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にんげんクラブの皆様こんにちは。熱海在住のこだまゆうこです。
突然ですが、皆様は本屋さんではどのコーナーがお好きでしょうか。
本屋さんでどんな棚に興味があるかで、その人はどんな性格なのかが、けっこうわかりますね。
私は、精神世界、家事、趣味、育児、ペット、エッセイ、などの棚が好きです。
本屋さんでは仕事柄ひととおりぐるりと回りますが、
昔から、あまり頭を使わない簡単そうな本のほうが好きです^^。
ところで、先日は、お休みの日にぽっかりと時間が空いたので、
熱海にある戸田幸四郎絵本美術館へ行ってきました。
熱海の駅から車で20分くらいの、気持ちの良い小さな美術館でした。
そこでは、いろいろな絵本の原画や、オブジェが展示してあり、お庭や噴水もかわいくて、まわりの雰囲気と良く調和していました。
お庭からは、絶景の海が良く見えて、癒されますし、カフェのカレーライスも、とてもおいしくて、お気に入りの場所が、また一つ増えたような気分です。
戸田幸四郎さんの絵本は、「そういえば小さい頃にこの絵を見たな」と
記憶の片隅にある程度でした。
「走れメロス」以外の絵本は、まったくストーリーを憶えておらず、
良い機会だったのでいろいろと読んでみました。
すると、少ない言葉で物語が展開していくにもかかわらず、
かなり深く、いろいろなことを考えさせられる本が多いことにびっくりしました。
特に、宮澤賢治さんの書かれた「竜のはなし」が絵本になったものは、
竜のものすごい優しさが心にしみて、涙が出そうでした。
このように、切なく、温かい気持ちになる絵本を、小さな頃から読んでいたら、
人の気持ちがわかる心優しい人に育つかもしれないな、と感じました。
戸田幸四郎さんの描く絵は、「走れメロス」や「竜のはなし」などの、
深く重いストーリーへの挿絵として、油絵で重厚なタッチのものと、
0歳から3歳くらいまでを対象にした絵本の、シンプルで底抜けに明るいタッチのものとがあります。
たぶん、子どもの頃には、重厚なタッチの方はあまり好きではなかったかもしれませんが、
大人になってから見ると、子どもへの絵本だからこそ本物を・・・と願って描かれた戸田さんの気持ちが、わかるような気がしました。
この挿絵だからこそ、心に響くのかもしれない、とも思いました。
また、シンプルで明るいタッチも、計算されつくしたシンプルさを、
そこから感じとることができました。
おかげさまで、とても充実して、リラックスのできるひと時を過ごすことができました。
こんなひと時を過ごせたおかげで、小さな頃からの情操教育として、
読み聞かせは大切だと改めて思いました。
以前に甥っ子がまだ1歳半くらい頃に、絵本の読み聞かせをしてあげたら、
いつもは落ち着きがなくて、日本語もまだ理解できていなさそうなのに、
おとなしく楽しそうにじっと本を見つめていたことを思い出しました。
きっとわからないなりに、言葉だけでない何かを、絵本から感じとっていたのだと思います。
また、大人になってからも、たまに絵本を見ることは、かなり大切だと思います。
読み聞かせは、子どもにとってだけでなく、それを読む大人の心にも、
忘れていた子ども心や優しい心を、取り戻してくれるのかもしれません。
読書の皆様も、もしお時間があれば戸田幸四郎絵本美術館に、
ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
お時間のない方は、本屋さんの絵本コーナーなどで、しばらく子ども心に戻って、
絵本を眺めてみてください。きっと楽しいひと時を過ごせると思います。