サイトマップ

最新トピックス

« 前の記事を読む | BLOGトップ | 次の記事を読む »

「1944」〜ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2016〜

にんげんクラブの皆様、こんにちは。

5月14日、スウェーデンのストックホルムで「ユーロヴィジョン・ソング・コンテ
スト2016」の決勝戦が行われました。

このコンテストは、欧州最大規模の歌謡祭です。(前年度のコンテストについ
ては、昨年5月の「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」参照)

審査員投票では、オーストラリア(欧州からはかなり遠い国ですが、昨年から
参加している)が一位でしたが、最後の視聴者投票で、ウクライナ代表のジャ
マラ(Jamala)が大逆転優勝を成し遂げました。
今年から投票様式が変わったため、このようなどんでん返しの結果が出た、
という人もいます。


518-1.jpg
(ウクライナ代表のジャマラ)

ウクライナ代表のジャマラが歌った曲のタイトルは「1944」。ジャマラは旧ソ連
の独裁者スターリンに強制移住させられたタタール人の一人、彼女の曽祖母
の体験を歌にしました。

「見知らぬ人々があなたの家にやってきてみんなを殺す。そして彼らは言うの
よ、"我々は無罪だ"と」「私たちは、人々が自由に生き愛する未来を築くことが
できる。」

ソングコンテストでは政治的な曲が禁止されているので、歌詞の中に特定の
国や人物は言及されてはいませんが、1944年はクリミア・タタール人追放が
あった年です。そしてこの曲は暗に2014年にクリミアがロシア編入されたこ
とへの不当性を訴えている、とも捉えられるようです。


ジャマラはこの曲の最後の部分をクリミアのタタール語で歌っています。
彼女がウクライナ代表で出場し、優勝したことは大きな反響をよんでいます。
ロシア側からは政治的な歌だと批判の声が上がっています。

このコンテストでは、その年の優勝者の国が、翌年の開催国となります。

今年のコンテストの結果は、優勝ウクライナ、2位オーストラリア。優勝候補
だったロシアは3位に終わりました。来年のソングコンテスト開催国はウクラ
イナとなります。


518-2.jpg
(最後の視聴者投票でウクライナが首位に)

地政学の舞台裏

歌謡コンテストとはいえ、聴衆は各国の国旗を携えて応援しているわけで、
どうしても政治的な一面がクローズアップされてしまいます。


518-3.jpg
(「国旗と共に舞台に立つのだから、このコンテストは政治的であると言えるわ。」
フランスのワイドショー「LE Petit Journal」の質問に答える、
ウクライナ代表のジャマラ)

518-4.jpg
(「来年ロシアはウクライナでのソングコンテストに参加する*と思いますか」と
いう質問に、「もちろん、これはコンテストなのですから」と答えるロシア代表の
セルゲイ。*来年のコンテスト開催地は今年の優勝国ウクライナ)

準決勝では、アルメニアのアーティストの一人がナゴルノ・カラバフの国旗を
振っていたことが問題となりました。アゼルバイジャンとアルメニアは、ナゴ
ルノ・カラバフの独立を巡り長年対立しています。

518-5.jpg
(アルメニアの出場者が振っている中央奥の国旗は、ナゴルノ・カラバフの旗。
他の人の振っているアルメニアの旗と似ていますが、くの字型に白いラインが
入っている。)


518-6.jpg
(アルメニアとアゼルバイジャンの間にある、赤い部分がナゴルノ・カラバフ)

518-7.jpg
(「アルメニアの出場者をどう思いますか」というぶしつけな質問にとまどう
アゼルバイジャン代表)


様々なオリジン


フランス代表のアミール・アッダードの歌う「J'ai cherché (私は探した)」は
6位となり健闘しました。アミールはチューニジアとモロッコの両親のもと、
フランスのパリで生まれました。8歳の時に両親とともにイスラエルに渡り
育ったのでイスラエル人です。 


518-8.jpg
(フランス代表のアミール)

審査員投票では一位だったものの、視聴者投票の結果2位となった、オースト
ラリア代表のダミ・イムは、韓国のソウル出身。9歳の時に両親とともにオース
トラリアに渡りました。


518-9.jpg
(惜しくも優勝を逃したオーストラリアの ダミ・イム)

移民系歌手の活躍が目立ってきているように思えます。
2012年度の優勝者、スウェーデン代表のローリーンも、モロッコのベルベル
人の血を引いています。


518-10.jpg
(2012年度優勝者、スウェーデン代表のローリーン。
「エフォーリア」を連呼するサビの部分が印象的でした。)

私はフランスで暮らしていますが、「あなたの国籍は」とか「ご出身はどこです
か」と尋ねられることはあまりありません。「あなたのオリジン(Origin, ルーツ)
はどちらですか」と聞かれることの方が多いのです。

イタリアにいた時は率直に「どこの国出身」「何人なの」と尋ねられました。
フランスほど多民族国家ではないからでしょう。

私のフランス語の発音がどんなにひどくても、見かけが明らかにフランス人
ではなくても、もしかしたらこの人はフランスに帰化しているかも、という可能
性は無視できないので、「オリジン」という表現をするのかもしれません。

私の友人で、韓国で生まれ育ちスウェーデン人と結婚して帰化して20年の
人がいますが、その人は自己紹介の時に「私はスウェーデン人です。オリジ
ンは韓国です」と言います。

余談ですが、うちの夫は以前公開されたアメリカに帰化するためのテストを
解いてみたそうです。結果、高得点が出たようで「なんだ、これなら僕もアメ
リカ人になれるぞ」と自慢げに言っていました。

話をソングコンテストにもどしましょう。

欧州で最大規模のこの歌謡祭、イタリア代表の出場者がいるにもかかわら
ず、イタリア人で知っている人はあまりいません。

実は、このコンテストの決勝戦のあった日は、ご近所のイタリア人家庭にお
じゃましていたのですが、コンテスト生放送の時間が来ても、だれもチャンネ
ルを合わせようとしません。イタリア人は、歌謡祭といえばサンレモ、としか
思っていないようです。

最後に「カワイイ」ファッションに身を包み、自作の「ゴースト」を歌ったドイツ
代表のジェミーリー・クリーヴィッツを紹介します。彼女はドイツ生まれの18
歳。12歳よりゴスペルコーラスで歌い、父親はパンクロックのバッテリー奏
者だそう。韓国のKポップ(Block Bのファン、韓国語も勉強中)を愛し、日本
の「Kawaii」系ファッションと漫画大好き少女です。


518-11.jpg
(ドイツ代表のジェミーリー)

ユーロヴィジョン・ソング・コンテストの内容は、こちらのサイトから見ることができます。
http://www.eurovision.tv/page/timeline

リサ 5月17日 リヨンにて



月別アーカイブ

  • メルマガ登録(無料)
  • にんげんクラブ・ストア
  • 黎明
  • 舩井幸雄記念館
  • 秋山峰男の世界
  • 船井セミナールーム
  • 船井幸雄.com
  • ザ・フナイ
  • 大きな保障と確かな安心ビジネス共済の協同組合 企業福祉共済会
  • Facebookページはこちら
  • スタッフブログはこちら