サイトマップ

最新トピックス

« 前の記事を読む | BLOGトップ | 次の記事を読む »

第5回 フランスの教育改革(共和国の価値とライシテ)


若者の社会への不満


1月22日、Vallaud-Belkacem教育相が 教育改革11項目を発表しました。
教員及び教育に携わる職員への政教分離の徹底及び差別偏見に対応する
ための 研修など、3年間で2億5000万ユーロの予算を当てるようです。

0202-1.jpg
(向かって左側がヴァローベルカセム教育相)

 フランス国内では社会に不満を持つ若者たちがイスラム過激派のジハード
に参戦したり、テロの画策が多発しています。今年1月7日に過激派イスラム
の影響を受けたアルジェリア系フランス人兄弟による風刺週刊誌社襲撃が起
きたことはまだ記憶に新しいと思います。

 移民2世の若者たちはフランス人として育ちながらも、実際には偏見と差別
の多い社会に抑圧されフラストレーションを感じています。そこにつけこんで
過激派が若者を勧誘するようです。テロに賛同するメッセージがネット上で流
され警察はその削除に追われています。最近では、事情のよくわかっていない
小学生が「僕はテロリストの方に共感する」と言い出して問題になりました。


 
洗脳される若者たち

 政府は「Stop-djihadisme.gouv.fr」というサイトを作り、
「ジハードに参戦したら君はこの世の地獄を見て、たった一人、故郷から遠く
離れたところで死んでいくのだよ」

「彼ら(過激派)は君に、我らの英雄と家庭を築こう、と言うだろう。実際には、
君は戦争と恐怖のなかで子育てすることになるのだ」

「彼らは君に、一緒にシリアの子供達を助けよう、というかもしれないが、
実際には君はそこの住民の虐殺に加担することになる」

というメッセージをショッキングな映像とともに発信し、若者が聖戦主義に
洗脳されるのを防ごうとしています。

 学校現場では、家庭、地域と連帯して早急に問題解決していく必要に迫ら
れています。フランス連続テロ事件を受けて発表されたこの教育改革は、
『ライシテ(政教分離の原則)と共和国の価値の浸透』を主な目標に掲げて
います。


0202-2.jpg
(メトロニュース ラマ・ヤド元人権 外務担当政務次官へのインタビュー :
 ライシテを適応する、これが全て)

ライシテ

『12月9日のライシテ記念日では、国のすべての機関と学校で式典が執り
行われる』

 12月9日はライシテ基本法1905年が制定された日です。フランスにおける
政教分離の原則であり、公の場である学校にライシテを適応することで
『教育の自由』が保証されると考えられています。

ここまでは私にも理解できるのですが、では実際の教育現場にライシテを適応
するというのはどういうことか、と問われると戸惑います。ライシテと国のモットー
『自由・平等・博愛』の理念によって差別偏見のない平等な社会実現を目指す、
そのためには、ライシテの意味を人から与えられるのではなく、生徒一人一人が
答えを出し納得する必要があるようです。

「クラスメートたちはライシテについて本当の意味を知らずに話している」
(リヨンの高校生談)

フランスの学生たちは、ライシテの授業がとり入れられることに熱意をもって
います。学校では学生同士討論を通して、その意味を考えさせようとしています。

0202-3.jpg
(ライシテって何?)

共和国の価値

『国家行事や共和国のシンボル(国歌、国旗、国のモットー(自由平等博愛)を
理解し祝うことをとおして教師の権威回復を目指す』

 国の記念行事に全校生徒が参加する事は、共和国の価値の浸透を目指す
には良い機会ですが、皆が国歌を歌うのか等、論議が交わされそうです。

『小学校学年CE2(日本の小3)ではフランス語の習得評価が最優先される』
という項目もあります。移民の多いフランスでは、子供達のフランス語習得に
とても力を入れています。移民としてやってきた子供たちが普通の公立学校に
通う前に、フランス語を学びながらうまく適応していけるように準備する学校も
あり、子供たちはフランス語を習得したのちに地域の公立学校へと編入してい
きます。


0202-4.jpg
(教育改革、共和国の価値のために)


 フランス共和国の理念のもとに皆が自由平等であり、公の政教分離がある
からこそ私の信仰の自由があるという理想は、この国が秩序を保っていくため
の唯一の手段とも思えます。

 クラスに数人はイスラム教徒の子供もいますし、ユダヤ教の人もいます。
アフリカからの移民も多いですし、国内に暮らすブルガリアやルーマニアからの
移民ロムへのまだ差別は根強く残っているようです。宗教、習慣、人種をめぐる
差別と衝突は日常の問題として存在しています。

 この教育改革を実行するにあたって、国内千人の学校関係者に研修が行わ
れるそうです。この教育改革が絵に描いた餅とならず、近い将来にはその成果が
目に見えてくるとよいのですが。


                    リサ 1月31日 リヨンにて


 追記
 
 イスラム過激派に拘束されている後藤さんとヨルダンのパイロットのことを
心配しながらこのレポートを書いていました。後藤さんの悲報を知らせる動画が
発信と報道されましたが、間違いであって欲しいと強く願います。

 もう一人の捕虜として拘束されていた湯川さんが殺害されてしまったという報道
を聞いたときには残念でなりませんでした。フランスでは、前年9月に過激派に
よって殺害されたジャーナリストの遺体が先日無言の帰国をしました。
ご家族の悲しみは計り知れないものと思います。
 



カテゴリー

月別アーカイブ



  • にんげんクラブ入会キャンペーン
  • メルマガ登録(無料)
  • にんげんクラブ・ストア
  • 舩井フォーラム2016 CD・DVD販売
  • 黎明
  • やさしい ホツマツタヱ
  • 舩井幸雄記念館
  • 秋山峰男の世界
  • 船井セミナールーム
  • 船井幸雄.com
  • ザ・フナイ
  • 大きな保障と確かな安心ビジネス共済の協同組合 企業福祉共済会
  • Facebookページはこちら
  • スタッフブログはこちら
グループ会社
  • 舩井幸雄.com
  • 本物研究所
  • エヴァビジョン
  • ほんものや