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アメリカの天才写真家Richard Avedon が残した自らと世界の軌跡(奇跡)~『RICHARD AVEDON PHOTOGRAPHS 1946 2004』

みなさん、こんにちは!
東京支部の川端淳司です。

暑い日が続く中、大型台風の到来などで落ち着きませんが、この夏如何お過ごしで
しょうか。

私はお盆休みの最終日、奈良から帰京する新幹線の中で、とても微笑ましい場面に
出会いました。
3人掛けの隣の席でお弁当を広げる10代後半に見える姉妹。
妹がお姉ちゃんに「何か食べたいものある?」。
この何の変哲もない妹の言葉になぜか深い愛情を感じました。

食事を終えると、彼女はバッグから小さな本を取り出します。
聖書でした。
読み出してすぐお姉ちゃんの肩に顔を寄せて眠ってしまったのですが、宗教が心を
清らかにするのかと感じた心地よい時空間でした。

日本に数ある宗教機関。
帰省中訪れた奈良の石上神宮近くの天理教の巨大な建物に少しおののいた私ですが、
各機関のトップが変われば、一気にミロクの世?なんて、夢想した夏休みでした。他力
本願ではいけませんね。(笑)

さて、連載第25回目は米国のユダヤ人天才写真家・Richard Avedonの死後、編纂され
た写真集『RICHARD AVEDON PHOTOGRAPHS 1946 2004』です。


Avedonとの劇的な出会いは2009年3月のアムステルダムでした。
海外赴任終了間際、英語を習っていたスコットランド人の才女から紹介され駆け込んだ
FOAM(FOTOGRAFIE MUSEUM AMSTERDAM)で、最初に見た憂いを帯びた老人の
3枚の写真がRichard Avedon本人の晩年(死の2年前)の写真でした。

当時、毎週ゴッホ美術館に通ってはゴッホの自画像に語り掛け、歴史的コンサートホール
CONCERTGEBOUWでBeethovenら作曲家の声と素晴らしい演奏に耳を傾け、
Vienna やPragueなどを旅しては美術館とコンサートホールを訪れました。

おのぼりさんというよりも、心の欠陥を埋める為には貪欲にアートを自分の中に取り込む
しかなかったのだと思います。

そんな欧州赴任生活の最後に出会ったのがAvedonでした。そこには、かつて見たこと
のない衝撃的な写真芸術の世界が屹立していました。

VOGUEなどのファッション誌で煌びやかな至上の美を表現してきたAvedonですが、
Avedonはただ美を求めただけではない。彼が写す肖像写真には、本人が隠し持つ
その魂の姿(本質)が恐ろしいまでに顕在化されています。

例えば、三島由紀夫と親交があり、村上春樹が翻訳したBreakfast at Tiffany's の作家
Truman Capoteの魂の輝きを喪失した死の10年前の写真。

美女と鎖に繋がれた4匹の象の大胆で眼を釘付けにする「DOVIMA WITH ELEPHANTS」。
その静と動・美と劣の構図。辺見庸さんが言う「富めるものは益々富み、貧しいものは
更に貧しくなる」という資本主義の縮図そのものでした。

時に、お茶目なCharles Chaplin。翻してTruman Capote がノンフィクション小説
「In Cold Blood(冷血)」に描いた殺人者Dick Hickockとその父Walter Hickock

若き日の妖艶で挑発的なBob Dylan。死が迫る自らの父Jacob Israel Avedon

闇の支配者の急先鋒で只者ならぬ表情のHenry Kissingerと悪の根源の悪びれない
George Bush。そして、彼らと対を成すJohn F. Kennedy の母Rose Fitzgerald
Kennedy

西部で働く名も泣き労働者達。多くの優れたアーティスト達。唯一の日本人であり、
過去か未来の何かを垣間見てしまったピアニスト内田光子

顔の真ん中で左右に分けると全く表情が違う57歳のAvedon。そこには自身の中に
陰陽を併せ持つ人間という小宇宙が垣間見えました。

美と醜。生と死。芸術と政治。恐るべきことにこの写真集には、Avedon自身と世界の
歴史が内包されていました。

少し時間を遡りますが、一月程前、銀座の万(よろず)画廊の伊藤愛オーナーから
ワイン会に誘われました。

映画へルタースケルターの主演女優が指名するフラワーアーティストやオーナー推薦
作家の作品が展示される中、ハッと目を奪われたのは単なるポスターを額装した作品。

オーナーが唯一自己主張したポスターに写っていたのは、僕がアムステルダムの
FOAMで何度も見入った、Party で本当の自分(心)を曝した一刹那をAvedonが活写
したMarilyn Monroeだったのです。

素敵な再会・シンクロでした。

Avedonの写真世界にぜひ触れてみてください。

みなさんの心の奥底に眠る記憶と感情が呼び覚まされるかもしれません。
 
 



*****************************

<追記>

長谷川章子さん企画の『コンサート』と東藝術倶楽部主宰(にんげんクラブ東京支部
協賛)の江戸しぐさ講演会をご案内します。
 
 

■白鳥哲監督作品『祈り』応援プロジェクト 祈りのハープコンサートのご案内

映画「祈り」応援プロジェクト実行委員会代表の長谷川章子さんが企画されている
コンサートをご紹介します。
7月の幸塾定例会で司会中に、飛び入りでお話頂いた白鳥哲監督のご挨拶もあり、
音楽好きな方はぜひ足を運ばれてみては如何でしょうか?

日時: 2012年9月11日(火) 18時開場
コンサート: 19時~20時
出演:   ご挨拶 ~ 白鳥哲監督
        ハープ演奏 ~ ハープ・セラピスト 中野智香子
会場:      東京カテドラル聖マリア大聖堂
         東京都文京区関口3-16-15
入場料:    3500円(当日4000円)
お問い合わせ・申し込み先:
   映画「祈り」応援プロジェクト実行委員会 
   Tel:03-5373-8031
Fax:03-3339-2922
yume@tokyo.email.ne.jp

 

■9月30日(日)「江戸しぐさ講演会」のご案内

江戸の良い文化を現代に甦らせるべく活動されている東藝術倶楽部主催の
「江戸しぐさ講演会」(にんげんクラブ東京支部協賛)をご案内いたします。

黒木代表のご好意により、にんげんクラブ会員は会員価格で参加できますので、
日本の素晴らしい文化である江戸しぐさの第一人者越川禮子先生の講演に奮って
ご参加ください。

              記
 
1 日時:9月30日(日)開場13時30、講演14時~17時

2 会場:新宿歴史博物館2階講堂
(場所 http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=91
(100名収容可) 

3 講師:越川禮子先生(NPO法人「江戸しぐさ」理事長)
    (池田整治先生の講話及びキリロラさんの歌舞も予定)

4 主催:東藝術倶楽部

5 協賛:にんげんクラブ東京支部

6 参加費:会員3,000円(協賛の会員含む)、一般3,500円

7 懇親会:17時30分~19時30分予定

  30名限定(先着順)、会費5,000円(アルコールあり)、4,000円(同なし)

8 申込先:森山(morifumi71@azuma-geijutsu.com)までメールにてお申込み下さい。>

 なお、懇親会参加希望者はその旨を(アルコールの要不要とともに)記して下さい。

9  ちらし:http://azuma-geijutsu.com/event2012,9,30.html

                                    以上


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