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東京を離れる意義

 
 南房総の岩井海岸の民宿でこの原稿を書き始めました。いまは日曜
日の朝なのですが、あと30分ほどで朝食の時間になり、そのまま東京
に帰ることになっているので、原稿を仕上げるのは東京に帰ってから
か、もしかすると月曜日以降になるかもしれないなあと思いながら書
いています。


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 いまここにいる目的は、お世話になっている会社の幹部の方と合宿
会議をするためです。とても難しい課題についてのご相談をいただい
たのですが、それにお答えするには、単に言葉や書類で理解してもら
うのではなく、一緒に考えて頭ではなくて腹で分かっていただかなけ
れば難しいと感じました。そこで、東京を離れたいい環境で一緒に会
議をして解決しましょうという提案をさせていただいたのです。

 岩井海岸は大学生の時、サークルの合宿で来て以来なので、30年ぶ
りに訪れたことになります。泊めていただいている民宿は、WIFIも完
備されていて、食堂を会議室代わりに使わせてもらっているのですが、
PCをプロジェクターにつなぎ会議の資料を映し出して、適宜、参考に
なるホームページを検索してみんなで確認しながら、スピーディーに
会議が進んでいきました。30年前の民宿のイメージでインターネット
環境なんてないのかなと思っていたのですが、おかげさまで、ずいぶ
ん早く問題を解決することができました。

 当初のイメージでは、忙しい幹部の方たちと共有できる時間が限ら
れていたので、徹夜で話し合いをすることになるかもしれないなとい
うイメージだったのですが、おかげさまで夕食の時にはビールを飲ん
で、お風呂に入ってからも美味しいお酒を存分に楽しむことができま
した。結構、遅くまで飲んでいたのですが、鳥のさえずりで気持ち良
く早朝に目が覚めて、海まで散歩に行って、それでもまだ少し時間が
あったので、この原稿を書き始めたというわけです。


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 物理的、時間的に考えれば、東京の本社で会議をした方が効率がい
いのですが、昨日の会議でも話題にした『出現する未来』(講談社)
という本を読んで、良い環境に身を置いて物事を考えることの大切さ
を知りました。『出現する未来』はU理論という考え方を紹介した本
です。U理論は日本では、『失敗の本質』(ダイヤモンド社)という
名著を書かれた一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生が権威ですが、難
しい時代にどうすれば理想的な未来を引き寄せることができるかとい
うことを学術的に体系化したものです。

 さて、ここからは東京の自宅で続きを書きます。時間はまだ朝の10
時前です。東京湾アクアラインのおかげで1時間余りで東京まで帰っ
てくることができました。たったこれだけの時間であれだけ環境が変
わるのなら、大事なことを共有するために環境の良いリゾート地で会
議や研修をする意義がよく分かります。今回は、かなり難しいテーマ
だったので、本当に少人数にしてもらい、完全に本音で話してもらう
環境を作りました。会議のメンバーは東京の人がほとんどで、普段そ
の会社にお伺いする時は、なるべく標準語で話すのですが、今回は大
阪弁丸出しで話しました。

 どこまで意図に気づかれたかは分かりませんが、日常と違うという
ことは十分に気がついていただき、そこまで言っても大丈夫ですかと
いう本音がドンドン出てきました。そして、今回の合宿で理想の未来
像を肚に落としていただいたことで、その会社にとってすばらしい未
来を出現させることが可能になったという共通認識を持っていただけ
たという達成感があります。

 私が船井総研に入社した頃の人気商品に、5年計画を作るという
「中期経営計画づくり」というパッケージがありました。父は、その
商品を説明するときに、計画を作っている過程ですでに業績が上がり
だすので、だまされたと思って頼んでくださいと話していたものです。

 いまは、当時よりも格段に便利なITツールがあるおかげで、リゾー
ト地でも東京の本社に遜色を取らないだけのIT環境を整えることがで
きますので、絶対に良い環境で経営計画を作られることをお勧めしま
す。

 アメリカの業績の良い会社は、大事なことを決めるミーティングの
時は、必ず社外に行くということを、たしかチームマネジメント関連
の本で読んだことがあります。経費のことや休みの日に社員を拘束す
ることになり、代休が発生することを嫌う経営者の方も多いと思いま
すが、信じられないぐらいに効果があがりますので、一度試してみる
ことをお勧めします。ちょっと営業妨害になるかもしれませんが、コ
ンサルティング会社に計画を作ってもらうことを頼むのではなく、社
員の皆さまで一緒になって作りあげることに意義があるのです。

 もちろん、慣れている外部の専門家にファシリテーションしてもら
う(今回の私の役割はこれでした。会議の方向性を決めてまとめるこ
とです)ことは推奨します。でも、これからのリーダーはカリスマ性
を持って自分の意見を伝えるよりも、ファシリテーション能力を上げ
て、みんなの声を上手く引き出すことがより大事になっていきますの
で、その能力を磨くことをぜひ忘れないでいただければと思います。


   



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