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本書は、京セラ、第二電電(現・KDDI)の創業者であり、日本航空の
経営破綻をわずか二年でスピード再生させた稲盛和夫氏の書き下ろし
新著です。
大きな志を持つこと、常に前向きであること、努力を惜しまないこと、
誠実であること、創意を凝らすこと、挫折にへこたれないこと、心が
純粋であること、謙虚であること、世のため人のために行動すること、
これら9つの項目についてまとめられています。とてもわかりやすく
丁寧にまとめられているため、稲盛氏の著書を一度も読んだことがな
い方でも、深く心に響く内容だと思います。冒頭には、一度きりの人
生を、真に実り豊かで輝かしいものにするために、と書かれており、
稲盛氏の本書に込められた思いが伺えます。
困難な状況に置かれたとき、自らを正しい方向へと導く「考え方」を
持つことで、逆境に打ち勝つことができます。真面目に努力を惜しま
ずに働くことや、いつも自らに正直に生きることは、頭ではわかって
いても、継続し続けることはなかなか難しいものです。難しいとわかっ
た上で、ではいかに努力をし続けるのか、本書はその具体的な考え方を
教えてくれます。
また、困難なときだけでなく、輝かしい成功さえも試練であり、その
ときにどのように生きるかがとても大切だと稲盛氏は言います。
地位や名声を獲得し、物質的に豊かになったときに謙虚に道を誤ら
ずに生きていけるかを、神様は試しておられるのではないか。その
ように自分を省みることのできる強さを、持ち続けていたいものです。
一日一日を無駄に過ごすことなく、向上心を持ちながら、常に全力疾走
で経営を続けてきた稲盛氏の言葉の数々は、とても説得力がありました。
経営者だけでなく、すべての方々にお読みいただきたい本だと思います。
(編集室 兒玉裕子)
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本著は『遺伝子スイッチ・オンの奇跡』の続編です。
著者は、がんで「余命1カ月」と宣告されます。死ぬ覚悟をしていた
その病床に『生命の暗号』(村上和雄著)という1冊の本が届きます。
「人間の遺伝子のうち、実際に働いているのは全体のわずか5パーセ
ント程度で、その他の部分はまだよくわかっていない」これを読んで、
それなら眠っている残りの95パーセントの遺伝子が目を覚ましたら、
私だって少しは良くなるに違いない。すべての細胞に「これまで支え
てくれてありがとう」とお礼を言い続けます。
10カ月後、10万回唱えて、がんはすっかり消えていたのです。著者の
閃きと行動力は、やはりすごいです。
それ以来著者は「遺伝子が喜ぶ生き方」を選び、人にもモノにも何ごと
にも「ありがとう」と感謝し、遺伝子のスイッチをオンにしていきます。
「ありがとう」が100万回を超えた頃、不思議なことが続出しました。
妊婦さんのおなかの赤ちゃんが話しかけてきたり、見ず知らずの人から
「久しぶり、元気だった?」と声を掛けられたり。
村上和夫先生は、著者の素晴らしい進化に「深く敬意を表さざるを得ま
せん」とコメントしています。人々の現実の悩みや苦しみに寄り添いな
がら、その根源に想いを馳せ、苦しみを少しでも減らそうとしている。
「同志」と言ってくださった村上先生との初めての講演会が、熊本の大
震災と重なってしまうのですが、仲間が著者を東京に送り出し、心配で
たまらない著者も、講演に魂を込める決意をする、その信頼関係に感動
しました。
「ありがとう」を言えば言うほど心は穏やかになり、生きること自体が
祈りであり、幸せであることを実感する。本著には著者の喜びがあふれ
ています。愛と希望を受け取ってください。
(編集室 柴切純子)
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本著は、折箱業界ではトップシェアと言われている、株式会社「ヤサカ」
の代表取締役である小澤勝也氏の著書です。
小澤氏は物心ついた頃から、父親が創業者である会社を継ぐものだと思っ
ていたそうです。父親は時間やお金にも独自のルールを持ち、厳しい人
だったそうです。父親が高校や大学は必要ないと言うので、自ら住み込
みで働く新聞配達の奨学金制度で学費を払いました。とにかく威圧的な
オーラがすごかったそうです。
いったん他社に就職をしたものの26歳で父親に呼び戻され、株式会社
「ヤサカ」の専務となりましたが、若さとプレッシャーから、そして、
なめられたりしないようにとの振る舞いをしました。
故に社内の雰囲気もピリピリとしていたら、伸びていた業績が、世の中
の景気が衰退するにつれ下降線をたどるようになり、ついに経営が傾い
てしまいました。
何をやっても空振りだったのが、ある日、経営者人生初めて、弱い部分
をさらけだし、社員のみんなに助けを求めたそうです。その日を境に売
り上げは下げ止まりました。そして、それが、「戦う経営」から「愛の
経営」へと大きく舵が切り替わったターニングポイントだったと冒頭
で述べられています。
役職で呼んでいた肩書をはずして、社員・パートの区別なく「さん」
づけにしたり、営業会議をなくしたりとユニークな会社経営をされて
います。
愛をベースとした経営を実践するために、会社の存在意識を「拡大」
から「継続」へと大きく転換し、売り上げの上下に一喜一憂しなくて
もいい経営をする挑戦を決断します。
まずは人ありきがベースになっているとのこと。人がやることに白黒
つければつけるほど、苦しくなる。人間関係も、商売も選択肢が多け
れば多いほどいいと言っています。
「愛の経営」は会社でも家庭でも役に立ちます。ぜひ、ご一読ください!
(編集室 江尻みゆき)