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お金に支配されない世界を夢見た作家ミヒャエル・エンデへのオマージュ『エンデの遺言』

みなさん、こんにちは!
東京支部世話人の川端淳司です。

めっきり寒くなりましたが、如何お過ごしでしょうか。
私は先週、フリーエネルギー等で知られる飯島秀行先生の御徒町フロンティア
ショップでの講演に参加してきました。

にんげんクラブ・幸塾月例会で先生の講演の司会をさせて頂いたこともあり、
親しみを感じて懇親会の席で、

「釈迦や空海というのはやっぱりすごい人物だったんでしょうか?」
と何とも間抜けな質問をしてしまったのですが、、、先生のお答えは

「釈迦も空海もここにいるんだよ」

というものでした。

「空とはそういうことだよ」

と。

ハッとしました。

我々は他者と繋がっているとか大いなる自己の分身であるとか言葉で聞いて、
そうなんだろうなぁ、と軽く不理解に受け流していた自分に気づきました。。。

「釈迦も空海もここにいる。自らの内にも存在するのだ」という戒めにも似た
言葉を意識して生きたいと感じた、とても素敵な飯島先生との時空間でした。


さて、連載第34回目はベストセラー『モモ』の著者・ミヒャエル・エンデから
日本人への遺言として作成されたTV番組『エンデの遺言-お金の根源を問うこと』
から生まれた著『エンデの遺言』(2000年)です。

エンデは『モモ』を上梓した時既に、減価せずに蓄財でき、それ自体が商品となる
お金というシステムがこの世界に貧困や争いをもたらす元凶・根源であることを
看破していました。

その座右の書はお金の問題を深く掘り下げ、経済が友愛で成り立つべきと唱えた
ドイツの思想家ルドルフ・シュタイナー全集でした。

共存共栄のミロクの世の実現には、我々一人一人の意識改革(覚醒)と同様、
シスムとしての現在のお金のあり方も根本的に変える必要があります。

本書はその新しいお金のあり方を、欧州の優れた経済学者・思想家の苦闘の歴史や、
使用期限があったり減価する自由通貨・地域通貨などの欧米での取組の実例を
ベースにして学ぶことができ、生命の本質を考えない科学と、お金の本質を考えない
経済学のそれぞれの致命的な欠陥が相似形をなすことにに気づかされました。

静岡のにんげんクラブの仲間である八山さんは長島 龍人さんの劇『お金のいらない国』
の上演を無償で企画されていましたが、本書を読み、地域通貨等に興味を持たれた方が、
新たな渦を巻き起こされることを楽しみにしております!

以下、本文から印象に残るところをご紹介します。


 
・ファンタジーとは現実から逃避したり、おとぎの国で空想的な冒険をすることでは
 ありません。ファンタジーによって、私たちはまだ見えない、将来起こる物事を
 眼前に思い浮かべることができるのです。私達は一種の予言者的能力によって
 これから起こることを予測し、そこから新たな基準を得なければなりません(エンデ)

・全ての宗教に共通するものは、現世の存在を、彼岸の本来の存在に至る一時的なものと
 見ることです(エンデ)

・一冊の本は作者と読者の関係のなかで完成する。「あなたが人生の岐路で悩んでいる
 とき、ちょうどぴったりの瞬間に、ちょうどぴったりの本を手に取り、ちょうど
 ぴったりの箇所をあけ、ちょうどぴったりの答えを見つけるならば、あなたはそれを
 偶然だと思いますか?」(エンデ)

・成長を前提にし、成長を強制する性格をもつ現行の金融システムが、この競争社会を
 生み出している根本原因なのです(エンデ)

・今日のシステムの犠牲者は第三世界の人々と自然に他なりません。このシステムが自ら
 機能するために、今後もそれらの人々と自然は容赦なく搾取され続けるでしょう(エンデ)

・「格差が格差を生む」構造こそが「利が利を生む」マネーの運動を可能にし、高度の
 利益の源泉としてマネーを支えていることがわかる

・私の見るところ、現代のお金がもつ本来の問題は、お金自体が商品として売買されて
 いることです(エンデ)

・経済生活の理想は友愛です。資本の自己増殖を許す金融構造が、友愛の理想を破壊して
 しまったのだと思います(エンデ)

・非良心的な行動が褒美を受け、良心的に仕事をすると経済的に破滅するのがいまの
 経済システムです。通貨を人間のもとに取り返さなければならない

・平均して企業のキャッシュフローの1/4以上が利払いに当てられ、今その割合は急速に
 増加しています

・(新しいお金のあり方を手に入れるには)メンタリティーの変革が必要であり、
 システムの変革より難しい(エンデ)

・自然界に存在せず、純粋に人間によってつくられたものがこの世にあるとすれば、
 それはお金なのです(エンデ)

・どのようなエコロジカルな対策も、資本市場で調達した利子を支払えるものでなくては
 ならない事実に愕然としたのです(建築家ケネディ)

・先進国は第三世界から毎日2億ドルの利子をもらっており、それは開発援助金の2倍に
 相当します(ケネディ)

・預金者が自分達の利益を第一義に考えるのではなく、社会や環境への貢献という大きな
 尺度で自分の資産を考えるという意識が、ドイツをはじめとするヨーロッパの市民の
 間ではすでに広く一般化しています(例、ソーシャルバンク)

・地域通貨への取り組みは世界中で2000以上にのぼると言われています

・モモが立ち止まったように、立ち止まり、真の進む方向を探すべきときだと、考える人が
 出てきているのです

・私が作家としてできることは、子孫たちが私達と同じ過ちをおかさないよう、思考し
 観念を生み出すことです。お金は人間がつくったものです。
 変えることができるはずです(エンデ)

補足
東京支部イベント情報です。
11月27日(火) にんげんクラブ東京支部定例会@船井本社
12月15日(土) 和田晃一の読書塾@四谷荒木町
12月23日(日) Seiさんのコンサート&講演@広尾 

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