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「ココロ」の経済学


 依田高典著『「ココロ」の経済学 行動経済学から読み解く人間のふしぎ
(ちくま新書)を読んでいます。最近、経済学のことがとても気になるようになっ
てきました。私は商学部を卒業したので経済学は一応習ったのですが、学生
時代はあまり好きな科目ではありませんでした。

 概論ぐらいまでは分かるのですが、私が学生の頃はすでに計量経済学が
経済学の中心になっていて、文系志望で受験に必要なものしか数学の勉強
をしていなかった私の知識では猛勉強しなければついていけなかったからで
す。


 私は、大学に入るまでは一生懸命勉強するが、入ってしまったら必要最低
限単位を取るためだけの勉強しかしないという典型的な文系の学生でした。
そんな私ですから、努力して数学の勉強を独学でする気にはとてもなれませ
んでした。教科書に出てくる数式の意味も分からずに、どうやって単位をもらっ
たのか記憶にないのですが、結論から言えば何も覚えていない状態で卒業し
てしまったのです。

 ところが最近になって、舩井メールクラブの原稿を毎月書くようになり、さら
舩井幸雄.comの毎週書いているブログでも必ず経済の話題に触れてくだ
さいという藤原編集長からのリクエストに応えなければならなくなり、いまに
なって経済の猛勉強をしている状態です。特に、大統領選の結果の予測を
外してからは、私の一方的な思いですが副島隆彦先生に弟子入りした気分
になっていますので、その猛勉強のステージがちょっと変わったように感じ
ているのです。


 おもしろいのですが、私は具体的な数式は苦手なのですが、抽象的な概念
でものを理解するのは得意なようです。ザ・フナイにも連載していただいた若
手天才物理学者の周藤丞冶さんに見抜かれたのですが、理論物理の難しい
話も彼が私が理解できる概念の話にブレークダウンしてくれると、分からない
なりに雰囲気が掴めるようになります。別に学術的な論文を書かなくてはい
けないわけではないので、後はそれを皆様にご理解いただけるようにブレー
クダウンすればいいということになります。

 ただ問題なのは、私の悪い癖なのですが、自分がまだ中途半端にしか理
解していない状態でもすぐに話したり書いたりしたくなるので、難しくてよく分
からないという反応が返ってくることが多いことです。それでも、経済学の概
念的な理解は学生時代にできているので物理の話よりは分かりやすいはず
だと思っています。

 ところが、先日の中矢伸一先生との共著『日月神示的な生き方』(きれい・
ねっと)
の出版記念講演会で自信たっぷりに経済学の話をしたら、難しくて
分からなかったと言われてしまったので、そのリベンジをこのウィークリー・レ
ポートでしてみたいと思って冒頭の行動経済学の本を読み始めたというわけ
です。


 まず本書の第一章の冒頭には経済学の簡単な説明があり、端的に経済
学とはどういう学問かが分かりやすく紹介されているので、そこの部分を引
用してみたいと思います。



(引用開始)

 経済学は、モノやおカネを効率的に使って、人間の満足(「効用」と呼びま
す)や会社の利益(「利潤」と呼ばれます)を最大にするための学問です。
伝統的な経済学が人間のココロをどうモデル化してきたかご存知ですか。

 冷徹無比で計算高い人間、お金ばかり重視する人間、自分の利益を優先
する人間。残念ですが、あながち間違いではありません。こうした人間像を
ホモエコノカミス(経済人)と呼びます。

(引用終了)

 この後、経済人のイメージをスタートレックのスポックのイメージだという話
が展開されていきます。経済人の概念は、確かに現代人の見本としてあな
がち間違いではありませんが、残念ながら完璧に合理的に動ける人間はほ
とんどいません。身体に悪いと分かっていてもお酒やたばこや甘いものをな
かなかやめられない非合理的な行動をするのも人間なのです。

 ちなみに行動経済学は、正統派の経済学が経済人だけしかいない特殊な
世界を前提に、それをさも自然科学のように効用を最大にするというミクロ経
済学中心の視点で展開され、ほとんど数学の領域で論文を書いている実態
を批判する向きから生まれました。それでは実用社会では役に立たないとい
う当たり前の批判から生まれたものなのです。今世紀に入って、行動経済学
の第一人者がノーベル経済学賞を受賞したりしていて、いまではかなり認め
られる存在になっているという紹介がなされています。


 論理の世界だけで証明ができる自然科学ではなく、実際の生活の役に立
つ社会科学としての役割をもう一度見直そうという動きと解釈してもいいと思
います。学生時代、教授に「いま学んでいることが社会で役に立つとは思え
ないのですが」という生意気な意見を言ったことがあります。教授の答えは、
「学問とは実際の社会では役に立たないものです」というとても潔いものでし
た。


 父の後を継いで、皆様にお伝えしている舩井メールクラブや舩井幸雄.com
では、実際に役に立つ情報をしっかりとお伝えしていきたいと思っています。
ますます精進しますので、これからもよろしくお願いします。


 とにもかくにも、今回はホモエコノミカス(経済人)が前提なんだということぐ
らいはなんとなく分かっていただければありがたいなと思いながらペンを置き
たいと思います。



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