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ルルドの泉

にんげんクラブの皆様こんにちは。ドイツ在住のこだまゆうこです。
 
日本でも、一日のうちに突然8度くらい気温が低くなる、というような秋の日が
続いているそうですが、いかがお過ごしでしょうか。
 
こちらドイツでは、もうすでに真冬のような寒さで、ダウンコート、帽子、手袋、マフラーなどが
手放せません。10月の今からこのような格好をしていては、本当の真冬に何を着れば良いのだろう?
などと温暖な気候で育った私は心配しているところです^^。
 

本日は、日本でも病気を癒す奇跡の泉として有名なフランスの「ルルドの泉」について
レポートしたいと思います。

以前のブログで、「奇跡のメダイ教会」についてレポートしましたが、そのご報告を
赤池キョウコさんにしたところ「ルルドも本当にすばらしい場所でオススメなので、
機会があればぜひ行ってみてください!冬季は飛行機が激減するらしいですよ。」
との情報をいただきました。

赤池さんからの情報ならばきっとすばらしいところであろうと早速調べてみると、
やはりルルド行きの飛行機が10月いっぱいで激減してしまうそうでした。
 
冬季はホテルも閉鎖されるところが多く、もうすぐシーズンオフ(?)になってしまうようです。
(もちろん教会自体が閉鎖されるわけではないようですが、復活祭から毎日行われていた
 夜間の祈りのミサが10月半ばには終わるからのようです。)
 
これは飛行機のあるうちに行かねば!と予約をし、土日を利用して行ってきました。
 
 
20101028_1.JPG
(こちらが、ルルドの泉のある無原罪のお宿り聖堂です。)
 
 
ルルドの泉を知らない方のために少しご説明させていただきます。
  
1858年の2月に、マサビエルの洞窟の近くで薪拾いをしていたベルナデッタという名の
14歳の少女の前に、輝く美しい女性が現れました。
ベルナデッタはその女性を当初マリア様とは思っていませんでしたが、その姿形から、
どうやらマリア様が現れたらしい、と噂は広まっていきました。
 
何度目かの出現の後、ベルナデッタから名前を聞かれた女性は「自分は無限罪の宿りである」
とだけ言いました。「無限罪の御宿り」がカトリックの教義となったのは、その女性出現の
四年前でしたが、学校へ行かず読み書きもできない無学なベルナデッタがその言葉を知るはずもなく、
その女性は聖母マリア様であろう、と言われるようになりました。
聖母はその後、18回にもわたってベルナデッタの前に現れたと言います。
 
さて、ルルドの泉は、聖母が現れた洞窟にあります。そこには、もともと泉があったわけではありません。
ある時聖母がベルナデッタに「泉に行って、その水を飲み、顔を洗いなさい」と言いました。
 
ベルナデッタは近くの川に行こうとしましたが、聖母は洞窟の岩の下へと行くように指差しました。
そこをよく見ると、泥水がわいてきており、少し掘るとどんどんと水が溢れ出し、飲めるほどの
清水になりました。それがルルドの泉の始まりです。
 
ベルナデッタは、その泉の水を飲むと、病気が治りますよ、と聖母から言われたわけでもなく、
彼女自身もそのように言ったことはありません。しかし、その水を飲んで病が治ったという人の
噂が噂を呼び、現在では年間500万人もの人が、世界中からルルドの水を求めてやってきます。
 
ベルナデッタは、後にマリア様の話や、ルルドの泉について言及するのを避けるようになりました。
多くの人々が有名人である彼女のもとにやって来て静かな生活ができないことを、苦痛に
思ったのかもしれません。彼女はヌベール愛徳修道会のシスターとなり、外界から遮断された
静かな生活を送った後、35歳の若さで、肺結核のために帰らぬ人となりました。
 
彼女の死後、先日お伝えした聖カタリナ様のように、不思議とご遺体は腐敗を逃れました。
1933年に、彼女はピウス11世によって列聖されました。そして現在でも、ヌベールの町で
ガラスの棺に納められ、聖ベルナデッタのご遺体は静かに眠っています。

以上が、簡単なルルドの泉と聖ベルナデッタについての説明です。
 
 
アーヘンからルルドまで、近いように思えて移動時間はなんと9時間でした。
朝の7時に家を出て、新幹線と地下鉄と飛行機を乗り継いでルルドのホテルに
ようやくついたのが、夕方の4時。
そして次の日の昼にはルルドを出発しなければならないという移動ばかりの忙しい日程でした。
 
さて、ルルドの泉の聖域に行ってみると、そこはとても気持ちの良い場所で、びっくりしました。
なんというか、「そのまんまのあなたでいいのですよ」と、マリア様の優しい愛につつまれているような、
そんな気分になるところです。
 
 
個人的には、ルルドはなんだか日本の伊勢神宮のようなところだと思いました。
神殿の近くに五十鈴川のような美しい川が流れていて、神域を出ると、おかげ横丁のような、
お土産屋さんがいっぱいあります。もちろん、神域で感じる雰囲気のようなものは全く違うけれども、
そこへ行くことを楽しみに各地から人が集まってくるところなど、なんだか似ていると思いました。

聖堂の前に到着したときには、ちょうど夕方のミサと騎馬隊の式典のようなものをやっており、
その迫力にびっくりしました。
 
20101028_2-2.JPG
(このような式典でした。見えにくいかもしれませんが、階段の上も人で埋め尽くされています。)
 
  
その式典を見終わった後、教会に参拝しました。
どこの教会や神社に行ってもそうですが、「世界が平和になりますように」ということを、強く祈りました。

神社や教会などではお願いごとをしてはいけない、とよく言われますが、私はいつもお願いごとをします。
参考までにどんなお願いごとかと言いますと、「いつも世界を守っていただいてありがとうございます。
世界がもっと平和になりますように。そのために、私もなるべくがんばるので、どうぞ、
悪いことをしていたら怒り、良いことをしていたら励ましたりしながら、遠くから見守っていてください。
それから、私の大切な人たちの病気がはやく治りますように。」と、こんな具合です。
(主人からは、「だいたい君はいつもお祈りが長すぎるよ。」と言われています・笑)

神社や教会などの祈りの場とは、私にとっては、感謝を伝える場であるとともに、
自分の決意表明の場でもあります。そのように祈ることによって、明日からもがんばろう、
という気持ちになります。
 
これが正しいのか間違っているのかはわかりませんが、自分にとってそれが一番心地良いので、
いいだろうと思っています。


参拝が終わって外を眺めると、今度は遠くから盛大な賛美歌が聞こえてきました。
そしてその賛美歌の歌にあわせるように、車椅子に乗った人、ベッドに寝たきりの人たちが、
シスターや家族の介護のもと、長蛇の列となって、巡礼の道を歩いていました。
  
20101028_2.JPG
(車椅子の人たちが、シスターに付き添われて進む列。後方にもずっと列は続きます)
 
 
その列を遠くに眺めながら、歌声を耳にしていると、嬉しいのか悲しいのかもわからない、
なんとも言えない感情が抑えきれなくなってきました。まわりに人がいるのもはばからず、
ボロボロと涙が出てしまい、気付けばひさしぶりに大泣きしてしまいました。

今でもあの時はなぜ涙が出たのか、自分でも処理しきれていません。しかし、なぜか頭の中で
「ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい。」と何度も言っている自分がいました。

いったい誰に対するごめんなさい、だったのか。それすらもわかりませんでした。

ただその涙が流れているときには、とても暖かい気持ちになりました。
生きていることを無条件に許された、そのような大きな愛を感じたようにも思いました。

もしかするとあのごめんなさいは、「自分をもっと愛していなくてごめんなさい」という意味の
「ごめんなさい」、だったのかもしれません。
 
 
さて、ひととおり泣き終わったら、次はマリア様が現れたと言われるマサビエルの洞窟へと
向かいました。ルルドの泉は、ここから湧き出ています。
 
20101028_3.JPG
(マサビエルの洞窟です。奥行きは深くありません)
 
 
泉、というからもっと噴水みたいなものを想像していたのですが、マンホールのような
小さなガラス越しにチラリと見えるだけです。
しかしここの前にはたくさんの祈る人たちが来ており、見るだけで15分くらい並びました。
  
20101028_4.JPG
(これが、ルルドの泉です)
 
 
ルルドのお水は、この場所でなく、別の場所の蛇口から汲めるようになっています。

さて、夕飯を食べた後に一度ホテルに帰り、夜の9時からはProcessions Marialeと呼ばれるミサ
(式典?)のようなものが開かれます。そこへ集まる人は、各々の手に火を灯した蝋燭を持ってきます。
 
ミサがはじまると、賛美歌とともに、マリア様の像が日本のお神輿のように担がれて、
教会から出てきます。そして広場を大回りでぐるっと一周するのですが、その後に車椅子や
寝たきりの病気の人たちの列が続きます。その間、聖母マリアの出現シーンを各国の代表者が
読み上げ、聴衆はマリア様へささげる賛美歌を合唱します。
 
こんなにも人がいたのか・・・・と思えるほど、ぞくぞくと集まってくる蝋燭の明かりの数に
びっくりしました。その日は少し小雨が降って曇っていたのですが、ミサが中盤にさしかかると、
綺麗な満月が姿を現し、天もミサを喜んでいるかのように思えました。
 
20101028_5.JPG
(ミサへ行く人々の列。写真が小さくて見えないかもしれませんが、大小たくさんのたまゆらが
 楽しそうに飛んでいるのが、見えますか?)
 
 
とくに美しいなと思ったのは、讃美歌の途中でみんながいっせいに蝋燭を天高く掲げて
マリア様を賛美する箇所です。
 
そのミサは、三十分くらいのものかと思っていましたが、結局1時間20分ほどありました。
夜間だったこともあり、後半はかなり寒くなってきて、帰りがけには震えていたほどでしたが、
それでも参加してよかったな、と思いました。
 
今ここで行われているたくさんの人々の祈りが、世界中に届きますように。そう心から思いました。
 
20101028_6.JPG
(聖堂から眺めたミサの様子と満月。手前の白いものは、前の人が手に持っている蝋燭のカバーです。)
 
 
長くなりましたが、以上がルルドの泉のレポートです。
とてもお勧めのイヤシロチですので、機会がありましたら、ぜひ行かれてみてください。
長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございます。



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