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ヴィクトール・E・フランクル (著), 池田 香代子 (翻訳)
2002年11月 刊
出版社 みすず書房
第二次世界大戦中、悪名高きアウシュビッツでの体験を
ユダヤ人精神分析学者が客観的に人間の心理を書き出した本。
日本では、1956年に初版が出版され名著として読み継がれている傑作。
極限の状態の中で、人間はどのような行動をとるのか、どんな感情に
なるのかが冷静な視点から書かれた本書のほうが、より人間の感情の現実味を増す。
ガス室を作る存在、そしてまた、ガス室に入れられても、祈りの言葉を
口にする存在、どちらも同じ「人間」の行動です。
この本は非常時ほど、その人間の本質が明るみに出るときはないことを、教えてくれます。
そして、どんな状況にあっても、希望を捨てず、プラス発想を心がけることが
大切だということも教えてくれます。
(にんげんクラブ会報誌2007年1月号より)