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藤原 正彦 著
新潮新書 刊
すでに売り上げ100万部を突破した大ベストセラー。
数学者である著者と一見固そうなタイトルから、手に取る前は
難しいイメージを受けますが、非常に明快かつ軽快な語り口調で終止楽しく読める一冊です。
論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神、
と強く提唱する著書の考えに、アメリカ型の論理的思考を持った人には
多少の抵抗や憤りを覚えるかもしれません。
しかしこの本をたとえ憤りながら読んだとしても
“すべての日本国民に一度は読んでもらいたい”と感じました。
藤原さんはこの本のしめくくりに「『たかが経済』それよりも大切なのは『国家の品格』である」と
経済至上主義の今の世の中に疑問符を投げかけ、
「この世界を本格的に救えるのは日本人しかいないと思う」と提言しています。
忘れていた日本人としての自信と誇りを思い出させてくれる傑作本だと思います。
(にんげんクラブ会報誌2006年4月号より抜粋)