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第78回 地球と人類を救う鍵となる物語「幻のアラスカ核実験場化計画」5編を含む不世出の写真家星野道夫の傑作エッセイ集『ノーザンライツ』

みなさん、
こんにちは。
にんげんクラブ世話人の川端淳司です。

7月号の会報誌に舩井フォーラムに登壇される秋山誠さんの4月4日の講演会の
記事が掲載されました。

大阪転勤後は世話人活動が殆どできていなかったのですが、大阪支部の濱田さん、
奈良支部の小山さんのお蔭で秋山誠さんの素晴らしい講演に携わることができ、
感謝しています。


10月17日の横浜パシフィコでの舩井フォーラム全国大会において、
にんげんクラブ会員代表として秋山誠さんがどのような講演をされるのか
今から楽しみです。


その前の7月5日の舩井フォーラム関西大会には、東京でイベントを企画した時に
いつも参加頂いたフロンティアショップ経営者兼アーティストのSeiさんも
登壇されるのでこちらもとても楽しみです。

凄惨な事件が続きますが、良い事(行動)・楽しい事(行動)にフォーカスし、
アートを通じてミロクの世の創造に微力ながら貢献して行きます。


さて、連載第78回目は先延ばしになっていた不世出の日本人写真家
星野道夫さんのエッセイ集『ノーザンライツ 』をご紹介いたします。


本書には幻に終わったアラスカ核実験場化計画『プロジェクト・チェリオット』に
纏わるエッセイ5編が収められているのですが、僕はこの物語に二度の原爆や
3・11福島を経験した日本人、しいては、地球・人類を救う鍵が秘められていると
感じています。

後に水爆の父と謂われたエドワード・テラーのアラスカを核実験場化する夢
『プロジェクト・チェリオット』が、星野道夫さんが最も尊敬するアラスカの生物学者
ビル・プルーイットの一生を狂わせ、さらに大きな視点で振り返れば、アラスカという
同じ原野で、一万年以上も個々に散らばって生きてきた先住民(エスキモー、
アサバスカンインディアン)を共に立ち上がらせ、初めて一つの輪につなげる
きっかけとなったという事実(奇跡)が、3・11福島を経験した我々に、それを昇華し、
ミロクの世を創造する為の大きなヒントを与えてくれている気がします。

文中から星野道夫さんと友人たちの言葉をご紹介させて頂きます。

生命を賭して極北の自然と生きた写真家のアラスカに纏わる
すばらしき21編のエッセイ集です。


 

・アメリカの原子力委員会に雇われていた三人の研究者がプロジェクト・チェリオットを
 つぶすために立ち上がることになった。ビル・プルーイットをはじめとする三人の
 研究者は次々にプロジェクト・チェリオットを解雇され、ドン・フィットは不慮の死を
 とげる。けれどもシリアやジニー(共に星野さんの友人)が送り続けたニュースレターは
 アメリカ本土で小さな渦を巻き起こしていた。やがて大きな波となる渦である。

・その頃、アメリカ本土から一人のエスキモーが故郷のポイント・ホープ村に戻ってきた。
 ハワード・ロックという五十歳になるエスキモーの藝術家だった。彼はワシントン大学で
 美学を学んだが、その後、アルコール中毒によって精神分裂症になり、シアトルの
 貧民街の路上で浮浪者として毎日を送っていた。が、この男が人々の救世主になって
 ゆくのである。

・バーニーの人生には辛い出来事が重なっていた。幼いころの両親の死、屈強な
 クライマーであった夫エルトンの遭難死、そして不慮の事故により他人の子供を
 ひき殺してしまった過去。彼女は晩年になって精神に破綻をきたしていた。
 やがて精神科医に最後の助けを求めたバーニーは、自分のこれまでの人生の
 出来事と本当に向き合ってきたかを問われてゆく。

・「アラスカに戻ってきて、エルトンのそばにゆけて本当に良かった。でもね、ジニー、
 私の人生の中でひとつだけどうしても悔やまれることがあるの。
 それはね、エルトンが父親になることを知らないで死んでしまったこと」
 「バーニー、それは違う。あの日、ルースの氷河で最後のフードドロップをした時、
 あなたが妊娠したことを私は確かにメッセージで伝えた。エルトンは自分が父親に
 なることを知って死んでいったのよ」。バーニーは一瞬言葉を失い、長い沈黙が
 流れた。やがて彼女の目からは止めどなく涙があふれていた。

・目まぐるしく、そして加速度的に動き続ける時代という渦の中で、厳しい冬を越した
 大地から表れる芽のように、それはまだ見過ごしてしまいそうな小ささかもしれない
 が、僕は新しい力が生まれつつあることを確信し始めている。

・「ボブ、植物にも魂があるのかな?」「当たり前さ。薬草を採りにゆく時、自分が
 ほんとうにきれいにならないと、薬草が自分をみつけてくれないんだ。子供の頃、
 何度もおばあさんにそのことを言い聞かされた」。僕はボブと出会い、闇の中で
 薄明りを見たように、ある希望を持つことができた。いや、きっとボブだけではない。
 行く先が何も見えぬ時代という荒海の中で、新しい舵を取るたくさんの人々が
 生まれているはずである。

・ベトナム戦争で5万8132人の米兵が命を落としたが、その後、その3倍にも及ぶ
 約15万人のベトナム帰還兵が自殺したことはあまり知られていない。

・それはスー族やナホバ族をはじめとするアメリカンインディアンに今も残る古い
 儀式だった。たとえば、自己の魂と出会うため、たった一人で何も食べずに山を
 さまようヴィジョン・クウェストという旅に出る時、人々はウェスト・ロッジで身を
 清めるという。

・ぼくは儀式の最中、意識が薄れてゆく中で、人が祈るという姿に打たれていた。
 人は旅をしているのだと思った。そして、誰もが、それぞれの闇の中から抜け
 出さなければならないのだ。人はいつも、それぞれの光を捜し求める、長い旅の
 途中なのだ。

・ぼくは、ふと、"思い出"ということを考えていた。人の一生には、思い出をつくら
 なければならない時があるような気がした。シリアもジニーも、その人生の"とき"を
 知っていた。

・自分のスピリットを自然界の鼓動に共鳴させていた男、それがミチオでした。
 彼は大地と一体となり、そこに暮らす動物たちと一体になっていました。
 ミチオのおかげで、私たちは、人間の生活とともにある野生の役割、そして
 その存続が人間にとって必要であるということを、理解することができるのです。
 (シリア・ハンター1996年8月13日)

・原子力の力を科学的な立場から訴え続けてきた高木仁三郎(原子力資料情報室)
 のような、身近なビル・プルーイットを見逃さないで欲しい。
 (星野さんのアラスカの隣人であり友人の日本文学者カレン)

PS
銀座の屋上ギャラリー枝香庵で8月23日~30日までの間、
12名のアーティストによるグループ展『いまここを生きるアーティスト2015』を開催いたします。
ぜひ見にきてくださいね(^^)/

ギャラリー枝香庵
http://echo-ann.jp/exhibition.html?id=234

いまここを生きるアーティスト2015.jpg



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