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私を劇的に変えた 日本の美風


 
 
呉善花 (著)
2010年3月刊
出版社: フォレスト出版
 
 
この本は、韓国生まれの日本評論家である著者呉(オ)氏が、日本に長く定住する中で
気づいた日本の美しい部分について、客観的に見、感じたことをまとめられています。
 
過去十数年間に雑誌や新聞に掲載された評論のうち、単行本に未収録だった文化エッセイが
集まった本書は、様々な分野に分かれつつも、芯の通った内容となっており、とても興味深く
読むことができました。 
日本のことをここまで深く洞察し、文章化することは、日本人であっても並大抵では
できないことだと思います。
 
文中で、著者が住んでいた当時の韓国では、国際的な通用性をもった常識やマナー・
人間関係のあり方は身につけることができなかったが、4年間の韓国での軍隊経験があったので、
日本で今日まで頑張り抜くことができたと記されています。
 
想像するからに大変そうな軍隊での生活を乗り越え、様々な知識を身につけられたことが
ベースにあるのだとしても、常日頃から深い洞察力と意欲を持って勉強し続けなければ、
このような文章は書けないと思います。
改めて、大変な勉強家である著者を、私も見習わなければと感じました。
 
本書内容を筒単にご紹介すると、著者が感動した日本での出来事、日本と韓国の精神文化の
隔たり、日韓近現代の分岐点について、環境、捕鯨問題について、を章ごとに分けて
構成されています。どの章も、とても興味昧深く、日本人の原点を教え、また思い出させてくれる
深い内容でしたが、とくに印象的だった部分を少しご紹介させていただきます。
  
日本では、普段生活する中で「ありがとう」という言葉はよく使われていますが、韓国人の
感覚からすると「心にもない形式的」なものであり、形式的な場面や深く御礼をいう時以外は
あまり使わない言葉だそうです。
 
来日3年目の韓国人女子留学生からの感想として、「日本で生活していると、お寺に入って
心の修行をしているような気持ちになる」、という言葉が紹介されていました。
なぜかというと、「ありがとう」を頻繁に使うことにより、段々と本当にありかたい気持ちになっていき、
ほんの小さな事にも他人に感謝したい気分になってくるそうです。
 
かつて著者も、これと全く同じ体験をしたそうですが、文化の違いを感じると同時に、
言霊の力というものを改めて感じたエピソードでした。
 
その他にも、目からウロコの話題がたくさん詰まっている、日本人には特に一度は
お読みいただきたいオススメの一冊です。
 
                                 (にんげんクラブ会報誌2010年6月号より)



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