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マインドフルネス

 先月ご紹介した西原克成先生の教えを思い出しては、口呼吸ではなく
鼻呼吸をするように心がけています。そうすると、意外なほど鼻が詰
まっていて、かなり意識しないと口呼吸をしてしまっている実態が分
かってきます。冬はともかく夏は大丈夫ではないかと思うのですが、
ほとんどの時間を快適な冷房環境の下で生活しているために、少し寒い
と感じると鼻が詰まっていることが多いことに気づきました。

 イスラエルの旅行は例年にない異常気象で連日40度越えになる厳しい
ものでしたが、行きの飛行機の中が寒くて風邪を引きそうになりました。
帰りの飛行機では教訓を活かして機内にセーターを持ち込んで事なきを
得ましたが、現代の便利な生活には落とし穴があることを認識できるい
い機会になりました。

 ところで、これには嬉しい副作用があって、鼻呼吸を意識すると自然
に呼吸に意識がいくようになり、駅まで歩いている時間や電車の中で
立っている時間にも自然にプチ瞑想ができていることを認識できるよう
になってきたのです。瞑想といえば今流行りのマインドフルネスですが、
この分野の第一人者である人見ルミさんの著書『マインドフルネススト
レッチ』(KADOKAWA)
を読んでいると、まさに駅まで歩いている時
間や電車の中でもできる呼吸法のことを詳しく具体的に紹介されている
ので、このシンプルで実践的なところが人見さんの人気の秘密なんだろ
うと思いました。

 そこで、本を読み進めていくと、オフィスに着いてからもパソコンを
立ち上げている短い時間を使って瞑想することが勧められています。通
勤途上もそうですが、忙しさを感じてしまう生活を送っている私たちは、
ついついそんな細切れの時間もスマホやタブレットを見てしまい、それ
でさも時間を有効に使っているつもりになっています。

 逆にオールドメディアを手放せていない私は、家ではパソコンを立ち
上げる時間がもったいなくて、その時間を使ってざっと新聞を読んだり
してしまうのですが、新聞の記事が面白いとついそちらに集中してし
まって、せっかく立ち上げたパソコンがそのままの状態で放置されてい
たりして、実は電気の無駄遣いをしていることになっているのかもしれ
ません。忙しがることの弊害を教えてくれているのがマインドフルネス
の精神になるのかもしれませんね。

 会社でもパソコンが立ち上がるのを待っているのはイライラするので、
まず鞄からノートパソコンを取り出して、何はともあれ電源を入れます。
それからコンセントを繋いだりLANを繋いだりして準備を終えてから、
机の上の未決裁の書類に目を通すということで時間の無駄遣いを防いで
いるつもりになっていますが、本当はその時間を使ってゆったりとプチ
瞑想をするぐらいのほうが、一日の仕事をするための態勢を整えるのに
は有効なのだろうと思います。

 さらに、マルチタスク(一度にいろいろな仕事を並行してこなす)は
実は効率が悪く、ある程度集中してシングルタスクで取り組んだほうが
いいというアドバイスがあり、まったくそうだなとうなずいてしまいま
した。私の場合、原稿を書くときに調子のいいときはまさに集中してシ
ングルタスクで取り組めますが、なかなか書けないときはついついメー
ルをチェックしたり日経平均や為替をチェックするなど、どうでもいい
ことに時間をかけてしまって肝心の原稿が書けなくなってしまうことが
よくあります。

 もちろん、シングルタスクで集中して書いたときのほうが、いい原稿
になるケースが多いので、いまは他のことに気を取られないように集中
することを心がけてこの原稿を書いています。

 瞑想法で最近もうひとつ気に入っているのは、自分の心臓の鼓動を聞
きながら瞑想するというやり方です。これは清水義久先生のワーク
ショップに行ったときに教えていただいたものなのですが、呼吸が一番
やりやすいと思いますが、自分の体に流れている何らかのリズムに意識
を集中させることで、自然と瞑想状態になっていくことができるのです。
上級者向けで難しいようですが、腸と脳のバイオリズムをシンクロさせ
られるようになると、脳の活性化にかなり繋がっていくと感じるので挑
戦してみたいと思っています。

 そんなことを考えているにもかかわらず、ついついマルチタスクの癖
が出てしまって、人見さんのマインドフルネス研修のホームページを見
てしまいました。そして、見つけたのが私もよく知っているサトケンさ
んこと佐藤研一さんと人見さんが3年前に開かれた「サトケンさんの重
ね煮料理教室とメディテーション」というセミナーの記事でした。普通
に考えると、料理教室と瞑想が一緒になるとは思えませんが、『マイン
ドフルネスストレッチ』
を読んでいると、昼食のときにも「マインドフ
ルネス・イーティング」ができることが紹介されていました。

 
(引用開始)

① スマホ、タブレットなどのスマートデバイスや本をしまいます。
② 料理を口に入れ、約2分間、飲み込まずにゆっくりと噛み続けま
 しょう。
③ 味(甘さ、酸っぱさ、辛さ、塩辛さ、苦さ)の変化や食感、だ液
 の変化、そしゃくした食べ物が喉から食道へと移動する感覚に意識を
 集中します。

(引用終了)

 これを読んで思い出したのが、アーユルヴェーダ(インドやスリラン
カの伝統医療)の合宿に参加したときに、インド人の先生がおっしゃっ
ていた食事の仕方です。まず、食事のときには会話はしない。じっくり
とそしゃくして食べ物の味を味わい尽くし、食材に命を与えてくれてい
る植物(動物:アーユルヴェーダでは基本的にベジタリアンの食事をと
ります)に感謝の念を送るのです。合宿のときしかできませんでしたが、
確かに食材とコミュニケーションが取れたような気がしたことを思い出
しました。

 そんなこともあって、にんげんクラブストアで販売している佐藤研一
さんの『求めないで歩いた25年 今、ここ、サトケン』という小冊子を、
サトケンさんの波乱万丈の人生に驚きながらも楽しく読ませていただき
ました。この会報誌でびっくり現象のインタビューを担当してくれてい
る山上晴美さんが編集して作り上げたものなのですが、にんげんクラブ
ストアの隠れた人気商品になっているようです。

今ここサトケン76.jpg

 サトケンさんの人生そのものが、まるでマインドフルネスを実践して
いるようです。目の前にあることをとにかく一生懸命トコトン楽しみ尽
くして余計なことを考えない。すると、誰も経験できないような味わい
深い人生を体験し尽くし、やがて自分がやるべきことが自然に分かるよ
うになってくるのだということが実例で示されています。混迷の時代を
生きていくための素晴らしいヒントがたくさんもらえる本だと感じまし
た。

 ITベンチャー企業の取締役を退任したサトケンさんは、人生の師とな
る船越康弘さんが営む岡山の山の中にある民宿で半年間、丁稚奉公生活
を送ります。そこで、究極レベルで日常のことに取り組むと心の使い方
が変わってくる。そのうえで料理に取り組むと、自分独自の料理が作れ
るということを学んでいきます。美味しいというよりは、優しく丁寧で
明日もまた食べたいという料理が作れるようになるのだというのです。

 これを読んでいると、すべての仕事や生きるための活動がマインドフ
ルネス=瞑想に繋がっていくということが分かります。私も自分の原稿
がうまいというよりは、優しく丁寧で次回もまた読みたいと思えるもの
になるよう精進してみたいと、少しだけ感じるようになりました。誰も
がそんな生き方をするようになれば、AIが今の多くの無機質な仕事を肩
代わりしてくれるような時代になったときにも、私たちが楽しく充実し
て生きるすべが発見できるのではないかと感じています。



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