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リフレはヤバい

小幡積(著)
価格:1,050円
出版日:2013年1月
出版社:ディスカバー携書


本書は私がいままで読んだリフレ政策批判本の中で一番論理的にその問題点を付いている
本だと思います。著者の論点は「日銀などの中央銀行は経済をインフレから守るために
存在するのであり、インフレにすることはもともと不可能である」という立場を取って
います。例えで言うとインフレを抑制するというのは凧が飛んでいってしまわないように
凧紐をコントロールするようなもので、インフレという強風が吹いているから引くことが
できるのだというのです。

凧紐をいくら押してもインフレが来るわけではなく、リフレ論者が言っているのは所詮
無理なことだという理屈です。そして、現実的に起こりうるインフレ策は円安によって
起こる輸入インフレであり、これは需要が高まることによって起こるいいインフレでは
なく、コストが上がることによって起こる悪いインフレの典型で、いまはまさにガソリン
や食料品の値段が上がってきているようにこの現象が起きているようです。

また、金融緩和によって起こるインフレは社会に流通しているモノやサービスの値段が
上がるのではなく株式や不動産などの資産だけがインフレになるという結果を呼びます。
資産家や経営者にとってはありがたい政策ですが、これでは給料は上がらず物価だけが
上がって庶民の暮らしは大変になるだけです。

そして一番ヤバいのは、国債が暴落してしまうような大恐慌を起こす可能性が極めて高い
ということだという主張が展開されています。そして、そのヤバいサインが日本が為替安、
株安、国債安(金利の上昇)のトリプル安の状態に陥った時で、実際にこの悪い状態を
日本は1997年に経験済みでこの時には為替が147円になりました。100円を超える
所までは行くと思いますが、その辺りで円安が止まるかどうかがこの政策が当面うまくいく
かどうかの目安になる気がします。

どちらにしても、アベノミクスの政策が中止になることはあり得ませんので、日本経済は
かつてない領域に入っていくことは間違いありません。
アメリカやイギリスがジャパナイズ化を恐れていると言われていますが、このリフレ政策も
やがて世界中に拡がっていくことになるのだと思います。良い意味でも悪い意味でも日本は
世界の最先端を歩んでいかざるを得ないのだという覚悟をする必要があるようです。

                     (船井勝仁ドットコムより)




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