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第87回 半ば普遍意識に覚醒した夭逝の天才シンガーソングライター。尾崎豊19歳の言葉による心象風景『誰かのクラクション』


みなさん

こんにちは♪
にんげんクラブ世話人の川端淳司です。

春分の日を迎え、何か新しいことが芽生える気配を感じていらっしゃるのでは
ないでしょうか。

僕自身、今生の大きなターニングポイントに差し掛かったように実感しています。

ともに良き未来へと歩みを進めたいですね。


さて、連載第87回目は、夭逝の天才アーティスト尾崎豊が1985年の当時19歳の
心象風景を、自らの言葉で綴った『誰かのクラクション』を
ご紹介します。

実は前回ご案内した葦原瑞穂さんの『黎明〈上巻〉
』『黎明〈下巻〉』を読んでいる最中、尾崎豊の曲『ドーナツ・ショップ』の中のセリフが頭を駆け巡っていました。

      

~~~~~

もうどれくらい僕は目を閉じていたんだろう。
何もかもが、僕の観念によって歪められてゆく。
そして、それだけが僕の真実だ。
いつ始まり、いつ終わるというのだろう。
夕陽は、ビルの陰にすっかり隠れてしまった。
さぁもう目をあけて、取り囲むすべてのものごとの中で、真実を掴むんだ。

~~~~~


あぁ、尾崎豊もまた宮澤賢治やゴッホと同様に、普遍意識が顕現したアーティ
ストだったんだなと、30年の時を超え直観しました。

元々LDを何枚も持つ尾崎豊の大ファンだったのですが、この事がきっかけで
昭和60年に出版された尾崎の文と写真とドローイングから成る中古の本書に
廻り会えたことを嬉しく思います。

文中から、普遍意識に半ば目覚め、半ば覚醒した彼の心の葛藤や苦しみを、
そして真理を感じた言葉をご紹介します。

あなたの心魂が感じる言葉が見つかるでしょうか。

 

~以下、文中より~

どんな人間でも同じような悲しみをもっているはずなのに、なぜ、誰もわかり
合えないんだろう。

人の心をいったい何がつなぎ止めておけるのかわからない。
そして君が、それを求めているかどうか誰にもわからないけれど。
だから僕には君の心のクラクションが聞こえる。

彼は、すべてを愛そうとしていた。

ほんの少しのやさしさが、とても心を楽にするのに、何故なんだろう。
僕には、いつも、誰かのクラクションが聞こえる。

彼自身は言葉にならないことを話したいと思っていた。君の姿の中に、弱さと
いうものが存在することを、信じてしまわざるを得ないことを、彼は、そんな時、
いつも後悔する。君を否定できないからだ。

彼は何者でもない、いやすべての者になりたい。

人を傷つけるのが嫌なんじゃない。人に勝とうなんて思わない。
臆病者なんだろうか。
自分は、自分でいたい、彼はそう思った。

弱さとか、わかるような気がするけど、わかっていても、どうすることもできなくて、
そんな心のクラクションが聞こえる。

人との調和の中で、生きることと自分の思うように生きることと、ときどきもの
凄い勢いでかけ離れた存在になる。
彼は思うように生きたいと思った。せめて、そのために自分の心を犠牲にして
もかまわないと思った。
孤独になることも、寂しくなることも誰にも理解されないことも、それは思うように
生きることの、その代償かも知れない。
でも世界の平和はどうなるんだろう。
いったい、誰のために何もしなくていいのだろうか、間違っているよ。
自分自身を納得させるところまで至らないうちに、彼はすぐだめになった。
ほんとうに最低だった。

誰も気づくことのない彼の心の中の孤独は、深く無限の色に包まれ、誰にも
その気持ちを晴らすことなんてできやしない。
そう何かに気づかなければならない。

自分の感性を信じていた。
それ以外には、何もないのかも知れない。
君が思っているわがままとは、少し違うんだ。
彼の心の中には、君のことも、街のことも、世界中のことがいっぱい詰まって
いるんだ。
きっと、君もそうなんだろうね。

僕を僕と思わないでくれ、君になりたいんだよ。君の生き方もとってもドラマ
チックだ。生きることはそれ自体、最大のパフォーマンスだ。

君を受け止めたい。何もかも受け止めたい。
君のことなんて、ちっとも何ひとつ知らないけれど、今、ほんとうに君の幸福を
願ったとしたら、許して欲しい。

昨日までの自分が、今の自分と一致しないことがある。

誰と張り合うつもりもないんだよ。ただ、俺はいつでも楽しくやりたい。
世間は、そんなに甘いもんじゃないって言う。
だけど、いったい、いつの間に人は、心の余裕をなくしてしまうまで、追いつめ
られてきたんだろう。

疲れ果て、頬を冷たいアスファルトの地面につけるとね、なんだかあした、また
俺は、街に生まれるんだって、そんな気がしてた。

コンクリートの壁のほんの1cmくらいの隙間から、遠くの街のビルが見えるんだ。
その風景を見ていると、少しくらいなら時間を無駄にしてもかまわないって思え
てくるんだ。
きっと君に言わせれば、どうでもいいことだろうけれど、でもね、泣きたければ、
泣けばいいって、その風景が、そんなふうに言ってるみたいに見えるんだ。

自分らしく生きようとする分だけ、回りのことが、わからなくなっているような
気がしていた。わからない分だけ、自分に自信がなくなっていた。

彼にとっては、眠ることすら、一つの努力を費やすものになっていた。
彼はやがて、日常の中では生きていけないようになった。

まだ、こんな社会に恨みをもっちまって、もう仕返しだとか、そんなもの、また
俺を社会に引き戻しちまうだけじゃないか。

愛されないのに愛してしまう自分を可愛い人間だと思った。

自分に語りかけることこそ美というものが、現実につながる唯一の精神の場
だという気がしていた。

自分だけの幸せを求めることで納得してしまうことはできないのだろう。
決して誰も救うことなんかできないと、充分わかっているはずなのに。

悲しみが、見えたんだ。
それは、僕の悲しんできた傷あとをとおして見えたんだ。

君とわかり合うために、彼は唱わなければならない。
それは、わからせるためというより、彼自身が受け止めようとすることだと思う。
何本目の煙草で、彼は死ぬのだろう。

誰もが生きているということを共有するために、言葉が生まれたのかも知れない。
彼にとっては彼は一人じゃなかった。
触れ合うものすべてが彼であるに違いなかった。
そして、彼はもう一度嘆息をついてこう言った。
何もかもの終わりというものを考えなければ。
今夜こうして眠りにつく間際まで、彼は、誰かのクラクションに耳を澄ましていた。

PS
変化の3月だからでしょうか、先日、二人の作家さんの素敵な作品とご縁を頂きました。

谷川千佳さんの冬から春への流れの中で、その森羅万象の一瞬間の『音』を、
心の耳で聴く少女の作品『音』。

20160325-1.jpg


出口春菜さんの僕にとっては大いなる飛翔や希望を感じさせてくれる版画作品
『birds song Ⅱ』。

20160325-2.jpg


素敵なお二人との出会いに感謝です。



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