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新・帝国主義の時代に日本人を未来へ導く佐藤優氏著『人間の叡智』

みなさん、こんにちは!
東京支部世話人の川端淳司です。

選挙が終わりましたね。
船井勝仁さんもレポートに書かれていましたが、小沢一郎さんシンパの私も『未来の党』へ
投票しましたが、結果は想像以上に厳しいものでした。
色んな試練が押し寄せて来ますが、壁が大きければ大きい程、乗り越えた時の感動も大きい
のだと思います。
一歩ずつでも着実に目指すべき所へ前進したいです。

東京では21日、22日、23日と冬至という季節と時代の変わり目にイベントが目白押しですね。
東京支部では23日のネオ縄文・ヤマト誕生祈念祭(講演とコンサート)を主催しています。
自分に合うイベントがあれば参加されてみては如何でしょうか。

さて、連載第36回目は、元ロシア外交官でプロテスタントである知の巨人・佐藤優さんの
人間の叡智 』をご紹介します。


佐藤さんの著書は当ブログでご紹介していますが、本書はとても読みやすく、それでいて、
現代の新・帝国主義時代の中、日本(人)がこれからどう生きれば良いかについての奥深い
洞察に満ちています。
文中から勉強になった所の一部を抜粋いたしますので、興味を持たれた方はぜひ本書を
手にとり全文をご一読ください。

 
【未来への提言】
・目に見えないものに想いを馳せる。それが叡智に近づく唯一の道だと思うのです。
・イエスは「罪を作り出すのは人の食うものではない。人が口から吐き出すものだ」と言う。
つまり、言葉だということです。日本が元気に立ち直るためには、日本人一人ひとりが
言葉の使い方を変えて、国民を統合する物語を作り出すしかないのです。
・語ることによって(国家の危機に対する)何らかの糸口を見つける仕事を果たす義務が
知識人にはあります。
・必要なのは政治のリーダーシップ、言いかえれば物語形成能力です。プーチンは国民の
物語を作るのに成功したのです。
・働くことと同時に重要なのが、祈ることです。「働くことと祈ること」は中世の修道院の
スローガンですが、超越的なものを考え、感じて、天地神明にでも何でもいいから、
祈ること。祈りとは突き詰めれば死の問題です。
・知的エリート(専門家)・パワーエリートが国際基準のインテリになり、
ノブレス・オブリージュを果たすことができるかにかかっている。そして、エリート
(専門家)の中でもチームリーダーくらいの、軍隊で言えば軍曹のようなエリートが
 広く必要になってきます。
・まず回復しないといけないのは、人間の隣には人間がいるという、同胞意識です。

【提言に向けた洞察】
・私はこれから世界的に実念論(リアリズム=目に見えないものがリアルである。
なぜなら神がつくったものだから)の時代が来る予感がします。
・人の内在的論理を見るには、「言葉」「心」「力」「行為」を使う訓練が必要です。
「初めに言葉あり」というのは、ギリシャ的な発想で西洋哲学の根源です。
「初めに心あり」はヘブライ的な発想。「初めに力あり」は近世の発想。
「初めに行為あり」は歴史主義の現代です。
・キリスト教がなぜ魔術(近代科学)を禁止したかと言えば、神様は気まぐれで、私は
ありとあらゆるものだと言って突然怒り出したりするのであって、理屈で測れるもの
 ではないからです。従って、人間が神について考えるのではなくて、神の言うことを
 虚心坦懐に聞くことが重要になります。その転換が1918年の『ロマ書』で神学者 
 カール・バルトが言った神の再発見です。
・資本はマルクス経済学から見るとある意味では簡単で、社会の外部的なものです。
商品交換という本来共同体と共同体の間で行われていたことが、共同体の内部に浸透
 してきたわけです。そして、共同体内を徹底的に変えてしまって、人間の存在そのものを
 破壊するシステムになってしまった。これが資本主義です。
 この現実をマルクスは150年前に明らかにしています。
・読み込んだ古典(複数の解釈ができるもの)を二、三冊持っている人と
一冊も持っていない人では生き方が違ってきます。
・現代でも日常的に読書人間は特殊な階級に属しているという自己意識を持つ必要があると
思います。
・読書人口は、私の皮膚感覚ではどの国でも総人口の5%程度だから、日本では五、六百万人
ではないでしょうか。その人たちは学歴とか職業とか社会的地位に関係なく、共通の言語を
持っている。そしてその人たちによって、世の中は変わっていくと思うのです。
・結局、人間はナショナリズムとか、啓蒙の思想、人権の思想、そういうもので動くのだと
思います。
・ファシズムは社会的弱者に優しい。ただしそれは束ねられた同胞に対してだけであって、
外側の非国民には絶対的な態度を取ります。
・民主主義の起源は良き者を選ぶというより、悪しき者を排除することなのです。

【日本国家の状態】
・3・11後の「絆の物語」は新しい時代を築くストーリーにならなかった、とそろそろ冷徹に
認めなければいけない時期に近づいている。
・力の要素は日米安保条約に全部預けておいて、それ以外は合理主義的な計算と、
生命至上主義と、個人の生活が一番大事という個人主義でやっていけば良いという
戦後日本の現行のシステムでは、日本の国家は生き残れないことが明白になった。
・資本主義が発展して巨大化すると、実体経済より金融を優先する金融資本主義になる。
この理論はレーニンであろうが、ケインズであろうが、フリードマンであろうが、
みんな一緒です。そして、日本で格差に留まらない、構造的で絶対的な貧困が生じて
 しまった。そして、今の日本では友愛原理が機能しなくなってしまっている。
・国家には密度・暴力性が強まる時期とそれが希薄になる時期がある。
振り子のように振幅がある。今は再び振り子が国家の機能強化の方向に振れようと
 しています。 先進国はみなそうです。
・冷戦期は図らずも資本の暴走に一定の歯止めをかけていたのです。
・今の不況や雇用の問題は日本人の賃金が中国人の賃金と同じまでに下がらないと
 解決しないことになります。
・日本にはまだ国際政治の秩序をつくるだけの力が明らかにある一方、日本という国の
 問題は、新・帝国主義時代のゲームのルールがよくわかっていないことです。
・橋本氏の言う維新はせいぜい小泉政権が唱えた「聖域なき構造改革」の反復に過ぎません。
遅れてきた新自由主義政策と言ってもよい。橋本氏の最大の問題は徹底的な民主主義者で
あることです。
・天皇陛下は日本には絶対に必要です。天皇陛下がおられないと、日本は崩壊してしまう。

【日本社会の現状】
・人は人を実験材料にしてはいけない、それをやるとアウシュビッツや七三一部隊と
同じような構造で、大人の世界の悪を知らない未熟な女の子をアダルトビデオに勧誘する
ことは、魂を殺す作業に荷担することになる。
・アダルトビデオで働いて傷つき、トラウマを抱えて一生働けなくなった女性たちが
数千人単位にもなっている。実はこういう異常な事態が日本社会を弱くしているのです。
この子でアダルトビデオを撮るといくら儲かるか、と観察するようなあり方からは
社会の回復はありえない。
・子供たちに株式投資をやらせない、マネー教育はしないという方策を採るべきなのです。
マルクス経済学で言えば簡単な話で、株式や金融派生物などは、労働の上澄みを取って
やりとりする異常なイデオロギーによって支えられている擬制資本ですから、そういう
ものを追わないように文化を変えればいい。

【世界の潮流】
・新・帝国主義の時代にあり、大国間の戦争は防げるでしょうが、帝国主義時代と同様、
国家の生存本能が剥き出しになってきます。相手国の立場など考えずに、自国の利益を
 最大限に主張する。相手が怯んで、国際社会が沈黙すれば、横車を押す。そうして権益を
 拡大して行く。新でも旧でも、それが帝国主義本来の生き方です。
・今や帝国内と外側を分けるという形で各国は生き残りを図ろうとしています。
 TPP問題は誰の身内になるのかが問われていると考えるべきです。
・大統領とか首相とかいう名前は別にして、世界の主流は王、つまり権力集中の
 時代になっている。
・今後、二、三年の間、国際社会の焦点になるのはイランです。
 イランのアフマディネジャド大統領達はハルマゲドン(最終戦争)を本当に信じており、
 核戦争の危機がかつてなく高まっています。
・ネーションビルディング(民族形成)中の中国は漢人だけが中国人になったことによって
 国民統合に失敗した国家なのです。そのネーションビルディングには敵のイメージが必要で
 それが日本なのです。
・インドには独自の世界観があるので拡張志向にならない一方、中国は実利を追う文化です。
・ユーロ加盟諸国ではドイツ以外はいずれも経済の低迷が政治に波及し、政権が弱体化、
 各国で極右政党が台頭しています。



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