ににんげんクラブの小川
社長と一緒に行ってきたウガンダ、エチオピア旅行の様子をまとめて書かせて
いただくことになりました。この旅行に行った経緯は本文を読んでいただければ
いいのですが、小川さんの直感力がすべてです。普通に考えると、ただでさえ
忙しい小川さんや私が明確な目的もなしに日本から一番遠いアフリカにわざわざ
出かける必要は何もありません。ちなみに小川さんはやはり、一番遠いチリの
イースター島へも3月に出かけて来ました。

 どんなに合理的な理由がなくても、行かなければいけないものは行かなければ
いけないのです。それを直感できちんと捉える力がまずは必要になります。また、
途上国に個人旅行で行くと、それこそ直感に頼って行動しなければいけない場面に
何度も遭遇します。そのときに、きちんとした判断ができることがとても大切に
なります。
小川さんはその動物の勘的な能力をいっぱい持っています。

 そんな小川さんが社長になったにんげんクラブはまさにいま直感に従った行動を
してもらう会になっていきたいと思っているのです。この会報誌が皆様のお手元に
届くころには開催が無事に成功裡に終わっていることと思いますが、4月27日の
ミロクフェスティバル(にんげんクラブ愛知大会)は、いままでの常識を覆す
ような面白いイベントになりました。ある面、オープンワールドの考え方を
はるかに凌駕するオープンワールドが実現したのです。

 あれだけ好評だった「船井幸雄オープンワールド」を昨年で終了したのも、あの
まま私たちが主催してオープンワールドの開催を続けていても、予想される範囲を
超えるようなイベントは開催できません。それこそ、過去の延長線上のオープン
ワールドになってしまいます。私たちがやっていたオープンワールドはある意味
バーチャルにミロクの世を実現している催しでした。そこに参加している目に見え
ない世界があることを知っているスピリチュアルな人にとっては理想の未来を実感
できる2日間だったのです。私はそれがオープンワールドが人気があった一番大きな
原因だろうと思っています。

 しかし、やっぱりバーチャルの枠を超えることはできませんでした。会場の外に
一歩出てしまえば、そこは何も変わらない普通の3次元で資本主義の社会が歴然と
存在しています。また、翌日会社に出かけて行っても実は何も変化していません。
オープンワールドを始めた当初は目に見えない世界があることを理解してもらう
という社会的な意義があったのだと思いますが、最近の参加者はほとんどそのことは
すでに知っている人たちです。そうだとすると、いま大切なのは新たな知識を得ること
ではなく、その知識を行動に変えて実践していくことなのです。

 そういった意味では、各地の支部で始まっているファミレス寄合なども、私たち
が絶対に思いつかないものです。たった数人しか集まらなくても、その寄合の積み
重ねが、映画「祈り」の自主上映会やミロクフェスティバルに繋がっているのは
間違いのない事実なのです。そして、寄合の積み重ねでできた自主上映会やミロク
フェスティバルはバーチャルで終わらずに、実際に会員の皆様がスタッフとしてと
いうか主催者としてイベントに関わることで、確実に自分を中心にして世界がリアル
にも変わって行くことになります。
 
 エチオピアのラリベラという原始キリスト教の聖地で、満月の前日に沈みゆく
太陽と、昇ってくるほぼ真ん丸の月を同時に見られるというシチュエーションに
遭遇することができました。太陽を中心にした男性原理の時代が終わり、月を中心に
した女性原理の時代が始まるように私には感じられました。しかし、私がそれを
誌面でいくら伝えてもそれはバーチャルで現実は何も変わりません。しかし、それを
会員の皆様が行動によって実感していただければ、それがきっかけで世の中が確実に
変化していくことになるのです。

 変化を実際に起こすにんげんクラブの活動を、皆様の直感力を基にして具体的な
活動を行うことでこれからは現実にしていきたいと思っています。どうぞ、よろしく
お願いいたします。

今月のにんげんクラブ

 いま、にんげんクラブ茨城支部の寄合を取手で開催するために乗っている
常磐線の快速の中でこの原稿を書き始めました。

 一昨日は横浜で神奈川支部の、そして昨日は千葉支部の寄合に参加しました
ので3日続けての新支部の立ち上げに参加させていただくことになりました。
 そして、明日は宮崎で映画「祈り」の上映会に参加します。日本中で自らが
行動して「うず」を作っていく動きがだんだん本格化して来ました。

  関東の3支部の代表をお願いしたのは本物研究所の販売店をしていただいて
いる神奈川県小田原市の勝俣工一さん、千葉市の長嶋等さん、そして茨城県土浦
市の加登谷寿美子さんです。
 本物研究所は今年で10周年を迎える会社です。佐野浩一社長や南方幸一専務
の下、おかげさまで毎年黒字経営を続けさせていただいています。

 船井幸雄はずいぶん昔から本物商品が大好きで、船井総研の子会社を作って
何度も販売に取り組んできました。しかし、ほとんどすべての子会社が大きな
赤字を作って清算することになりました。

 そして、船井幸雄の直接の意志で作った会社としては本物研究所がはじめて
成功することができたのです。私はこの原因に昨年ようやく気がつきました。
 それは、佐野社長が教員出身で経営者ではなかったので利益を追求する
ことももちろん大切にして来ましたが、それよりも社員や取引先そして何よりも
お客様に幸せになっていただき、いきいきワクワクとみんなで楽しく事業を進めて
いくことを大切にしていく学級経営をしてきたからなのです。

 私は本物研究所の非常勤取締役をさせていただいているので、取締役会には
いつも参加しています。そこで佐野社長の「我社の経営方法は学級経営です」
というコメントを聞いて目からウロコが落ちました。

 本物商品を扱う会社はいまだけ、自分だけ、お金だけの資本主義社会の
商品を扱っているわけではないので、新しい世の中の価値観に従って経営
をしていかなければならないようです。

 それに気がついたヒントは、ヘンプ(大麻)の普及に取り組んでいる
中山康直さんが「フリーエネルギーは私たちが珪素ボディにならなければ
使いこなせない」と講演で話しているのを聞いたことでした。

 完全に理解できたわけではありませんが、炭素が主体でできている
いまの私たちの文明ではフリーエネルギーは使いこなせず、イメージでいうと
半霊半物質のような珪素主体の身体を持つように進化しなければ実用化
できないという意味だと私なりに理解しました。

 よく考えて見れば、フリーエネルギーが実用化されたら、それはとても危険
なことかもしれません。無尽蔵のエネルギーをほとんど無料で使えるわけ
ですから、それを戦争などのいままでの私たち人類が犯してきた様々な
過ちに使ってしまったら、それこそ地球や銀河、宇宙などのレベルで大き
な悪い影響を与えてしまうかもしれないのです。

 私たちの思いが世の中を作っていると考えるのなら、私たちがいま犯
しているそんな過ちを考えることもできないレベルにならなければ実用化
しないのだと思います。

 フリーエネルギーほどでないにしても本物商品もいままでの資本主義の
社会の価値観で扱える商品ではありません。利潤を最大化することを目的
としている従来の株式会社のあり方で本物商品を扱う会社を経営しても上
手くいかないよ、というのが神様のメッセージなのではないでしょうか。

 佐野社長は株式会社の経営をするという経験がないまま本物研究所の
社長になりましたので、会社を経営するための暗黙知がなかったのがとて
もよかったのだと思います。

 もちろん、大切な暗黙知がないまま経営をしていくというのはとても大変
だったのではないかと思います。しかし、どうしたらみんなが協力してひと
つの目的に向かって行くかという学校の先生としての経験値が豊富だった
ので、それに一番に取り組んだことで結果的にすばらしい経営を続けて
来ることができたのだと思います。

 取手の寄合はすばらしいものになりましたが、私はちょっと疲れが溜まって
きているのと、仕事の上での小さなトラブルを抱えていて感情のコントロール
ができていなくて、いつものようにスムーズに講演で話すことができなかった
と感じています。

 例えば、ブレーン・ストーミング(ブレスト)という言葉が出てこずにそれを
思い出すために無駄な時間を使ってしまったりしていました。
 でも、結果的にはそれで良かったことに気がつきました。寄合と言いながら
いつもほとんど私が話してしまうのですが、そんな調子だったので出席されて
いる皆さんから自己紹介といま私が一番大切に思っているテーマ
「考えるな、感じろ」についてお話をしてもらうことにしたのです。
 そして、支部代表の加登谷寿美子さんが最初にとてもすてきなお話をして
くださったので、それに触発されて皆さんが本当に本音でとてもいいお話を次々
と披露してくださったからです。

 「考えるな、感じろ」は2月の下旬にアフリカ旅行に行った時にずっと私に課題
として与えられたメッセージでした。ウガンダとエチオピアを訪ねたアフリカ旅行
に関しては来月号と再来月号で、器用に考えて面白くまとめるのではなく、感じた
体験をそのままなるべく伝わるように報告をさせていただこうと思っております
ので、そちらを楽しみにしてください。

 このテーマに関してはいろいろなシンクロが起こっています。
 まず、保江邦夫先生の『人を見たら神様と思え』(風雲舎)を献本していただいた
のですが、その本の主要テーマのひとつが「考えるな、感じろ」でした。
 この本は本当にすばらしい内容の本です。拙い解説を船井幸雄.comの私の
コラムで書かせていただいていますので、よかったら参考にしていただきたいと
思います。

 そして、取手の懇親会の時に「『考えるな、感じろ』だったらブルース・リー
ですね」と教えてもらいました。グーグルで「考えるな、感じろ」を検索すると
ブルース・リーの「燃えよドラゴン」の中での有名なセリフのことが最初の方に
出てくるのです。
 このようにあまり考えないようにしていると次々とメッセージをもらえるように
なるから本当に楽しくなってきます。

 いまは、宮崎に向かう飛行機の中ですが、スクリーンのフライト地図をみて
いると ちょうど足摺岬の上を飛んでいるようです。唐人駄場という私が大好きな
縄文遺跡の上を飛んでいるようなので、この巻頭言も神様から合格をもらえた
サインなのだと思います。

香川よりあい.JPG
香川よりあい


よりあい千葉にて.jpg
千葉よりあい


横浜:写真.jpg
横浜よりあい

今月のにんげんクラブ

 にんげんクラブに集まっていただいている皆様は有意の人です。
 いまだけ、自分だけ、お金だけの資本主義的な考え方を脱皮して、助け合い、
譲り合い、ギブしあいながらお互いに成長していかなければ、私たちの未来は
明るいものにはならないことを知っている人たちの集まりです。
 
 にんげんクラブは(株)にんげんクラブのものではなくて、全国の会員に
よって運営されていくべきものだと考えています。
 小川社長は全都道府県ににんげんクラブの支部を作りたいと考えています。
会員の皆様が気軽に参加できるような支部の「よりあい」が各都道府県に1つ
はあってほしいと思っているのです。
 
 全国の「よりあい」に出席させていただいて懇親会に参加すると、職場や家
庭ではこんな話をわかってくれる人がいないので、今日はいっぱい話ができて
楽しかったという声を聞きます。特に、小川社長のP ちゃんの話から始まる
スピリチュアルな話に触発されて、不思議な見えない世界の話が大好きな方が
集まりますので、普段のご近所付き合いなどでは頭がおかしくなったのかと思
われるので話せないことを思いっ切り話せるのがとても楽しいようです。
 
 地に足を着ける必要はありますが、物理的に目に見える世界だけで私たちは
暮らしているわけではありません。そういう不思議な世界のことが少しずつ理解
できていくことが、これからの大激変期をうまく乗り切っていくためにはどうしても
必要なことです。
 
 いままでは船井幸雄オープンワールドなどのイベントに参加していただいて、
そこで先生方の話を聞いて、「今日はいい話を聞いたなあ」と帰ればよかったの
ですが、これからは自ら発信していただいて、日常の暮らしの中で世の中の変
化のための実践をしていただかなければいけない時代になったと考えています。
 
 最初は小川社長や私が参加させていただきますが、その後は皆様自身で
「よりあい」を運営していただき、運営にも積極的に関与していっていただいて、
お互いの良い世の中づくりのためにやっていることのシェアをしていってほしい
と思っているのです。
 
 これからの時代は、少数のカリスマによって引っ張っていってもらう時代で
はないと思います。私たち一人ひとりが責任を持って自分の役割を果たしてい
かなければいけない時代なのです。だから、小さいことには構わないで、自分の
日常を良い方向に少しずつ変えていくことが大切なのです。


 (株)本物研究所の販売店の皆様に支部を運営していただく試みも積極的に
進めていこうと思います。
 昨年、台湾に行ったときに李登輝元総統が兒玉裕子さんの(株)にんげん
クラブの名刺を見て「にんげんクラブ?にんげんクラブなあ、にんげんクラブ
かあ!」とつぶやいておられました。よく考えてみればにんげんクラブというの
はすごい名前ですよね。
 
 こんな名称をつけるのは船井幸雄の真骨頂だと思いますが、もうひとつすごい
のは本物研究所という会社名です。本物を研究するのですから、すごい大きな役
割を持っているのだと思いますし、にんげんクラブと本物研究所は絶対に何が
あっても大切にしなければいけないと大勢の人から言われています。それが船井
幸雄の気持ちを引き継いで仕事をする私たちにとってはとても大切なことだから
です。

 
__ 5.JPG


 写真は先日岐阜で行われた支部よりあいの風景です。岐阜は「王様の手」と
いうタッピングの技術を(株)本物研究所とタイアップして運営している会社の
本部での開催になりました。社長さんが行きつけの居酒屋さんから手作りの
料理を運んでいただき、とてもアットホームな雰囲気で「よりあい」が進んで
いきました。
 
 日本中の支部代表さんがそれぞれ自分のやり方で「よりあい」を運営してい
るのですから当然かもしれませんが、それぞれの地域の個性があってそれは
本当に楽しいものです。阿波踊りではありませんが、「踊る阿呆に見る阿呆、
同じ阿呆なら踊らにゃ損々」ですので、会員として「よりあい」に参加するだけ
ではなく「よりあい」の運営側に回ったら100 倍ぐらい楽しくなると思います。

 少し誤解されるかもしれませんが、何もボランティアに徹していただく必要は
ないのだとも思っています。本物研の販売店であれば、売っている商品の宣伝を
していただいても結構ですし、営業マンであれば自社商品のアピールをしていた
だいてもいいのだと思います。
 ただし、商売だけが優先した会にするつもりはありませんので、いい世の中を
つくるという大前提がしっかりとしていることは条件になると思います。
 
 また、これも各支部の個性が出て構わないと思っています。絶対に商売禁止の
支部があってもいいと思うし、ゆるやかにそれぞれの営業をすることを認める支部
があってもいいと思っています。どういうふうに運営していくのかのガイドライン
のようなものはできればつくりたくないと思っています。
 
 それも上から強制されるのではなく、会員の皆様でつくり上げていただきたい
と思っているのです。今のところ、支部活動については愛知県が一番先行してい
ると思います。昨年の11月には映画「祈り」の上映会を成功させて、それが全国に
広がっていますし、今年の4月27日にはにんげんクラブ愛知大会を手づくりで開催
してもらうことになっています。
 
 できれば、全国の支部代表の皆様に交通費の一部を支給させていただいて名古屋
までその様子を見にきていただきたいと考えています。自分たちの手で大きなイベン
トをつくり上げていく、それがまずにんげんクラブとしての当面の活動になっていけば
いいと思います。そして、そのイベントは私たちがびっくりして想像もつかないもの
として実現していき、それでそれに刺激された他の支部がまた独自のびっくりするよう
なイベントを行っていくという善循環ができることを期待しているのです。
 もっともっと一人ひとりの会員の皆様がにんげんクラブの支部活動に積極的に参加
していただくことを期待しています。よろしくお願いいたします。

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