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軽減されない慢性的な感情


海外では、幼年期の虐待、育児放棄などに代表されるような子供にとって
ふさわしくない環境が、如何にして子供の脳を変えてしまうのか研究されています。

いま、小学校に入学する子供達が成人する頃は、AIの進化で半分くらいの職業
はなくなっており、新たな産業も生まれていることでしょう。
あえて、素朴な問題提起です。「将来、育児までAIですか?」

子供の能力を伸ばすのは、幼少期からの詰め込み教育ではありません。
子供の能力を引き出すのに一番大事なものは、幼少期の子供に対していかに、
ふんだんに愛情をかけて育てるかです。それが、豊かな社会を形成することにも、
いずれは繋がると思うのですが、いかがでしょうか?


今回のブロクは海外サイトからの内容です。
少し衝撃的な内容かもしれませんが、トラウマとは脳に刻まれたものです。
医療と脳科学のブレークスルーは既に始まっています
本文の結びの言葉ですが、
「脳と体は決して不変なものではありません。 常に変化していく過程にあるのです。」

少し長いのですが、最後まで読んで頂ければ幸いです。


軽減されない慢性的な感情的、肉体的な健康状態、そしてそれは、決して
止むことのない見えない流れに逆らって泳ぎ続けているように感じるかもし
れません。そんな状態がちょっと辛く、ちょっとばかり長く続いているのはな
ぜだろうと思ったことが、もしもあれば、ある科学研究の新しい分野は、希
望、答え、癒しの見通しを与えてくれるかもしれません。

1995年、ビンセント・フェリッティ医師とロバート・アンダ医師は、子供と思
春期の被験者17,000人におよぶ履歴を徹底調査する大規模な疫学研究
を立ち上げました。それは、子供の時の経験とその後の大人になった時の
健康記録を比較するものでした。

その結果は衝撃的でした。約2/3の被験者が有害幼年期経験(Adverse
Childhood Experiences ,ACEs)を一回かそれ以上経験しています。
有害幼年期経験(ACEs)は、フェリッティ医師とアンダ医師によって、子供
が直面する慢性的、予測不可能そしてストレスを誘発する体験を網羅する
ために新たに作り出した用語です。

これらは、うつ状態もしくはアルコール依存の親と一緒に育つこと、離婚や
他の原因で親を失うこと、慢性的に恥をかかされることに耐えること、感情
無視、性的もしくは肉体的虐待などを含みます。
これらの幼年期の感情的トラウマの形態は、日々成長に必要な体験課題
の枠を超えていました。

有害幼年期経験(ACEs)の回数は驚くほどの正確さで大人になった時に、
どれだけ医療にかかるかを予測していました。

●有害幼年期経験(ACEs)のカテゴリーの4つ以上に直面した場合、幼年
 期に逆境を経験している場合と比較してがんと診断される可能性が2倍
 高かった。
●女性の場合、それぞれの有害幼年期経験(ACEs)スコアが加算されるに
 連れて、自己免疫疾患で入院するリスクは20%上昇しました。
●有害幼年期経験(ACEs)スコアが4の人は、有害幼年期経験(ACEs)ス
 コアが0の人よりうつ病に罹患する可能性が460パーセント高くなりました。
●有害幼年期経験(ACEs)スコアが6以上であれば、寿命は約20年短縮され
 ました。

幼年期の慢性的で予測不可能な毒性ストレスの経験は、成人期に慢性的な
状態になる傾向にあることを有害幼年期経験(ACEs)の研究は物語ってい
ます。しかし、なぜ?

昨今、国中の研究室で神経学者たちは、かつては不可解だった脳と体の
繋がりを覗き込こみ。生科学的レベルで、まさに、どの様にして私たちが
若い頃に直面したストレスが大人になるまで影響を及ぼし、体、細胞そして
DNAさえ、変えてしまうのかについて解析中です。
科学者が見つけたものに驚かされるかもしれません。

子供の頃のトラウマについてのこれらの科学的な発見の一部は、熟慮する
には少し圧倒的でさえあります。
私たちは、感情的そして肉体的な痛みがどの様に絡み合っているのか考え
直さなくてはなりません。


1. 将来のストレッサーに効果的に対応する能力の喪失

幼年期や思春期に何度も何度もストレスを誘発する状況に晒されると、生理
的ストレス反応はオーバドライブになり10年、20年、たとえ30年後さえ、将来
のストレッサ―に対し適切で効率的な適応能力を失います。

これは、DNAメチル化として知られているプロセスのために起こります。小さ
な科学的指標、すなわちメチル基は、ストレス反応を調整に関与している遺
伝子と結びつき、これらの遺伝子が正常に働かなくなります。
遺伝子の機能が変えられるにつれ、ストレス反応は、生命に対し"高い状態"
に再設定され、炎症と病気が促進されます。

これは、私たちが大人の生活の中で経験する毎日のストレッサー(予期しな
い請求書、配偶者との不一致、または高速道路で私たちの前に、急に割り
込む車など)に過剰反応し、より多くの炎症を引き起こす可能性が高くなりま
す。これは次第に、自己免疫疾患、心臓病、癌、うつ病を含む多くの慢性疾
患の原因となる。

事実、イエールの研究者は最近、慢性毒性ストレスに直面する子供たちは、
"全ゲノムにわたって"ストレス応答を監視するだけでなく、広範囲の成人病
に関与する遺伝子においても、変化を示していることを発見しました。 初期
の感情的トラウマ、エピジェネティックな変化、および成人の身体疾患に関
するこの新しい研究は、医療界が長い間「肉体的」疾患と見なしてきたもの
と「精神的とは?」または「感情的とは?」との間の長年の図解を切り崩しま
す。


2. 脳の大きさと形の収縮

科学者は、発達中の脳が慢性的なストレスを受けると、感情と記憶を処理し、
ストレスを管理する脳の領域である海馬の大きさを実際に縮小させるホルモ
ンを放出することを発見した。 最近のMRI研究は、有害幼年期経験(ACEs)
スコアが高いほど、脳の鍵となる他の領域の前頭前野(意思決定および自
己管理能力に関連する領域)そして、恐怖処理センターである扁桃体におい
て、灰白質がより少ないとことを示唆しています。
有害幼年期経験(ACEs)によって脳の働きが変わってしまった子供たちは、
成人になると軽度のストレス要因にも過度に反応する可能性が高くなります。


3. 気分障害の可能性が高い

子供の場合、ニューロンとシナプスの接続は過剰です。子供の脳は一生懸
命に働き、周囲の世界を理解しようとしています。最近まで科学者たちは、
過剰なニューロンと接続の刈り込み現象は単に"使わなければなくなる"方
式でなされると信じていましたが、驚くことに、脳の発達過程で新たな役割
を担うものが現れたのです。
それは、非神経細胞であり、実は免疫系の一部であるミクログロリア(全脳
細胞の10分の1を占める)が刈り込み現象に携わっています。
庭師が垣根を刈り込むように、これらの細胞はシナプスを刈り込みます。
全ての細胞と細胞破片をのみ込んで、消化します。そして、それによって重
要な整理整頓の役割を演じます。

しかし、子供が有害幼年期経験(ACEs)の予測できない慢性的ストレスに
直面した場合、「ミクログロリアは、確実に活動が高ぶり、神経炎症を引き
起こす神経化学物質をどんどんと機械的に作りだします。」
「この目立たない状態の慢性神経炎症は、脳のトーンをリセットする変化に
つながります。」と脳の発達過程を研究しているメリーランド大学メディカル
センターの研究チームのマーガレット・マッカーシー博士は語ります。

それは、有害幼年期経験(ACEs)の履歴があったり、一貫性があり、愛情
のある大人の存在を欠いて育った子供たちが思春期になった時、気分障害
を発症したり、実行機能や意思決定スキルが低下したりする可能性が高く
なることを意味します。


4. テロメア

感情的な表現になるが、幼年期のトラウマは、仲間たちより「年上」に見られ
るようにしてしまいます。現在、デューク大学、カリフォルニア大学、サンフラ
ンシスコ、ブラウン大学の科学者たちは、有害幼年期経験(ACEs)が細胞
レベルで子供を時期尚早に老化させる可能性があることを発見しました。
幼年期にトラウマに直面した成人は、ゲノムを健康で無傷に保つテロメア
(DNA鎖の端にある保護キャップ、例えば靴ひものキャップのようなもの)が
より多く侵食されています。 テロメアが腐食するにつれて、病気が発症しや
すくなり、細胞もより早く老化します。


5. 回りの世界に適切に反応する時の問題

私たちの脳の内部で、 "デフォルトモードのネットワーク"と呼ばれる神経ネッ
トワークは、道路でアイドリングしている車のように、静かに鳴り響いていま
す。それは記憶と思考の統合に関連する脳の領域を結びつけ、いつもスタ
ンバイしていて、次に何をする必要があるかについて理解する準備ができて
います。

「脳のこれらの領域の密接な接続は、関連性があるものと関連性がないもの
を判断するのに役立ち、その結果、周りの様々な環境に対応する準備がで
きるのです。」と神経科学者、精神医学の教授そしてオンタリオ大学の心的
外傷後ストレス障害(PTSD)研究部門局長のルース・ラニウス教授は説明し
ます。

しかし、子供たちが幼年期に有害幼年期経験(ACEs)に直面し、日常的に
闘争・逃避反応モードに陥ると、デフォルトモードネットワークがオフラインに
なり始めます。 それはもはや、何が関連しているのか、あるいは次に何をす
る必要があるのかを理解する助けにはなりません。
ラニウス教授によると、幼児期にトラウマに直面した子供たちは、トラウマが
刻印されて数十年後でさえ、デフォルトモードネットワークの接続性が低下し
ています。 彼らの脳は、健全なアイドリングポジションに入るようには思えな
いので、周りの世界に適切に反応するのに苦労するかもしれません。


6. ストレスは肉体的苦痛をもたらす

最近まで、脳が「免疫特権」、すなわち、体の免疫系から遮断されているとい
うことが科学的に認められていました。しかし、バージニア大学医学部の研
究者たちによって行われた画期的な研究によると、それはそうでないことが
判明した。

研究者らは、リンパ管を介して脳と免疫系との間を移動するわかりにくい経
路があることを発見したのです。リンパ系は循環系の一部でリンパを運びま
す。リンパは毒素を排除したり、免疫細胞を身体のある部分から別の部分
に移動させる液体です。今、我々は、免疫系の経路には脳が含まれている
ことを知っています。

この研究の結果は、有害幼年期経験(ACEs)研究に深い意味があります。
有害幼年期経験(ACEs)がある子供にとって、精神的苦痛と身体的苦痛と
の関係性は強く、慢性的なストレスを受けると、子供の体に溢れ出す炎症
性化学物質は、体だけに閉じ込められません。頭からつま先まで循環する
のです。


7. 不安やうつ病を発症するリスクが高い

神経精神医学者でウィスコンシン大学の小児・青年精神科助教授である
ライアン・ヘリンガは、慢性的な幼児期の逆境を経験した小児および十代
は、前頭前野と海馬との間の神経接続が弱いことを発見した。また、女の
子の場合、前頭前野と扁桃体の間の繋がりが弱いことが示されました。

前頭前野と扁桃体の関係は、私たちの日常生活において、どのように感
情的に反応するのか、そしてまた、どの様に日常の出来事が、ストレス状
態もしくは危険と知覚するのかを決定する重要な役割を演じます。

ヘリンガ氏は語ります。
「もし、有害幼年期経験(ACEs)があり、これらの神経接続が弱い女の子
ならば、成長するにつれて、あらゆるストレスの多い状況に遭遇した時に
は、より多くの恐れと不安を経験するかもしれません。」

ヘリンガ氏は、これらの神経接続が弱い少女は、思春期の後期に不安と
うつ病を発症するリスクが高かったことを見出しました。これは、ある部分、
女性が思春期後期の気分障害に苦しむ割合が男性の約2倍である理由を
物語っています。

この科学的研究は、特に親である私たちにとって、圧倒的であるかも知れ
ません。愛する子供が幼年期の苦境の影響を受けているなら、何をするこ
とができるでしょうか?

良い情報としては、逆境が発達中の脳にどの様に影響を与えるかに関する
科学的理解が進んでいるのと同様に、困難にもよく対応できるような育児で
愛する子供を育てる方法と小さなあらゆる手段により身体と脳を癒す方法に
関する科学的理解もまた進んでいることです。

体の傷や打ち身が治癒するのと同じように、また筋肉の調子を取り戻すこと
ができるのと同様に、脳の神経回路を再配線することで機能を回復させるこ
とができます。 脳と体は決して不変なものではありません。 常に変化していく
過程にあるのです。



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