« 前の記事を読む | BLOGトップ | 次の記事を読む »
皆さん、こんにちは。映画監督の白鳥哲です。
マイクロバイオームと言うのをご存知でしょうか?
最近、次回作品の準備をする中で知りました。
私達の肉体は約1000兆個もの常在菌と呼ばれる微生物が存在しています。
最近、遺伝子工学の進歩により微生物に関しても大分、分かってきています。
その中で、マイクロバイオームと呼ばれる細菌叢に注目が集まっています。
口腔や鼻腔、胃などにそれぞれ固有の細菌集団が存在していて、それらが免疫力や
神経細胞を制御したり増やしたりしていると言うのです。
つまり、体内の微生物が私達の健康をコントロールしているのです。
九州大学の須藤信行教授が次のような実験をしました。
生まれたてのマウスを特殊な環境で育て、微生物が住み着かないようにして無菌状態の
マウスにします。
もう一方は通常のマウスで、体内に微生物がいます。この両者を拘束してストレスを
与えるのです。
すると、無菌マウスの方が通常のマウスに比べ、ストレスホルモンの血中濃度が高まり、
脳の海馬の脳由来神経栄養因子BDNFの遺伝子発現が低下すると言う結果が出ました。
菌類がいないと記憶や学習能力を下げ、ストレスに弱くなるのです。
私達の身体の中にある細菌集団が、ストレスを軽減させたり、免疫力を高めていると言う
事なのです。
今まで私たちは、「バイキンマン」という名前に象徴されるように、菌類=悪の構図の
価値観が植え付けられて、「除菌」が大切なように言われてきました。しかし、私たちの
体は微生物達の働きによって、健康が維持されているのです。
その菌類達の中で、腐敗ではなく、発酵して、体内や環境を蘇生させていく微生物達が
います。乳酸菌や酵母菌、光合成細菌などに代表される菌類達です。
そうした人間や他の生命にとって有用な微生物達を活用して共存させていくと、放射能の
問題(放射能もエネルギーです。それらを活用する微生物たちが存在しています)、環境
ホルモンの問題、ゴミの問題など、人類が直面している問題を解決する可能性を秘めて
いるのです。
その希望の光が、「微生物による蘇生」にあるのです。
私たちは、次世代が地球で生きていくためにも、地球を蘇らせる責任があります。
それを行動する時期に来ています。私はそのための行動を開始いたします。
映画「祈り」は、人の意識を扱った映画で、スペインマルベーリャ国際映画祭ベスト・
ドキュメンタリー賞、ニューヨークマンハッタン国際映画祭ベスト・グローバル・
ドキュメンタリー賞グランプリを受賞しました。
世界の人々の間で、意識の覚醒が起きつつあるのを感じます。
映画「祈り」では、意識の力が、地球にも影響を与えることを語りました。今度は、
全ての生命との共生です。私たち人間は、空気がなければ生きていけません。
水がなくては生きていけません。植物や動物、微生物たちがいなければ生きていけない
のです。全ての生命たちとの共存を人類は次の世代のためにも目指す必要があるのです。
私たち人類は、ほかの生き物たちを無視し続けてきました。しかし、彼らがいるからこそ
私たちは生きていけるのです。
全ての命は繋がっているのです。
生物たちとの共生が、私たちの未来を永続可能な世界にしているのです。その生物たちの
象徴「微生物」との共生が次の時代のキーワードとなります。その辺のお話と最新のお話を
これからしてきいたいと考えてます。
ニューヨークマンハッタン国際映画祭での授賞式の様子です。ご覧ください。
.